JP2009018376A - シート素材の加工方法および加工装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 接着しろのないシート片が積層され、各シート片の相互の位置ずれが防がれ、かつ各シート片間に空気が封入されない、積層体を得ることができるシート素材の加工方法および加工装置を提供する。
【解決手段】 複数のシート素材11を重ね合わせ、光源ユニット28から出射されるレーザ光15が照射されて、部分的に加熱される打抜き刃20を備えるプレス加工機21で、打抜き加工する。これによってシート素材11の打抜きと同時に、打抜かれて得られるシート片の周縁部の一部だけを溶着して、互いの位置ずれを防止して重ね合わされる状態に保つことができる。このようにして接着しろのないシート片が積層され、各シート片の相互の位置ずれが防がれ、かつ各シート片間に空気が封入されない、積層体を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数のシート素材を重ね合わせて打抜き加工する加工方法および加工装置に関する。
図11は、従来の技術の加工方法で加工されて得られる積層体1を示す正面図である。液晶ディスプレイ装置に照明ユニットとして組込まれているバックライトユニットは、複数の光学シート片2を重ね合わせた積層体1が組込まれ、画面をむら無く、明るく照明できるように構成されている。積層体1は、予めプレス機などを用いてシート素材から打抜かれた複数の光学シート片2が位置決めして重ね合わされながら、順次組込まれている。つまり従来の技術の加工方法では、積層体1を構成する各光学シート片2が、単に打抜き加工されるだけである。さらに積層体1の組込みにあたって、重ね合わせて各光学シート片2間の位置ずれが生じないようにするため、各光学シート片2は、接着しろ3において、両面テープおよび接着剤などを用いて互いに接着されている。
このように従来の技術の加工方法を利用して、光学シート片2を順次組込む構成では、打抜き、位置決め、重ね合わせ、接着といった工程を順次、繰返しながら実行していくので、作業時間が長く、また位置決めおよび重ね合わせの作業の作業性が悪い。また図11に示すように、各光学シート片2を接着する接着しろ3が、本来の照明に用いられる有効領域4以外に必要であるので、バックライトユニットの外形寸法が大きくなってしまうことは避けられず、携帯電話およびデジタルカメラに代表される液晶ディスプレイ装置を用いたアプリケーション機器(電子機器)の小型化、薄型化の要求に答えることができない。
他の従来の技術として、重ね合わせた化学繊維から成る加工布を孔抜きするとともに、加工布を溶着する方法が、特許文献1に示されている。この特許文献1に示される方法では、内刃状の孔抜きポンチ全体を加熱してプレスしている。この方法を利用して、複数のシート素材を重ね合わせ、打抜き刃全体を加熱して打抜き加工すれば、各光学シート片2を同時に打抜くことができるとともに、各光学シート片2をその周縁部で全周にわたって溶着することができる。このように特許文献1の方法は、各光学シート片2の打抜きおよび溶着を同時に行うことができる。
実用新案登録第3005813号公報
特許文献1に示される方法では、各光学シート片2の打抜きおよび溶着を同時に行うことができるので、各光学シート片2をバックライトユニットに組込むにあたって、図11を参照して説明した方法と比較して、位置決め、重ね合わせ、接着といった工程が不要になり、作業時間を短くすることができ、また困難な作業が不要となり、作業性が向上される。また接着しろ3が不要となる。
図12は、画面5の表示むら6を示す正面図である。重ね合わせた各光学シート片2の周縁部を全周にわたって溶着してしまうと、少なからず各光学シート片2間に空気が封入されてしまう。各光学シート片2間に空気が封入されてしまうと、外部からの力の作用により層厚が変化する空気層が形成されてしまう。この空気層は、各光学シート片2とは異なる屈折率を有し、光学特性に悪影響を与えてしまう。したがって空気層が介在される積層体1をバックライトユニットに組込むと、図12に示すように、液晶ディスプレイ装置における画面5に、輝度分布むらを生じて表示むら6などの表示品質の低下を生じてしまう。
本発明の目的は、接着しろのないシート片が積層され、各シート片の相互の位置ずれが防がれ、かつ各シート片間に空気が封入されない、積層体を得ることができるシート素材の加工方法および加工装置を提供することである。
本発明は、複数のシート素材を重ね合わせ、重ね合わせた全てのシート素材を、部分的に加熱した打抜き刃を用いて、打抜き加工することを特徴とするシート素材の加工方法である。
また本発明は、打抜き刃の一部にレーザ光を照射することによって、打抜き刃を部分的に加熱することを特徴とする。
また本発明は、レーザ光は、打抜き刃のテーパ状に形成される先端部以外の部分に照射することを特徴とする。
また本発明は、レーザ光は、打抜き刃に対して、照射位置における略垂直方向から照射することを特徴とする。
また本発明は、打抜き刃には、残余の部分よりも熱伝導率の高い材料から成る高熱伝導部を形成し、
高熱伝導部を加熱することを特徴とする。
また本発明は、高熱伝導部にだけレーザ光を照射することによって、打抜き刃を部分的に加熱することを特徴とする。
また本発明は、複数のシート素材を重ね合わせた状態で、重ね合わせた全てのシート素材を、打抜く打抜き刃と、
打抜き刃を部分的に加熱する加熱手段とを備えることを特徴とするシート素材の加工装置である。
また本発明は、加熱手段は、打抜き刃の一部にレーザ光を照射する照射手段であることを特徴とする。
本発明によれば、複数のシート素材を重ね合わせ、部分的に加熱した打抜き刃を用いて、打抜き加工する。これによって各シート素材からシート片をそれぞれ打抜くことができるとともに、これと同時に、打抜かれる各シート片を、溶着して、互いの位置ずれを防止して重ね合わされる状態に保つことができる。しかも打抜き刃全体を加熱するのではなく、部分的に加熱するので、打抜き刃の加熱される部分で切断される部位だけが、周縁部で溶着される。したがって各シート片間に空気が封入され、空気層が不所望に介在されることがない。このようにして接着しろのないシート片が積層され、各シート片の相互の位置ずれが防がれ、かつ各シート片間に空気が封入されない、積層体を得ることができる。
また本発明によれば、レーザ光を照射することによって、打抜き刃を加熱するので、電熱ヒータなどを用いて加熱するよりも、加熱効率が良く、瞬時に加熱することができるとともに、局所的に加熱することができる。またレンズ、ミラー、ビームエキスパンダおよびアパーチャなどの光学部品を用いることで、ビーム形状を溶着領域の形状に合せたり、照射方向および照射位置を機種に応じて容易に変更したりすることができ、加熱条件を容易に変更することができ、高い利便性が得られる。
また本発明によれば、レーザ光は、打抜き刃のテーパ状に形成される先端部以外の部分に照射する。これによって打抜き刃に照射したレーザ光の反射光が、シート素材およびシート片に照射されることを防ぎ、シート素材およびシート片のレーザ光照射による品質低下が未然に防がれる。
また本発明によれば、レーザ光は、打抜き刃に対して、照射位置における略垂直方向から照射する。これによって打抜き刃に照射したレーザ光の反射光が、シート素材およびシート片に照射されることを防ぎ、シート素材およびシート片のレーザ光照射による品質低下が未然に防がれる。
また本発明によれば、打抜き刃には、熱伝導率の高い高熱伝導部を形成し、その高熱伝導部を加熱する。これによって打抜き刃の高熱伝導部に与えた熱エネルギが、高熱伝導部以外の部分には伝わりにくくなり、溶着領域の微小化が可能となる。溶着領域の微小化は、たとえば積層体の小型化に大きく貢献することができる。
また本発明によれば、高熱伝導部にだけレーザ光を照射して加熱する。これによって高熱伝導部だけを加熱することができ、溶着領域の微小化が確実に達成される。
本発明によれば、複数のシート素材を重ね合わせ、打抜き刃を用いて打抜き加工される。この各シート体を打抜く打抜き刃が、加熱手段によって部分的に加熱される。これによって各シート素材からシート片がそれぞれ打抜かれるとともに、これと同時に、打抜かれる各シート片が溶着され、各シート片の互いの位置ずれが防止されて重ね合わされる状態に保たれる。しかも打抜き刃全体が加熱されるのではなく、部分的に加熱されるので、打抜き刃の加熱される部分で切断される部位だけが、周縁部で溶着される。したがって各シート片間に空気が封入され、空気層が不所望に介在されることがない。このようにして接着しろのないシート片が積層され、各シート片の相互の位置ずれが防がれ、かつ各シート片間に空気が封入されない、積層体を得ることができる。
また本発明によれば、打抜き刃を加熱する加熱手段は、レーザ光を照射する照射手段である。このようにレーザ光が照射されて、打抜き刃が加熱されるので、電熱ヒータなどを用いて加熱される構成よりも、加熱効率が良く、瞬時に加熱されるとともに、局所的に加熱される。またレンズ、ミラー、ビームエキスパンダおよびアパーチャなどの光学部品を用いることで、ビーム形状を溶着領域の形状に合せたり、照射方向および照射位置を機種に応じて容易に変更したりすることが可能となり、加熱条件を容易に変更することができ、高い利便性が得られる。
図1は、本発明の実施の一形態のシート素材11の加工装置10を示すブロック図である。図2は、加工装置10によって加工されるシート素材11を示す斜視図である。図3は、加工装置10によって製造される積層体12を示す斜視図である。図4は、加工装置10によって製造される積層体12を示す正面図である。加工装置10は、図2に示すように複数のシート素材11を重ね合わせ、重ね合わせた全てのシート素材11を打抜き、図3および図4に示すような積層体12を製造する装置である。積層体12は、各シート素材11からそれぞれ打抜かれたシート片13が積層される積層体であり、周縁部の一部の領域(以下「溶着領域」という)14で、各シート片13が互いに溶着されている。
積層体12の用途は、特に限定されるものではないが、積層体12は、たとえば液晶ディスプレイ装置に搭載されるバックライトユニットを構成する光学部品として用いられる。したがって積層体12を構成する各シート片13は、光学シート素材から打抜かれる光学シート片である。各シート素材11および各シート片13は、たとえば合成樹脂から成る。また本実施の形態では、3つのシート素材11を重ね合わせて打抜き、3つのシート片13が積層される積層体12を製造しているが、2つまたは4つ以上のシート素材11を重ね合わせて打抜き、2つまたは4つ以上のシート片13が積層される積層体12を製造するようにしてもよい。
加工装置10は、打抜き刃20を有するプレス加工機21と、打抜き刃20を加熱する加熱機器22とを備えている。プレス加工機21は、加工装置本体に相当し、各シート素材11を重ね合わせた状態で、重ね合わせた全てのシート素材11を、打抜き加工する加工手段である。加熱機器22は、打抜き刃20を部分的に加熱する加熱手段である。
このプレス加工機21は、打抜き刃20を用いて打抜き加工可能な構成であれば、特に限定されるものではないが、本実施の形態では、打抜き刃20と、支持台23と、可動台24と、アクチュエータ25とを備える。打抜き刃20は、各シート素材11を重ね合わせた状態で、重ね合わせた全てのシート素材11を、打抜くための刃である。この打抜き刃20は、打抜き型とも呼ばれ、環状の刃先27を有している。
支持台23は、シート素材11を支持することができる。可動台24は、支持台23の上方に設けられ、支持台23に対して相対的に近接および離反するように、上下に変位可能に設けられる。この可動台24に打抜き刃20が保持され、刃先27が、支持台23に対向するように下方に向けられている。アクチュエータ25は、たとえば油圧駆動のラムシリンダなどによって実現され、可動台24を近接および離反するように変位駆動する。このようなプレス加工機21は、支持台23にシート素材11を支持させ、打抜き刃20によってシート材11を打抜き加工することができる。
加熱機器22は、打抜き刃20を部分的に加熱することができる構成であれば、特に限定されるものではなく、電熱ヒータなどを用いる構成であってもよいが、本実施の形態では、打抜き刃20の一部にレーザ光15を照射する照射手段である。この加熱機器22は、打抜き刃20の一部にレーザ光15を照射することができる構成であれが、特に限定されるものではないが、本実施の形態では、レーザ光15を出射する光源ユニット28と、光源ユニット28を駆動制御する制御部29とを備える。
光源ユニット28は、少なくともレーザ光15を出射する光源を備えている。光源は、たとえば半導体レーザ素子によって実現されてもよい。また光源ユニット28は、光源に加えて、レンズ、ミラー、ビームエキスパンダおよびアパーチャなどの光学部品を備える構成であってもよい。こられの光学部品を用いることによって、ビーム形状を溶着領域の形状を調整し、または照射方向および照射位置を調整することができる。さらにこれらの光学部品は、着脱交換可能に設けておけば、ビーム形状、照射方向および照射位置を、機種に応じて容易に変更したり、加熱条件を容易に変更することができ、高い利便性が得られる。制御部29は、光源ユニット28に制御信号を与え、光源からのレーザ光15の出射および出射停止ならびに出射エネルギなどを制御する。このような加熱機器22は、制御部29の制御に基づいて、光源ユニット28からレーザ光15を出射し、打抜き刃20の一部にそのレーザ光15を照射することができる。加熱機器22は、可動台24とは異なる位置に設けられてもよいが、可動台24に設けるようにすれば、可動台24が変位しても、打抜き刃20と加熱機器22との相対位置関係が変化しないので、打抜き刃22の一定の位置にレーザ光15を照射しやすくなる。
図5は、打抜き刃20を示す斜視図である。打抜き刃20は、打抜くべき形状に合せた形状の刃である。本実施の形態では、打抜き刃20は、長方形状のシート片13を打抜くために長方形筒状に形成されている。また打抜き刃20は、一体の刃であってもよいが、複数の刃を組立てて構成されてもよい。この打抜き刃20は、軸線方向一端部で可動台24に固定され、軸線方向他端部に刃部30が形成されている。刃部30は、全周にわたって形成されており、先端に向かうにつれて厚み寸法が小さくなるようにテーパ状に形成されており、先端が刃先27となる。刃先27は、同一平面上で長方形を成すように延びている。
図6は、打抜き刃20によってシート素材11を打抜き加工している状態を示す断面図である。図7は、打抜き刃20によってシート素材11を打抜き加工している状態を示す斜視図である。図5に示すように、打抜き刃20は、長方形筒状に形成される刃であるが、図6および図7には、打抜き刃20のうちの平板状の一部だけを示し、シート材11を打抜き加工するときに、打抜き刃20の一部による切断状態を示す。加工装置10では、打抜き加工するとき、打抜き刃20の一部に、光源ユニット28から出射されるレーザ光15を照射する。
打抜き刃20は、レーザ光15が照射されることにより熱エネルギを得る。このようにして打抜き刃20が加熱される。打抜き刃20は、レーザ光15の照射によって加熱されると温度が上昇し、レーザ光15の照射される位置付近の領域33が、各シート素材11の溶融温度以上の温度になる。たとえばレーザ光15のビーム形状が円である場合は、その照射位置を中心として同心円状に熱が伝わる。レーザ光15の照射位置およびレーザ光15の出射エネルギを調整して、打抜き刃20の刃先27の温度が、各シート素材11の溶融温度以上になる領域(以下「刃先溶融温度領域」という)34の大きさが調整される。このように打抜き刃20の一部にレーザ光15を照射し、打抜き刃20を部分的に加熱して、刃先溶融温度領域34を形成した状態で、各シート素材11が打抜き加工される。
図8は、図6および図7のような打抜き刃20の一部による切断後のシート素材11を示す斜視図である。前述のように部分的に加熱されて刃先溶融温度領域34が形成された打抜き刃20で打抜き加工すると、打抜き刃20によってシート素材11が切断されるとともに、その切断された領域36のうち、刃先溶融温度領域34で切断された領域37では、各シート素材11が切断と同時に溶着される。つまり打抜き刃20で各シート素材11が打抜かれると同時に、刃先溶融温度領域34に接触するシート素材11が溶着される。図6および図7には、打抜き刃20の一部だけを示しているが、打抜き刃20は、図5に示すように長方形筒状であり、この打抜き刃20を部分的に加熱して、刃先溶融温度領域34が形成される状態で打抜き加工することによって、図3および図4に示すように長方形の各シート片13を打抜き形成し、かつ各シート片13が周縁部の一部の溶着領域14で溶着された積層体12を得ることができる。
また各シート素材11は、レーザ光15が照射されると、それが打抜き刃20によって反射した反射光であっても、表面層の変質および変形を生じるおそれがある材料から成る場合もある。たとえば前述のようなバックライトユニットに組込まれる光学部品を構成するためのシート素材11である場合、レーザ光15の照射によって表面層の変質および変形を生じるおそれのある材料、たとえば合成樹脂から成る。シート片13として打抜かれる部分にレーザ光15が照射され、表面層の変質および変形を生じると、製品の品質が低下してしまう。特に光学部品の場合、光学的特性に大きな影響を与えてしまう。
この点に鑑み、本実施の形態では、レーザ光15は、打抜き刃20のテーパ状に形成される先端部である刃部30以外の部分39に、打抜き刃20に対して照射位置における略垂直方向から照射される。これによって打抜き刃20に照射されるレーザ光15は、全反射と全方向散乱となり、シート素材11に到達するレーザ光15の熱エネルギが極めて小さくなり、シート素材11へのレーザ光照射による品質低下を生じることがない。
図9は、本発明のシート素材11の加工方法に従う加工手順を示すフローチャートである。図9に示す加工方法は、図1〜図8を参照して説明した加工装置10を用いて実行される。シート素材11の加工方法は、積層体12の製造要求が生じたときに、シート素材11を準備し、加工装置10を初期状態にして、ステップs0から手順を開始し、ステップs1に進む。加工装置10の初期状態は、たとえば可動台24および打抜き刃20が支持台23から最も離反した上限位置にあり、光源ユニット28からのレーザ光15の出射が停止されている状態である。載置工程であるステップs1では、各シート素材11を重ね合わせて、支持台23に載置して支持させる。各シート素材11の載置が完了すると、ステップs2に進む。
加熱工程であるステップs2では、加熱機器22の制御部29によって光源ユニット28を制御し、光源ユニット28からレーザ光15を出射させ、打抜き刃20の一部に照射する。このとき、レーザ光15の反射光がシート素材11に照射されないように、打抜き刃20の刃部30以外の部分39に、打抜き刃20に対して照射位置における略垂直方向から、レーザ光15を照射する。このようにレーザ光15を照射して打抜き刃20を部分的に加熱し、刃先溶融温度領域34を形成する。刃先溶融温度領域34が形成されると、ステップs3に進む。
打抜き工程であるステップs3では、プレス加工機21のアクチュエータ25によって可動台24を変位駆動させ、刃先27が支持台23に接触する下限位置まで打抜き刃20を変位させ、再び上限位置に戻すように往復変位させる。このように打抜き刃20を往復変位させることによって、各シート素材11が打抜かれる。しかも打抜き刃20が部分的に加熱されているので、打抜きと同時に、打抜かれて形成される各シート片13の刃先溶融温度領域34に接触する部位が溶着される。このようにして図3および図4に示すような、各シート片13が溶着部分14で溶着される積層体12が形成される。この打抜き工程では、打抜き刃20をレーザ光15の照射による加熱を停止してもよいが、打抜き刃20をレーザ光15の照射を継続して加熱を継続してもよい。シート素材11の打抜きが終了すると、ステップs4に進む。
搬出工程であるステップs4では、支持台23上から、積層体12を取出すとともに、シート素材11から各シート片13が打抜かれた余剰部分を取出する。このような加工装置10を用いた加工方法によって製造される製品である積層体12の取出しが終了すると、ステップs5に進み、加工方法に従う手順を終了する。
積層体12を連続して製造する場合、図9の各工程を繰返すようにしてもよいし、打抜き刃20に常時レーザ光15を照射しながら、ステップs1の載置工程、ステップs3の打抜き工程、ステップs4の搬出工程を、順次繰返すようにしてもよい。
本実施の形態の加工装置10およびそれを用いた加工方法によれば、複数のシート素材11を重ね合わせた状態で、重ね合わせた全てのシート素材11が、打抜き刃20を備えるプレス加工機21を用いて所定の形状、たとえば長方形状に打抜かれると同時に、打抜き刃20の一部が加熱機器22で加熱されていることにより、打抜かれる各シート片13の周縁部の所望の一部の領域部分14だけが溶着される。このようにして接着しろのないシート片13が積層され、各シート片13の相互の位置ずれが防がれ、かつ各シート片13間に空気が封入されない、積層体12を得ることができる。
さらにこのような本発明の加工装置10および加工方法を、液晶ディスプレイ装置のバックライトユニットに組込まれる光学部品の製造に用いれば、次のような効果が得られる。従来の技術では、バックライトユニットへの組込み時に、打抜かれたシート片13を1枚ずつ位置合せをして重ね合わせていたが、本発明によれば、各シート片13の打抜きと溶着が同時に実現され、積層体12としてえられるので、バックライトユニットへの組込作業の作業時間が短縮できる。また、各シート片13の重ね合わせがいわば自動化され、重ね合わせ時の位置合せが不要となるため、作業性が向上する。さらに積層体12は各シート片13を接着する構成ではないので、照明に用いられる有効領域の外側に接着しろを設ける必要がなく、バックライトユニットの小型化、しいては液晶ディスプレイ装置を搭載した携帯電話およびデジタルカメラなどのアプリケーション機器の小型化までもが可能となる。さらには、打抜かれるシート片13の周縁部の一部だけが溶着されるので、周縁部を全周にわたって溶着したときのような空気の封入がなくなる。したがって封入空気に起因する、液晶ディスプレイ装置の輝度分布および表示むらなどといった光学特性の変化による表示品位の低下、封入空気が温度変化により膨張および収縮に起因するような信頼性の低下といった問題が生じない。
またプレス加工機21の打抜き刃20の一部を加熱するにあたっては、溶着する領域を切断する部分だけを加熱できるように、打抜き刃20の一部にレーザ光15が照射される。このように打抜き刃20の加熱にレーザ光15を用いることによって、電熱ヒータなどを用いるよりも加熱効率が良く、所望の局所的な部分だけを瞬時に加熱することができる。またレンズ、ミラー、ビームエキスパンダおよびアパーチャなどの光学部品を用いることで、ビーム形状を溶着領域の形状に合せたり、照射方向や照射位置を機種に応じて容易に変更したりすることができるようになる。このように加熱条件を容易に変更することができ、高い利便性が得られる。
また打抜き刃20の一部にレーザ光15を照射して加熱するにあたっては、打抜き刃20の刃部30以外に、打抜き刃20に対して略垂直方向から、レーザ光15が照射される。これによって打抜き刃15に照射するレーザ光15の反射光がシート素材11に照射されることなく、シート体13を打抜き形成し、積層体12を製造することが可能となる。したがってシート素材11にレーザ光15が照射されることによる品質低下の発生が防がれ、高品質の積層体が得られる。
図10は、本発明の実施の他の形態の打抜き刃20Aの一部を示す斜視図である。図10に示す本実施の形態は、図1〜図9に示す実施の形態と類似しており、対応する部分に同一の符号を付し、異なる構成についてだけ説明し、同様の構成については説明を省略する。図10に示す打抜き刃20Aは、図1〜図9を参照して説明した前述の打抜き刃20に代えて、プレス加工21に設けることができる。図10に示す打抜き刃20Aは、図1〜図9の打抜き刃20と同様に、長方形筒状に形成される刃であるが、図10には、打抜き刃20Aのうちの平板状の一部だけを示し、シート材11を打抜き加工するときに、打抜き刃20Aの一部による切断状態を示す。
図10に示す打抜き刃20Aは、周方向一箇所に、高熱伝導部40が形成される。高熱伝導部40は、打抜き刃20Aの軸線方向一端部から他端部の全域にわたって形成される。高熱伝導部40は、残余の部分41の熱伝導率と比べて、熱伝導率の高い材料から成る部分である。高熱伝導部40は、たとえば鉄から成り、残余の部分41は、たとえばステンレス鋼から成る。高熱伝導部40は、各シート素材11の打抜き時に、各シート片13を溶着させる部位を切断する領域に設けられる。レーザ光15は、高熱伝導部40にだけ照射される。打抜き刃20Aは、高熱伝導部40が部分的に加熱され、高熱伝導部40における刃先27が、刃先溶融温度領域34となる。つまり打抜き刃20Aでは、高熱伝導部40は各シート片13を溶着する部分となり、残余の部分41は各シート片13を溶着しない部分となる。
図1〜図9に示す打抜き刃20のように、全体が均一な材料から成る構成では、レーザ光15照射されると、レーザ光15の照射位置中心から同心円状に熱が伝わるので、刃先溶融温度領域34が得るには、加熱領域が大きくなってしまい、大きなエネルギを必要とする。しかも刃先溶融温度領域34の大きさを制御することは、決して容易ではない。これに対して図10に示す打抜き刃20Aは、熱伝導率の異なる2種類の材料を用いて形成され、高熱伝導部40が形成される。この高熱伝導部40にだけレーザ光15を照射することによって、レーザ光15から与えられる熱の、残余の部分41への熱伝導を低減し、高熱伝導部40における刃先27の温度がシート素材11の溶融温度異常になって刃先溶融温度領域34が形成されるまでに必要なエネルギを小さくすることができる。しかも刃先溶融温度領域34を、高熱伝導部40の刃先27の領域に限定することができ、各シート片13の溶着される領域を小さくして微小領域の溶着を可能とし、積層体12の溶着部分14を小さくすることができる。このように微小領域の溶着が可能になれば、小型の積層体12の製造が可能になり、小型の液晶ディスプレイ装置のバックライトユニットを構成するための積層体12を製造することが可能になる。したがってデジタルスチルカメラのビューファインダー、携帯電話のサブディスプレイなどの、より小型の液晶ディスプレイ装置の積層体12の製造にも用いることができる。
前述の各実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、構成を変更することができる。打抜き刃20,20Aは、シート素材11を長方形以外の形状、たとえば円形状などに打抜くように構成されてもよい。また1つの可動台24に、複数の打抜き刃20,20Aが設けられ、一度の打抜き工程で、複数の積層体12を形成できるようにしてもよい。またバックライトユニットに組込まれる積層体12以外の積層体を製造するために実施されてもよい。
本発明の実施の一形態のシート素材11の加工装置10を示すブロック図である。 加工装置10によって加工されるシート素材11を示す斜視図である。 加工装置10によって製造される積層体12を示す斜視図である。 加工装置10によって製造される積層体12を示す正面図である。 打抜き刃20を示す斜視図である。 打抜き刃20によってシート素材11を打抜き加工している状態を示す断面図である。 打抜き刃20によってシート素材11を打抜き加工している状態を示す斜視図である。 図6および図7のような打抜き刃20の一部による切断後のシート素材11を示す斜視図である。 本発明のシート素材11の加工方法に従う加工手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の他の形態の打抜き刃20Aの一部を示す斜視図である。 従来の技術の加工方法で加工されて得られる積層体1を示す正面図である。 画面5の表示むら6を示す正面図である。
符号の説明
10 加工装置
11 シート素材
12 積層体
13 シート片
14 融着部分
15 レーザ光
20,20A 打抜き刃
21 プレス加工機
22 加熱機器
27 刃先
28 光源ユニット
30 刃部
34 刃先溶融温度領域
40 高熱伝導部

Claims (8)

  1. 複数のシート素材を重ね合わせ、重ね合わせた全てのシート素材を、部分的に加熱した打抜き刃を用いて、打抜き加工することを特徴とするシート素材の加工方法。
  2. 打抜き刃の一部にレーザ光を照射することによって、打抜き刃を部分的に加熱することを特徴とする請求項1に記載のシート素材の加工方法。
  3. レーザ光は、打抜き刃のテーパ状に形成される先端部以外の部分に照射することを特徴とする請求項2に記載のシート素材の加工方法。
  4. レーザ光は、打抜き刃に対して、照射位置における略垂直方向から照射することを特徴とする請求項2または3に記載のシート素材の加工方法。
  5. 打抜き刃には、残余の部分よりも熱伝導率の高い材料から成る高熱伝導部を形成し、
    高熱伝導部を加熱することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のシート素材の加工方法。
  6. 高熱伝導部にだけレーザ光を照射することによって、打抜き刃を部分的に加熱することを特徴とする請求項5に記載のシート素材の加工方法。
  7. 複数のシート素材を重ね合わせた状態で、重ね合わせた全てのシート素材を、打抜く打抜き刃と、
    打抜き刃を部分的に加熱する加熱手段とを備えることを特徴とするシート素材の加工装置。
  8. 加熱手段は、打抜き刃の一部にレーザ光を照射する照射手段であることを特徴とする請求項7に記載のシート素材の加工装置。
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