JP2009013821A - 内燃機関の始動制御装置 - Google Patents

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伸彦 古賀
Yuichi Kato
雄一 加藤
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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の始動制御装置に関し、内燃機関の始動1サイクル目に各気筒に対して順次噴射される燃料噴射量を点火順序が後になる気筒ほど増量する制御を行う場合に、ポート残留燃料量を低減し、始動時の空燃比の制御性を良好に向上させることを目的とする。
【解決手段】内燃機関10の各気筒の吸気バルブ32の作用角を気筒毎に変更可能とする可変動弁機構36を備える。内燃機関10の始動時に、燃料噴射が開始される最初の1サイクル目(始動1サイクル目)における各気筒の燃料噴射量を、点火順序が後になるほど増量する。そして、始動1サイクル目における各気筒の作用角を、点火順序が後になる気筒ほど、吸気バルブ32の開き時期IVOの進角によって拡大する。これにより、始動1サイクル目における各気筒の吸気行程の時間を、点火順序が後になるほど長くする。
【選択図】図6

Description

この発明は、内燃機関の始動制御装置に係り、特に、冷間時に内燃機関を始動させるために用いる装置として好適な内燃機関の始動制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、内燃機関の始動1サイクル目(始動時の燃料噴射開始1サイクル目)の燃料噴射量を制御する内燃機関の始動時燃料噴射装置が開示されている。この従来の装置では、始動1サイクル目に各気筒に対して順次噴射される燃料噴射量を、点火順序が後になる気筒ほど増量するようにしている。これにより、始動時の未燃HC排出量の低減を図っている。
上記のように、始動1サイクル目に各気筒に対して順次噴射される燃料噴射量を点火順序が後になる気筒ほど増量することとした場合には、吸気ポートに残留(付着)することで筒内には流入されずに次サイクルに持ち越されるポート残留燃料量が増加することになる。上記従来の装置では、そのようなポート残留燃料量の増加への対策として、始動2サイクル目以降の燃料噴射量を、上記の順序とは逆に、点火順序が後になる気筒ほど減量するようにしている。
特開2004−68621号公報 特開2000−257455号公報
上記従来の装置では、上述したように、始動2サイクル目以降の燃料噴射量の制御によってポート残留燃料量への対策を行っているものの、ポート残留燃料自体を減少させられるものではなく、始動時の空燃比の制御性を向上させるうえで、未だ改善の余地を残すものであった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関の始動1サイクル目に各気筒に対して順次噴射される燃料噴射量を点火順序が後になる気筒ほど増量する制御を行う場合に、ポート残留燃料量を低減し、始動時の空燃比の制御性を良好に向上させ得る内燃機関の始動制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、複数の気筒を有する内燃機関の始動時に、燃料噴射が開始される最初の1サイクル目における各気筒の燃料噴射量を、点火順序が後になるほど増量する燃料噴射量制御手段と、
前記最初の1サイクル目における各気筒の吸気行程の時間を、点火順序が後になるほど長くする吸気行程時間制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、吸気バルブの作用角を気筒毎に変更可能とする可変動弁機構を更に備え、
前記吸気行程時間制御手段は、前記最初の1サイクル目において点火順序が後になる気筒ほど、吸気バルブの作用角を拡大することによって、点火順序が後になる気筒ほど、前記吸気行程の時間を長くすることを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、前記吸気行程時間制御手段は、エンジン回転数に基づいて、前記作用角の拡大量を決定することを特徴とする。
また、第4の発明は、第2または第3の発明において、前記吸気行程時間制御手段は、前記最初の1サイクル目において点火順序が後になる気筒ほど、吸気バルブの開き時期を進角させることによって、前記の作用角の拡大を行うことを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、前記吸気行程時間制御手段は、前記最初の1サイクル目における最初の爆発気筒における吸気バルブの開き時期を吸気上死点後45〜135°CAとし、当該最初の爆発気筒における吸気バルブの閉じ時期を吸気下死点近傍の値としたことを特徴とする。
第1の発明によれば、最初の1サイクル目(始動1サイクル目)の経過中に、エンジン回転数の上昇に伴って一定クランク角度分の時間が短くなることに起因する筒内流入燃料量の低下を良好に抑制することができる。言い換えれば、始動1サイクル目におけるポート残留燃料量を良好に低減することが可能となる。また、始動1サイクル目の経過中におけるエンジン回転数の上昇に伴う各気筒の吸気行程の時間の変化によって、各気筒に対する筒内流入燃料量および筒内流入空気量がばらつくのを抑制することができる。これにより、始動時における空燃比の制御性を良好に向上させることができる。
第2の発明によれば、始動1サイクル目における各気筒の吸気バルブの作用角を、点火順序が後になる気筒ほど拡大することによって、始動1サイクル目におけるポート残留燃料量を良好に低減することが可能となる。また、始動時における空燃比の制御性を良好に向上させることができる。
第3の発明によれば、始動1サイクル目の経過中におけるエンジン回転数やその上昇率の変化の影響を受けずに、始動1サイクル目におけるポート残留燃料量を安定的に低減することができ、また、筒内流入燃料量のばらつきに起因する始動時の空燃比のばらつきを良好に抑制することができる。
第4の発明によれば、エンジン回転数が低いことで吸気バルブのバルブ通過流速が本来であれば高くならない状態にある始動1サイクル目の前半側の気筒において、開弁時のバルブ通過流速を高めることができる。これにより、始動1サイクル目の前半側の気筒において、筒内流入燃料量を増加させることができ、また、筒内に流入される燃料の微粒化を向上させることができる。そのうえで、本発明によれば、始動1サイクル目の経過中において、吸気管負圧が高まってきた後には吸気バルブの開き時期の遅角化をなくしていくことによって、燃料の性状が変わっても、始動1サイクル目における筒内流入燃料量にさほど差がつかないようにすることが可能となる。つまり、燃料の性状によらずに、始動1サイクル目における筒内流入燃料量のばらつきを良好に抑制することができる。
第5の発明によれば、吸気バルブの閉じ時期を吸気下死点近傍の値とすることで、実圧縮比を最も高めることができる。これにより、圧縮端温度を高めて燃焼改善を図ることができる。更に、本発明によれば、吸気バルブの開き時期を吸気上死点後45〜135°CAの範囲内の値とすることで、要求噴射量を低く抑えつつ良好な着火性を得ることができる。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。本実施形態のシステムは、内燃機関10を備えている。内燃機関10の筒内には、ピストン12が設けられている。ピストン12は、筒内を往復移動することができる。内燃機関10の筒内には、ピストン12の頂部側に燃焼室14が形成されている。また、燃焼室14には、吸気通路16および排気通路18が連通している。
吸気通路16の入口近傍には、吸気通路16に吸入される空気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ20が設けられている。エアフローメータ20の下流には、スロットルバルブ22が設けられている。スロットルバルブ22は、アクセル開度と独立してスロットル開度を制御することのできる電子制御式スロットルバルブである。スロットルバルブ22の近傍には、スロットル開度TAを検出するスロットルポジションセンサ24が配置されている。
スロットルバルブ22の下流には、サージタンク26が設けられている。また、サージタンク26の更に下流には、各気筒の吸気ポート16aに燃料を噴射するための燃料噴射弁28が配置されている。また、内燃機関10が備えるシリンダヘッドには、気筒毎に、燃焼室14の頂部から燃焼室14内に突出するように点火プラグ30がそれぞれ取り付けられている。吸気ポートおよび排気ポートには、それぞれ、燃焼室14と吸気通路16、或いは燃焼室14と排気通路18を連通状態または遮断状態とするための吸気バルブ32および排気バルブ34が設けられている。
吸気バルブ32は、可変動弁機構36により駆動される。可変動弁機構36は、吸気バルブ32の開弁特性(リフト量、作用角、開き時期、閉じ時期など)を気筒毎に独立して可変に制御することのできる機構であるものとする。このような可変動弁機構としては、例えば、気筒毎に独立している吸気カム軸を個別に複数の電動モータで駆動する方式の機構を用いることができる。しかしながら、気筒毎に吸気バルブ32の作用角を変更可能な機構であれば、このような機構に限らず、電磁力で吸気バルブを開閉駆動する電磁駆動弁などであってもよい。
内燃機関10は、クランク軸の近傍にクランク角センサ38を備えている。クランク角センサ38の出力によれば、クランク軸の回転位置やその回転速度(エンジン回転数Ne)を検知することができる。また、内燃機関10は、吸気カム軸の近傍にカム角センサ40を備えている。カム角センサ40は、クランク角センサ38と同様の構成を有するセンサである。カム角センサ40の出力によれば、吸気カム軸の回転位置などを検知することができる。また、排気通路18には、その位置で排気空燃比を検出するためのA/Fセンサ42が配置されている。
図1に示すシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50には、上述した各種センサ等が接続されている。また、ECU50には、上述したスロットルバルブ22や可変動弁機構36等の各種アクチュエータが接続されている。ECU50は、各センサの出力に基づき、所定のプログラムに従って各アクチュエータを駆動させることにより、内燃機関10の運転状態を制御している。
図2は、始動1サイクル目における燃料挙動の概要を示した図である。尚、図2の解析結果は、直列4気筒型エンジンにおいて外気温度が25℃である場合のデータである。
図2に示すように、始動1サイクル目(始動時に燃料噴射や点火が開始される最初の1サイクル目)において、燃料噴射弁28によって吸気行程前に吸気ポート16aに噴射された燃料量は、以下のように整理される。
すなわち、吸気ポート16aに噴射された燃料量は、吸気バルブ32を通過して燃焼室14内に流入する「筒内流入燃料量」と、吸気ポート16aの壁面やバルブ傘部に付着して筒内に流入されずに次サイクルに持ち越される「ポート残留(付着)燃料量」とに分けられる。冷間始動時には、吸気ポート16aや吸気バルブ32が冷えているので、図2に示すように、ポート残留燃料量が多くなる。
また、図2に示すように、筒内流入燃料量は、実際に燃焼に付されることとなる「燃焼燃料量」と、燃焼に付されずに未燃状態でガスのまま或いは液滴として筒内の壁面に付着等して筒内に残留する「燃焼後筒内残留燃料量」とに分けられる。更に、この燃焼後筒内残留燃料量は、排気通路18に排出される「排出HC」と、排気行程の終了後においても筒内に未だ残留する「排気後筒内残留燃料量」とに分けられる。
図3は、吸気バルブ32の作用角が同一である条件下における吸気行程の時間とエンジン回転数Neとの関係を表した図である。ここでは、吸気バルブ32が開いている期間(すなわち、吸気バルブ32の作用角)を時間で表したものを、「吸気行程の時間」と称している。図3に示すように、吸気バルブ32の作用角が同一とされている場合には、吸気行程の時間は、エンジン回転数Neが高くなるにつれて短くなる。通常、始動時における吸気バルブ32の作用角は固定されているので、始動時におけるエンジン回転数Neの上昇に伴って、各気筒の吸気行程の時間は、点火順序が後になる気筒ほど短くなっていく。
図4は、吸気バルブ32の閉じ時期IVCを固定した状態での、吸気バルブ32の開き時期IVOの変化に対する要求噴射量の感度を示す図である。尚、ここでいう要求噴射量とは、圧縮上死点近傍の所定の点火時期において、混合気を着火させるために最低限必要な燃料量のことである。
図4に示すように、吸気上死点から徐々に吸気バルブ32の開き時期IVOを遅角させていくと、要求噴射量は、次第に減少していき、ピストン12の速度が最も速くなる吸気上死点後90°CA近傍において最小となる。この理由は、吸気バルブ32の開き時期IVOが遅角されていくことで、吸気バルブ32の開弁時のバルブ通過流速が高まり、これにより、筒内に流入する燃料の微粒化が促進されるためである。
ただし、吸気バルブ32の開き時期IVOを過大に遅らせていった場合には、ピストン12が十分に下がった後に吸気バルブ32が開弁されることになるので、十分な吸入空気量を確保することができなくなる。このため、図4に示すように、吸気バルブ32の開き時期IVOを過大に遅らせていった場合には、要求噴射量が増加に転じ、更には、失火が発生するようになる。以上のように、図4からは、吸気バルブ32の開き時期IVOが吸気上死点後90°CA(A90)の±45°CAである範囲、すなわち、吸気上死点後45°CA(A45)〜135°CA(A135)の範囲において、要求噴射量が良好な値を示すことが判る。つまり、吸気バルブ32の開き時期IVOがそのような範囲にある場合において、少ない燃料量で着火が可能となることが判る。
[実施の形態1における始動1サイクル目の制御]
(燃料噴射量の制御)
図5は、始動1サイクル目における各気筒の燃料噴射量を表した図である。尚、説明の便宜上、本実施形態の内燃機関10は、直列4気筒型エンジンであるものとする。直列4気筒型エンジンの点火順序は、一般的に、#1気筒、#3気筒、#4気筒、および#2気筒の順となる。本実施形態では、図5に示すように、始動1サイクル目においては、点火順序が後になる気筒ほど、燃料噴射量を次第に増量するようにしている。
内燃機関10の始動時において未燃HCの発生を抑制するためには、空燃比を理論空燃比、或いはそれよりもややリーンな空燃比に維持することが必要である。この場合、空燃比は、筒内の壁面から気化した燃料の影響を受けるので、空燃比を上記のような値に維持するためには、筒内の壁面から気化した燃料量を考慮しなければならない。そのような気化燃料量は、ピストン12が圧縮上死点に達するまでの時間に比例しており、従って、エンジン回転数Neが高くなるほど、当該気化燃料量が少なくなる。このため、図5に示す始動1サイクル目の燃料噴射量の設定によれば、始動1サイクル目におけるエンジン回転数Neの増大に伴う上記気化燃料量の影響を考慮して、空燃比を理論空燃比、或いはそれよりもややリーンな空燃比に制御することができ、これにより、始動時の未燃HC排出量を低減することができる。
(吸気バルブの開き時期(作用角)の制御)
図6は、始動1サイクル目における各気筒の吸気バルブ32の開き時期IVOの制御を説明するための図である。より具体的には、図6(A)は、始動時のエンジン回転数Neの変化と吸気管負圧の変化を表しており、図6(B)は、始動1サイクル目における各気筒の吸気バルブ32および排気バルブ34のバルブタイミングを表している。
始動時には、図6(A)に示すように、クランキングが行われた後に気筒判別がなされ、その後に燃料噴射や点火などのエンジン制御が開始される。図6(A)中にクランク角度で「0」とした時点は、そのような燃料噴射や点火が開始される最初の気筒(#1気筒)の圧縮上死点の到来時点に対応している。以後、その時点から180°CAが経過すると次の#3気筒の圧縮上死点が到来し、更に180°CAが経過すると次の#4気筒の圧縮上死点が到来し、更にまた180°CAが経過すると次の#2気筒の圧縮上死点が到来するようになっている。
始動1サイクル目におけるエンジン回転数Neは、図6(A)に示すように、点火順序に従って各気筒で爆発が行われるのに伴って増大していく。また、エンジン回転数Neの増大に伴って、吸気管負圧が負圧側に大きくなっていく。本実施形態のシステムは、このような始動1サイクル目における吸気バルブ32の開き時期IVOの制御(作用角の制御)に特徴を有している。
すなわち、本実施形態では、図6(B)に示すように、始動1サイクル目における各気筒の吸気バルブ32の作用角を、点火順序がより早い気筒ほど小さくし、点火順序が後になる気筒ほど、作用角を徐々に大きくするようにした。つまり、本実施形態では、可変動弁機構36を用いてそのような作用角調整を気筒毎に行うことで、始動1サイクル目において点火順序が後になる気筒ほど、吸気行程の時間が長くなるようにした。
このような制御によれば、始動1サイクル目の経過中に、エンジン回転数Neの上昇に伴って一定クランク角度分の時間が短くなることに起因する筒内流入燃料量の低下を良好に抑制することができる。言い換えれば、上記図2に示す関係からも判るように、始動1サイクル目におけるポート残留燃料量を良好に低減することが可能となる。また、始動1サイクル目の経過中におけるエンジン回転数Neの上昇に伴う各気筒の吸気行程の時間の変化によって、各気筒に対する筒内流入燃料量がばらつくのを抑制することができる。これにより、始動時における空燃比の制御性を良好に向上させることができる。
また、始動1サイクル目における点火順序毎の作用角拡大量は、始動1サイクル目の経過中におけるエンジン回転数Ne或いはその上昇率ΔNeに比例して大きくなるように決定してもよい。このような制御によれば、始動1サイクル目の経過中におけるエンジン回転数Ne或いはその上昇率ΔNeの変化の影響を受けずに、始動1サイクル目におけるポート残留燃料量を安定的に低減することができ、また、筒内流入燃料量のばらつきに起因する始動時の空燃比のばらつきを良好に抑制することができる。
また、本実施形態では、吸気バルブ32の閉じ時期IVCを一定値に固定したままに、点火順序が後になる気筒ほど吸気バルブ32の開き時期IVOを次第に進角させることによって、吸気バルブ32の上記作用角調整を実現するようにした。このように、吸気バルブ32の閉じ時期IVCを遅らせることによって作用角を拡大するのではなく、吸気バルブ32の開き時期IVOを早めることによって作用角を拡大する手法を採用することにより、エンジン回転数Neが低いことで吸気バルブ32のバルブ通過流速が本来であれば高くならない状態にある始動1サイクル目の前半側の気筒において、開弁時のバルブ通過流速を高めることができる。これにより、始動1サイクル目の前半側の気筒において、筒内流入燃料量を増加させることができ、また、筒内に流入される燃料の微粒化を向上させることができる。
また、本実施形態では、上述したように、始動1サイクル目の経過中に、点火順序が後になる気筒ほど、吸気バルブ32の開き時期IVOを進角させることによって、作用角の拡大を行うようにしている。このような制御を行わずに、始動1サイクル目における各気筒の吸気バルブ32の開き時期IVOを遅角化した状態を維持させるようにすると、吸気バルブ32の開き時期IVOの遅角化と、エンジン回転数Neの上昇に伴う吸気管負圧の増大とが相まって、燃料の性状(軽質、重質等)によってはポート残留燃料量に変化が生ずることとなる。これにより、始動1サイクル目における各気筒に対して、意図しない量の燃料が流入してしまうケースや、逆に想定される燃料量が流入されないケースが生じてしまう。
これに対し、本実施形態では、始動1サイクル目の経過中に、点火順序が後になる気筒ほど、吸気バルブ32の開き時期IVOを進角させるようにしている。エンジン回転数Neの上昇に伴って吸気管負圧が高くなると、吸気ポート16aや吸気バルブ32の傘部に付着した燃料が減圧沸騰により液滴状態から気化し易くなる。その結果、吸気圧の負圧化が進んだ状態では、吸気バルブ32の開き時期IVOの遅角化に頼らなくても、筒内流入燃料量の増加と燃料の微粒化が確保でき易くなる。このため、本実施形態のように、始動1サイクル目の経過中において、吸気管負圧が高まってきた後には吸気バルブ32の開き時期IVOの遅角化をなくしていくことによって、燃料の性状が変わっても、始動1サイクル目における筒内流入燃料量にさほど差がつかないようにすることが可能となる。つまり、燃料の性状によらずに、始動1サイクル目における筒内流入燃料量のばらつきを良好に抑制することができる。
更には、始動1サイクル目の最初の爆発気筒(#1気筒)における吸気バルブ32の開き時期IVOは、吸気上死点後45〜135°CAの範囲内の値に設定されることが望ましい。また、吸気バルブ32の閉じ時期IVCは、始動1サイクル目を通して、吸気下死点近傍の値に設定されることが望ましい。このような設定によれば、吸気バルブ32の閉じ時期IVCを吸気下死点近傍の値とすることで、実圧縮比を最も高めることができる。これにより、圧縮端温度を高めて燃焼改善を図ることができる。また、吸気バルブ32の開き時期IVOを吸気上死点後45〜135°CAの範囲内の値とすることで、図4を参照して上述したように、要求噴射量を低く抑えつつ良好な着火性を得ることができる。
[実施の形態1における具体的処理]
図7は、始動1サイクル目における各気筒の吸気バルブ32の開き時期IVOSTを決定するために、ECU50が実行するルーチンのフローチャートである。尚、ここでは、始動1サイクル目における各気筒の吸気バルブ32の閉じ時期IVCSTについては、吸気下死点後近傍の値で一定とされているものとする。
図7に示すルーチンでは、先ず、内燃機関10が始動状態にあるか否かが判別される(ステップ100)。より具体的には、本ステップ100では、クランク角センサ38およびカム角センサ40の信号等に基づいて、気筒判別がされているか否かが判別される。
その結果、内燃機関10が始動状態にあると判定された場合には、始動1サイクル目であるか否かが判別される(ステップ102)。より具体的には、本ステップ102の判定は、気筒判別情報などに基づいて、各気筒に対して噴射を開始すべきタイミングを判断することによって実行される。
その結果、始動1サイクル目であると判定された場合には、始動1サイクル目における各気筒の吸気バルブ32の開き時期IVOSTが取得される(ステップ104)。ECU50は、図8に示す関係で表されるようなマップ、すなわち、始動時の吸気バルブ32の開き時期IVOSTをエンジン回転数Neとの関係で定めたマップを記憶している。具体的には、当該開き時期IVOSTは、始動1サイクルにおける点火順番N(=1、2、3、4)に応じた4つの変数となる。
図8に示す関係は、エンジン回転数Neが高くなるほど、当該開き時期IVOSTが進角側の値となるように設定されている。このような関係から取得される開き時期IVOSTによれば、始動1サイクル目における各気筒の吸気バルブ32の開き時期IVOを、エンジン回転数Neの上昇に比例して、点火順序が後になる気筒ほど進角させていくようにすることができる。尚、図8における横軸は、エンジン回転数Neでなくても、例えば、始動1サイクル目におけるエンジン回転数Neの上昇率ΔNeであってもよい。
次に、上記ステップ104において取得された開き時期IVOSTがストアされる(ステップ106)。本ステップ106でストアされた開き時期IVOSTは、始動1サイクル目において、対応する気筒の吸気行程が到来した際に使用されることになる。
一方、上記ステップ100において内燃機関10の始動状態でないと判定された場合、或いは、始動1サイクル目でないと判定された場合には、始動1サイクル目に使用する吸気バルブ32の開き時期である変数IVOSTはゼロに設定される(ステップ108)。
以上説明した図7に示すルーチンによれば、点火順序が後になる気筒ほど、始動1サイクル目における各気筒の吸気バルブ32の作用角を拡大することができる。これにより、点火順序が後になる気筒ほど、始動1サイクル目における各気筒の吸気行程の時間が長くなるようにすることができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、本発明をポート噴射式の内燃機関10に適用した例を説明しているが、本発明の対象となる内燃機関は、ポート噴射式の内燃機関に限られるものではなく、例えば、筒内直接噴射式の内燃機関であってもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、ECU50が、上記図5に示す設定に従って始動1サイクル目における各気筒の燃料噴射量を設定することにより前記第1の発明における「燃料噴射量制御手段」が、上記図7に示すルーチンの一連の処理を実行することにより前記第1の発明における「吸気行程時間制御手段」が、それぞれ実現されている。
本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。 始動1サイクル目における燃料挙動の概要を示した図である。 吸気バルブの作用角が同一である条件下における吸気行程の時間とエンジン回転数Neとの関係を表した図である。 吸気バルブの閉じ時期IVCを固定した状態での、吸気バルブの開き時期IVOの変化に対する要求噴射量の感度を示す図である。 始動1サイクル目における各気筒の燃料噴射量を表した図である。 始動1サイクル目における各気筒の吸気バルブの開き時期IVOの制御を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 図7に示すルーチン中で参照される吸気バルブの開き時期IVOSTのマップの関係を表した図である。
符号の説明
10 内燃機関
12 ピストン
14 燃焼室
16 吸気通路
16a 吸気ポート
18 排気通路
22 スロットルバルブ
28 燃料噴射弁
30 点火プラグ
32 吸気バルブ
34 排気バルブ
36 可変動弁機構
38 クランク角センサ
40 カム角センサ
50 ECU(Electronic Control Unit)

Claims (5)

  1. 複数の気筒を有する内燃機関の始動時に、燃料噴射が開始される最初の1サイクル目における各気筒の燃料噴射量を、点火順序が後になるほど増量する燃料噴射量制御手段と、
    前記最初の1サイクル目における各気筒の吸気行程の時間を、点火順序が後になるほど長くする吸気行程時間制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  2. 吸気バルブの作用角を気筒毎に変更可能とする可変動弁機構を更に備え、
    前記吸気行程時間制御手段は、前記最初の1サイクル目において点火順序が後になる気筒ほど、吸気バルブの作用角を拡大することによって、点火順序が後になる気筒ほど、前記吸気行程の時間を長くすることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の始動制御装置。
  3. 前記吸気行程時間制御手段は、エンジン回転数に基づいて、前記作用角の拡大量を決定することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の始動制御装置。
  4. 前記吸気行程時間制御手段は、前記最初の1サイクル目において点火順序が後になる気筒ほど、吸気バルブの開き時期を進角させることによって、前記の作用角の拡大を行うことを特徴とする請求項2または3記載の内燃機関の始動制御装置。
  5. 前記吸気行程時間制御手段は、前記最初の1サイクル目における最初の爆発気筒における吸気バルブの開き時期を吸気上死点後45〜135°CAとし、当該最初の爆発気筒における吸気バルブの閉じ時期を吸気下死点近傍の値としたことを特徴とする請求項4記載の内燃機関の始動制御装置。
JP2007174435A 2007-07-02 2007-07-02 内燃機関の始動制御装置 Withdrawn JP2009013821A (ja)

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