JP2009015268A - 無端状ベルト装置、ベルト定着装置、および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベルトを張架している定着ローラと加熱ローラのうち、定着ローラの軸位置を固定し、加熱ローラを引張りスプリングでベルトを張る方向にテンションをかける。定着ローラの発泡部材のアスカC硬度を40Hsに設定し、破泡が進んで硬度25Hsになるまでの間、定着ローラが常温時、ベルトテンションを40N以上になるよう設定し、定着ローラが通紙時温度になっているとき、ベルトテンションを110N以下に設定する。
【選択図】図6
Description
図8はベルトのローラ乗り上げを説明するための図である。
同図において符号1はベルト、3はベルト用ローラ、11はベルトより止めガイド、12は空転リング、Aはベルトの寄り方向をそれぞれ示す。
図7において、画像形成装置100は、露光部127、画像形成部兼一次転写部120、給紙部130、二次転写部140、定着部150、排紙部160を備えている。
本例は、タンデム方式の画像形成装置の例である。本例においては、複数色、例えばブラック(以下Bkと表記する)、マゼンタ(以下Mと表記する)、イエロー(以下Yと表記する)、シアン(以下Cと表記する)の各画像をそれぞれ形成する複数の画像形成ユニット121Bk、121M、121Y、121C(以下121Bk〜Cと略記する。他の符号についても同様)が垂直方向に配列され、この画像形成ユニット121Bk〜121C(一部符号省略、以下同様)は、それぞれドラム状の感光体からなる感光体122Bk〜122C、帯電装置(例えば接触帯電装置)123Bk〜C、現像装置124Bk〜C、クリーニング装置125Bk〜C(図示省略)などから構成される。
光書き込み装置127は、それぞれBk、M、Y、C各色の画像信号により、半導体レーザ駆動回路で半導体レーザを駆動して、半導体レーザからのレーザビームを図示しないポリゴンミラーにより偏向走査し、このポリゴンミラーからの各レーザビームを図示しないfθレンズやミラーを介して感光体122Bk〜Cに結像することにより、感光体122Bk〜Cを露光して静電潜像を形成する。 この感光体122Bk〜C上の静電潜像は、それぞれ現像装置124Bk〜Cにより現像されてBk、M、Y、C各色のトナー像となる。したがって、帯電装置123Bk〜C、光書き込み装置127及び現像装置124Bk〜Cは、感光体122Bk〜C上にBk、M、Y、C各色の画像(トナー像)を形成する画像形成手段を構成している。
感光体122Bk〜C上に形成されたトナー像は転写ベルト126の移動に伴って、感光体122C上のシアントナー像が転写ベルト上に一次転写され、その上にイエロートナー像が転写され、更にその上にマゼンタトナー像が転写され、最後にブラックトナー像が転写されて転写ベルト126上にフルカラー画像が形成される。
転写ベルト126は水平方向及びその下側に配列されたローラ132、133及びローラ134に掛け渡され、駆動ローラ132が図示しない駆動部により回転駆動されて搬送直接転写ベルト126が感光体122Bk〜Cと同じ周速で回転する。レジストローラ131から送り出された転写紙は、転写ベルト126上のフルカラー画像が
転写ローラ141により形成される電界の作用で、転写紙側に転写され、搬送ベルト142に静電的に吸着されて確実に搬送される。
この転写紙は、定着装置150によりフルカラー画像が定着され、排紙ローラ158により本実施例の上部に設けられている排紙部160へ排出される。また、感光体522Bk〜Cは、トナー像転写後に図示しないクリーニング装置によりクリーニングされて次の画像形成動作に備える。
従来の発泡ローラを用いたベルト定着装置では、比較的低速な装置の場合には線速が遅いためにニップ時間を確保するための圧縮量は2mm程度だった(例えば特許文献1 参照。)。そのために発泡ローラの経時的な硬度低下は軽微であり、ローラが破壊に至ることは無かった。しかしながら高速な装置の場合、線速が速いためにニップ時間を確保するためには発泡ローラを3mm程度圧縮させてニップ幅を広く取る必要があるが、その場合、発泡させた箇所が破れる破泡という現象により、硬度が著しく低下し耐久性が落ちるといった問題が発生していた。
圧縮量はベルトテンションを弱める事で低減させる事が可能であるが、図8に示すように、ベルトが張架しているローラに乗り上げやすくなるといった副作用があるため、この方法は見送られてきた。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の無端状ベルト装置において、前記定着ローラが通紙時温度状態にあるとき、110N以下のテンションに保持されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載のベルト定着装置を搭載した画像形成装置を特徴とする。
同図において符号1は無端状ベルト、2は加熱ローラ、3は定着ローラ、4は加圧ローラ、5はテンションプレート、6は上側板、7はピン、8は引張りスプリング、9は下側板、10は段付きねじをそれぞれ示す。
無端状ベルト1は内部にヒータ(図示せず)を備えたφ38の加熱ローラ2と芯金が金属製でローラ部がφ52肉厚14mmの発泡弾性体からなる定着ローラ3により張架されている。発泡定着ローラの対向する位置には内部にヒータ(図示せず)を備えたφ50の加圧ローラ4が圧接されているが、加圧ローラは芯金の上に薄いソリッドゴムと離型層を被せた構成で軸上硬度が83Hs(アスカC)のローラであるため加圧ローラ4はほとんど圧縮せず、柔らかい発泡定着ローラ3が圧縮されニップを形成する構成となっている。発泡定着ローラ3の圧縮量は初期、所定のニップ幅が得られる約3mmとなるような荷重で加圧されている。破泡により硬度低下した場合にはその分、圧縮量が増える事でニップ幅の低下を抑える構成となっている。また図示していないが、発泡定着ローラが極力硬度低下しないように加圧ローラは通紙時のみ加圧し、非通紙時は減圧する構成となっている。
2つの引張りスプリング8によってリング状のベルトの張り側と緩み側それぞれにテンションがかかり、またテンションプレート5のレバー比によって加熱ローラにかかる荷重は引っ張りスプリング荷重の約1.7倍となるため、以降、ベルトテンション=加熱ローラにかかる総荷重の1/2と定義する。
発泡定着ローラ3は加熱ローラ2によって加熱されると熱膨張して外径がDからD1に膨らむ。ポリイミド製の無端状ベルトはほとんど伸びることがないので加熱ローラが発泡定着ローラ側へ引き寄せられて発泡定着ローラとの軸間がXからX1に縮む。これにより引張りスプリングの取り付け時長さはLからL1に伸びベルトテンションは上がる。逆に冷めるとローラ径が収縮し、引張りスプリングは元の長さに戻りテンションも戻る。したがって定着ローラが冷えるとベルトテンションは弱くなりローラが温まると強くなるという関係にある。
次に発泡定着ローラ3の硬度低下とベルトテンションの関係について図3と図4を用いて説明する。
図4は定着ローラへの通紙時間に対するゴム硬度の変化を示すグラフである。
発泡定着ローラは使用していくうちに表面近くが破泡して徐々に硬度が落ちる。初期40Hs(アスカC)の発泡定着ローラも通紙時の圧縮回転により最終的には25Hs(アスカC)程度に硬度が落ちる。更に使用すると発泡部が破壊するので25Hsを最低硬度としている。
実使用時においては、製造上の公差を考慮して設計値を定めるので、ここでは公差を±3Hsとして設計上の目標値を43Hs、最大値を46Hsに設定する。こうすれば、実際の製品の最低値が40Hsになってしまった場合でも、硬度25Hsに落ち込むまでの時間が十分とれる。
柔らかくなったローラ表面の、ベルトが巻きついている部分は加熱ローラに引っ張られることで見かけ上の半径が小さくなり(r→r’)、加熱ローラとの軸間が離れ(X2)、引張りスプリングの取り付け時長さが縮みベルトテンションは下がる。つまり、ローラが固いときベルトテンションは強く、ローラが柔らかい時ベルトテンションは弱くなるという関係にある。
次にテンションとニップ幅と発泡定着ローラの耐久性の関係について図5を用いて説明する。
同図は圧縮量を3mmに固定し、ベルトテンションを変化させてニップ幅を測定した結果である。ベルトテンションが弱いほどニップ幅は広がり、強いと狭くなるという関係にある。ベルトテンションを弱く設定できればそれだけ発泡定着ローラの圧縮量を小さく抑えて使用することが可能となるため硬度低下し難くなりローラの耐久性があがる。
次にベルト寄り、およびローラへのベルトの乗り上げ、とベルトテンションとの関係について説明する。
ベルト寄りは定着ローラ3に対する加熱ローラ2や加圧ローラ4の平行度ずれやベルトテンションの左右偏差、ローラ外径偏差等、様々な力のバランスが崩れて発生する。寄り力が小さい時はベルト1の寄り止めガイドで乗り上げを抑制する事が可能であり、加熱ローラ2両端部のベルトの寄り止めガイドと当接する箇所に回動自在に支持された部材を具備することにより、更に乗り上げに対する余裕度を増すことも可能であるが、限界を超えた寄り力だと張架しているローラに乗りあがりベルト1が破損する。
寄り力は測定が困難なため、代用特性として寄り速度を用いているが、乗り上げが発生する時の寄り速度とベルトテンションとは相関関係にあり、テンションが強いと速い寄り速度でも乗り上げは発生しないが、弱いと遅い寄り速度でも乗り上げが発生する。
このように、発泡定着ローラ3の硬度低下対策にはテンションを弱めることが有効であるが、一方でローラへの乗り上げに対してはテンションを強める事が有効という、相反する条件の中でテンションを決定しなければならない。
まずベルト乗り上げ限界速度から適正なベルトテンションを求める。
ベルト定着装置5台の寄り速度の実力を測定したところ、前寄り90μm/sec〜後寄り113μm/secの範囲に収まっていた。安全率を2とすると180〜226μm/secとなり、約200μm/secの寄り速度でローラへの乗り上げが発生しなければ良いという事になる。これを満足するベルトテンションは同図から約40Nということになる。
ローラ硬度は前記のように25Hs程度まで低下し、それにより引張りスプリング8の取り付け時長さも収縮してベルトテンションが低下してしまうため、硬度の下限値としている25Hsにおけるテンションが約40N必要という事になる。
またこれも前記したが発泡定着ローラ3が加熱により熱膨張すると引張りスプリング8の取り付け時長さが伸張してテンションが上昇する。画像形成装置を立ち上げる時は室温まで冷えた状態で行われこともあるため、熱膨張していない室温でベルトテンションが約40N必要という事になる。
図5から、発泡定着ローラ3の圧縮量3mm以下で狙いのニップ幅を得るためにはベルトテンションは約110N以下でなければならないことが判る。110Nを超えると狙いのニップ幅を出すためには圧縮量を増大させなければならず、更に硬度低下が著しくなり耐久性が落ちることになる。最もテンションが張る条件はローラ硬度が高く、且つローラが熱膨張する時であるから、ローラ硬度が40Hsで通紙時温度(この定着装置の場合、普通紙で155℃)に加熱された時、ベルトテンションが約110N以下である必要があるということになる。
以上の結果から、ベルトテンションの適正値は最も緩む時で約40N以上、最も張る時で約110N以下となる。
本発明は、このようにして得られた条件を適用した無端状ベルト装置と、その無端状ベルト装置を搭載したベルト定着装置、および、そのベルト定着装置を搭載した画像形成装置を提案するものである。
2 加熱ローラ
3 定着ローラ
4 加圧ローラ
8 引張りスプリング
Claims (4)
- 内部に熱源を有する加熱ローラと、定着ローラと、該定着ローラと前記加熱ローラとに張架される無端状ベルトと、を有する無端状ベルト装置において、前記定着ローラは少なくとも外周が発泡部材で形成され、該発泡部材のアスカC硬度が25〜46Hsであって、前記定着ローラが室温状態のとき、前記無端状ベルトは40N以上のテンションで張架されることを特徴とする無端状ベルト装置。
- 請求項1に記載の無端状ベルト装置において、前記定着ローラが通紙時温度状態にあるとき、110N以下のテンションに保持されることを特徴とする無端状ベルト装置。
- 請求項1または2に記載の無端状ベルト装置を搭載したことを特徴とするベルト定着装置。
- 請求項3に記載のベルト定着装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
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