JP2009017446A - 画像処理装置、画像処理方法、および画像処理用プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、および画像処理用プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ディザ処理が施されているか否かが明らかでない場合であっても的確に、ディザ処理が行われた画像データに対する変換処理による画質劣化を防止することができるようにする。
【解決手段】入力される画像データに対し、ディザ処理の復元を行うディザ復元部と、ディザ復元部によるディザ処理の復元によって得られる入力信号のビット幅よりも高ビット幅の画像データである高ビット幅画像データに対して、色変換を行う色変換部と、色変換部による色変換後の高ビット幅画像データに対し、入力信号と同じビット幅への再ディザ処理を行うディザ処理部とを備え、ディザ復元部は、入力される画像データが示すフレーム間または画素間における表示階調の変化量に基づいて、該画像データをディザ処理の復元対象とするか否かを判別するディザ処理対象判別手段と、ディザ復元対象判別手段による判別の結果に応じて、ディザ処理の復元を行うディザ復元手段とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像データに対して色変換を行う画像処理装置、画像処理方法、および画像処理用プログラムに関する。
液晶モニタ等の画像表示装置では、低ビットレートで多階調表示を行うために、ディザ処理を行って疑似階調表示をする場合が多い。液晶モニタでは、表示色の調整のため、コントラスト調整、彩度調整、色相調整、γ変換等の色変換が行われるが、ディザ処理が行われた信号に対して、そのまま色変換を行うと、隣接フレーム間や隣接画素間のデータ差分が大きくなり、画面ちらつきや表示階調の劣化等の画質劣化が発生する場合がある。
ディザ処理が行われた信号(画像データ)に対する変換処理による画質低下の防止に関連し、例えば、特許文献1には、二値情報で表現されているディザ画像を一旦濃淡画像情報に変換し、その濃淡画像情報に対して拡大または縮小の加工を行い、加工後の情報を再びディザパターン(二値表現)する旨が記載されている。
特開平4−290067号公報
しかしながら、特許文献1に記載のディザ画像データ加工方式は、イメージリーダやハンディスキャナから画像を読みとる際に受け取る二値情報で表現されたディザ画像データに対する加工方式であって、必ずディザ処理が行われている信号を処理対象としている。
ここで、ディザ処理について簡単に説明する。本発明において、ディザ処理とは、1つのデータで表現できる色数(表示階調数。カラーの場合は色彩要素毎の階調の違い等によっても区別される表示階調数)よりも多くの色があるように見せるために画像データを変換するデータ変換処理をいう。従って、所定領域内の各画素(例えば、2×2画素)の表示階調(表示色)を調整し、その領域内全体において中間調(中間色)を表現するためのデータ変換処理(以下、空間的ディザ処理という。)だけでなく、フレーム毎にある画素の表示階調を調整し、その画素において中間調を表現するためのデータ変換処理(以下、時間的ディザ処理という。)を含む。
ところで、輪郭部分がずれて見える等の弊害が生じることを理由に、例えば、動画に対してはディザ処理をしないようにしている画像出力装置もある。そのような画像出力装置から画像データが入力される場合に、無条件に画像データに対しディザ処理の復元を行えば、画像データが本来意図している表示階調とは異なる表示階調に変換されてしまうことになる。なお、このような問題は、例えば、パーソナルコンピュータ等の画像出力装置から画像データが入力される液晶モニタ等の画像表示装置のように、不特定の画像データ(生成元が特定できない画像データ)が入力される画像処理装置においては必然的に発生する問題である。
そこで、本発明は、ディザ処理が施されているか否かが明らかでない画像データが入力される画像処理装置においても、的確に、ディザ処理が行われた画像データに対する変換処理による画質劣化を防止することができる画像処理装置、画像処理方法、および画像処理用プログラムを提供することを目的とする。
本発明による画像処理装置は、所定のビット幅の入力信号によって入力される画像データに対して色変換を行う画像処理装置であって、入力される画像データに対し、ディザ処理の復元対象とするか否かを判別した上で、ディザ処理の復元を行うディザ復元部と、前記ディザ復元部によるディザ処理の復元によって得られる前記入力信号のビット幅よりも高ビット幅の画像データである高ビット幅画像データに対して、色変換を行う色変換部と、前記色変換部による色変換後の高ビット幅画像データに対し、入力信号と同じビット幅への再ディザ処理を行うディザ処理部とを備え、ディザ復元部は、入力される画像データが示すフレーム間または画素間における表示階調の変化量に基づいて、該画像データをディザ処理の復元対象とするか否かを判別するディザ処理対象判別手段と、前記ディザ復元対象判別手段による判別の結果に応じて、ディザ処理の復元を行うディザ復元手段とを含むことを特徴とする。
また、本発明による画像処理方法は、所定のビット幅の入力信号によって入力される画像データに対して色変換を行うための画像処理装置方法であって、入力される画像データが示すフレーム間または画素間における表示階調の変化量に基づいて、該画像データをディザ処理の復元対象とするか否かを判別した上で、該画像データに対しディザ処理の復元を行い、前記ディザ処理の復元によって得られる前記入力信号のビット幅よりも高ビット幅の画像データである高ビット幅画像データに対して、色変換を行い、前記色変換後の高ビット幅画像データに対し、入力信号と同じビット幅への再ディザ処理を行うことを特徴とする。
また、本発明による画像処理用プログラムは、所定のビット幅の入力信号によって入力される画像データに対して色変換を行うための画像処理用プログラムであって、コンピュータに、入力される画像データが示すフレーム間または画素間における表示階調の変化量に基づいて、該画像データをディザ処理の復元対象とするか否かを判別した上で、該画像データに対しディザ処理の復元を行う復元処理、前記復元処理で得られる前記入力信号のビット幅よりも高ビット幅の画像データである高ビット幅画像データに対して、色変換を行う色変換処理、および前記色変換後の高ビット幅画像データに対し、入力信号と同じビット幅への再ディザ処理を行う再ディザ実行処理を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、ディザ復元対象判別手段が、該画像データを時間的ディザ処理の復元対象とするか否かを判別し、ディザ復元手段が、ディザ復元対象判別手段による判別の結果、時間的ディザ処理の復元対象とされた画像データに対し時間的ディザ処理の復元を行うので、ディザ処理が選択的な処理であったとしても、的確に、ディザ処理が行われた画像データに対する変換処理による画質劣化を防止することができる。
実施の形態1.
以下、本発明による本実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明による画像処理装置1の構成例を示すブロック図である。図1に示す画像処理装置1は、ディザ復元部10と、色変換部11と、ディザ処理部12とを備える。画像処理装置1は、例えば、所定のビット幅の入力信号によって入力される画像データを表示する液晶モニタ等の画像表示装置において、入力される画像データに対してコントラスト調整、彩度調整、色相調整、γ調整等の色変換を行う制御装置であってもよい。
ディザ復元部10は、色変換部11の前段に配備され、入力される画像データに対し、ディザ処理の復元対象とするか否かを判別した上で、ディザ処理の復元を行う。ディザ復元部10は、ディザ復元対象判別手段101と、ディザ復元手段102とを含む。
ディザ復元対象判別手段101は、所定範囲内の画像データ間における表示階調の変化量に基づいて、該画像データをディザ処理の復元対象とするか否かを判別する。本実施の形態では、フレームレートコントロールに従って入力される画像データが示す所定フレーム数分のフレーム間における表示階調の変化量に基づいて、該画像データを時間的ディザ処理の復元対象とするか否かを判別する。具体的には、該画像データの表示領域が、階調変化の大きい変化部であるかまたは階調変化の小さい静止部であるかを判断することによって、該画像データを時間的ディザ処理の復元対象とするか否かを判別する。
また、ディザ復元手段102は、ディザ復元対象判別手段101による判別の結果に応じて、ディザ処理の復元を行う。本実施の形態では、ディザ復元対象判別手段101によって復元対象とされた画像データに対し、時間的ディザ処理の復元を行う。すなわち、復元対象と判別された画像データを、フレームレートコントロールによる時間的ディザ処理により該画像データで擬似表現されている表示階調を示す高ビット幅の画像データに変換する。具体的には、復元対象と判別された画像データが示すある座標の現フレームでの表示階調値(具体的には、輝度値や画素値)と、過去所定フレーム数分のフレームでの表示階調値とを用いて所定の計算を行うことによって、該座標において疑似表現されている表示階調を、所定の高ビット幅で表現可能な表示階調数における値として求める。
色変換部11は、ディザ復元部10によるディザ処理の復元によって得られる復元後の高ビット幅画像データに対して、予め定められている変換特性に従って、コントラスト調整、彩度調整、色相調整、γ調整等の色変換を行う。具体的には、入力信号で示される画像データの色または輝度成分を、所定の変換特性を持ったルックアップテーブルや色変換マトリックス(変換行列)を用いて、異なる色または輝度成分に変換する。
ディザ処理部12は、色変換部10による色変換後の高ビット幅画像データに対し、入力信号と同じビット幅への再ディザ処理を行う。すなわち、色変換後の高ビット幅画像データで示される表示階調が、入力信号と同じビット幅(低ビット幅)の画像データで疑似表現されるように、フレーム単位の繰り返しディザパターンとする表示階調を求めた上で、色変換後の高ビット幅の画像データを、ディザパターンとして求めた表示階調のうち現フレームで対応させる表示階調を示す画像データに変換する。
なお、図1に示す例では、ディザ復元部10が、ディザ復元対象判別手段101によってディザ処理の復元対象と判別されなかった画像データについては入力信号のまま(低ビット幅画像データのまま)出力する例を示している。このような場合には、色変換部11は、ディザ復元部10によってディザ処理が復元されなかった入力信号のままの画像データに対しては、従来の場合と同様に、低ビット幅による表示階調数において所定の変換特性を持ったルックアップテーブルや色変換マトリックスを用いて、異なる色または輝度成分に変換するようにしてもよい。
なお、ディザ復元対象判別手段101およびディザ復元手段102は、例えば、プログラムに従って動作するCPUによって実現される。
以下、本実施の形態では、入力信号(1画像データ)のビット幅をNビットと表現し、Nビットの入力信号に対し、より多い階調数を表現可能なビット幅として予め定められているビット幅をMビット(M>N)と表現する。なお、D(x,y)は、座標(x,y)のnフレーム目の表示階調値として入力される画像データを示している。また、D’(x,y)は、Nビット幅の画像データD(x,y)に対するディザ処理の復元によって得られるMビット幅の画像データを示している。また、D’’(x,y)は、ディザ処理の復元後のMビット幅の画像データD’(x,y)に対する色変換によって得られるMビット幅の画像データを示している。また、D’’’(x,y)は、色変換後のMビット幅の画像データD’’(x,y)に対する再ディザ処理によって得られる、nフレーム目の画像データ(色変換後)として示している。なお、D’’’(x,y)は、入力された画像データD(x,y)に対する出力結果としての色変換後の画像データという意味で用いている場合もある。
本実施の形態では、ディザ復元対象判別手段101は、現在のフレームにおける画像データD(x,y)と、過去kフレーム分の画像データDn−1(x,y),・・・,Dn−k(x,y)とを用いて、フレーム間における表示階調の変化量を計算する。ここで、kは以下の式(1)によって定める。
Figure 2009017446
図1に示す例では、Nビット幅の画像データD(x,y)が入力されると、ディザ復元対象判別手段101は、入力された画像データD(x,y)をディザ処理の復元対象とするか否かを、n−kフレームからnフレームまでの画像データDn−k(x,y),・・・,D(x,y)を用いてフレーム間における表示階調の変化量を計算することによって判別する。
本実施の形態では、ディザ復元対象判別手段101は、上記範囲内のフレーム間での階調の変化量として、n−k〜nフレーム間(n−kフレームからnフレームまでのフレーム間)における画像データ(表示階調値)の最大値と最小値の差を求め(以下の式(2)参照。)、変化量(最大値と最小値の差分)が所定の閾値Lよりも大きければ、画像データD(x,y)の表示領域(ここでは、座標(x,y))が階調変化の大きい変化部であると判定し、そうでなければ階調変化の小さい静止部であると判定し、静止部であると判定した場合に該画像データをディザ処理の復元対象とする。
変化量=n−k〜nフレーム間における画像データの最大値−最小値 ・・・式(2)
ディザ復元手段102は、ディザ復元対象判別手段101によって復元対象と判別されたNビット幅の画像データD(x,y)に対し、過去フレームにおける画像データに基づいてディザ処理の復元処理を行い、Nビット幅の画像データD(x,y)を、該画像データ画像データD(x,y)で疑似表現されている表示階調値を示すMビット幅の画像データD’(x,y)に変換する。具体的には、現フレームを含む過去k+1フレーム分の画像データの和を計算することによって、Nビット幅の画像データD(x,y)を、Mビット幅による多階調表現の画像データD’(x,y)に変換する(下記の式(3)参照。)。
Figure 2009017446
本例では、ディザ復元部10において、Nビット幅で入力される画像データD(x,y)は、復元対象と判別された場合にはMビット幅の画像データD’(x,y)に変換されて出力される。一方、復元対象と判別されなかった場合にはそのままNビットの画像データD(x,y)が出力される。
また、図2は、画像処理装置1の他の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、ディザ復元部10が、さらに高ビット幅変換手段103を含んでいてもよい。
高ビット幅変換手段103は、ディザ復元対象判別手段101によってディザ処理の復元対象と判別されなかったNビット幅の画像データに対し、Mビット幅での表示階調値へのデータ変換を行う。すなわち、ディザ復元対象判別手段101によってディザ処理の復元対象と判別されなかったNビット幅の画像データD(x,y)が表現している表示階調の度合い(Nビット幅での表示階調数中の何段階目か)を、Mビット幅での表示階調値(Mビット幅での表示階調数において何段階目かを示す値)に変換する。具体的には、Nビット幅の画像データD(x,y)を2(M−N)倍することによって、画像データD(x,y)と同じ度合いの表示階調を示すMビット幅の画像データD’(x,y)に変換する(下記の式(4)参照。)。
Figure 2009017446
図2に示す例では、Nビット幅で入力される画像データD(x,y)は、ディザ復元対象判別手段101によって復元対象と判別されたか否かにかかわらず、必ずMビット幅の画像データD’(x,y)に変換されて出力される。
また、ディザ処理部12は、色変換部11から出力されるMビット幅の画像データD’(x,y)に対し、入力信号と同じビット幅(Nビット幅)への再ディザ処理を行う。なお、再ディザ処理の方法は、図1におけるディザ処理部12で説明した方法と同様である。すなわち、色変換後のMビット幅画像データD’’(x,y)で示される表示階調が、Nビット幅の画像データで疑似表現されるように、フレーム単位の繰り返しディザパターンとする表示階調を求めた上で、色変換後のMビット幅の画像データD’’(x,y)を、ディザパターンとして求めた表示階調のうち現フレームで対応させる表示階調を示すNビット幅の画像データD’’’(x,y)に変換する。
以下、より具体的な実施例を図面を用いて説明する。図3は、本実施例における画像処理装置1の構成例を示すブロック図である。図3に示す画像処理装置1は、パーソナルコンピュータ等の画像出力装置2から入力される画像データに対し、所定の色変換を行った後に、該画像データをモニタ等の画像表示装置3に出力するための画像処理装置であって、ディザ復元部10として動作するディザ復元回路10’と、色変換部11として動作する色変換回路11’と、ディザ処理部12として動作する出力ディザ処理回路12’とを備える。
なお、ディザ復元回路10’は、具体的には、ディザ復元対象判別手段101、ディザ復元手段102および高ビット幅変換手段103として動作するCPU10aおよび入力される画像データを保持しておくフレームメモリ10bによって実現されている。
また、本例では、画像出力装置2から入力される画像データのビット幅Nは、画像表示装置への入力信号のビット幅に相当するように6ビットに定められているものとする。一方、ビット幅Mは、色変換回路11’において保持されている変換特性データのビット幅に相当するように8ビットに定められているものとする。
次に、図4に示すフローチャートを参照して本実施例の動作について説明する。図4は、本実施例におけるCPU10aの動作例を示すフローチャートである。
図4に示すように、ディザ復元回路10’のCPU10aは、少なくとも画像出力装置2から入力されたk(本例では、k=2(8−6)−1=3)フレーム分の画像データをフレームメモリ10bに保持させておく(ステップS101)。CPU10aは、画像出力装置2より、nフレーム目の画像データD(x,y)を読み込むと(ステップS102)、過去kフレーム分の画像データDn−1(x,y)〜Dn−k(x,y)をフレームメモリ10bから読み出し、n−k〜nフレーム間における画像データの変化量を求める(ステップS103)。
図5は、フレームレートコントロールによって時間的ディザ処理が施されたフレームデータの例を示す説明図である。図5に示す例では、4×4画素の静止画フレームデータにおいて、8ビット幅での表示階調値246を、6ビット幅での表示階調値{61,62,61,62}の繰り返しディザパターンによって疑似階調表現した場合の画像データ例を示している。この場合、ステップS103において、CPU10aは、n−k〜nフレーム間での画像データの変化量を、上述した計算式(2)により、62−61=1と求める。
次に、CPU10aは、n−k〜nフレーム間での画像データの変化量(最大値と最小値との差分)が所定の閾値Lより大きいか否かを判定し(ステップS104)、大きい場合には画像データの表示領域である座標(x,y)は現フレームにおいて変化部であると判定し(ステップS104のYes,ステップS107)、そうでなければ静止部であると判定する(ステップS104のNo,ステップS105)。
CPU10aは、当該画像データの表示領域が静止部であると判定した場合(ステップS104のNo,ステップS105)、画像データD(x,y)に対し、現フレームを含む過去k+1フレーム分の画像データに基づいてディザ処理の復元処理を行い、Nビット幅の画像データD(x,y)をMビット幅による多階調表現の画像データD’(x,y)に変換する(ステップS106)。具体的には、上述した計算式(3)に示すように、n−kフレームからnフレームまでの画像データの和を計算し、その値を当該座標(x,y)において現フレームで疑似表現されている表示階調を示す画像データD’(x,y)として、色変換回路11’に出力する(ステップS109)。
例えば、閾値L=1とした場合、図5に示す画像データにおいてn−k〜nフレーム間の変化量は1であるため、CPU10aは、座標(x,y)は静止部であると判断する。そして、当該座標(x,y)において現フレームで疑似表現されている表示階調を示す画像データをD’(x,y)=D(x,y)+Dn−1(x,y)+Dn−2(x,y)+Dn−3(x,y)=61+62+61+62=246と計算する。
一方、座標(x,y)は変化部であると判断した場合には(ステップS104のYes,ステップS107)、現在のフレームデータD(x,y)に対し、Mビット幅での表示階調値へのデータ変換を行う(ステップS108)。具体的には、上述した計算式(4)に示すように、画像データD(x,y)を2(M−N)倍し、その値を当該座標(x,y)で表現されている表示階調を示すMビット幅の画像データD’(x,y)として、色変換回路11’に出力する(ステップS109)。例えば、6ビット幅における表示階調値が61であった場合、CPU10aは、その表示階調値と同じ度合いの表示階調を示す8ビットの画像データをD’(x,y)=61×4=244と計算する。
CPU10aは、以上の動作を全座標分の画像データについて行う(ステップS110)。
なお、色変換回路11’では、CPU10aからMビット幅に変換された画像データD’(x,y)が入力されると、ルックアップテーブルや、変換マトリクスを用いて該画像データD’(x,y)に対して色変換処理を行う。例えば、色変換回路11’は、ディザ復元部10が出力する復元後の高ビット幅(8ビット幅)の画像データがとりうる表示階調値(変換前)に対し、所定の変換特性に基づく変換後の表示階調値を対応づけたルップアップテーブルを保持しておき、ディザ復元部10から入力される画像データに対応する変換後の表示階調値を、該ルックアップテーブルから読み出すことによって、色変換処理を行ってもよい。また、例えば、色変換回路11’は、画像データが示す表示階調値の要素数に応じた行または列を持つ行列(例えば、R,G,B要素からなる表示階調値を異なるR,G,B要素からなる表示階調値に変換する場合には、3×3行列)を所定の変換特性を反映させた係数とする変換行列式に、ディザ復元部10から入力される画像データを代入して行列演算を行うことによって、変換後の表示階調値を得るようにしてもよい。
図6は、色変換回路11’における変換特性の一例を示す説明図である。また、図7は、図6に示す変換特性をルップアップテーブルとして保持する場合の変換特性データの一例を示している。なお、図7(a)は色変換回路11’における変換特性を6ビットで示した例であり、図7(b)は8ビットで示した例である。
例えば、図5に示す画像データ例では、静止部と判断された6ビット幅の画像データD(x,y)=61は、ディザ復元手段102によって8ビット幅の画像データD’(x,y)=246に変換され色変換回路11’に入力される。色変換回路11’では、図7(b)に示すルップアップテーブルにおけるINPUT=246に対応するOUTPUTの値を参照することによって、8ビット幅の画像データD’’(x,y)=235に変換する。仮に、変化部と判断された場合には、6ビット幅の画像データD(x,y)=61は、高ビット幅変換手段103によって8ビット幅の画像データD’(x,y)=244に変換され色変換回路11’に入力される。色変換回路11’では、図7(b)に示すルップアップテーブルにおけるINPUT=244に対応するOUTPUTの値を参照することによって、8ビット幅の画像データD’’(x,y)=231に変換する。
色変換回路11’は、色変換後の画像データD’’(x,y)をディザ処理回路12’に入力する。ディザ処理回路12’では、色変換回路11’によって色変換された画像データD’’(x,y)を、元のビット幅に戻すための再ディザ処理を行う。
ディザ処理回路12’では、再ディザ処理として、k+1フレーム分のNビット幅での表示階調値の平均が、色変換後のMビット幅の画像データが示す表示階調値÷(k+1)の値になるように、k+1フレーム分の表示階調値を定めたディザパターンを求めればよい。例えば、まず、色変換後のMビット幅の画像データが示す表示階調値をk+1で割った解をk+1フレーム分の各フレームのNビット幅での表示階調値とした上で、k+1で割り切れなかった余りに相当するフレーム数分の表示階調値に1を加えればよい。なお、どのフレームに1を加えるかは予め定めておけばよい(余りが1であれば第1フレームに1を加える等。)。
例えば、8ビット幅の画像データD’’(x,y)=235に対し、6ビット幅へのディザ処理を行う場合、6ビット幅での表示階調値の4フレームの平均が、235/4=58.75となるように、4フレーム分の各フレームの表示階調値を定めたディザパターンを求めればよい。すなわち、まず4フレーム分の各フレームの表示階調値を58とし、その上で、余りに相当するフレーム数(3フレーム)分の表示階調値に1を加え、例えば58,59,59,59}というディザパターンを求めればよい。そして、ディザパターンとして求めた表示階調のうち現フレームで対応させる表示階調を示す画像データに変換すればよい。
フレームレートコントロールによる時間的ディザ処理が施されている場合、入力データは繰り返しディザパターン化されたデータであるため、例えば、D’’’(x,y)=58,Dn+1’’’(x,y)=59,Dn+2’’’(x,y)=59,Dn+3’’’(x,y)=59となるようにデータ変換を行う。なお、現フレームでは、4フレームを周期とするフレームカウントを1として、ディザパターンにおける第1フレーム目に該当する画像データD’’’(x,y)=58を変換結果として出力すればよい。例えば、ディザ処理回路12’は、一旦ディザ処理を施すためのパターン計算を行った後は、CPU10aからディザ処理を施す旨の制御信号が入力されていることおよび色変換後の8ビット幅の画像データが同じであることを条件に、フレームカウントを計数しながらディザパターンを繰り返し出力するようにすればよい。
なお、ディザ処理回路12’は、ディザパターンを出力している最中であっても、色変換後の8ビット幅の画像データが示す表示階調値が変化した場合には、ディザパターンの計算からやり直すようにすればよい。
なお、図4では、CPU10aの動作例しか示していないが、CPU10aにおけるデータ変換動作(ディザ処理復元または高ビット幅への変換処理)と、色変換回路11’におけるデータ変換動作(色変換処理)、およびディザ処理回路12’によるデータ変換動作(再度のディザ処理)とは、一連の動作として実行される。
図5に示す例では、nフレーム目の次に、n+1フレーム目の画像データDn+1(x,y)=62が入力される。画像データDn+1(x,y)=62が入力されると、CPU10aは、Dn−2(x,y)=61,Dn−1(x,y)=62,D(x,y)=61,Dn+1(x,y)=62から、変化量=1を計算し、表示領域は静止部であると判定する。そして、画像データDn+1(x,y)=62を、Dn+1’(x,y)=246に復元する。色変換回路11’では、図7(b)に示すルップアップテーブルを用いて、8ビット幅の画像データDn+1’’(x,y)=235に変換する。そして、ディザ処理回路12’では、色変換回路11’から8ビット幅の画像データDn+1’’(x,y)=235が入力されたことを受けて、フレームカウントをインクリメントして、8ビット幅の画像データDn+1’’(x,y)=235に対しては、既に計算されているディザパターンにおける第2フレーム目に該当する画像データDn+1’’’(x,y)=59を変換結果として出力する。
図5に示すような、{61,62,61,62}の繰り返しディザパターンによって疑似階調表現された画像データの場合、Dn+2(x,y)=62、Dn+3(x,y)=61についても、同様に、Dn+2’’’(x,y)=59、Dn+3’’’(x,y)=59に変換して出力する。なお、本例の場合、{61,62,61,62}の繰り返しディザパターンで画像データが入力されている間は、画像表示装置には、6ビット幅での表示階調値{58,59,59,59}の繰り返しディザパターンで画像データが出力されることになる。なお、繰り返しディザパターンではなく表示階調の変化が大きい画像データが入力された場合には、CPU10aがディザ処理の復元処理ではなく高ビット幅への変換処理を行うため、表示階調の変化が大きいまま高ビット幅画像データとして色変換回路11’に入力されて色変換処理が行われることになる。そして、色変換処理の結果、色変換後の8ビット幅の画像データが示す表示階調値が変化した場合には、その都度ディザパターンが再計算され、第1フレーム目に該当する画像データDn’’’(x,y)が出力されることになる。
以下、ディザ処理を復元せずに色変換を行った場合と比較しながら本発明の効果について説明する。上記の例と同様に、図5に示すような、{61,62,61,62}の繰り返しディザパターンによって6ビット幅で疑似階調表現された画像データが入力されたとする。ディザ処理を復元せずに色変換を行う場合、画像データD(x,y)=61は、6ビット幅のまま図7(a)に示す6ビットの変換特性データを保持している色変換回路に入力されることになる。色変換回路は、画像データD(x,y)=61を6ビット幅のまま図7(a)に示すルックアップテーブルを用いて画像データD’’’(x,y)=58に変換して画像表示装置に出力する。また、画像データDn+1(x,y)=62が入力された場合は、色変換回路は、画像データDn+1(x,y)=62を6ビット幅のまま図7(a)に示すルックアップテーブルを用いて画像データDn+1’’’(x,y)=60に変換して画像表示装置3に出力する。すなわち、{61,62,61,62}の繰り返しディザパターンによって6ビット幅で疑似階調表現された画像データは、ディザ処理を復元しない場合には、{58,60,58,60}の繰り返しディザパターンとなって画像表示装置3に出力されることになる。なお、本実施の形態では、上述したように、{58,59,59,59}の繰り返しディザパターンを出力する。ディザ処理を復元しない場合の出力パターンにおけるフレーム間のデータ差が2となってしまうのに比べて、本実施の形態による出力パターンにおけるフレーム間のデータ差は1のままである。このように、ディザ処理を復元しないで色変換を行うとフレーム間のデータ差分が大きくなり、画面ちらつきが大きくなる原因となる。
本実施の形態によれば、入力信号におけるフレーム間のデータ差分(変化量)によってディザ処理を復元するか否かを判断した上で、必要に応じてディザ処理を復元してから色変換処理を行い、さらに色変換後に再度ディザ処理を行うことで、色変換後の隣接フレーム間における色の差分の増加を抑えることができる。また、フレームレートコントロールに従って画像データが入力される場合、画像データは、少なくともディザ処理が施されている領域において、表示階調の変化は周期的であり、対象フレームの前後のフレームを参照することで正しいデータに復元することができる。しかし、ディザ処理が施されていない領域においては、対象フレームの前後のフレームは、まったく違う画像データとなっているため、前後のフレームを参照しても、正しいデータは復元できない。本実施の形態では、フレーム間のデータ差分が大きい画像データに対しては、前後のフレームデータを参照せず、単純にビットを増やすだけで、そのままの階調表現で色変換を行うようにしている。このため、元の画像データが意図した階調表現とは異なる階調表現に変換されてしまうことを防ぐことができ、結果、ディザ処理が施されているか否かが明らかでない画像データが入力される画像処理装置においても、的確に、ディザ処理が行われた画像データに対する変換処理による画質劣化を防止することができる。
実施の形態2.
なお、上記説明では、フレームレートコントロールによる時間的ディザ処理が施される画像データを例に説明したが、空間的ディザ処理が施されている画像データに対しても、本発明を適用することができる。なお、本実施の形態における画像処理装置1は、第1の実施の形態における画像処理装置1と同様の構成でよい。
本実施の形態において、ディザ復元部10は、任意の画像データに空間的ディザ処理が施されている場合に、そのディザ処理を復元するための処理部であって、その具体的処理手段として、ディザ復元対象判別手段101と、ディザ復元手段102とを備える。
ディザ復元対象判別手段101は、入力される画像データをディザ処理の復元対象とするか否かを判別する。本実施の形態において、ディザ復元対象判別手段101は、入力信号が示す所定の領域内の画素間における画像データの変化量に基づいて、画像データに空間的ディザ処理が施されているか否かを判断することによって、ディザ処理の復元対象とするか否かを判別する。
ディザ復元手段102は、ディザ復元対象判別手段101によってディザ処理の復元対象と判別された画像データに対しディザ処理の復元処理を行う。本実施の形態では、復元対象とされた画像データにおいて空間的ディザ処理により疑似階調表現されている値を、1つの高ビット幅による階調表現の値に変換する。具体的には、復元対象と判別されたある領域内における各画素の画像データの値を用いて所定の計算を行うことによって、該領域内において疑似階調表現されている値を、所定の高ビット幅の階調数における階調表現の値として求める。
なお、本実施の形態では、ディザ復元対象判別手段101は、k×k画素からなるブロック領域を処理対象領域として、該処理対象領域内画素間における画像データの変化量を計算する。ここで、kは以下の式(5)によって定める。
k=M−N ・・・式(5)
また、処理対象領域内画素間における変化量として、隣接するk×k画素における画像データの最大値と最小値の差を求め(以下の式(6)参照。)、変化量が所定の閾値Lよりも大きければ、該領域内における各画像データには空間的ディザ処理が施されていないと判断し、そうでなければ空間的ディザ処理が施されていると判断する。
変化量=処理対象領域内画素間における画像データの最大値−最小値 ・・・式(6)
また、ディザ復元手段102は、ディザ復元対象判別手段101によって復元対象と判別された所定領域内の各画像データD(x+i,y+j)(ただし、i=j=0,・・・,k−1。以下同じ。)に対し、同領域内の他の画像データに基づいてディザ処理の復元処理を行い、同領域内において疑似階調表現されている値を、Mビット幅で多階調表現した画像データ’’(x+i,y+j)に変換する(下記の式(7)参照。)。
Figure 2009017446
また、ディザ処理部12は、色変換後のMビット幅の画像データD’’(x+i,y+j)に対し、空間的ディザ処理を行うことによって、Mビット幅で表現されている階調表現を、k×k画素毎の可変ディザパターンを用いたNビット幅の疑似階調表現の画像データD’’’(x+i,y+j)に変換する。
なお、本実施の形態において、高ビット幅変換手段103および色変換部11は、第1の実施の形態と同様であるため、説明省略している。また、本実施の形態のより具体的な構成例についても、図3に示す画像処理装置1の構成例と同様である。
次に、図8に示すフローチャートを参照して本実施例の動作について説明する。図8は、本実施例におけるCPU10aの動作例を示すフローチャートである。なお、本例においても、画像出力装置2から入力される画像データのビット幅Nは、画像表示装置への入力信号のビット幅に相当するように6ビットに定められているものとする。一方、ビット幅Mは、色変換回路11’において保持されている変換特性データのビット幅に相当するように8ビットに定められているものとする。
図8に示すように、ディザ復元回路10’のCPU10aは、少なくとも画像出力装置2から入力されたk=8−6=2ライン分の画像データをフレームメモリ10bに保持させておく(ステップS201)。CPU10aは、画像出力装置2より、kライン分の画像データを読み込むと(ステップS202)、k×k画素分の画像データD(x+i,y+j)をフレームメモリ10bから読み出し、k×k画素間における画像データの変化量を求める(ステップS203)。次に、CPU10aは、k×k画素間での画像データの変化量(最大値と最小値との差分)が所定の閾値Lより大きいか否かを判定し(ステップS204)、大きい場合には該画像データの表示領域(k×k画素のブロック領域で囲まれた表示領域)にはディザ処理が施されていないと判定し(ステップS24のYes,ステップS207)、そうでなければディザ処理が施されていると判定する(ステップS204のNo,ステップS205)。
CPU10aは、当該画像データの表示領域にディザ処理が施されていると判定した場合(ステップS204のNo,ステップS205)、各画像データD(x+i,y+j)に対し、同領域内の他の画像データに基づいてディザ処理の復元処理を行い、Nビット幅の画像データD(x+i,y+j)をMビット幅による多階調表現の画像データD’(x+i,y+j)に変換する(ステップS206)。具体的には、上述した計算式(7)に示すように、該領域内のk×k画素分の画像データの和を計算し、その値を当該領域内(座標(x+i,y+j)を処理対象としたk×k画素のブロック領域)において疑似表現されている表示階調を示す画像データD’(x+i,y+j)として、色変換回路11’に出力する(ステップS209)。
図9は、空間的ディザ処理が施された画像データの変換結果例を示す説明図である。図9に示す例では、8ビット幅での階調表現の値246を、空間的ディザ処理を用いて6ビット幅で表現した場合の画像データ例を示している。図9に示す例では、k×k=4つの画素の画像データD(x,y),画像データD(x+1,y),画像データD(x,y+1),画像データD(x+1,y+1)を{61,62,62,61}のディザパターンとすることによって8ビット幅での階調表現の値246を表現している。
例えば、閾値L=1とした場合、図9に示す画像データにおいて座標(x+i,y+j)を処理対象としたk×k画素のブロック領域内画素間における変化量は1であるため、CPU10aは、当該領域にディザ処理が施されていると判断する。そして、当該領域内において疑似表現されている表示階調を示す画像データD’(x,y)=D’(x+1,y)=D’(x,y+1)=D’(x+1,y+1)=61+62+62+61=246と計算する。色変換回路11’では、図7(b)に示すルップアップテーブルにおけるINPUT=246に対応するOUTPUTの値を参照することによって、8ビット幅の画像データD’’(x,y)=D’’(x+1,y)=D’’(x,y+1)=D’’(x+1,y+1)=235に変換する。ディザ処理回路12’では、再ディザ処理として、k×k画素分のNビット幅での表示階調値の平均が、色変換後のMビット幅の画像データが示す表示階調値÷(k×k)の値になるように、k×k画素分の表示階調値を定めたディザパターンを求めればよい。例えば、まず、色変換後のMビット幅の画像データが示す表示階調値をk×kで割った解を各画素のNビット幅での表示階調値とした上で、k×kで割り切れなかった余りに相当する画素数分の表示階調値に1を加えればよい。なお、領域内のどの画素に1を加えるかは予め定めておけばよい(余りが1であれば座標(x,y)の画素に1を加える等。)。
なお、ディザ処理回路12’は、色変換後のMビット幅の画像データD’’(x+i,y+j)が異なる値であった場合には、各画素の色変換後のMビット幅の画像データが示す表示階調値をk×kで割った解を該画素のNビット幅での表示階調値とすればよい。なお、k×kで割り切れなかった場合に該画素の表示階調値に1を加えるか否かは、予め定めておいた規則に従えばよい。
図10は、図9に示す画像データに対し、ディザ処理を復元した場合と復元しなかった場合の色変換結果例を示す説明図である。図9(a)は、ディザ処理を復元しなかった場合の色変換結果例を示す説明図でり、図9(b)は、ディザ処理を復元した場合の色変換結果例をを示す説明図である。図9に示すように、2×2画素を用いて{(x,y),(x+1,y),(x,y+1),(x+1,y+1)}={61,62,62,61}のディザパターンによって空間的ディザ処理が施された画像データが入力されたとする。ディザ処理を復元せずに色変換を行う場合、画像データD(x,y)=D(x+1,y+1)=61は、色変換回路で、図7(a)に示す6ビット幅対応のルックアップテーブルによって画像データD’’’(x,y)=D’’’(x+1,y+1)=58に変換されて画像表示装置に出力されることになる。また、画像データD(x+1,y)=D(x,y+1)=62は、同様に、画像データD’’’(x+1,y)=D’’’(x,y+1)=60に変換されて画像表示装置に出力されることになる。すなわち、2×2画素を用いて{61,62,62,61}のディザパターンによって空間的ディザ処理が施された画像データは、ディザ処理を復元しない場合には、{58,60,60,58}となって画像表示装置3に出力される。なお、本実施の形態では、上述したように、{58,59,59,59}となって出力される。ディザ処理を復元しない場合の出力パターンにおける画素間のデータ差が2となってしまうのに比べて、本実施の形態による出力パターンにおける画素間のデータ差は1のままである。このように、ディザ処理を復元しないで色変換を行うと画素間のデータ差分が大きくなり、なめらかな階調表現が損なわれ、階調の劣化が発生してしまう原因となる。
本実施の形態によれば、入力信号における画素間のデータ差分(変化量)によってディザ処理を復元するか否かを判断した上で、必要に応じてディザ処理を復元してから色変換処理を行い、さらに色変換後に再度ディザ処理を行うことで、色変換後の隣接画素間における色の差分の増加を抑えることができる。本実施の形態では、所定領域内の画素間のデータ差分が大きい画像データに対しては、他の画素の画像データを参照せず、単純にビットを増やすだけで、そのままの階調表現で色変換を行うようにしている。このため、元の画像データが意図した階調表現とは異なる階調表現に変換されてしまうことを防ぐことができ、結果、ディザ処理が選択的な処理であったとしても、的確に、ディザ処理が行われた画像データに対する変換処理による画質劣化を防止することができる。
なお、上記の実施の形態には、入力される画像データに対し、ディザ処理の復元対象とするか否かを判別した上で、ディザ処理の復元を行うディザ復元部と、前記ディザ復元部によるディザ処理の復元によって得られる前記入力信号のビット幅よりも高ビット幅の画像データである高ビット幅画像データに対して、色変換を行う色変換部と、前記色変換部による色変換後の高ビット幅画像データに対し、入力信号と同じビット幅への再ディザ処理を行うディザ処理部とを備え、ディザ復元部が、入力される画像データが示すフレーム間または画素間における表示階調の変化量に基づいて、該画像データをディザ処理の復元対象とするか否かを判別するディザ処理対象判別手段と、前記ディザ復元対象判別手段による判別の結果に応じて、ディザ処理の復元を行うディザ復元手段とを含む画像処理装置の構成が示されている(図1参照。)。
また、上記の実施の形態には、ディザ処理対象判別手段が、各画素毎に、所定フレーム数分のフレーム間における表示階調の変化量に基づいて、該画素の画像データを時間的ディザ処理の復元対象とするか否かを判別し、ディザ復元手段が、前記ディザ復元対象判別手段によって復元対象とされた画像データに対し、時間的ディザ処理の復元を行う画像処理装置の構成が示されている(具体的には、図4におけるステップS103〜S105参照。)。
また、上記の実施の形態には、ディザ処理判別手段が、各画素毎に、所定フレーム数分のフレーム間における表示階調の変化量に基づいて、該画素が階調の変化が所定の閾値よりも大きい領域を示す変化部であるかまたは該閾値以下の領域を示す静止部であるかを判断することによって、該画素の画像データを時間的ディザ処理の復元対象とするか否かを判別する画像処理装置の構成が示されている(具体的には、図4におけるステップS103〜S105,S107参照。)。
また、上記の実施の形態には、ディザ処理判別手段が、所定サイズのブロック領域内の画素間における表示階調の変化量に基づいて、該領域内画素の画像データを空間的ディザ処理の復元対象とするか否かを判別し、ディザ復元手段が、前記ディザ復元対象判別手段によって復元対象とされた画像データに対し、空間的ディザ処理の復元を行う画像処理装置の構成が示されている。上記の実施の形態において、ディザ復元対象判別手段,ディザ復元手段は、第2の実施の形態におけるディザ復元対象判別手段101,ディザ復元手段102によって実現されている。
また、上記の実施の形態には、ディザ処理判別手段が、表示階調の変化量を、対象とする画像データが示す階調表現値の最大値と最小値との差によって求める画像処理装置の構成が示されている(具体的には、計算式(2)および計算式(6)参照。)。
また、上記の実施の形態には、ディザ復元部が、ディザ処理判別手段によって復元対象と判別されなかった画像データに対して、ディザ復元手段による復元後のビット幅と同じビット幅へのデータ変換を行う高ビット幅変換手段を含み、色変換部が、ディザ復元部によって高ビット幅に統一された画像データに対して色変換を行う画像処理装置の構成が示されている(図2参照。)。
本発明は、フレームレートコントロールされた画像データが入力されるようなモニタやテレビ、プロジェクトなどの画像表示装置において、入力された画像データに対し色変換を実施する画像処理装置に好適に適用可能である。また、本発明は、フレームレートコントロールされた画像データが入力される画像表示装置に限らず、プリンタやFAXなど、静止画のみの画像データが入力される画像表示装置において、入力された画像データに対し色変換を実施する画像処理装置にも好適に適用可能である。
画像処理装置1の構成例を示すブロック図である。 画像処理装置1の他の構成例を示すブロック図である。 画像処理装置1の具体的な構成例を示すブロック図である。 第1の実施の形態におけるCPU10aの動作例を示すフローチャートである。 フレームレートコントロールによって時間的ディザ処理が施されたフレームデータの例を示す説明図である。 色変換回路11’における変換特性の一例を示す説明図である。 図6に示す変換特性をルップアップテーブルとして保持する場合の変換特性データの一例を示す説明図である。 第2の実施の形態におけるCPU10aの動作例を示すフローチャートである。 空間的ディザ処理が施された画像データの変換結果例を示す説明図である。
符号の説明
1 画像処理装置
10 ディザ復元部
101 ディザ復元対象判別手段
102 ディザ復元手段
103 高ビット幅変換手段
11 色変換部
12 ディザ処理部
2 画像出力装置
3 画像表示装置

Claims (12)

  1. 所定のビット幅の入力信号によって入力される画像データに対して色変換を行う画像処理装置であって、
    入力される画像データに対し、ディザ処理の復元対象とするか否かを判別した上で、ディザ処理の復元を行うディザ復元部と、
    前記ディザ復元部によるディザ処理の復元によって得られる前記入力信号のビット幅よりも高ビット幅の画像データである高ビット幅画像データに対して、色変換を行う色変換部と、
    前記色変換部による色変換後の高ビット幅画像データに対し、入力信号と同じビット幅への再ディザ処理を行うディザ処理部とを備え、
    ディザ復元部は、
    入力される画像データが示すフレーム間または画素間における表示階調の変化量に基づいて、該画像データをディザ処理の復元対象とするか否かを判別するディザ処理対象判別手段と、
    前記ディザ復元対象判別手段による判別の結果に応じて、ディザ処理の復元を行うディザ復元手段とを含む
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. ディザ処理対象判別手段は、各画素毎に、所定フレーム数分のフレーム間における表示階調の変化量に基づいて、該画素の画像データを時間的ディザ処理の復元対象とするか否かを判別し、
    ディザ復元手段は、前記ディザ復元対象判別手段によって復元対象とされた画像データに対し、時間的ディザ処理の復元を行う
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. ディザ処理判別手段は、各画素毎に、所定フレーム数分のフレーム間における表示階調の変化量に基づいて、該画素が階調の変化が所定の閾値よりも大きい領域を示す変化部であるかまたは該閾値以下の領域を示す静止部であるかを判断することによって、該画素の画像データを時間的ディザ処理の復元対象とするか否かを判別する
    請求項2に記載の画像処理装置。
  4. ディザ処理判別手段は、所定サイズのブロック領域内の画素間における表示階調の変化量に基づいて、該領域内画素の画像データを空間的ディザ処理の復元対象とするか否かを判別し、
    ディザ復元手段は、前記ディザ復元対象判別手段によって復元対象とされた画像データに対し、空間的ディザ処理の復元を行う
    請求項1に記載の画像処理装置。
  5. ディザ処理判別手段は、表示階調の変化量を、対象とする画像データが示す階調表現値の最大値と最小値との差によって求める
    請求1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. ディザ復元部は、ディザ処理判別手段によって復元対象と判別されなかった画像データに対して、ディザ復元手段による復元後のビット幅と同じビット幅へのデータ変換を行う高ビット幅変換手段を含み、
    色変換部は、ディザ復元部によって高ビット幅に統一された画像データに対して色変換を行う
    請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 所定のビット幅の入力信号によって入力される画像データに対して色変換を行うための画像処理装置方法であって、
    入力される画像データが示すフレーム間または画素間における表示階調の変化量に基づいて、該画像データをディザ処理の復元対象とするか否かを判別した上で、該画像データに対しディザ処理の復元を行い、
    前記ディザ処理の復元によって得られる前記入力信号のビット幅よりも高ビット幅の画像データである高ビット幅画像データに対して、色変換を行い、
    前記色変換後の高ビット幅画像データに対し、入力信号と同じビット幅への再ディザ処理を行う
    ことを特徴とする画像処理方法。
  8. 各画素毎に、所定フレーム数分のフレーム間における表示階調の変化量に基づいて、該画素の画像データを時間的ディザ処理の復元対象とするか否かを判別する
    請求項7に記載の画像処理方法。
  9. 所定サイズのブロック領域内の画素間における表示階調の変化量に基づいて、該領域内画素の画像データを空間的ディザ処理の復元対象とするか否かを判別する
    請求項7に記載の画像処理方法。
  10. 所定のビット幅の入力信号によって入力される画像データに対して色変換を行うための画像処理用プログラムであって、
    コンピュータに、
    入力される画像データが示すフレーム間または画素間における表示階調の変化量に基づいて、該画像データをディザ処理の復元対象とするか否かを判別した上で、該画像データに対しディザ処理の復元を行う復元処理、
    前記復元処理で得られる前記入力信号のビット幅よりも高ビット幅の画像データである高ビット幅画像データに対して、色変換を行う色変換処理、および
    前記色変換後の高ビット幅画像データに対し、入力信号と同じビット幅への再ディザ処理を行う再ディザ実行処理
    を実行させるための画像処理用プログラム。
  11. コンピュータに、
    復元処理で、各画素毎に、所定フレーム数分のフレーム間における表示階調の変化量に基づいて、該画素の画像データを時間的ディザ処理の復元対象とするか否かを判別させる
    請求項10に記載の画像処理用プログラム。
  12. コンピュータに、
    復元処理で、所定サイズのブロック領域内の画素間での表示階調の変化量に基づいて、該領域内画素の画像データを空間的ディザ処理の復元対象とするか否かを判別させる
    請求項10に記載の画像処理用プログラム。
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