JP2009019113A - 光塩基発生剤およびネガ型感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Mitsuru Ueda
充 上田
Yuji Shibazaki
祐二 芝崎
Tomoshi Ogura
知士 小倉
Ryuu Hongou
リュウ ホンゴウ
Akihiko Ikeda
章彦 池田
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Abstract

【課題】光塩基発生剤および、該光塩基発生剤を用いたブロードバンド光により露光可能であり、200℃という低温での硬化でポリイミドを得ることのできるネガ型感光性組成物の提供。
【解決手段】(A)下記一般式(1)で表される光塩基発生剤。
Figure 2009019113

【選択図】なし

Description

本発明は、光塩基発生剤および、該光塩基発生剤を用いたネガ型感光性樹脂組成物に関する。
樹脂で封止された半導体チップの信頼性を向上するために半導体の表面に感光性の耐熱材料からなるバッファーコートを形成することは広く行われているが、その代表的な材料としてネガ型の感光性ポリイミド前駆体組成物が良く知られている(非特許文献1参照)。
また一方で、近年アルカリ水溶液で現像可能な感光性ポリイミド前駆体組成物も広く使用されている。これらは半導体の表面保護膜や、再配線層の層間絶縁膜として広く利用されている(非特許文献2参照)。
アルカリ現像型感光性ポリイミド前駆体組成物の代表例としては、ポリアミド酸と光塩基発生剤を含む組成物がある。この組成物に紫外線を照射すると、発生した塩基の作用によりポリアミド酸がポリイミド構造に変換する。アルカリ水溶液で現像すると未露光部は溶解除去されるが露光部は溶解されないため画像形成することができる。
特許文献1には、ポリアミド酸と光塩基発生剤からなる感光性ポリイミド前駆体組成物が開示されており、光塩基発生剤としては特にベンジルカルバメートが示されている。特許文献2も、ポリアミド酸と光塩基発生剤の組み合わせを開示しているが、光塩基発生剤としては、ベンジルスルホンアミド、ベンジル四級アンモニウム塩、イミン、イミニウム塩、コバルトアミン錯体、ベンジルカルバメート、オキシム等が開示されている。また特許文献3では、部分エステル化ポリアミド酸と光塩基発生剤からなる感光性ポリイミド前駆体組成物が示されている。
近年においては、感光性ポリイミドが、バッファーコート以外にフリップチップの再配線用絶縁膜やウエハ−レベルパッケージの厚膜絶縁膜に使われることが多くなってきた。この分野はウエハ−から半導体構造を形成する前工程に対して後工程もしくはパッケージ工程とよばれる。前工程ではサブミクロン以下の微細加工が必要であるためi線等の単色光の露光機が使用される。しかし後工程では前工程に較べて加工サイズがラフであることからブロードバンド光と称するg線(436nm)、h線(405nm)、及びi線(365nm)の混合光が汎用される。後工程は、前工程に比べ、より厚膜の絶縁膜であることが多く、超高圧水銀灯のより多くの輝線を用いるブロードバンド光は露光効率を向上できる効果もある。そのため、光塩基発生剤とポリアミド酸の系にブロードバンド光を照射して効果的な反応を起こすためには、感光性樹脂組成物中の光塩基発生剤がi線領域に加え、i線よりも長波長の光に感度を持つことが重要である。
特開平6−175364号公報 特開平8−227154号公報 特開2003−84435号公報 上田充、「感光性ポリイミド」、日本写真学会誌、日本写真学会、2003年06巻、4号、p367−375 池田章彦、水野晶好、「初歩から学ぶ感光性樹脂」、工業調査会、2002年4月10日、p125−142
本発明は、ブロードバンド光による効果的な露光が可能でありかつ200℃という低温で硬化可能なネガ型感光性樹脂組成物及び該組成物の触媒として使用する光塩基発生剤を提供することを目的とする。
発明者らは鋭意検討の結果、ネガ型感光性樹脂組成物をブロードバンド光で現像可能とする特定の光塩基発生剤を見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
1.(A)下記一般式(1)で表される光塩基発生剤、
Figure 2009019113
(ただし、Zは水素原子またはニトロ基、R、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1から8のアルキル基、Rは水素原子または炭素数1から8のアルキル基であり、R及びRならびにR及びRはそれぞれ互いに環構造を形成しても良い)
2.N、R及びRがピペリジル基を構成することを特徴とする上記1.に記載の光塩基発生剤、
3.N、R及びRが2,6−ジメチルピペリジル基を構成することを特徴とする上記1.又は2.に記載の光塩基発生剤、
4.Rがメチル基であることを特徴とする上記1.〜3.のいずれか1項に記載の光塩基発生剤、
5.Zがニトロ基であることを特徴とする上記1.〜4.のいずれか1項に記載の光塩基発生剤、
6.(B)下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸100質量部に対して、(A)上記1.〜5.のいずれか1項に記載の光塩基発生剤5〜30質量部、および(C)溶媒300〜1900質量部を含むことを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物。
Figure 2009019113
(ただし、Xは4価の脂肪族基又は4価の芳香族基、Yは2価の脂肪族基又は2価の芳香族基であり、−COOH基と、これに隣接する−CONH基は互いにオルト位にある。)である。
本発明の光塩基発生剤は、ポリアミド酸と組み合わせることで、ブロードバンド光による効果的な露光が可能でありかつ200℃という低温で硬化可能であるという効果を奏する。
本発明の光塩基発生剤について、以下に説明する。
本発明で開示される光塩基発生剤は下記一般式(1)で示されるものである。
Figure 2009019113
(ただし、Zは水素原子またはニトロ基、R、R、R及びRは炭素数1から8のアルキル基、Rは水素原子または炭素数1から8のアルキル基であり、R及びRならびにR及びRはそれぞれ互いに環構造を形成しても良い)
この中でも、N、R及びRがピペリジル基を構成することが好ましく、N、R及びRが2,6−ジメチルピペリジル基を構成することがより好ましい。
具体的な例としては、下記(3)で示されるN−{[(2−ニトロ−5−ピペリジニルベンジル)オキシ]−カルボニル}−2,6−ジメチルピペリジンが挙げられる。
Figure 2009019113
さらに、Rがメチル基であることも好ましく、具体的な例としては、下記(4)で示されるN−{1−[(2−ニトロ−5−ピペリジニルフェニル)エチルオキシ]−カルボニル}−2,6−ジメチルピペリジンが挙げられる。
Figure 2009019113
中でも、Zがニトロ基であることも好ましく、具体的な例としては、下記(5)で示されるN−{[(2,6−ジニトロ−5−ピペリジニルフェニル)エチルオキシ]−カルボニル}−2,6−ジメチルピペリジンが挙げられる。
Figure 2009019113
本発明の、前述の一般式(1)及び(3)〜(5)で表される光塩基発生剤の代表的製造方法をN−{[(2−ニトロ−5−ピペリジニルベンジル)オキシ]−カルボニル}−2,6−ジメチルピペリジン(上記(3)の化合物)の合成法をベースとして、次の(i)〜(iv)の手順に従い説明する。
(i)まず、濃硫酸と濃硝酸の混合物である混酸に3−クロロベンズアルデヒドを加え、0℃程度の低温で反応させることで5−クロロ−2−ニトロ−ベンズアルデヒドを得る。上記(4)の化合物を得る際には、まず、濃硫酸と濃硝酸の混合物である混酸に3−クロロアセトフェノンを加え、0℃程度の低温で反応させることで5−クロロ−2−ニトロ−アセトフェノンを得る。また、上記(5)の化合物を得る際は、まず、濃硫酸と濃硝酸の混合物である混酸に3−クロロアセトフェノンを加え、10℃〜60℃で反応させることで5−クロロ−2,6−ジニトロ−アセトフェノンを得る。
(ii)つぎにアルデヒド基を保護するためにパラトルエンスルホン酸等の酸触媒下、エチレングリコールと反応させることで、2−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−1,3−ジオキソランを製造する。さらに、ピペリジンを加熱還流させアミノ置換体を得た後、酸触媒を用いてアルデヒド基を復活させ、2−ニトロ−5−(1−ピペリジニル)ベンズアルデヒドを得る。酸触媒としては、塩酸を用いることができる。上記(4)または(5)の化合物を得る場合は、(i)で合成した5−クロロ−2−ニトロ−アセトフェノンまたは5−クロロ−2,6−ジニトロ−アセトフェノンに直接ピペリジンを反応させることができる。上記一般式(1)を得る場合は、窒素含有化合物としてNRと反応させる。
(iii)その後、メタノール溶媒中でアルデヒド基の還元を行う。還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウムを用いることができる。ここで生成したヒドロキシ基をトリエチルアミン等のアミン共存下クロロギ酸p−ニトロフェニルと反応させ、2−ニトロ−5−(1−ピペリジニル)ベンジル−p−ニトロフェニルカルボナートを得る。上記(4)または(5)の化合物を得る場合は、メタノール溶媒中でアセチル基の還元を行う。還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウムを用いることができる。ここで生成したヒドロキシ基をトリエチルアミン等のアミン共存下クロロギ酸p−ニトロフェニルと反応させる。
(iv)得られた化合物に窒素含有化合物である2,6−ジメチルピペリジンを加え、縮合剤を用いて反応させて、上記(3)の化合物を得る。上記(4)または(5)の化合物を得る際も2,6−ジメチルピペリジンを窒素含有化合物として用いる。一般式(1)を得る際には、NRを窒素含有化合物として用いる。縮合剤としては、1−ヒドロ
キシベンズトリアゾールを用いることができる。
本発明の光塩基発生剤は、ポリアミド酸と組み合わせることで、ブロードバンド露光により、低温で硬化可能なネガ型感光性樹脂組成物を提供することができる。
次に、本発明のネガ型感光性樹脂組成物について、それぞれ以下に説明する。
(A)光塩基発生剤
光塩基発生剤の説明は前述の通りである。光塩基発生剤の添加量は後述のポリアミド酸100質量部に対して、5〜30質量部であり、さらに、好ましくは15〜25質量部である。光塩基発生剤の添加量が5質量部以上であると樹脂のパターニング性が良好であり、30質量部以下であると硬化後の膜の引張り伸び率が良好、かつ露光部の現像残さ(スカム)が少ない。
(B)ポリアミド酸
本発明で開示されるポリアミド酸は、下記一般式(2)に示される繰り返し単位を有するものである。
Figure 2009019113
(ただし、Xは4価の脂肪族基又は4価の芳香族基、Yは2価の脂肪族基又は2価の芳香族基であり、−COOH基と、これに隣接する−CONH基は互いにオルト位にある。)
Xが脂肪族基の場合の炭素数は4〜20とすることが好ましく、芳香族基の場合の炭素数は6〜32とすることが好ましい。中でも、高耐熱性を要する用途の場合には、Xに芳香族基を選定することが好ましい。また、Yが脂肪族基の場合の炭素数は、2〜20とすることが好ましく、芳香族基の炭素数は4〜32とすることが好ましい。ポリアミド酸の好ましい分子量は、5000〜500000であり、より好ましくは10000〜200000である。ポリマーの固有粘度は、0 .1〜2dL/gとすることが好ましい。
本発明に用いられるポリアミド酸において、その繰り返し単位中のX基は、原料として用いるテトラカルボン酸二無水物に由来する。本発明で用いることのできるテトラカルボン酸二無水物の例としては、X基が4価の芳香族基の場合、ピロメリット酸二無水物、4、4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2,2−ジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,6−トリフルオロ−1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、及び下記式(6)の構造を有するテトラカルボン酸二無水物などの公知のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。
Figure 2009019113
(ただし、式中R15は、下記式(7)または(8)で表される芳香族基を示す。)
Figure 2009019113
Figure 2009019113
また、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、1,4−ジメトキシ− 2,3,5,6−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、1,4−ジトリメチルシリル−2,3,5,6−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシルフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシルフェノキシ)ベンゼン二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシルフェノキシ)ジメチルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシルフェノキシ)メチルアミン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシルフェノキシ)ビフェニル二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシルフェノキシ)ジフェニルスルフォン二無水物を用いてもよい。
また、2,3,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−キノリンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルフィドテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホキシドテトラカルボン酸二無水物、1,2,8,9−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニルスルフォニル)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニルチオ)ベンゼン二無水物、3,3″,4,4″−タ− フェニルテトラカルボン酸二無水物、4−フェニルベンゾフェノン−3,3″,4,4″−テトラカルボン酸二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシルベンゾイル)−ベンゼン二無水物、3,3’’’,4,4’’’−クアチルフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシ
ルフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシルフェノキシ)ジフェニルスルホキシド二無水物などを用いてもよい。
X基が4価の脂肪族基を有する場合としては、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン− 1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。
本発明に用いられるポリアミド酸において、その繰り返し単位中のY基は、原料として用いるジアミン類に由来する。
ジアミンの例として、Y基が2価の芳香族基である場合としては、パラフェニレンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォキシド、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフォン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフォン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパン、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3
−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンを挙げることができる。
また、Y基が2価の脂肪族基である場合の例としては、1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミンを挙げることができる。
また、別の例としては、ジアミンの例として下記式(9)で示されるジアミノポリシロキサン等が挙げられる。
Figure 2009019113
(式中、R16及びR17はそれぞれ独立して2価の炭化水素基を表し、R18及びR19はそれぞれ独立して1価の炭化水素基を表す。tは1以上の整数であり、好ましくは1〜10の整数である。)
具体的には、上記式(9)におけるR16及びR17としては、メチレン基、エチレン基、及びプロピレン基等の炭素数1〜7のアルキレン基、並びにフェニレン基等の炭素数6〜18のアリーレン基などが挙げられる。R18及びR19としては、メチル基、及びエチル基等の炭素数1〜7のアルキル基、並びにフェニル基等の炭素数6〜12のアリール基などが挙げられる。
ネガ型感光性樹脂組成物中のポリアミド酸は、単独のものであってもよいし、複数のものであってもよい。また、X及びYからなる群のうち少なくとも1つが2種以上からなる、共重合体であってもよい。
(C)溶媒
本発明においては、(A)光塩基発生剤及び(B)ポリアミド酸を、(C)溶媒に溶解してワニス状にし、ネガ型感光性樹脂組成物として使用する。このような溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン、ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリノン、テトラメチルウレア、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等を単独または混合して使用できる。これらの溶媒のうち、非アミド系溶媒がフォトレジストなどへの影響が少ない点から好ましい。具体的なより好ましい例としては
γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどを挙げることができる。
溶媒の添加量は上記ポリアミド酸100質量部に対して300〜1900質量部である。さらに好ましくは570〜900質量部である。
溶媒の添加量が300質量部以上であると溶解性が良好であり、1900質量部以下であると厚膜も含め膜形成が良好である。
(D)その他の成分
本発明のネガ型感光性樹脂組成物には、必要に応じて、界面活性剤、及びシリコンウエハーとの密着性を高めるための接着助剤を添加することも可能である。
界面活性剤としては、ポリプロピレングリコール、もしくはポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリグリコール類、またはその誘導体からなる非イオン系界面活性剤として、例えば、フロラード(住友3M社製:商品名)、メガファック(大日本インキ化学工業社製:商品名)、またはスルフロン(旭硝子社製:商品名)等のフッ素系界面活性剤があげられる。さらに、KP341(信越化学工業社製:商品名)、DBE(チッソ社製:商品名)、またはグラノール(共栄社化学社製:商品名)等の有機シロキサン界面活性剤が挙げられる。該界面活性剤の添加により、塗布時のウエハーエッジでの塗膜のハジキをより発生しにくくすることができる。
界面活性剤を加える場合の添加量は、ポリアミド酸100質量部に対し、0〜10質量部が好ましく、0.01〜1質量部がより好ましい。添加量が10質量部以下であれば、熱硬化後の膜の耐熱性が良好である。
接着助剤としては、アルキルイミダゾリン、酪酸、アルキル酸、ポリヒドロキシスチレン、ポリビニルメチルエーテル、t−ブチルノボラック、エポキシポリマー、およびエポキシシランなどの各種シランカップリング剤が挙げられる。
シランカップリング剤の具体的な好ましい例としては、3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジアルコキシアルキルシラン、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルジアルコキシアルキルシラン、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン又は3−アミノプロピルジアルコキシアルキルシランと、酸無水物又は酸二無水物の反応物、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン又は3−アミノプロピルジアルコキシアルキルシランのアミノ基をウレタン基やウレア基に変換したものが挙げられる。この際のアルキル基としてはメチル基、エチル基、ブチル基などが、酸無水物としてはマレイン酸無水物、フタル酸無水物などが、酸二無水物としてはピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物などが、ウレタン基としてはt−ブトキシカルボニルアミノ基などが、ウレア基としてはフェニルアミノカルボニルアミノ基などが挙げられる。
接着助剤を加える場合の添加量は、ポリアミド酸100質量部に対し、0〜30質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。添加量が30質量部以下であれば、熱硬化後の膜の耐熱性が良好である。
次に、本発明の硬化レリーフパターンの製造方法について、以下具体的に説明する。
第一に、本発明のネガ型感光性樹脂組成物を、例えばシリコンウエハー、化合物半導体ウェハー、セラミック基板、アルミ基板等の基板に、スピナーを用いた回転塗布、又はダイコーター、もしくはロールコーター等のコータ−により塗布する。これをオーブンやホットプレートを用いて50〜140℃で乾燥して溶媒を除去する。
第二に、マスクを介して、コンタクトアライナーやステッパーを用いて化学線による露光を行うか、光線、電子線またはイオン線を直接照射する。
第三に、露光部、又は照射部を現像液で溶解除去し、引き続きリンス液によるリンスを
行うことで所望のレリーフパターンを得る。現像方法としてはスプレー、パドル、ディップ、または超音波等の方式が可能である。リンス液は蒸留水、または脱イオン水等が使用できる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物により形成された膜を現像するために用いられる現像液は、アルカリ可溶性ポリマーを溶解除去するものであり、アルカリ化合物を溶解したアルカリ性水溶液であることが必要である。現像液中に溶解されるアルカリ化合物は、無機アルカリ化合物、または有機アルカリ化合物のいずれであってもよい。
該無機アルカリ化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、及びアンモニア等が挙げられる。
また、該有機アルカリ化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、エタノールアミン、及びトリエタノールアミン等が挙げられる。
さらに、必要に応じて、上記アルカリ性水溶液に、メタノール、エタノール、プロパノール、またはエチレングリコール等の水溶性有機溶媒、界面活性剤、保存安定剤、及び樹脂の溶解抑止剤等を適量添加することができる。
最後に、得られたレリーフパターンを低温で加熱処理して、ポリイミド構造を有する樹脂からなる耐熱性硬化レリーフパターンを形成する。
本発明の半導体装置は、本発明の硬化レリーフパターンを、表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、あるいはバンプ構造を有する装置の保護膜として、公知の半導体装置の製造方法と組み合わせることで製造することができる。
また、本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、多層回路の層間絶縁、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、または液晶配向膜等の用途にも有用である。
本発明を実施例に基づいて説明する。
[実施例1]
(N−{[(2−ニトロ−5−ピペリジニルベンジル)オキシ]−カルボニル}−2,6−ジメチル−ピペリジン(上記(3)で示される化合物)(以下、「PNCDF」ともいう。)の合成)
以下、(1)〜(7)の手順に従って、N−{[(2−ニトロ−5−ピペリジニルベンジル)オキシ]−カルボニル}−2,6−ジメチルピペリジン(PNCDF)の合成を行った。
(1)5−クロロ−2−ニトロベンズアルデヒド(以下、「化合物1」とする)の合成
250mLの98%濃硫酸に、0℃で撹拌しながら14.6mLの70%硝酸溶液を滴下した。次に、この混合溶液を0℃で撹拌しながら25gの3−クロロベンズアルデヒドを30分かけて滴下した。その後、反応混合物を室温で1時間撹拌し、500gの氷水に少しづつ加えた。生成した黄白色の固体を濾別しイオン交換水で洗浄した。40℃で終夜真空乾燥し、融点74〜75℃の白色結晶を30.7g得た。収率は92.8%であった。
(2)2−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−1,3−ジオキソラン(以下、「化合物2」とする)の合成
撹拌機、温度計、還流コンデンサー付きジーンスタークトラップを備えた500mL容量の三口フラスコに39.2gのエチレングリコールと300mLのベンゼンを入れ、つぎに0.5gのp−トルエンスルホン酸を溶解した。さらに、12.7gの化合物1を加え、均一混合物を加熱し24時間還流を続けた。この間、反応で生じた水をベンゼンと共沸させ系外に除去した後、ベンゼンを留去した。その後フラスコに残った反応混合物を塩化メチレンに溶解し水で2回洗浄した。塩化メチレン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、塩化メチレンを蒸留除去し13.0gの黄色のオイル状物を得た。収率は81.8%であった。
以下の赤外吸収スペクトル(Horiba社製 FT−720)(以下、(3)〜(7)の合成にも同じ分析装置を用いた。)(cm−1;NaCl錠剤法)及びH−NMR(以下、(3)〜(7)の合成にも同じ分析装置及び分析条件を用いた。)の分析結果から、生成物が次に示す化合物2であることを確認した。
H−NMRの測定条件を下記に記す。
装置:ブルカー・バイオスピン株式会社製 BulkerGPX スペクトロメーター
溶媒:重クロロホルム(Uvasol社製 Chloroform−D1 MERCK) 測定温度:25℃
赤外吸収スペクトル(cm−1;NaCl錠剤法):2890、1573、1531、1353、1191、1103、844、759。
H−NMRケミカルシフト(ppm;300MHz、CDCl溶液)4.01−4.07(4H,m)、6.47(1H,s)、7.45−7.48(1H,d)、7.77−7.78(1H,s)、7.87−7.90(1H,d)。
Figure 2009019113
(3)2−(2−ニトロ−5−ピペリジニルフェニル)−1,3−ジオキソラン(以下、「化合物3」とする)の合成
撹拌機、温度計、還流コンデンサーを備えた100mL容の三口フラスコに12.8gの化合物2と23.7gのピペリジンを入れ、加熱還流した。薄相クロマトグラフィーで反応が終了したことを確認し、3時間後にピペリジンを蒸留除去した。反応混合物に水と塩化メチレンを加え、振とうし分液した。塩化メチレン相を水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し12.4gの濃橙色のオイルを得た(収率80.4g)。以下の赤外吸収スペクトル(cm−1;NaCl錠剤法)の分析結果から、生成物は次に示す化合物3であることを確認した。
赤外吸収スペクトル(cm−1;NaCl錠剤法):2935、1600、1577、1500、1315、1241、1106、1064、944、755。
H−NMRケミカルシフト(ppm;300MHz、CDCl溶液):1.66−1.68(6H,m)、3.42−3.43(4H,m)、4.04−4.07(4H,
m)、6.61−6.62(1H,s)、6.71−6.76(1H、d)、7.19−7.20(1H,s)、8.03−8.06(1H,d)。
Figure 2009019113
(4)2−ニトロ−5−(1−ピペリジニル)ベンズアルデヒド(以下、「化合物4」とする)の合成
撹拌機、温度計、還流コンデンサーを備えた500mL容量の三口フラスコに200
mLのテトラヒドロフランを入れ、次に5.22gの化合物3を投入した。さらに64mLのイオン交換水、3規定の塩酸26mLを加えた。反応混合物を1時間加熱還流した後、テトラヒドロフランを留去した。沈殿してきた固体を水で2回洗浄し80℃で終夜真空乾燥させた。生成物は融点97〜98℃の赤橙色の結晶で収量は3.86g、収率は91.5%であった。以下の赤外吸収スペクトル(cm−1;KBr板法)及びH−NMRの分析結果から、生成物は次に示す化合物4であることを確認した。
赤外吸収スペクトル(cm−1;KBr板法):2938、2858、1689、1589、1484、1434、1400、1315、1249、1168、1130、1083、852、752。
H−NMRケミカルシフト(ppm;300MHz、CDCl溶液):1.70−1.71(6H,m)、3.49−3.51(4H,m)、6.91−6.92(1H,d)、6.94−6.95(1H,d)、8.08−8.10(1H、d)、10.52(1H,s)。
Figure 2009019113
(5)2−ニトロ−5−(1−ピペリジニル)ベンジルアルコール(以下、「化合物5」とする)の合成
撹拌機、温度計を備えた200mL容量の三口フラスコに100mLのメタノールを入れ、次に5.55gの化合物4を加え溶解した。さらに0.56gの水素化ホウ素ナトリウムを加えた。この混合物を室温で2時間撹拌しメタノールを留去した。生成した固体に酢酸エチルと水を加え、振とう分液した。有機相を水で2回、飽和食塩水で1回振とう分液した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、酢酸エチルを蒸留除去し5.06gの黄色固体を得た。収率は90.4%であった。示差熱分析(Seiko社製 EXSTAR6000 TG/DTA6300)で測定した生成物の融点は79.5℃で、以下の赤外吸収
スペクトル(cm−1;KBr板法)及びH−NMRの分析結果から、生成物は次に示す化合物5であることを確認した。
赤外吸収スペクトル(cm−1;KBr板法):2924、2858、1604、1573、1481、1315、1254、1087、1029、852、748。
H−NMRケミカルシフト(ppm;300MHz、CDCl溶液):1.65−1.69(6H,m)、2.98−3.00(1H、m)、3.48−3.50(4H,m)、4.90−4.92(2H,m)、6.71−6.73(1H、d)、6.94−6.95(1H,s)、8.12−8.14(1H、d)。
Figure 2009019113
(6)2−ニトロ−5−(1−ピペリジニル)ベンジル−p−ニトロフェニルカルボナート(以下、「化合物6」とする)の合成
撹拌機、温度計を備えた100mL容量の三口フラスコに60mLのジメチルアセトアミドと6mLのトリエチルアミンと4.73gの化合物5を入れ、0〜5℃に保ち撹拌しながら4.03gのクロロギ酸p−ニトロフェニルを加えた。薄相クロマトグラフィーで反応が進行したことを確認し、20時間後に500mLの氷水に反応混合物をあけた。この混合物から200mLの塩化メチレンによる分液抽出を3回実施した。塩化メチレン溶液を水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し灰色のオイルを得た。そこに過剰のn−ヘキサンを加えることにより得た固形分を容量比で9/5のベンゼン/シクロヘキサン混合溶液から再結晶し淡黄色の生成物を得た。収量は4.2g、収率は52.3%であった。生成物の融点は113〜113.5℃で、以下の赤外吸収スペクトル(cm−1;KBr錠剤法)及びH−NMRの分析結果から生成物は次に示す化合物6であることを確認した。
赤外吸収スペクトル(cm−1;KBr錠剤法):2924、2858、1604、1573、1481、1315、1254、1087、1029、852、748。
H−NMRケミカルシフト(ppm;300MHz、CDCl溶液):1.65−1.69(6H,m)、2.98−3.00(1H,m)、3.48−3.50(4H、m)、4.90−4.92(2H,m)、6.71−6.73(1H、d)、6.94−6.95(1H,s)、8.12−8.14(1H,d)。
Figure 2009019113
(7)N−{[(2−ニトロ−5−ピペリジニルベンジル)オキシ]−カルボニル}−2,6−ジメチル−ピペリジン(PNCDF)の合成
撹拌機、温度計、還流コンデンサーを備えた100mL容量の三口フラスコに60mLのジメチルアセトアミドと4.08gの2,6−ジメチルピペリジンと3.61gの化合物6を入れ均一混合物とした。さらに撹拌しながら0.36gの1−ヒドロキシベンズトリアゾールを加えた。この混合物を90℃で24時間撹拌した後、室温まで冷却し500mLの炭酸水素ナトリウムの1%水溶液にあけた。つぎにこの混合物から生成物を200mLの塩化メチレンで2回分液抽出し、抽出液を水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得た濃赤色の固体をベンゼン/n−ヘキサン(容量比1/8)混合液から再結晶し黄褐色の結晶を1.46g得た。収率は43.2%で融点は130〜130.5℃であった。また熱重量分析では分解開始温度は250℃であった。
この化合物の構造が下記に示すPNCDPであることを次の赤外吸収スペクトル及びH−NMRの分析結果から確認した。
赤外吸収スペクトル(cm−1;KBr錠剤法):2946、2855、1681、1604、1569、1411、1338、1303、1241、1099、1072、861。
H−NMRケミカルシフト(ppm;300MHz、CDCl溶液):1.25−1.27(6H,m)、1.60−1.61(12H,m)、3.43−3.45(4H,m)、4.40−4.42(2H,m)、5.59(2H,s)、6.72−6.74(1H,d)、6.84−6.85(1H,s)、8.12−8.14(2H,d)。
紫外可視吸収スペクトル極大:395.5nm。
Figure 2009019113
PNCDFの赤外吸収スペクトルを図1に示した。
PNCDFのH−NMRスペクトルを図2に示した。
[実施例2]
(ネガ型感光性樹脂組成物の調製)
撹拌機付き300mL容量のフラスコにジメチルアセトアミド87.0gと4’4−ジアミノジフェニルエーテル6.0gを加え、25℃で撹拌し溶解させた。その後、オキシジフタル酸二無水物9.3gを加え、25℃で撹拌しながら24時間撹拌し、ポリアミド酸溶液を得た。
50mLのガラス製サンプルビンにこのポリアミド酸溶液20.0gおよび、実施例1で調製したPNCDPを0.30g加え、サンプルビンをミックスローター(アズワン株式会社製 MR−5)を用いて均一になるまで回転し組成物を調整した。
(ネガ型感光性樹脂組成物のレリーフパターンの形成)
上記ネガ型感光性樹脂組成物をスピンコーター(MIKASA製 1H−D7)にて8
インチシリコンウエハーにスピン塗布し、ホットプレートにて100℃、300秒間プリベークを行い、膜厚1.5μmの塗膜を形成した。膜厚はフィルム膜厚測定装置(Veeco Instruments Inc.社製Dektak3system)にて測定した。
この塗膜に、テストパターン付きレクチルを通してh線(405nm)の露光波長を有するステッパ−(ミカサ社製)を用いて、露光量500mJ/cmで露光した。さらに、160℃、300秒にて露光後ベークを行った。これをアルカリ現像液(東京化成社製デベロッパー、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウムに10wt%イソプロパノールを含有した水溶液)を用い、25℃、150秒の条件下で現像し、純水にてリンスを行い、ネガ型のレリーフパターンを形成した。その結果、ネガ型感光性樹脂組成物の膜厚は1.5μmとなった。
[実施例3]
(ネガ型感光性樹脂組成物の調製)
撹拌機付き300mL容量のフラスコにN−メチルピロリドン85.0gと4’4−ジアミノジフェニルエーテル6.0gを加え、25℃で撹拌し溶解させた。その後、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物8.8gを加え、25℃で撹拌しながら24時間撹拌し、ポリアミド酸溶液を得た。
50mLのガラス製サンプルビンにこのポリアミド酸溶液20.0gおよび、実施例1で調製したPNCDPを0.30g加え、サンプルビンをミックスローター(アズワン株式会社製 MR−5)を用いて均一になるまで回転し組成物を調整した。
(ネガ型感光性樹脂組成物のレリーフパターンの形成)
上記ネガ型感光性樹脂組成物をスピンコーター(大日本スクリーン(株)製 D−SpinSKW−636)にて6インチシリコンウエハーにスピン塗布し、ホットプレートにて100℃、300秒間プリベークを行い、膜厚2.0μmの塗膜を形成した。膜厚はフィルム膜厚測定装置(Veeco Instruments Inc.社製Dektak3system)にて測定した。
この塗膜に、テストパターン付きレクチルを通してg線、h線、及びi線の混合光(ブロードバンド光)の露光波長を有する露光機(キヤノン製 PLA−501F)を用いて、露光量800mJ/cmで露光した。さらに、160℃、300秒にて露光後ベークを行った。これをアルカリ現像液(2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用い、25℃、150秒の条件下で現像し、純水にてリンスを行い、ネガ型のレリーフパターンを形成した。その結果、ネガ型感光性樹脂組成物の膜厚は1.5μmとなった。
(レリーフパターンの熱硬化)
このパターンを形成したウエハーを縦型炉に室温で投入し、5℃/分の割合で200℃まで昇温し、200℃にて1時間保った後、5℃/分の割合で室温まで冷却した。赤外吸収スペクトル測定により95%以上イミド化が進んだことを確認した。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、半導体の保護膜、パッケージの絶縁膜として使用するのに適したポリイミド前駆体の製造に好適に使用することができる。
実施例1の(7)で合成したPNCDFの赤外吸収スペクトル測定結果である。 実施例1の(7)で合成したPNCDFのH−NMRスペクトル測定結果である。

Claims (6)

  1. (A)下記一般式(1)で表される光塩基発生剤。
    Figure 2009019113
    (ただし、Zは水素原子またはニトロ基、R、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1から8のアルキル基、Rは水素原子または炭素数1から8のアルキル基であり、R及びRならびにR及びRはそれぞれ互いに環構造を形成しても良い)
  2. N、R及びRがピペリジル基を構成することを特徴とする請求項1に記載の光塩基発生剤。
  3. N、R及びRが2,6−ジメチルピペリジル基を構成することを特徴とする請求項1又は2に記載の光塩基発生剤。
  4. がメチル基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光塩基発生剤。
  5. Zがニトロ基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光塩基発生剤。
  6. (B)下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸100質量部に対して、(A)請求項1〜5のいずれか1項に記載の光塩基発生剤5〜30質量部、および(C)溶媒300〜1900質量部を含むことを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物。
    Figure 2009019113
    (ただし、Xは4価の脂肪族基又は4価の芳香族基、Yは2価の脂肪族基又は2価の芳香族基であり、−COOH基と、これに隣接する−CONH基は互いにオルト位にある。)
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