JP2009018417A - 圧入材の圧入方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧入材を圧入する際にかじりの発生を防止することができる圧入材の圧入方法を提供すること。
【解決手段】被圧入材としての正極側放熱板52にプレス打ち抜きにより、壁面にせん断面と破断面とを形成しつつ嵌合孔150を形成する嵌合孔形成工程と、少なくとも一つの周方向溝152をせん断面に形成する溝形成工程と、せん断面側から圧入材としての整流素子54を圧入する圧入工程とを有している。整流素子54の圧入が進行する際に発生する余肉を、せん断面に形成された周方向溝152に逃がすことができる。
【選択図】図4
【解決手段】被圧入材としての正極側放熱板52にプレス打ち抜きにより、壁面にせん断面と破断面とを形成しつつ嵌合孔150を形成する嵌合孔形成工程と、少なくとも一つの周方向溝152をせん断面に形成する溝形成工程と、せん断面側から圧入材としての整流素子54を圧入する圧入工程とを有している。整流素子54の圧入が進行する際に発生する余肉を、せん断面に形成された周方向溝152に逃がすことができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、圧入材の圧入方法に関し、特に乗用車やトラック等の乗り物に搭載される車両用交流発電機の製造に適した圧入材の圧入方法に関する。
車両用交流発電機は、エンジンから伝えられた動力によって発電を行い、バッテリへの充電を行うとともに、エンジンの点火、照明その他の各種電装品への電源供給を行うものであり、市場競争力の維持あるいは向上のために、小型軽量化、高出力化、コストダウンは重要な課題である。これらの課題の中でも高出力化およびコストダウンを達成する手段の一つとして、車両用交流発電機に内蔵される整流装置の製造を、放熱板に形成された貫通孔に整流素子を圧入することにより行う手法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このように、放熱板に形成された貫通孔に整流素子を圧入することにより、機械的な固定と電気的な接続の両方を行うことが可能になり、工程の簡略化に伴うコストダウンを図ることができる。また、放熱板に対する整流素子の接合を半田付けで行った場合には整流素子や放熱板の温度が半田の融点以上になると接合に用いられていた半田が溶けてしまうが、整流素子を放熱板に圧入する場合にはこのような不都合がないため、整流装置およびこれを用いた車両用交流発電機の信頼性向上を図ることができる。
特開平10−242671号公報(第2頁、図7)
特開平7−246523号公報
特開2002−119029号公報
特開2000−42845号公報
特開平8−71680号公報
実願昭61−150599号(実開昭63−57380号)のマイクロフィルム
ところで、上述した特許文献1に開示されたように、放熱板に設けられた孔に整流素子を圧入する場合には、材料等によっては、かじりが発生するという新たな問題点が生じるおそれがあった。例えば、圧入材としての整流素子の台座部分と被圧入材としての放熱板の両方を、靱性が高くねばりがある銅材料で形成した場合には、被圧入材に形成された孔に圧入材を圧入する際に、孔表面付近に生じる余肉が押し上げられながら圧入が進行する。しかし、余肉の逃げ場がないため圧入方向に余肉が溜まって硬化する現象が生じ、圧入材の硬度を上回る硬度にまで余肉の硬化が進行することにより圧入材が破壊され、圧入材の周囲が部分的に孔表面から剥離する。このため、圧入材の外周と被圧入材の孔表面との間の接触面積が減少して、圧入材と被圧入材との間の固定力や電気的接続が不十分になったり、余肉の硬化によって圧入加重が過大になって生産性を阻害するなどの弊害が生じるおそれがあった。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、圧入材を圧入する際にかじりの発生を防止することができる圧入材の圧入方法を提供することにある。
なお、本明細書においては、圧入に伴い発生する余肉が圧入材端面に堆積し、堆積した余肉が硬化することで圧入材の硬度を上回る硬度になり、さらに圧入が進められるにつれて圧入材を破壊する現象のことを「かじり」という。
上述した課題を解決するために、本発明の圧入材の圧入方法は、被圧入材にプレス打ち抜きにより、壁面にせん断面と破断面とを形成しつつ嵌合孔を形成する嵌合孔形成工程と、少なくとも一つの溝をせん断面に形成する溝形成工程と、せん断面側から圧入材を圧入する圧入工程とを有している。
プレスにより嵌合孔を形成する場合、孔壁面にせん断面と破断面が現れる。このときせん断面のプレス孔寸法精度が良い側で圧入開始することで、圧入材の姿勢が(破断面側挿入に比べ)より孔圧入方向に対し狙いどおりに圧入できる。また、圧入材の圧入が進行する際に発生する余肉を溝に逃がすことができるため、余肉の硬化によるかじりの発生を防止することができる。
また、上述した溝は、せん断面のみに形成されており、破断面には形成されていない。また、上述した圧入材は、一方の端面に凹部が形成された円筒形状を有し、圧入工程は、凹部が形成された一方の端面側から前記嵌合孔に挿入するように他方の端面を押圧することにより行われる。
以下、本発明を適用した一実施形態の車両用交流発電機について、図面を参照しながら詳細に説明する。
〔一実施形態〕
図1は、一実施形態の車両用交流発電機の全体構成を示す断面図である。図1に示す車両用交流発電機1は、固定子2、回転子3、ブラシ装置4、整流装置5、フレーム6、リヤカバー7、プーリ8等を含んで構成されている。
図1は、一実施形態の車両用交流発電機の全体構成を示す断面図である。図1に示す車両用交流発電機1は、固定子2、回転子3、ブラシ装置4、整流装置5、フレーム6、リヤカバー7、プーリ8等を含んで構成されている。
固定子2は、固定子鉄心21と、この固定子鉄心21に形成された複数個のスロットに所定の間隔で巻き回された三相の固定子巻線23とを備えている。
回転子3は、絶縁処理された銅線を円筒状かつ同心状に巻き回した界磁巻線31を、それぞれが6個の爪部を有するポールコア32によって、回転軸33を通して両側から挟み込んだ構造を有している。また、フロント側のポールコア32の端面には、フロント側から吸い込んだ冷却風を軸方向および径方向に吐き出すために軸流式の冷却ファン34が溶接等によって取り付けられている。同様に、リヤ側のポールコア32の端面には、リヤ側から吸い込んだ冷却風を径方向に吐き出すために遠心式の冷却ファン35が溶接等によって取り付けられている。
ブラシ装置4は、整流装置5から回転子3の界磁巻線に31に励磁電流を流すためのものであり、回転子3の回転軸33に形成されたスリップリング36、37のそれぞれに押圧するブラシ41、42を有する。
整流装置5は、三相の固定子巻線23の出力電圧である三相交流電圧を整流して直流の出力電力を得るためのものであり、配線用電極を内部に含む端子台51と、所定の間隔で配置された正極側放熱板52および負極側放熱板53と、それぞれの放熱板に設けられた打ち込み孔に圧入することにより取り付けられた複数個の整流素子54、55とを含んで構成されている。整流素子54、55を正極側放熱板52あるいは負極側放熱板53に圧入する方法については後述する。
フレーム6は、固定子2および回転子3を収容しており、回転子3が回転軸33を中心に回転可能な状態で支持されているとともに、回転子3のポールコア32の外周側に所定の隙間を介して配置された固定子2が固定されている。また、フレーム6は、固定子鉄心21の軸方向端面から突出した固定子巻線23に対向した部分に冷却風の吐出窓61が、軸方向端面に冷却風の吸入窓62がそれぞれ設けられている。
リヤカバー7は、リヤ側のフレーム6の外側に取り付けられるブラシ装置4、整流装置5およびICレギュレータ12の全体を覆って、これらを保護するためのものである。
上述した構造を有する車両用交流発電機1は、ベルト等を介してプーリ8にエンジン(図示せず)からの回転力が伝えられると回転子3が所定方向に回転する。この状態で回転子3の界磁巻線31に外部から励磁電圧を印加することにより、ポールコア32のそれぞれの爪部が励磁され、固定子巻線23に三相交流電圧を発生させることができ、整流装置5の出力端子からは直流の出力電力が取り出される。
次に、整流装置5の詳細、特に、整流素子54、55を正極側放熱板52あるいは負極側放熱板53に圧入する方法について説明する。
図2は、正極側放熱板52の部分的な形状を示す図である。また、図3は整流素子54の側面図である。図4は、整流素子54を正極側放熱板52に圧入した状態を示す断面図である。なお、本実施形態及び後述する参考実施例では、主に整流素子54を正極側放熱板52に圧入する場合について説明するが、整流素子55を負極側放熱板53に圧入する場合についても同様であり、詳細な説明は省略する。
これらの図に示すように、正極側放熱板52には、整流素子54を圧入して取り付けるための嵌合孔150が形成されている。放熱板の嵌合孔150の表面(内周面)のせん断面側(図4の上部側、プレスR側)には、この嵌合孔150の形成方向に互いに離れて形成された複数本の周方向溝152が形成され、破断面側(図4の下部側)には周方向溝は形成されていない。
整流素子54は、ヒートシンク250、半導体ペレット252、リード254を含んで構成されている。ヒートシンク250は、整流素子54の一方の電極となる金属台座であって、外部にローレット部256が、一方の端面に凹部258が形成された円筒形状を有しており、この凹部258の底面が半導体ペレット252を接合する半田付け面となる。例えば、本実施形態では、ヒートシンク250は銅製であって、半田を容易にするとともに空気中での酸化を防ぐために表面にメッキが施されている。ヒートシンク250の硬度は160Hvで、加工硬化した放熱板の孔まわりの硬度140〜150Hvよりも高い。整流素子54では、ヒートシンク250上に半導体ペレット252の一方の面が半田付けされ、さらにこの半導体ペレット252の他方の面に電極としてのリード254が半田付けされている。
図5は、図2のV−V線拡大断面図である。また、図6は図5に示した周方向溝の大きさに関する説明図である。
図5に示すように、正極側放熱板52に形成された嵌合孔150の内周面表面には、例えば4本の周方向溝152が形成されている。これら4本の周方向溝152は、整流素子54が圧入される側(図5では下側)に偏って配置されている。また、各周方向溝152は、谷径φ2が整流素子54のヒートシンク250の外径φ3とほぼ等しくなるように設定されている。具体的には、例えば嵌合孔150の内径φ1が約13mm、整流素子54のヒートシンク250の外径φ3が嵌合孔150の内径φ1よりも0.2mm大きく、各周方向溝152の谷径φ2がヒートシンク250の外径φ3と同じ(溝深さ0.1mm)に、また、溝幅が0.1mmにそれぞれ設定されている。
なお、本実施形態では、4mm程度の板厚を有する放熱板52に対して4本の周方向溝152を形成した場合について説明したが、周方向溝152の本数は5本以上でもよく、内周面の全体にわたって均等に配置してもよい。また、周方向溝152の形状や間隔は、余肉の進行に伴ってかじりが発生しないように適宜変更することが好ましい。
上述した整流素子54(圧入材)を正極側放熱板52(被圧入材)に圧入するためには、まず、所定形状に形成された後の正極側放熱板52を用意し、プレス打ち抜き加工を行って嵌合孔150を形成する(嵌合孔形成工程)。次に、嵌合孔150の内周面に4本の周方向溝152を形成する(溝形成工程)。次に、嵌合孔150の形成方向に挿入を進めるにつれて発生する嵌合孔150の表面近傍の余肉を各周方向溝152に逃がしつつ整流素子54を圧入する(圧入工程)。
このように、本実施形態の整流装置5では、整流素子54を正極側放熱板52に設けられた嵌合孔150に圧入する際に、圧入が進行することによって発生する余肉を逃がすことができる。しかも、溝が複数設けられているので発生する余肉を分断して複数の周方向溝152内に逃がすことができるため、余肉が堆積しそれが硬化することによってかじりが発生することを防止することができる。
特に、圧入材としての整流素子54のヒートシンク250と被圧入材としての正極側放熱板52の両方が銅製であるときにかじりが発生しやすいことが確かめられており、このように銅製のヒートシンク250と正極側放熱板52とを組み合わせる場合であってもかじりの発生を有効に防止することができる。
また、嵌合孔150の形成方向に互いに離れて配置された複数本の周方向溝152を嵌合孔150の内周面に形成することにより、整流素子54の圧入方向に沿って発生する余肉を確実に分断することができ、かじりの発生を低減することが可能になる。
また、上述した4本の周方向溝152を嵌合孔150の内周面表層部であって、整流素子54の圧入側に偏って配置することにより、整流素子54の圧入が進行することによって発生する余肉を圧入工程の早期の段階で確実に分断することができる。
また、周方向溝152の谷径φ2を整流素子54の外径φ3とほぼ同じに設定することにより、整流素子54の圧入が進行することによって発生する余肉を確実に周方向溝152内部に逃がして分断することが可能になる。
さらに、整流素子54を正極側放熱板52に圧入する際のかじりの発生を防止することにより、かじりの発生に伴う整流素子54と正極側放熱板52との間の固定力や電気的接続が不十分になったり、余肉の硬化によって圧入加重が過大になって生産性を阻害するなどの弊害の発生を低減することが可能になる。
図7は、正極側放熱板52の嵌合孔150に形成された溝の変形例を示す部分断面図であり、図5に対応する部位の詳細が示されている。図5に示した例では、嵌合孔150の内周面に、整流素子54の圧入方向と垂直な向きに複数本の周方向溝152を形成したが、図7に示すように、嵌合孔150の内周面に螺旋状溝154を形成するようにしてもよい。螺旋状溝154は、整流素子54の圧入方向に着目すると複数の溝を構成しているため、図5に示した複数本の周方向溝152と同様に、整流素子54の圧入方向に沿って発生する余肉を確実に分断することができる。また、上述した溝形成工程において複数本の周方向溝152を形成する場合には、これら複数本の周方向溝152を別々に切削加工等によって形成する必要があるが、螺旋状溝154の場合には螺旋状につながった1本の溝を切削加工等で形成するだけでよいため、工程の簡略化が可能になる。
図8は、正極側放熱板52の嵌合孔150に形成された溝の他の変形例を示す部分断面図である。また、図9は図8に示した正極側放熱板52の嵌合孔150の内周面の部分的な展開図である。図8および図9に示した例では、嵌合孔150の内周面に、この嵌合孔150の形成方向に延びて、互いに周方向に離れて配置された複数の溝156が形成されている。これらの溝156を形成することにより、嵌合孔150の内周面に沿って整流素子54の圧入方向に移動する余肉を、この圧入方向に沿って形成された各溝156に逃がすことができるため、余肉たまりを少なくすることができ、かじりの発生を低減することが可能になる。特に、図8に示したように、嵌合孔150の内周面の全体に均等に複数の溝156を形成することにより、内周面全周にわたって余肉たまりをなくすことが可能になる。なお、各溝156の形状は、上述した周方向溝152と同じように、溝深さ0.1mm、溝幅0.1mm程度であることが好ましく、嵌合孔150の内径φ1が13mm程度の場合には整流素子54と正極側放熱板52との間の接触面積を確保する必要もあるため40〜78本程度とすることが好ましい。
図10は、図9に示した複数の溝156の変形例を示す図である。図9に示した例では、嵌合孔150の内周面に形成された複数の溝156は、整流素子54の圧入方向に沿った向きを有していたが、図10に示すように、整流素子54の圧入方向に対して傾斜させた複数本の溝158を形成するようにしてもよい。このように、整流素子54の圧入方向に対して複数の溝158の向きを傾斜させることにより、嵌合孔150の内周面に沿って整流素子54の圧入方向に移動する余肉を各溝158に確実に逃がして分断することが可能になる。
また、とりたてて図示はしないが、図4においてせん断面側のみに形成した溝を破断面にも形成してもよいことは当然である。
〔参考実施例〕
ところで、上述した実施形態では、放熱板の嵌合孔の内周面に溝を形成することによりかじりの発生を低減したが、プレス打ち抜き加工によって生じた嵌合孔の内周面表層部の加工硬化層を破壊することによっても、かじりの発生を抑制することができる。
ところで、上述した実施形態では、放熱板の嵌合孔の内周面に溝を形成することによりかじりの発生を低減したが、プレス打ち抜き加工によって生じた嵌合孔の内周面表層部の加工硬化層を破壊することによっても、かじりの発生を抑制することができる。
通常、整流素子54のヒートシンク250の硬度は160Hv程度であり、正極側放熱板52の硬度は60Hv程度であるが、プレス打ち抜き加工によって嵌合孔150を形成するとその内周面表層部の硬度が140〜150Hv程度まで高くなって加工硬化層が形成される。嵌合孔150を形成した後にこの加工硬化層を破壊する工程を追加して、内周面表層部の硬度を素材硬度に近いレベルまで戻してやることにより、嵌合孔150の内周面に溝を形成することなくかじりの発生を抑制することが可能になる。
図11は、参考実施例の正極側放熱板に形成された嵌合孔の内周面の展開図である。図11に示すように、本参考実施例の正極側放熱板52の嵌合孔150では、内周面表層部に形成された加工硬化層を破壊するための処理が、整流素子54の圧入側端部から少なくとも深さLの範囲まで行われる。この深さLは、整流素子54の圧入に伴って発生する余肉の移動が圧入側端部から進行することを考慮すると、少なくとも正極側放熱板52の板厚の半分以上であることが望ましい。当然ながら、嵌合孔150の内周面全体にわたって加工硬化層を破壊する処理を実施するようにしてもよい。
上述した整流素子54を正極側放熱板52に圧入するためには、まず、所定形状に形成された後の正極側放熱板52を用意し、プレス打ち抜き加工を行って嵌合孔150を形成する(嵌合孔形成工程)。このプレス打ち抜き加工によって嵌合孔150の内周面表層部には加工硬化層が形成される。次に、嵌合孔150の内周面表層部の加工硬化層を破壊する(破壊工程)。次に、嵌合孔150の形成方向に整流素子54を圧入する(圧入工程)。
上述した破壊工程において加工硬化層を破壊する具体的な処理方法としては、(1)ワイヤブブラシ等を用いて嵌合孔150の内周面表層部に傷をつける「ブラッシング処理」、(2)紙ヤスリ等で嵌合孔150の内周面表層部を削る「ペーパ処理」、(3)嵌合孔150の内周面表層部を旋盤等による切削によって削り取る「切削処理」等が考えられる。これらの処理によって、内周面表層部の表面から深さ10〜15μmまでの範囲を破壊し、破壊後の面粗さを20Z以上にすることにより、加工硬化層を除去することが可能になる。これにより、加工孔150の内周面表層部の硬度を、それ以外の正極側放熱板52の硬度とほぼ同じである80Hv程度に下げることができ、整流素子54の圧入によって生じる余肉が硬化して発生するかじりを抑制することができる。したがって、かじりの発生に伴って整流素子54と正極側放熱板52との間の固定力や電気的接続が不十分になったり、余肉の硬化によって圧入加重が過大になって生産性を阻害するなどの弊害の発生を低減することが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、車両用交流発電機1に備わった整流装置5の正極側放熱板52に整流素子54を圧入したり、負極側放熱板53に整流素子55を圧入するようにしたが、整流素子のヒートシンク以外の圧入材を放熱板以外の被圧入材に圧入する場合についても広く本発明を適用することができる。
また、上述した実施形態や参考実施例では、嵌合孔の内周面表層部に溝を形成する場合と、内周面表層部に形成された加工硬化層を破壊する場合とを別々に説明したが、これらを同時に行うようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、整流素子54のヒートシンク250と正極側放熱板52の両方を銅製とした場合を説明したが、他の材料を用いた組み合わせにおいてもかじりが発生する場合には本発明を適用してかじりの発生を抑制することができる。
1 車両用交流発電機
2 固定子
3 回転子
4 ブラシ装置
5 整流装置
6 フレーム
7 リアカバー
52 正極側放熱板
53 負極側放熱板
54、55 整流素子
150 嵌合孔
152 周方向溝
154 螺旋状溝
156、158 溝
250 ヒートシンク
252 半導体ペレット
254 リード
256 ローレット部
2 固定子
3 回転子
4 ブラシ装置
5 整流装置
6 フレーム
7 リアカバー
52 正極側放熱板
53 負極側放熱板
54、55 整流素子
150 嵌合孔
152 周方向溝
154 螺旋状溝
156、158 溝
250 ヒートシンク
252 半導体ペレット
254 リード
256 ローレット部
Claims (3)
- 被圧入材にプレス打ち抜きにより、壁面にせん断面と破断面とを形成しつつ嵌合孔を形成する嵌合孔形成工程と、少なくとも一つの溝を前記せん断面に形成する溝形成工程と、前記せん断面側から圧入材を圧入する圧入工程と、
を有することを特徴とする圧入材の圧入方法。 - 請求項1において、
前記溝は、前記せん断面のみに形成されており、前記破断面には形成されていないことを特徴とする圧入材の圧入方法。 - 請求項1または2において、
前記圧入材は、一方の端面に凹部が形成された円筒形状を有し、
前記圧入工程は、前記凹部が形成された一方の端面側から前記嵌合孔に挿入するように他方の端面を押圧することにより行われることを特徴とする圧入材の圧入方法。
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JP2008214342A JP2009018417A (ja) | 2008-08-22 | 2008-08-22 | 圧入材の圧入方法 |
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