JP2009019881A - 樹幹内診断方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】、樹幹内の状態を非破壊で正確に診断できる樹幹内診断装置等を提供することを課題とする。
【解決手段】樹幹2内に振動を加え、該振動を受振して周波数成分を分析することにより樹幹2内が正常であるか否かの診断を非破壊で行う樹幹内診断方法において、樹幹2を打撃することにより振動を加え、樹幹2と非接触な状態で配置され多方位から音波を受振可能なマイクロホン7により前記振動を音波として受振し、受振した音波の周波数成分から共振周波数Fを検出し、該共振周波数Fと、樹幹2内が正常である場合における共振周波数Fとを比較することにより樹幹2内の診断を行う。
【選択図】図1

Description

この発明は、樹幹内の状態を非破壊で診断する樹幹内診断方法及び装置に関する。
腐朽等の欠陥がある樹木1は、強度が弱く、見た目も悪いため、木材としての価値が低く、早期の間伐が望まれる。しかし、腐朽等の欠陥は、樹幹内部に発生することが殆どであり、樹木を破壊することなく樹幹内の状態を診断できる技術が切望されていた。このような背景から、樹幹に振動を加えて内部に振動波を伝搬させ、該振動波を受振して周波数成分を分析することにより樹幹内の診断を非破壊で行う非特許文献1に示すような樹幹内診断方法が公知となっている。
また、非特許文献1と略同一構成の樹幹内診断方法として図7に示すものがある。同図に示す樹幹内診断方法は、ハンマー51等で樹木52の幹53(樹幹)を打撃して振動を加え、樹幹53内を伝搬した振動波を、樹幹53に押し当てた加速度ピックアップセンサ等の受振器54により受振し、周波数分析装置56(FFTアナライザ)を用いて周波数分析を行うことにより、樹幹53内の診断を非破壊で行う構成になっている。
釜口、他2名、「横打撃共振法によるスギ立木の心材含水率非破壊的推定」、木材学会誌、木材学会、2000年、第46巻、第1号、p.13−19
しかし、非特許文献1及び図7の樹幹内診断方法は、受振器54を一定以上の力で樹幹に押し当てる必要があり、樹皮の状態によって手ブレ等が生じて樹幹53内の振動波をうまく測定できない場合がある。また、樹幹53内に非対称な心材腐朽等が発生していると、受振器54を押し当てる箇所によって周波数成分が異なり、樹幹53内診断に支障をきたすことがあるという問題もある。さらに、受振器54として用いる加速度ピックアップセンサ54及び加速度ピックアップセンサ54を接続可能な周波数分析器56が相当高価であるため、診断コストが高くなってしまうという問題もある。
上記課題を解決するため本発明は、第1に樹幹2内に振動を加え、該振動を受振して周波数成分を分析することにより樹幹2内が正常であるか否かの診断を非破壊で行う樹幹内診断方法において、樹幹2と非接触な状態で配置され多方位から音波を受振可能なマイクロホン7により前記振動を音波として受振することを特徴としている。
第2に、樹幹2を打撃することにより振動を加えることを特徴としている。
第3に、受振した音波の周波数成分から共振周波数Fを検出し、該共振周波数Fと、樹幹2内が正常である場合における共振周波数Fとを比較することにより樹幹2内の診断を行うことを特徴としている。
第4に、受振した音波の周波数成分における極大値を示す周波数のうちで、最も低い周波数を共振周波数Fとしたことを特徴としている。
第5に、受振した音波の周波数成分のうちから、樹幹2の径D、材質等の構成から共振周波数Fとなることが想定し難い低周波成分及び高周波成分を除去し、共振周波数Fの検出精度を高めたことを特徴としている。
第6に、樹幹2内に加えられた振動を受振する受振手段9と、該振動から周波数成分を分析する分析手段13とを備え、樹幹2内が正常であるか否かの診断を非破壊で行う樹幹内診断装置において、受振手段9が、多方位から受振可能なマイクロホン7を樹幹2と非接触で配置することにより、樹幹2内の振動を音波として受振することを特徴としている。
第7に、分析手段13が、音波信号をフーリエ変換処理して周波数成分を算出する処理部17を備えたことを特徴としている。
第8に、分析手段13が、樹幹2の共振周波数Fを検出する検出部19を備え、該共振周波数Fと、樹幹2内が正常である場合における共振周波数Fとを比較することにより樹幹2内の診断を行うことを特徴としている。
第9に、樹幹2が正常である場合の共振周波数Fがデータベース12に蓄積されたことを特徴としている。
第10に、検出部19が、受振した音波の周波数成分における極大値を示す周波数のうちで最も低い周波数を共振周波数Fとして検出することを特徴としている。
第11に、分析手段13が、受振した音波の周波数成分のうちから、樹幹2の径D、材質等の構成から共振周波数Fとなることが想定し難い低周波数成分及び高周波数成分を除去する除去部18を備えたことを特徴としている。
以上のように構成される本発明によれば、樹幹内の振動を受振する受振手段として樹幹と接触させる必要がないマイクロホンを用いるため、樹皮の状態によって手ブレ等が生じて樹幹内の振動波をうまく測定できない事態が防止されるとともに、多方位からの受信可能なマイクロホンを用いるため、受振する箇所によって周波数成分が変動することも防止される。以上により、正確な周波数成分の分析を行うことが可能になり、樹幹内診断の精度が向上するという効果がある。くわえて、多方位からの受信可能なマイクロホンは安価で、パソコン等の汎用品に接続して使用できるため、樹幹内診断のコストを低く抑えることが可能になる。
図1は、本発明を適用した樹幹内診断方法の模式図である。本発明の適用した樹幹内診断方法は、縦方向の樹木1の幹2(樹幹)を、樹幹2の軸方向に対して垂直方向(即ち、ここでは横方向)から木槌等のハンマー3で打撃して、樹幹2に振動を加え、該振動を本発明の樹幹内診断装置を適用した診断装置4で受振して周波数分析を行うことにより樹幹2内の診断を行うように構成されている。
診断装置4は、パソコン6と、パソコン6のマイク端子に接続されるマイクロホン7とからなる。該マイクロホン7は、多方位からの音波を受振可能な無指向性のものを用い、ハンマー3で樹幹2を打撃した際に発生する打撃音がひろえる程度に樹幹2に近づけられる一方で、樹幹2とは接触させないように樹幹2周囲に配置され、ハンマー3により樹幹2に与えた振動を音波として受振する。
図2は、診断装置の構成を示すブロック図である。診断装置4は診断システム8を搭載している。診断システム8は、音波を受振する受振手段9と、パソコン6のキーボードやマウス及びユーザインターフェース画面等からなる入力手段11と、樹木1の種類や樹幹2の径Dに対応した各種データが蓄積されているデータベース12と、受振した音波を分析する分析手段13と、分析手段13による分析結果を診断装置4に表示する出力手段14とから構成されている。
受振手段9は、前述のマイクロホン7と、マイクロホン7からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部16とからなり、ハンマー3で樹幹2を打撃した際の打撃音を、デジタル信号に変換してパソコン6等で処理可能な状態にした後、分析手段13に送る。
分析手段13は、受振手段9から送られてきたデジタル信号をFFT変換処理(高速フーリエ変換処理,Fast Fourier Transfrom)して上記打撃音に関する周波数成分を算出する処理部17と、上記打撃音の周波数成分から不要な周波数成分を除去する除去部18と、不要な周波数成分が除去された上記打撃音の周波数成分から樹幹内診断に必要な樹幹2の共振周波数F(横打撃共振周波数)を検出する検出部19と、検出された樹幹2の共振周波数Fから樹幹2内の状態を推定する推定部21とから構成されている。
なお、入力手段11によって樹木1の種類及び樹幹直径Dが入力され、データベース12には樹幹2が健全木である場合(正常である場合)の樹木1の種類及び樹幹2の径Dに応じた共振周波数Fが記録されている。上記入力データ及びデータベース12のデータを用いて、除去部18における処理及び推定部21における樹幹2内の状態推定を行う。
図3は、心材腐朽が発生している樹木の幹をハンマーで横方向から打撃した際に発生する打撃音の周波数スペクトルの一例を表す特性グラフである。同図に示す特性グラフでは、横軸が周波数に、縦軸が強度に対応しており、上記強度が高いほどその周波数の正弦波(又は余弦波)がより多く打撃音に含まれていることを意味している。
樹幹2を打撃した際の打撃音は、強度が所定の周波数帯で極大値となるような特性を有しており、極大値を示す周波数が樹幹2の共振周波数Fとなる。そして、強度が極大値を示す周波数のうちで最も低い周波数における極大値P(1次ピーク)と、その次に低い周波数における極大値P(2次ピーク)と、その次に低い周波数における極大値P(3次ピーク)とでは、1次ピークPが最も樹幹2内の情報をより正確に捉えたものであることが実験等から明らかになっている。
よって、上記検出部19では打撃音の周波スペクトルから1次ピークPを検出し、推定部21では該1次ピークPを示す周波数を共振周波数Fとして樹幹内診断に用いる(図3においては880Hzが樹幹内診断に用いる共振周波数Fになる)。なお、上記データベース12には、上記1次ピークPを示す周波数が共振周波数Fとして蓄積されている。なお、樹幹に与える打撃の大きさ等により、1次ピークや2次ピークぐらいまでしか検出されないこともある。
そして、樹幹2の共振周波数Fは、粗密波である縦振動に関する以下の式でモデル化できる。
Figure 2009019881
Dは樹幹直径(cm)、Fは共振周波数(Hz)、Eは縦弾性係数であるヤング率(Pa)、ρは密度(g/cm)、kは形状係数を意味し、上記形状定数kは常に略一定であると仮定する。そして、同一種類且つ同一径の樹木1において、樹幹2内が腐朽した樹木1は、健全木と比較して、ヤング率E及び密度ρの両方が低下するとともに樹幹直径Dと共振周波数Fとの乗算値D・Fが低下することが実験等から明らかになった。また、この関係を樹幹直径Dが略同一の樹木1で考えると、樹幹2内に腐朽が発生している場合の共振周波数Fは、樹幹2内が健全な場合の共振周波数よりも低くなる。
上記特性から、本診断装置4は、検出部19により検出される共振周波数Fと、同一種類且つ同一径の健全木における樹幹2の共振周波数Fとを推定部21において比較することにより、樹幹2内が腐朽しているか否かの判断を行う構成になっている。ちなみに、同一種類且つ同一径の健全木における樹幹2の共振周波数Fのデータは前述したようにデータベース12から取得する。
また、樹幹2内が腐朽している場合における共振周波数Fの減少率と、樹幹断面(ハンマー3で打撃した部分における樹幹2の垂直断面)に占める腐朽部分の面積の割合である腐朽面積率との関係は、樹木1の種類に拘わらず略同一になることが実験等で明らかになっている。このため、本診断装置4は、所定の種類の樹木1における共振周波数Fの減少率と腐朽面積率との関係を求めてデータベース12に蓄積しておくことにより、診断対象となっている樹幹2の腐朽面積率を推定部21によって算出する構成になっている。
以上のようにして、本診断装置4は、樹幹2内が腐朽しているか否かの判断及び樹幹2内が腐朽している場合には腐朽面積率の算出を行い、これによって樹幹内診断を行う。なお、前述の除去部18は、診断対象の樹幹2と同一種且つ同一径の健全木の共振周波数Fと、算出される樹幹2の周波数成分とを対比し、腐朽による減少率等を考慮しても共振周波数Fとなることが想定し難い高周波数成分及び低周波数低分をカットするように構成されており、1次ピークPの検出精度を向上させている。
次に、診断システム8のユーザインターフェース画面について説明する。
図4は、本診断装置のユーザインターフェース画面を示している。本診断装置4は、グラフィカルユーザインターフェース22(GUI)を備えており、樹木1の種類と樹幹直径Dを入力する入力欄23と、周波数スペクトル及び該周波数スペクトルより検出された1次ピークP、2次ピークP及び3次ピークPでの各周波数を表示する検出結果表示欄24と、診断結果を表示する診断結果表示欄26と、該診断結果をパソコン6内に保存する「保存」ボタン27と、保存せずに次の樹幹内診断に移行する「次へ」ボタン28とから構成されている。そして、上記診断結果表示欄26では、樹幹2内が腐朽しているか否かの判定結果を表示する判定結果欄26aと、算出された腐朽面積率を表示する推定腐朽面積率欄26bとを備えている。
また、本診断システム8は、パソコン6のOS(オペレーティングシステム)上で常駐するソフトであり、所定音量以上の音波の受振手段9への入力を常に監視し、所定以上の音量の音波が入力されると、その音をハンマー3による打撃音とみなし、前述した処理に基づき樹幹内診断を行い、上記検出結果表示欄24に検出結果を、診断結果表示欄26に診断結果を表示するように構成されている。
さらに、入力欄23に、樹木1の種類や樹幹直径Dが入力されていない場合には、検出結果表示欄24に周波数スペクトル、1次ピークP、2次ピークP及び3次ピークPが表示されるとともに、診断結果表示欄26に「樹木種類が○○で、樹幹直径が○○cmの場合は樹幹内に腐朽が無しで、推定腐朽面積率が0%」、「樹木種類が△△で、樹幹直径が△△cmの場合は樹幹内に腐朽が有りで、推定腐朽面積率が△△%」等の表示が樹木1の種類毎、樹幹直径D毎にされる。
診断システム8の上記構成によれば、所定音量以上の音よって樹幹内診断処理が自動的に開始されるため、同一種類且つ同一直径の樹木1の樹幹内診断を行う際、樹木1毎にデータを入力し直す手間が省かれ、樹幹内診断作業を効率的に行うことできる。また、樹木1の種類や樹幹直径Dの異なる樹木1を診断する場合にも、前述したように樹木1の種類毎、樹幹直径D毎に診断結果が表示され、診断対象の樹木1の種類や樹幹直径Dを作業者が目視により確認して適切なデータを選択すればよいため、樹幹内診断を効率的に行うことが可能になる。
なお、本診断装置4では、診断システム8をパソコン6に搭載したが、マイクロホン7が接続可能で診断システム8に関するプログラムを実行できる装置であれば、PDAや携帯電話等を用いてもよい。
また、本診断装置4では、腐朽した樹木1の特性を用いて樹幹内診断を行っているが、樹木の腐朽以外に、樹木が冷却されて樹幹に縦方向の裂け目ができる「凍裂」、スギの内部が黒く変色する「スギ黒心」、細菌等による変色する「材変色」、急傾斜で育ったことにより繊維や密度等が偏る「あて」、乾燥等によって内部に裂け目できる「内部割」が生じた場合の樹木1の特性を利用することもできる。これらの状態が生じた場合、樹木1の樹幹直径Dと共振周波数Fとの乗算値D・Fは下記表のようになる。
Figure 2009019881
樹木1の種類によって、これらの異常状態が生じる確率がかなり異なるため、健全木の共振周波数Fと、検出した共振周波数Fとを比較することにより、樹幹内にどのような異常が生じているかも、ある程度推測可能になる。ちなみに、樹幹内の腐朽は多くの樹木に生じる異常であるため、上記診断装置4では、腐朽した樹木1の特性を樹幹内診断に用いている。
次に、樹幹2に接触させる必要のない受振手段であるマイクロホン7を用いた樹幹内診断方法(音響法)と、樹幹2に接触させる必要がある受振手段である加速度ピックアップセンサ29を用いた樹幹内診断方法(振動法)との比較例について、以下に説明する。図5(A)は振動法での樹幹内診断方法を示した模式図であり、(B)は音響法での樹幹内診断方法を示した模式図である。
診断対象の樹木1としては、直径Dが18cmの向上ヒノキを用い、樹幹2内に三日月状の隙間Sを切抜形成し、樹幹2内部が腐朽しているのを同様の状態にして1次ピークPが920〜960Hz、2次ピークPが1180〜1220Hz、3次ピークPが1460〜1540Hzとなる状態にした。そして、樹幹2の打撃箇所Iを同一にし、振り子を用いて上記打撃箇所Iを略一定の力で打撃して、比較実験を行った。
上記比較実験において、振動法では、加速度ピックアップセンサ29(小野測器社製NP400)をFFTアナライザ31(小野測器社製CF1200)に接続し、樹幹2周囲上における等間隔な計60点において上記加速度ピックアップ29を押し当て、1次ピークPにおける強度及び2次ピークPにおける強度を計測した。
一方、音響法では、樹幹2からマイクロホン7を5cm又は30cmに離して設置し、各距離において1次ピークP及び2次ピークPにおける強度を計測した。なお、マイクロホン7(多方位からの音波を受振可能な無指向性のマイクロホン)をパソコン6に接続し、受振した音波を周波数分析プログラム(フリーウェアであるWaveSpectra)で周波数分析して1次ピークP及び2次ピークPの強度を算出した。
図6(A)は振動法での各計測点における1次ピーク及び2次ピークの強度を示した特性グラフであり、(B)は樹幹から5cm離してマイクロホンを設置した場合の音響法での各計測点における1次ピーク及び2次ピークの強度を示した特性グラフであり、(C)は樹幹から30cm離してマイクロホンを設置した場合の音響法での各計測点における1次ピーク及び2次ピークの強度を示した特性グラフでる。同図(A)に示すように、振動法においては、1次ピークP及び2次ピークPの強度が樹幹2周囲で一定せず、1次ピークPの強度が低く、極大値として検出しずらい箇所が幾つかあった。このような場合、2次ピークPを1次ピークPとして検出してしまう恐れがあり、正確な樹幹内診断を行うことが困難である。
一方、音響法においては、同図(B),(C)に示すように、樹幹2周囲全体にわたり安定して高い強度の1次ピークPが検出され、さらに、マイクロホン7を5cm離した場合(同図(B)参照)よりも30cm(同図(C)参照)離した場合の方が、2次ピークPに対して安定した高い強度の1次ピークPが検出されている。
上記結果から、振動法よりも音響法が正確に共振周波数Fを検出することができとともに、音響法においても樹幹2から所定距離以上離した方が共振周波数Fの検出がより正確にできることが分かる。
本発明を適用した樹幹内診断方法の模式図である。 診断装置の構成を示すブロック図である。 心材腐朽が発生している樹木の幹をハンマーで横方向から打撃した際に発生する打撃音の周波数スペクトルの一例を表す特性グラフである。 本診断装置のユーザインターフェース画面を示している。 (A)は振動法での樹幹内診断方法を示した模式図であり、(B)は音響法での樹幹内診断方法を示した模式図である。 (A)は振動法での各計測点における1次ピーク及び2次ピークの強度を示した特性グラフであり、(B)は樹幹から5cm離してマイクロホンを設置した場合の音響法での各計測点における1次ピーク及び2次ピークの強度を示した特性グラフであり、(C)は樹幹から30cm離してマイクロホンを設置した場合の音響法での各計測点における1次ピーク及び2次ピークの強度を示した特性グラフでる。 従来公知の樹幹内診断方法の模式図である。
符号の説明
2 樹幹(幹)
7 マイクロホン
9 受振手段
12 データベース
13 分析手段
17 処理部
18 除去部
19 検出部
D 樹幹直径(径,直径)
F 共振周波数(横打撃共振周波数)

Claims (11)

  1. 樹幹(2)内に振動を加え、該振動を受振して周波数成分を分析することにより樹幹(2)内が正常であるか否かの診断を非破壊で行う樹幹内診断方法において、樹幹(2)と非接触な状態で配置され多方位から音波を受振可能なマイクロホン(7)により前記振動を音波として受振する樹幹内診断方法。
  2. 樹幹(2)を打撃することにより振動を加える請求項1又は2の樹幹内診断方法。
  3. 受振した音波の周波数成分から共振周波数(F)を検出し、該共振周波数(F)と、樹幹(2)内が正常である場合における共振周波数(F)とを比較することにより樹幹(2)内の診断を行う請求項1又は2の樹幹内診断方法。
  4. 受振した音波の周波数成分における極大値を示す周波数のうちで、最も低い周波数を共振周波数(F)とした請求項3の樹幹内診断方法。
  5. 受振した音波の周波数成分のうちから、樹幹(2)の径(D)、材質等の構成から共振周波数(F)となることが想定し難い低周波成分及び高周波成分を除去し、共振周波数(F)の検出精度を高めた請求項3又は4の樹幹内診断方法。
  6. 樹幹(2)内に加えられた振動を受振する受振手段(9)と、該振動から周波数成分を分析する分析手段(13)とを備え、樹幹(2)内が正常であるか否かの診断を非破壊で行う樹幹内診断装置において、受振手段(9)が、多方位から受振可能なマイクロホン(7)を樹幹(2)と非接触で配置することにより、樹幹(2)内の振動を音波として受振する樹幹内診断装置。
  7. 分析手段(13)が、音波信号をフーリエ変換処理して周波数成分を算出する処理部(17)を備えた請求項6の樹幹内診断装置。
  8. 分析手段(13)が、樹幹(2)の共振周波数(F)を検出する検出部(19)を備え、該共振周波数(F)と、樹幹(2)内が正常である場合における共振周波数(F)とを比較することにより樹幹(2)内の診断を行う請求項6,7又は8の樹幹内診断装置。
  9. 樹幹(2)が正常である場合の共振周波数(F)がデータベース(12)に蓄積された請求項8の樹幹内診断装置。
  10. 検出部(19)が、受振した音波の周波数成分における極大値を示す周波数のうちで最も低い周波数を共振周波数(F)として検出する請求項9の樹幹内診断装置。
  11. 分析手段(13)が、受振した音波の周波数成分のうちから、樹幹(2)の径(D)、材質等の構成から共振周波数(F)となることが想定し難い低周波数成分及び高周波数成分を除去する除去部(18)を備えた請求項8,9又は10の樹幹内診断装置。
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