JP2009017349A - 水晶発振器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来のオーバートン水晶発振器では、オフセット周波数が数十kHz〜1MHz付近にかけてフロアノイズの盛り上がりが発生し、位相雑音特性が劣化してしまうという問題点があり、フロアノイズの盛り上がりを無くし、位相雑音特性の優れたオーバートン水晶発振器を提供する。
【解決手段】 3次オーバートン水晶振動子X1とトランジスタQ1とを備えた発振ループと、同調回路とを備え、3次オーバートン水晶振動子X1に直列にインダクタL1及びL2を接続し、当該インダクタL1及びL2の中間点又は一定比で分割された点から、バッファアンプを介して発振出力を取り出す水晶発振器としている。
【選択図】 図1
【解決手段】 3次オーバートン水晶振動子X1とトランジスタQ1とを備えた発振ループと、同調回路とを備え、3次オーバートン水晶振動子X1に直列にインダクタL1及びL2を接続し、当該インダクタL1及びL2の中間点又は一定比で分割された点から、バッファアンプを介して発振出力を取り出す水晶発振器としている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、水晶発振器に係り、特に位相雑音特性の優れたオーバートン水晶発振器に関する。
[先行技術の説明:図5]
一般的に広く用いられているコルピッツ型発振回路について図5を用いて説明する。図5は、コルピッツ型発振回路の等価回路図である。
図5に示すように、コルピッツ型発振回路は、水晶振動子Xと、発振用増幅器(トランジスタ)Qと、コンデンサC,C′とから構成されており、能動素子であるトランジスタQのエミッタから発振出力を取り出す構成となっている。
一般的に広く用いられているコルピッツ型発振回路について図5を用いて説明する。図5は、コルピッツ型発振回路の等価回路図である。
図5に示すように、コルピッツ型発振回路は、水晶振動子Xと、発振用増幅器(トランジスタ)Qと、コンデンサC,C′とから構成されており、能動素子であるトランジスタQのエミッタから発振出力を取り出す構成となっている。
[オーバートン水晶振動子]
また、オーバートン水晶振動子は、基本波の奇数次(3次、5次等)の周波数を発振する振動子である。
一般に、振動子は、周波数が高くなると水晶基板が薄くなって取り扱い及び製造が困難になるため、比較的高い周波数(50MHz〜100MHz程度)では、基本波振動子と比べて製造しやすいオーバートン振動子が使用されている。
オーバートン水晶振動子は、同周波数帯の基本波振動子と比べてQ値が高いため、特にキャリア近傍においては良好な位相雑音特性が得られるものである。
また、オーバートン水晶振動子は、基本波の奇数次(3次、5次等)の周波数を発振する振動子である。
一般に、振動子は、周波数が高くなると水晶基板が薄くなって取り扱い及び製造が困難になるため、比較的高い周波数(50MHz〜100MHz程度)では、基本波振動子と比べて製造しやすいオーバートン振動子が使用されている。
オーバートン水晶振動子は、同周波数帯の基本波振動子と比べてQ値が高いため、特にキャリア近傍においては良好な位相雑音特性が得られるものである。
オーバートン水晶振動子を用いた水晶発振器では、3次オーバートンが発振するよう製作された水晶振動子であっても、発振回路に十分なゲインがあると、当該水晶振動子の基本波が発振する可能性があり、一般的には、発振回路に同調回路を設け、必要とする3次オーバートンのみが励振されるように構成されている。
[従来の第1のオーバートン水晶発振器:図6]
ここで、同調回路を備えた従来のオーバートン水晶発振器について図6,7,8を用いて説明する。図6,7,8は、それぞれ、同調回路を備えた従来の第1,第2,第3のオーバートン水晶発振器の構成を示す回路図である。
図6に示すように、従来の第1のオーバートン水晶発振器は、オーバートン水晶振動子X1と、発振用トランジスタQ1と、バイアス用抵抗R2,R3とを備えた発振ループに、コンデンサC2,C3,C4と、インダクタL3及び抵抗R4とを備えた同調回路が接続された構成となっている。
ここで、同調回路を備えた従来のオーバートン水晶発振器について図6,7,8を用いて説明する。図6,7,8は、それぞれ、同調回路を備えた従来の第1,第2,第3のオーバートン水晶発振器の構成を示す回路図である。
図6に示すように、従来の第1のオーバートン水晶発振器は、オーバートン水晶振動子X1と、発振用トランジスタQ1と、バイアス用抵抗R2,R3とを備えた発振ループに、コンデンサC2,C3,C4と、インダクタL3及び抵抗R4とを備えた同調回路が接続された構成となっている。
具体的には、トランジスタQ1のコレクタが電源ラインに接続され、トランジスタQ1に並列に抵抗R2及びR3が設けられ、R3の一端は接地されている。
オーバートン水晶振動子X1は、一端が抵抗R2とR3の間の点を介してトランジスタQ1のベースに接続され、他端は接地されている。
オーバートン水晶振動子X1は、一端が抵抗R2とR3の間の点を介してトランジスタQ1のベースに接続され、他端は接地されている。
同調回路は、トランジスタQ1のベースとオーバートン水晶振動子X1との中間に、コンデンサC2がオーバートン水晶振動子X1及び抵抗R3に並列に接続され、コンデンサC2に、コンデンサC3,C4が直列に接続されて、コンデンサC4の他端は接地されている。
また、インダクタL3及び抵抗R4はトランジスタQ1のエミッタに直列に接続され、抵抗R4の他端は接地されている。
そして、コンデンサC2及びC3の間の点と、トランジスタQ1のエミッタ及びインダクタL3の間の点とを接続するラインから、コンデンサC5を介して発振出力を取り出す構成となっている。
そして、コンデンサC2及びC3の間の点と、トランジスタQ1のエミッタ及びインダクタL3の間の点とを接続するラインから、コンデンサC5を介して発振出力を取り出す構成となっている。
[従来の第2のオーバートン水晶発振器:図7]
図7に示すように、従来の第2のオーバートン水晶発振器は、図6に示した従来の第1のオーバートン水晶発振器と基本的な構成はほぼ同様であり、同調回路の構成が一部異なっている。
具体的には、図6に示した同調回路のコンデンサC4が、インダクタL3に直列に接続された抵抗R4に並列に接続された構成となっている。
発振出力は、図6と同様に、同調回路からコンデンサC5を介して取り出すようになっている。
図7に示すように、従来の第2のオーバートン水晶発振器は、図6に示した従来の第1のオーバートン水晶発振器と基本的な構成はほぼ同様であり、同調回路の構成が一部異なっている。
具体的には、図6に示した同調回路のコンデンサC4が、インダクタL3に直列に接続された抵抗R4に並列に接続された構成となっている。
発振出力は、図6と同様に、同調回路からコンデンサC5を介して取り出すようになっている。
[従来の第3のオーバートン水晶発振器:図8]
図8に示すように、従来の第3のオーバートン水晶発振器は、図7に示した第2のオーバートン水晶発振器に、更に、バッファアンプを設けた構成である。
バッファアンプは、トランジスタQ2と、抵抗R5,R6,R7とから構成されるエミッタフォロア回路である。バッファアンプを設けることにより、位相雑音特性が向上するものである。
従来の第3のオーバートン水晶発振器では、同調回路からバッファアンプ及びコンデンサC6を介して発振出力が取り出される。
図8に示すように、従来の第3のオーバートン水晶発振器は、図7に示した第2のオーバートン水晶発振器に、更に、バッファアンプを設けた構成である。
バッファアンプは、トランジスタQ2と、抵抗R5,R6,R7とから構成されるエミッタフォロア回路である。バッファアンプを設けることにより、位相雑音特性が向上するものである。
従来の第3のオーバートン水晶発振器では、同調回路からバッファアンプ及びコンデンサC6を介して発振出力が取り出される。
[先行技術文献]
尚、水晶発振器に関する先行技術としては、特開2006−140749号公報(特許文献1)、実開昭58−173915号公報(特許文献2)がある。
特許文献1には、水晶発振器において、発振閉ループにトランスの1次コイルとコンデンサとを直列接続した回路を挿入接続すると共に、当該トランスの2次コイルから発振出力を得るように構成して、位相雑音特性を向上させることが記載されている。
尚、水晶発振器に関する先行技術としては、特開2006−140749号公報(特許文献1)、実開昭58−173915号公報(特許文献2)がある。
特許文献1には、水晶発振器において、発振閉ループにトランスの1次コイルとコンデンサとを直列接続した回路を挿入接続すると共に、当該トランスの2次コイルから発振出力を得るように構成して、位相雑音特性を向上させることが記載されている。
また、特許文献2には、圧電発振器において、トランジスタのベースとアース間に圧電振動子とインピーダンス回路を直列に接続し、当該インピーダンス回路の両端から出力を得るようにすると共に、インピーダンス回路のインピーダンスを、トランジスタのエミッタとアース間に接続されたインピーダンス回路より小さく設定して、歪の少ない出力を容易に得ることが記載されている。
しかしながら、従来の同調回路を備えたオーバートン水晶発振器では、同調回路から発振出力を取り出すことによって、オフセット周波数が数十kHz〜1MHz付近にかけてフロアノイズの盛り上がりが発生し、位相雑音特性が劣化してしまうという問題点があった。
本発明は、上記実状に鑑みて為されたもので、フロアノイズの盛り上がりを無くし、位相雑音特性の優れたオーバートン水晶発振器を提供することを目的とする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、複数次のオーバートン水晶振動子と能動素子によって発振ループを形成し、当該発振ループに同調回路を設けた水晶発振器であって、発振ループ内の水晶振動子に直列にインダクタを接続し、当該インダクタの中間又は一定比で分割された点から発振出力を取り出す発振出力端子を設けたことを特徴としている。
本発明は、上記水晶発振器において、インダクタに並列に抵抗を接続したことを特徴としている。
本発明は、上記水晶発振器において、発振出力の端子にバッファアンプを設けたことを特徴としている。
本発明は、上記水晶発振器において、バッファアンプをエミッタフォロアとしたことを特徴としている。
本発明は、上記水晶発振器において、バッファアンプに同調回路を設けたことを特徴としている。
本発明は、上記水晶発振器において、一定比で分割されたインダクタを各々小型のチップインダクタで構成したことを特徴としている。
本発明によれば、複数次のオーバートン水晶振動子と能動素子によって発振ループを形成し、当該発振ループに同調回路を設けた水晶発振器であって、発振ループ内の水晶振動子に直列にインダクタを接続し、当該インダクタの中間又は一定比で分割された点から発振出力を取り出す発振出力端子を設けた水晶発振器としているので、良好な位相雑音特性を得ることができる効果がある。
また、本発明によれば、インダクタに並列に抵抗を接続した上記水晶発振器としているので、インダクタを導入したことによる異常発振を抑圧することができる効果がある。
また、本発明によれば、発振出力の端子にバッファアンプを設けた上記水晶発振器としているので、負荷インピーダンスが水晶振動子に影響を与えるのを防ぐ効果がある。
また、本発明によれば、バッファアンプに同調回路を設けた上記水晶発振器としているので、更に良好な位相雑音特性を得ることができる効果がある。
また、本発明によれば、一定比で分割されたインダクタを各々小型のチップインダクタで構成した上記水晶発振器としているので、回路を小型化することができる効果がある。
[発明の概要]
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係るオーバートン水晶発振器は、3次オーバートン水晶振動子とトランジスタとを備えた発振ループと、同調回路とを備え、3次オーバートン水晶振動子に直列にインダクタを接続し、当該インダクタの中間又は任意の比率で分割された点から発振出力を取り出す構成としており、同調回路から出力を取り出した場合に発生するフロアノイズの盛り上がりを無くし、位相雑音特性を向上させることができるものである。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係るオーバートン水晶発振器は、3次オーバートン水晶振動子とトランジスタとを備えた発振ループと、同調回路とを備え、3次オーバートン水晶振動子に直列にインダクタを接続し、当該インダクタの中間又は任意の比率で分割された点から発振出力を取り出す構成としており、同調回路から出力を取り出した場合に発生するフロアノイズの盛り上がりを無くし、位相雑音特性を向上させることができるものである。
[第1の実施の形態のオーバートン水晶発振器:図1]
本発明の第1の実施の形態に係るオーバートン水晶発振器について図1を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係るオーバートン水晶発振器(第1のオーバートン水晶発振器)の回路図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るオーバートン水晶発振器は、図8に示した従来のオーバートン水晶発振器の回路を基本として、同調回路部分から発振出力を取り出さないように改良を加えたものである。
本発明の第1の実施の形態に係るオーバートン水晶発振器について図1を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係るオーバートン水晶発振器(第1のオーバートン水晶発振器)の回路図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るオーバートン水晶発振器は、図8に示した従来のオーバートン水晶発振器の回路を基本として、同調回路部分から発振出力を取り出さないように改良を加えたものである。
第1のオーバートン水晶発振器の構成について具体的に説明する。
第1のオーバートン水晶発振器は、基本的な構成として、3次オーバートン水晶振動子X1を含む発振ループと、同調回路と、バッファアンプを備え、更に、3次オーバートン水晶振動子X1に直列に、インダクタL1及びL2を接続し、コンデンサC1を介して接地したものであり、更に、インダクタL1及びL2の中間の点から発振出力を取り出す構成としたものである。
第1のオーバートン水晶発振器は、基本的な構成として、3次オーバートン水晶振動子X1を含む発振ループと、同調回路と、バッファアンプを備え、更に、3次オーバートン水晶振動子X1に直列に、インダクタL1及びL2を接続し、コンデンサC1を介して接地したものであり、更に、インダクタL1及びL2の中間の点から発振出力を取り出す構成としたものである。
具体的には、発振ループは、3次オーバートン水晶振動子X1と、トランジスタQ1と、バイアス抵抗R2,R3とから構成され、同調回路は、コンデンサC2,C3,C4と、インダクタL3と、抵抗R4とから構成され、バッファアンプは、トランジスタQ2と、抵抗R5,R6,R7と、コンデンサC6とから構成されている。
コンデンサC1は、発振回路全体の負荷容量を調整して、周波数を調整するものであり、容量可変のトリマコンデンサ等で構成してもよい。
バッファアンプは、ここではエミッタフォロア回路としている。
コンデンサC1は、発振回路全体の負荷容量を調整して、周波数を調整するものであり、容量可変のトリマコンデンサ等で構成してもよい。
バッファアンプは、ここではエミッタフォロア回路としている。
そして、第1のオーバートン水晶発振器においては、インダクタL1及びL2の中間の点から取り出された発振出力は、コンデンサC5を介して、バッファアンプのトランジスタQ2のベースに入力され、トランジスタQ2のエミッタからコンデンサC6を介して発振出力端子(OUT)に出力されるようになっている。
このように、第1のオーバートン水晶発振器では、同調回路から出力しないように構成したことにより、フロアノイズの盛り上がりを防ぐことができるものであり、また、バッファアンプを備えることにより、負荷インピーダンスが発振回路に影響を与えるのを防ぐことができるものである。
インダクタL2及びL3は、任意の分割比で中間タップを取った巻き線コイルを使用してもよいが、同じインダクタンス値、又は異なるインダクタンス値のチップインダクタを2個直列に接続しても構わない。
チップインダクタを使用すると、回路の小型化を図ることができるものである。
チップインダクタを使用すると、回路の小型化を図ることができるものである。
更に、図1のオーバートン水晶発振器では、インダクタL1及びL2に並列に抵抗R1を接続した構成としており、インダクタを挿入したことによって生ずる異常発振等を抑圧することができるものである。
[第1のオーバートン水晶発振器の位相雑音特性]
次に、第1のオーバートン水晶発振器の位相雑音特性について図2を用いて説明する。図2は、従来のオーバートン水晶発振器と第1のオーバートン水晶発振器の位相雑音特性を示す特性図である。
図2において破線で示したように、従来のオーバートン水晶発振器では、オフセット周波数が数十kHz〜1MHzにかけて位相雑音特性の盛り上がりが認められるが、実線で示した第1のオーバートン水晶発振器では、当該周波数領域においても位相雑音特性の盛り上がりは発生せず、安定した良好な位相雑音特性が得られるものである。
次に、第1のオーバートン水晶発振器の位相雑音特性について図2を用いて説明する。図2は、従来のオーバートン水晶発振器と第1のオーバートン水晶発振器の位相雑音特性を示す特性図である。
図2において破線で示したように、従来のオーバートン水晶発振器では、オフセット周波数が数十kHz〜1MHzにかけて位相雑音特性の盛り上がりが認められるが、実線で示した第1のオーバートン水晶発振器では、当該周波数領域においても位相雑音特性の盛り上がりは発生せず、安定した良好な位相雑音特性が得られるものである。
[先行技術との比較]
特許文献1に記載された水晶発振器は、トランスの2次コイルから発振出力を取り出す構成であり、第1のオーバートン水晶発振器の、オーバートン水晶振動子にインダクタを接続して、当該インダクタの中間から発振出力を取り出す構成ではない。特許文献1は、トランスを用いることにより回路規模が大型化してしまう上、オーバートン水晶発振器におけるフロアノイズ低減を図ることについては全く記載がない。
特許文献2に記載された圧電発振器も、オーバートン水晶発振器における位相雑音特性を向上することを目的としたものではなく、第1のオーバートン水晶発振器の構成とは異なっている。
特許文献1に記載された水晶発振器は、トランスの2次コイルから発振出力を取り出す構成であり、第1のオーバートン水晶発振器の、オーバートン水晶振動子にインダクタを接続して、当該インダクタの中間から発振出力を取り出す構成ではない。特許文献1は、トランスを用いることにより回路規模が大型化してしまう上、オーバートン水晶発振器におけるフロアノイズ低減を図ることについては全く記載がない。
特許文献2に記載された圧電発振器も、オーバートン水晶発振器における位相雑音特性を向上することを目的としたものではなく、第1のオーバートン水晶発振器の構成とは異なっている。
[第2のオーバートン水晶発振器:図3]
本発明の第2の実施の形態に係るオーバートン水晶発振器(第2のオーバートン水晶発振器)について図3を用いて説明する。図3は、第2のオーバートン水晶発振器の回路図である。
図3に示すように、第2のオーバートン水晶発振器は、第1のオーバートン水晶発振器とはバッファアンプの構成が異なり、エミッタフォロワに同調回路を設けたアンプとしている。
本発明の第2の実施の形態に係るオーバートン水晶発振器(第2のオーバートン水晶発振器)について図3を用いて説明する。図3は、第2のオーバートン水晶発振器の回路図である。
図3に示すように、第2のオーバートン水晶発振器は、第1のオーバートン水晶発振器とはバッファアンプの構成が異なり、エミッタフォロワに同調回路を設けたアンプとしている。
第2のオーバートン水晶発振器のバッファアンプは、図3に示すように、トランジスタQ2に、コンデンサC12,C13,C14と、インダクタL13と、抵抗R14とから成る同調回路を備えたものであり、トランジスタQ2のベースに、抵抗R6と並列にコンデンサC12を接続し、コンデンサC12に直列にコンデンサC13を接続しており、更に、トランジスタQ2のエミッタにインダクタL13とコンデンサ14を直列に接続し、コンデンサC14に並列に抵抗R14を接続した構成である。
そして、同調回路のコンデンサC12とC13との間の点と、トランジスタQ2のエミッタとインダクタL13との間の点とを接続するラインから、コンデンサC6を介して発振出力を得るものである。
そして、同調回路のコンデンサC12とC13との間の点と、トランジスタQ2のエミッタとインダクタL13との間の点とを接続するラインから、コンデンサC6を介して発振出力を得るものである。
第2のオーバートン水晶発振器でも、図2に示した第1のオーバートン水晶発振器と同様に、オフセット周波数数十kHz〜1MHzの範囲におけるフロアノイズの盛り上がりを抑制し、良好な位相雑音特性とすることができるものである。
[第3のオーバートン水晶発振器:図4]
本発明の第3の実施の形態に係るオーバートン水晶発振器(第3のオーバートン水晶発振器)について図4を用いて説明する。図4は、第3のオーバートン水晶発振器の回路図である。
上述した第1、第2のオーバートン水晶発振器は、バッファアンプのトランジスタのエミッタから出力を取り出す構成であったが、第3のオーバートン水晶発振器は、トランジスタのコレクタから取り出す構成である。
本発明の第3の実施の形態に係るオーバートン水晶発振器(第3のオーバートン水晶発振器)について図4を用いて説明する。図4は、第3のオーバートン水晶発振器の回路図である。
上述した第1、第2のオーバートン水晶発振器は、バッファアンプのトランジスタのエミッタから出力を取り出す構成であったが、第3のオーバートン水晶発振器は、トランジスタのコレクタから取り出す構成である。
図4に示すように、第3のオーバートン水晶発振器は、電源ラインVccとトランジスタQ2のコレクタとの間にコンデンサC7を設け、電源ラインVccと出力ラインとの間を接続するインダクタL4を挿入し、トランジスタQ2のエミッタに接続する抵抗R7に並列にコンデンサC8を接続した構成であり、発振出力をバッファアンプのトランジスタQ2のコレクタからコンデンサC9を介して取り出すものである。コンデンサC7とインダクタL4とで同調回路を構成している。
また、コンデンサC7を容量可変のトリマコンデンサで構成しても構わない。
また、コンデンサC7を容量可変のトリマコンデンサで構成しても構わない。
[実施の形態の効果]
本発明の実施の形態に係るオーバートン水晶発振器によれば、3次オーバートン水晶振動子X1とトランジスタQ1とを備えた発振ループと、同調回路とを備え、3次オーバートン水晶振動子X1に直列にインダクタL1及びL2を接続し、当該インダクタL1及びL2の中間点又は一定比で分割された点から発振出力を取り出して、バッファアンプを介して出力する構成としており、同調回路から出力しないため、オフセット周波数十kHz〜1MHz付近におけるフロアノイズの盛り上がりを防ぐことができ、位相雑音特性を向上させることができる効果がある。
本発明の実施の形態に係るオーバートン水晶発振器によれば、3次オーバートン水晶振動子X1とトランジスタQ1とを備えた発振ループと、同調回路とを備え、3次オーバートン水晶振動子X1に直列にインダクタL1及びL2を接続し、当該インダクタL1及びL2の中間点又は一定比で分割された点から発振出力を取り出して、バッファアンプを介して出力する構成としており、同調回路から出力しないため、オフセット周波数十kHz〜1MHz付近におけるフロアノイズの盛り上がりを防ぐことができ、位相雑音特性を向上させることができる効果がある。
また、本オーバートン水晶発振器によれば、インダクタL1,L2に並列に抵抗R1を設けているので、インダクタを設けたことによる異常発振を抑圧して、安定した発振出力が得られる効果がある。
また、本オーバートン水晶発振器によれば、インダクタL1,L2をチップインダクタで構成することにより、回路の小型化を図ることができる効果がある。
本発明は、位相雑音特性の優れたオーバートン水晶発振器に適している。
X,X1…水晶振動子、 Q1,Q2…トランジスタ、 L1,L2,L3,L4,L13…インダクタ、 R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R14…抵抗、 C,C′,C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8,C9,C12,C13,C14…コンデンサ
Claims (6)
- 複数次のオーバートン水晶振動子と能動素子によって発振ループを形成し、当該発振ループに同調回路を設けた水晶発振器であって、
前記発振ループ内の水晶振動子に直列にインダクタを接続し、当該インダクタの中間又は一定比で分割された点から発振出力を取り出す発振出力端子を設けたことを特徴とする水晶発振器。 - インダクタに並列に抵抗を接続したことを特徴とする請求項1記載の水晶発振器。
- 発振出力の端子にバッファアンプを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の水晶発振器。
- バッファアンプをエミッタフォロアとしたことを特徴とする請求項3記載の水晶発振器。
- バッファアンプに同調回路を設けたことを特徴とする請求項3又は4記載の水晶発振器。
- 一定比で分割されたインダクタを各々小型のチップインダクタで構成したことを特徴とする請求項1記載の水晶発振器。
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2007
- 2007-07-06 JP JP2007178285A patent/JP2009017349A/ja active Pending
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