JP2009019738A - 転がり軸受の固定構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】外輪のクリープの発生を防止し、耐久性に優れた転がり軸受固定構造を提供することを目的とする。
【解決手段】内輪1と、外輪2と、内輪1と外輪2との間に転動自在に設けた複数の転動体であるボール3とを備えた転がり軸受を、ハウジング11に組み付け固定してなる転がり軸受の固定構造において、外輪2の外周面7に周方向に延びる円周溝8と、該円周溝8に連通し、軸方向巾が円周溝8より広い巾広凹部9とを設け、ハウジング11に外輪2の円周溝8に油を供給する油供給路12を設けたものである。
【選択図】図1
【解決手段】内輪1と、外輪2と、内輪1と外輪2との間に転動自在に設けた複数の転動体であるボール3とを備えた転がり軸受を、ハウジング11に組み付け固定してなる転がり軸受の固定構造において、外輪2の外周面7に周方向に延びる円周溝8と、該円周溝8に連通し、軸方向巾が円周溝8より広い巾広凹部9とを設け、ハウジング11に外輪2の円周溝8に油を供給する油供給路12を設けたものである。
【選択図】図1
Description
本発明は自動車用トランスミッション等に用いられる転がり軸受の固定構造に関するものである。
一般に転がり軸受は、内輪と、外輪と、内輪と外輪との間に配置された複数のボールとを備え、ハウジングに外輪が支持固定されるものである。
そして、ハウジングへの組付けを容易にするために、外輪はハウジングに対してルーズ嵌め合いになっている。
このように外輪とハウジングとの嵌め合いがルーズに設定されているため、エンジン振動や、高速回転する回転軸のアンバランス荷重が大きい場合にその荷重が外輪に作用することにより、外輪のクリープが発生する場合があった。
そこで、従来より、外輪のクリープが発生することを防止するため、外輪の外周に溝を周設し、この溝に線膨張係数の大きな樹脂材料を被覆してクリープの防止を図るものがある(例えば、特許文献1参照)。
実開平1−77136号公報(第1〜2頁、第6図)
そして、ハウジングへの組付けを容易にするために、外輪はハウジングに対してルーズ嵌め合いになっている。
このように外輪とハウジングとの嵌め合いがルーズに設定されているため、エンジン振動や、高速回転する回転軸のアンバランス荷重が大きい場合にその荷重が外輪に作用することにより、外輪のクリープが発生する場合があった。
そこで、従来より、外輪のクリープが発生することを防止するため、外輪の外周に溝を周設し、この溝に線膨張係数の大きな樹脂材料を被覆してクリープの防止を図るものがある(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記のような従来の転がり軸受の場合、外輪の外周に周設した溝に線膨張係数の大きな樹脂材料を被覆したものでは、樹脂材料の温度変化が大きいために外輪と樹脂材料との間に緩みが生じたり、樹脂材料では耐久性の点で劣る場合があった。
本発明はかかる問題点を解決するためになされたもので、外輪のクリープを抑制し、耐久性に優れた転がり軸受固定構造を提供することを目的とする。
本発明はかかる問題点を解決するためになされたもので、外輪のクリープを抑制し、耐久性に優れた転がり軸受固定構造を提供することを目的とする。
本発明に係る転がり軸受の固定構造は、内輪と、外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に設けた複数の転動体とを備えた転がり軸受を、ハウジングに組み付け固定してなる転がり軸受の固定構造において、前記外輪の外周面に周方向に延びる円周溝と、該円周溝に連通し、軸方向巾が前記円周溝より広い巾広凹部とを設け、前記ハウジングに前記外輪の円周溝に油を供給する油供給路を設けたものである。
本発明に係る転がり軸受の固定構造においては、転がり軸受の外輪の外周面に周方向に延びる円周溝と、該円周溝に連通し、軸方向巾が前記円周溝より広い巾広凹部とを設け、ハウジングに外輪の円周溝に油を供給する油供給路を設けたので、ハウジングに転がり軸受の外輪が嵌合支持されて使用された場合に、ハウジングの油供給路から外輪の円周溝に供給された潤滑油は円周溝を経て巾広凹部にも供給され、円周溝の油圧面積より巾広凹部の油圧面積が広いため、油圧による巾広凹部を径方向に押圧する力が大きくなるため、外輪外周面のハウジング内周面への押圧力が周方向で偏り、そのために押圧力が大きい箇所の反対側(周方向で180°ずれた箇所近傍)に摩擦抵抗が発生することにより、外輪のクリープを抑制するという効果がある。
また、外輪に油路である円周溝と巾広凹部を設けるだけの構成であり、動きを伴う機械的な構成でないので、耐久性に優れたものとなっているという効果もある。
また、外輪に油路である円周溝と巾広凹部を設けるだけの構成であり、動きを伴う機械的な構成でないので、耐久性に優れたものとなっているという効果もある。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1の転がり軸受の固定構造の構成を示す断面図、図2は同転がり軸受の固定構造の別の角度の構成を示す断面図、図3は同転がり軸受の外輪の外観の
この転がり軸受は、図1に示すように、例えば軸受鋼で形成された内輪1と、例えば軸受鋼で形成された外輪2と、内輪1と外輪2との間に配置された複数の転動体である鋼、セラミックス等からなるボール3とを備えている。4は複数のボール3を周方向に一定間隔をあけて保持する保持器である。また、内輪1と外輪2との間に且つホール3の両側には芯金付きのゴムシール5、5を設けている。
図1は本発明の実施の形態1の転がり軸受の固定構造の構成を示す断面図、図2は同転がり軸受の固定構造の別の角度の構成を示す断面図、図3は同転がり軸受の外輪の外観の
この転がり軸受は、図1に示すように、例えば軸受鋼で形成された内輪1と、例えば軸受鋼で形成された外輪2と、内輪1と外輪2との間に配置された複数の転動体である鋼、セラミックス等からなるボール3とを備えている。4は複数のボール3を周方向に一定間隔をあけて保持する保持器である。また、内輪1と外輪2との間に且つホール3の両側には芯金付きのゴムシール5、5を設けている。
外輪2の外周面7には周方向に延びる断面が角溝の円周溝8が設けられている。さらに、外輪2の外周面7に該外周面を側面から見てDカットし、円周溝8と連通し、軸方向巾が円周溝8より広い上面から見て四角形状の巾広凹部9が設けられている。
また、外輪2を嵌合保持するアルミ合金製のハウジング11には外輪2の円周溝8に油を供給する油供給路12が設けられている。
また、外輪2を嵌合保持するアルミ合金製のハウジング11には外輪2の円周溝8に油を供給する油供給路12が設けられている。
上記実施の形態1では、転がり軸受の外輪2の外周面7に周方向に延びる円周溝8と、該円周溝8に連通し、軸方向巾が円周溝8より広い巾広凹部9とを設け、ハウジング11に外輪2の円周溝8に油を供給する油供給路12を設けたので、ハウジング11に転がり軸受の外輪2が嵌合支持されて使用された場合に、ハウジング11の油供給路12から外輪2の円周溝8に供給された潤滑油は円周溝8を経て巾広凹部9にも供給され、円周溝8の油圧面積より巾広凹部9の油圧面積が広いため、油圧による巾広凹部9を径方向に押圧する力が大きくなるため、外輪2外周面のハウジング11内周面への押圧力が周方向で偏り、そのために押圧力が大きい箇所の反対側(周方向で180°ずれた箇所近傍)に摩擦抵抗が発生することにより、外輪2のクリープを抑制する。
また、外輪2には油路である 円周溝8と巾広凹部9を設けるだけの構成であり、動きを伴う機械的な構成でないので、耐久性にも優れたものとなっている。
また、外輪2には油路である 円周溝8と巾広凹部9を設けるだけの構成であり、動きを伴う機械的な構成でないので、耐久性にも優れたものとなっている。
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2の転がり軸受の外輪の外観の構成を示す正面図、図6は同転がり軸受の外観の構成を示す側面図、図7は本発明の実施の形態2の変形例の転がり軸受の外観の構成を示す側面図である。
この実施の形態2では、転がり軸受の外輪2の外周面7にに周方向に延びて、半周より短く、溝の深さが一定の断面が角溝の周溝18を設けている。また、ハウジング11に外輪2の周溝18に油を供給する油供給路12を設けている。
図5は本発明の実施の形態2の転がり軸受の外輪の外観の構成を示す正面図、図6は同転がり軸受の外観の構成を示す側面図、図7は本発明の実施の形態2の変形例の転がり軸受の外観の構成を示す側面図である。
この実施の形態2では、転がり軸受の外輪2の外周面7にに周方向に延びて、半周より短く、溝の深さが一定の断面が角溝の周溝18を設けている。また、ハウジング11に外輪2の周溝18に油を供給する油供給路12を設けている。
この実施の形態2では、転がり軸受の外輪2の外周面7に周方向に延びて、半周より少し短く、溝の深さが一定の周溝18を設け、ハウジング11に外輪2の周溝18に油を供給する油供給路12を設けたので、ハウジング11に転がり軸受の外輪2が嵌合支持されて使用された場合に、ハウジング11の油供給路12から外輪2の周溝18に潤滑油が供給され、外輪2の周溝18とは反対側で周溝18がない外周面7には潤滑油が供給されないため、油圧による周溝18を径方向に押圧する力が大きくなるため、外輪2外周面のハウジング11内周面への押圧力が周方向で偏り、そのために押圧力が大きい箇所の反対側(周方向で180°ずれた箇所近傍)に摩擦抵抗が発生することにより、外輪のクリープを抑制する。
上記実施の形態2では、外輪2の外周面7に周方向に延びて、半周より少し短く、溝の深さが一定の周溝18を設けているが、図7に示す本発明の実施の形態2の変形例のように、周溝18の溝の深さが中央部から端部にいくに従い次第に小さくなるものであっても、実施の形態2の溝の深さが一定の周溝18と同様に、油圧による周溝18を径方向に押圧する力が大きくなるため、外輪2外周面のハウジング11内周面への押圧力が周方向で偏り、そのために押圧力が大きい箇所の反対側に摩擦抵抗が発生することにより、外輪のクリープを抑制する。
この実施の形態2も、外輪2には油路である周溝18を設けるだけの構成であり、動きを伴う機械的な構成でないので、耐久性にも優れたものとなっている。
この実施の形態2も、外輪2には油路である周溝18を設けるだけの構成であり、動きを伴う機械的な構成でないので、耐久性にも優れたものとなっている。
また、実施の形態2の溝の深さが一定の周溝18に比べ、この変形例のように周溝18の溝の深さが中央部から端部にいくに従い次第に小さくなるものの方が加工が容易で加工コストが少なくて済む。
上記実施の形態1の円周溝8や実施の形態2の周溝18はいずれも断面を角溝としているが、断面を丸溝としてもよいことはいうまでもない。
上記実施の形態1の円周溝8や実施の形態2の周溝18はいずれも断面を角溝としているが、断面を丸溝としてもよいことはいうまでもない。
1 内輪、2 外輪、3 ボール、7 外周面、8 円周溝、9 巾広凹部、11 ハウジング、12 油供給路。
Claims (2)
- 内輪と、外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に設けた複数の転動体とを備えた転がり軸受を、ハウジングに組み付け固定してなる転がり軸受の固定構造において、
前記外輪の外周面に周方向に延びる円周溝と、該円周溝に連通し、軸方向巾が前記円周溝より広い巾広凹部とを設け、
前記ハウジングに前記外輪の円周溝に油を供給する油供給路を設けたことを特徴とする転がり軸受の固定構造。 - 内輪と、外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に設けた複数の転動体とを備えた転がり軸受を、ハウジングに組み付け固定してなる転がり軸受の固定構造において、
前記外輪の外周面に周方向に延びて半周より短い周溝を設け、
前記ハウジングに前記外輪の周溝に油を供給する油供給路を設けたことを特徴とする転がり軸受の固定構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007184395A JP2009019738A (ja) | 2007-07-13 | 2007-07-13 | 転がり軸受の固定構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007184395A JP2009019738A (ja) | 2007-07-13 | 2007-07-13 | 転がり軸受の固定構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009019738A true JP2009019738A (ja) | 2009-01-29 |
Family
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Family Applications (1)
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JP2007184395A Withdrawn JP2009019738A (ja) | 2007-07-13 | 2007-07-13 | 転がり軸受の固定構造 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2009019738A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020190283A (ja) * | 2019-05-22 | 2020-11-26 | Ntn株式会社 | 軸受装置 |
-
2007
- 2007-07-13 JP JP2007184395A patent/JP2009019738A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020190283A (ja) * | 2019-05-22 | 2020-11-26 | Ntn株式会社 | 軸受装置 |
JP7353067B2 (ja) | 2019-05-22 | 2023-09-29 | Ntn株式会社 | 軸受装置 |
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