JP6072182B2 - 撮影制御装置及びその制御方法、放射線動画像撮影装置、並びに、プログラム - Google Patents

撮影制御装置及びその制御方法、放射線動画像撮影装置、並びに、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、撮影制御装置及びその制御方法、放射線動画像撮影装置、並びに、プログラムに関する。
従来、ガラス基板上に成膜し形成したアモルファスシリコンやポリシリコンを材料とし、光電変換素子とTFTとを含む画素を2次元状に配列したセンサを用いた画像撮影装置が知られている。この画像撮影装置では、TFTを用いたマトリクス駆動を行うことにより、各光電変換素子で光電変換された電荷をセンサから読み出すものが一般的である。
また、例えば、医療の分野等においては、放射線の一種であるX線を被写体に照射(「曝射」ともいう)して、当該被写体を透過したX線を検出し、当該被写体のX線画像の撮影を行うX線画像撮影装置(放射線画像撮影装置)が用いられている。このX線画像撮影装置の駆動方法に関しては、例えば、下記の特許文献1に示されている。
また、近年、静止画の撮影だけでなく、動画の撮影が可能なX線画像撮影装置が提案されており、例えば、下記の特許文献2に示されている。
また、近年、いわゆるオフセット補正を行う機能を有するX線画像撮影装置が提案されている。
図7は、一般的なオフセット補正を説明するためのタイミングチャートである。
なお、図7には、X線の照射として、パルス状に照射する場合のタイミングが示されている。また、図7には、センサにおける電荷の蓄積及び読み出しとして、1フレームのフレーム時間内において、X線の照射時の電荷の蓄積及び読み出し、及び、X線の非照射時の電荷の蓄積及び読み出しを行う場合のタイミングが示されている。また、図7において、F1は第1フレーム目、F2は第2フレーム目、F3は第3フレーム目、F4は第4フレーム目、F5は第5フレーム目をそれぞれ示している。
ここで、電荷の読み出し時間をTr、X線の照射時の電荷の蓄積時間をTw11、X線の非照射時の電荷の蓄積時間をTw12とする。また、X線を照射して撮影されたX線画像の画素値をVx、X線の非照射の状態で撮影されたダーク画像の画素値をVd、オフセット補正後のX線画像の画素値(オフセット補正値)をVoとすると、一般的にオフセット補正値Voは、以下の(1)式で計算できる。
Vo=Vx−Vd ・・・(1)
また、X線の非照射時に蓄積される単位時間あたりの電荷量をCd、X線の照射時に蓄積される単位時間あたりの電荷量をCxとすると、画素値Vx及びVdは、それぞれ、以下の(2)式及び(3)式で近似できる。
Vx=A・(Cd+Cx)・Tw11 ・・・(2)
Vd=A・Cd・Tw12 ・・・(3)
ここで、Aは蓄積された電荷量を電圧に換算するための比例定数である。
また、完全にオフセットを除去するには、電荷の蓄積時間Tw11と電荷の蓄積時間Tw12が等しいことが望まれる。そこで、電荷の蓄積時間Tw11と電荷の蓄積時間Tw12が等しいとすると、(1)式、(2)式及び(3)式より、オフセット補正値Voは、以下の(4)式で計算できる。
Vo=A・Cx・Tw11 ・・・(4)
この(4)式をから、オフセットが除去できることが分かる。
また、その時のX線画像の1フレームのフレーム時間をTf11とすると、以下の(5)式が成り立つ。
Tf11=2・(Tr+Tw11) ・・・(5)
そのため、電荷の蓄積時間Tw11は、(5)式より、以下の(6)式で計算できる。
Tw11=Tf11/2−Tr ・・・(6)
また、X線の照射時間をTxとすると、電荷の蓄積時間Tw11は、X線照射時間Txよりも大きい(長い)必要があるために、以下の(7)式を満たす必要がある。
Tw11>Tx ・・・(7)
特開2003−244557号公報 特開2003−78124号公報
センサには、経時的にオフセット電圧がゆらぐという特徴があるために、背景技術で説明したオフセット補正を考慮する必要がある。
背景技術で説明した図7のタイミングチャートでは、完全にオフセットを除去して確実なオフセット補正を行うために、X線の照射時の電荷の蓄積時間Tw11とX線の非照射時の電荷の蓄積時間Tw12を等しい時間としている。しかしながら、この場合、1フレームのフレーム時間は上述した(5)式で計算されるが、撮影する際のフレームレートを向上させることが困難であるという問題があった。
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、確実なオフセット補正を行うと共に、フレームレートを従来よりも向上させることができるようにすることを目的とする。
本発明の撮影制御装置は、射線を検出して放射線画像データを得るセンサによる動画撮影を制御する撮影制御装置であって、前記放射線の照射の周期を示す情報に対応する、前記センサによる電荷の第1の蓄積時間及び前記第1の蓄積時間よりも蓄積時間が短い第2の蓄積時間を設定する設定手段と、前記放射線の照射の開始指示があったか否かを判定する判定手段と、前記放射線の照射が開始される前に、前記センサに対し放射線が照射されない状態で、前記第1の蓄積時間に前記センサに蓄積された電荷に基づく第1のダーク画像及び前記第2の蓄積時間に前記センサに蓄積された電荷に基づく第2のダーク画像を撮影する制御処理を行うダーク画像撮影手段と、前記第1のダーク画像及び前記第2のダーク画像のうちの少なくとも1つのダーク画像に基づいてオフセットデータを取得するオフセットデータ取得手段と、前記放射線の照射の開始指示があったと判定された後に、前記放射線画像データを繰り返し取得する放射線画像データ取得手段と、前記放射線画像データを前記オフセットデータに基づき補正する補正手段と、を有する。
また、本発明は、上述した撮影制御装置の制御方法、上述した撮影制御装置を含む放射線動画像撮影装置、並びに、上述した撮影制御装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを含む。
本発明によれば、確実なオフセット補正を行えると共に、フレームレートを従来よりも向上させることができる。
本発明の第1の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の概略構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の動作の一例を示し、動画撮影モードにおけるX線の照射のタイミング、及び、センサの電荷の蓄積と電荷の読み出しのタイミングの一例を示すタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の動作の一例を示し、動画撮影モードにおけるX線の照射のタイミング、及び、センサの電荷の蓄積と電荷の読み出しのタイミングの一例を示すタイミングチャートである。 本発明の第3の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の概略構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の処理手順の一例を示すフローチャートである。 一般的なオフセット補正を説明するためのタイミングチャートである。
次に、本発明に係る撮影制御装置の諸実施形態について説明する。
なお、以下に示す本発明に係る撮影制御装置の諸実施形態の説明においては、放射線としてX線を適用したX線画像撮影装置の例を示すが、本発明においてはこれに限定されない。本発明の放射線としては、X線に限らず、例えば、α線、β線、γ線、光線なども含まれるものとし、これらの放射線を用いて撮影された放射線画像を処理する装置も本発明に含まれるものとする。
(第1の実施形態)
以下に、添付図面を用いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の概略構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係るX線画像撮影装置10は、X線発生部1と、操作入力部2と、制御部3と、センサ4と、表示部5と、ROM6と、RAM7と、蓄積部8を有して構成されている。また、制御部3には、X線画像撮影部31と、ダーク画像撮影部32と、フレーム時間決定部33と、蓄積時間設定部34と、第1のオフセット値算出部35と、第2のオフセット値算出部36と、オフセット補正部37が機能構成として含まれている。
X線発生部(放射線発生部)1は、被写体(被検者)20に対してパルス状にX線1aを連続して発生することができるものであり、例えば、X線管球で構成されている。
操作入力部2は、ユーザがX線画像撮影装置10に対して入力指示を行う際に操作されるものである。この操作入力部2には、X線発生部1からX線1aを発生させる際にユーザが操作する照射スイッチ2aが含まれている。
制御部3は、例えば、ROM6に記憶されているプログラム等を読み出し、これに基づいてX線画像撮影装置10の全体の制御を行う。特に、本実施形態において、制御部3は、ROM6に記憶されているプログラム等に基づいて、31〜37の各機能構成における処理を実現する。
ここで、X線画像撮影部(放射線画像撮影部)31は、センサ4における電荷の蓄積中にX線発生部1からX線を照射し、その後、センサ4から電荷の読み出しを行うことにより、X線画像の撮影処理を行う。ダーク画像撮影部32は、X線発生部1からのX線を非照射の状態でセンサ4の電荷の蓄積を行い、その後、センサ4から電荷の読み出しを行うことにより、ダーク画像の撮影処理を行う。
フレーム時間決定部33は、X線画像の1フレームの撮影時間(フレーム時間)を決定する。蓄積時間設定部34は、X線画像及びダーク画像の撮影におけるセンサ4での電荷の蓄積時間(本実施形態では、後述する第1の蓄積時間と第2の蓄積時間)を設定する。
第1のオフセット値算出部35は、ダーク画像撮影部32により撮影されたダーク画像であって、X線画像の撮影時間外(フレーム時間外)に撮影された撮影時間外ダーク画像に基づいて、第1のオフセット値を算出する。第2のオフセット値算出部36は、ダーク画像撮影部32により撮影されたダーク画像であって、X線画像の撮影時間内(フレーム時間内)に撮影された撮影時間内ダーク画像に基づいて、第2のオフセット値を算出する。オフセット補正部37は、第1のオフセット値及び第2のオフセット値を用いて、X線画像のオフセット補正を行う。
センサ4は、制御部3(X線画像撮影部31)の制御に基づいて、X線発生部1から照射され、被写体20を透過したX線1aを電気信号(電荷)として検出する。また、センサ4は、制御部3(ダーク画像撮影部32)の制御に基づいて、X線発生部1からのX線1aを非照射の状態、即ちダーク状態での電気信号(電荷)を検出する。
このセンサ4には、例えば、光電変換素子とTFTとを含む画素が2次元状に配列されており、この場合、各画素上には、例えば蛍光体が設けられて形成される。そして、この場合、センサ4に入射したX線は蛍光体で可視光に変換され、変換された可視光が各画素の光電変換素子に入射し、各光電変換素子において、可視光に応じた電荷が生成される。なお、本実施形態では、上述した蛍光体及び光電変換素子によって、入射したX線を電荷に変換する「変換素子」を構成する形態であるが、例えば蛍光体を設けずに、入射したX線を直接電荷に変換する、いわゆる直接変換型の変換素子を構成する形態であってもよい。したがって、以降の説明においては、センサ4に、「変換素子」が2次元状に配列されているものとして説明を行う。
また、既に背景技術で説明したように、センサ4は、各変換素子の電荷の蓄積と電荷の読み出しを交互に繰り返して、X線画像及びダーク画像を撮影することができるものである。
表示部5は、制御部3の制御に基づいて、センサ4から読み出された電荷に基づくX線画像や、操作UI等を表示するものである。
ROM6には、例えば、制御部3に、後述の図2及び図6に示す処理、並びに、その他のX線画像撮影装置の制御に必要なプログラム等が記憶されている。
RAM7は、例えば、制御部3が各種の制御を行う時に用いられ、例えば、制御部3により計算処理された各種の情報や、ユーザが操作入力部2を介して入力した各種の情報等を一時的に記憶する。
蓄積部8は、例えば、センサ4から読み出された電荷に基づく各X線画像(各放射線画像)や各ダーク画像の画像データ等を蓄積して記憶するものである。
図1において、制御部3は、照射スイッチ2aが操作されオンとなると、X線発生部1からパルス状にX線1aが照射されるように制御する。また、制御部3は、X線1aのパルスに同期して、センサ4から、被写体(被検者)20を透過したX線1aに基づく電荷を読み出してX線画像を生成し、オフセット補正処理を含む画像処理を行った後、当該X線画像を表示部5に表示する。
次に、第1の実施形態に係るX線画像撮影装置10の処理手順について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS101において、ユーザから操作入力部2を介して撮影条件の入力がなされると、制御部3は、これを検知し、操作入力部2を介して入力した各種の情報を、例えば、RAM7に記憶し設定する。ここで、本実施形態では、ユーザにより、フレームレートFr、センサ4の電荷の読み出し時間Tr、X線の照射時間Tx、X線画像の撮影枚数(X線の照射パルス数)等が撮影条件として入力され、これらの情報がRAM7に記憶されるものとする。
続いて、ステップS102において、制御部3は、ユーザにより照射スイッチ2aが操作され、当該照射スイッチ2aがオンとなったか否かを判定する。この判定の結果、照射スイッチ2aがオンでない場合には、ステップS102で照射スイッチ2aがオンとなったと判定されるまで、ステップS102で待機する。
一方、ステップS102の判定の結果、照射スイッチ2aがオンとなった場合には、ステップS103に進む。ステップS103に進むと、制御部3のフレーム時間決定部33は、X線画像の1フレームの撮影時間(フレーム時間)を決定する。
具体的に、本実施形態においては、フレーム時間決定部33は、ステップS101により得られたフレームレートFrの情報を用いて、1フレームの撮影時間(フレーム時間)Tf1を、以下の(8)式を計算することにより決定する。
Tf1=1/Fr ・・・(8)
そして、フレーム時間決定部33は、算出された1フレームの撮影時間(フレーム時間)Tf1の情報を、例えば、RAM7に記憶し設定する。
続いて、ステップS104において、制御部3の蓄積時間設定部34は、ステップS103で決定された1フレームの撮影時間に応じて、センサ4での電荷における第1の蓄積時間を設定する。続いて、ステップS105において、蓄積時間設定部34は、ステップS103で決定された1フレームの撮影時間に応じて、センサ4での電荷における第2の蓄積時間を設定する。このステップS104及びS105の具体的な処理を、図3を用いて以下に説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の動作の一例を示し、動画撮影モードにおけるX線の照射のタイミング、及び、センサの電荷の蓄積と電荷の読み出しのタイミングの一例を示すタイミングチャートである。この図3に示すタイミングチャートは、図7と比較して、1フレームのフレーム時間(撮影時間)が短い場合を示している。即ち、Tf1<Tf11の場合を示している。
図3では、センサ4の各変換素子における電荷の蓄積と電荷の読み出しを交互に繰り返し、1フレームの撮影時間内(フレーム時間内)で、X線画像撮影部31によるX線画像の撮影処理と、ダーク画像撮影部32によるダーク画像の撮影が行われている。また、図3に示すタイミングチャートでは、最初にX線画像を撮影し、次にダーク画像を撮影する場合を示している。
また、図3に示すタイミングチャートでは、X線を照射してX線画像を撮影する前に、即ち、X線画像の撮影時間外(フレーム時間外)に、ダーク画像撮影部32が、予めダーク画像(撮影時間外ダーク画像)を2回撮影する場合を示している。ここで、このX線画像を撮影する前に撮影されるダーク画像について、電荷の蓄積時間の長いダーク画像を第1ダーク画像(第1の撮影時間外ダーク画像)、蓄積時間の短いダーク画像を第2ダーク画像(第2の撮影時間外ダーク画像)と称する。また、各X線画像の撮影時間内(フレーム時間内)撮影されるダーク画像を第3ダーク画像(撮影時間内ダーク画像)と称する。
また、図3に示す各フレームは、それぞれ、オフセット補正後の1枚のX線画像が生成されるタイミングを示し、F1は1番目のフレーム、F2は2番目のフレーム、F3は3番目のフレーム、F4は4番目のフレームをそれぞれ示している。
図3では、1フレームの撮影時間(フレーム時間)をTf1、X線の照射時間をTx、センサ4の電荷の読み出し時間をTrとしている。また、本実施形態では、第1ダーク画像とX線画像(放射線画像)を撮影する際の電荷の蓄積時間を同じ第1の蓄積時間Tw1とし、第2ダーク画像と第3ダーク画像を撮影する際の電荷の蓄積時間を同じ第2の蓄積時間Tw2とする。そして、蓄積時間設定部34は、第2の蓄積時間Tw2を第1の蓄積時間Tw1よりも短く設定する。
ステップS103で決定された1フレームの撮影時間(フレーム時間)Tf1、ステップS101で設定された電荷の読み出し時間Tr、蓄積時間設定部34で設定する第1の蓄積時間Tw1及び第2の蓄積時間Tw2には、以下の(9)式の関係が成り立つ。
Tf1=2Tr+Tw1+Tw2 ・・・(9)
(9)式より、電荷の読み出し時間Trは一定時間であるので、1フレームの撮影時間(フレーム時間)Tf1が小さく(短く)なると、第1の蓄積時間Tw1と第2の蓄積時間Tw2とを加算した値は小さく(短く)なる。逆に、1フレームの撮影時間(フレーム時間)Tf1が大きく(長く)なると、第1の蓄積時間Tw1と第2の蓄積時間Tw2とを加算した値は大きく(長く)なる。
ここで、第1の蓄積時間Tw1の最小値をTmin1、第2の蓄積時間Tw2の最小値をTmin2として、以下の(10)式及び(11)式の関係が成り立つと仮定する。
Tw1=Tmin1+α ・・・(10)
Tw2=Tmin2+α ・・・(11)
ここで、αは1フレームの撮影時間(フレーム時間)に応じて変化する変数である。即ち、ここでは、1フレームの撮影時間が小さくなると第1の蓄積時間Tw1と第2の蓄積時間Tw2は同じ値だけ小さくなり、逆に、1フレームの撮影時間が大きくなると第1の蓄積時間Tw1と第2の蓄積時間Tw2は同じ値だけ大きくなると仮定する。
そして、(9)式、(10)式及び(11)式を用いて、それぞれ、第1の蓄積時間Tw1、第2の蓄積時間Tw2について整理すると、以下の(12)式及び(13)式が得られる。
Tw1=(Tf1+Tmin1−Tmin2)/2−Tr ・・・(12)
Tw2=(Tf1−Tmin1+Tmin2)/2−Tr ・・・(13)
ここで、第1の蓄積時間の最小値Tmin1は、X線の照射時間Txよりも大きく(長く)なければならないので、以下の(14)式を満たす必要がある。
Tmin1>Tx ・・・(14)
また、第2の蓄積時間の最小値Tmin2は、任意な値に設定することができるが、実施形態では、以下の(15)式が成り立つように設定する。
Tmin1>Tmin2 ・・・(15)
まず、蓄積時間設定部34は、(14)式より、ステップS101で設定されたX線の照射時間Txに基づいて、第1の蓄積時間の最小値Tmin1を設定することができる。その後、蓄積時間設定部34は、(15)式より、設定した第1の蓄積時間の最小値Tmin1に基づいて、第2の蓄積時間の最小値Tmin2を設定することができる。
また、(10)式、(11)式、(14)式及び(15)式から、以下の(16)式及び(17)式が成り立つ。
Tw1>Tx ・・・(16)
Tw1>Tw2 ・・・(17)
通常、X線の照射時間Txは数ミリ秒から十数ミリ秒の値であるので、第1の蓄積時間の最小値Tmin1も数ミリ秒から十数ミリ秒の値である。また、第2の蓄積時間の最小値Tmin2は、1ミリ秒程度である。
蓄積時間設定部34は、設定した第1の蓄積時間の最小値Tmin1及び第2の蓄積時間の最小値Tmin2と、ステップS101で設定されたX線の照射時間Tx及び電荷の読み出し時間Trに基づいて、(12)式により第1の蓄積時間Tw1を設定する。同様に、蓄積時間設定部34は、(13)式により第2の蓄積時間Tw2を設定する。この際、蓄積時間設定部34は、(16)式及び(17)式を満たすように、第1の蓄積時間Tw1及び第2の蓄積時間Tw2を設定する。
そして、蓄積時間設定部34は、設定した第1の蓄積時間Tw1及び第2の蓄積時間Tw2の情報を、例えば、RAM7に記憶する。
本実施形態では、(17)式より、第2の蓄積時間Tw2を第1の蓄積時間Tw1よりも短く(小さく)設定するので、1フレームの撮影時間を短く(小さく)することができ、フレームレートを向上させることができる。
ただし、この場合、第1の蓄積時間Tw1と第2の蓄積時間Tw2とでは、電荷の蓄積時間が異なるので、背景技術で説明した(1)式ではオフセットを完全に除去することができない。即ち、本実施形態では、第1ダーク画像と第3ダーク画像を撮影する際の電荷の蓄積時間を第1の蓄積時間Tw1とし、第2ダーク画像とX線画像を撮影する際の電荷の蓄積時間を第2の蓄積時間Tw2としている。そのため、本実施形態では、以下に示すステップS106以降の処理を行う。
ステップS106において、制御部3のダーク画像撮影部32は、X線画像撮影部31によるX線画像の撮影が行われる前に、即ち、X線画像の撮影時間外(フレーム時間外)に、X線発生部1からのX線1aを非照射の状態で、ダーク画像を撮影する処理を行う。この際、撮影されるダーク画像は、撮影時間外ダーク画像となる。
具体的に、本実施形態では、ダーク画像撮影部32は、第1ダーク画像(第1の撮影時間外ダーク画像)と、第2ダーク画像(第2の撮影時間外ダーク画像)を撮影する処理を行う。この際、図3に示すように、第1ダーク画像は、電荷の蓄積時間を第1の蓄積時間Tw1として撮影処理されたものであり、第2ダーク画像は、電荷の蓄積時間を第2の蓄積時間Tw2として撮影処理されたものである。そして、ダーク画像撮影部32は、この第1ダーク画像及び第2ダーク画像の画像データを、例えば、蓄積部8に記憶する。
続いて、ステップS107において、第1のオフセット値算出部35は、ステップS106で撮影されたダーク画像に基づいて、第1のオフセット値を算出する。
具体的に、本実施形態では、ステップS106において第1ダーク画像及び第2ダーク画像を撮影しているため、第1のオフセット値算出部35は、これらの画像に基づいて、第1のオフセット値を算出する。
ここで、第1のオフセット値をVo1、第1ダーク画像の画素値をVd1、第2ダーク画像の画素値をVd2とすると、第1のオフセット値算出部35は、第1のオフセット値Vo1を、以下の(18)式により算出する。
Vo1=Vd1−Vd2 ・・・(18)
この際、第1のオフセット値算出部35は、第1ダーク画像及び第2ダーク画像の画素毎に第1のオフセット値Vo1を算出する。
そして、第1のオフセット値算出部35は、算出した第1のオフセット値Vo1を、例えば、RAM7に記憶する。
その後、X線画像の撮影時間が開始されると、続いて、ステップS108において、制御部3のX線画像撮影部31は、センサ4における電荷の蓄積中にX線発生部1から被写体20にX線1aを照射し、X線画像を撮影する処理を行う。この際、図3に示すように、X線画像の撮影処理は、センサ4での電荷の蓄積時間を第1の蓄積時間Tw1として行われる。そして、X線画像撮影部31は、このX線画像の画像データを、例えば、蓄積部8に記憶する。
続いて、ステップS109において、ダーク画像撮影部32は、当該X線画像の1フレームの撮影時間内(フレーム時間内)に、X線発生部1からのX線1aを非照射の状態で、ダーク画像を撮影する処理を行う。この際、撮影されるダーク画像は、撮影時間内ダーク画像となる。
具体的に、本実施形態では、ダーク画像撮影部32は、図3に示すように、電荷の蓄積時間を第2の蓄積時間Tw2とする第3ダーク画像(撮影時間内ダーク画像)を撮影する処理を行う。そして、ダーク画像撮影部32は、この第3ダーク画像の画像データを、例えば、蓄積部8に記憶する。
続いて、ステップS110において、第2のオフセット値算出部36は、ステップS109で撮影された第3ダーク画像に基づいて、第2のオフセット値を算出する。
具体的に、本実施形態では、制御部3の第2のオフセット値算出部36は、第3ダーク画像の各画素値を検出して、第3ダーク画像の画素毎に第2のオフセット値を算出する。そして、第2のオフセット値算出部36は、算出した第2のオフセット値を、例えば、RAM7に記憶する。
続いて、ステップS111において、制御部3のオフセット補正部37は、ステップS107で算出された第1のオフセット値及びステップS110で算出された第2のオフセット値を用いて、ステップS108で撮影されたX線画像のオフセット補正を行う。
このステップS111におけるオフセット補正処理を以下に説明する。
ここで、図3に示すように、ステップS108で撮影されたX線画像の画素値をVx、第3ダーク画像の画素値、即ち第2のオフセット値をVd3、オフセット補正後のX線画像の画素値をVo2とする。この場合、オフセット補正部37は、ステップS108で撮影されたX線画像を、以下の(19)式によりオフセット補正する。
Vo2=Vx−Vd3−Vo1 ・・・(19)
この際、オフセット補正部37は、X線画像の画素毎にオフセット補正を行う。
既に背景技術で述べたように、X線の非照射時に蓄積される単位時間あたりの電荷量をCd、X線の照射時に蓄積される単位時間あたりの電荷量をCxとすると、画素値Vd1、Vd2、Vx及びVd3は、それぞれ、以下の(20)式〜(23)式で近似できる。
Vd1=A・Cd・Tw1 ・・・(20)
Vd2=A・Cd・Tw2 ・・・(21)
Vx=A・(Cd+Cx)・Tw1 ・・・(22)
Vd3=A・Cd・Tw2 ・・・(23)
そして、(18)式〜(23)式から、オフセット補正後のX線画像の画素値Vo2は、(24)式に示すものとなる。
Vo2=A・Cx・Tw1 ・・・(24)
この(24)式で示すように、オフセット補正後のX線画像の画素値Vo2には、オフセット成分である電荷量Cdが含まれておらず、これにより、X線画像からオフセットが除去できることが分かる。
そして、オフセット補正部37は、オフセット補正後のX線画像の画像データを、例えば、蓄積部8に記憶する。その後、必要に応じて、制御部3は、当該X線画像を表示部5に表示する。
続いて、ステップS112において、制御部3は、ステップS101で設定したX線画像の撮影枚数(X線の照射パルス数)における撮影が終了したか否かを判断する。この判断の結果、ステップS101で設定したX線画像の撮影枚数(X線の照射パルス数)における撮影が終了していない場合には、ステップS108に戻る。
一方、ステップS112の判断の結果、ステップS101で設定したX線画像の撮影枚数(X線の照射パルス数)における撮影が終了した場合には、図2に示すフローチャートの処理を終了する。
本実施形態では、図2に示すように、ステップS107の(18)式を用いた第1のオフセット値の算出処理は、X線画像撮影部31によるX線1aを照射したX線画像の撮影処理(S108)の前に行われる。また、図2に示すように、ステップS111の(19)式を用いたX線画像のオフセット補正処理は、X線発生部1からX線1aを照射する毎に行われる。
なお、第1の実施形態では、1フレームの撮影時間(フレーム時間)の決定に際して、フレーム時間決定部33が(8)式を用いた計算により決定していたが、この形態に限定されるものではない。例えば、ステップS101においてユーザから操作入力部2を介して直接入力された1フレームの撮影時間(フレーム時間)を検知して、これを1フレームの撮影時間(フレーム時間)として決定する形態であってもよい。
また、第1の実施形態では、31〜37の各構成部を、制御部3がROM6に記憶されているプログラムを実行することによりソフトウェアで実現するようにしているが、例えば、当該各構成部をハードウェアで実現するようにしてもよい。
また、第1の実施形態では、第1のオフセット値算出部35は、(18)式を計算することにより第1のオフセット値Vo1を算出するようにしているが、この形態に限定されるものではない。例えば、第1ダーク画像と第2ダーク画像を撮影する際の電荷の増幅率が異なる場合には、第1のオフセット値算出部35は、第1のオフセット値Vo1を、以下の(25)式により算出する。
Vo1=Vd1−B・Vd2 ・・・(25)
ここで、Bは定数である。
また、第1の実施形態では、オフセット補正部37は、(19)式を計算することにより、X線画像をオフセット補正処理するようにしているが、この形態に限定されるものではない。例えば、X線画像と第3ダーク画像を撮影する際の電荷のオフセット値なる場合には、オフセット補正部37は、以下の(26)式を計算することにより、X線画像のオフセット補正処理を行う。
Vo2=Vx−Vd3−Vo1+C ・・・(26)
ここで、Cは定数である。
また、第1の実施形態では、第1の蓄積時間Tw1及び第2の蓄積時間Tw2が、それぞれ、(10)式及び(11)式が成り立つと仮定しているが、この形態に限定されるものではない。例えば、第1の蓄積時間Tw1及び第2の蓄積時間Tw2が、それぞれ、以下の(27)式及び(28)式が成り立つと仮定してもよい。
Tw1=Tmin1+β ・・・(27)
Tw2=Tmin2 ・・・(28)
即ち、第2の蓄積時間Tw2は小さな値の固定値とし、一方、第1の蓄積時間Tw1は1フレームの撮影時間(フレーム時間)が変化すると(10)式と同じように変化すると仮定する。
また、第1の実施形態では、第1のオフセット値算出部35は、X線の照射直前の第1ダーク画像と第2ダーク画像を用いて第1のオフセット値を算出するようにしているが、この形態に限定されるものではない。本実施形態では、X線の照射以前のダーク画像を用いるものであれば、必ずしもX線の照射直前である必要は無い。また、本実施形態で用いる第1のオフセット値は、X線の照射以前であれば、定期的に再計算して算出してもよい。
また、第1の実施形態では、第1のオフセット値算出部35は、第1ダーク画像及び第2ダーク画像の2つのダーク画像(撮影時間外ダーク画像)を用いて第1のオフセット値を算出するようにしているが、この形態に限定されるものではない。例えば、第1のオフセット値算出部35は、撮影時間外ダーク画像として、2つのダーク画像を用いずに、1つのダーク画像を用いて、第1のオフセット値を算出するようにした形態も適用可能である。この場合、第1のオフセット値算出部35は、当該1つのダーク画像の各画素値を検出して、当該1つのダーク画像の画素毎に第1のオフセット値を算出する。そして、当該1つのダーク画像を用いる場合には、(18)式、(20)式及び(21)式を考慮して電荷の蓄積時間を(Tw1−Tw2)とすれば、第1ダーク画像及び第2ダーク画像に替えて当該1つのダーク画像を適用することができる。そして、この形態を採る場合、ステップS108以降の処理については、第1の実施形態で示したものと同様に処理を行うことができる。
(第2の実施形態)
以下に、添付図面を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
ここで、第2の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の概略構成は、図1に示す第1の実施形態に係るX線画像撮影装置10の概略構成と同様である。また、第2の実施形態に係るX線画像撮影装置10の処理手順は、図2に示すステップS108の処理とステップS109の処理の順序を逆にしたものである。
図4は、本発明の第2の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の動作の一例を示し、動画撮影モードにおけるX線の照射のタイミング、及び、センサの電荷の蓄積と電荷の読み出しのタイミングの一例を示すタイミングチャートである。この図4に示すタイミングチャートにおいて、図3に示すタイミングチャートと同様の構成については、同じ符号を付している。
図4は、1フレームの撮影時間内(フレーム時間内)で、最初に第3ダーク画像(撮影時間内ダーク画像)の撮影を行い、次に、X線画像を撮影する場合を示している。また、X線1aを照射する前のX線画像の撮影時間外(フレーム時間外)に撮影するダーク画像は、最初に第2ダーク画像が撮影され、次に、第1ダーク画像を撮影する順序で撮影される。これは、第1ダーク画像とX線画像とが対応しており、また、第2ダーク画像と第3ダーク画像とが対応しているため、X線画像と第3ダーク画像の撮影の順序が逆になったことに伴い、第1ダーク画像と第2ダーク画像の撮影の順序を逆にしたものである。
(第3の実施形態)
以下に、添付図面を用いて、本発明の第3の実施形態について説明する。
図5は、本発明の第3の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の概略構成の一例を示すブロック図である。この図5において、図1に示す構成と同様の構成については、同じ符号を付している。
第3の実施形態に係るX線画像撮影装置30には、第1の実施形態に係るX線画像撮影装置10の構成に加えて、制御部330内に、比較部38が更に設けられている。さらに、第3の実施形態では、蓄積時間設定部34において、第1の実施形態における第1の蓄積時間及び第2の蓄積時間に加えて、後述する第3の蓄積時間を更に設定する。
次に、第3の実施形態に係るX線画像撮影装置30の処理手順について説明する。
図6は、本発明の第3の実施形態に係るX線画像撮影装置(撮影制御装置)の処理手順の一例を示すフローチャートである。この図6において、図2に示す処理ステップと同様の処理ステップについては、同じ符号を付している。
まず、第3の実施形態では、図2に示すステップS101〜S103の処理を経る。
続いて、ステップS301において、蓄積時間設定部34は、ステップS103で決定された1フレームの撮影時間に応じて、X線画像に係る電荷の蓄積時間と撮影時間内ダーク画像に係る電荷の蓄積時間とを同じ時間とした場合の第3の蓄積時間を計算する。このステップS301の具体的な処理を以下に説明する。
具体的に、蓄積時間設定部34は、第3の蓄積時間として、背景技術で説明した(6)式を用いて、電荷の蓄積時間Tw11を計算する。この第3の蓄積時間Tw11は、図7に示すX線画像(画素値Vx)に係る電荷の蓄積時間に相当するものである。また、この(6)式により計算される第3の蓄積時間Tw11は、その前提として、図7に示す撮影時間内ダーク画像(画素値Vd)に係る電荷の蓄積時間Tw12と同じ時間とされている。なお、この際の1フレームの撮影時間(フレーム時間)はTf11である。
続いて、ステップS302において、制御部330の比較部38は、ステップS301で算出された第3の蓄積時間と基準となる基準時間とを比較し、第3の蓄積時間が基準時間よりも長い(大きい)か否かを判断する。
ここで、本実施形態では、基準時間として、X線の照射時間Txを適用する。即ち、ステップS302では、第3の蓄積時間Tw11がX線の照射時間Txよりも長い(大きい)か否か、つまり(7)式を満たすか否かが判断される。
ステップS302の判断の結果、第3の蓄積時間が基準時間よりも長くない、即ち、第3の蓄積時間が基準時間以下である場合には、ステップS104に進み、第1の実施形態における図2に示すステップS104〜S112の処理が行われる。この場合、図3に示すタイミングチャートが実行される。なお、図7に示すステップS104以降の処理については、第1の実施形態の処理手順としているが、第2の実施形態の処理手順を適用し、図4に示すタイミングチャートを実行する形態であってもよい。
一方、ステップS302の判断の結果、第3の蓄積時間が基準時間よりも長い場合には、ステップS303に進む。ステップS303に進むと、蓄積時間設定部34は、X線画像に係る電荷の蓄積時間と撮影時間内ダーク画像に係る電荷の蓄積時間とを同じ第3の蓄積時間として設定する。
具体的に、蓄積時間設定部34は、図7に示すX線画像(画素値Vx)に係る電荷の蓄積時間と撮影時間内ダーク画像(画素値Vd)に係る電荷の蓄積時間とを同じ第3の蓄積時間Tw11として設定する。蓄積時間設定部34は、設定した第3の蓄積時間Tw11の情報を、例えば、RAM7に記憶する。
その後、X線画像の撮影時間が開始されると、続いて、ステップS304において、制御部330のX線画像撮影部31は、センサ4における電荷の蓄積中にX線発生部1から被写体20にX線1aを照射し、X線画像を撮影する処理を行う。この際、図7に示すように、X線画像の撮影処理は、センサ4での電荷の蓄積時間を第3の蓄積時間Tw11として行われる。そして、X線画像撮影部31は、このX線画像の画像データを、例えば、蓄積部8に記憶する。
続いて、ステップS305において、制御部330のダーク画像撮影部32は、当該X線画像の1フレームの撮影時間内(フレーム時間内)に、X線発生部1からのX線1aを非照射の状態で、撮影時間内ダーク画像を撮影する処理を行う。この際、撮影時間内ダーク画像の撮影処理は、センサ4での電荷の蓄積時間を第3の蓄積時間Tw11として行われる。そして、X線画像撮影部31は、この撮影時間内ダーク画像の画像データを、例えば、蓄積部8に記憶する。
続いて、ステップS306において、制御部330のオフセット補正部37は、ステップS305で撮影された撮影時間内ダーク画像を用いて、ステップS304で撮影されたX線画像のオフセット補正を行う。
具体的に、オフセット補正部37は、ステップS304で撮影されたX線画像の画素値をVx、ステップS304で撮影された撮影時間内ダーク画像の画素値をVdとすると、(1)式の計算を行って、X線画像のオフセット補正を行う。この(1)式による計算により、オフセット補正後のX線画像の画素値Voが得られ、オフセット補正部37は、X線画像の画素毎にオフセット補正を行う。そして、オフセット補正部37は、オフセット補正後のX線画像の画像データを、例えば、蓄積部8に記憶する。その後、必要に応じて、制御部3は、当該X線画像を表示部5に表示する。
続いて、ステップS307において、制御部3は、ステップS101で設定したX線画像の撮影枚数(X線の照射パルス数)における撮影が終了したか否かを判断する。この判断の結果、ステップS101で設定したX線画像の撮影枚数(X線の照射パルス数)における撮影が終了していない場合には、ステップS304に戻る。
一方、ステップS307の判断の結果、ステップS101で設定したX線画像の撮影枚数(X線の照射パルス数)における撮影が終了した場合には、図6に示すフローチャートの処理を終了する。
本発明の各実施形態に係るX線画像撮影装置10によれば、確実なオフセット補正を行えると共に、フレームレートを従来よりも向上させることができる。
前述した各実施形態に係るX線画像撮影装置を構成する図1及び図5の各構成部、並びに当該X線画像撮影装置の制御方法を示す図2及び図6の各ステップは、ROM6に記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
具体的に、前記プログラムは、例えばCD−ROMのような記憶媒体に記録し、或いは各種伝送媒体を介し、コンピュータに提供される。前記プログラムを記録する記憶媒体としては、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる。他方、前記プログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワーク(LAN、インターネットの等のWAN、無線通信ネットワーク等)システムにおける通信媒体を用いることができる。また、この際の通信媒体としては、光ファイバ等の有線回線や無線回線などが挙げられる。
また、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより各実施形態に係るX線画像撮影装置の機能が実現されるだけではない。そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して各実施形態に係るX線画像撮影装置の機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明に含まれる。また、供給されたプログラムの処理の全て、或いは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて各実施形態に係るX線画像撮影装置の機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明に含まれる。
また、前述した本実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明に係る撮影制御装置は、確実なオフセット補正を行える共に、フレームレートを従来よりも向上させることができる。したがって、より高速で高品質な放射線画像の撮影を行う放射線画像撮影装置が求められる医療分野において、有効な利用が期待される。
1:X線発生部(放射線発生部)
2:操作入力部
2a:照射スイッチ
3:制御部
31:X線画像撮影部
32:ダーク画像撮影部
33:フレーム時間決定部
34:蓄積時間設定部
35:第1のオフセット値算出部
36:第2のオフセット値算出部
37:オフセット補正部
4:センサ
5:表示部
6:ROM
7:RAM
8:蓄積部
10:X線画像撮影装置(撮影制御装置)
20:被写体(被検者)

Claims (14)

  1. 放射線を検出して放射線画像データを得るセンサによる動画撮影を制御する撮影制御装置であって、
    前記放射線の照射の周期を示す情報に対応する、前記センサによる電荷の第1の蓄積時間及び前記第1の蓄積時間よりも蓄積時間が短い第2の蓄積時間を設定する設定手段と、
    前記放射線の照射の開始指示があったか否かを判定する判定手段と、
    前記放射線の照射が開始される前に、前記センサに対し放射線が照射されない状態で、前記第1の蓄積時間に前記センサに蓄積された電荷に基づく第1のダーク画像及び前記第2の蓄積時間に前記センサに蓄積された電荷に基づく第2のダーク画像を撮影する制御処理を行うダーク画像撮影手段と、
    前記第1のダーク画像及び前記第2のダーク画像のうちの少なくとも1つのダーク画像に基づいてオフセットデータを取得するオフセットデータ取得手段と、
    前記放射線の照射の開始指示があったと判定された後に、前記放射線画像データを繰り返し取得する放射線画像データ取得手段と、
    前記放射線画像データを前記オフセットデータに基づき補正する補正手段と、
    を有することを特徴とする撮影制御装置。
  2. 前記オフセットデータ取得手段は、前記第1のダーク画像と前記第2のダーク画像との差分に基づいて前記オフセットデータを取得することを特徴とする請求項1に記載の撮影制御装置。
  3. 前記設定手段は、前記第1の蓄積時間及び前記第2の蓄積時間を、前記放射線の照射の周期を示す情報に対応するフレーム時間に当該第1の蓄積時間及び当該第2の蓄積時間と当該第1の蓄積時間及び当該第2の蓄積時間に蓄積された電荷の読み出し時間とが収まるように設定することを特徴とする請求項1または2に記載の撮影制御装置。
  4. 前記設定手段は、前記放射線の照射の周期を示す情報に基づいて前記センサによる電荷の前記第1の蓄積時間及び前記第2の蓄積時間を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の撮影制御装置。
  5. 前記補正手段は、前記補正を、放射線発生手段から放射線を照射する毎に行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮影制御装置。
  6. 前記オフセットデータ取得手段は、前記オフセットデータと、前記放射線の照射の開始指示があったと判定された後に前記センサに対し放射線が照射されない状態で前記センサに蓄積された電荷に基づくその他のオフセットデータとを取得することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮影制御装置。
  7. 前記補正手段は、前記オフセットデータと前記その他のオフセットデータとに基づいて前記放射線画像データを補正することを特徴とする請求項6に記載の撮影制御装置。
  8. 前記その他のオフセットデータは、前記第2の蓄積時間にて前記センサに蓄積された電荷に基づくオフセットデータであることを特徴とする請求項6または7に記載の撮影制御装置。
  9. 前記設定手段は、前記放射線の照射の周期を示す情報と前記放射線の照射時間とに対応する前記第1の蓄積時間及び前記第2の蓄積時間を設定することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮影制御装置。
  10. 前記補正された放射線画像データに基づく放射線画像を表示部に表示させる表示制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の撮影制御装置。
  11. 放射線を検出して放射線画像データを得るセンサと、
    前記放射線の照射の周期を示す情報に対応する、前記センサによる電荷の第1の蓄積時間及び前記第1の蓄積時間よりも蓄積時間が短い第2の蓄積時間を設定する設定手段と、
    前記放射線の照射の開始指示があったか否かを判定する判定手段と、
    前記放射線の照射が開始される前に、前記センサに対し放射線が照射されない状態で、前記第1の蓄積時間に前記センサに蓄積された電荷に基づく第1のダーク画像及び前記第2の蓄積時間に前記センサに蓄積された電荷に基づく第2のダーク画像を撮影する制御処理を行うダーク画像撮影手段と、
    前記第1のダーク画像及び前記第2のダーク画像のうちの少なくとも1つのダーク画像に基づいてオフセットデータを取得するオフセットデータ取得手段と、
    前記放射線の照射の開始指示があったと判定された後に、前記放射線画像データを繰り返し取得する放射線画像データ取得手段と、
    前記放射線画像データを前記オフセットデータに基づき補正する補正手段と、
    を有することを特徴とする放射線動画像撮影装置。
  12. 前記放射線を照射する放射線発生手段をさらに有することを特徴とする請求項11に記載の放射線動画像撮影装置。
  13. 放射線を検出して放射線画像データを得るセンサによる動画撮影を制御する撮影制御装置の制御方法であって、
    前記放射線の照射の周期を示す情報に対応する、前記センサによる電荷の第1の蓄積時間及び前記第1の蓄積時間よりも蓄積時間が短い第2の蓄積時間を設定する設定ステップと、
    前記放射線の照射の開始指示があったか否かを判定する判定ステップと、
    前記放射線の照射が開始される前に、前記センサに対し放射線が照射されない状態で、前記第1の蓄積時間に前記センサに蓄積された電荷に基づく第1のダーク画像及び前記第2の蓄積時間に前記センサに蓄積された電荷に基づく第2のダーク画像を撮影する制御処理を行うダーク画像撮影ステップと、
    前記第1のダーク画像及び前記第2のダーク画像のうちの少なくとも1つのダーク画像に基づいてオフセットデータを取得するオフセットデータ取得ステップと、
    前記放射線の照射の開始指示があったと判定された後に、前記放射線画像データを繰り返し取得する放射線画像データ取得ステップと、
    前記放射線画像データを前記オフセットデータに基づき補正する補正ステップと、
    を有することを特徴とする撮影制御装置の制御方法。
  14. 請求項13に記載の撮影制御装置の制御方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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