JP2009018765A - ドライバ特性検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車1に装備されたセンサ2,3,5に基づいて同定したドライバ4のドライバモデルを別のドライバモデルと比較することにより、信頼性の高い操縦者特性の評価を行う操縦者特性検出装置を提供する。
【解決手段】自動車1に装備された目標値センサ2と動作センサ3と操作センサ5に基づいて求めた操縦目標値と操縦操作量と動作実測値とをドライバ4の入出力として、この入出力関係を示すドライバモデルを同定するドライバモデル同定手段6と、このドライバモデルを別のドライバモデルと比較することにより現在のドライバ4のドライバ特性を評価するドライバ特性評価手段7とを備えた構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両等の被操縦体を操縦する操縦者の飲酒・疲労・眠気等の状態の操縦者特性や習熟度・年齢等による操縦者特性を評価する操縦者特性検出装置に関するものである。
飲酒運転(酒酔い運転や酒気帯び運転)や居眠り運転等の危険運転は、重大な事故に繋がる可能性が高く、大きな社会問題となっているため、このような危険運転を防止するための対策が強く求められている。飲酒運転を防止するために、アルコールセンサによってドライバの呼気からアルコールを検出する装置が従来から開発されていた。また、ドライバのまばたきや脈拍等の生体情報を検出してドライバの疲労や眠気を判断する装置も従来から開発されていた。
ところが、これら従来の装置では、呼気からアルコールを検出するアルコールセンサ、又は、まばたきや脈拍等の生体情報を測定するセンサが別途必要となり、装置が高価になるという問題があった。また、アルコールセンサは、ドライバが意図的に直接息を吹きかける必要があるので、呼気中のアルコール濃度を正確に検出できる保証がなく、信頼性に疑問があるという問題があった。さらに、生体情報を測定するセンサは、運転中の長時間の検出がドライバに負担をかけるおそれがあるという問題があった。
なお、操縦者(パイロット)に操縦シミュレータを用いて目標値追従実験を行わせ、この操縦者の操縦者モデル(パイロットモデル)を同定することも従来から行われている(例えば、非特許文献1参照。)。しかしながら、このような操縦者モデルは、被操縦体(航空機)の操縦を制御する制御系の特性を最適化するために用いられるにすぎなかった。
得竹浩・伊藤恵理著,規範パイロットモデルを用いた制御系設計,「日本航空宇宙学会論文集」,社団法人日本航空宇宙学会,2003年,第51巻,第593号,p.321−326
本発明は、車両等に装備されたセンサに基づいて同定した操縦者の操縦者モデルを別の操縦者モデルと比較することにより、信頼性の高い操縦者特性の評価を行う操縦者特性検出装置を提供しようとするものである。
請求項1の操縦者特性検出装置は、被操縦体に装備されたセンサに基づき、操縦者が操縦の目標とする操縦目標値と、操縦者が実際に操縦した操縦操作量と、被操縦体の実際の動作を実測した動作実測値とを求めると共に、操縦目標値及び/若しくは動作実測値又はこれら操縦目標値と動作実測値との誤差を操縦者の入力とし、操縦操作量を操縦者の出力として、操縦者の入出力関係を示す操縦者モデルを同定する操縦者モデル同定手段と、この操縦者モデル同定手段が同定した操縦者モデルを、以前にこの操縦者モデル同定手段が同定した操縦者モデルと比較し、又は、規範的な操縦者モデルと比較することにより、現在の操縦者の操縦者特性を評価する操縦者特性評価手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2の操縦者特性検出装置は、前記操縦者モデル同定手段が、操縦者の1入力1出力の入出力関係の伝達関数を示す微分方程式を求めることにより操縦者モデルを同定するものであることを特徴とする。
請求項3の操縦者特性検出装置は、前記操縦者特性評価手段が、微分方程式として求めた操縦者モデルをボード線図で表し、このボード線図上の曲線を比較することにより操縦者特性を評価するものであることを特徴とする。
請求項4の操縦者特性検出装置は、前記操縦目標値が、前記動作実測値を平滑化したものであることを特徴とする。
請求項5の操縦者特性検出装置は、前記操縦者特性評価手段が評価した操縦者特性が異常であると判断された場合に、操縦者に警告を発する警告手段を備えたことを特徴とする。
請求項6の操縦者特性検出装置は、前記操縦者特性評価手段が評価した操縦者特性に応じて、被操縦体の操縦特性を変化させる操縦特性変更手段を備えたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、操縦者モデル同定手段が操縦者の入出力関係を示す操縦者モデルを同定するので、操縦者特性を的確に表すことができる。例えば単にステアリング操作の操舵角等のように操縦者の出力だけを検出したり、車両のふらつき等のように被操縦体の動作だけを検出したのでは、操縦者の飲酒時と非飲酒時や習熟した操縦者と未熟な操縦者等の差が十分に現れないが、操縦者の入出力関係を示す操縦者モデルを用いれば、操縦者特性の違いを確実に検出することができる。
しかも、操縦操作量は、ステアリングホイールに取り付けられたポテンショメータ(角度センサ)等のように、非操縦体への装備率の高い既存のセンサを用いて検出することができ、動作実測値は、非操縦体に装備された既存のカメラや、このようなカメラがなくても、装備率の高い既存の加速度計や角速度計等を用いて検出することができ、操縦目標値は、非操縦体に装備された既存のカメラや、このようなカメラがなくても、請求項4に示すように動作実測値から演算によって求めることができるので、操縦者モデルを同定するために別途センサを設ける必要も生じない場合が多い。
そして、この操縦者モデル同定手段により同定された操縦者の操縦者モデルを、基準となる別の操縦者モデルと比較して現在の操縦者の操縦者特性を評価するので、操縦者の飲酒・疲労・眠気等の状態の操縦者特性や習熟度・年齢等による操縦者特性を客観的に正確に評価することができる。即ち、長時間の操縦による疲労・眠気等の状態の操縦者特性は、例えば操縦開始時の操縦者モデルと比較することにより、信頼性の高い評価が期待できる。また、飲酒・疲労・眠気等の状態の操縦者特性も、例えば同一の操縦者の非飲酒時等の正常時の操縦者モデルと比較することにより、信頼性の高い評価が期待できる。さらに、習熟度・年齢等による操縦者特性も、例えば規範的な操縦者モデルと比較することにより、信頼性の高い評価が期待できる。
なお、操縦者モデル同定手段は、例えばステアリング操作関係の場合やアクセルやブレーキのペダル操作関係の場合等のように、入出力の内容が異なる複数の操縦者モデルを同定することもできる。また、操縦者の現実の入出力関係は一般に多入力多出力であるため、操縦者モデル同定手段が同定する操縦者の入出力関係も、できるだけ現実に近い多入力多出力として同定することが好ましいが、十分に近似できるのであれば、請求項2に示すように1入力1出力の入出力関係として同定することもできる。
さらに、操縦者の入出力関係における入力は、通常は、操縦目標値と動作実測値との誤差を用いるが、操縦目標値又は動作実測値のいずれかを単独で入力したり、これら操縦目標値と動作実測値の2入力とした操縦者モデルも考え得る。
請求項2の発明によれば、操縦者モデルを操縦者の1入力1出力の入出力関係の伝達関数を示す微分方程式として単純化して求めるので、演算処理を容易化することができる。しかも、被操縦体の例えば横変位による入出力関係だけでなく、ヨーイング角の変化等による各入出力関係に基づき、それぞれ複数の操縦者モデルを同定して、これらを対応する別の操縦者モデルとそれぞれ比較した結果を総合的に評価すれば、現実には多入力多出力の操縦者モデルを有する実際の操縦者の操縦者特性をより正確に評価することができる。
なお、操縦者モデルの比較は、伝達関数の係数や微分方程式の係数等を比較することにより行う他、請求項3に示すボード線図やその他の線図等の曲線を比較する等の方法がある。
請求項3の発明によれば、微分方程式として求めた操縦者モデルをボード線図上の曲線で比較するので、比較処理を容易化したり的確に行うことができる。
請求項4の発明によれば、動作実測値を平滑化して操縦目標値を求めるので、例えば自動車に車線検知用のカメラ等が装備されていなくても、被操縦体の動作を検出して動作実測値を求めることができる加速度センサや角速度センサ等の安価で装備率の高いセンサだけで操縦目標値を求めることができるようになる。なお、このような平滑化の処理を行うと数十秒程度の時間遅れが生じるが、リアルタイムに操縦支援等を行う訳ではないので、操縦者特性の評価にこの程度の時間遅れが生じても支障はない。
請求項5の発明によれば、評価した操縦者特性が異常である場合に、操縦者に警告を発するので、例えば飲酒・疲労・眠気等の状態の操縦者に注意を促し、危険運転を防止することができるようになる。
請求項6の発明によれば、評価した操縦者特性に応じて自動車等の操縦特性を変化させるので、例えば習熟度が低い操縦者や高齢の操縦者の場合に、操縦が容易な操縦特性を提供することができ、安全運転の促進を図ることができるようになる。
以下、本発明の最良の実施形態について図1〜図5を参照して説明する。
本実施形態は、自動車(被操縦体)を運転(操縦)するドライバ(操縦者)のドライバモデル(操縦者モデル)を同定して、このドライバのドライバ特性(操縦者特性)を評価する操縦者特性検出装置について説明する。また、説明を分かりやすくするために、ここでは自動車の速度を一定とし、ドライバはステアリングホイールだけを操作して操舵のみによる運転を行うものとする。ただし、アクセルペダルやブレーキペダル等の操作を組み合わせた運転の場合にも同様の方法により本発明を実施可能であり、自動車以外の車両、電車、列車、船舶及び航空機等の被操縦体を操縦する操縦者についても、同様に本発明を実施可能である。
図1に示す最近の自動車1は、エアバッグや横滑り防止システム、ナビゲーションシステム等で用いるために、加速度センサや角速度センサを装備している場合が多く、車線検知用等のためにカメラを装備している場合もある。そして、この車線検知用のカメラは、ドライバが操舵の目標とする操縦目標値を得るための目標値センサ2として用いることができる。また、左右方向の加速度センサの出力を2回積分すると自動車1の横変位を検出でき、左右の回転方向の角速度センサの出力により自動車1のヨーイング角速度を検出できるので、これらのセンサは、自動車1の実際の動作を実測した動作実測値を得るための動作センサ3として用いることができる。
さらに、自動車1のステアリングには、電動パワーステアリング等のためにロータリ型のポテンショメータ(角度センサ)が取り付けられている場合が多い。そして、このポテンショメータは、ドライバ4が実際にステアリングホイールを操作した操舵角、即ち操縦操作量を得るための操作センサ5として用いることができる。
なお、これらの目標値センサ2と動作センサ3と操作センサ5は、それぞれ一部又は全部のセンサが共用されていてもよい。また、アクセルペダルやブレーキペダル等の操作を組み合わせた運転を考慮する場合、これらのペダルに取り付けられたポテンショメータ等も操作センサ5として用いることができる。
上記目標値センサ2と動作センサ3と操作センサ5の出力は、ドライバモデル同定手段6(操縦者モデル同定手段)に送られてドライバ4のドライバモデルが同定される。また、このドライバモデルは、ドライバ特性評価手段7(操縦者特性評価手段)に送られてドライバ4のドライバ特性の評価が行われる。ドライバモデル同定手段6とドライバ特性評価手段7は、それぞれ所定のアルゴリズムを実行する演算処理装置からなり、例えば自動車1に装備されたマイクロコンピュータによって実装することができる。
ドライバモデル同定手段6は、上記操縦目標値と動作実測値との誤差をドライバ4の入力とし、上記操縦操作量をドライバ4の出力として、このドライバ4の入出力関係を示すドライバモデルを同定するものである。
ここで、ドライバ4は、目視によって車線をはじめとする各種の道路状況を取得するだけでなく、自動車1の振動や加速度、角加速度等の種々の情報を取得して、ステアリングホイールを操作し操舵角を決める等の各種の運転操作を行うので、厳密にドライバモデルを同定するには、多入力多出力の解析法を用いる必要がある。ただし、図2に示すように、ドライバ4の出力をステアリングホイールの操作による操舵角に限定すれば、このドライバ4は、主に、操縦目標値としての目標横変位と自動車1の実際の横変位との差、及び、操縦目標値としての目標ヨーイング角速度と自動車1の実際のヨーイング角速度との差を感知して操舵角の制御を行っていることが知られているので、この2入力1出力の入出力関係を示すドライバモデルを同定すれば、実際のドライバモデルに十分近似させることができる。
そこで、本実施形態のドライバモデル同定手段6では、2入力を分離して、目標横変位と横変位との差をドライバ4の入力とし、操舵角をドライバ4の出力とする1入力1出力の入出力関係を示すドライバモデルを同定すると共に、目標ヨーイング角速度とヨーイング角速度との差をドライバ4の入力とし、操舵角をドライバ4の出力とする1入力1出力の入出力関係を示すドライバモデルを同定する。このように、ドライバモデルを同定する場合に、1入力1出力の入出力関係の伝達関数を示す微分方程式を用いれば、解析処理が容易となる。
上記ドライバモデル同定手段6は、例えば、微分方程式を離散化した次の差分方程式でモデル化する。
δ[i+n]+an−1δ[i+n−1]+…+aδ[i]
=be[i+n]+bn−1e[i+n−1]+…+be[i]
ここで、δ[i]は、50Hzでサンプリングされた操舵角、e[i]は、50Hzでサンプリングされた目標横変位と横変位との差、又は、目標ヨーイング角速度とヨーイング角速度との差としている。なお、同定モデルの次数nは、正確さと複雑さのトレードオフにより決定されるが、ドライバ4のドライバモデルを忠実に表現するにはできるだけ高次のモデルを用いて同定することが好ましい。そこで、本実施形態では試行錯誤の結果、次数n=5と決定した。そして、a,bの係数は、最小二乗法を用いて決定している。
なお、上記ヨーイング角速度と目標ヨーイング角速度に代えて、これらを積分したヨーイング角と目標ヨーイング角を用いても、ほぼ同様の結果を得ることができる。
ドライバ特性評価手段7は、上記ドライバモデル同定手段6で同定されたドライバモデルを別のドライバモデルと比較することにより、現在のドライバ4のドライバ特性を評価するものである。ドライバ特性とは、運転の習熟度や年齢等によるドライバ4の現在の資質に基づく運転の特性の他、飲酒状態や疲労状態、眠気の状態等のようなドライバ4のそのときどきの状態に基づく運転の特性をいう。
比較対象となる別のドライバモデルは、以前にドライバモデル同定手段6が同定したドライバモデル、又は、予め設定された規範的なドライバモデル、若しくは、以前にドライバモデル同定手段6が同定した複数のドライバモデルを適宜取捨選択して平均化する等した規範的なドライバモデルである。例えば、習熟度・年齢等によるドライバ特性は、通常は、予め設定された規範的なドライバモデルと比較して評価されるが、以前にドライバモデル同定手段6が同定した主に他人の複数のドライバモデルに基づく規範的なドライバモデルや、十分以前にドライバモデル同定手段6が同定した同一人のドライバモデルを用いることも可能である。また、飲酒・疲労・眠気等の状態のドライバモデルは、通常は、以前にドライバモデル同定手段6が同定した同一人のドライバモデル、又は、以前にドライバモデル同定手段6が同定した同一人若しくは他人を含む複数のドライバモデルに基づく規範的なドライバモデルと比較して評価されるが、予め設定された規範的なドライバモデルを用いることも可能である。
なお、ドライバモデルが同一のドライバ4のものかどうかを正確に判断する必要がある場合には、ドライバ認証システム等を利用すればよい。
ドライバ特性評価手段7による比較は、双方のドライバモデルの微分方程式の係数等を直接比較するアルゴリズムを用いてもよいが、例えばこれらのドライバモデルの周波数特性を比較するようなものであってもよい。
図3に、ボード線図を用いて飲酒運転のドライバ特性を評価するための例を示す。図3では、非飲酒時のドライバモデルを実線で示す。この非飲酒時のドライバモデルは、同一のドライバ4について以前にドライバモデル同定手段6が同定したドライバモデルを用いてもよいし、規範的なドライバモデルを用いることもできる。また、図3では飲酒時のドライバ4をドライバモデル同定手段6が同定したドライバモデルを破線で示す。
このボード線図における非飲酒時(実線)と飲酒時(破線)の曲線を比較すると、飲酒時のゲイン線図の曲線が非飲酒時に比べて明らかに平坦になり、ゲインも減少していることが分かる。これは、飲酒時には、運動能力や感知能力、状況の判断能力等が低下することから、シンプルではあるが追従性の悪い稚拙な運転となることが原因であると考えられる。そして、このように非飲酒時に対する飲酒時のドライバモデルの特徴を予めドライブシミュレータを用いたシミュレーション実験等により調査しておき、ドライバモデル同定手段6によって同定されたドライバモデルの比較結果がこのような特徴を有するかどうかをドライバ特性評価手段7が客観的に判断することにより、ドライバ特性の評価が行われる。例えば飲酒時のゲイン線図の曲線が非飲酒時に比べてどの程度平坦になったかは、適宜のアルゴリズムによって客観的に検出できるので、この検出値に応じてドライバ4が飲酒時か非飲酒時かを判定することができる。また、ドライバ4の疲労や眠気等の状態、運転の習熟度や高齢であるかどうか等の評価も、同様にそれぞれの特徴を予め調査しておき、ドライバモデルの比較の結果がこれらの特徴を有するかどうかを判定することにより同様に行うことができる。
本実施形態の操縦者特性検出装置は、上記ドライバ特性評価手段7によって、ドライバ4のドライバ特性が飲酒や疲労、眠気の異常な状態であると評価された場合には、図1に示すように、警告装置8から警告音声や警告音を発することにより、ドライバ4に注意を促すようにしている。警告装置8は、音や音声に代えてディスプレイに警告文を表示する等の他の伝達手段により警告を発するようにしてもよい。また、この警告装置8は、自動車1内でドライバ4にメッセージを伝えるための既存の装置と兼用することもできる。さらに、このような警告装置8による警告に代えて、又は、この警告と共に、自動車1の車速を制限する等の安全措置を取ることもできる。
また、本実施形態の操縦者特性検出装置は、上記ドライバ特性評価手段7によって、運転が未熟なドライバ4や高齢者のドライバ4等であると評価された場合には、運転制御装置9に指示することにより、運転がより容易になり安全性も高い運転制御を行うようなオンライン・チューニングを実行するようにしている。しかも、例えば運転の巧拙とは関係のない運転の癖等のドライバ特性が評価された場合には、そのドライバ4の癖等に応じて運転制御を最適化するようなオンライン・チューニングを実行してもよい。
上記構成により、本実施形態の操縦者特性検出装置は、ドライバ4の入出力関係を示すドライバモデルを同定するので、このドライバ4の出力だけを検出したり自動車1の動作だけを検出して解析する場合よりも、操縦者特性を的確に表すことができる。また、このドライバモデルを同定するためのドライバ4の入出力は、ほとんど自動車1の既存のセンサを用いて検出することが可能であるため、装置が高価になることもない。さらに、同定したドライバモデルを別のドライバモデルと比較することによりドライバ特性を評価するので、客観的で信頼性の高い評価を行うことができる。
しかも、ドライバ4が飲酒や疲労、眠気等の異常な状態である場合には、警告を発する等して危険運転を防止することができる。また、ドライバ4の習熟度等や癖等に応じて、自動車1の運転制御を最適化することもできるようになる。
なお、上記実施形態では、操縦目標値を求めるための目標値センサ2として、車線検知用のカメラを用いる場合を示したが、このような車線検知用のカメラの自動車1への装備率は、現状では必ずしも十分に高いとは言えない。また、操縦目標値は、ドライバ4が運転の目標とするものであり、例えばカーブでアウト・イン・アウト走行をするような場合等では、車線に沿った走行が必ずしもドライバ4の目標とするものであるとは限らない。さらに、現実にはほとんど車線の引かれていない道路だけを走っているという自動車1もあり得る。従って、車線検知用のカメラを装備していない自動車1や、車線に沿った走行をしないドライバ4や、車線の引かれていない道路ばかり走行する自動車1では、本実施形態の操縦者特性検出装置を利用することができなかった。
そこで、この操縦目標値は、動作実測値の変化を平滑したものを用いるようにしてもよい。動作実測値は、カメラを用いることもできるが、加速度センサや角速度センサ等のような実装率の高いセンサを用いることができれば、ほとんどの自動車1やドライバ4についても、操縦者特性検出装置を利用することができるようになる。
操縦目標値として目標ヨーイング角速度を用い、動作実測値としてヨーイング角速度を用い、操縦操作量としてステアリングホイールの操舵角を用いた場合のドライバモデル同定手段6への入力を図4に示す。左右の回転方向の角速度センサからなる動作センサ3は、ヨーイング角速度を出力するので、このヨーイング角速度を平滑フィルタ10を介して目標ヨーイング角速度に変換し、操縦目標値としてドライバモデル同定手段6に入力する。そして、この動作センサ3から出力されるヨーイング角速度と操作センサ5から出力される操舵角は、上記実施形態と同様に、それぞれ動作実測値と操縦操作量としてドライバモデル同定手段6に入力する。
平滑フィルタ10としては、例えば高周波成分を遮断する低域通過フィルタを用いることができる。低域通過フィルタは、動作実測値の急な変化を遮断し緩やかな変化のみを通過させる。マイクロコンピュータ等のディジタルシステムでは、シフトレジスタ等のメモリを用いたディジタルフィルタによって、所望する特性の平滑フィルタ10を容易に実現することができる。また、この平滑フィルタ10としては、特定の帯域の周波数成分のみを通過させる帯域通過フィルタを用いることもでき、動作実測値を滑らかな曲線に近似するその他のフィルタを使用することもできる。
このような平滑フィルタ10を用いれば、図5に示すように、自動車1が道路11のカーブに正確に沿わないで、破線に示すようにふらつき蛇行した場合であっても、目標ヨーイング角速度に基づく目標の経路は、実線に示すようにカーブに沿った滑らかなものとなる。なお、動作センサ3の出力はヨーイング角速度であるため、これを積分したヨーイング角が図5の実際の経路(破線)の接線方向となり、平滑フィルタ10が出力する目標ヨーイング角速度を積分した目標ヨーイング角が目標の経路(実線)の接線方向となる。
本発明の一実施形態を示すものであって、操縦者特性検出装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態を示すものであって、ドライバモデルを示すブロック図である。 本発明の一実施形態を示すものであって、ドライバモデルのボード線図である。 本発明の一実施形態を示すものであって、動作実測値を平滑して操作目標値を得る場合のブロック図である。 本発明の一実施形態を示すものであって、カーブ走行時の自動車の目標の経路と実際の経路を示す平面図である。
符号の説明
1 自動車
2 目標値センサ
3 動作センサ
4 ドライバ
5 操作センサ
6 ドライバモデル同定手段
7 ドライバ特性評価手段
8 警告装置
9 運転制御装置
10 平滑フィルタ
11 道路

Claims (6)

  1. 被操縦体に装備されたセンサに基づき、操縦者が操縦の目標とする操縦目標値と、操縦者が実際に操縦した操縦操作量と、被操縦体の実際の動作を実測した動作実測値とを求めると共に、操縦目標値及び/若しくは動作実測値又はこれら操縦目標値と動作実測値との誤差を操縦者の入力とし、操縦操作量を操縦者の出力として、操縦者の入出力関係を示す操縦者モデルを同定する操縦者モデル同定手段と、
    この操縦者モデル同定手段が同定した操縦者モデルを、以前にこの操縦者モデル同定手段が同定した操縦者モデルと比較し、又は、規範的な操縦者モデルと比較することにより、現在の操縦者の操縦者特性を評価する操縦者特性評価手段と
    を備えたことを特徴とする操縦者特性検出装置。
  2. 前記操縦者モデル同定手段が、操縦者の1入力1出力の入出力関係の伝達関数を示す微分方程式を求めることにより操縦者モデルを同定するものであることを特徴とする請求項1に記載の操縦者特性検出装置。
  3. 前記操縦者特性評価手段が、微分方程式として求めた操縦者モデルをボード線図で表し、このボード線図上の曲線を比較することにより操縦者特性を評価するものであることを特徴とする請求項2に記載の操縦者特性検出装置。
  4. 前記操縦目標値が、前記動作実測値を平滑化したものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の操縦者特性検出装置。
  5. 前記操縦者特性評価手段が評価した操縦者特性が異常であると判断された場合に、操縦者に警告を発する警告手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の操縦者特性検出装置。
  6. 前記操縦者特性評価手段が評価した操縦者特性に応じて、被操縦体の操縦特性を変化させる操縦特性変更手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の操縦者特性検出装置。
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