JP2009017484A - 撮影制御装置及びその制御方法、並びに、プログラム - Google Patents

撮影制御装置及びその制御方法、並びに、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】装置構成を複雑にすること無く簡単な構成で、小視野かつ高速撮影と広視野かつ低速撮影を実現できるようにする。
【解決手段】X線発生部1からX線1aを照射し、センサ4で検出された電荷に基づくX線画像を撮影する処理を行う画像撮影部31と、X線発生部1から照射され、センサ4に入射するX線1aの照射領域を制限するX線絞り9と、X線絞り9で制限された照射領域のセンサ4での位置に係る照射領域位置情報を算出する位置情報算出部32と、当該照射領域位置情報に基づいてセンサ4における電荷の読み出し開始時間を決定する読み出し開始時間決定部33とを備える。この際、例えば、読み出し開始時間決定部33では、センサ4の前記照射領域を除く非照射領域における電荷の読み出し開始時間を、X線発生部1によるX線1aの照射中とする決定を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、照射された放射線を電荷として検出するセンサを制御する撮影制御装置及びその制御方法、並びに、当該制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
従来、ガラス基板上に成膜し形成したアモルファスシリコンやポリシリコンを材料とし、光電変換素子とTFTとを含む画素を2次元状に配列したセンサを用いた画像撮影装置が知られている。この画像撮影装置では、TFTを用いたマトリクス駆動を行うことにより、各光電変換素子で光電変換された電荷を読み出すものが一般的である。
また、例えば、医療の分野等においては、放射線の一種であるX線を被写体に照射(「曝射」ともいう)して、当該被写体を透過したX線を検出し、当該被写体のX線画像の撮影を行うX線画像撮影装置(放射線画像撮影装置)が用いられている。このX線画像撮影装置では、被写体を透過したX線は、例えば、センサの各画素上に設けられた蛍光体で可視光に変換され、変換された可視光がセンサの各画素に入射するように構成されている(例えば、下記の特許文献1及び2参照)。
例えば、特許文献1には、各光電変換素子の電荷を読み出してX線画像を撮影する場合に、いわゆるオフセット補正を行う技術が示されている。
また、例えば、特許文献2には、静止画の撮影だけでなく、動画の撮影が可能なX線画像撮影装置が示されている。
以下に、動画の撮影を行うX線画像撮影装置のセンサの各光電変換素子における電荷の読み出しについて説明する。
図10は、センサの概略平面図である。
図10には、光電変換素子とTFTとを含む画素が2次元状に配列されたセンサ4の概略平面が示されている。また、図10には、センサ4の上半分の領域4u及び下半分の領域4l、並びに、センサ4の上端位置P11、中央位置P12及び下端位置P13が示されている。
センサ4の上半分の領域4uと下半分の領域4lとを同時に電荷の読み出しを行えば、電荷の読み取り時間を短くすることができる。ここで、矢印101と矢印102は、本例における電荷の読み出し方向を示し、この場合、センサ4の上端位置P11及び下端位置P13からセンサ4の中央位置P12に向かって同時に電荷の読み出しが行われる。
図11は、従来例を示し、動画撮影モードにおけるX線の照射のタイミング、及び、センサの光電変換素子における電荷の蓄積と電荷の読み出しのタイミングの一例を示すタイミングチャートである。この図11には、X線画像の1フレームの撮影時間(フレーム時間)内に、X線の照射後の光電変換素子における電荷の読み出しを1回行い、X線の非照射時の光電変換素子における電荷の読み出しを1回行う場合のタイミングが示されている。
図11においては、X線の照射時間をTxとし、電荷の読み出し時間をTr、X線の照射時に読み出した画素値をVx、X線の非照射時に読み出した画素値をVd、1フレームのフレーム時間をTf11、電荷の蓄積時間をTw11としている。
通常、X線画像を得るには、いわゆるオフセット補正が必要である。具体的に、オフセット補正は、X線の照射時に読み出した画素値(Vx)から、X線の非照射時に読み出した画素値(Vd)を減算することにより行われる。また、完全にオフセット補正を行うには、X線の照射時における電荷の蓄積時間とX線の非照射時における電荷の蓄積時間とが同じである必要がある。
そして、X線の照射は、光電変換素子による電荷の蓄積中に行う必要があるために、電荷の読み出しは、X線の照射が終了した後に行われる。また、X線の照射は、前フレームにおけるX線の非照射時の電荷の読み出しが終了した後に行われる。
この際、図10に示したセンサ4の上端位置P11及び下端位置P13の光電変換素子におけるX線照射後の電荷の読み出し時刻は、図11に示すように、X線照射後の電荷の読み出しの最初の時刻となる。また、センサ4の中央位置P12の光電変換素子におけるX線照射後の電荷の読み出し時刻は、X線照射後の電荷の読み出しの最後の時刻となる。
ところで、被写体の撮影部位が心臓のように動きの速い部位である場合には小視野かつ高速撮影が望ましく、また、被写体の撮影部位が頭部のように動きの少ない部位である場合には、広視野かつ低速撮影が望ましい。この様な要求を考慮したX線画像撮影装置としては、例えば、下記の特許文献3に示されている。具体的に、特許文献3に示されてX線画像撮影装置では、センサの読み出し範囲を切り替えると共に、当該読み出し範囲に連動してX線絞りを駆動する方法が記載されている。
特開2003−244557号公報 特開2003−78124号公報 特開平8−47491号公報 特開2000−70243号公報
しかしながら、特許文献3に示すX線画像撮影装置では、小視野かつ高速撮影ではセンサの読み出し範囲を狭め、広視野かつ低速撮影ではセンサの読み出し範囲を広げるために、センサの読み出し範囲を制御する必要があった。これにより、センサの電荷の読み出しに係るハードウェアが複雑になるという問題点があった。
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、装置構成を複雑にすること無く簡単な構成で、小視野かつ高速撮影と広視野かつ低速撮影を実現できるようにすることを目的とする。
本発明の撮影制御装置は、放射線発生手段によって照射された放射線を電荷として検出するセンサを制御する撮影制御装置であって、前記センサにおいて放射線が照射される照射領域の位置情報を参照することによって設定された放射線画像のフレームごとの撮影間隔を示す時間に基づいて、前記放射線発生手段によって放射線が照射されているときにおける前記センサの電荷の読み出し開始時間を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された前記電荷の読み出し時間に基づいて、前記センサの電荷の読み出しを制御する制御手段とを有する。
本発明によれば、装置構成を複雑にすること無く簡単な構成で、小視野かつ高速撮影と広視野かつ低速撮影を実現することができる。
次に、本発明に係る撮影制御装置の諸実施形態について説明する。
なお、以下に示す本発明に係る撮影制御装置の諸実施形態の説明においては、放射線としてX線を適用したX線画像撮影装置の例を示すが、本発明においてはこれに限定されない。本発明の放射線としては、X線に限らず、例えば、α線、β線、γ線なども含まれるものとし、これらの放射線を用いて撮影された放射線画像を処理する装置も本発明に含まれるものとする。
(第1の実施形態)
以下に、添付図面を用いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の概略構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、X線画像撮影装置10は、X線発生部1と、操作入力部2と、制御部3と、センサ4と、表示部5と、ROM6と、RAM7と、蓄積部8と、X線絞り9を有して構成されている。また、制御部3には、画像撮影部31と、位置情報算出部32と、読み出し開始時間決定部33が機能構成として含まれている。
X線発生部(放射線発生部)1は、被写体(被検者)20に対してパルス状にX線1aを連続して発生することができるものであり、例えば、X線管球で構成されている。
操作入力部2は、ユーザがX線画像撮影装置10に対して入力指示を行う際に操作されるものである。この操作入力部2には、X線発生部1からX線1aを発生させる際にユーザが操作する照射スイッチ2aが含まれている。
制御部3は、例えば、ROM6に記憶されているプログラム等を読み出し、このプログラム等に基づいてX線画像撮影装置10の全体の制御を行う。特に、本実施形態において、制御部3は、ROM6に記憶されているプログラム等に基づいて、後述の図4及び図8に示す処理や、31〜33の各機能構成における処理を実現する。
ここで、画像撮影部31は、センサ4における電荷の蓄積中に放射線発生手段であるX線発生部1によるX線の照射を制御し、さらに、センサ4から電荷の読み出しを制御することにより、X線画像の撮影処理を実行する。さらに、画像撮影部31は、X線発生部1からのX線を非照射の状態でセンサ4の電荷の蓄積を制御し、その後、センサ4から電荷の読み出しを制御することにより、ダーク画像の撮影処理を実行する。
位置情報算出部32は、照射領域制限手段であるX線絞り9で制限されたX線1aの照射領域のセンサ4での位置に係る位置情報(照射領域位置情報)を取得する。読み出し開始時間決定部33は、位置情報算出部32により算出された位置情報(照射領域位置情報)に基づいて、X線発生部1から照射されるX線1aの照射タイミングに対するセンサ4からの電荷の読み出し開始時間を決定する。具体的に、読み出し開始時間決定部33は、センサ4の照射領域を除く非照射領域における電荷の読み出し開始時間を、X線発生部1によるX線1aの照射中とする。
センサ4は、制御部3(画像撮影部31)の制御に基づいて、X線発生部1から照射され、被写体20を透過して入射したX線1aを電気信号(電荷)として検出する。また、センサ4は、制御部3(画像撮影部31)の制御に基づいて、X線発生部1からのX線1aを非照射の状態、即ちダーク状態での電気信号(電荷)を検出する。
このセンサ4には、例えば、光電変換素子とTFTとを含む画素が2次元状に配列されており、この場合、各画素上には、例えば蛍光体が設けられて形成される。そして、この場合、センサ4に入射したX線は蛍光体で可視光に変換され、変換された可視光が各画素の光電変換素子に入射し、各光電変換素子において、可視光に応じた電荷が生成される。なお、本実施形態では、上述した蛍光体及び光電変換素子によって、入射したX線を電荷に変換する変換素子を構成する形態であるが、例えば蛍光体を設けずに、入射したX線を直接電荷に変換する、いわゆる直接変換型の変換素子を構成する形態であってもよい。したがって、以降の説明においては、センサ4に、「変換素子」が2次元状に配列されているものとして説明を行う。
また、既に背景技術で説明したように、センサ4は、各変換素子の電荷の蓄積と電荷の読み出しを交互に繰り返して、X線画像及びダーク画像を撮影することができるものである。
表示部5は、制御部3の制御に基づいて、センサ4から読み出されたX線画像(放射線画像)や、操作UI等を表示する表示手段である。
ROM6には、例えば、制御部3に、後述の図4及び図8に示す処理、並びに、その他のX線画像撮影装置10の制御に必要なプログラム等が記憶されている。
RAM7は、例えば、制御部3が各種の制御を行う時に用いられ、データ等を一時的に記憶する。
蓄積部8は、例えば、センサ4で生成された各X線画像(各放射線画像)の画像データを一時的に蓄積して記憶するものである。
X線絞り9は、制御部3の制御に基づいて、X線発生部1から照射され、センサ4に入射するX線の照射領域を制限する照射領域制限手段である。このX線絞り9により、被写体20におけるX線画像の撮影領域が制限(限定)されることになる。
図1において、制御部3は、例えば、移動手段(不図示)を用いて図1の矢印91及び92の方向にX線絞り9を移動して、X線1aが照射される照射領域を制限することができる。そして、制御部3は、照射スイッチ2aが操作されオンとなると、X線発生部1からパルス状にX線1aが照射されるように制御する。また、制御部3は、X線1aのパルスに同期して、センサ4から、被写体(被検者)20を透過したX線1aに基づく電荷を読み出してX線画像を生成し、オフセット補正処理を含む画像処理を行った後、当該X線画像を表示部5に表示する。また、制御部3は、X線絞り9によってX線が照射されないセンサ4の非照射領域における電荷に基づく画像については、その画素値を予め定められた所定の値に設定する機能、即ち、所定の値にマスクする機能を持つ。
以下に、位置情報算出部32と読み出し開始時間決定部33の処理について詳細に説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るX線画像撮影装置の位置情報算出部32による処理を説明するための模式図である。この図2において、図1と同様の構成については、同じ符号を付している。
図2には、X線発生部1、X線絞り9、被写体(被検者)20及びセンサ4が示されている。また、図2には、センサ4の位置として、センサ4の上端位置P11、センサ4の中央位置P12、及び、センサ4の下端位置P13が示されている。ここで、X線発生部1の焦点位置Oは、センサ4の中央位置P12と同じ高さにあるものとする。
ここで、上側のX線絞り9uの中央位置P12からの高さ方向(上下方向)における距離をXuとし、下側のX線絞り9lの中央位置P12からの高さ方向(上下方向)における距離をXlとする。また、X線1aが照射される照射領域のセンサ4における上端位置を照射領域上端位置Puとし、X線1aが照射される照射領域のセンサ4における下端位置を照射領域下端位置Plとする。また、センサ4の中央位置P12からX線1aの照射領域の上端位置である照射領域上端位置Puまでの距離をYuとし、センサ4の中央位置P12からX線1aの照射領域の下端位置である照射領域下端位置Plまでの距離をYlとする。また、X線発生部1の焦点位置OからX線絞り9までの水平方向(左右方向)における距離をLcとし、X線発生部1の焦点位置Oからセンサ4までの水平方向(左右方向)における距離をLsとする。ここで、本実施形態においては、X線絞り9の開口位置に係る距離Xu及びXl、並びに、X線発生部1の焦点位置Oを基準とした場合のX線絞り9の位置に係る距離Lcを絞り位置情報と称する。
そして、制御部3は、例えば、上述した移動手段(不図示)を用いてX線絞り9u及び9lを、それぞれ、図2の矢印93及び94の方向に動かすことができ、X線絞り9u及び9lの移動量(距離Xu及びXl)を検出することができる。
位置情報算出部32は、X線絞り9で制限されたX線1aの照射領域のセンサ4での位置(照射領域上端位置Pu及び照射領域下端位置Pl)に係る照射領域位置情報として、距離Yuと距離Ylを算出する。具体的に、位置情報算出部32は、以下の(1)式及び(2)式により、センサ4の中央位置P12から照射領域上端位置Puまでの距離Yu、及び、センサ4の中央位置P12から照射領域下端位置Plまでの距離Ylを算出する。
Yu=Xu・Ls/Lc ・・・(1)
Yl=Xl・Ls/Lc ・・・(2)
即ち、位置情報算出部32は、照射領域位置情報である距離Yu及びYlを、絞り位置情報(距離Xu及びXl、並びに、距離Lc)、及び、X線発生部1の焦点位置Oを基準とした場合のセンサ4の位置に係る距離Lcを用いて算出する。このようにしてセンサ4上の照射領域の位置情報を取得する。
通常、距離Lcは一定であるが、距離Lsは変化すると考えられる。そのため、制御部3は、例えば、測定手段(不図示)を用いてX線発生部1の焦点位置Oからセンサ4までの距離Lsを測定する。この際、測定手段(不図示)を用いた測定方法としては様々な方法が考えられるが、例えば、超音波を利用した距離の測定方法が一例として挙げられる。なお、ここでは、位置情報算出部32は、測定手段(不図示)で測定された距離Lsを用いて距離Yu及びYlを算出するようにしているが、例えば、ユーザから操作入力部2を介して入力された距離Lsを用いて距離Yu及びYlを算出する形態であってもよい。
図3は、本発明の第1の実施形態に係るX線画像撮影装置のセンサ4の概略平面図である。この図3において、図2及び図10と同様の構成については、同じ符号を付している。
図3には、センサ4の位置として、センサ4の上端位置P11、中央位置P12及び下端位置P13、並びに、照射領域上端位置Pu及び照射領域下端位置Plが示されている。また、矢印101及び102は、図10と同様に、それぞれ、センサ4の上半分の領域における電荷の読み出し順序、センサ4の下半分の領域における電荷の読み出し順序を示している。本実施形態におけるセンサ4は、上端P11および下端P13ラインの電荷を同時に読み出し、矢印に示した順序に従って2ラインずつ同時に電荷を読み出す。また、図2と同様に、センサ4の中央位置P12から照射領域上端位置Puまでの距離をYuとし、センサ4の中央位置P12から照射領域下端位置Plまでの距離をYlとしている。
また、図3に示すセンサ4において、センサ4の上端位置P11から中央位置P12までの距離は、センサ4の下端位置P13から中央位置P12までの距離と等しく、その距離をYhとしている。また、センサ4の斜線で示す領域4bは、X線絞り9によってX線1aが照射されない非照射領域であり、センサ4の空白で示す領域4aは、X線1aが照射される照射領域である。即ち、非照射領域4bは、センサ4の撮像領域の照射領域4aを除く領域である。
読み出し開始時間決定部33は、最初に、センサ4の上端位置P11から照射領域上端位置Puまでの電荷の読み出し時間Tuと、センサ4の下端位置P13から照射領域下端位置Plまでの電荷の読み出し時間Tlを算出する。
具体的に、読み出し開始時間決定部33は、以下の(3)式及び(4)式により、それぞれ、電荷の読み出し時間Tu及びTlを算出する。この際、センサ4の上端位置P11及び下端位置P13に配設された画素の変換素子から、それぞれ、矢印101及び102の方向に同時に電荷の読み出しを行った際の電荷の読み出し時間をTrとする。即ち、この電荷の読み出し時間Trは、センサ4における全ての変換素子の電荷の読み出し時間である。また、この際の電荷の読み出し速度は一定である。
Tu=Tr・(Yh−Yu)/Yh ・・・(3)
Tl=Tr・(Yh−Yl)/Yh ・・・(4)
次に、読み出し開始時間決定部33は、電荷の読み出し時間Tuと電荷の読み出し時間Tlとを比較して、小さい方の時間を最小時間として決定する。図3に示す例では、電荷の読み出し時間Tlの方が電荷の読み出し時間Tuより小さいので、読み出し開始時間決定部33は、電荷の読み出し時間Tlを最小時間として決定する。
その後、読み出し開始時間決定部33は、X線の照射時間Txと最小時間Tlとを比較して、小さい方の時間を選択時間として選択する。通常、X線の照射時間Txは数ミリ秒から十数ミリ秒程度、電荷の読み出し時間Trは十ミリ秒から数十ミリ秒程度である。
次に、第1の実施形態に係るX線画像撮影装置10の処理手順について説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図4のステップS1において、まず、制御部3は、ユーザから操作入力部2を介して入力された距離Ls、距離Lc及び距離Yhの入力設定を行う。次に、ユーザから、例えば操作入力部2を介してX線絞り9の調整入力がなされると、制御部3は、当該調整入力に基づいて、移動手段(不図示)を用いて、X線絞り9の調整を行う。
なお、距離Lsについては、図4に示すフローチャートでは、ユーザが実測した値を操作入力部2を介して入力する場合について示すが、後工程において、制御部3が、上述した測定手段(不図示)を用いて測定する形態であってもよい。
続いて、ステップS2において、制御部3は、ステップS1で調整を行ったX線絞り9の開口位置に係る距離Xu及びXlを検出する。そして、制御部3は、検出したX線絞り9の開口位置に係る情報(距離Xu及びXl)を、例えば、RAM7に記憶し設定する。
続いて、ステップS3において、制御部3の位置情報算出部32は、X線絞り9の位置に係る絞り位置情報に基づいて、X線絞り9で制限されるX線1aの照射領域のセンサ4での位置に係る照射領域位置情報を算出する。
具体的に、図2に示す例では、位置情報算出部32は、照射領域位置情報として、センサ4の中央位置P12から照射領域上端位置Puまでの距離Yuと、センサ4の中央位置P12から照射領域下端位置Plまでの距離Ylを算出する。この際、位置情報算出部32は、絞り位置情報(ステップS2で検出された距離Xu及びXl、並びに、ステップS1で入力された距離Lc)、及び、ステップS1で入力された距離Lsを用いて、(1)式及び(2)式により、距離Yu及びYlを算出する。そして、位置情報算出部32は、算出した照射領域位置情報(距離Yu及びYl)を、例えば、RAM7に記憶し設定する。
その後、ユーザから操作入力部2を介して撮影条件の入力がなされると、続いて、ステップS4において、制御部3は、これを検知し、操作入力部2を介して入力された各種の情報を、例えば、RAM7に記憶し設定する。このステップS4では、まず、操作入力部2を介して、X線の照射時間Tx、電荷の読み出し時間Tr等が撮影条件として入力され、この情報がRAM7に記憶される。そして、制御部3は、X線画像の1フレーム毎の撮影間隔を示す時間(フレーム時間)Tf1の入力可能範囲を決定し、その入力可能範囲内に操作入力部2を介して入力された値が含まれる場合、その入力を受け付ける。フレーム時間の入力範囲の決定方法を以下に示す。
具体的には、制御部3の読み出し開始時間決定部33は、ステップS3で算出された照射領域位置情報に基づいて、X線画像の1フレーム毎の撮影間隔を示す時間(フレーム時間)Tf1の入力可能範囲を決定する。ここで、センサ4の非照射領域における電荷の読み出し開始位置は、図3の上端位置P11及び下端位置P13に相当する。また、照射領域位置情報に基づく位置は、図3の照射領域上端位置Pu及び照射領域下端位置Plに相当する。
より詳細に、読み出し開始時間決定部33は、最初に、操作入力部2を介して入力された電荷の読み出し時間Tr及び距離YhとステップS3で算出された距離Yu及びYlを用いて、(3)式及び(4)式により、電荷の読み出し時間Tu及びTlを算出する。次に、読み出し開始時間決定部33は、電荷の読み出し時間Tuと電荷の読み出し時間Tlとを比較して、小さい方の時間を最小時間として決定する。ここで、後述の図5の場合には、電荷の読み出し時間Tlを最小時間とする。
その後、読み出し開始時間決定部33は、決定した最小時間(電荷の読み出し時間Tl)と入力されたX線の照射時間Txとを比較して、小さい方の時間を選択時間として選択する。ここで、後述の図5の場合には、電荷の読み出し時間Tlを選択時間とする。なお、この場合、フレーム時間の入力可能な範囲は、後述の図5の場合、(照射時間Tx+全ラインの電荷の読み出し時間Tr−Tl)×2≦フレーム時間Tf1≦(照射時間Tx+全ラインの電荷の読み出し時間Tr)×2の関係が成立する。なお、全ラインの電荷の読み出し時間Trは、センサ4固有のものである。また、ここでは、照射時間Tx=読み出し待機時間Twと近似している。そして、制御部3は、上記のとおり決定された入力可能範囲内に操作入力部2を介して入力された値が含まれる場合、その入力を受け付け、RAM7に格納する。
続いて、ステップS5において、読み出し開始時間決定部33は、センサ4の上下端から読み出されるセンサ4の電荷の読み出し開始時間を決定する。具体的には、電荷の読み出し開始時間を、フレーム時間の入力値をTfxとすると、X線の照射開始タイミングから((照射時間Tx+全ラインの電荷の読み出し時間Tr)×2−Tfx)/2の時間後とする。この際、センサ4の非照射領域(図3に示す領域4b)の少なくとも一部分における電荷の読み出し開始時間は、X線発生部1によるX線1aの照射中となる。後述の図5の場合には、読み出し開始時間決定部33は、X線発生部1によるX線1aの照射の終了時点よりも前記選択時間だけ前の時間を読み出し開始時間として決定している。そして、読み出し開始時間決定部33は、決定したセンサ4における電荷の読み出し開始時間の情報を、例えば、RAM7に記憶し設定する。
続いて、ステップS6において、制御部3は、ユーザにより照射スイッチ2aが操作され、当該照射スイッチ2aがオンとなったか否かを判定する。この判定の結果、照射スイッチ2aがオンでない場合には、ステップS3で照射スイッチ2aがオンとなったと判定されるまで、ステップS6で待機する。
図5は、本発明の第1の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の動作の一例を示し、動画撮影モードにおけるX線の照射のタイミング、及び、センサの電荷の読み出しのタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
図5には、1フレームのX線画像を撮影する撮影間隔(フレーム時間)Tf1、電荷の読み出し時間Tr及びX線の照射時間Txが示されている。また、図5において、X線の照射後に読み出したX線画像に係る画素値をVx、X線を照射しないで読み出したダーク画像に係る画素値をVd、電荷の読み出し待機時間をTw1としている。
図5に示すように、読み出し開始時間決定部33は、X線の照射時間Txよりも電荷の読み出し時間Tlの方が小さいため、電荷の読み出し時間Tlを選択時間として選択する。そして、選択時間が決まると、読み出し開始時間決定部33は、図5に示すように、X線1aの照射の終了時点よりも少なくとも電荷の読み出し時間Tlだけ早く、電荷の読み出しを開始する決定を行う。図5の例では、X線1aの照射の終了時点よりも電荷の読み出し時間Tlだけ早く、電荷の読み出しを開始している。したがって、後工程のステップS7でX線画像の撮影処理が行われると、図5に示すように、電荷の読み出し開始の時点で、センサ4の上端位置P11及び下端位置P13の変換素子の電荷が読み出されることになる。そして、X線1aの照射が終了した時点で照射領域下端位置Plの変換素子の電荷が読み出される。その後、X線1aの照射が終了した後に、照射領域上端位置Pu及びセンサ4の中央位置P12の変換素子の電荷が順次読み出される。
図4の説明に戻って、ステップS6において、照射スイッチ2aがオンとなったと判定されると、続いて、ステップS7に進む。ステップS7に進むと、画像撮影部31は、ステップS4において決定されたフレーム時間、及び、ステップS5において決定されたセンサ4の電荷の読み出しタイミング等に基づいて、センサ4を制御し、X線画像を撮影する処理を行う。
具体的に、画像撮影部31は、フレーム時間Tf1及びX線の照射時間Txに基づいて、X線発生部1からX線1aの照射タイミングを制御する。そして、画像撮影部31は、ステップS5で決定された電荷の読み出し開始時間に基づいて、センサ4から電荷の読み出しの制御を行い、X線画像の撮影処理を行う。この際、画像撮影部31は、センサ4の非照射領域(図3に示す領域4b)における電荷に基づく画像の画素値を、予め定められた値、例えば0に設定する。このように、非照射領域における画像の画素値を0とすることにより、照射領域(図3に示す領域4a)を除く非照射領域を見えなくすることができる。そして、画像撮影部31は、当該X線画像の画像データを、例えば、蓄積部8に蓄積して記憶する。
その後、画像撮影部31は、図5に示すように、X線発生部1からのX線1aを非照射の状態でダーク画像の撮影処理を行う。そして、画像撮影部31は、当該ダーク画像の画像データを、例えば、蓄積部8に蓄積して記憶する。
その後、制御部3は、ダーク画像を用いて、X線画像のオフセット補正を行う。
具体的に、制御部3は、X線画像に係る画素値をVx、ダーク画像に係る画素値をVdとすると、以下の(5)式の計算を行って、X線画像のオフセット補正を行う。
Vo=Vx−Vd ・・・(5)
この(5)式による計算により、オフセット補正後のX線画像の画素値Voが得られ、制御部3は、X線画像の画素毎にオフセット補正を行う。そして、制御部3は、オフセット補正後のX線画像の画像データを、例えば、蓄積部8に記憶する。その後、必要に応じて、制御部3は、当該X線画像を表示部5に表示する。
以上の処理により、1フレームのX線画像の撮影処理が終了し、これを複数回繰り返すことにより、複数フレームのX線画像の撮影処理が行われることになる。
本実施形態のX線画像撮影装置10では、X線絞り9でX線1aの照射領域を制限した場合、非照射領域4bはX線1aの照射中に電荷の読み出しが開始されるので、例えば、図11に示す電荷の蓄積時間Tw11を短くすることができる。即ち、本実施形態では、照射領域を制限した小視野の場合は電荷の読み出しタイミングを早くするだけで高速撮影を行うことができ、照射領域を制限しない広視野の場合はX線1aの照射終了後に電荷の読み出しを行うので低速撮影することができる。
これにより、本実施形態のX線画像撮影装置10によれば、装置構成を複雑にすること無く簡単な構成で、小視野かつ高速撮影と広視野かつ低速撮影を実現することができる。
なお、本実施形態では、X線絞り9を制御部3が移動させて調整するようにしているが、例えば、ユーザが手動で動かして調整する形態であってもよい。この場合、ステップS4では、ユーザが手動で動かして調整したX線絞り9に基づいて、制御部3は、当該X線絞り9の開口位置に係る距離Xu及びXlを検出する形態を採る。
また、本実施形態では、X線絞り9の開口部の形状が矩形である場合の例を示したが、これに限定されずに、例えば、円形や多角形でもよい。また、本実施形態では、X線発生部1の焦点位置Oからセンサ4までの距離Lsは変化するとしているが、例えば、いわゆるCアーム型のX線画像撮影装置のように、変化しないものであってもよい。そして、この場合、距離Lsは固定の値なので、測定手段(不図示)を用いて測定する形態の場合には、距離Lsを測定する必要はない。
また、本実施形態では、センサ4の上端位置P11及び下端位置P13からセンサ4の中央位置P12に向かって同時に電荷の読み出しを行っているが、必ずしも、これに限定されるものではない。例えば、センサ4の上端位置P11から下端位置P13に向かって電荷を読み出す形態であってもよい。この場合、位置情報算出部32は、(1)式により距離Yuを算出し、読み出し開始時間決定部33は、(3)式により電荷の読み出し時間Tuを算出する形態を採る。そして、この形態の場合、読み出し開始時間決定部33は、電荷の読み出し時間Tuを最小時間として決定する。
また、本実施形態では、X線の照射時間Txよりも電荷の読み出し時間Tlの方が小さい時間とした例を示したが、これに限定されるものではなく、電荷の読み出し時間TlよりもX線の照射時間Txの方が小さい時間であってもよい。この場合、読み出し開始時間決定部33は、X線の照射時間Txを選択時間として選択する形態を採る。
また、本実施形態では、31〜33の各構成部を、制御部3がROM6に記憶されているプログラムを実行することによりソフトウェアで実現するようにしているが、例えば、当該各構成部をハードウェアで実現するようにしてもよい。
また、本実施形態では、図5に示すように、X線の照射時の電荷の読み出し、X線の非照射時の電荷の読み出しの順序で電荷の読み出しを行っているが、例えば、X線の非照射時の電荷の読み出し、X線の照射時の電荷の読み出しの順序であってもよい。
(第2の実施形態)
以下に、添付図面を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
ここで、第2の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の概略構成は、図1に示す第1の実施形態に係るX線画像撮影装置10の概略構成と同様である。しかしながら、主として、第2の実施形態では、第1の実施形態に対して、X線絞り9で制限される照射領域のセンサ4での位置に係る照射領域位置情報を算出する位置情報算出部32の処理の内容が異なる。
図6は、本発明の第1の実施形態に係るX線画像撮影装置の位置情報算出部32による処理を説明するための模式図である。
図6に示す表示部5には、被写体(被検者)20を透過したX線1aに基づくX線画像(具体的には、被写体20のX線胸部画像)が表示されている。即ち、第2の実施形態では、予め被写体(被検者)20のX線画像を撮影し、表示部5に表示させる。この場合、X線絞り9の開口は、全開の状態であり、広い範囲(広視野)のX線画像が表示されている。
また、以下の説明では、説明を簡単にするために、センサ4の1つの変換素子は表示部5の1画素(即ちX線画像における1画素)に対応しているものとする。即ち、センサ4の全領域の変換素子から読み出された電荷に基づくX線画像が、表示部5の表示画面の全体に表示されるものとする。具体的には、図6に示すように、表示部5の表示画面の上端位置が図3に示すセンサ4の上端位置P11に対応し、表示部5の表示画面の下端位置が図3に示すセンサ4の下端位置P13に対応することになる。さらに、図6に示すように、表示部5の表示画面の中央位置が図3に示すセンサ4の中央位置P12に対応することになる。
ユーザが、表示部5に表示されたX線画像を見ながら操作入力部2を用いて高速なフレームレートで撮影したい画像領域51を指定すると、制御部3(位置情報算出部32)は、これを検知する。この場合、操作入力部2は、センサ4のX線の照射領域に対応する画像領域51を指定するための入力手段を構成することになる。図6に示す例では、センサ4のX線の照射領域に対応する画像領域51として、被写体(被検者)20の心臓51aを含む画像領域がユーザにより指定された場合を示している。
第2の実施形態では、センサ4の1つの変換素子が表示部5の1画素に対応しているため、画像領域51の位置がセンサ4の位置に対応することになる。具体的には、図6に示すように、画像領域51の上端位置が図3に示す照射領域上端位置Puに対応し、画像領域51の下端位置が図3に示す照射領域下端位置Plに対応することになる。そして、画像領域51が指定されると、制御部3の位置情報算出部32は、当該画像領域51の座標から、X線1aの照射領域のセンサ4での位置に係る照射領域位置情報(図3の距離Yu及びYl)を算出する。
その後、第1の実施形態と同様に、読み出し開始時間決定部33は、センサ4の上端位置P11から画像領域51の上端位置に対応する照射領域上端位置Puまでの電荷の読み出し時間Tuを、(3)式を用いて算出する。同様に、読み出し開始時間決定部33は、センサ4の下端位置P13から画像領域51の下端位置に対応する照射領域下端位置Plまでの電荷の読み取り時間Tlを、(4)式を用いて算出する。
次に、読み出し開始時間決定部33は、第1の実施形態と同様に、電荷の読み出し時間Tuと電荷の読み出し時間Tlとを比較して、小さい方の時間を最小時間として決定する。第2の実施形態においても、図6に示すように、電荷の読み出し時間Tlの方が電荷の読み出し時間Tuよりも小さいので、読み出し開始時間決定部33は、電荷の読み出し時間Tlを最小時間として決定する。
その後、読み出し開始時間決定部33は、X線の照射時間Txと最小時間Tlとを比較して、小さい方の時間を選択時間として選択する。
図7は、本発明の第2の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の動作の一例を示し、動画撮影モードにおけるX線の照射のタイミング、及び、センサの電荷の読み出しのタイミングの一例を示すタイミングチャートである。ここで、図7には、最小時間TlよりもX線の照射時間Txの方が小さい時間である場合を示している。なお、この図7には、予め表示部5に表示させるためのX線画像の撮影に係るタイミングは示していない。
また、図7では、1フレームの撮影時間(フレーム時間)をTf2とし、X線の照射時間をTx、電荷の読み出し時間をTrとしている。また、図7において、X線の照射後に読み出したX線画像に係る画素値をVx、X線を照射しないで読み出したダーク画像に係る画素値をVd、電荷の読み出し待機時間をTw2としている。
図7に示す例の場合、読み出し開始時間決定部33は、選択時間として、X線の照射時間Txを選択する。そして、選択時間が決まると、読み出し開始時間決定部33は、X線1aの照射の終了時点よりもX線の照射時間Txだけ早く、即ち、X線1aの照射の開始時点と同時に電荷の読み出しを開始する決定を行う。したがって、図7に示すように、X線1aの照射が開始されると同時に、センサ4の上端位置P11及び下端位置P13の変換素子の電荷が読み出されることになる。その後、X線1aの照射が終了した後に、照射領域下端位置Plの変換素子の電荷、照射領域上端位置Puの変換素子の電荷、センサ4の中央位置P12の変換素子の電荷が順次読み出される。
次に、第2の実施形態に係るX線画像撮影装置10の処理手順について説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図8において、図4に示す処理ステップと同様の処理ステップについては、同様の符号を付しており、その説明を省略する。
図8のステップS21において、まず、画像撮影部31は、照射スイッチ2aがオンとなると、X線発生部1からX線1aを被写体(被検者)20に照射してX線画像を撮影する処理を行い、制御部3は、当該X線画像を表示部5に表示する。この際、X線画像の撮影後に、画像撮影部31が更にダーク画像の撮影を行い、制御部3が、当該ダーク画像を用いてX線画像のオフセット補正処理を行い、当該オフセット補正処理のX線画像を表示部5に表示する形態であってもよい。その後、ユーザが、表示部5に表示されたX線画像を見ながら操作入力部2を用いて高速なフレームレートで撮影したい画像領域、即ちセンサ4のX線の照射領域に対応する画像領域51を指定すると、制御部3(位置情報算出部32)は、これを検知する。そして、制御部3(位置情報算出部32)は、検知した画像領域51に係る情報を、例えば、RAM7に記憶し設定する。
続いて、ステップS22において、制御部3の位置情報算出部32は、ステップS21で検知した画像領域51に係る情報に基づいて、X線絞り9で制限されるX線1aの照射領域のセンサ4での位置に係る照射領域位置情報を算出する。
具体的に、第2の実施形態では、制御部3の位置情報算出部32は、当該画像領域51の座標から、X線1aの照射領域のセンサ4での位置に係る照射領域位置情報(図3の距離Yu及びYl)を算出する。即ち、位置情報算出部32は、画像領域51をセンサ4の対応する領域に変換することによって、前記照射領域位置情報を算出する。そして、位置情報算出部32は、算出した照射領域位置情報(距離Yu及びYl)を、例えば、RAM7に記憶し設定する。
その後、図4に示すステップS4〜ステップS7の処理を経る。なお、ステップS4以降の処理は、第1の実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
以上の処理により、1フレームのX線画像の撮影処理が終了し、これを複数回繰り返すことにより、複数フレームのX線画像の撮影処理が行われることになる。
本実施形態のX線画像撮影装置10では、表示部5に表示されたX線画像から画像領域51が指定された場合、当該画像領域51以外の画像はX線1aの照射中に読み出しが開始されるので、例えば、図11に示す電荷の蓄積時間Tw11を短くすることができる。即ち、本実施形態では、画像領域51を指定した小視野の場合は電荷の読み出しタイミングを早くするだけで高速撮影を行うことができ、画像領域51を指定しない広視野の場合はX線1aの照射終了後に電荷の読み出しを行うので低速撮影することができる。
(第3の実施形態)
以下に、添付図面を用いて、本発明の第3の実施形態について説明する。
ここで、第3の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の概略構成は、図1に示す第1の実施形態に係るX線画像撮影装置10の概略構成と同様である。しかしながら、主として、第3の実施形態では、第1の実施形態に対して、X線絞り9で制限される照射領域のセンサ4での位置に係る照射領域位置情報を算出する位置情報算出部32の処理の内容が異なる。
第1の実施形態における位置情報算出部32は、X線絞り9の絞り位置情報に基づいて、(1)式及び(2)式を用いて、照射領域位置情報を算出するものであった。これに対して、第3の実施形態における位置情報算出部32は、予め撮影したX線画像を解析して、自動的にX線1aの照射領域を算出する。即ち、本実施形態の位置情報算出部32は、予め撮影したX線画像に対するセンサ4の照射領域に対応する画像領域の認識処理を行い、当該認識処理の結果に基づいて、照射領域位置情報を算出する。そのため、第3実施形態では、実際にX線1aを照射してX線画像を撮影する前には、センサ4上で制限されたX線の照射領域に係る照射領域位置情報は分からない。ここで、X線の照射領域を自動的に算出する方法としては、例えば、上述した特許文献4に開示されている。
図9は、本発明の第3の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の動作の一例を示し、動画撮影モードにおけるX線の照射のタイミング、及び、センサの電荷の読み出しのタイミングの一例を示すタイミングチャートである。なお、この図9には、位置情報算出部32において前記画像領域の認識処理を行うための撮影されるX線画像の撮影に係るタイミングも第1フレーム(F1)に示している。
図9において、F1は最初に撮影される第1フレーム、F2は2番目に撮影される第2フレーム、F3は3番目に撮影される第3フレーム、F4は4番目に撮影される第4フレームである。また、図9において、X線の照射時間をTxとし、第1フレームF1のフレーム時間をTf3、第2フレームF2以降のフレーム時間をTf4、電荷の読み出し時間をTrとしている。また、X線の照射時に読み出したX線画像に係る画素値をVx、X線の非照射時に読み出したダーク画像に係る画素値をVd、第1フレームF1の電荷の蓄積時間をTw3、第2フレームF2以降の電荷の読み出し待機時間をTw4としている。
まず、第1フレームF1目の撮影では、X線1aのセンサ4における照射領域の照射領域位置情報が分からないために、X線1aの照射中における電荷の読み出しは行われない。即ち、第1フレームF1の処理では、画像撮影部31は、X線の照射が終了した後に、電荷の読み出し(Vx)を行っている。また、この際、X線の照射中の電荷の蓄積時間はTw3である。
その後、画像撮影部31は、オフセット補正のために、X線の非照射の状態で電荷の蓄積及び電荷の読み出し(Vd)を行ってダーク画像を撮影する処理を行う。その後、制御部3は、(5)式の計算を行って、X線画像のオフセット補正を行う。位置情報算出部32は、例えば、特許文献4に記載されている方法を用いて当該X線画像を解析し、センサ4の照射領域に対応する画像領域を自動的に算出する認識処理を行う。そして、位置情報算出部32は、当該認識処理の結果に基づいて、照射領域位置情報を算出する。その後、読み出し開始時間決定部33は、第1の実施形態と同様の処理を行う。
図9において、第2フレームF2以降については、既に読み出し開始時間決定部33によって、電荷の読み出し時間Tlが選択時間として決まっているので、制御部3は、X線1aの照射の終了時点よりも少なくとも選択時間だけ早く、電荷の読み出しを開始する。図9においては、X線1aの照射の終了時点よりも選択時間Tlだけ早く電荷の読み出しを行っている。
したがって、図9に示すように、電荷の読み出し開始の時点で、センサ4の上端位置P11及び下端位置P13の変換素子の電荷が読み出されることになる。そして、X線1aの照射が終了した時点で、認識処理の結果得られた照射領域下端位置Plの変換素子の電荷が読み出される。その後、X線1aの照射が終了した後に、認識処理の結果得られた照射領域上端位置Pu及びセンサ4の中央位置P12の変換素子の電荷が順次読み出される。また、第2フレームF2以降の電荷の蓄積時間は、第1フレームF1の電荷の蓄積時間Tw3より短くすることができる。
次に、第3の実施形態に係るX線画像撮影装置10の処理手順について説明する。ここで、第2の実施形態に係るX線画像撮影装置10の処理手順は、例えば、図8に示すものと同様である。以下では、本実施形態の特徴的な部分を説明する。
まず、図8のステップS21において、まず、画像撮影部31は、照射スイッチ2aがオンとなると、第1フレームF1目のX線画像を撮影する処理を行う。具体的に、X線発生部1からX線1aを被写体(被検者)20に照射してX線画像を撮影する処理を行い、更に、ダーク画像を撮影する処理を行う。そして、制御部3は、(5)式の計算を行って、X線画像のオフセット補正を行う。その後、位置情報算出部32は、例えば、特許文献4に記載されている方法を用いて当該X線画像を解析し、センサ4の照射領域に対応する画像領域を自動的に検知する認識処理を行う。そして、位置情報算出部32は、検知した画像領域に係る情報を、例えば、RAM7に記憶し設定する。
続いて、ステップS22において、制御部3の位置情報算出部32は、ステップS21の画像認識処理により検知した画像領域に係る情報に基づいて、X線絞り9で制限されるX線1aの照射領域のセンサ4での位置に係る照射領域位置情報を算出する。
具体的に、第3の実施形態では、制御部3の位置情報算出部32は、当該画像領域の座標から、X線1aの照射領域のセンサ4での位置に係る照射領域位置情報(図3の距離Yu及びYl)を算出する。即ち、位置情報算出部32は、画像領域をセンサ4の対応する領域に変換することによって、前記照射領域位置情報を算出する。そして、位置情報算出部32は、算出した照射領域位置情報(距離Yu及びYl)を、例えば、RAM7に記憶し設定する。
その後、第1の実施形態と同様に、図8(図4)に示すステップS4〜ステップS7の処理を経る。なお、図8のステップS7では、画像撮影部31は、X線発生部1からX線1aを被写体(被検者)20に照射し、かつセンサ4で検出された電荷の読み出す制御を行うことによりX線画像を撮影する処理を行う。本実施形態においては、ステップS7の処理は、図9の第2フレームF2以降のX線画像の撮影処理に相当するものである。
具体的に、制御部3(画像撮影部31)は、X線画像の撮影を行う際に、ステップS21により検知した画像領域に基づいて照射領域制限手段であるX線絞り9を調整し、X線発生部1から照射されるX線1aを制限する。そして、画像撮影部31は、ステップS4で決定された1フレームの撮影時間(本実施形態では、フレーム時間Tf4)及びX線の照射時間Txに基づいて、X線発生部1からX線1aを照射させる。そして、画像撮影部31は、ステップS4で入力された電荷の読み出し時間Tr及びステップS6で決定された電荷の読み出し開始時間に基づいて、センサ4から電荷の読み出しを行って、X線画像の撮影処理を行う。この際、画像撮影部31は、センサ4の非照射領域(図3に示す領域4b)における電荷に基づく画像の画素値を、予め定められた値、例えば0に設定する。このように、非照射領域における画像の画素値を0とすることにより、照射領域(図3に示す領域4a)を除く非照射領域を見えなくすることができる。そして、画像撮影部31は、当該X線画像の画像データを、例えば、蓄積部8に蓄積して記憶する。
その後、画像撮影部31は、図9に示すように、X線発生部1からのX線1aを非照射の状態でダーク画像の撮影処理を行う。そして、画像撮影部31は、当該ダーク画像の画像データを、例えば、蓄積部8に蓄積して記憶する。その後、第1の実施形態と同様に、制御部3は、ダーク画像を用いて、X線画像のオフセット補正を行う。そして、制御部3は、オフセット補正後のX線画像の画像データを、例えば、蓄積部8に記憶する。その後、必要に応じて、制御部3は、当該X線画像を表示部5に表示する。
以上の処理により、図9に示す第2フレームF2目のX線画像の撮影処理が終了し、これを複数回繰り返すことにより、第2フレームF2以降の複数フレームのX線画像の撮影処理が行われることになる。
本実施形態のX線画像撮影装置10では、第1フレームF1目に撮影されたX線画像を解析してセンサ4のX線照射領域に対応する画像領域を検知するようにしている。これにより、第2フレームF2以降については、当該画像領域以外の画像はX線1aの照射中に読み出しが開始されるので、第2フレームF2以降の電荷の蓄積時間を第1フレームF1の電荷の蓄積時間Tw3より短くすることができる。即ち、本実施形態では、X線画像の認識処理によりX線画像の一部に前記画像領域が存在する小視野の場合は、電荷の読み出しタイミングを早くするだけで高速撮影を行うことができる。一方、X線画像の認識処理によりX線画像の全体が前記画像領域となる広視野の場合は、X線1aの照射終了後に電荷の読み出しを行うので低速撮影を行うことができる。
なお、本実施形態では、第1フレームF1フレームで撮影したX線画像を解析してセンサ4のX線照射領域に対応する画像領域を検知するようにしていたが、これに限定されるものではなく、どのフレームのX線画像の解析を行ってもよい。また、第2フレームF2目のX線画像の撮影が終了し、X線絞り9を動かさずに、第3フレームF3以降のX線画像の撮影を行う場合には、既にX線1aの照射領域が分かっているため、この場合は、図8のステップS22の処理を省略することができる。
前述した第1〜第3の実施形態では、制御部3は、照射領域位置情報を参照することにより、X線画像の1フレーム毎の撮影間隔を示す時間(フレーム時間)の入力可能範囲を決定していたが、一義的にもっとも短いフレーム時間に設定してもよい。
前述した各実施形態に係るX線画像撮影装置10を構成する図1の各構成部、並びに当該X線画像撮影装置10の制御方法を示す図4及び図8の各ステップは、ROM6に記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
具体的に、前記プログラムは、例えばCD−ROMのような記憶媒体に記録し、或いは各種伝送媒体を介し、コンピュータに提供される。前記プログラムを記録する記憶媒体としては、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる。他方、前記プログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワーク(LAN、インターネットの等のWAN、無線通信ネットワーク等)システムにおける通信媒体を用いることができる。また、この際の通信媒体としては、光ファイバ等の有線回線や無線回線などが挙げられる。
また、本発明は、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより各実施形態に係るX線画像撮影装置10の機能が実現される態様に限られない。そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して各実施形態に係るX線画像撮影装置10の機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明に含まれる。また、供給されたプログラムの処理の全て、或いは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて各実施形態に係るX線画像撮影装置10の機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明に含まれる。
また、前述した本実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明に係る撮影制御装置(X線画像撮影装置10)は、電荷の読み出しタイミングを変えるだけの簡単な構成で、小視野かつ高速撮影と広視野かつ低速撮影を実現することができる。したがって、より高速な放射線画像(X線画像等)の撮影が求められる医療分野において有効な利用が期待される。
本発明の第1の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の概略構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るX線画像撮影装置の位置情報算出部による処理を説明するための模式図である。 本発明の第1の実施形態に係るX線画像撮影装置のセンサの概略平面図である。 本発明の第1の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の動作の一例を示し、動画撮影モードにおけるX線の照射のタイミング、及び、センサの電荷の読み出しのタイミングの一例を示すタイミングチャートである。 本発明の第1の実施形態に係るX線画像撮影装置の位置情報算出部による処理を説明するための模式図である。 本発明の第2の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の動作の一例を示し、動画撮影モードにおけるX線の照射のタイミング、及び、センサの電荷の読み出しのタイミングの一例を示すタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の動作の一例を示し、動画撮影モードにおけるX線の照射のタイミング、及び、センサの電荷の読み出しのタイミングの一例を示すタイミングチャートである。 センサの概略平面図である。 従来例を示し、動画撮影モードにおけるX線の照射のタイミング、及び、センサの光電変換素子における電荷の蓄積と電荷の読み出しのタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
符号の説明
1:X線発生部(放射線発生部)
2:操作入力部
2a:照射スイッチ
3:制御部
31:画像撮影部
32:位置情報算出部
33:読み出し開始時間決定部
4:センサ
5:表示部
6:ROM
7:RAM
8:蓄積部
10:X線画像撮影装置(撮影制御装置)
20:被写体(被検者)

Claims (7)

  1. 放射線発生手段によって照射された放射線を電荷として検出するセンサを制御する撮影制御装置であって、
    前記センサにおいて放射線が照射される照射領域の位置情報を参照することによって設定された放射線画像のフレームごとの撮影間隔を示す時間に基づいて、前記放射線発生手段によって放射線が照射されているときにおける前記センサの電荷の読み出し開始時間を決定する決定手段と、
    前記決定手段によって決定された前記電荷の読み出し時間に基づいて、前記センサの電荷の読み出しを制御する制御手段と
    を有することを特徴とする撮影制御装置。
  2. 前記照射領域は、照射領域制限手段によって制限されることを特徴とする請求項1に記載の撮影制御装置。
  3. 前記照射領域制限手段は、前記放射線画像を表示する表示手段に表示された放射線画像に対して、前記センサの前記照射領域に対応する領域を指定するための入力手段により指定された領域に基づいて前記放射線発生手段から照射される放射線を制限することを特徴とする請求項2に記載の撮影制御装置。
  4. 前記決定手段は、前記放射線画像の認識処理の結果に基づいて、前記照射領域の位置情報を算出することを特徴とする請求項1に記載の撮影制御装置。
  5. 前記決定手段は、非照射領域の位置であって前記センサにおける前記電荷の読み出し開始位置から、前記照射領域の位置までの前記電荷の読み出しに係る読み出し時間が最小となる最小時間を算出し、当該最小時間と前記放射線発生手段による放射線の照射時間とを比較して小さい方の時間を選択時間として選択し、前記放射線発生手段による放射線の照射の終了時点よりも少なくとも前記選択時間だけ前の時間を前記読み出し開始時間とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮影制御装置。
  6. 放射線発生手段によって照射された放射線を電荷として検出するセンサを制御する撮影制御装置の制御方法であって、
    前記センサにおいて放射線が照射される照射領域の位置情報を参照することによって設定された放射線画像のフレームごとの撮影間隔を示す時間に基づいて、前記放射線発生手段によって放射線が照射されているときにおける前記センサの電荷の読み出し開始時間を決定する決定ステップと、
    前記決定ステップにおいて決定された前記電荷の読み出し時間に基づいて、前記センサの電荷の読み出しを制御する制御ステップと
    を有することを特徴とする撮影制御装置の制御方法。
  7. 放射線発生手段によって照射された放射線を電荷として検出するセンサを制御する撮影制御装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記センサにおいて放射線が照射される照射領域の位置情報を参照することによって設定された放射線画像のフレームごとの撮影間隔を示す時間に基づいて、前記放射線発生手段によって放射線が照射されているときにおける前記センサの電荷の読み出し開始時間を決定する決定ステップと、
    前記決定ステップにおいて決定された前記電荷の読み出し時間に基づいて、前記センサの電荷の読み出しを制御する制御ステップと
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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