JP2009019601A - ターボ圧縮機およびターボ冷凍機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 羽根車が設けられる回転軸を支持する軸受の冷却機構を改善し、軸受の機械損失を低減することによって、更なる高速化、小型化を図ることができるターボ圧縮機およびターボ冷凍機を提供することを目的とする。
【解決手段】 ハウジング2に軸受17,19を介して回転自在に支持され、駆動源3により回転される回転軸13の少なくとも一端に羽根車14,15が設けられるターボ圧縮機1において、回転軸13には、ターボ冷凍機40の冷凍サイクルから抽出される冷媒を冷却媒体とし、回転軸13の少なくとも軸受17,19による支持部近辺を冷却する回転軸冷却機構30が設けられる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、羽根車が設けられる回転軸を支持する軸受の冷却機構を改善し、さらなる高速化、小型化を可能としたターボ圧縮機およびそれを用いたターボ冷凍機に関するものである。
ターボ冷凍機に適用されるターボ圧縮機では、高性能化はもちろんのこと、圧縮機自体を小型化することによる低コスト化のニーズは依然として高い。ターボ圧縮機を小型化するには、羽根車をより高速回転させる必要があり、そのためには、羽根車が設けられる回転軸を支持する軸受の改善が不可欠である。ターボ圧縮機では、回転軸を支持する軸受として、油膜により軸を支え回転支持できる滑り軸受や、玉あるいはコロの転がりを利用する転がり軸受が用いられるが、回転が高速化されるにつれ、軸受での機械損失が増大するため、冷凍機の性能を低下させてしまうという問題がある。
一般に、回転軸系においては、高荷重の場合は滑り軸受、中低荷重の場合は転がり軸受が用いられるが、軸の支持剛性や荷重条件等を許容範囲内にできるのであれば、滑り軸受よりも機械損失の小さい転がり軸受を用いる方が望ましく、ターボ圧縮機でも、高速化のため、羽根車が設けられる回転軸の軸受として、機械損失のより小さい転がり軸受が使用されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
また、高速回転や高荷重条件下では、回転軸を支持する軸受の冷却および潤滑は不可避となる。軸受に給油される潤滑油の機能は、軸受の玉またはコロと内輪および外輪との間に油膜を形成、確保する潤滑機能と、発生する熱を油により除去する冷却機能との2つである。上記特許文献1には、転がり軸受が設けられる軸受箱内に潤滑油または液冷媒を供給し、転がり軸受を油または冷媒によって潤滑および冷却するようにしたものが示されている。また、特許文献2には、冷凍サイクルの凝縮器出口から液冷媒を抽出してターボ圧縮機に導入し、軸受および駆動モータを冷却するようにしたものが示されている。
特開2000−291587号公報 特開2006−194579号公報
羽根車を回転軸を介して高速回転するターボ圧縮機では、軸受の冷却および潤滑が高速化のポイントであり、軸受に供給する潤滑油をノズル孔から軸受にジェット給油するジェット潤滑やミスト潤滑等様々な工夫がなされている。一方、軸受の機械損失には、玉やコロが転がることによる損失と、潤滑油が撹拌されることによる損失とがあり、撹拌損失を低減するには、ジェット潤滑やミスト潤滑等の適用に際して、給油量を最小量に抑える必要がある。しかし、単に油量を減少すると、発生する熱を潤滑油により十分に除去し切れなくなるため、軸受温度が上昇し、油の局所的な粘度低下に伴う油膜切れが生じ、軸受において玉やコロと内輪または外輪とのメタルタッチの原因となり、フレーキング等の損傷に至る場合がある。
軸受に給油される潤滑油の上記2機能において、油膜を確保するための最小潤滑油量Aと、冷却のための最小潤滑油量Bとの関係は、一般にA<<Bであるため、冷却用の油量を抑えて撹拌損失を低減するには、別の手段で軸受を冷却する必要が生じる。上記特許文献1,2には、冷凍サイクルから抽出した冷媒を用いて軸受を冷却および潤滑することが開示されている。しかし、これらは、冷媒により軸受を冷却および潤滑することを示しているにすぎず、軸受における冷却媒体の撹拌損失を含む機械損失を低減するための構成を開示するものではない。従って、このような冷却および潤滑構成では、軸受の機械損失を十分に低減することはできず、ターボ圧縮機の更なる高速化、小型化は困難である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、羽根車が設けられる回転軸を支持する軸受の冷却機構を改善し、軸受の機械損失を低減することによって、更なる高速化、小型化を図ることができるターボ圧縮機およびターボ冷凍機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のターボ圧縮機およびターボ冷凍機は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるターボ圧縮機は、ハウジングに軸受を介して回転自在に支持され、駆動源により回転される回転軸の少なくとも一端に羽根車が設けられるターボ圧縮機において、前記回転軸には、ターボ冷凍機の冷凍サイクルから抽出される冷媒を冷却媒体とし、前記回転軸の少なくとも前記軸受による支持部近辺を冷却する回転軸冷却機構が設けられることを特徴とする。
ターボ圧縮機においては、高性能化のほかに、高速化、小型化のニーズが高い。ターボ圧縮機を高速化、小型化するには、羽根車を駆動する回転軸系における機械損失の低減が1つの課題となる。そこで、回転軸を支持する軸受に機械損失の比較的少ない転がり軸受が使用されている。しかし、機械損失の低減は、軸受を転がり軸受に変更するだけでは不十分であり、軸受に供給される潤滑油を撹拌することにより発生する撹拌損失も無視できない。潤滑油の撹拌損失を低減するには、給油量を少なくすればよいが、単に給油量を減少すると、高速回転時に発生する熱を除去できなくなり、軸受温度が上昇するため、潤滑油の粘度低下により油膜切れが生じ、潤滑不良によって損傷に至るおそれがある。
本発明によれば、冷凍サイクルから抽出される冷媒を冷却媒体とする回転軸冷却機構により冷却される回転軸を介して軸受を内輪側から冷却することができる。このように、軸受を回転軸側から冷却することにより、軸受に多量の潤滑油を給油して熱を取り去る必要がなくなり、軸受に対する給油量を潤滑に必要な最小油量に抑えることができる。これによって、軸受における潤滑油の撹拌損失を低減することができる。また、軸受を内輪側から冷却するため、軸受内部で最も温度が高くなる玉やコロの温度に対して内輪を冷却しその温度を低く保つことが可能となり、軸受内部の隙間を理想的に保つことができる。これにより、軸受の熱膨張を抑制し、玉やコロにかかる荷重を低減して機械損失を低減することができる。従って、ターボ圧縮機の更なる高速化、小型化を図り、コスト低減と小型高性能化を実現することができる。
さらに、本発明のターボ圧縮機は、上記のターボ圧縮機において、前記回転軸冷却機構は、前記回転軸の軸中心に軸線方向に沿って穿設され、前記冷媒が流通される冷媒通路を備えることを特徴とする。
本発明によれば、回転軸の軸中心に軸線方向に沿って穿設される冷媒通路に冷媒を流通させ、軸側から吸熱して冷媒を蒸発させることにより回転軸を冷却し、この回転軸を介して軸受を内輪側から冷却することができる。従って、回転軸冷却機構により冷媒の相変化を利用して回転軸ならびに軸受を効率よく冷却し、軸受が熱膨張することにより発生する荷重による機械損失を低減することができると同時に、軸受に対する給油量を潤滑に必要な最小の潤滑油量に抑えることができる。
さらに、本発明のターボ圧縮機は、上記のターボ圧縮機において、前記冷媒通路は、前記回転軸の一端側から他端側に貫通して設けられ、前記冷媒通路内で蒸発された冷媒が、前記回転軸の羽根車側端部から圧縮機の冷媒吸い込み流路内に流出されることを特徴とする。
本発明によれば、冷媒通路が回転軸の一端側から他端側に貫通して設けられるので、冷凍サイクルから回転軸冷却機構に導かれ、冷媒通路内を流通する間に蒸発して回転軸を冷却した冷媒を、そのまま回転軸の羽根車側端部から圧縮機の冷媒吸い込み流路に流出させることができる。従って、回転軸冷却機構およびその冷媒流通経路ならびに回転軸を簡素に構成することができる。
さらに、本発明のターボ圧縮機は、上記のターボ圧縮機において、前記冷媒通路は、前記回転軸の一端側から他端側に向けて穿設されるとともに、前記羽根車が設けられる位置の手前で前記ハウジング内の排油空間に連通され、前記冷媒通路内で蒸発された冷媒が、前記排油空間に流出された後、均圧通路を経て圧縮機の冷媒吸い込み流路に導かれることを特徴とする。
本発明によれば、冷媒通路が回転軸の一端側から他端側に向けて穿設されるとともに、羽根車が設けられる位置の手前でハウジング内の排油空間に連通されるので、冷凍サイクルから回転軸冷却機構に導かれ、冷媒通路内を流通する間に蒸発して回転軸を冷却した冷媒を、ハウジング内の排油空間に流出された後、均圧通路を経て圧縮機の冷媒吸い込み流路に導くことができる。従って、冷媒通路内で冷媒が蒸発し切れなかった場合でもその液分を排油空間内で分離し、ガス冷媒のみを圧縮機の冷媒吸い込み流路に導くことができるため、液圧縮を確実に防止することができる。
さらに、本発明のターボ圧縮機は、上述のいずれかのターボ圧縮機において、前記冷媒通路の入口部には、冷凍サイクルから導かれた冷媒を低温低圧冷媒に減圧する固定絞りが設けられ、該固定絞りにより減圧された冷媒が前記冷媒通路に導入されることを特徴とする。
本発明によれば、冷媒通路の入口部に固定絞りが設けられ、冷凍サイクルから導かれた冷媒が固定絞りによって確実に低温低圧冷媒に減圧されて冷媒通路に導入される。このため、冷媒通路に導入された冷媒は直ちに軸側から吸熱して蒸発し、回転軸を冷却する。従って、冷媒の蒸発潜熱により回転軸を効率よく冷却し、その回転軸を介して軸受を内輪側から効率よく冷却することができる。
さらに、本発明のターボ圧縮機は、上述のいずれかのターボ圧縮機において、前記回転軸冷却機構は、前記冷凍サイクルから抽出される冷媒を前記回転軸の冷媒通路に導く冷媒導入系路を備え、該冷媒導入系路には、冷媒流量を調整する流量調整弁が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、冷凍サイクルから抽出される冷媒を回転軸の冷媒通路に導く冷媒導入系路に冷媒流量を調整する流量調整弁が設けられるので、回転軸冷却機構に導入される冷媒流量を流量調整弁により運転状況に応じて適正に調整することができる。従って、常に適正量の冷媒を回転軸の冷媒通路に導入することができ、安定した冷却効果を得ることができる。
さらに、本発明のターボ圧縮機は、上記のターボ圧縮機において、前記流量制御弁は、前記回転軸を冷却して蒸発した冷媒が前記圧縮機の冷媒吸い込み流路に戻され、前記圧縮機への吸い込み冷媒と合流する付近における冷媒温度が圧力飽和温度以上となるように制御されることを特徴とする。
本発明によれば、冷媒導入系路に設けられる流量制御弁が、回転軸の冷却に供された冷媒が圧縮機の冷媒吸い込み流路に戻され、吸い込み冷媒と合流する付近の冷媒温度が圧力飽和温度以上となるように制御されるので、回転軸冷却機構に導入される冷媒流量を液戻りが発生することのない適正量に調整することができる。従って、液圧縮を確実に防止することができる最大の回転軸冷却機構の冷却能力を可能とし、効率よく回転軸および軸受を冷却することができる。
さらに、本発明のターボ圧縮機は、上述のいずれかのターボ圧縮機において、前記回転軸冷却機構は、前記回転軸の前記冷媒通路入口部に取り付けられ、前記回転軸と共に回転する前記固定絞りを有するノズルと、該ノズルの外周面をシール面とし、前記冷媒導入系路との間を非接触シールするシール部材とを有することを特徴とする。
本発明によれば、回転軸の冷媒通路入口部分に、回転軸と共に回転する固定絞りを有するノズルが取り付けられ、その外周面をシール面とし、冷媒導入系路との間を非接触シールするシール部材が設けられるので、回転軸に対して余計な抵抗を加えることなく、静止側の冷媒導入系路と回転する冷媒通路との間をシールすることができる。従って、動力損失をもたらすことなく、冷媒を確実に回転軸の冷媒通路内に導くことができる。
さらに、本発明のターボ圧縮機は、上述のいずれかのターボ圧縮機において、前記軸受は、軸受箱を介して前記ハウジングに設置され、前記軸受箱には、前記軸受を冷却する軸受箱冷却機構が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、回転軸を支持する軸受が、軸受箱を介してハウジングに設置され、この軸受箱に軸受を冷却する軸受箱冷却機構が設けられるので、回転軸を支持する軸受を軸受箱冷却機構によって外輪側からも冷却することができる。これにより、軸受の冷却効果を一段と高め、軸受への給油量を最小潤滑油量とすることができるとともに、軸受における内外輪温度差を可及的に小さくすることができる。従って、軸受の機械損失を更に低減することができる。
さらに、本発明のターボ圧縮機は、上記のターボ圧縮機において、前記軸受箱冷却機構は、ターボ冷凍機の冷凍サイクルから抽出される冷媒または潤滑用の冷却油を冷却媒体とすることを特徴とする。
本発明によれば、軸受箱冷却機構によりターボ冷凍機の冷凍サイクルから抽出される冷媒または潤滑に用いる冷却油を冷却媒体として軸受箱を冷却し、この軸受箱を介して軸受を外輪側からも効率よく冷却することができる。従って、軸受の冷却効果を一段と高め、軸受への給油量を最小潤滑油量とすることができるとともに、軸受における内外輪温度差を可及的に小さくすることができる。
さらに、本発明のターボ圧縮機は、上述のいずれかのターボ圧縮機において、前記冷媒は、前記冷凍サイクルを構成する凝縮器の液溜めから抽出されることを特徴とする。
本発明によれば、冷却媒体に用いる冷媒を、冷凍サイクルを構成する凝縮器の液溜めから抽出するので、冷凍サイクル中の高圧である凝縮圧力を利用して、凝縮器の液溜めから液冷媒を直接冷却機構に導入することができる。これによって、ターボ冷凍機自身の系内から凝縮された液冷媒を取り出し、軸受の冷却に有効に活用することができる。
さらに、本発明のターボ圧縮機は、上述のいずれかのターボ圧縮機において、前記冷媒は、前記冷凍サイクルを構成する液冷媒冷却用サブクーラの出口から抽出されることを特徴とする。
本発明によれば、冷却媒体に用いる冷媒を、冷凍サイクルを構成する液冷媒冷却用サブクーラの出口から抽出するので、冷凍サイクル中の高圧である凝縮圧力に相当するサブクーラ出口圧力を利用して、サブクーラの出口から過冷却された液冷媒を直接冷却機構に導入することができる。これによって、ターボ冷凍機自身の系内から過冷却された液冷媒を取り出し、軸受の冷却に有効に活用することができる。
さらに、本発明のターボ圧縮機は、上述のいずれかのターボ圧縮機において、前記冷媒は、前記冷凍サイクルを構成するエコノマイザの出口から抽出されることを特徴とする。
本発明によれば、冷却媒体に用いる冷媒を、冷凍サイクルを構成するエコノマイザの出口から抽出するので、冷凍サイクル中の高圧である凝縮圧力または高圧と低圧との間の中間圧力を利用して、エコノマイザの出口から過冷却された液冷媒を直接冷却機構に導入することができる。これによって、ターボ冷凍機自身の系内から過冷却された液冷媒を取り出し、軸受の冷却に有効に活用することができる。なお、エコノマイザサイクルには、中間冷却器方式と、気液分離器方式とがあるが、特に中間冷却器方式は、自己膨張により冷媒の組成が変化する混合冷媒を使用するターボ冷凍機に用いて好適である。
さらに、本発明のターボ圧縮機は、上述のいずれかのターボ圧縮機において、前記冷媒は、前記冷凍サイクルを構成する蒸発器の冷媒液溜めからポンプまたは高圧冷媒ガスを駆動源とするエダクタを介して抽出されることを特徴とする。
本発明によれば、冷却媒体に用いる冷媒を、冷凍サイクルを構成する蒸発器の冷媒液溜めからポンプまたは高圧冷媒ガスを駆動源とするエダクタを介して抽出するので、蒸発器の冷媒液溜めから低温低圧の液冷媒をポンプまたはエダクタを介して圧送し、冷却機構に導入することができる。これによって、ターボ冷凍機自身の系内から低温低圧の液冷媒を取り出し、軸受の冷却に有効に活用することができる。
さらに、本発明にかかるターボ冷凍機は、冷凍サイクルを構成するターボ圧縮機として、上述のいずれかのターボ圧縮機を備えたことを特徴とするターボ冷凍機。
本発明によれば、ターボ圧縮機として上記により高速化、小型化された高性能のターボ圧縮機を用いて冷凍サイクルを構成することができる。従って、小型高性能でかつ低コストのターボ冷凍機を提供することができる。
本発明のターボ圧縮機によると、回転軸冷却機構により冷却される回転軸を介して軸受を内輪側から冷却することができるため、軸受に多量の潤滑油を給油して熱を取り去る必要がなくなり、軸受に対する給油量を潤滑に必要な最小油量に抑えることができる。これにより、軸受における潤滑油の撹拌損失を低減することができる。また、軸受を内輪側から冷却するため、軸受内部で最も温度が高くなる玉やコロの温度に対して内輪を冷却しその温度を低く保つことが可能となり、軸受内部の隙間を理想的に保つことができる。これにより、軸受の熱膨張を抑制し、玉やコロにかかる荷重を低減して機械損失を低減することができる。従って、ターボ圧縮機の更なる高速化、小型化を図り、コスト低減と小型高性能化を実現することができる。
また、本発明のターボ冷凍機によると、高速化、小型化された高性能のターボ圧縮機を用いて冷凍サイクルを構成することができるため、小型高性能でかつ低コストのターボ冷凍機を提供することができる。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図8を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態にかかるターボ圧縮機1の縦断面図が示されている。ターボ圧縮機1は、圧縮機側ハウジング2Aとモータ側ハウジング2Bとを一体に結合して構成されるハウジング2を備えている。モータ側ハウジング2Bには、図示省略のインバータ装置を介して可変速駆動される電動モータ3が組み込まれる。この電動モータ3のモータ軸3Aの一端は、モータ側ハウジング2Bから圧縮機側ハウジング2Aに突出されている。
圧縮機側ハウジング2A内には、可変ガイドベーン4を備えた冷媒ガスの吸い込み口5が形成され、この吸い込み口5に続く下流側流路には、第1段圧縮ステージ6および第2段圧縮ステージ7が順次設けられる。第1段圧縮ステージ6には、ディフューザ部8、リターンベント9およびガイドベーン10が設けられ、第2段圧縮ステージ7には、ディフューザ部11およびスクロール室12が設けられる。このスクロール室12から図示省略の吐出口を経て圧縮された冷媒ガスが外部に吐き出されるように構成される。
また、圧縮機側ハウジング2A内には、回転軸13が回転自在に設置され、この回転軸13の一端側には、第1段圧縮ステージ6用の第1段羽根車14と、第2段圧縮ステージ7用の第2段羽根車15とが設けられる。回転軸13は、ほぼ中央部が軸受箱16を介して圧縮機側ハウジング2Aに設置される複数のアンギュラ玉軸受からなる転がり軸受17により支持され、他端部が軸受箱18を介してモータ側ハウジング2Bに設置される複数のアンギュラ玉軸受からなる転がり軸受19により支持される。
上記転がり軸受17,19によって支持される回転軸13の中間部位には、小径の歯車20が設けられる。この歯車20は、モータ軸3Aの一端に設けられる大径の歯車21と噛み合わされ、これらの歯車20,21によって、増速機構22が構成される。
上記軸受箱16,18には、それぞれ転がり軸受17,19に対して潤滑油を給油する潤滑油給油ライン23A,23Bが接続されており、図示省略の給油機構から回転軸13の回転数に比例して供給される潤滑に必要な最小限量の潤滑油を、軸受箱16,18を介して図示省略のノズル孔から転がり軸受17,19に給油する潤滑油給油系路を構成している。各転がり軸受17,19の潤滑に供された潤滑油は、各軸受を潤滑した後、ハウジング2内の排油空間2Cに流出され、排油孔24を介して図示省略の給油機構へと循環される。
また、軸受箱16,18の外周部には、油溝25,26が設けられ、この油溝25,26に対して冷却油を給油する冷却油給油ライン27A,27Bが接続されており、図示省略の給油機構からオイルクーラを経て冷却油が供給され、各軸受箱16,18を介して各転がり軸受17,19の外輪側を冷却する軸受箱冷却機構を構成している。冷却油は、排油孔28を介して図示省略の給油機構へと循環される。
さらに、回転軸13の軸中心には、その軸線に沿って一端から他端に貫通される貫通孔(冷媒通路)29(図2参照)が設けられ、この貫通孔29に冷媒を流通させることにより、回転軸13を冷却する回転軸冷却機構30が構成される。
回転軸冷却機構30は、ターボ圧縮機1を含んで構成されるターボ冷凍機40(図4参照)の冷凍サイクルの適所(具体的には、後述する冷凍サイクルを構成する凝縮器内の液溜めから蒸発器内の液溜めに至る迄の間の冷媒配管系または構成機器)から高圧液冷媒または低圧液冷媒の一部を抽出し、ハウジング2内を経て回転軸13のモータ側端部に導く冷媒導入系路31と、この冷媒導入系路31に設けられる流量調整弁32と、回転軸13の貫通孔29に接続され、冷媒導入系路31を経て導かれる冷媒をオリフィス33により減圧して貫通孔29内に流出するノズル34と、回転軸13と共に回転するノズル34と冷媒導入系路31との間の回転部分を、ノズル34の外周面をシール面とし、非接触でシールするラビリンスシールを構成するシール部材35と、貫通孔29内を流通した冷媒を回転軸13の羽根車側端部から吸い込み口5内に周方向に均一に流出させる流出孔36とから構成される。
上記流量調整弁32は、図3(A)に示されるように、冷媒吸い込み口5に設けられる温度センサ(Tsuc)37により検出される冷媒吸い込み口5の流出孔36付近における冷媒温度が圧力飽和温度以上となるように冷媒流量を制御する。
また、回転軸13の端部から冷媒ガスを流出させる流出孔36は、図3に示されるように、回転軸13の端部が嵌合される固定カバー38との間の隙間から、周方向に等間隔に設けられたスリット39を介して冷媒ガスを周方向に均一に流出させることができるように構成される。
ターボ冷凍機40の冷凍サイクルは、図4に示されるように、冷媒を圧縮するターボ圧縮機1と、冷媒を冷却して凝縮させる凝縮器41と、高圧冷媒を中間圧の減圧する第1減圧弁42と、冷媒に過冷却を与えるエコノマイザ43と、冷媒を低圧状態に減圧する第2減圧弁44と、低圧冷媒を蒸発させる蒸発器45とを公知の如く接続することにより構成される。上記回転軸冷却機構30の冷却媒体とされる冷媒は、このターボ冷凍機40の冷凍サイクルを構成する凝縮器41内の液溜めから蒸発器45内の液溜めに至るまでの間の冷媒配管系または構成機器の(A)ないし(E)のいずれかの位置から抽出することができる。以下にその実施例(A)ないし(E)を図5ないし図8を参照して説明する。
実施例(A)は、図5に示されるように、凝縮器41の液溜め41Aから、凝縮器41内において凝縮された高圧液冷媒を、その高圧圧力を利用して回転軸冷却機構30の冷媒導入系路31へと抽出するものである。
実施例(B)は、図5に示されるように、凝縮器41の下流に設けられ、凝縮器41において凝縮された液冷媒を更に冷却して過冷却を付与するサブクーラ46から、過冷却された冷媒を、その高圧圧力を利用して回転軸冷却機構30の冷媒導入系路31へと抽出するものである。
実施例(C)は、図6に示されるように、いわゆるエコノマイザサイクルと称される中間冷却器方式のサイクルにおけるエコノマイザ(中間冷却器)43Aの出口から、中間冷却器43Aにおいて過冷却された冷媒を、その高圧圧力を利用して回転軸冷却機構30の冷媒導入系路31へと抽出するものである。なお、減圧弁47を経て中間冷却器43Aにおいて蒸発された中間圧のガス冷媒は、冷媒系路48を経てターボ圧縮機1の第1圧縮ステージ6と第2圧縮ステージ7との間に注入される。この実施例は、自己膨張により冷媒の組成が変化する混合冷媒(例えば、R410A冷媒)を使用するターボ冷凍機40おいて、所定の能力を発揮させる上で有効なものである。
実施例(D)は、図7に示されるように、いわゆるエコノマイザサイクルと称される気液分離器方式のサイクルにおけるエコノマイザ(気液分離器)43Bの出口から、気液分離器43Bにおいて過冷却された冷媒を、その中間圧圧力を利用して回転軸冷却機構30の冷媒導入系路31へと抽出するものである。なお、気液分離器43Bにおいて分離された中間圧のガス冷媒は、冷媒系路49を経てターボ圧縮機1の第1圧縮ステージ6と第2圧縮ステージ7との間に注入される。
実施例(E)は、図8に示されるように、蒸発器45の液溜め45Aから、第2減圧弁44により低圧状態に減圧された低圧低温の液冷媒を、ポンプ50A、もしくはターボ圧縮機1の吐出系路から抽出される高圧ガス冷媒(R1)または凝縮器41から抽出される高圧ガス冷媒(R2)を駆動源とするエダクタ50Bを介して回転軸冷却機構30の冷媒導入系路31へと抽出するものである。
次いで、上記ターボ圧縮機1およびターボ冷凍機40の動作について説明する。
電動モータ3が駆動され、モータ軸3Aが回転されると、その一端に設けられている歯車21および歯車21に噛み合う歯車20により構成される増速機構22により回転が増速され、回転軸13が高速で回転される。回転軸13が回転されると、第1段羽根車14および第2段羽根車15が回転され、圧縮動作が開始される。第1段羽根車14および第2段羽根車15の回転により吸い込み口5から可変ガイドベーン4を経てターボ圧縮機1に吸い込まれた冷媒ガスは、第1段圧縮ステージ6および第2段圧縮ステージ7を経て2段圧縮される。2段圧縮された高圧の冷媒ガスは、スクロール室12より図示省略の吐出口を経て圧縮機外部へと吐き出される。この高圧冷媒ガスは、ターボ圧縮機1および凝縮器41、第1減圧弁42、エコノマイザ43、第2減圧弁44、および蒸発器45等から構成されるターボ冷凍機40の冷凍サイクル内を循環することにより、所要の冷凍効果が奏される。
この間、ターボ圧縮機1においては、図示省略の給油機構側から潤滑油給油ライン23A,23Bを経て潤滑に必要な最小限量の潤滑油が軸受箱16,18に給油され、軸受箱16,18から図示省略のノズル孔を介して各転がり軸受17,19に給油される。これにより、各転がり軸受17,19が潤滑される。また、同様に、図示省略の給油機構側からオイルクーラにより冷却された冷却油が冷却油給油ライン27A,27Bを介して各軸受箱16,18の外周部に設けられている油溝25,26に循環される。これにより、軸受箱16,18を介して転がり軸受17,19の外輪が冷却される。
一方において、ターボ冷凍機40の冷凍サイクル内を循環する高圧液冷媒または低圧液冷媒の一部が、冷凍サイクル内の(A)ないし(E)のいずれかの位置から抽出され、冷媒の圧力あるいはポンプまたはエゼクタを利用して回転軸冷却機構30の冷媒導入系路31へと導入される。回転軸冷却機構30に導入された冷媒は、流量調整弁32により流量が調整され、その開度に応じて減圧されながら、シール部材35を経て回転軸13に接続されているノズル34へと供給される。この冷媒は、さらにノズル34に設けられているオリフィス33により低圧状態に減圧された後、回転軸13の貫通孔29(冷媒通路)内に流出される。
貫通孔29内に導かれた冷媒は、貫通孔29内を流通する間に高速回転する回転軸13側から吸熱して蒸発され、回転軸13を冷却する。これにより、回転軸13を支持する転がり軸受17,19が回転軸13を介して内輪側から冷却され、その発熱が抑制される。回転軸13内で蒸発された冷媒は、回転軸13の羽根車側端部に設けられる流出孔36から周方向に均一に流出され、吸い込み口5から吸い込まれる冷媒ガスと合流して再び圧縮される。この際、冷媒吸い込み口5の流出孔36付近における冷媒温度が温度センサ(Tsuc)37により検出され、それが圧力飽和温度以上となるように流量調整弁32が冷媒流量を制御する。これによって、流出孔36から液冷媒が流出されて圧縮機に吸い込まれないようにされる。
上記のように、本実施形態のターボ圧縮機1は、冷凍サイクルの(A)ないし(E)のいずれかの位置から抽出される高圧液冷媒または低圧液冷媒の一部を、回転軸13に穿設されている貫通孔29(冷媒通路)内で蒸発させ、その蒸発潜熱によって回転軸13を冷却し、この回転軸13を介して転がり軸受17,19を内輪側から冷却する回転軸冷却機構30を備えている。そして、この冷媒を冷却媒体とする回転軸冷却機構30を、軸受に冷却媒体を供給する軸受冷却機構に代替することができる。このため、潤滑油給油ライン23A,23Bを介して転がり軸受17,19に給油する潤滑油の油量を潤滑に必要な最小限の油量に抑えることができる。
しかして、本実施形態によると、以下の作用効果を奏する。
回転軸を支える転がり軸受17,19を回転軸冷却機構30により回転軸13側から冷却することができるため、転がり軸受17,19に対する給油量を潤滑に必要な最小油量に抑えることができる。これにより、転がり軸受17,19における潤滑油の撹拌損失を低減することができる。また、転がり軸受17,19を、回転軸13を介して内輪側から冷却するため、軸受内部での温度勾配を内輪側から外輪側に向って順次高くし、軸受内部の隙間を理想的に保つことができる。これにより、軸受の熱膨張による機械損失をも低減することができる。従って、ターボ圧縮機の更なる高速化、小型化を図り、コスト低減と小型高性能化を実現することができる。
また、冷媒を回転軸13の貫通孔29(冷媒通路)内で蒸発され、その蒸発潜熱で回転軸13、さらには転がり軸受17,19を冷却するため、回転軸13ならびに転がり軸受17,19を効率よく冷却することができる。従って、転がり軸受17,19が熱膨張することにより発生する機械損失を低減することができると同時に、転がり軸受17,19に対する給油量を潤滑に必要な最小限の潤滑油量に抑えることができる。
また、貫通孔29(冷媒通路)を回転軸13の一端側から他端側に貫通して設け、この貫通孔29内に導入されて蒸発した冷媒を、そのまま回転軸13の羽根車側端部から圧縮機1の冷媒吸い込み流路5に流出させるようにしているため、回転軸冷却機構30およびその冷媒流通経路ならびに回転軸13を簡素に構成することができる。
また、回転軸13側に導かれた冷媒をノズル34に設けられている固定オリフィス33で減圧するため、冷媒を確実に低温低圧状態に減圧して貫通孔29内に導入することができる。従って、貫通孔29内で直ちに軸側から吸熱して冷媒を蒸発させ、回転軸13を効率よく冷却し、その回転軸13を介して転がり軸受17,19を内輪側から効率よく冷却することができる。
また、冷凍サイクルから抽出される冷媒を回転軸13の貫通孔(冷媒通路)29に導く冷媒導入系路31に冷媒流量を調整する流量調整弁32を設け、この流量調整弁32によって、回転軸13を冷却した冷媒が圧縮機1の冷媒吸い込み流路5に戻されて圧縮機1に吸い込まれる冷媒と合流する付近の冷媒温度が圧力飽和温度以上となるように冷媒流量を制御しているため、回転軸冷却機構30側に液戻りが発生することのない適正量の冷媒を供給することができる。これにより、流出孔36から冷媒吸い込み流路5に戻される冷媒による液圧縮を確実に防止することができる最大の回転軸冷却機構30の冷却能力を可能とし、効率よく回転軸13および転がり軸受17,19を冷却することができる。
また、回転軸13の貫通孔(冷媒通路)29の入口部分に、回転軸29と共に回転する固定オリフィス33を有するノズル34が取り付けられ、その外周面をシール面とし、冷媒導入系路31との間をラビリンスシールにより非接触シールするシール部材35を設けているため、回転軸13に対して余計な抵抗を加えることなく、静止側の冷媒導入系路31と回転側のノズル34との間をシールすることができる。従って、動力損失をもたらすことなく、冷媒を確実に回転軸13の貫通孔(冷媒通路)29内に導くことができる。
さらに、本実施形態では、転がり軸受17,19を設置する軸受箱16,18の外周に設けられる油溝25,26に冷却油給油ライン27より冷却油を循環させる軸受箱冷却機構を設け、軸受箱16,18を介して転がり軸受17,19を外輪側からも冷却できるようにしている。このため、転がり軸受17,19の冷却効果を一段と高め、転がり軸受17,19への給油量を潤滑に必要な最小限の油量に維持することができるとともに、転がり軸受17,19における内外輪温度差を可及的に小さくすることができる。従って、転がり軸受17,19の機械損失を更に低減することができる。
また、冷凍サイクルの(A)ないし(E)のいずれかの位置から、冷媒が持つ高圧または中間圧エネルギー、あるいはポンプまたはエダクタを利用して高圧液冷媒または低圧液冷媒の一部を抽出し、その冷媒を冷却媒体として回転軸13および転がり軸受17,19を冷却することができる。従って、ターボ冷凍機自身の系内から取り出した冷媒を転がり軸受17,19の冷却に有効に活用することができる。
さらに、上記により高速化、小型化された高性能のターボ圧縮機1を用いて冷凍サイクルを構成することができるため、小型高性能でかつ低コストのターボ冷凍機40を製造することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図1、図2および図9を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、回転軸13に穿設する孔(冷媒通路)59の構成が異なっている。その他の点については第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。第1実施形態では、貫通孔29(冷媒通路)を回転軸13の一端側から他端側に貫通して設けているが、本実施形態では、回転軸13に穿設する孔(冷媒通路)59をモータ側端部から第2段羽根車15が設けられる手前側(図2に示すII位置)までとしている。そして、このII位置に、図9(A),(B)に示されるように、複数個(図示例では、2または4個)の連通孔60を放射方向に軸中心に対してバランスを取って穿設している。この連通孔60は、ハウジング2内の排油空間2Cに開口される。
また、本実施形態において、冷媒導入系路31に設けられる流量調整弁32は、上記の制御条件を満たした上で、さらに転がり軸受17,19の外輪温度を図示省略の温度センサにより検出し、それが予め設定される基準温度以下となるように制御される。これによって、冷媒の最低流量が決められ、軸受の外輪温度を保障することができる。上記排油空間2Cは、均圧通路61を介して圧縮機1の冷媒吸い込み流路5に連通され、低圧状態に維持されるようになっている。
本実施形態によると、ターボ冷凍機40の冷凍サイクルから抽出された冷媒は、冷媒導入系路31を介して回転軸13の孔(冷媒通路)59内に導入され、孔59内で蒸発することにより回転軸13および転がり軸受17,19を冷却する。孔59内で蒸発された冷媒は、孔59から連通孔60を介してハウジング2の排油空間2C内に流出される。この冷媒ガスは、排油空間2C内で流速が低下されるため、液分が含まれていた場合にそれが分離され、ガス分のみが均圧通路61を介して圧縮機1の冷媒吸い込み流路5に吸い込まれる。従って、本実施形態によると、第1実施形態と同様の効果が奏される他に、回転軸13および転がり軸受17,19の冷却に供された冷媒が液戻りすることにより発生する液圧縮を確実に防止することができるという効果が奏される。
なお、本発明は、上記した実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、2段ターボ圧縮機について説明したが、これに限らず、1段あるいは3段以上の多段ターボ圧縮機にも同様に適用することができる。また、上記実施形態では、軸受箱16,18の外周に設けられる油溝25,26に冷却油を供給して転がり軸受17,19の外輪側を冷却するようにしているが、この冷却媒体として、冷却油に代えて冷凍サイクルから抽出した冷媒を用いてもよい。更には、圧縮機の回転数に応じて発熱量および冷却に必要な冷媒量を算出し、流量調整弁32を制御するようにしてもよく、この場合、低回転数領域では、冷媒の供給を停止するようにしてもよい。
本発明の第1実施形態にかかるターボ圧縮機の縦断面図である。 図1に示すターボ圧縮機における回転軸系のみを取り出した状態の側面図である。 図1に示すターボ圧縮機の吸い込み口付近の部分縦断面図である。 本発明の第1実施形態にかかるターボ圧縮機を用いたターボ冷凍機の冷凍サイクル図である。 図4に示す冷凍サイクルからの冷媒抽出の実施例(A),(B)の詳細図である。 図4に示す冷凍サイクルからの冷媒抽出の実施例(C)の詳細図である。 図4に示す冷凍サイクルからの冷媒抽出の実施例(D)の詳細図である。 図4に示す冷凍サイクルからの冷媒抽出の実施例(E)の詳細図である。 本発明の第2実施形態にかかるターボ圧縮機における回転軸の異なる実施例(A),(B)の縦断面図である。
符号の説明
1 ターボ圧縮機
2 ハウジング
2C 排油空間
3 電動モータ
13 回転軸
14 第1段羽根車
15 第2段羽根車
16,18 軸受箱
17,19 転がり軸受
25,26 油溝
27A,27B 冷却油給油ライン
29 貫通孔(冷媒通路)
30 回転軸冷却機構
31 冷媒導入系路
32 流量調整弁
33 固定オリフィス
35 シール部材
40 ターボ冷凍機
41 凝縮器
41A 液溜め
43 エコノマイザ
43A エコノマイザ(中間冷却器)
43B エコノマイザ(気液分離器)
45 蒸発器
45A 液溜め
46 サブクーラ
50A ポンプ
50B エゼクタ
59 孔(冷媒通路)
60 連通孔
61 均圧通路

Claims (15)

  1. ハウジングに軸受を介して回転自在に支持され、駆動源により回転される回転軸の少なくとも一端に羽根車が設けられるターボ圧縮機において、
    前記回転軸には、ターボ冷凍機の冷凍サイクルから抽出される冷媒を冷却媒体とし、前記回転軸の少なくとも前記軸受による支持部近辺を冷却する回転軸冷却機構が設けられることを特徴とするターボ圧縮機。
  2. 前記回転軸冷却機構は、前記回転軸の軸中心に軸線方向に沿って穿設され、前記冷媒が流通される冷媒通路を備えることを特徴とする請求項1に記載のターボ圧縮機。
  3. 前記冷媒通路は、前記回転軸の一端側から他端側に貫通して設けられ、前記冷媒通路内で蒸発された冷媒が、前記回転軸の羽根車側端部から圧縮機の冷媒吸い込み流路内に流出されることを特徴とする請求項2に記載のターボ圧縮機。
  4. 前記冷媒通路は、前記回転軸の一端側から他端側に向けて穿設されるとともに、前記羽根車が設けられる位置の手前で前記ハウジング内の排油空間に連通され、前記冷媒通路内で蒸発された冷媒が、前記排油空間に流出された後、均圧通路を経て圧縮機の冷媒吸い込み流路に導かれることを特徴とする請求項2に記載のターボ圧縮機。
  5. 前記冷媒通路の入口部には、冷凍サイクルから導かれた冷媒を低温低圧冷媒に減圧する固定絞りが設けられ、該固定絞りにより減圧された冷媒が前記冷媒通路に導入されることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載のターボ圧縮機。
  6. 前記回転軸冷却機構は、前記冷凍サイクルから抽出される冷媒を前記回転軸の冷媒通路に導く冷媒導入系路を備え、該冷媒導入系路には、冷媒流量を調整する流量調整弁が設けられることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載のターボ圧縮機。
  7. 前記流量制御弁は、前記回転軸を冷却して蒸発した冷媒が前記圧縮機の冷媒吸い込み流路に戻され、前記圧縮機への吸い込み冷媒と合流する付近における冷媒温度が圧力飽和温度以上となるように制御されることを特徴とする請求項6に記載のターボ圧縮機。
  8. 前記回転軸冷却機構は、前記回転軸の前記冷媒通路入口部に取り付けられ、前記回転軸と共に回転する前記固定絞りを有するノズルと、該ノズルの外周面をシール面とし、前記冷媒導入系路との間を非接触シールするシール部材とを有することを特徴とする請求項6または7に記載のターボ圧縮機。
  9. 前記軸受は、軸受箱を介して前記ハウジングに設置され、前記軸受箱には、前記軸受を冷却する軸受箱冷却機構が設けられることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のターボ圧縮機。
  10. 前記軸受箱冷却機構は、ターボ冷凍機の冷凍サイクルから抽出される冷媒または潤滑用の冷却油を冷却媒体とすることを特徴とする請求項9に記載のターボ圧縮機。
  11. 前記冷媒は、前記冷凍サイクルを構成する凝縮器の液溜めから抽出されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のターボ圧縮機。
  12. 前記冷媒は、前記冷凍サイクルを構成する液冷媒冷却用サブクーラの出口から抽出されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のターボ圧縮機。
  13. 前記冷媒は、前記冷凍サイクルを構成するエコノマイザの出口から抽出されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のターボ圧縮機。
  14. 前記冷媒は、前記冷凍サイクルを構成する蒸発器の冷媒液溜めからポンプまたは高圧冷媒ガスを駆動源とするエダクタを介して抽出されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のターボ圧縮機。
  15. 冷凍サイクルを構成するターボ圧縮機として、請求項1ないし14のいずれかに記載されたターボ圧縮機を備えたことを特徴とするターボ冷凍機。
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