JP2009014992A - 現像装置及び現像装置を備えた画像形成装置、並びに記録物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フルカラーの高速広幅印刷プロセスにおいても高い現像能力と均一現像性の両方を確保できるの現像装置102の提供。
【解決手段】画像形成装置に備えた噴水型現像装置であって、現像部における感光体101と現像ローラ2との間隙である現像ギャップをG(mm)、現像剤4の体積抵抗率をR(Ωcm)、感光体101と現像ローラ2との間の現像剤充填率をAとし、感光体101の周速をv(mm/秒)、感光体101と現像ローラ2の近接部の幅である現像ニップ幅をW(mm)、感光体101と現像ローラ2との間に印加されるバイアス電圧の交流成分の周波数をF(Hz)としたとき、現像ローラ2は、式8≦G/A×Log(R)≦24及び式40≦F×W/V≦130を満たす現像装置102。
【選択図】図1
【解決手段】画像形成装置に備えた噴水型現像装置であって、現像部における感光体101と現像ローラ2との間隙である現像ギャップをG(mm)、現像剤4の体積抵抗率をR(Ωcm)、感光体101と現像ローラ2との間の現像剤充填率をAとし、感光体101の周速をv(mm/秒)、感光体101と現像ローラ2の近接部の幅である現像ニップ幅をW(mm)、感光体101と現像ローラ2との間に印加されるバイアス電圧の交流成分の周波数をF(Hz)としたとき、現像ローラ2は、式8≦G/A×Log(R)≦24及び式40≦F×W/V≦130を満たす現像装置102。
【選択図】図1
Description
本発明は、現像装置及びこの現像装置を備えた画像形成装置、並びに記録物の製造方法に関する。
電子写真方式のプリンタ、複写機等の画像記録装置では、一方向に回転する感光体と呼ばれる静電潜像担持体上に形成された静電潜像に、現像装置からトナーと呼ばれる像可視化剤を供給して静電潜像を可視像化し、このトナー像を記録紙上に転写して定着することにより印刷物等を製造する。
この電子写真方式の画像記録装置に適用される現像装置としては、非磁性剤であるトナーとキャリアと呼ばれる磁性粉体とからなる二成分現像剤を用いた現像装置が多用されており、この2成分形現像剤は現像剤収容部で攪拌することにより、現像剤中のトナーとキャリアが摩擦しあい、それぞれが所定量に帯電して搬送されたり、静電潜像を現像したりすることができる。
所定の帯電量に帯電された現像剤は、現像剤収容部から現像スリーブと現像スリーブの内部に配置された複数の磁石から成る現像剤担持体(現像ローラという。)表面に供給される。この現像ローラの表面に供給された現像剤は、所謂磁気ブラシ状態で現像ローラの表面に付着し保持されると共に、現像ローラの回転によって搬送され、現像ローラの外周に近接配置されたドクターブレ−ドと呼ばれる、現像剤の現像ローラへの付着量を制御する現像剤制御部材との間隙を通過した後、感光体との対向部である現像ニップ領域に搬送される。
このような2成分形現像剤を用いる現像装置においては、様々な構成が提案されているが、特に印刷物の搬出速度であるプロセス速度500mm/秒以上の高速印刷プロセスにおいては、現像能力を確保する方法として、ハイブリッド方式の現像装置が広く用いられている。ハイブリッド現像方式の現像装置は回転方向が異なる複数の現像ローラを感光体に対向させた構成をしている。なお、以下、ハイブリッド方式の現像装置を説明するにあたり、便宜上、「順回転現像ローラ」および「逆回転現像ローラ」と言う表現を用いる。ここで、「順回転現像ローラ」とは感光体が時計方向に回転するとした場合に反時計方向に回転する現像ローラを意味する。即ち、現像ニップ領域で見た場合に両者の移動方向が同方向となる現像ローラが順方向現像ローラである。これに対し、「逆回転現像ローラ」とは、感光体が時計方向に回転するとした場合に同じ時計方向に回転する現像剤担持体を意味する。即ち、現像ニップ領域で見た場合に両者の移動方向が逆方向となる現像ローラが逆回転現像ローラである。
順回転現像ローラと逆回転現像ローラを組み合わせた構成の中で、感光体の現像部において、感光体の回転方向の上流側に逆回転現像ローラ、下流側に順回転現像ローラが隣接して配置し、逆回転現像ローラと順回転現像ローラの間に両刃のドクターブレードを配置した構成の現像装置は、特に噴水型現像機と呼ばれている。この噴水型現像機は低回転数でも高い周速比が確保できる「逆回転現像ローラ」を備えており、更に、「順回転現像ローラ」と「逆回転現像ローラ」に常にフレッシュな現像剤を供給できることから、高い現像能力が確保でき、且つ、現像ローラの回転方向に起因して生じる画像の後端欠け、先端欠けが等が発生しにくく、また、ドクターブレードが両刃のもの一つで良いため、現像機本体をコンパクトに出来る利点がある。
ここで、前記ドクターブレ−ドは、現像ローラの表面上に保持された現像剤の磁気ブラシを穂切りし、現像ニップ領域に搬送される現像剤を適正量に維持する目的で設置されている。このドクターブレードにて所定量に制御された現像剤は、現像ローラの回転に伴って現像ニップ領域に搬送され、現像ニップ領域において感光体表面に接触しながら静電潜像部に付着して現像を形成する。この時、現像ローラには、感光体表面の非画像形成部(白紙部分)と画像形成部(静電潜像形成部分)のうち、画像形成部にトナーのみを付着させるバイアス電圧が印加されており、静電潜像担持体の画像形成部にのみトナー像が形成される。なお、噴水型現像機については、例えば、特許文献1に詳細が開示されている。
上述したように、噴水型現像機はその優れた現像性のため、特に高い生産性が要求される高速連帳紙プリンタの印刷プロセスに採用されてきた。また、高速カラー印刷装置の場合は、複数印写を用いたタンデム印刷方式が用いられる場合が多く、更に現像機のコンパクト化が必要となるため上記噴水型現像機が有利と考えられる。
更に、連帳紙プリンタでは生産性を確保するため、一般的に幅広用紙の適用が要求される。これは、高生産性を印刷速度アップのみで確保するには技術上の課題が大きいためである。つまり、同じプロセス速度の画像形成装置でも使用用紙幅を倍にすることで2倍の生産性が確保できるのである。例えば19.5インチサイズ幅用紙での印刷が可能な画像形成装置ではレターサイズ(8.5インチ)幅用紙(約220mm)が紙幅方向に3枚印刷可能となる。そのため高い生産性が要求される連帳紙プリンタでは一般的に、用紙幅19.5インチサイズ以上の印刷に対応するため感光体及び現像ローラの長さは約500mm以上が必要となる。このような幅広印刷に対応するには感光体と現像ローラとで形成される現像ニップ部の感光体と現像ローラとの間隙の距離(以降、現像ギャップという。)の精度確保が難しく、現像ギャップは一般的なカット紙プリンタの現像ギャップと比べ広く設定されている。現像ギャップを広くして現像を行った場合、現像ニップ部の現像電界の潜像エッジ部への集中(エッジ効果)が生じ、上述した現像ローラの回転方向に起因して生じる画像端部の欠けも生じ易くなる。逆回転現像ローラと順回転現像ローラを備えた噴水型現像機は、この画像欠けを現像方向が異なる順回転ローラと逆回転現像ローラの組み合わせで補うことができるため、幅広用紙に現像を行う高速連帳紙プリンタには適した現像方式であった。
特願昭53−17741号公報 (第1−3頁、図2)
近年の高画質化のニーズに伴い、高速印刷機においても、フルカラー印刷が要求されている。通常、フルカラー印刷はマゼンタ、シアン、イエローの単色カラー像を重ね合せることで実現するため、上記単色カラー画像には均一性が要求される。例えばエッジ効果が大きい現像条件で単色カラー画像を作製した場合、ベタ画像端部のトナー付着量が多くなり、それらの単色のベタ画像を重ね合せて作成したフルカラーのベタ画像では画像周辺部の色合いに差異が生じることになる。また、フルカラー印刷プロセスの転写、定着では最大3層分のトナー層が形成されており、その転写、定着を行う必要があるが、エッジ効果によるトナーの過剰付着があるトナー画像の部分では、転写や定着への負荷が更に大きくなり、転写不足、定着不足に起因する画像欠陥を生じやすくなる恐れがある。
エッジ効果の低減策には現像ギャップの狭小化や現像剤の低抵抗化も考えられる。しかし、高速印刷プロセスでの極端な現像ギャップの狭小化(例えば現像ギャップ0.3mm)は現像剤詰まりを生じやすくする。特に、逆回転現像ローラを使用する噴水型現像では、感光体との摺擦が大きいため、現像剤目詰まりが生じやすい。一方、現像剤の極端な低抵抗化、特にキャリアの低抵抗化は、キャリアの電荷注入が原因のキャリアチェーンの切断が生じ易くなり、高速印刷プロセスにおいてはキャリア付着の問題が生じる。このように、高速印刷プロセスで高い現像性を確保できる噴水型現像装置ではあるが、フルカラー印刷に要求される画像の均一性を確保するにはまだ問題点が残っている。
本発明の目的は、上記課題を踏まえ、噴水型現像装置において、画像の均一性を確保する現像装置及びこの現像装置を備えた画像形成装置、並びに画像ムラのない画像記録物を提供することである。
上記課題を解決するため本発明者等は、以下の発明を完成した。
本発明は、電子写真方式の画像形成装置の静電潜像担持体の現像部において現像剤を供給して静電潜像担持体上の静電潜像を現像する現像装置であって、
それぞれ静電潜像担持体に対向し、互いに逆回転しながら静電潜像担持体に現像剤を供給する一対の現像剤担持体と、前記一対の現像剤担持体の間にそれぞれの現像剤担持体への現像剤供給量を制御する現像剤制御部材とを備えた噴水型現像装置であって、
前記現像部における静電潜像担持体と現像剤担持体との間隙である現像ギャップをG(mm)、現像剤の体積抵抗率をR(Ωcm)、静電潜像担持体と現像剤担持体との間の現像剤充填率をAとし、静電潜像担持体の周速をv(mm/秒)、静電潜像担持体と現像剤担持体の近接部の幅である現像ニップ幅をW(mm)、静電潜像担持体と現像剤担持体との間に印加されるバイアス電圧の交流成分の周波数をF(Hz)としたとき、少なくとも一つの現像ローラは下記(a)式及び(b)式
(a) 8≦G/A×Log(R)≦24
(b) 40≦F×W/V≦130
を満たすことを特徴とする現像装置である。
本発明は、電子写真方式の画像形成装置の静電潜像担持体の現像部において現像剤を供給して静電潜像担持体上の静電潜像を現像する現像装置であって、
それぞれ静電潜像担持体に対向し、互いに逆回転しながら静電潜像担持体に現像剤を供給する一対の現像剤担持体と、前記一対の現像剤担持体の間にそれぞれの現像剤担持体への現像剤供給量を制御する現像剤制御部材とを備えた噴水型現像装置であって、
前記現像部における静電潜像担持体と現像剤担持体との間隙である現像ギャップをG(mm)、現像剤の体積抵抗率をR(Ωcm)、静電潜像担持体と現像剤担持体との間の現像剤充填率をAとし、静電潜像担持体の周速をv(mm/秒)、静電潜像担持体と現像剤担持体の近接部の幅である現像ニップ幅をW(mm)、静電潜像担持体と現像剤担持体との間に印加されるバイアス電圧の交流成分の周波数をF(Hz)としたとき、少なくとも一つの現像ローラは下記(a)式及び(b)式
(a) 8≦G/A×Log(R)≦24
(b) 40≦F×W/V≦130
を満たすことを特徴とする現像装置である。
好ましい本発明は、前記現像剤担持体が、現像部における静電潜像担持体の回転方向下流側に位置し、静電潜像担持体と逆方向に回転する現像剤担持体ことを特徴とする前記現像装置である。
好ましい本発明は、前記ニップ間隔G(mm)が0.4(mm)〜0.6(mm)であり、前記現像剤充填率Aが0.25〜0.4であることを特徴とする前記現像装置である。
好ましい本発明は、前記順回転現像剤担持体と静電潜像担持体の間に印加されるバイアス電圧の交流成分の周波数Fが8kHz〜12kHzで、振幅Vppが400V〜700Vであることを特徴とする前記現像装置である。
好ましい本発明は、前記現像剤は、トナーとキャリアを含む2成分系現像剤であることを特徴とする前記現像装置である。
好ましい本発明は、前記静電潜像担持体及び現像剤担持体の長さが500mm以上であり、プロセス速度が500mm/秒以上であることを特徴とする前記現像装置である。
本発明は、表面に静電潜像を形成する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる耐電装置と、帯電した静電潜像担持体表面に光照射して静電潜像を形成する光走査装置と、静電潜像担持体表面に形成された静電潜像に現像剤を供給して現像を形成する現像装置と、電潜像担持体表面に形成された現像を記録媒体に転写する転写装置とを備えた電子写真式の画像形成装置であって、前記現像装置が本発明の現像装置であることを特徴とする画像形成装置である。
本発明は、表面に静電潜像を形成する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる耐電装置と、帯電した静電潜像担持体表面に光照射して静電潜像を形成する光走査装置と、静電潜像担持体表面に形成された静電潜像に現像剤を供給して現像を形成する現像装置と、電潜像担持体表面に形成された現像を記録媒体に転写する転写装置とを備えた電子写真式の画像形成装置による画像記録物の製造方法であって、
前記現像装置は、それぞれ静電潜像担持体に対向し、互いに逆回転しながら静電潜像担持体に現像剤を供給する一対の現像剤担持体と、前記一対の現像剤担持体の間にそれぞれの現像剤担持体への現像剤供給量を制御する現像剤制御部材とを備えた噴水型現像装置であり、
前記現像部における静電潜像担持体と現像剤担持体との間隙である現像ギャップをG(mm)、現像剤の体積抵抗率をR(Ωcm)、静電潜像担持体と現像剤担持体との間の現像剤充填率をAとし、静電潜像担持体の周速をv(mm/秒)、静電潜像担持体と現像剤担持体の近接部の幅である現像ニップ幅をW(mm)、静電潜像担持体と現像剤担持体との間に印加されるバイアス電圧の交流成分の周波数をF(Hz)としたとき、少なくとも一つの現像ローラは下記(a)式及び(b)式
(a) 8≦G/A×Log(R)≦24
(b) 40≦F×W/V≦130
を満たすようにすることを特徴とする画像形成装置による画像記録物の製造方法である。
前記現像装置は、それぞれ静電潜像担持体に対向し、互いに逆回転しながら静電潜像担持体に現像剤を供給する一対の現像剤担持体と、前記一対の現像剤担持体の間にそれぞれの現像剤担持体への現像剤供給量を制御する現像剤制御部材とを備えた噴水型現像装置であり、
前記現像部における静電潜像担持体と現像剤担持体との間隙である現像ギャップをG(mm)、現像剤の体積抵抗率をR(Ωcm)、静電潜像担持体と現像剤担持体との間の現像剤充填率をAとし、静電潜像担持体の周速をv(mm/秒)、静電潜像担持体と現像剤担持体の近接部の幅である現像ニップ幅をW(mm)、静電潜像担持体と現像剤担持体との間に印加されるバイアス電圧の交流成分の周波数をF(Hz)としたとき、少なくとも一つの現像ローラは下記(a)式及び(b)式
(a) 8≦G/A×Log(R)≦24
(b) 40≦F×W/V≦130
を満たすようにすることを特徴とする画像形成装置による画像記録物の製造方法である。
表面に静電潜像を形成する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる耐電装置と、帯電した静電潜像担持体表面に光照射して静電潜像を形成する光走査装置と、静電潜像担持体表面に形成された静電潜像に現像剤を供給して現像を形成する現像装置と、電潜像担持体表面に形成された現像を記録媒体に転写する転写装置とを備えた電子写真式の画像形成装置による画像記録物の製造方法であって、
前記現像装置は、それぞれ静電潜像担持体に対向し、互いに逆回転しながら静電潜像担持体に現像剤を供給する一対の現像剤担持体と、前記一対の現像剤担持体の間にそれぞれの現像剤担持体への現像剤供給量を制御する現像剤制御部材とを備えた噴水型現像装置であり、
前記現像部における静電潜像担持体と現像剤担持体との間隙である現像ギャップをG(mm)、現像剤の体積抵抗率をR(Ωcm)、静電潜像担持体と現像剤担持体との間の現像剤充填率をAとし、静電潜像担持体の周速をv(mm/秒)、静電潜像担持体と現像剤担持体の近接部の幅である現像ニップ幅をW(mm)、静電潜像担持体と現像剤担持体との間に印加されるバイアス電圧の交流成分の周波数をF(Hz)としたとき、少なくとも一つの現像ローラは下記(a)式及び(b)式を満たすようにすることを特徴とする画像形成装置による画像記録物の製造方法である。
(a) 8≦G/A×Log(R)≦24
(b) 40≦F×W/V≦130
前記現像装置は、それぞれ静電潜像担持体に対向し、互いに逆回転しながら静電潜像担持体に現像剤を供給する一対の現像剤担持体と、前記一対の現像剤担持体の間にそれぞれの現像剤担持体への現像剤供給量を制御する現像剤制御部材とを備えた噴水型現像装置であり、
前記現像部における静電潜像担持体と現像剤担持体との間隙である現像ギャップをG(mm)、現像剤の体積抵抗率をR(Ωcm)、静電潜像担持体と現像剤担持体との間の現像剤充填率をAとし、静電潜像担持体の周速をv(mm/秒)、静電潜像担持体と現像剤担持体の近接部の幅である現像ニップ幅をW(mm)、静電潜像担持体と現像剤担持体との間に印加されるバイアス電圧の交流成分の周波数をF(Hz)としたとき、少なくとも一つの現像ローラは下記(a)式及び(b)式を満たすようにすることを特徴とする画像形成装置による画像記録物の製造方法である。
(a) 8≦G/A×Log(R)≦24
(b) 40≦F×W/V≦130
本発明によれば、噴水型現像装置において、画像の均一性を確保する現像装置及びこの現像装置を備えた画像形成装置、並びに画像ムラのない画像記録物を提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態を必要に応じて図面を参照にして説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明の好ましい形態における例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
本発明の現像装置は、電子写真方式の画像形成装置の静電潜像担持体(感光体という。)の現像部において現像剤を供給して感光体上の静電潜像を現像する装置であって、それぞれ感光体に対向し、互いに逆回転しながら感光体に現像剤を供給する一対の現像剤担持体(現像ローラという。)と、その一対の現像ローラの間に、それぞれの現像剤担持体への現像剤供給量を制御する現像剤制御部材とを備えた噴水型現像装置である。なお、現像ローラは一対でなくとも、3個以上又は2対以上あってもよい。そして、本発明の現像装置は、感光体と現像ローラとの間隙である現像ギャップをG(mm)、現像剤の体積抵抗率をR(Ωcm)、現像剤担持体と静電潜像担持体との間の現像剤充填率をAとし、感光体の周速をv(mm/秒)、感光体と現像ローラとの近接部の長さである現像ニップ幅をW(mm)、感光体と現像ローラとの間に印加されるバイアス電圧の交流成分の周波数をF(Hz)としたとき、少なくとも一つの現像ローラは下記(a)式及び(b)式を満たす現像装置である。
(a) 8≦G/A×Log(R)≦24
(b) 40≦F×W/V≦130
さらに、上記(a)式及び(b)式を満たす現像ローラは、現像部における感光体の回転方向下流側に位置し、感光体と逆方向に回転する現像ローラ(以下、順回転現像ローラという。)である。現像部における感光体の回転方向下流側に位置する順回転現像ローラは、画像形成における現像剤の付着量決定に最も重要であり、この現像ローラの現像条件が記録材料に記録された画像の品質を大きく左右する。
(a) 8≦G/A×Log(R)≦24
(b) 40≦F×W/V≦130
さらに、上記(a)式及び(b)式を満たす現像ローラは、現像部における感光体の回転方向下流側に位置し、感光体と逆方向に回転する現像ローラ(以下、順回転現像ローラという。)である。現像部における感光体の回転方向下流側に位置する順回転現像ローラは、画像形成における現像剤の付着量決定に最も重要であり、この現像ローラの現像条件が記録材料に記録された画像の品質を大きく左右する。
感光体と現像ローラとの現像部における間隔である現像ギャップG(mm)は、0.4〜0.6とすることが好ましい。19.5インチサイズ用紙に対応する幅広現像では感光体や現像ローラが長尺となり、その加工精度(振れ)や取付け精度を厳密に確保することが難しく、感光体と現像ローラとの距離G(mm)を0.4より小さく設定した場合、上記部品精度や取り付け精度に起因する現像ローラの長手方向及び円周方向の現像ギャップの変動による現像状態の変動や現像剤の目詰まりの問題が生じ安くなる。一方、現像ギャップGを0.6より大きくした場合、画像形成の高生産性に要求される500mm/秒以上のプロセス速度に対応する為の現像能力確保が困難となる。ある程度の現像能力向上は現像ローラの回転数アップによっても可能であるが、現像ローラの回転数を挙げすぎると、現像ローラの回転方向に起因して生じる画像端部の欠けが発生し易くなる。この画像端部の欠けはエッジ効果が大きい現像条件下で生じ易く、現像ギャップGが0.6より大きい現像条件では高速現像能力確保と画像端部欠け防止の両立が困難となる。
現像ローラと感光体との間の現像剤充填率Aは0.25〜0.4に設定することが好ましい。現像剤充填率Aが小さくなると現像ニップ部における現像剤の静電潜像担持体への接触機会が小さくなり、高速での現像が困難になる。ここで想定している500mm/秒以上のプロセス速度では充填率Aが0.25より小さくなった場合、充分な現像能力確保が困難となる。一方、現像剤充填率Aが0.45より大きい場合は、現像ニップでの現像剤密度が高すぎることになり、感光体への現像剤の磁気ブラシの摺擦が過剰となり現像剤筋等の画質劣化が生じ安くなり、更に現像剤の過剰な充填に繋がりやすく、現像ニップ部での現像剤詰まりを生じることがある。
現像ローラと感光体との間に印加されるバイアス電圧においては、その交流成分の周波数Fが8kHz〜12kHzに設定され、振幅Vppが400V〜700Vに設定されることが好ましい。通常のACバイアス現像方式(特にジャンピング現像方式)において周波数Fは、トナー粒子の移動(振動)回数を制御する因子であり、トナー粒子の感光体との接触と離脱の回数が現像再現性(トナー画像の静電潜像パターン再現性)向上と高い現像能力を確保できる適正値に設定される。しかし、本発明におけるACバイアス使用目的は現像ニップ領域の見掛け抵抗を下げることによるエッジ効果の抑制であり、通常のACバイス現像で用いられる条件よりも高周波域の条件とすることが好ましい。本発明において周波数Fが8kHzよりも小さい場合は、特に比較的高抵抗な現像剤を用いた場合に現像抵抗低減効果が小さく、エッジ効果の抑制が十分ではなくなる恐れがある。一方、周波数Fが12kHzより大きい場合は現像ニップ部での電流リーク(放電)が生じ易くなり好ましくない。電流リークが生じた場合、印刷画像にはリークに起因する筋状の画像欠陥が発生する。
本発明における現像装置のバイアス電圧の振幅Vppは、400−700Vであることが好ましい。現像ニップ領域の見かけ抵抗への影響は小さいが、現像ニップ領域の電界を形成する因子であり、適正値に設定される必要がある。本発明では印刷プロセス速度500mm/秒以上に対応する高現像能力が必要となる。振幅Vppが400Vより小さい場合、上記高速プロセス下での現像能力が得られにくくなる恐れが生じる。一方、振幅Vppが700Vを越える場合は、現像ニップ部での電流リーク(放電)が生じ易くなり、リークに起因する筋状の画像欠陥の発生が問題となることがある。
本発明の現像装置としては、非磁性剤であるトナーとキャリアと呼ばれる磁性粉体とからなる二成分現像剤を用いた現像装置が好ましい。この2成分形現像剤は現像剤収容部で攪拌することにより、現像剤中のトナーとキャリアが摩擦しあい、それぞれが所定量に帯電して搬送されたり、静電潜像を現像したりすることができる。キャリアとトナーが現像ローラ上に好適な磁気ブラシを形成し、500mm/秒以上のプロセス速度に対応した現像プロセスに好適である。
現像装置を上述のような現像条件とすることで、使用用紙幅が19.5インチサイズ(500mm)以上であり、プロセス速度500mm/sec以上の高速広幅連帳印刷においても高い現像能力とエッジ効果の小さい均一現像特性を発揮できる。本発明の現像装置は高速現像能力を確保するため、逆回転と順回転の複数本現像剤担持体を具備した噴水型現像装置に関するものであり、感光体及び現像ローラの長さが500mm以上の幅広現像機種であり、プロセス速度500mm/sec以上の高速現像領域で特に有効な技術となる。プロセス速度が500mm/sec以上画像形成装置の場合、複数の現像ローラを有する現像装置を用いるハイブリッド現像装置の必要性が高い。
また、感光体及び現像ローラの長さが500mm以上の幅広現像機種の場合は、現像ギャップ狭小化が図り難い、幅広高速現像プロセスにおいてエッジ効果を抑制し、均一現像特性を実現するための現像ニップ領域の電気抵抗に関係する指標であるG/A×LOG(R)と現像バイアスの交流成分条件の適正範囲を提供し、現像ギャップをある程度広めにすることで、感光体や現像ローラの製作精度や取り付け精度に余裕を持たせることができる。
現像ニップ領域の電気抵抗に関係する因子は、現像ローラと感光体の距離G(mm)と現像剤の体積抵抗率R(Ωcm)と現像ローラと感光体との間の現像剤充填率Aが関係し式(a)[8≦G/A×Log(R)≦24]を現像ニップ領域の電気抵抗指標とした。また、エッジ効果を抑制するための現像バイアス条件には、バイアス電圧の交流成分の周波数をF(Hz)、静電潜像担持体の周速をV(mm/秒)、及び現像ニップ幅をW(mm)が関係し、その指標として式(b)[40≦F×W/V≦130]を用いた。上記の各現像因子とエッジ効果について検討した結果、式(a)及び式(b)を満足することで、噴水型現像機の特長である高現像性を維持しつつ、エッジ効果を抑制し、カラー印刷でも色ムラを発生させない均一現像特性が実現できる。
ここで、上記式(a)においてG/A×Log(R)が8より小さい場合、現像ニップ領域の抵抗が小さくなり過ぎ交流成分を有する現像バイアス電圧を印加した際に現像リークを生じ易くなる。一方、G/A×Log(R)が24より大きい場合は現像ニップ領域の電界集中が過剰となり、現像バイアスの交流成分における実用可能条件内でのエッジ効果抑制および現像能力確保が困難となる。
上記式(b)において、F×W/Vが40より小さい場合、現像ニップ領域における交流成分による抵抗低減効果が得られず、カラー印刷に必要なエッジ効果抑制が不十分となる。一方、F×W/Vが130より大きい場合は、現像バイアス電圧のリークが生じ、バイアスリークによる画像欠陥(白抜け)が生じ易くなる。
(実施例1)
本発明の実施例1を、図1及び図2を参照にして説明する。図1は本発明の実施形態例である逆回転現像ローラ1及び順回転現像ローラ2を用いた噴水型現像装置102の概略図であり、図2は図1おける現像ニップ部の拡大図で、逆回転現像スリーブ201と順回転現像スリーブ202の表面状態と配置状態を表す。
本発明の実施例1を、図1及び図2を参照にして説明する。図1は本発明の実施形態例である逆回転現像ローラ1及び順回転現像ローラ2を用いた噴水型現像装置102の概略図であり、図2は図1おける現像ニップ部の拡大図で、逆回転現像スリーブ201と順回転現像スリーブ202の表面状態と配置状態を表す。
図1に示した本実施例は、逆回転現像ローラ1と順回転現像ローラ2が感光ドラム101と対向し、逆回転現像ローラ1は感光ドラム101の回転方向(図中の矢印Aで示した)に対して逆方向に(図中の矢印Eで示した方向に)回転し、順回転現像ローラ2は感光ドラム101の回転方向に対して順方向に(図中の矢印Fで示した方向に)回転するように設置された現像装置102に関するものである。
本実施例においては、静電潜像担持体としてドラム状の感光体101を用いているが、これは例えば、特定の軌道上を周回する感光体ベルトのような静電潜像担持体としても良い。また、現像装置102においては、逆回転現像ローラ1と順回転現像ローラ2の間にドクターブレ−ド3と呼ばれる現像剤制御部材が配置されている。現像剤4と呼ばれる像可視化剤は、プラス帯電性の磁性キャリアとマイナス帯電性の非磁性のトナーと呼ばれる感光ドラム101上の潜像をトナー像にする粉体とで構成され、現像剤4には、全重量の3〜6重量%のトナーが混合されているが、画像形成動作によって、現像剤4中のトナーのみがトナー像となって消費されるため、現像装置102内にある現像剤4中のトナーは減少する。このため、本実施形態の現像装置102ではトナー貯留供給装置9からトナー5を現像装置102の現像剤攪拌部に供給し、現像剤4と混合攪拌することにより常にトナー含有量を一定にしておく。
現像装置102の現像剤攪拌部には、螺旋状のスクリュー形状の混合攪拌部材7,8が設置されており、図1の矢印C,Dの方向に回転することによって現像剤4を攪拌し、キャリアとトナーを混合する。また、現像剤4中のキャリアとトナーはこの混合攪拌部材7,8で攪拌されることによって、互いに摩擦帯電し、所定の帯電値に帯電する。本実施例で用いた現像剤4は粒径6.8μmのポリエステル系トナーと粒径65μmのMgFeキャリアであり、トナー濃度は4.5重量%とした。また、コート条件で体積抵抗を変えたキャリアを用いて、現像剤の体積抵抗を5×107Ωcmから5×1010Ωcmの範囲で変化させた数種類の現像剤用いた。また、その際の、トナーの帯電量は−20μC/gから−30μC/gの範囲とした。
このように、所定の帯電量に帯電したトナーを含有した現像剤4は、さらに搬送部材6を矢印Bの方向に回転することによって、搬送部材6の上側を図中、右から左に搬送され、順現像ローラ2の近傍に導かれる。この時、逆回転現像ローラ1と順回転現像ローラ2は図2に示すように内部にN極とS極を交互に着磁したマグネットを固定して設置されており、逆回転現像ローラ1と順回転現像ローラ2の外周部には回転可能な現像スリーブ201、202を具備している。このため順回転現像ローラ2の近傍にある現像剤4はマグネットの磁力によって現像スリーブ202の回転に伴って、ドクターブレード3付近まで搬送される。
その後、現像剤4はドクターブレード3の先端部で分流し、一部は順回転現像ローラ2に磁気ブラシ状態で付着したままで、その他は上方に隣接した逆回転現像ローラ1のスリーブ201に磁気ブラシ状態で付着する。両方のスリーブ201,202に磁気ブラシ状態で付着した現像剤4は、現像ローラ1,2とドクターブレード3とで形成されるドクターギャップを通過するが、このとき磁気ブラシ状態の現像剤4はドクターブレード3での通過量規制によって所定量に制御され、適正量の磁気ブラシとなってそれぞれの現像ローラ1,2の現像部に導かれる。
現像部へ導かれた磁気ブラシ状態の現像剤4は、現像ニップ部の現像ギャップにおいて感光ドラム101の表面を摺擦し、帯電、露光工程により感光ドラム101の表面上に形成されている静電潜像にトナーを移動し、トナー像を形成する。その後、感光ドラム101上の可視トナー画像は図示しない転写工程により記録部材である用紙に印刷された後、定着工程において用紙上に固着される。
以上のような一連の印刷動作において、現像装置102が所定の現像性能を発揮するためには、現像ニップ領域における逆回転現像ローラ1と順回転現像ローラ2での現像剤4の安定搬送及び十分な現像能力確保、そして現像均一化を行なうことが重要であり、この方法を、図2を用いながら説明する。
図2は本発明の現像装置102における感光ドラム101と逆回転現像ローラ1と順回転現像ローラ2で構成される現像ニップ部の拡大図である。現像剤の体積抵抗率R(Ωcm)は直径2cmの円形電極間に測定する現像剤(約1g、セル間距離:約2mm)を挟み、そこに直流電圧1000Vを印加し(電界:約5000V/cm)、電圧印加後30秒の抵抗値を超高抵抗計で測定し、体積抵抗率に換算した。
また、現像均一性の評価は設定トナー付着量(用紙上、0.45mg/cm2)で印刷された単色ベタ画像サンプルの画像端部の目視評価および線画像とベタ画像のトナー付着量の比にて行った。ここで、線/ベタ付着量の比とは、線画像とベタ画像との単位面積あたりのトナー付着量比から求めた値であり、ベタ画像付着量の測定は規定寸法(実施例では1インチ×1インチ)で印刷した未定着ベタ画像の用紙上トナーを吸引式小型帯電量測定装置(TREK社製 Model 210HS−2A)で吸引収集しその重量を単位面積値に換算した。ベタ画像のトナー付着量は現像バイアス電位の直流成分を調整し、用紙上の反射画像濃度I.Dが約1.3となる0.5mg/cm2が得られるようにした。
一方、線画トナー付着量はこの現像バイアス条件下で線幅が約350μmの縦線パターン(現像ローラ1、2の回転方向に対して平行な線画パターン)の未定着画像を印刷し、実印刷画像の線幅、長さを計測した後、上記ベタ画像の場合と同様に用紙上のトナー量を計測し、単位面積あたりの付着量を求めた。線幅350μmの線画パターンを用いた理由は、最も現像電界が集中し、エッジ効果によるトナー付着量増大が最も顕著に現れるパターンのためである。
ベタ画像と線画像とのトナー付着量が違った場合、画像濃度の違いが生じ、特にカラー印刷の場合、色差として人間の目に見え易くなる。我々の検討結果から線/ベタ付着量の比が1.25を越えた場合、線画像とベタ画像の色差ΔE*(色座標のL*a*b*表示系において色差ΔE*={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2で計算される)が5上となり色の違いとして認識され易くなることが判っており、線/ベタ付着量の比の許容値は1.25以下に設定した。
また、ベタ画像印刷サンプルのエッジ部目視評価でも、線画/ベタ画像のトナー付着量比が約1.25以上となった場合、印刷サンプルのエッジ効果が目視確認できた。
本実施形態の現像条件について以下に記載する。
本実施形態では、逆回転現像ローラ1の現像スリーブ201、及び回転現像ローラ2の現像スリーブ202は、その表面がSUS溶射によるメテコロイ処理が成され、現像ニップ部(主極)の磁力は1200Gに設定した。
本実施形態では、逆回転現像ローラ1の現像スリーブ201、及び回転現像ローラ2の現像スリーブ202は、その表面がSUS溶射によるメテコロイ処理が成され、現像ニップ部(主極)の磁力は1200Gに設定した。
以上のような条件で現像スリーブ201,202を逆回転現像ローラ1と順回転現像ローラ2に備えた噴水型現像装置102を高速印刷装置(プロセス速度:760mm/秒)に搭載し、現像剤抵抗R、現像ギャップG、現像剤充填率Aを変えて、印刷実験を行い、現像因子とエッジ効果の関係を検討した結果を次に述べる。
印刷実験時の各設定条件は以下の通りである。
<設定条件>
感光ドラム101:OPCドラム(外径:φ130mm)、周速760mm/秒
現像スリーブ201,202:外径φ40mm、長さ520mm、周速1060mm/秒
現像剤4:キャリア平均粒径:65μm、
トナー平均粒径:6.8μm
トナー混合比4.5wt%(黒トナー)
現像ブラシのニップ幅:8mm
感光体電位:非露光部−700V、露光部−120V
現像バイアス:DC成分:−350V、AC成分:正弦波、振幅Vpp:500V、周波数:9kHz
印刷パターン:1インチ角ベタパッチ、8ドット線画像(8on/8off)。
<設定条件>
感光ドラム101:OPCドラム(外径:φ130mm)、周速760mm/秒
現像スリーブ201,202:外径φ40mm、長さ520mm、周速1060mm/秒
現像剤4:キャリア平均粒径:65μm、
トナー平均粒径:6.8μm
トナー混合比4.5wt%(黒トナー)
現像ブラシのニップ幅:8mm
感光体電位:非露光部−700V、露光部−120V
現像バイアス:DC成分:−350V、AC成分:正弦波、振幅Vpp:500V、周波数:9kHz
印刷パターン:1インチ角ベタパッチ、8ドット線画像(8on/8off)。
上記印刷条件にて、現像剤抵抗Rを5×107Ωcm〜5×1010Ωcm、現像ギャップG(=G1=G2)を0.35mm〜0.55mm、充填率Aを0.2〜0.45と変えた際の、現像不具合(バイアスの現像リーク)と印刷サンプルの現像リーク及びエッジ効果(トナーの線/ベタ付着量の比)の評価を行った。実験結果を表1〜表5、及び図3に示す。
表1〜表5、及び図3に示すように、G×/ALog(R)を低減することでエッジ効果を抑制でき、印刷サンプルの目視評価において画像端部の濃度差は見られず、線画/ベタ画像のトナー付着量比も1.25以下に抑えられた。但し、G×/ALog(R)が8未満の場合は、印刷画質に白抜けが発生した。これは、現像ニップ部抵抗が過小となったための現像リークが原因と考えられる。
(実施例2)
次にエッジ効果を抑制するためのもう一つの指標である現像バイアス条件についての検討結果について述べる。本発明ではエッジ効果の抑制のためにバイアス電圧の交流成分に高周波正弦波を採用した。その交流バイアス条件の指標は、現像ニップ域の交番回数であり、周波数F(Hz)、静電潜像担持体の周速V(mm/秒)、現像ニップ幅W(mm)から求めるF×W/Vを用いた。
次にエッジ効果を抑制するためのもう一つの指標である現像バイアス条件についての検討結果について述べる。本発明ではエッジ効果の抑制のためにバイアス電圧の交流成分に高周波正弦波を採用した。その交流バイアス条件の指標は、現像ニップ域の交番回数であり、周波数F(Hz)、静電潜像担持体の周速V(mm/秒)、現像ニップ幅W(mm)から求めるF×W/Vを用いた。
G×/ALog(R)=8(現像剤抵抗R:1×108Ωcm、現像ギャップG:0.4mm、現像剤充填率A:0.4)およびG×/ALog(R)=24(現像剤抵抗R:1×1010Ωcm、現像ギャップG:0.6mm、現像剤充填率A:0.25)の条件で、周波数Fを8000Hz、9000Hz、11000Hz、12000Hz、静電潜像担持体の周速Vを500 mm/秒、1000 mm/秒、1500 mm/秒、現像ニップ幅Wを7mm、9mm、12mm(ニップ幅Wの変更は、現像ニップ部の磁極幅が異なる3種類の現像ローラを用いることで行なった。)に変化させた。なお、ニップ幅Wの測定には、現像剤の磁気ブラシが定常状態で付着している現像スリーブに、離間させておいた清浄な感光体を所定の現像ギャップGまで接近させトナーを付着させた後、そのトナーの付着幅を測定すればよい。あるいは、別の測定方法として、透明な疑似感光体を現像剤の磁気ブラシが定常状態で付着している現像スリーブに、所定の現像ギャップGまで接近させ疑似感光体への磁気ブラシの接触幅を測定してもよい。このようにして実施した画像形成におけるパラメータ[F×W/V]と現像リーク、エッジ効果(トナーの線/ベタ付着量の比)との関係を測定し、結果を表6及び図4に示す。
表1〜6及び図3,4に示す結果から判るように、現像バイアスのリークを生じず、エッジ効果を抑制する現像条件は以下の式(a)(b)で示される範囲であることが判る。
(a) 8≦G×/ALog(R)≦24
(b) 40≦F×W/V≦130
(a) 8≦G×/ALog(R)≦24
(b) 40≦F×W/V≦130
以上説明したように、この発明によれば、フルカラーの高速広幅印刷プロセスにおいても高い現像能力と均一現像性の両方を確保できる。
1:逆回転現像ローラ
2:順回転現像ローラ
3:ドクターブレード
4:現像剤
5:トナー
6:搬送部材
7:混合攪拌部材
8:混合攪拌部材
9:トナー貯留供給装置
101:感光ドラム
102:現像装置
201:逆回転現像ローラの現像スリーブ
202:順回転現像ローラの現像スリーブ
A,B,C,D,E,F:回転方向を表す矢印
G1:現像スリーブと感光ドラムで形成される現像ギャップ
G2:現像スリーブと感光ドラムで形成される現像ギャップ
N1,N2,N3:磁石(N極を円の外側に向けている。)
S1,S2,S3:磁石(S極を円の外側に向けている。)
2:順回転現像ローラ
3:ドクターブレード
4:現像剤
5:トナー
6:搬送部材
7:混合攪拌部材
8:混合攪拌部材
9:トナー貯留供給装置
101:感光ドラム
102:現像装置
201:逆回転現像ローラの現像スリーブ
202:順回転現像ローラの現像スリーブ
A,B,C,D,E,F:回転方向を表す矢印
G1:現像スリーブと感光ドラムで形成される現像ギャップ
G2:現像スリーブと感光ドラムで形成される現像ギャップ
N1,N2,N3:磁石(N極を円の外側に向けている。)
S1,S2,S3:磁石(S極を円の外側に向けている。)
Claims (8)
- 電子写真方式の画像形成装置の静電潜像担持体の現像部において現像剤を供給して静電潜像担持体上の静電潜像を現像する現像装置であって、それぞれ静電潜像担持体に対向し、互いに逆回転しながら静電潜像担持体に現像剤を供給する一対の現像剤担持体と、前記一対の現像剤担持体の間にそれぞれの現像剤担持体への現像剤供給量を制御する現像剤制御部材とを備えた噴水型現像装置であって、
前記現像部における静電潜像担持体と現像剤担持体との間隙である現像ギャップをG(mm)、現像剤の体積抵抗率をR(Ωcm)、静電潜像担持体と現像剤担持体との間の現像剤充填率をAとし、静電潜像担持体の周速をv(mm/秒)、静電潜像担持体と現像剤担持体の近接部の幅である現像ニップ幅をW(mm)、静電潜像担持体と現像剤担持体との間に印加されるバイアス電圧の交流成分の周波数をF(Hz)としたとき、少なくとも一つの現像ローラは下記(a)式及び(b)式を満たすことを特徴とする現像装置。
(a) 8≦G/A×Log(R)≦24
(b) 40≦F×W/V≦130 - 前記現像剤担持体は、現像部における静電潜像担持体の回転方向下流側に位置し、静電潜像担持体と逆方向に回転することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記ニップ間隔G(mm)が0.4(mm)〜0.6(mm)であり、前記現像剤充填率Aが0.25〜0.4であることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
- 前記順回転現像剤担持体と静電潜像担持体の間に印加されるバイアス電圧の交流成分の周波数Fが8kHz〜12kHzで、振幅Vppが400V〜700Vであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の現像装置。
- 前記現像剤は、トナーとキャリアを含む2成分系現像剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の現像装置。
- 前記静電潜像担持体及び現像剤担持体の長さが500mm以上であり、プロセス速度が500mm/秒以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の現像装置。
- 表面に静電潜像を形成する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる耐電装置と、帯電した静電潜像担持体表面に光照射して静電潜像を形成する光走査装置と、静電潜像担持体表面に形成された静電潜像に現像剤を供給して現像を形成する現像装置と、電潜像担持体表面に形成された現像を記録媒体に転写する転写装置とを備えた電子写真式の画像形成装置であって、
前記現像装置が請求項1〜6のいずれか一項に記載の現像装置であることを特徴とする画像形成装置。 - 表面に静電潜像を形成する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる耐電装置と、帯電した静電潜像担持体表面に光照射して静電潜像を形成する光走査装置と、静電潜像担持体表面に形成された静電潜像に現像剤を供給して現像を形成する現像装置と、電潜像担持体表面に形成された現像を記録媒体に転写する転写装置とを備えた電子写真式の画像形成装置による画像記録物の製造方法であって、
前記現像装置は、それぞれ静電潜像担持体に対向し、互いに逆回転しながら静電潜像担持体に現像剤を供給する一対の現像剤担持体と、前記一対の現像剤担持体の間にそれぞれの現像剤担持体への現像剤供給量を制御する現像剤制御部材とを備えた噴水型現像装置であり、
前記現像部における静電潜像担持体と現像剤担持体との間隙である現像ギャップをG(mm)、現像剤の体積抵抗率をR(Ωcm)、静電潜像担持体と現像剤担持体との間の現像剤充填率をAとし、静電潜像担持体の周速をv(mm/秒)、静電潜像担持体と現像剤担持体の近接部の幅である現像ニップ幅をW(mm)、静電潜像担持体と現像剤担持体との間に印加されるバイアス電圧の交流成分の周波数をF(Hz)としたとき、少なくとも一つの現像ローラは下記(a)式及び(b)式を満たすようにすることを特徴とする画像形成装置による画像記録物の製造方法。
(a) 8≦G/A×Log(R)≦24
(b) 40≦F×W/V≦130
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JP2013161022A (ja) * | 2012-02-08 | 2013-08-19 | Konica Minolta Inc | 画像形成装置 |
-
2007
- 2007-07-04 JP JP2007176436A patent/JP2009014992A/ja active Pending
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