JP2009014552A - 測定ヘッド及び測定ヘッドの調整確認方法 - Google Patents

測定ヘッド及び測定ヘッドの調整確認方法 Download PDF

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博史 高
Nozomi Takai
望 高井
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Abstract

【課題】
測定ヘッドのアームの位置確認と調整が容易にできる測定ヘッド及び測定ヘッドの調整確認方法を提供すること。
【解決手段】
測定ヘッド1の本体部1Aの外部に調整確認治具2を取り付け、調整確認治具2によりアーム11、11の位置の調整、確認を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、一対のアームの先端に取り付けられている測定子を被測定物に当接させて被測定物の形状または寸法を測定する測定ヘッド及び測定ヘッドの調整確認方法に関する。
各種加工機や測定装置に取り付けられて被測定物の形状や寸法を測定する測定ヘッドは、例えば図1に示す測定ヘッド10のように、本体部10Aに一対のアーム11、11が設けられ、アーム11、11の先端に取り付けられた測定子12、12を被測定物であるワークWに接触させてワークWの形状または寸法を測定する。
アーム11、11は、本体部10A内部の支点13に設けられた支持バネ13A、13Aにより支持され、バネ15、15により被測定物に向って付勢力を与えられることにより、ワークWの形状に沿って相対的に移動する。アーム11、11の移動量は、一方のアーム11に取り付けられたコア14Aと他方のアーム11に取り付けられたボビン14Bから構成される差動トランス14により相対移動量として検出され、検出された値からワークWの形状または寸法が算出される(例えば、特許文献1に示されるような測定ヘッド参照)。
特開2001−4307号
前述したような測定ヘッドでは、先ず測定するワークWの寸法に適した基準位置(零点位置)となるようにアームの位置を調整する必要がある。基準位置への調整では、例えばワークWと同等の寸法または同等の形状に形成されたマスターワークの測定を行い、測定値をみながら測定子の位置、差動トランスの位置、またはアーム先端部の位置などを調整することにより行われている。このような調整はワークWの寸法や形状が変更される度に行われ、また測定ヘッドの取り付け時や修理調整時などにも同様に行われる。
しかし、このような基準位置への調整においては、装置の据付、修理などで電気を使用出来ない場合や、測定ヘッドの取り付け位置から測定ヘッドによる測定値が容易に確認出来ないなど、調整が困難であることが多い。
また、測定ヘッド10では、一対のアーム11、11の先端に取り付けられた測定子12、12がワークWの中心から等しい位置になくては、片側の測定子12しかワークWに接触せず正しい測定が行われない、または測定子12がワークWに衝突するなどの問題が発生する。
そのため、マスターワーク等を用いてアーム11、11の位置が調整されるが、図1に示す測定ヘッド10のように、差動トランス14が単一で、一対のアーム11、11の相対的な移動量で測定を行うような場合、それぞれのアーム11の単独の移動量が分からないため測定値からワークWの中心位置がどちらへズレているか判別出来ない。また差動トランス14がそれぞれのアーム11に取り付けられていたとしても、電気が供給されない環境下で調整の必要が生じた場合は、測定ヘッドによる測定値を確認出来ないため、調整が困難であった。
本発明はこのような問題に対応するために成されたものであり、測定ヘッドのアームの位置確認と調整が容易にできる測定ヘッド及び測定ヘッドの調整確認方法を提供することを目的としている。
本発明は前記目的を達成するために、本体部に設けられ被測定物に向って付勢力を与えられた一対のアームの先端に取り付けられている測定子を被測定物に当接させ、前記アームの移動量を本体部内部に設けられた差動トランスにより計測することで前記被測定物の形状または寸法を測定する測定ヘッドにおいて、測定を行う際の基準位置と測定前の待機位置とで前記一対のアームを停止させることが可能な調整確認治具が、前記測定ヘッドの本体部外部に着脱可能に設けられていることを特徴としている。
また、本発明は前記発明において、前記調整確認治具は、前記測定ヘッドの本体部外壁面であって、前記一対のアームの中間となる位置に取り付けられていることを特徴としている。
更に、本発明は前記発明において、前記測定ヘッドは、単一の差動トランスにより前記一対のアームの移動量を相対的に測定することを特徴とし、前記調整確認治具は、前記一対のアームの前記基準位置と前記待機位置とに対応した高さの異なる2つの突出部を備え、前記測定ヘッドの本体部外部への取り付け方向により前記2つの突出部のいずれかが前記一対のアームに接触して前記基準位置または前記待機位置に前記一対のアームを停止させることを特徴としている。
本発明によれば、測定ヘッドの本体部には先端に測定子が取り付けられた一対のアームが設けられ、調整確認治具が、測定ヘッドの本体部外部であって一対のアームの中間となる本体部の外壁面に着脱可能に取り付けられる。
調整確認治具は、一対のアームが被測定物の測定を行う際の基準位置(零点位置)と、基準位置からトラベル量分移動したアームの測定前の待機位置とに対応する2つの突出部を備え、取り付け方向を変えることにより突出部のいずれかが一対のアームに接触してアームの位置を調整可能にする。
アームの位置確認では、待機位置に対応した突出部がアームに接触するように調整確認治具を取り付け、この状態で被測定物の測定が行われる。被測定物を測定することによりアームは待機位置から移動するため、待機位置に対応した突出部から離れる。このとき、被測定物の中心と測定ヘッドの中心が同じ軸線状に揃い、一対のアーム先端に取り付けられた測定子がそれぞれ被測定物の中心と等しい位置に調整されていれば、突出部と移動したアームとの間に生じる隙間は等しくなる。よってこの隙間をシックネスゲージまたは目視等で確認することによりアームが正しい位置にあるか確認することが可能となる。
以上説明したように、本発明の測定ヘッド及び測定ヘッドの調整確認方法によれば、測定ヘッドのアームの位置を容易に調整することが可能であって、アームと被測定物との位置関係も測定ヘッド単体で容易に確認調整することが可能となる。
以下、添付図面に従って本発明に係る測定ヘッド及び測定ヘッドの調整確認方法の好ましい実施の形態について説明する。
まず、本発明にかかわる測定ヘッドの構成を説明する。図2は本発明に係わる測定ヘッドの側面断面図である。尚各図において、同一の部材については同一の番号又は記号を付している。
測定ヘッド1は、本体部1Aに一対のアーム11、11が設けられ、本体部1Aの外壁面には取り付け面1Bの溝に合わせて調整確認治具2が取り付けられている。アーム11、11の先端には被測定物であるワークWに接触させる測定子12、12がそれぞれ設けられている。
アーム11、11は、本体部1A内部の支点13に設けられた支持バネ13A、13Aにより支持され、バネ15、15によりワークWに向って付勢力を与えられることにより、ワークWの形状に沿って相対的に移動する。アーム11、11の移動量は、一方のアーム11に取り付けられたコア14Aと他方のアーム11に取り付けられたボビン14Bから構成される差動トランス14により電気信号として検出され、検出された信号は不図示の処理装置により処理されることでアーム11、11の対移動量が算出され、算出された値に基づきワークWの形状または寸法が算出される。
調整確認治具2は、本体部1Aに設けられた一対のアーム11、11の中間となる位置であって本体部1Aの外壁面に、固定ネジ2Cにより着脱可能に取り付けられている。
調整確認治具2は、円筒形形状であって、円筒の中心に固定ネジ2Cが通り、2つの突出部である零点ストッパ2Aとフロントストッパ2Bが形成され、取り付け方向を反転させることにより図2または図3に示すように零点ストッパ2A、フロントストッパ2Bのいずれかがアーム11、11に接触可能となる。
零点ストッパ2Aは、各ワークWに適した測定値の基準となるアーム11、11の基準位置(零点位置)に対応した高さに形成されている。零点ストッパ2Aはアーム11、11と接触することにより、アーム11、11を零点位置に停止しているのと同じ位置に停止させ、アーム11、11の零点位置決めを可能にする。アーム11、11が零点位置に位置決めされた測定ヘッド1は、差動トランス14のコア14Aの位置を調整し、差動トランス14からの検出値が0となるように零点調整作業が行われる。
フロントストッパ2Bは、図3に示すように、測定ヘッド1がワークWの外径形状を計測する場合において、アーム11、11が零点位置よりも僅かに狭くなる位置で待機する際の待機位置に対応した高さに形成されている。この零点位置と待機位置との差である移動量Tはトラベル量と称され、本実施の形態のように零点位置よりも待機位置が低い場合、移動量Tは「フロントトラベル量」と称される。フロントストッパ2Bは、アーム11、11と接触することにより、アーム11、11を待機位置に停止しているのと同じ位置に停止させ、アーム11、11の待機位置決めを可能にする。
次に本発明に係わる測定ヘッドの調整確認方法について説明する。図4は測定ヘッドの調整確認を行っている際の側面断面図、図5はワークと測定ヘッドの中心位置がズレた例を示した測定ヘッドの側面断面図である。
このような構成の測定ヘッド1において、ワークWの中心位置と測定ヘッド1の中心位置が一致し、アーム11、11の先端に取り付けられた測定子12、12がそれぞれワークWの中心と等しい位置に調整されているか確認する場合は、図4に示すようにフロントストッパ2Bがアーム11、11と接触する方向に調整確認治具2を取り付け、ワークWの測定を行う。ワークWの測定を行うアーム11、11は、待機位置から移動量Tだけ移動してフロントストッパ2Bから離れる。
このとき、ワークWの中心位置と測定ヘッド1の中心位置が一致していれば、一方のアーム11とフロントストッパ2Bとの距離Aと、他方のアーム11とフロントストッパ2Bとの距離Bは等しくなる。ワークWの中心位置と測定ヘッド1の中心位置が一致していない場合は、図5に示すように一方のアーム11とフロントストッパ2Bとの距離Cと、他方のアーム11とフロントストッパ2Bとの距離Dは等しくならない。
よって、フロントストッパ2Bとアーム11、11とのそれぞれの距離をシックネスゲージや目視により確認することにより、ワークWの中心位置と測定ヘッド1の中心位置が一致しているか確認される。
以上、説明したように、本発明に係わる測定ヘッド及び測定ヘッドの調整確認方法によれば、測定ヘッドのアームの位置確認と調整を通電状態でなくても外部から容易に可能にし、メンテナンス性を向上させ、生産性をより高めることが可能となる。
なお、本実施の形態では調整確認治具をアームの中間に取り付け、被測定物の外径形状を測定する測定ヘッドについて説明したが、本発明はそれに限らず、図6に示すように、調整確認治具を一対のアームの外側のそれぞれ等距離にある場所に取り付け、内径形状を測定する測定ヘッドにおいても同様に実施可能である。
内径用の測定ヘッド20は、図2に示す外形を測定する測定ヘッド1と同様に本体部20Aに一対のアーム21、21が設けられ、本体部20Aの外壁面に調整確認治具22、22が取り付けられている。アーム21、21の先端には被測定物であるワークRの内径に接触させる測定子25、25がそれぞれ設けられている。
アーム21、21は、本体部20A内部の支点23に設けられた支持バネ23A、23Aにより支持され、引っ張りバネ26、26によりワークRの内径に向って付勢力を与えられることにより、ワークRの内径に沿って相対的に移動する。アーム21、21の移動量は、一方のアーム11に取り付けられたコア24Aと他方のアーム21に取り付けられたボビン24Bから構成される差動トランス24により電気信号として検出され、検出された信号は不図示の処理装置により処理されることでアーム21、21の対移動量が算出され、算出された値に基づきワークWの形状または寸法が算出される。
調整確認治具22、22には、内径を測定する際の基準位置と待機位置とに対応した突出部がそれぞれ設けられている。
また、本実施の形態では測定ヘッドに設けられた差動トランスは一対のアームの相対的な移動量を検知する単一の差動トランスであるが、それぞれのアームに対し個々に差動トランスが設けられた形態であっても同様に実施可能である。
更に、本実施の形態では調製確認治具は円筒形状を成し、2箇所の突出部を備え、取り付け方向を反転させることで基準位置と待機位置を切り替えているが、本実施の形態はこれに限らず、例えば底面が長方形をした角柱形状を成し、固定ネジを中心として回転させるような形態であっても好適に実施可能である。
従来の測定ヘッドを示した側面断面図。 本発明に係わる測定ヘッドを示した側面断面図。 待機位置に合わせられた状態の測定ヘッドを示した側面断面図。 測定ヘッドと被測定物の位置の確認を行っている状態を示した側面断面図。 測定ヘッドと被測定物の中心位置が一致していない例を示した側面断面図。 内径計測用の測定ヘッドを示した側面断面図。
符号の説明
1、10、20…測定ヘッド,1A、10A、20A…本体部,2、22…調整確認治具,12、25…測定子,13、23…支点,14、24…差動トランス,15…バネ,R、W…ワーク(被測定物)

Claims (5)

  1. 本体部に設けられ被測定物に向って付勢力を与えられた一対のアームの先端に取り付けられている測定子を被測定物に当接させ、前記アームの移動量を本体部内部に設けられた差動トランスにより計測することで前記被測定物の形状または寸法を測定する測定ヘッドにおいて、
    測定を行う際の基準位置と測定前の待機位置とで前記一対のアームを停止させることが可能な調整確認治具が、前記測定ヘッドの本体部外部に着脱可能に設けられていることを特徴とする測定ヘッド。
  2. 前記調整確認治具は、前記測定ヘッドの本体部外壁面であって、前記一対のアームの中間となる位置に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の測定ヘッド。
  3. 前記測定ヘッドは、単一の差動トランスにより前記一対のアームの移動量を相対的に測定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の測定ヘッド。
  4. 前記調整確認治具は、前記一対のアームの前記基準位置と前記待機位置とに対応した高さの異なる2つの突出部を備え、前記測定ヘッドの本体部外部への取り付け方向により前記2つの突出部のいずれかが前記一対のアームに接触して前記基準位置または前記待機位置に前記一対のアームを停止させることを特徴とする請求項1、2、または請求項3のいずれか1項に記載の測定ヘッド。
  5. 本体部に設けられ被測定物に向って付勢力を与えられた一対のアームの先端に取り付けられている測定子を被測定物に当接させ、前記アームの移動量を本体部内部に設けられた差動トランスにより計測することで前記被測定物の形状または寸法を測定する測定ヘッドにおいて、
    前記一対のアームの測定を行う際の基準位置と測定前の待機位置に対応した高さの異なる2つの突出部を備える調整確認治具を、前記本体部外部の前記一対のアームの中間となる位置に着脱可能に設け、前記調整確認治具の2つの突出部のいずれかに前記アームを接触させて前記差動トランスの位置を調整するとともに、前記アームにより前記被測定物を測定する際に前記調整確認治具と前記アームとの間に生じる隙間の大きさを測定することで、前記アームの前記被測定物に対するズレを確認することを特徴とする測定ヘッドの調整確認方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019155535A1 (ja) * 2018-02-07 2019-08-15 株式会社Fuji ワーク検測装置
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