JP2009023578A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンのばらつきや経年変化に対し、制御に対する応答性をより高めることが可能なハイブリッド車両の制御装置を提供する。
【解決手段】ハイブリッド車両の制御装置は、要求トルク算出手段と、内燃機関制御手段と、出力トルク推定手段と、マップ補正手段と、を備える。要求トルク算出手段は、運転条件に基づいて、内燃機関の要求トルクを算出する。内燃機関制御手段は、要求トルクと制御パラメータとの関係を示すマップを記録しており、算出された制御パラメータの値で内燃機関を制御する。出力トルク推定手段は、内燃機関の出力トルクを推定する。マップ補正手段は、要求トルクと出力トルクとの差分に基づいて、出力トルクが要求トルクと一致するようにマップを補正する。これにより、補正後のマップを用いて求められた各制御パラメータの値については、フィードバック制御を行う必要性がなくなり、制御に対する応答性を向上させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ハイブリッド車両の制御装置に関する。
近年、エンジンと、バッテリに充電された電力を利用して作動する他の動力源、例えばモータと、を備えたハイブリッド車両が知られている。ハイブリッド車両では、エンジントルクの目標値に対する不足分をモータにより補正している。モータの補正量は、予め設定されている。しかし、エンジンのばらつきや経年変化により、モータの必要な補正量は変化する。また、エンジンのばらつきや経年変化により、モータの補正量が増えれば、それだけ電池にも負荷がかかり、電池の寿命や性能にも影響する。以下の特許文献1には、モータ電流を基にエンジントルクを推定し、推定値と目標値との差分に基づいて、スロットル開度の補正値を算定し出力するハイブリッド車両が記載されている。
特開2000−310131号公報
しかしながら、特許文献1に記載のハイブリッド車両では、常にフィードバック制御を行う必要があるという問題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、エンジンのばらつきや経年変化に対して、より制御に対する応答性を向上させることが可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを課題とする。
本発明の1つの観点では、内燃機関と前記内燃機関の動力が入力されることにより発電する発電機とを備えたハイブリッド車両の制御装置は、運転条件に基づいて、前記内燃機関の要求トルクを算出する要求トルク算出手段と、前記要求トルクと前記内燃機関の制御パラメータとの関係を示すマップを記録しており、前記要求トルクを基に、前記マップを用いて前記制御パラメータの値を算出し、算出された前記制御パラメータの値で前記内燃機関を制御する内燃機関制御手段と、前記発電機の電流に基づいて、前記内燃機関の出力トルクを推定する出力トルク推定手段と、前記要求トルクと前記出力トルクとの差分を求め、前記差分に基づいて、前記出力トルクが前記要求トルクと一致するように前記マップを補正するマップ補正手段と、を備える。
上記のハイブリッド車両の制御装置は、内燃機関(エンジン)と前記内燃機関の動力が入力されることにより発電する発電機(モータ)とを備えたハイブリッド車両の制御装置である。ハイブリッド車両の制御装置は、要求トルク算出手段と、内燃機関制御手段と、出力トルク推定手段と、マップ補正手段と、を備える。要求トルク算出手段は、例えば、ハイブリッドECUにおけるフィードフォワード制御部であり、運転条件に基づいて、前記内燃機関の要求トルクを算出する。内燃機関制御手段は、例えば、エンジンECUにおけるフィードフォワード制御部であり、前記要求トルクと前記内燃機関の制御パラメータとの関係を示すマップを記録しており、前記要求トルクを基に、前記マップを用いて前記制御パラメータの値を算出し、算出された前記制御パラメータの値で前記内燃機関を制御する。出力トルク推定手段は、前記発電機の電流に基づいて、前記内燃機関の出力トルクを推定する。マップ補正手段は、例えば、ハイブリッドECUの学習機構部であり、前記要求トルクと前記出力トルクとの差分を求め、前記差分に基づいて、前記出力トルクが前記要求トルクと一致するように前記マップを補正する。このハイブリッド車両の制御装置によれば、マップ自体を補正することにより、補正後のマップを用いて求められた各制御パラメータの値については、フィードバック制御を行う必要性がなくなり、制御に対する応答性を向上させることができる。
上記のハイブリッド車両の制御装置の好適な実施例は、前記制御パラメータは、前記内燃機関の点火時期である。これにより、要求トルクと吸入空気量又は燃料噴射量との関係を示すマップを補正するよりも早く、出力トルクを要求トルクに一致させることができる。
上記のハイブリッド車両の制御装置の好適な実施例は、前記制御パラメータは、前記内燃機関の吸入空気量である。これにより、点火時期を大幅に進角する必要がなくなり、ノッキングの発生を防ぐことができる。
上記のハイブリッド車両の制御装置の好適な実施例は、前記制御パラメータは、前記内燃機関の燃料噴射量である。これによっても、これにより、点火時期を大幅に進角する必要がなくなり、ノッキングの発生を防ぐことができる。
上記のハイブリッド車両の制御装置の他の一態様は、前記内燃機関の吸気管における空燃比を検出する空燃比検出手段と、前記内燃機関の燃料噴射量に基づいて、前記内燃機関の吸気管における空燃比を推定する空燃比推定手段と、を備え、前記マップ補正手段は、前記要求トルクと前記出力トルクとの差分が生じている場合において、前記空燃比検出手段により検出された空燃比と前記空燃比推定手段により推定された空燃比とが一致しない場合には、前記要求トルクと前記内燃機関の燃料噴射量との関係を示す前記マップを補正し、前記空燃比検出手段により検出された空燃比と前記空燃比推定手段により推定された空燃比とが一致している場合には、前記要求トルクと前記内燃機関の吸入空気量との関係を示す前記マップを補正する。空燃比検出手段は、例えば、前記内燃機関の吸気管に取り付けられたA/Fセンサである。また、空燃比推定手段は、例えば、ハイブリッドECUの学習機構部である。このようにすることで、出力トルクの低下の原因を精度良く推定することができ、前記出力トルクを前記要求トルクに一致させる補正を的確に行うことができる。
上記のハイブリッド車両の制御装置の他の一態様は、前記マップは、前記要求トルクと前記内燃機関のスロットル開度と前記内燃機関の回転数との関係を示すトルクマップであり、前記マップ補正手段は、前記要求トルクと前記出力トルクとの差分が生じている場合において、前記出力トルクが前記要求トルクと一致するように前記トルクマップを補正する。このようにすることで、点火時期、吸入空気量、燃料噴射量といった制御パラメータのマップを補正しても、出力トルクが要求トルクと一致しなかった場合において、出力トルクを要求トルクに一致させることができると共に、トルクマップ自体を補正することにより、補正後のトルクマップを用いて求められたスロットル開度の値については、フィードバック制御を行う必要性がなくなる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[車両の構成]
まず、本発明の各実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置を適用したハイブリッド車両について説明する。以下に述べるハイブリッド車両の構成は、一般的なハイブリッド車両の構成と同様の構成となっている。
図1は、ハイブリッド車両100の概略構成を示す図である。ハイブリッド車両100は、主に、エンジン1と、車軸2と、車輪3と、モータ(モータジェネレータ)MG1、MG2と、プラネタリギヤ4と、インバータ5と、バッテリ6と、ECU(Electronic Control Unit)10と、を備える。
車軸2は、エンジン1及びモータMG2の動力を車輪3に伝達する動力伝達系の一部である。車輪3は、ハイブリッド車両100の車輪であり、説明の簡略化のため、図1では特に左右前輪のみが表示されている。エンジン1は、供給される燃料と空気との混合気を燃焼させることによって動力を発生する装置である。例えば、エンジン1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどによって構成される。エンジン1は、ハイブリッド車両100の主たる推進力を出力する動力源として機能する。エンジン1は、ECU10によって種々の制御が行われる。具体的には、ECU10は、エンジン1の点火時期や吸入空気量を制御したり、図示しないスロットルバルブの開度(スロットル開度)を制御したりする。
モータMG1は、主としてバッテリ6を充電するための発電機、或いはモータMG2に電力を供給するための発電機として機能するように構成されている。また、モータMG2は、主としてエンジン1の出力をアシスト(補助)する電動機として機能するように構成され、車軸2に動力を伝達することができるように構成されている。モータMG2の回転数は、ECU10によって制御される。
これらのモータMG1及びモータMG2は、例えば同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータとを備える。プラネタリギヤ(遊星歯車機構)4は、エンジン1の出力をモータMG1及び車軸2へ分配することが可能に構成され、動力分割機構として機能する。
インバータ5は、バッテリ6と、モータMG1及びモータMG2との間の電力の入出力を制御する直流交流変換機である。例えば、インバータ5は、バッテリ6から取り出した直流電力を交流電力に変換して、或いはモータMG1によって発電された交流電力をそれぞれモータMG2に供給すると共に、モータMG1によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ6に供給することが可能に構成されている。
バッテリ6は、モータMG1及びモータMG2を駆動するための電源として機能することが可能に構成された充電可能な蓄電池である。
ECU10は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などを備える。ECU10は、種々のセンサから供給される検出信号に基づいて、エンジン1やモータMG1、MG2などを制御する。例えば、ECU10は、図示しないアクセル開度センサから供給された検出信号を基に、エンジン1の要求トルクを決定する。そして、ECU10は、決定された要求トルクに基づいて、エンジン1を制御する。
[制御装置の構成]
次に、本発明の各実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の構成について説明する。図2は、各実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の概略構成を示す図である。
ハイブリッド車両の制御装置たるECU10は、大きく分けて、ハイブリッドECU10aとエンジンECU10bとより構成される。エンジンECU10bは、エンジン1を制御するためのECUである。ハイブリッドECU10aは、エンジンECU10bや、他のモータMG1、MG2などを制御する統合用のECUである。エンジンECU10bは、フィードフォワード制御部20bを有している。ハイブリッドECU10aは、フィードフォワード制御部20aと、学習機構部21と、出力トルク推定部22と、を有している。
フィードフォワード制御部20aは、入力されたアクセル開度などの運転条件に基づいて、エンジン1の要求トルクを求める。そして、フィードフォワード制御部20aは、求められたエンジン1の要求トルクを、制御信号Sig11として、学習機構部21とエンジンECU10bのフィードフォワード制御部20bとに供給する。
フィードフォワード制御部20bは、要求トルクと各制御パラメータとの関係を示すマップを記録しており、エンジン1の要求トルクを基に、当該マップを用いて、エンジン1の各制御パラメータの値を求める。各制御パラメータの例としては、点火時期、燃料噴射量、吸入空気量、スロットル開度、VVT(Variable Valve Timing)、作用角などがある。また、フィードフォワード制御部20aは、マップとして、要求トルクとスロットル開度とエンジン回転数との関係を示すトルクマップと、要求トルクと噴射時期、吸入空気量、燃料噴射量などの各制御パラメータとの関係を示すマップ(以下では、「制御パラメータマップ」と称する)と、を有している。
フィードフォワード制御部20bは、クランク角センサからの検出信号を基に、エンジン回転数を求め、要求トルクと当該エンジン回転数とを基に、トルクマップを用いて、スロットル開度を求める。また、フィードフォワード制御部20bは、要求トルクを基に、制御パラメータマップを用いて、噴射時期、吸入空気量、燃料噴射量などの各制御パラメータの値を求める。例えば、フィードフォワード制御部20bは、要求トルクを基に、要求トルクと点火時期との関係を示す制御パラメータマップを用いて、点火時期の値を求める。フィードフォワード制御部20bは、以上のようにして求められた各制御パラメータの値を、制御信号Sig12としてエンジン1に供給することにより、エンジン1を制御する。
エンジン1の動力は、一点鎖線の矢印Pw11に示すように、先に述べたプラネタリギヤ4により、モータMG1及び車軸2へ分配されて出力される。モータMG1は、分配されたエンジン1の動力によって、モータ軸が回転して発電する。モータMG1にて発生した電流は、検出信号Sig13として、ハイブリッドECU10aの出力トルク推定部22に供給される。
出力トルク推定部22は、モータMG1にて発生した電流に基づいて、エンジン1の出力トルクを推定する。出力トルク推定部22は、推定したエンジン1の出力トルクを制御信号Sig14として学習機構部21へ供給する。なお、出力トルク推定部22は、モータMG1にて発生した電流に基づいて、エンジン1の出力トルクを推定する代わりに、モータMG1のモータ軸の回転数を直接計測し、当該回転数に基づいて、エンジン1の出力トルクを推定するとしても良い。
学習機構部21は、エンジン1の要求トルクとエンジン1の出力トルクとの差分に基づいて、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように、トルクマップや制御パラメータマップといったマップを用いて求められた各制御パラメータの値を補正する制御、いわゆるフィードバック制御を行う。また、これに加えて、又はフィードバック制御を行う代わりに、エンジン1の要求トルクとエンジン1の出力トルクとの差分に基づいて、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように、マップ自体を補正する制御を行う。これらの制御は、学習機構部21が制御信号Sig15をエンジンECU10bのフィードフォワード制御部20bに供給することにより行われる。このようにする理由は、以下の通りである。
エンジン1の出力トルクは、エンジンばらつきや経年変化によって、エンジン1の要求トルクよりも低くなることが多い。そのため、例えば、特許文献1に記載のハイブリッド車両の制御装置では、エンジン1の要求トルクとエンジン1の出力トルクとの差分に基づいて、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように、エンジン回転速度と要求トルクとに基づいて求められたスロットル開度の値を補正するフィードバック制御が行われている。
しかしながら、フィードバック制御では、エンジン1の要求トルクとエンジン1の出力トルクとが一致しないことを検出してから、マップを用いて求められた各制御パラメータの値を補正するため、制御に対する応答性が良くないという問題があった。
そこで、本発明のハイブリッド車両の制御装置では、学習機構部21は、フィードバック制御を行うのに加えて、又は、フィードバック制御を行う代わりに、エンジン1の要求トルクとエンジン1の出力トルクとの差分に基づいて、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように、マップ自体を補正することとする。このように制御マップ自体を補正することによっても、エンジン1の出力トルクをエンジン1の要求トルクに一致させることができる。また、マップ自体を補正することにより、補正後のマップを用いて求められた各制御パラメータの値については、フィードバック制御を行う必要性がなくなり、制御に対する応答性を向上させることができる。以下の各実施形態において、具体的に述べることとする。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置におけるマップ補正処理について説明する。補正される制御パラメータとしては、主に、出力トルクへの影響が大きいと考えられる点火時期、吸入空気量、燃料噴射量の各制御パラメータが例として挙げられる。以下に、具体的に述べることとする。
(点火時期のマップ補正処理)
まず、制御パラメータとして点火時期を用いた場合のマップ処理の例について、図3に示すフローチャートを用いて具体的に述べることとする。
まず、ステップS101において、出力トルク推定部22は、モータMG1にて発生した電流に基づいて、エンジン1の出力トルクを推定する。
ステップS102において、学習機構部21は、推定されたエンジン1の出力トルクが、エンジン1の要求トルクと一致しているか否かについて判定する。学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致していないと判定した場合には(ステップS102:No)、要求トルクと点火時期との関係を示す制御パラメータマップを用いて求められた点火時期の値を補正する制御を行う(ステップS103)、具体的には、学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクよりも低下していると判定した場合には、マップを用いて求められた点火時期の値を進角するフィードバック制御を行う。その後、処理はステップS101に戻る。
一方、ステップS102において、学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致していると判定した場合には(ステップS102:Yes)、そのときの点火時期を、要求トルクと点火時期との関係を示す制御パラメータマップに反映する補正を行う(ステップS104)。具体的には、学習機構部21は、ステップS103で行われた点火時期の進角分だけ、要求トルクと点火時期との関係を示す制御パラメータマップにおける点火時期の各値を進角する補正を行う。このように、要求トルクと点火時期との関係を示す制御パラメータマップ自体を補正することにより、補正後の制御パラメータマップを用いて求められた点火時期の値については、フィードバック制御を行う必要性がなくなり、制御に対する応答性を向上させることができる。
なお、学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致していないと判定した場合において、フィードバック制御を行う代わりに、要求トルクと点火時期との関係を示す制御パラメータマップに対して補正を行うとしても良い。図4に示すフローチャートを用いて具体的に述べることとする。
まず、ステップS111において、出力トルク推定部22は、モータMG1にて発生した電流に基づいて、エンジン1の出力トルクを推定する。
ステップS112において、学習機構部21は、推定されたエンジン1の出力トルクが、エンジン1の要求トルクと一致しているか否かについて判定する。学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致していると判定した場合には(ステップS112:Yes)、処理を終了する。
一方、学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致していないと判定した場合には(ステップS112:No)、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように、要求トルクと点火時期との関係を示す制御パラメータマップに対して補正を行う(ステップS113)。例えば、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクよりも低下している場合には、要求トルクと点火時期との関係を示す制御パラメータマップに対し、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように点火時期を進角する補正を行う。具体的には、学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように、要求トルクと点火時期との関係を示す制御パラメータマップにおける点火時期の各値を進角する補正を行う。その後、学習機構部21は、処理をステップS111へ戻す。このようにすることで、学習機構部21は、要求トルクと点火時期との関係を示す制御パラメータマップの補正を行うことができると共に、点火時期の値を進角するフィードバック制御も同時に行うことができる。
このように、要求トルクと点火時期との関係を示す制御パラメータマップ自体を補正することにより、補正後の制御パラメータマップを用いて求められた点火時期の値については、フィードバック制御を行う必要性がなくなり、制御に対する応答性を向上させることができる。また、点火時期の補正は、吸入空気量又は燃料補正量の補正と比較して、出力トルクへの反応が早い。従って、要求トルクと点火時期との関係を示す制御パラメータマップを補正することにより、要求トルクと吸入空気量又は燃料噴射量との関係を示す制御パラメータマップを補正するよりも早く、出力トルクを要求トルクに一致させることができる。
(吸入空気量のマップ補正処理)
上記の例では、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致していない場合において、要求トルクと点火時期との関係を示す制御パラメータマップに対して点火時期を進角していた。
しかしながら、要求トルクと点火時期との関係を示す制御パラメータマップに対し、点火時期を大幅に進角する補正を行った場合には、ノッキングの発生が問題となる。また、点火時期を進角するのみでは、出力トルクを要求トルクに一致させることができない可能性がある。
このような問題を防ぐためには、点火時期を補正する代わりに、又は、点火時期を補正するのに加えて、他の制御パラメータを補正する必要がある。そこで、補正される制御パラメータの他の例として、吸入空気量を用いた場合の処理の例について、図5に示すフローチャートを用いて述べることとする。
まず、ステップS121において、出力トルク推定部22は、モータMG1にて発生した電流に基づいて、エンジン1の出力トルクを推定する。
ステップS122において、学習機構部21は、推定されたエンジン1の出力トルクが、エンジン1の要求トルクと一致しているか否かについて判定する。学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致していると判定した場合には(ステップS122:Yes)、処理を終了する。
一方、学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致していないと判定した場合には(ステップS122:No)、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように、要求トルクと吸入空気量との関係を示す制御パラメータマップに対して補正を行う(ステップS123)。例えば、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクよりも低下している場合には、要求トルクと吸入空気量との関係を示す制御パラメータマップに対し、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように吸入空気量を増加する補正を行う。具体的には、学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように、要求トルクと吸入空気量との関係を示す制御パラメータマップにおける吸入空気量の各値を増加する補正を行う。この後、学習機構部21は、処理をステップS121へ戻す。
このように、要求トルクと吸入空気量との関係を示す制御パラメータマップ自体を補正することにより、補正後の制御パラメータマップを用いて求められた吸入空気量の値については、フィードバック制御を行う必要性がなくなり、制御に対する応答性を向上させることができる。また、吸入空気量を増加する補正を行うことで、点火時期を大幅に進角する必要がなくなり、ノッキングの発生を防ぐことができる。更に、点火時期を進角する補正に加えて、吸入空気量を増加する補正を行うことにより、点火時期を進角する補正のみを行う場合よりも、エンジン1の出力トルクをエンジン1の要求トルクに一致させ易くすることができる。
なお、要求トルクと吸入空気量との関係を示す制御パラメータマップとしては、要求トルクに基づいて、吸入空気量そのものを直接求めるマップに限られるものではなく、代わりに、要求トルクに基づいて、吸入空気量の値を決定付けるパラメータを求めるマップであるとしてもよい。例えば、エンジン1の吸気系を、エネルギー保存則、質量保存則、状態方程式等を用いて構築された流体モデルとしてモデル化することにより、吸入空気量を推定する場合には、吸入空気量は、例えば、吸気管内圧力、吸気管内温度、大気温度の関数として求められる。この場合、フィードフォワード制御部20bは、要求トルクを基に、要求トルクと吸気管内圧力と吸気管内温度との関係を示すマップを用いて、吸気管内圧力の値と吸気管内温度の値とを求め、当該夫々の値に基づいて、エンジン1を制御すれば、結果的に、吸入空気量を制御することとなる。従って、この場合において、学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致していないと判定した場合には、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように、要求トルクと吸気管内圧力と吸気管内温度との関係を示すマップを補正するとすれば良い。これによっても、上記の効果と同様の効果を得ることができる。
また、上記の例は、エンジン1が定常状態となっている場合について述べたものである。しかし、例えば、車両の加速・減速時のように、スロットル開度が変化したときの状態、つまり、エンジン1の状態が定常状態でない過渡状態の場合であっても、本発明を適用可能である。具体的には、エンジン1の状態が過渡状態の場合において、学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致していないと判定した場合には、エンジン1の過渡状態時における要求トルクと吸入空気量との関係を示す制御パラメータのマップを補正するとすれば良い。これによっても、上記の効果と同様の効果を得ることができる。
ここで、エンジン1の吸気系を流体モデルとしてモデル化して、エンジン1の過渡状態時における吸入空気量を推定する場合について述べる。エンジン1の状態が過渡状態となっている場合には、吸入空気の比熱比を一定とみなすことができない。そのため、エンジン1の過渡状態時における吸入空気量を推定する流体モデルでは、吸気管内圧力と吸気管内温度の他、吸入空気の比熱比が、吸入空気量を推定する上で重要なパラメータとなる。そこで、学習機構部21は、エンジン1の状態が過渡状態となっている場合において、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致していないと判定した場合には、例えば、要求トルクと吸入空気の比熱比との関係を示すマップに対し、出力トルクが要求トルクと一致するように吸入空気の比熱比を補正することとする。このようにすることで、エンジン1の状態が過渡状態となっている場合においても、エンジン1の出力トルクをエンジン1の要求トルクに一致させるように、吸入空気量を補正することができる。
(燃料噴射量・吸入空気量のマップ補正処理)
上記の例では、点火時期、吸入空気量のマップ補正処理について述べた。しかし、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように補正することができる制御パラメータの例としては、上述の点火時期、吸入空気量に限られるものではない。これらの制御パラメータを用いる代わりに、又は、加えて、燃料噴射量を制御パラメータとして用いるとしてもよい。
燃料噴射量のマップ補正処理の場合も点火時期、吸入空気量のマップ補正処理と同様、学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致していないと判定した場合には、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように、要求トルクと燃料噴射量との関係を示す制御パラメータマップに対して補正を行う。例えば、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクよりも低下している場合には、要求トルクと燃料噴射量との関係を示す制御パラメータマップに対し、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように燃料噴射量を増加する補正を行う。具体的には、学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように、要求トルクと燃料噴射量との関係を示す制御パラメータマップにおける燃料噴射量の各値を増加する補正を行う。
ここで、制御パラメータとして、燃料噴射量と吸入空気量とを用いた場合の一例について述べる。この例では、学習機構部21は、燃料噴射量に基づいて推定された空燃比(推定空燃比)と、吸気管の燃料噴射弁の下流側に取り付けられたA/Fセンサを用いて計測された空燃比(計測空燃比)と、に基づいて、要求トルクと燃料噴射量との関係を示す制御パラメータマップに対して補正を行うか、又は、要求トルクと吸入空気量との関係を示す制御パラメータマップに対して補正を行うか、のどちらか一方を決定することとする。
具体的には、学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致していない場合において、計測空燃比が推定空燃比と異なっている場合には、要求トルクと燃料噴射量との関係を示す制御パラメータマップにおいて、出力トルクと要求トルクとの間に不一致が生じていると判定し、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように、要求トルクと燃料噴射量との関係を示す制御パラメータマップに対して補正を行うこととする。一方、学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致していない場合において、計測空燃比が推定空燃比と一致している場合には、要求トルクと吸入空気量との関係を示す制御パラメータマップにおいて、出力トルクと要求トルクとの間に不一致が生じていると判定し、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように、要求トルクと吸入空気量との関係を示す制御パラメータマップに対して補正を行うこととする。このようにすることで、出力トルクの低下の原因を精度良く推定することができ、エンジン1の出力トルクをエンジン1の要求トルクに一致させる補正を的確に行うことができる。
制御パラメータとして燃料噴射量と吸入空気量とを用いた場合の処理の例について、図6に示すフローチャートを用いて述べることとする。
まず、ステップS131において、出力トルク推定部22は、モータMG1にて発生した電流に基づいて、エンジン1の出力トルクを推定する。
ステップS132において、学習機構部21は、推定されたエンジン1の出力トルクが、エンジン1の要求トルクと一致しているか否かについて判定する。学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致していると判定した場合には(ステップS132:Yes)、処理を終了する。一方、学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致していないと判定した場合には(ステップS132:No)、ステップS133へ処理を進める。
ステップS133において、学習機構部21は、計測空燃比が推定空燃比と異なっているか否かについて判定を行う。学習機構部21は、計測空燃比が推定空燃比と異なっていると判定した場合には(ステップS133:Yes)、要求トルクと燃料噴射量との関係を示す制御パラメータマップにおいて、出力トルクと要求トルクとの間に不一致が生じていると判定し、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように、要求トルクと燃料噴射量との関係を示す制御パラメータマップに対して補正を行う。(ステップS134)。その後、学習機構部21は、ステップS131へ処理を戻す。
一方、ステップS133において、学習機構部21は、計測空燃比が推定空燃比と異なっていない、即ち、一致していると判定した場合には(ステップS133:No)、要求トルクと吸入空気量との関係を示す制御パラメータマップにおいて、出力トルクと要求トルクとの間に不一致が生じていると判定し、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように、要求トルクと吸入空気量との関係を示す制御パラメータマップに対して補正を行う(ステップS135)。その後、学習機構部21は、ステップS131へ処理を戻す。
このように、燃料噴射量又は吸入空気量の制御パラメータマップ自体を補正することにより、補正後の制御パラメータマップを用いて求められた各制御パラメータの値については、フィードバック制御を行う必要性がなくなる。また、計測空燃比が推定空燃比と異なっているか否かを検出することにより、出力トルクの低下の原因を精度良く推定することができ、エンジン1の出力トルクをエンジン1の要求トルクに一致させる補正を的確に行うことができる。
また、上記の例は、エンジン1が定常状態となっている場合について述べたものである。しかし、エンジン1の状態が過渡状態の場合であっても、本発明を適用可能である。具体的には、エンジン1の状態が過渡状態の場合には、学習機構部21は、ステップS134において、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように、エンジン1の過渡状態時における要求トルクと燃料噴射量との関係を示す制御パラメータマップに対し補正を行うとし、ステップS135において、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように、エンジン1の過渡状態時における要求トルクと吸入空気量との関係を示す制御パラメータマップに対し補正を行うとすればよい。これによっても、上記の効果と同様の効果を得ることができる。
エンジン1の過渡状態時における要求トルクと吸入空気量との関係を示す制御パラメータマップに対し補正を行う方法については、吸入空気量のマップ補正処理のところで述べた通りである。
エンジン1の過渡状態時において、要求トルクと燃料噴射量との関係を示す制御パラメータマップとしては、要求トルクに基づいて、燃料噴射量そのものを直接求めるマップに限られるものではなく、代わりに、要求トルクに基づいて、燃料噴射量の値を決定付けるパラメータを求めるマップであるとしてもよい。例えば、燃料噴射弁から噴射された燃料は、全て吸気管を通る吸入空気に混合されるわけではなく、実際には噴射燃料の一部が吸気弁や吸気管の壁面に付着する。そのため、燃料噴射量の補正量は、要求トルクに対し、直ちに反映させる即時補正項と、しばらくの間の噴射に少しずつ補正を加えていくテーリング項との関数として求めることができる。従って、即時補正項とテーリング項とが、エンジン1の過渡状態時における燃料噴射量を推定する上で重要なパラメータとなる。フィードフォワード制御部20bは、要求トルクを基に、要求トルクと即時補正項とテーリング項との関係を示すマップを用いて、即時補正項の値とテーリング項の値とを夫々求め、当該夫々の値に基づいて、エンジン1を制御すれば、結果的に、燃料噴射量が制御されることとなる。この場合において、学習機構部21は、ステップS134において、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致していないと判定した場合には、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するように、要求トルクと即時補正項とテーリング項との関係を示すマップに対し補正を行うとするとすれば良い。これによっても、上記の効果と同様の効果を得ることができる。
以上に述べたように、第1実施形態では、点火時期、吸入空気量、燃料噴射量の各制御パラメータの制御処理について述べた。第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置では、ハイブリッドECU10aのフィードフォワード制御部20aは、運転情報に基づいて、要求トルクを算出する。エンジンECU10bのフィードフォワード制御部20bは、要求トルクと各制御パラメータとの関係を示す各制御パラメータマップを記録しており、各制御パラメータマップを用いて各制御パラメータの値を求め、求められた各制御パラメータの値でエンジン1を制御する。出力トルク推定部22は、モータMG1の電流に基づいて、エンジン1の出力トルクを推定する。学習機構部21は、要求トルクと出力トルクとの差分を求め、当該差分に基づいて、出力トルクが要求トルクと一致するように、要求トルクと、点火時期、吸入空気量、燃料噴射量といった各制御パラメータマップを補正する。このように、制御パラメータマップ自体を補正することにより、制御パラメータマップ補正後においては、制御パラメータを補正するフィードバック制御を行う必要がなくなり、制御に対する応答性を向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。上述の第1実施形態では、学習機構部21は、要求トルクと出力トルクとの差分を求め、当該差分に基づいて、出力トルクが要求トルクと一致するように、点火時期、吸入空気量、燃料噴射量の各制御パラメータマップを補正することとしていた。
しかしながら、これらの制御パラメータマップを補正しても、エンジン1の状態によっては、出力トルクが要求トルクと一致しない場合がある。
そこで、本発明の第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置では、学習機構部21は、制御パラメータマップを補正する代わりに、又は、追加して、要求トルクとスロットル開度とエンジン回転数との関係を示すトルクマップを補正することとする。このようにトルクマップを補正することで、点火時期、吸入空気量、燃料噴射量の各制御パラメータマップを補正しても、出力トルクが要求トルクと一致しなかった場合において、出力トルクを要求トルクに一致させることができる。
トルクマップを補正する処理の例について、図7に示すフローチャートを用いて述べることとする。
まず、ステップS141において、出力トルク推定部22は、モータMG1にて発生した電流に基づいて、エンジン1の出力トルクを推定する。
ステップS142において、学習機構部21は、推定されたエンジン1の出力トルクが、エンジン1の要求トルクと一致しているか否かについて判定する。学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致していると判定した場合には(ステップS142:Yes)、処理を終了する。一方、学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致していないと判定した場合には(ステップS142:No)、ステップS143へ処理を進める。
ステップS143において、学習機構部21は、制御パラメータマップを補正することにより、出力トルクを要求トルクと一致させることが可能か否かについて判定する。具体的には、学習機構部21は、第1実施形態で述べたような、要求トルクと、点火時期、吸入空気量、燃料噴射量といった各制御パラメータとの関係を示す各制御パラメータマップの補正を実際に行うことにより、出力トルクを要求トルクと一致させることが可能か否かについて判定する。学習機構部21は、これらの各制御パラメータマップを補正することにより、エンジン1の出力トルクをエンジン1の要求トルクに一致させることができると判定した場合には(ステップS143:Yes)、これらの各制御パラメータマップの補正を行う(ステップS144)。
一方、学習機構部21は、要求トルクと、点火時期、吸入空気量、燃料噴射量といった各制御パラメータとの関係を示す各制御パラメータマップを補正しても、エンジン1の出力トルクをエンジン1の要求トルクに一致させることができないと判定した場合には(ステップS143:No)、即ち、学習機構部21は、要求トルクと、点火時期、吸入空気量、燃料噴射量といった制御パラメータとの関係を示す各制御パラメータマップの補正を実際に行ったにもかかわらず、エンジン1の出力トルクをエンジン1の要求トルクに一致させることができなかった場合には、出力トルクが要求トルクと一致するように、要求トルクとスロットル開度とエンジン回転数との関係を示すトルクマップを補正する。例えば、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクよりも低下している場合には、当該トルクマップに対し、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致するようにスロットル開度を大きくする補正を行う。具体的には、学習機構部21は、出力トルクが要求トルクと一致するように、トルクマップにおけるスロットル開度の各値を増加させる補正を行う。このようにすることで、要求トルクと、点火時期、吸入空気量、燃料噴射量といった各制御パラメータとの関係を示す各制御パラメータマップを補正しても、出力トルクが要求トルクと一致しなかった場合において、出力トルクを要求トルクに一致させることができる。また、トルクマップ自体を補正することにより、補正後のトルクマップを用いて求められたスロットル開度の値については、フィードバック制御を行う必要性がなくなる。
以上に述べたように、第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置では、要求トルクと出力トルクとの差分が生じている場合において、出力トルクが要求トルクと一致するようにトルクマップを補正することとする。このようにすることで、点火時期、吸入空気量、燃料噴射量といった各制御パラメータマップを補正しても、出力トルクが要求トルクと一致しなかった場合において、トルクマップを補正することにより出力トルクを要求トルクに一致させることができる。また、トルクマップ自体を補正することにより、補正後のトルクマップを用いて求められたスロットル開度の値については、フィードバック制御を行う必要性がなくなる。
[応用例]
次に、本発明の応用例について説明する。上述の各実施形態では、学習機構部21は、出力トルクが要求トルクと一致しなかった場合において、エンジンECU10bにおける各制御パラメータマップ及びトルクマップを補正することにより、出力トルクを要求トルクに一致させることとしている。それに対し、応用例に係るハイブリッド車両の制御装置では、学習機構部21は、ハイブリッドECU10aにおけるフィードフォワード制御部20aのエンジン応答遅れのマップを補正することとする。
ハイブリッドECU10aの走行制御では、フィードフォワード制御部20aは、エンジン1の状態が過渡状態となっている場合において、エンジン1の応答遅れを一次遅れであると仮定して、エンジンECU10bへ要求トルクを出力している。この一次遅れの時定数は、運転条件のマップとして求められる。このマップがエンジン応答遅れのマップである。エンジン1は、過渡状態時において、モータMG2によりアシストされる。しかしながら、運転条件のマップより求められる一次遅れの時定数は、実際の一次遅れの時定数と比較して、誤差が大きい。そのため、モータMG2により消費されるバッテリの電力は大きくなることが多くなり、バッテリの性能や寿命に悪影響が生じていた。
そこで、応用例に係るハイブリッド車両の制御装置では、エンジン1の過渡状態時において、エンジン1の応答遅れの時定数を学習して、エンジン応答遅れマップを補正することとする。このようにすることで、マップ補正後においては、精度良くエンジン1の要求トルクを決めることができる。
過渡状態時におけるエンジン応答遅れマップ補正処理について、図8に示すフローチャートを用いて述べる。
まず、ステップS151において、出力トルク推定部22は、モータMG1にて発生した電流に基づいて、エンジン1の出力トルクを推定する。
次に、ステップS152において、学習機構部21は、推定されたエンジン1の出力トルクが、エンジン1の要求トルクと一致しているか否かについて判定する。学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致していると判定した場合には(ステップS152:Yes)、処理を終了する。一方、学習機構部21は、エンジン1の出力トルクがエンジン1の要求トルクと一致していないと判定した場合には(ステップS152:No)、エンジン応答遅れマップを補正する(ステップS153)。具体的には、学習機構部21は、出力トルクが要求トルクと一致するように、エンジン応答遅れマップにおける時定数の各値を補正する。
以上に述べたようにすることで、ハイブリッドECU10aにおけるフィードフォワード制御部20aは、マップ補正後のエンジン1の過渡状態時において、精度良くエンジン1の要求トルクを決めることができる。
ハイブリッド車両の概略構成を示す図である。 ハイブリッド車両の制御装置の概略構成を示す図である。 点火時期を用いた場合のマップ補正処理の例を示すフローチャート。 点火時期を用いた場合のマップ補正処理の例を示すフローチャート。 吸入空気量を用いた場合のマップ補正処理の例を示すフローチャート。 燃料噴射量と吸入空気量とを用いた場合のマップ補正処理を示すフローチャート。 トルクマップ補正処理を示すフローチャート。 過渡状態時におけるエンジン応答遅れマップ補正処理を示すフローチャート。
符号の説明
1 エンジン
10 ECU
10a ハイブリッドECU
10b エンジンECU
20a、20b フィードフォワード制御部
21 学習機構部
22 出力トルク推定部
MG1 モータ
100 ハイブリッド車両

Claims (6)

  1. 内燃機関と前記内燃機関の動力が入力されることにより発電する発電機とを備えたハイブリッド車両の制御装置であって、
    運転条件に基づいて、前記内燃機関の要求トルクを算出する要求トルク算出手段と、
    前記要求トルクと前記内燃機関の制御パラメータとの関係を示すマップを記録しており、前記要求トルクを基に、前記マップを用いて前記制御パラメータの値を算出し、算出された前記制御パラメータの値で前記内燃機関を制御する内燃機関制御手段と、
    前記発電機の電流に基づいて、前記内燃機関の出力トルクを推定する出力トルク推定手段と、
    前記要求トルクと前記出力トルクとの差分を求め、前記差分に基づいて、前記出力トルクが前記要求トルクと一致するように前記マップを補正するマップ補正手段と、を備えることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記制御パラメータは、前記内燃機関の点火時期であることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記制御パラメータは、前記内燃機関の吸入空気量であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  4. 前記制御パラメータは、前記内燃機関の燃料噴射量であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  5. 前記内燃機関の吸気管における空燃比を検出する空燃比検出手段と、
    前記内燃機関の燃料噴射量に基づいて、前記内燃機関の吸気管における空燃比を推定する空燃比推定手段と、を備え、
    前記マップ補正手段は、前記要求トルクと前記出力トルクとの差分が生じている場合において、前記空燃比検出手段により検出された空燃比と前記空燃比推定手段により推定された空燃比とが一致しない場合には、前記要求トルクと前記内燃機関の燃料噴射量との係を示す前記マップを補正し、前記空燃比検出手段により検出された空燃比と前記空燃比推定手段により推定された空燃比とが一致している場合には、前記要求トルクと前記内燃機関の吸入空気量との関係を示す前記マップを補正することを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  6. 前記マップは、前記要求トルクと前記内燃機関のスロットル開度と前記内燃機関の回転数との関係を示すトルクマップであり、
    前記マップ補正手段は、前記要求トルクと前記出力トルクとの差分が生じている場合において、前記出力トルクが前記要求トルクと一致するように前記トルクマップを補正することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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