JP2009013469A - バナジウム系水素吸蔵合金 - Google Patents
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Abstract
【課題】所定の水素吸蔵量を確保しつつ、従来のバナジウム系水素吸蔵合金と比較して更に水素化発熱量の低減可能なバナジウム系水素吸蔵合金を提供する。
【解決手段】バナジウム系水素吸蔵合金は、一般式(1): VxCryBz・・・(1)(但し、前記式(1)中、Bは、Ti、Al、またはMoであり、x、y、およびzは、それぞれ、x+y+z=100関係を満たし、かつ、BがTiの場合には、79≦x≦98、1≦y≦20、および1≦z≦2の関係を満たし、BがAlの場合には、79.5≦x≦98.5、1≦y≦18、および0.5≦z≦2の関係を満たし、BがMoの場合には80≦x≦98.5、1≦y≦17および0.5≦z≦15の関係を満たす正数である)で示される。
【選択図】図2
【解決手段】バナジウム系水素吸蔵合金は、一般式(1): VxCryBz・・・(1)(但し、前記式(1)中、Bは、Ti、Al、またはMoであり、x、y、およびzは、それぞれ、x+y+z=100関係を満たし、かつ、BがTiの場合には、79≦x≦98、1≦y≦20、および1≦z≦2の関係を満たし、BがAlの場合には、79.5≦x≦98.5、1≦y≦18、および0.5≦z≦2の関係を満たし、BがMoの場合には80≦x≦98.5、1≦y≦17および0.5≦z≦15の関係を満たす正数である)で示される。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば、燃料電池に供給する水素を貯える水素貯蔵材料として好適に使用することができるバナジウム系水素吸蔵合金に関し、さらに詳しくは水素を充填する際の水素化反応による発熱量(水素化発熱量)を低減したバナジウム系水素吸蔵合金に関する。
従来、燃料電池用の水素供給機構として、水素吸蔵合金と高圧水素貯蔵タンクとを組み合わせたハイブリッド型のものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この水素供給機構では、高圧水素貯蔵タンク内に水素吸蔵合金が配置されており、水素吸蔵合金は、高圧水素貯蔵タンク内で水素の吸蔵と放出を繰り返す。
このような水素吸蔵合金としては、一般に、LaNi5等のAB5系の合金、TiCr2等のAB2系の合金、バナジウム(V)を代表とする体心立方合金が知られている。中でもバナジウム−クロム−チタン系の体心立方合金(例えば、特許文献2、特許文献3、および特許文献4参照)は、水素吸蔵量が比較的大きい。このことから、前記したハイブリッド型の水素供給機構においてもバナジウム系水素吸蔵合金を使用することが望まれる。
その一方で、水素吸蔵合金は、周知のとおり、水素を充填する際に水素化熱を発生する。ちなみに、バナジウム系の体心立方合金の水素化発熱量(水素分子1mol当りの発熱量(以下、同じ))は、30〜40kJ/mol程度にも及ぶ。したがって、ハイブリッド型の水素供給機構に適用する水素吸蔵合金としては、高圧水素貯蔵タンクの熱耐性(熱軟化性)を考慮して水素化発熱量の小さいものが望まれるが、所定の水素吸蔵量の要求を満足しつつ水素化発熱量の小さいバナジウム系水素吸蔵合金は、まだ知られていない。
特開2004−281243号公報
特公昭59−38293号公報
特開平11−106859号公報
特開2001−247927号公報
このような水素吸蔵合金としては、一般に、LaNi5等のAB5系の合金、TiCr2等のAB2系の合金、バナジウム(V)を代表とする体心立方合金が知られている。中でもバナジウム−クロム−チタン系の体心立方合金(例えば、特許文献2、特許文献3、および特許文献4参照)は、水素吸蔵量が比較的大きい。このことから、前記したハイブリッド型の水素供給機構においてもバナジウム系水素吸蔵合金を使用することが望まれる。
その一方で、水素吸蔵合金は、周知のとおり、水素を充填する際に水素化熱を発生する。ちなみに、バナジウム系の体心立方合金の水素化発熱量(水素分子1mol当りの発熱量(以下、同じ))は、30〜40kJ/mol程度にも及ぶ。したがって、ハイブリッド型の水素供給機構に適用する水素吸蔵合金としては、高圧水素貯蔵タンクの熱耐性(熱軟化性)を考慮して水素化発熱量の小さいものが望まれるが、所定の水素吸蔵量の要求を満足しつつ水素化発熱量の小さいバナジウム系水素吸蔵合金は、まだ知られていない。
ところで、水素吸蔵合金の水素化発熱量を決定する一つの要素としては、含有する合金元素の種類が挙げられる。つまり、水素吸蔵合金に含有する合金元素自体(単金属)の水素化熱が小さいほど、そして水素化熱が小さい合金元素を多く含むほど水素吸蔵合金の水素化発熱量は小さくなる。したがって、水素化発熱量のより小さい水素吸蔵合金を得るために、水素化熱の小さい合金元素を選択して、この合金元素をより多く水素吸蔵合金に含有させればよいとの考えもある。
しかしながら、バナジウム系水素吸蔵合金においては、例えば、クロム(Cr)といった水素化熱が小さい合金元素の含有率を高めていくと、所定の含有率を超えた際に急激に水素吸蔵量が低下することを本発明者らは確認している。ここで参照する図14(a)は、バナジウム−クロム合金のクロム含有率に対する水素化発熱量の関係を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素化発熱量(kJ/mol)を示す。図14(b)は、バナジウム−クロム合金のクロム含有率に対するバナジウム−クロム合金の水素吸蔵量の関係を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素吸蔵量(質量%)を示す。
図14(a)に示すように、バナジウム−クロム合金においては、クロム含有率が高まるにつれて13.5原子%程度までは水素化発熱量が減少していく。ちなみに、クロム含有率が13.5原子%のバナジウム−クロム合金の水素化発熱量は、29.56kJ/molとなっている。そして、クロム含有率が13.5原子%を超えると逆に水素化発熱量は増加し始めて、クロム含有率が15原子%のバナジウム−クロム合金の水素化発熱量は、31.08kJ/molとなっている。なお、次の表1に、参考例2〜参考例10として、バナジウムにクロムのみを含む合金(バナジウム−クロム合金)の水素化発熱量および水素吸蔵量を示す。ちなみに、参考例1は、クロムを含まないバナジウムの水素化発熱量および水素吸蔵量を示している。
また、図14(b)に示すように、クロム含有率が13.5原子%までは2〜2.4質量%程度の水素吸蔵量を示していたバナジウム−クロム合金は、クロム含有率が13.5原子%を超えると水素吸蔵量が急激に低下して、クロム含有率が15原子%では1.01質量%となり、クロム含有率が17原子%では0質量%となって、バナジウム−クロム合金は、もはや水素を吸蔵しない。
つまり、このバナジウム−クロム合金(バナジウム系水素吸蔵合金)においては、水素化熱の小さい合金元素の含有率を単に高めてもその含有率がある値を超えると水素吸蔵量が大幅に低下するために、所定の水素吸蔵量を確保しつつ、更に水素化発熱量が低減可能なものを得ることは事実上困難となる。
つまり、このバナジウム−クロム合金(バナジウム系水素吸蔵合金)においては、水素化熱の小さい合金元素の含有率を単に高めてもその含有率がある値を超えると水素吸蔵量が大幅に低下するために、所定の水素吸蔵量を確保しつつ、更に水素化発熱量が低減可能なものを得ることは事実上困難となる。
そこで、本発明は、所定の水素吸蔵量を確保しつつ、従来のバナジウム系水素吸蔵合金と比較して更に水素化発熱量の低減可能なバナジウム系水素吸蔵合金を提供することを課題とする。
前記課題を解決する本発明のバナジウム系水素吸蔵合金は、一般式(1):
VxCryBz・・・(1)
(但し、前記式(1)中、Bは、Ti、Al、またはMoであり、x、y、およびzは、それぞれ、x+y+z=100関係を満たし、かつ、BがTiの場合には、79≦x≦98、1≦y≦20、および1≦z≦2の関係を満たし、BがAlの場合には、79.5≦x≦98.5、1≦y≦18、および0.5≦z≦2の関係を満たし、BがMoの場合には80≦x≦98.5、1≦y≦17および0.5≦z≦15の関係を満たす正数である)で示されることを特徴とする。
VxCryBz・・・(1)
(但し、前記式(1)中、Bは、Ti、Al、またはMoであり、x、y、およびzは、それぞれ、x+y+z=100関係を満たし、かつ、BがTiの場合には、79≦x≦98、1≦y≦20、および1≦z≦2の関係を満たし、BがAlの場合には、79.5≦x≦98.5、1≦y≦18、および0.5≦z≦2の関係を満たし、BがMoの場合には80≦x≦98.5、1≦y≦17および0.5≦z≦15の関係を満たす正数である)で示されることを特徴とする。
また、本発明のバナジウム系水素吸蔵合金は、一般式(2):
VxCryTiz1Alz2・・・(2)
(但し、前記式(2)中、x、y、z1、およびz2は、それぞれ、x+y+z1+z2=100、77≦x≦97.5、1≦y≦19、0.5≦z1≦2、および 1≦z2≦2の関係を満たす正数である)で示されることを特徴とする。
VxCryTiz1Alz2・・・(2)
(但し、前記式(2)中、x、y、z1、およびz2は、それぞれ、x+y+z1+z2=100、77≦x≦97.5、1≦y≦19、0.5≦z1≦2、および 1≦z2≦2の関係を満たす正数である)で示されることを特徴とする。
また、本発明のバナジウム系水素吸蔵合金は、一般式(3):
VxMoyTiz・・・(3)
(但し、前記式(3)中、x、y、およびzは、それぞれ、x+y+z=100、1≦y≦15の関係を満たし、83≦x≦98、および1≦z≦2の関係を満たす正数である)で示されることを特徴とする。
VxMoyTiz・・・(3)
(但し、前記式(3)中、x、y、およびzは、それぞれ、x+y+z=100、1≦y≦15の関係を満たし、83≦x≦98、および1≦z≦2の関係を満たす正数である)で示されることを特徴とする。
本発明のバナジウム系水素吸蔵合金によれば、所定の水素吸蔵量を確保しつつ、従来のバナジウム系水素吸蔵合金と比較して更に水素化発熱量を低減することができる。
以下に、本発明に係るバナジウム系水素吸蔵合金の実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は、本実施形態に係るバナジウム系水素吸蔵合金を使用した燃料電池用のハイブリッド型水素供給機構の構成説明図である。まず、ここでは本実施形態に係るバナジウム系水素吸蔵合金の説明に先立って、このバナジウム系水素吸蔵合金を使用した燃料電池用のハイブリッド型水素供給機構(以下、単に「水素供給機構」ということがある)について簡単に説明する。
図1に示すように、水素供給機構10は、燃料電池システム(図示省略)にアノードガスとしての水素を供給するものであって、高圧水素貯蔵タンク2内に後記するバナジウム系水素吸蔵合金1が内蔵されている。このバナジウム系水素吸蔵合金1は、粉末状であって吸蔵合金封入部4内に封入されている。そして、この吸蔵合金封入部4は、支持体3によって高圧水素貯蔵タンク2内に支持されている。この吸蔵合金封入部4内には、熱媒体が流通する配管7が導かれており、この熱媒体によってバナジウム系水素吸蔵合金1が冷却され、または加熱されるようになっている。
この水素供給機構10に水素が充填される際には、配管7を流れる熱媒体によってバナジウム系水素吸蔵合金1が冷却されるとともに、水素ガス充填管5を介して高圧水素貯蔵タンク2内に水素ガスが導入される。その結果、高圧水素貯蔵タンク2内では所定の圧力のもとにバナジウム系水素吸蔵合金1に水素が貯蔵されていく。この際、バナジウム系水素吸蔵合金1は、合金元素の水素化反応やバナジウム系水素吸蔵合金1の結晶構造の変形等によっていわゆる水素化熱を発生する。そして、配管7から遠い箇所、特に高圧水素貯蔵タンク2と吸蔵合金封入部4とが近接する箇所で放熱が不充分となって、熱が偏在することがある。しかしながら、本実施形態に係るバナジウム系水素吸蔵合金1は、後記するように、従来のバナジウム系水素吸蔵合金と比較して水素化発熱量が小さいので、従来のバナジウム系水素吸蔵合金で懸念されていた高圧水素貯蔵タンク2に与える熱的影響が低減される。ちなみに、本実施形態での高圧水素貯蔵タンク2は、アルミニウムライナーを内側に有するCFRP製のものが使用されている。
次に、本実施形態に係るバナジウム系水素吸蔵合金1(以下、符号は省略する)について説明する。
本実施形態に係るバナジウム系水素吸蔵合金は、水素化熱の小さい後記元素Aの所定量と、バナジウム系水素吸蔵合金の格子定数を大きくする(バナジウムおよび元素Aよりも原子半径の大きい)後記元素Bの所定量とをバナジウムに含有するものである。このバナジウム系水素吸蔵合金は、元素Aを含有することで水素化発熱量が低下する反面、その格子定数または(β)水素化物の格子定数が小さくなって水素吸蔵量が低下するところ、元素Bを含有することで所定の水素吸蔵量を確保している。本実施形態での元素Aは、クロム(Cr)またはモリブデン(Mo)であり、元素Bは、元素Aがクロムの場合(以下、バナジウム−クロム合金ということがある)には、モリブデン、チタン(Ti)、またはアルミニウム(Al)であり、元素Aがモリブデンの場合(以下、バナジウム−モリブデン合金ということがある)には、チタンである。また、元素Aがクロムの場合には、元素Bは、チタンおよびアルミニウムの組み合わせであってもよい。
以下に、本実施形態でのバナジウム−クロム合金、およびバナジウム−モリブデン合金について具体的に説明する。
本実施形態に係るバナジウム系水素吸蔵合金は、水素化熱の小さい後記元素Aの所定量と、バナジウム系水素吸蔵合金の格子定数を大きくする(バナジウムおよび元素Aよりも原子半径の大きい)後記元素Bの所定量とをバナジウムに含有するものである。このバナジウム系水素吸蔵合金は、元素Aを含有することで水素化発熱量が低下する反面、その格子定数または(β)水素化物の格子定数が小さくなって水素吸蔵量が低下するところ、元素Bを含有することで所定の水素吸蔵量を確保している。本実施形態での元素Aは、クロム(Cr)またはモリブデン(Mo)であり、元素Bは、元素Aがクロムの場合(以下、バナジウム−クロム合金ということがある)には、モリブデン、チタン(Ti)、またはアルミニウム(Al)であり、元素Aがモリブデンの場合(以下、バナジウム−モリブデン合金ということがある)には、チタンである。また、元素Aがクロムの場合には、元素Bは、チタンおよびアルミニウムの組み合わせであってもよい。
以下に、本実施形態でのバナジウム−クロム合金、およびバナジウム−モリブデン合金について具体的に説明する。
(バナジウム−クロム合金)
本実施形態でのバナジウム−クロム合金は、次の一般式(1):
VxCryBz・・・(1)
(但し、前記式(1)中、Bは、Ti、Al、またはMoであり、x、y、およびzは、それぞれ、x+y+z=100関係を満たし、かつ、BがTiの場合には、79≦x≦98、1≦y≦20、および1≦z≦2の関係を満たし、BがAlの場合には、79.5≦x≦98.5、1≦y≦18、および0.5≦z≦2の関係を満たし、BがMoの場合には80≦x≦98.5、1≦y≦17および0.5≦z≦15の関係を満たす正数である)、
または
次の一般式(2):
VxCryTiz1Alz2・・・(2)
(但し、前記式(2)中、x、y、z1、およびz2は、それぞれ、x+y+z1+z2=100、77≦x≦97.5、1≦y≦19、0.5≦z1≦2、および 1≦z2≦2の関係を満たす正数である)
で示されるものである。
本実施形態でのバナジウム−クロム合金は、次の一般式(1):
VxCryBz・・・(1)
(但し、前記式(1)中、Bは、Ti、Al、またはMoであり、x、y、およびzは、それぞれ、x+y+z=100関係を満たし、かつ、BがTiの場合には、79≦x≦98、1≦y≦20、および1≦z≦2の関係を満たし、BがAlの場合には、79.5≦x≦98.5、1≦y≦18、および0.5≦z≦2の関係を満たし、BがMoの場合には80≦x≦98.5、1≦y≦17および0.5≦z≦15の関係を満たす正数である)、
または
次の一般式(2):
VxCryTiz1Alz2・・・(2)
(但し、前記式(2)中、x、y、z1、およびz2は、それぞれ、x+y+z1+z2=100、77≦x≦97.5、1≦y≦19、0.5≦z1≦2、および 1≦z2≦2の関係を満たす正数である)
で示されるものである。
このようなバナジウム−クロム合金においては、前記したように、前記元素Bを含まないバナジウム−クロム合金では水素化発熱量が増加し、水素吸蔵量が急激に低下することとなるクロム含有率が13.5原子%以上(13.5≦y)で、後記するような顕著な効果が期待できることとなる。つまり、前記一般式(1)で示されるバナジウム−クロム合金においては、x、y、およびzのそれぞれが、77≦x≦86、13.5≦y≦20、および0.5≦z≦3の関係を満たすものが好ましく、より好ましくは、81.5≦x≦84、15≦y≦17、および1≦z≦1.5の関係を満たすものである。
また、元素Bがモリブデンの場合、モリブデンが後記するように水素化発熱量を低減する効果と格子定数を拡大する効果があるため、クロム含有率が低い組成域でモリブデン添加の効果が期待できる(実施例6〜実施例8参照)。つまりバナジウム−クロム−モリブデン合金においてはx、y、およびzのそれぞれが、81≦x≦86、 5≦y≦7、および7≦z≦15の関係を満たすものが好ましく、より好ましくは、81.5≦x≦86、5≦y≦7、および9≦z≦12の関係を満たすものである。
このようなバナジウム−クロム合金は、公知の製造方法で得ることができ、中でもアーク溶解法は好ましい。そして、得られたバナジウム−クロム合金は、粉末状にしたものを公知の条件下で活性化した後、図1に示す吸蔵合金封入部4内に封入されて使用される。
(バナジウム−モリブデン合金)
本実施形態でのバナジウム−モリブデン合金は、次の一般式(3):
VxMoyTiz・・・(3)
(但し、前記式(3)中、x、y、およびzは、それぞれ、x+y+z=100、1≦y≦15の関係を満たし、83≦x≦98、および1≦z≦2の関係を満たす正数である)
で示されるものである。
本実施形態でのバナジウム−モリブデン合金は、次の一般式(3):
VxMoyTiz・・・(3)
(但し、前記式(3)中、x、y、およびzは、それぞれ、x+y+z=100、1≦y≦15の関係を満たし、83≦x≦98、および1≦z≦2の関係を満たす正数である)
で示されるものである。
このようなバナジウム−モリブデン合金においては、後記するように、前記したTiを含まないバナジウム−モリブデン合金では水素吸蔵量が低下し始めることとなるモリブデン含有率が9原子%以上(9≦y)で、後記するような顕著な効果が期待できることとなる。つまり、前記一般式(3)で示されるバナジウム−モリブデン合金においては、x、y、およびzのそれぞれが、83≦x≦90、9≦y≦15、および1≦z≦2の関係を満たすものが好ましい。
このようなバナジウム−モリブデン合金は、前記したバナジウム−クロム合金と同様に公知の製造方法で得ることができる。
このようなバナジウム−モリブデン合金は、前記したバナジウム−クロム合金と同様に公知の製造方法で得ることができる。
以上のような本実施形態でのバナジウム−クロム合金、およびバナジウム−モリブデン合金(バナジウム系水素吸蔵合金)によれば、所定の水素吸蔵量を確保しつつ、従来のバナジウム系水素吸蔵合金と比較して更に水素化発熱量を低減することができる。
また、このようなバナジウム−クロム合金、およびバナジウム−モリブデン合金は、水素化発熱量を低減することができるので、高圧水素貯蔵タンクの熱耐性を考慮しなくてはならないハイブリッド型水素供給機構に好適に使用することができる。
また、このようなバナジウム−クロム合金、およびバナジウム−モリブデン合金は、水素化発熱量を低減することができるので、高圧水素貯蔵タンクの熱耐性を考慮しなくてはならないハイブリッド型水素供給機構に好適に使用することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
前記実施形態では、バナジウム系水素吸蔵合金をハイブリッド型水素供給機構に適用しているが、本発明は水素を必要とするあらゆる水素供給機構に使用することができる。
前記実施形態では、バナジウム系水素吸蔵合金をハイブリッド型水素供給機構に適用しているが、本発明は水素を必要とするあらゆる水素供給機構に使用することができる。
次に、本発明のバナジウム系水素吸蔵合金を実施例に基づいて更に具体的に説明する。
(実施例1〜実施例8、および比較例1〜比較例4)
実施例1〜実施例8、および比較例1〜比較例4では、前記式(1)の VxCryBz で示され、Bが、モリブデン(Mo)であるバナジウム−クロム合金(バナジウム系水素吸蔵合金)を、表2に示す組成(原子%)で製造し、その水素化発熱量と、水素吸蔵量とを測定した。その結果を表2に示す。
これらの合金は、アーク溶解法で製造し、JIS H 7201「圧力−等温線(PCT線)の測定法」に準じたPCT測定装置を使用してその評価を行った。なお、水素化発熱量は、平衡圧力の温度−圧力特性からファント・ホッフ則に基づいて算出した。
(実施例1〜実施例8、および比較例1〜比較例4)
実施例1〜実施例8、および比較例1〜比較例4では、前記式(1)の VxCryBz で示され、Bが、モリブデン(Mo)であるバナジウム−クロム合金(バナジウム系水素吸蔵合金)を、表2に示す組成(原子%)で製造し、その水素化発熱量と、水素吸蔵量とを測定した。その結果を表2に示す。
これらの合金は、アーク溶解法で製造し、JIS H 7201「圧力−等温線(PCT線)の測定法」に準じたPCT測定装置を使用してその評価を行った。なお、水素化発熱量は、平衡圧力の温度−圧力特性からファント・ホッフ則に基づいて算出した。
[バナジウム系水素吸蔵合金の評価結果]
ここで参照する図2(a)は、実施例1〜実施例4、実施例6〜実施例8、および比較例1〜比較例4で得られたバナジウム−クロム合金の水素化発熱量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素化発熱量(kJ/mol)を示す。図2(b)は、実施例1〜実施例4、実施例6〜実施例8、および比較例1〜比較例4で得られたバナジウム−クロム合金の水素吸蔵量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素吸蔵量(質量%)を示す。なお、図2(a)および(b)には、前記した参考例1〜参考例10におけるバナジウムまたはバナジウム−クロム合金(V100−yCry)の水素化発熱量および水素吸蔵量を破線で示している(図14(a)および(b)参照)。
ここで参照する図2(a)は、実施例1〜実施例4、実施例6〜実施例8、および比較例1〜比較例4で得られたバナジウム−クロム合金の水素化発熱量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素化発熱量(kJ/mol)を示す。図2(b)は、実施例1〜実施例4、実施例6〜実施例8、および比較例1〜比較例4で得られたバナジウム−クロム合金の水素吸蔵量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素吸蔵量(質量%)を示す。なお、図2(a)および(b)には、前記した参考例1〜参考例10におけるバナジウムまたはバナジウム−クロム合金(V100−yCry)の水素化発熱量および水素吸蔵量を破線で示している(図14(a)および(b)参照)。
図2(a)および(b)に示すように、実施例1〜実施例4のバナジウム−クロム合金は、バナジウム系水素吸蔵合金の格子定数を大きくする(バナジウムおよびクロムよりも原子半径の大きい)モリブデンを含有することで、参考例9(クロム含有率15原子%)のバナジウム−クロム合金と比較して水素吸蔵量が大きく、しかも水素化発熱量が小さくなっている。
また、モリブデンには格子定数を大きくする効果のほかに、水素化発熱量を下げる効果をも奏する。このため、実施例6〜実施例8のバナジウム−クロム合金では、参考例9(クロム含有率15原子%)のバナジウム−クロム合金よりもクロム含有率が低い領域でモリブデン含有率を増加させたことで、水素吸蔵量が参考例9のバナジウム−クロム合金と比較して水素吸蔵量が大きく、さらに水素化発熱量も小さくなっている。
そして、中でも実施例8のバナジウム−クロム合金(V81Cr7Mo12)は、水素化発熱量が最小となって18.19kJ/molであった。なお、図示しないが、クロム含有率が7原子%でモリブデン含有率が16原子%以上のバナジウム−クロム合金は、プラトー圧が高くなりすぎて、実用可能な領域から外れるものとなった。つまり、バナジウム−クロム−モリブデン合金では、モリブデン含有率が15原子%以下のものが最も好ましいことが確認された。
次に、クロムの含有率をさらに増加させて比較した。ここではクロム含有率15原子%で、水素化発熱量が最小であったモリブデン含有率が1原子%であるバナジウム−クロム合金(実施例2)と、クロム含有率が17原子%のバナジウム−クロム合金(表2の実施例5参照)とを比較した。ここで参照する図3(a)は、実施例2および実施例5で得られたバナジウム−クロム合金の水素化発熱量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素化発熱量(kJ/mol)を示す。図3(b)は、実施例2および実施例5で得られたバナジウム−クロム合金の水素吸蔵量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素吸蔵量(質量%)を示す。なお、図3(a)および(b)には、前記した参考例1〜参考例10におけるバナジウムまたはバナジウム−クロム合金(V100−yCry)の水素化発熱量および水素吸蔵量を破線で示している(図14(a)および(b)参照)。
図3(a)および(b)に示すように、実施例5のバナジウム−クロム合金(V82Cr17Mo)は、実施例2のバナジウム−クロム合金(V84Cr15Mo)よりも多くのクロムを含有することで、水素化発熱量が増大するとともに、水素吸蔵量が1質量%まで低下している。このことは、クロム含有率が17原子%のバナジウム−クロム合金(実施例5)は、2水素化物を形成できるほど水素吸蔵量が大きくないために、1水素化物領域の大きい水素化発熱量が観測されたためと考えられる。
ちなみに、バナジウム−クロム−モリブデン合金では、前記したように、V81Cr7Mo12(実施例8)の水素化発熱量(18.19kJ/mol)が最小であり、その水素吸蔵量は、1.97質量%であった。
ちなみに、バナジウム−クロム−モリブデン合金では、前記したように、V81Cr7Mo12(実施例8)の水素化発熱量(18.19kJ/mol)が最小であり、その水素吸蔵量は、1.97質量%であった。
(実施例9〜実施例16、および比較例5)
実施例9〜実施例16、および比較例5では、前記式(1)の VxCryBz で示され、Bが、チタン(Ti)であるバナジウム−クロム合金(バナジウム系水素吸蔵合金)を、表3に示す組成(原子%)で製造し、その水素化発熱量と、水素吸蔵量とを測定した。その結果を表3に示す。
実施例9〜実施例16、および比較例5では、前記式(1)の VxCryBz で示され、Bが、チタン(Ti)であるバナジウム−クロム合金(バナジウム系水素吸蔵合金)を、表3に示す組成(原子%)で製造し、その水素化発熱量と、水素吸蔵量とを測定した。その結果を表3に示す。
[バナジウム系水素吸蔵合金の評価結果]
ここで参照する図4(a)は、実施例9、実施例10、および比較例5で得られたバナジウム−クロム合金の水素化発熱量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素化発熱量(kJ/mol)を示す。図4(b)は、実施例9、実施例10、および比較例5で得られたバナジウム−クロム合金の水素吸蔵量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素吸蔵量(質量%)を示す。なお、図4(a)および(b)のそれぞれには、前記した参考例1〜参考例10におけるバナジウムまたはバナジウム−クロム合金(V100−yCry)の水素化発熱量および水素吸蔵量を破線で示している(図14(a)および(b)参照)。
ここで参照する図4(a)は、実施例9、実施例10、および比較例5で得られたバナジウム−クロム合金の水素化発熱量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素化発熱量(kJ/mol)を示す。図4(b)は、実施例9、実施例10、および比較例5で得られたバナジウム−クロム合金の水素吸蔵量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素吸蔵量(質量%)を示す。なお、図4(a)および(b)のそれぞれには、前記した参考例1〜参考例10におけるバナジウムまたはバナジウム−クロム合金(V100−yCry)の水素化発熱量および水素吸蔵量を破線で示している(図14(a)および(b)参照)。
図4(a)および(b)に示すように、実施例9および実施例10でのクロム含有率15原子%のバナジウム−クロム合金は、バナジウム系水素吸蔵合金の格子定数を大きくする(バナジウムおよびクロムよりも原子半径の大きい)チタンを含有することで、参考例9(クロム含有率15原子%)のバナジウム−クロム合金と比較して水素吸蔵量が大きく、しかも水素化発熱量は小さくなっているか略同等であった。
これに対して、比較例5でのチタン含有率3質量%のバナジウム−クロム合金(V82Cr15Ti3)は、チタンの含有率が2原子%を超えることで、水素化発熱量(33.74kJ/mol)が参考例9のバナジウム−クロム合金の水素化発熱量(31.08kJ/mol)よりも大きくなっている。このことはチタンが水素との親和力が大きいために水素化発熱量が増大したものと考えられる。つまり、バナジウム−クロム−チタン合金では、チタン含有率が2原子%以下のものが最も好ましいことが確認された。
これに対して、比較例5でのチタン含有率3質量%のバナジウム−クロム合金(V82Cr15Ti3)は、チタンの含有率が2原子%を超えることで、水素化発熱量(33.74kJ/mol)が参考例9のバナジウム−クロム合金の水素化発熱量(31.08kJ/mol)よりも大きくなっている。このことはチタンが水素との親和力が大きいために水素化発熱量が増大したものと考えられる。つまり、バナジウム−クロム−チタン合金では、チタン含有率が2原子%以下のものが最も好ましいことが確認された。
次に、チタン含有率が1原子%のバナジウム−クロム合金において、前記したクロム含有率15原子%のもの(実施例9)と、クロム含有率16原子%のもの(実施例11)と、クロム含有率17原子%のもの(実施例12)、およびクロム含有率18原子%のもの(実施例13)とを比較した。そして、チタン含有率2原子%のバナジウム−クロム合金において、前記したクロム含有率15原子%のもの(実施例10)と、クロム含有率18原子%のもの(実施例14)、クロム含有率19原子%のもの(実施例15)、およびクロム含有率20原子%のもの(実施例16)とを比較した。
ここで参照する図5(a)は、実施例9〜実施例16で得られたバナジウム−クロム合金の水素化発熱量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素化発熱量(kJ/mol)を示す。図5(b)は、実施例9〜実施例16で得られたバナジウム−クロム合金の水素吸蔵量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素吸蔵量(質量%)を示す。なお、図5(a)および(b)には、前記した参考例6〜参考例10におけるバナジウムまたはバナジウム−クロム合金(V100−yCry)の水素化発熱量および水素吸蔵量を破線で示している(図14(a)および(b)参照)。
図5(a)および(b)に示すように、チタン含有率が1原子%のバナジウム−クロム合金において、実施例11および実施例12のバナジウム−クロム合金は、前記した実施例9のバナジウム−クロム合金と比較して水素化発熱量が小さくなっている。また、実施例13のバナジウム−クロム合金の水素化発熱量は、実施例9のバナジウム−クロム合金の水素化発熱量より大きいものの、実施例13は、参考例として示すV100−yCry系合金の水素化発熱量の最小値(参考例8の29.56kJ/mol)よりも小さい水素化発熱量(27.14kJ/mol)を示している。そして、実施例14〜実施例16でのチタン含有率2原子%のバナジウム−クロム合金は、前記した実施例10のバナジウム−クロム合金と比較して水素化発熱量が小さくなっている。また、実施例12でのバナジウム−クロム合金(V82Cr17Ti)は、水素化発熱量が最小値を示して20.69kJ/molであり、水素吸蔵量も1.8質量%を超えていた。
(実施例17〜実施例22)
実施例17〜実施例22では、前記式(1)の VxCryBz で示され、Bが、アルミニウム(Al)であるバナジウム−クロム合金(バナジウム系水素吸蔵合金)を、表4に示す組成(原子%)で製造し、その水素化発熱量と、水素吸蔵量とを測定した。その結果を表4に示す。
実施例17〜実施例22では、前記式(1)の VxCryBz で示され、Bが、アルミニウム(Al)であるバナジウム−クロム合金(バナジウム系水素吸蔵合金)を、表4に示す組成(原子%)で製造し、その水素化発熱量と、水素吸蔵量とを測定した。その結果を表4に示す。
[バナジウム系水素吸蔵合金の評価結果]
ここで参照する図6(a)は、実施例17〜実施例20で得られたバナジウム−クロム合金の水素化発熱量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素化発熱量(kJ/mol)を示す。図6(b)は、実施例17〜実施例20で得られたバナジウム−クロム合金の水素吸蔵量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素吸蔵量(質量%)を示す。なお、図6(a)および(b)には、前記した参考例1〜参考例10におけるバナジウムまたはバナジウム−クロム合金(V100−yCry)の水素化発熱量および水素吸蔵量を破線で示している(図14(a)および(b)参照)。
ここで参照する図6(a)は、実施例17〜実施例20で得られたバナジウム−クロム合金の水素化発熱量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素化発熱量(kJ/mol)を示す。図6(b)は、実施例17〜実施例20で得られたバナジウム−クロム合金の水素吸蔵量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素吸蔵量(質量%)を示す。なお、図6(a)および(b)には、前記した参考例1〜参考例10におけるバナジウムまたはバナジウム−クロム合金(V100−yCry)の水素化発熱量および水素吸蔵量を破線で示している(図14(a)および(b)参照)。
図6(a)および(b)に示すように、実施例17〜実施例20でのクロム含有率15原子%のバナジウム−クロム合金は、バナジウム系水素吸蔵合金の格子定数を大きくする(バナジウムおよびクロムよりも原子半径の大きい)アルミニウムを含有することで、参考例9(クロム含有率15原子%)のバナジウム−クロム合金と比較して水素吸蔵量が大きく、しかも水素化発熱量は小さくなっている。
そして、クロム含有率が15原子%のものの中でも、実施例17のバナジウム−クロム合金(V84.5Cr15Al0.5)は、水素化発熱量が最小となって23.17kJ/molであった。また、中でもアルミニウム含有率が1.5原子%である実施例19では、水素吸蔵量が最大の2.29質量%を示しており、水素化発熱量が参考例として示すV100−yCry系合金の水素化発熱量の最小値(参考例8の29.56kJ/mol)よりも小さい25.40kJ/molであった。
なお、アルミニウム含有率が2質量%を超えると、得られるバナジウム−クロム合金は水素化物を形成し難くなるために水素吸蔵量が不充分となった。つまりバナジウム−クロム−アルミニウム合金では、アルミニウム含有率が2原子%以下のものが最も好ましいことが確認された。
そして、クロム含有率が15原子%のものの中でも、実施例17のバナジウム−クロム合金(V84.5Cr15Al0.5)は、水素化発熱量が最小となって23.17kJ/molであった。また、中でもアルミニウム含有率が1.5原子%である実施例19では、水素吸蔵量が最大の2.29質量%を示しており、水素化発熱量が参考例として示すV100−yCry系合金の水素化発熱量の最小値(参考例8の29.56kJ/mol)よりも小さい25.40kJ/molであった。
なお、アルミニウム含有率が2質量%を超えると、得られるバナジウム−クロム合金は水素化物を形成し難くなるために水素吸蔵量が不充分となった。つまりバナジウム−クロム−アルミニウム合金では、アルミニウム含有率が2原子%以下のものが最も好ましいことが確認された。
次に、水素吸蔵量が最大となったアルミニウム含有率が1.5原子%であるバナジウム−クロム合金において、前記したクロム含有率が15原子%のもの(実施例19)と、クロム含有率が17原子%のもの(実施例21)、およびクロム含有率が18原子%のもの(実施例22)とを比較した。
ここで参照する図7(a)は、実施例19、実施例21、および実施例22で得られたバナジウム−クロム合金の水素化発熱量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素化発熱量(kJ/mol)を示す。図5(b)は、実施例19、実施例21、および実施例22で得られたバナジウム−クロム合金の水素吸蔵量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素吸蔵量(質量%)を示す。なお、図7(a)および(b)には、前記した参考例1〜参考例10におけるバナジウムまたはバナジウム−クロム合金(V100−yCry)の水素化発熱量および水素吸蔵量を破線で示している(図14(a)および(b)参照)。
図7(a)および(b)に示すように、実施例21および実施例22でのアルミニウム含有率1.5原子%のバナジウム−クロム合金は、前記した実施例19のバナジウム−クロム合金と比較して水素化発熱量が小さくなっている。
そして、中でも実施例21のバナジウム−クロム合金(V81.5Cr17Al1.5)は、水素化発熱量が最小となって19.87kJ/molであった。また、水素吸蔵量も2.02質量%を確保していた。
そして、中でも実施例21のバナジウム−クロム合金(V81.5Cr17Al1.5)は、水素化発熱量が最小となって19.87kJ/molであった。また、水素吸蔵量も2.02質量%を確保していた。
なお、図示しないが、クロム含有率が19原子%以上となると、バナジウム−クロム合金はプラトー圧が高くなりすぎて、実用可能な領域から外れるものとなった。つまり、バナジウム−クロム−アルミニウム合金では、クロム含有率が18原子%以下のものが最も好ましいことが確認された。
(バナジウム−クロム合金についての検討)
次に、実施例1〜実施例22で得られたバナジウム−クロム合金のうち、水素化発熱量の最小値を示したバナジウム−クロム−モリブデン合金(実施例8)、バナジウム−クロム−チタン合金(実施例12)、およびバナジウム−クロム−アルミニウム合金(実施例21)を相互に比較した。
次に、実施例1〜実施例22で得られたバナジウム−クロム合金のうち、水素化発熱量の最小値を示したバナジウム−クロム−モリブデン合金(実施例8)、バナジウム−クロム−チタン合金(実施例12)、およびバナジウム−クロム−アルミニウム合金(実施例21)を相互に比較した。
ここで参照する図8(a)は、実施例8、実施例12、および実施例21で得られたバナジウム−クロム合金の水素化発熱量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素化発熱量(kJ/mol)を示す。図8(b)は、実施例8、実施例12、および実施例21で得られたバナジウム−クロム合金の水素吸蔵量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素吸蔵量(質量%)を示す。なお、図8(a)および(b)には、前記した参考例1〜参考例10におけるバナジウムまたはバナジウム−クロム合金(V100−yCry)の水素化発熱量および水素吸蔵量を破線で示している(図14(a)および(b)参照)。
図8(a)に示すように、バナジウム−クロム−モリブデン合金のうち、水素化発熱量の最小値を示す実施例8(18.19kJ/mol)は、参考例として示すV100−yCry系合金の水素化発熱量の最小値(参考例8の29.56kJ/mol)よりも38%低いものであった。
また、バナジウム−クロム−チタン合金のうち、水素化発熱量の最小値を示す実施例12(20.69kJ/mol)は、参考例として示すV100−yCry系合金の水素化発熱量の最小値(参考例8の29.56kJ/mol)よりも30%低いものであった。
また、バナジウム−クロム−アルミニウム合金のうち、水素化発熱量の最小値を示す実施例21(19.87kJ/mol)は、参考例として示すV100−yCry系合金の水素化発熱量の最小値(参考例8の29.56kJ/mol)よりも32%低いものであった。
また、バナジウム−クロム−アルミニウム合金のうち、水素化発熱量の最小値を示す実施例21(19.87kJ/mol)は、参考例として示すV100−yCry系合金の水素化発熱量の最小値(参考例8の29.56kJ/mol)よりも32%低いものであった。
そして、アルミニウムを含むバナジウム−クロム合金(実施例21)は、チタンを含むバナジウム−クロム合金(実施例12)よりも水素化発熱量が小さく、モリブデンを含むバナジウム−クロム合金(実施例8)はアルミニウムを含むバナジウム−クロム合金(実施例21)よりも水素化発熱量が小さい。つまり、バナジウム−クロム合金では、モリブデン、アルミニウム、およびチタンの順番でより水素化発熱量が低下することが判明した。
そして、 図8(b)に示すように、水素吸蔵量では、実施例21が最も大きく、次いで実施例8、および実施例12の順番となっていた。
そして、 図8(b)に示すように、水素吸蔵量では、実施例21が最も大きく、次いで実施例8、および実施例12の順番となっていた。
(実施例23〜実施例28)
実施例23〜実施例28では、前記式(2)の VxCryTiz1Alz2 で示されるバナジウム−クロム合金(バナジウム系水素吸蔵合金)を、表5に示す組成(原子%)で製造し、その水素化発熱量と、水素吸蔵量とを測定した。その結果を表5に示す。
実施例23〜実施例28では、前記式(2)の VxCryTiz1Alz2 で示されるバナジウム−クロム合金(バナジウム系水素吸蔵合金)を、表5に示す組成(原子%)で製造し、その水素化発熱量と、水素吸蔵量とを測定した。その結果を表5に示す。
[バナジウム系水素吸蔵合金の評価結果]
ここで参照する図9(a)は、実施例23、および実施例25〜実施例27で得られたバナジウム−クロム合金の水素化発熱量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素化発熱量(kJ/mol)を示す。図9(b)は、実施例23、および実施例25〜実施例27で得られたバナジウム−クロム合金の水素吸蔵量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素吸蔵量(質量%)を示す。なお、図9(a)および(b)には、前記した参考例1〜参考例10におけるバナジウムまたはバナジウム−クロム合金(V100−yCry)の水素化発熱量および水素吸蔵量を破線で示している(図14(a)および(b)参照)。
ここで参照する図9(a)は、実施例23、および実施例25〜実施例27で得られたバナジウム−クロム合金の水素化発熱量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素化発熱量(kJ/mol)を示す。図9(b)は、実施例23、および実施例25〜実施例27で得られたバナジウム−クロム合金の水素吸蔵量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素吸蔵量(質量%)を示す。なお、図9(a)および(b)には、前記した参考例1〜参考例10におけるバナジウムまたはバナジウム−クロム合金(V100−yCry)の水素化発熱量および水素吸蔵量を破線で示している(図14(a)および(b)参照)。
図9(a)および(b)に示すように、実施例23、および実施例25〜実施例27で得られたバナジウム−クロム合金は、参考例として示すバナジウムまたはバナジウム−クロム合金(V100−yCry)と比較して、水素化発熱量が小さくなった。また、水素吸蔵量も参考例と比較して増加しており、1.8質量%以上を確保した。つまり、バナジウム−クロム合金は、バナジウム系水素吸蔵合金の格子定数を大きくする(バナジウムおよびクロムよりも原子半径の大きい)元素を複数種含有するものであっても、参考例9(クロム含有率15原子%)のバナジウム−クロム合金と比較して水素吸蔵量が大きく、しかも水素化発熱量は小さくなっている。
(実施例29〜実施例32、および比較例6〜比較例8)
実施例29〜実施例32、および比較例6〜比較例8では、前記式(3)の VxMoyTiz で示されるバナジウム−モリブデン合金(バナジウム系水素吸蔵合金)を製造した。なお、次の表6には、バナジウムにモリブデンのみを含むバナジウム−モリブデン合金の水素化発熱量および水素吸蔵量を参考例11〜17として示した。
実施例29〜実施例32、および比較例6〜比較例8では、前記式(3)の VxMoyTiz で示されるバナジウム−モリブデン合金(バナジウム系水素吸蔵合金)を製造した。なお、次の表6には、バナジウムにモリブデンのみを含むバナジウム−モリブデン合金の水素化発熱量および水素吸蔵量を参考例11〜17として示した。
この実施例29〜実施例32、および比較例6〜比較例8では、次の表7に示す組成(原子%)でバナジウム−モリブデン合金(バナジウム系水素吸蔵合金)を製造し、その水素化発熱量と、水素吸蔵量とを測定した。その結果を表7に示す。
[バナジウム系水素吸蔵合金の評価結果]
ここで参照する図10(a)は、実施例30〜実施例32、および比較例6〜比較例8で得られたバナジウム−モリブデン合金の水素化発熱量を示すグラフであり、横軸はモリブデン含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素化発熱量(kJ/mol)を示す。図10(b)は、実施例30〜実施例32、および比較例6〜比較例8で得られたバナジウム−モリブデン合金の水素吸蔵量を示すグラフであり、横軸はモリブデン含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素吸蔵量(質量%)を示す。なお、図10(a)および(b)には、前記した参考例11〜参考例17(表6参照)におけるバナジウム−モリブデン合金(V100−yMoy)のモリブデン含有率yに対する水素化発熱量および水素吸蔵量の関係を破線で併記している。
ここで参照する図10(a)は、実施例30〜実施例32、および比較例6〜比較例8で得られたバナジウム−モリブデン合金の水素化発熱量を示すグラフであり、横軸はモリブデン含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素化発熱量(kJ/mol)を示す。図10(b)は、実施例30〜実施例32、および比較例6〜比較例8で得られたバナジウム−モリブデン合金の水素吸蔵量を示すグラフであり、横軸はモリブデン含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素吸蔵量(質量%)を示す。なお、図10(a)および(b)には、前記した参考例11〜参考例17(表6参照)におけるバナジウム−モリブデン合金(V100−yMoy)のモリブデン含有率yに対する水素化発熱量および水素吸蔵量の関係を破線で併記している。
表7に示すように、実施例29でのモリブデン含有率9原子%のバナジウム−モリブデン合金は、バナジウム系水素吸蔵合金の格子定数を大きくする(バナジウムおよびモリブデンよりも原子半径の大きい)チタンを含有することで、表6に示す参考例15(モリブデン含有率9原子%)のバナジウム−モリブデン合金での水素吸蔵量(2.04質量%)と比較して、略同等の水素吸蔵量(2.03質量%)を確保しながら、実施例29でのバナジウム−モリブデン合金の水素化発熱量(22.07kJ/mol)は、表6に示す参考例15でのバナジウム−モリブデン合金の水素化発熱量(23.31kJ/mol)よりも小さい。
また、図10(a)および(b)に示すように、実施例30および実施例31でのモリブデン含有率12原子%のバナジウム−モリブデン合金は、チタン含有率を12原子%とすることで、その水素化発熱量(実施例30:18.14kJ/mol、実施例31:16.12kJ/mol)が参考例16(モリブデン含有率12原子%)のバナジウム−モリブデン合金の水素化発熱量(19.41kJ/mol)と比較して小さくなっている。また、実施例30および実施例32でのバナジウム−モリブデン合金は、水素吸蔵量も参考例16と比較して大きい。
また、実施例32でのモリブデン含有率15原子%のバナジウム−モリブデン合金は、チタン含有率を1原子%とすることで、その水素化発熱量(17.42kJ/mol)が参考例17(モリブデン含有率15原子%)のバナジウム−モリブデン合金の水素化発熱量(17.42kJ/mol)と同等であるとともに、水素吸蔵量は参考例17よりも大きくなっている。
なお、比較例6〜比較例7でのバナジウム−モリブデン合金が示すように、チタン含有率が2原子%を超えるバナジウム−モリブデン合金は、水素化発熱量が低減されないので好ましくない。ちなみに、実施例31のバナジウム−モリブデン合金(V86Mo12Ti2)は、前記したように、水素化発熱量が最小となって16.12kJ/molであった。
(バナジウム−モリブデン合金についての検討)
ここで参照する図11(a)は、実施例30および実施例31で得られたバナジウム−モリブデン合金の水素化発熱量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素化発熱量(kJ/mol)を示す。図11(b)は、実施例30および実施例31で得られたバナジウム−モリブデン合金の水素吸蔵量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素吸蔵量(質量%)を示す。なお、図11(a)および(b)のそれぞれには、前記した参考例11〜参考例17(表6参照)におけるバナジウム−モリブデン合金(V100−yMoy)のモリブデン含有率yに対する水素化発熱量および水素吸蔵量の関係を破線で併記している。
ここで参照する図11(a)は、実施例30および実施例31で得られたバナジウム−モリブデン合金の水素化発熱量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素化発熱量(kJ/mol)を示す。図11(b)は、実施例30および実施例31で得られたバナジウム−モリブデン合金の水素吸蔵量を示すグラフであり、横軸はクロム含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素吸蔵量(質量%)を示す。なお、図11(a)および(b)のそれぞれには、前記した参考例11〜参考例17(表6参照)におけるバナジウム−モリブデン合金(V100−yMoy)のモリブデン含有率yに対する水素化発熱量および水素吸蔵量の関係を破線で併記している。
図11(a)に示すように、バナジウム−モリブデン−チタン合金のうち、水素化発熱量の最小値を示す実施例31(16.12kJ/mol)は、参考例15でのバナジウム−モリブデン合金(V91Mo9)の水素化発熱量(23.31kJ/mol)よりも30%低いものであった。
(バナジウム−クロム合金とバナジウム−モリブデン合金との比較)
次に、バナジウム−クロム合金のうち、水素化発熱量の最小値を示した実施例8、およびバナジウム−モリブデン合金のうち、水素化発熱量の最小値を示した実施例31を相互に比較した。
次に、バナジウム−クロム合金のうち、水素化発熱量の最小値を示した実施例8、およびバナジウム−モリブデン合金のうち、水素化発熱量の最小値を示した実施例31を相互に比較した。
ここで参照する図12(a)は、実施例8で得られたバナジウム−クロム合金、および実施例31で得られたバナジウム−モリブデン合金の水素化発熱量を示すグラフであり、横軸は合金元素(クロムまたはモリブデン)の含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素化発熱量(kJ/mol)を示す。図12(b)は、実施例8で得られたバナジウム−クロム合金、および実施例31で得られたバナジウム−モリブデン合金の水素吸蔵量を示すグラフであり、横軸は合金元素(クロムまたはモリブデン)の含有率y(原子%)を示し、縦軸は水素吸蔵量(質量%)を示す。なお、図12(a)および(b)には、前記した参考例1〜参考例10におけるバナジウムまたはバナジウム−クロム合金(V100−yCry)の水素化発熱量および水素吸蔵量の関係を破線で示すとともに、前記した参考例11〜参考例17におけるバナジウム−モリブデン合金(V100−yMoy)のモリブデン含有率yに対する水素化発熱量および水素吸蔵量の関係を破線で示している。
図12(a)および(b)に示すように、実施例8で得られたバナジウム−クロム合金、および実施例31で得られたバナジウム−モリブデン合金は、1.8質量%以上の水素吸蔵量を確保している。そして、実施例8で得られたバナジウム−クロム合金の水素化発熱量は、参考例として示すV100−yCry系合金の水素化発熱量の最小値と比較して38%低減された。また、実施例31で得られたバナジウム−モリブデン合金の水素化発熱量は、参考例15として示すV91Mo9の水素化発熱量と比較して30%低減された。
ここで本実施例で最も水素化発熱量の小さい実施例31でのバナジウム−モリブデン合金のPCT線図を図13に示す。このPCT線図において、実線は水素の吸蔵曲線であり、破線は水素の放出曲線である。このPCT線図から明らかなように、水素吸蔵合金に求められる好適な性能を発揮している。
1 バナジウム系水素吸蔵合金
2 高圧水素貯蔵タンク
10 水素供給機構
2 高圧水素貯蔵タンク
10 水素供給機構
Claims (3)
- 一般式(1):
VxCryBz・・・(1)
(但し、前記式(1)中、Bは、Ti、Al、またはMoであり、x、y、およびzは、それぞれ、x+y+z=100関係を満たし、かつ、BがTiの場合には、79≦x≦98、1≦y≦20、および1≦z≦2の関係を満たし、BがAlの場合には、79.5≦x≦98.5、1≦y≦18、および0.5≦z≦2の関係を満たし、BがMoの場合には80≦x≦98.5、1≦y≦17および0.5≦z≦15の関係を満たす正数である)
で示されることを特徴とするバナジウム系水素吸蔵合金。 - 一般式(2):
VxCryTiz1Alz2・・・(2)
(但し、前記式(2)中、x、y、z1、およびz2は、それぞれ、x+y+z1+z2=100、77≦x≦97.5、1≦y≦19、0.5≦z1≦2、および 1≦z2≦2の関係を満たす正数である)
で示されることを特徴とするバナジウム系水素吸蔵合金。 - 一般式(3):
VxMoyTiz・・・(3)
(但し、前記式(3)中、x、y、およびzは、それぞれ、x+y+z=100、1≦y≦15の関係を満たし、83≦x≦98、および1≦z≦2の関係を満たす正数である)
で示されることを特徴とするバナジウム系水素吸蔵合金。
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JP2007176855A JP2009013469A (ja) | 2007-07-05 | 2007-07-05 | バナジウム系水素吸蔵合金 |
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JP2009046739A (ja) * | 2007-08-22 | 2009-03-05 | Japan Steel Works Ltd:The | 高容量水素吸蔵合金 |
JP2012117151A (ja) * | 2011-12-27 | 2012-06-21 | Japan Steel Works Ltd:The | 高容量水素吸蔵合金 |
-
2007
- 2007-07-05 JP JP2007176855A patent/JP2009013469A/ja active Pending
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