JP2009013452A - 機械部品及び製造方法 - Google Patents

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Ganjiang Feng
ガンジャン・フェン
Paul S Dimascio
ポール・エス・ディマシオ
Jon C Schaeffer
ジョン・シー・シェイファー
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Abstract

【課題】 遮熱コーティング(TBC)系(110)を提供する。
【解決手段】 系は、基板表面領域(108)上に形成された1以上の遮熱コーティング(TBC)ボンドコート層(112)を備える。TBCボンドコート層は、1以上のTBCボンドコート材料を含む。TBCボンドコート材料は、ケイ素(Si)、ハフニウム(Hf)及び10重量%(wt%)未満のコバルト(Co)をも含む、ニッケル−クロム−アルミニウム−イットリウム(NiCrAlY)組成物である。TBC系は、TBCボンドコート層上に形成された1以上のトップコート層(120)をさらに備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、広義には機械部品の製造に関し、具体的には遮熱コーティング系の一部としてボンドコートを機械部品上に形成する方法に関する。
公知のタービンブレードはロータシャフトに取り付けられた中心ハブに結合しており、ブレードはハブとシャフトの中心軸に関してロータシャフトから略半径方向外側に延在する。各ブレードは翼形部を備える。作動中、例えば燃焼ガス流のような高エネルギー駆動流体が翼形部に衝突して、ブレードに回転エネルギーを与えることによってシャフトを回転させる。
公知の燃焼ガス流は高温であるので、公知の燃焼タービンブレードには、翼形部の基板表面上に複数の層から形成される遮熱コーティング(TBC)系を少なくとも備えているものがある。これらの層は、TBC系が様々な保護機能を提供できるように様々な材料組成を有していることもある。幾つかの公知のタービンブレードは、「ボンドコート」と呼ばれる材料を通例用いて翼形部基板上に形成された第1の層を有する。ボンドコートは、基板上に第1の接着性保護層を形成して、ボンドコート層の表面と適合性の材料からなる次の層の接合を促進する各種材料を呼ぶのに多用される用語である。TBC系の保護機能の一例は、高温燃焼ガスからの翼形部の遮蔽をTBC系で促進することである。具体的には、公知のTBC系は、基板温度を100℃(180°F)ほど下げて、基板の熱疲労及び/又はクリープのおそれを低減する。さらに、基板温度の低下によって、基板の熱誘起酸化及び/又は腐食のおそれを低減するのが促進される。
米国特許第4034142号明細書 米国特許第4419416号明細書 米国特許第4585481号明細書 米国特許第4861618号明細書 米国特許第5846605号明細書 米国特許第5981091号明細書 米国特許第6136453号明細書 米国特許第6255001号明細書 米国特許第6306515号明細書 米国特許第6368727号明細書 米国特許第6455167号明細書 米国特許第6861157号明細書
作動中、翼形部及びそれらのTBC系は高温でしかも燃焼タービン内に典型的に存在する潜在的に酸化性及び/又は腐食性の環境に暴露されるので、翼形部TBC系が変化しかねない。例えば、かかる環境に暴露され続けると、熱成長酸化物(TGO)層に悪影響を与え、さらに、熱成長酸化物(TGO)層の層状組織中に応力を生じさせてボンドコート及び/又はトップコート材料の早期破壊及び/又は剥離(すなわち、材料の部分的剥落又は層間剥離)の原因となりかねない。TBC系が剥離すると、翼形部基板が高温に露出されてしまう。
また、かかる環境に暴露され続けると、ボンドコート層からのアルミニウムの拡散も促進される。基板へのアルミニウム(Al)の拡散損失はボンドコート層中のアルミニウム濃度を減少させ、ボンドコート層とトップコート層間のTGO層界面で接着性保護アルミナスケールを生成し続けるボンドコート層の能力を低下させる。さらに、アルミニウムの相互拡散は翼形部壁内に拡散領域を生じる原因となり、基板特性に悪影響を与えかねない。例えば、基板の元素組成にアルミニウムを添加すると、翼形部壁の基板疲労強度の低下及び/又は翼形部の寿命低下を招くことがある。
一つの態様では、機械部品の製造方法を提供する。この方法は、表面領域を有する基板を備えた機械部品を形成することを含む。方法はさらに、基板表面領域上に1以上のTBCボンドコート層が形成されるように部品上に遮熱コーティング(TBC)系を形成することも含む。1以上のTBCボンドコート層は、高速フレーム溶射(HVOF)で形成される。TBCボンドコート材料はニッケル−クロム−アルミニウム−イットリウム(NiCrAlY)組成物であり、ケイ素(Si)、ハフニウム(Hf)及び10重量%(wt%)未満のコバルト(Co)も含んでいる。
別の態様では、遮熱コーティング(TBC)系を提供する。この系は、基板表面領域上に形成された1以上の遮熱コーティング(TBC)ボンドコート層を含む。TBCボンドコート層は、1以上のTBCボンドコート材料を含む。TBCボンドコート材料はニッケル−クロム−アルミニウム−イットリウム(NiCrAlY)組成物であり、ケイ素(Si)、ハフニウム(Hf)及び10重量%(wt%)未満のコバルト(Co)も含んでいる。TBC系は、TBCボンドコート層上に形成された1以上のトップコート層をさらに備える。
さらに別の態様では、機械部品を提供する。機械部品は、表面領域を有する基板を備える。基板表面領域の少なくとも一部は所定の材料組成を含む。機械部品は、遮熱コーティング(TBC)系も備える。TBC系は、1以上のTBCボンドコート層と、TBCボンドコート層上に形成された1以上のトップコート層とを備える。TBCボンドコート層は、1以上のTBCボンドコート材料を含む。材料は、ケイ素(Si)、ハフニウム(Hf)及び10重量%(wt%)未満のコバルト(Co)を含むニッケル−クロム−アルミニウム−イットリウム(NiCrAlY)組成物である。
本明細書中で「層」という用語は、特に限定されないが、シート状の広がり、材料の領域や材料、表面の被覆、或いはタービン部品のような物品の上層又は下層部分又はセグメントをいう。層は厚さを有する。層という用語は、層を形成する特定のプロセスを意味するものではない。例えば、層は溶射、コーティング、或いは積層プロセスで形成できる。
図1は、典型的な燃焼タービンブレード100の斜視図である。ブレード100は、ダブテール状ブレード根元104から延在する翼形部102を備える。根元104は、タービン(図1には図示せず)の中心に位置するハブ(図1には図示せず)の同様な形状の領域に植え込まれる。ハブとシャフトの中心軸に関してロータシャフトから略半径方向外側にブレード100が延在するように、複数のタービンブレード100が燃焼タービンロータシャフト(図1には図示せず)に取り付けられた中心ハブに結合される。作動中、例えば燃焼ガス流などの高エネルギーの駆動流体が翼形部102に衝突して、ブレード100に回転エネルギーを与えることによってシャフトを回転させる。
図2は、ブレード100(図1に示す)で使用できる典型的な翼形部102の概略断面図である。翼形部102は翼形部102内に内部冷却流体通路105を有しており、これに冷却流体(典型的には空気)を流して流体通路105を画成する内表面からの熱の除去を促進する。翼形部102は、超合金材料を含む基板106も備える。超合金は、典型的にはニッケル基又はコバルト基合金であり、超合金中のニッケル又はコバルトの量は、単独で重量最大となる元素である。ニッケル基超合金の例としては、特に限定されないが、約40重量%以上のニッケル(Ni)と、コバルト(Co)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ハフニウム(Hf)、ホウ素(B)、炭素(C)及び鉄(Fe)からなる群の1以上の成分とを含むものがある。ニッケル基超合金の具体例としては、特に限定されないが、Inconel(登録商標)、Nimonic(登録商標)、Rene(登録商標)(例えば、Rene(登録商標)80−、Rene(登録商標)95、Rene(登録商標)142及びRene(登録商標)N5合金)及びUdimet(登録商標)という商品名のものが挙げられ、方向性凝固超合金及び単結晶超合金も挙げられる。コバルト基超合金の例としては、約30重量%以上のコバルトと、ニッケル、クロム、アルミニウム、タングステン、モリブデン、チタン及び鉄からなる群の1以上の成分とを含むものがある。コバルト基超合金の例としては、特に限定されないが、Haynes(登録商標)、Nozzaloy(登録商標)、Stellite(登録商標)及びUltimet(登録商標)という商品名のものが挙げられる。
翼形部102は、基板106上に形成された追加の基板表面108と共に製造し、完成翼形部102の寸法と実質的に同じ所定の輪郭及び厚さをもつ所定の寸法に賦形してもよい。翼形部102は、遮熱コーティング(TBC)系110も備えている。公知の燃焼ガス流は高温であるので、公知の燃焼タービンブレード100には、翼形部102の基板表面108上に複数の層(図2には図示せず)から形成される遮熱コーティング(TBC)系110を備えるものがある。一実施形態では、燃焼ガス流温度の範囲は約1316℃〜1427℃(2400°F〜2600°F)である。これらの層は、高温燃焼ガスからのTBC系110による翼形部102の遮蔽を促進すべく、様々な材料組成を有していることがある。TBC系は、基板温度を100℃(180°F)ほど下げて、基板の熱疲労及び/又はクリープのおそれを低減する。さらに、基板温度の低下によって、基板の熱誘起酸化及び/又は腐食のおそれを低減するのが促進される。以下、系110をさらに説明する。
図3は翼形部102の一部の拡大図であり、図2に示す領域3に示す部分の拡大図である。冷却流体通路105は、基板106からの内部熱除去を促進する。後述するように、ボンドコート層112が基板表面108上に形成される。トップコート層120がボンドコート層表面114上に形成される。以下、層の構成要素についてさらに詳細に説明する。
TBC系ボンドコート層112は、1以上のMCrAlX材料で形成できる。ボンドコート層112に用いるMCrAlXは、TBC系110で使用できる様々な合金化学組成を表す。Cr及びAlはクロム及びアルミニウムの慣用略号である。Mは、通常ニッケル(Ni)、コバルト(Co)及び鉄(Fe)或いはこれらの組合せを表す。Xは、タンタル(Ta)、レニウム(Re)、ルテニウム(Rh)、白金(Pt)、ケイ素(Si)、ホウ素(B)、炭素(C)、ハフニウム(Hf)、イットリウム (Y)及びジルコニウム(Zr)などの元素及びこれらの組合せを示す。上記のMCrAlX材料は、TBC破壊機構として顕著なTBC系110と基板106の界面の酸化を低減する耐酸化性ボンドコート層の形成を促進する。
典型的な実施形態では、NiCrAlYがボンドコート層112に用いられる。本発明で用いる材料は、ボンドコート層112に用いる主要合金元素について略以下の重量%(wt%)を有する。
Ni 残部
Cr 21.90
Al 10.10
Y 1.04
Si 2.50
Hf 0.50
Co 0.00。
これらの主要な合金元素に加えて、耐酸化性を向上させるために少量の微量元素を添加してもよい。これらの微量元素としては、白金族金属(PGM)から選択される元素、通常はルテニウム(Rh)及び白金(Pt)を含んでいてもよい。
別法として、NiCrAlYはの主要合金元素を略以下の重量%で含んでいてもよい。
Ni 残部
Cr 5.00〜30.00
Al 5.00〜20.00
Y 0.01〜5.00
Si 0.50〜4.00
Hf 0.20〜2.00
Co 0.00〜5.00。
Siの4.00%という値は、Siの値が4%を超えるとケイ素酸化物(SiO)の形態のガラス状シリカの形成によってSiが失われ、ひいてはコーティング層の安定性が低下して耐酸化性の低下及び剥離のおそれが増す傾向にあることに基づく。
一般に、本発明の改良作用は、ボンドコート材料へのコバルトの導入量を減らしたときに最も顕著となる。Coが5重量%未満のときは、あまり悪影響はみられない。Coが5wt%を超えると、ボンドコート材料へのSi及びHfの添加によって得られる潜在的効果が損なわれる。Coはボンドコート層112とトップコート層120間の熱膨張率の差を増大させ、層112に対する層120の接着性を減少させる。
典型的な実施形態では、上述の元素を組合せて予備合金化粉末中に混合して、高速フレーム溶射(HVOF)法を用いて基板表面108に溶射する。このプロセスで、ボンドコート材料粉末が基板表面108に溶射される。翼形部102は取付具(図3には図示せず)に配設され、取付具によって翼形部102をHVOFガン(図3には図示せず)に対して回転させる。HVOFガンを保持するロボット(図3には図示せず)は、取付具から所定の距離に配置される。オキシプロピレンやケロシンのような燃料を燃焼させて、粉末を溶融状態に加熱する。得られる燃焼ガスの温度は1649℃(3000°F)〜2760℃(5000°F)となり、このガスを推進剤として用いて610m/s(2000ft/s)〜1524m/s(5000ft/s)の速度を与える。HVOFガンの1パスで、ボンドコート材料の層112を所定の平面又は所定面積に堆積させる。基板106の表面108を実質的に完全に被覆して所要の厚さのボンドコート層112を得るため、ボンドコート層112を堆積させる際に、HVOFガンと基板表面108を相対的に移動させるのが概して望ましい。その態様は、スプレイ塗装に用いられるプロセスと同様に、ガン及び基板表面108の一方又は両方の移動の形態であればよい。別法として、層112の形成法としては、特に限定されないが、プラズマ溶射も挙げられる。
また、別法として、複数の元素を適当な濃度及び割合で基板に同時に溶射する同時溶射法を用いてもよいが、所望の組成の均一で連続した皮膜が得られることを前提とする。これは、上述の通り、Siが不均一に分布すると4重量%を超える局在化Siを生じて耐酸化性の低下及び剥離性の増加を促進するので、Si添加剤に特に当てはまる。さらに、Siは層112全体に一段と均一に分布しているので、層112から基板106へのAlのバルク拡散が減る。
ボンドコート層112を有する翼形部102を炉に入れて熱処理する。翼形部102を、実質的な真空中で982℃(1800°F)〜1148℃(2100°F)の温度に2〜4時間保持する。翼形部102を炉から取り出して、所定の冷却速度で所定の温度に冷却する。
冷却完了後、HVOF法に代えてプラズマ溶射法を用いる点を除けば、ボンドコート層112に用いたのと同じ方法によって、表面114にトップコート層120を形成する。トップコート層120は典型的には酸化ジルコニウム(ZrO)に6〜8モル%(mol%)の酸化イットリウム(Y)を混合したもののようなセラミック材料であり、イットリア安定化ジルコニアもしくはYSZとも呼ばれ、(Y(ZrO94〜(Y(ZrO92の化学式を有する。典型的な実施形態では、層120は、約0.0508cm(0.02in)の厚さである。別法として、燃焼タービンに設置したときの所定の作動パラメータを満足又は超えるように層120の厚さを変えてもよい。
トップコート層120を有する翼形部102を炉に入れて熱処理する。翼形部102を、実質的な真空中で982℃(1800°F)〜1148℃(2100°F)の温度に2〜4時間保持する。翼形部102を炉から取り出して、所定の冷却速度で所定の温度に冷却する。
TBC系110を備える翼形部102を作動させて燃焼タービンに典型的に存在する高温の酸化性・腐食性環境に暴露すると、多数の金属学的プロセスを経てTBC系110が変化する。例えば、Alリッチの通常耐酸化性のボンドコート層112は所期に接着性の高い熱成長酸化物(TGO)層(図3には図示せず)を形成するが、これはボンドコート層112とトップコート層120の界面で成長する。酸化アルミニウム層は、アルミナ(Al)スケール層とも呼ばれる。TGO層は温度の関数として形成され、すなわち温度が高いほどTGO層中の酸化アルミニウム形成速度が増す。エンジンの作動サイクル中終始酸化物層は僅かな層間剥離を起こしており、ボンドコート層112中の残留Alの少なくとも一部が剥離したTGO層の層状組織と置き換わり、TGO層の形成及び再生が実質的に常に起きている。TGO層の成長を安定的に制御するのが概して望ましい。TGO層の不安定な成長は、TGO層とボンドコートの界面108の層状組織に応力を誘起して、過度の層状組織の応力パラメータを起こし、ボンドコートとトップコート層の材料の剥離(すなわち、材料の部分的剥離、或いは層間剥離)を起こしかねない。TBC系110が剥離すると、翼形部基板106が高温流体に直接露出される。
その他の熱駆動メカニズムによって、ボンドコート層112から基板106へのアルミニウムの拡散が促進される傾向がある。基板106へのAlの拡散損失は様々な有害な状態を引き起こしかねない。例えば、基板106内へのAlの移行は、ボンドコート層112内のAl濃度を減少させ、ボンドコート層112とトップコート層120のTGO層界面114でボンドコート層112が接着性保護アルミナスケールを生成し続ける能力を低下させる。また、Alの相互拡散は翼形部基板106内部に拡散領域を生じる。この相互拡散領域は基板106の特性を劣化させかなない。例えば、基板106の元素組成にAlを添加すると、基板106の影響部域に脆性相の析出を惹起する。この脆性相は基板106の疲労強度を低下させる傾向があり、翼形部102の壁の不都合な消耗を生じる。さらに、ボンドコート層112からのAl拡散によるその他の結末として、ボンドコート層112が相変化を起こす可能性もある。以下、結晶材料の相について説明する。
ボンドコート層112及びトップコート層120は典型的には結晶格子型の分子構造を有する。結晶材料(すなわち、概ね固体)は格子に類似した分子構造を有する。また、材料が複数の相としても存在し、材料の相はある条件下での材料の性能を定める。2つの別個の結晶構造を有する材料は2相を有すると考えられる。相は、ある系において均一な物理的及び化学的特性を有する均質部分である。ある所定の環境(例えば高温)下で、ある材料は遷移的挙動を示し、すなわち、当業者に公知のプロセスで例えばβ相からγ相へと相が変化する。ボンドコート層112内部での結晶構造の変化として現れる相変化は、相変態を起こした領域と相変態を起こさない領域の境界の層間領域にひずみを生じる。また、相変化は、トップコート層120とボンドコート層112の層状組織の界面で、層120と層112の間にひずみの不一致を生じさせる。このひずみの不一致は、上記と同様に剥離を起こしかねない。
ボンドコート混合物にケイ素及びハフニウムを添加すると、ボンドコート層112の耐酸化性が増し、翼形部102の予想有効寿命が延びる。ケイ素酸化物(SiO)の低減とボンドコート層112全体でのSiの実質的に均一な分布によって、耐酸化性の向上が促進される。固溶体のSiは、層112内部での酸素及び硫黄イオンの拡散速度を低減する傾向がある。さらに、Hfは作動中に形成される酸化物層を安定化して剥離を低減する傾向がある。
当技術分野で公知の通り、基本NiCrAlYコーティング混合物に耐酸化性を高めるための所定量のSiを配合すると、コーティング層の延性(つまり破断までの変形能力)が低下する傾向がある。コーティング層の良好な延性は、材料の結晶構造内の欠陥の発生を低減するとともに基板からの脱離も低減しつつ、燃焼タービンエンジンの全作動温度域での膨張と収縮を可能にする傾向がある。Hfをボンドコート層112の材料に添加すると、所望の耐酸化性を得るために用いたSiの量を低下させる傾向があり、それによって延性の低下を低減する。
向上した耐酸化性の促進に加えて、Hfは好ましくはβ相に存在し、ボンドコート層112の結晶構造内でのβ相からγ相への変態を低減する傾向がある。そのため、典型的なボンドコート層112中のHfは相安定剤として作用し、有害な結晶相変化を低減する。
本明細書に開示したタービンブレードの製造方法及び装置は、タービン系の作動に資する。具体的には、タービンブレード上に上述のようなボンドコート層を形成すると、タービンブレードの堅牢性、耐摩耗性及び信頼性が高まる。また、かかるブレードは、維持費及びタービン系の故障が減る。
タービンブレードの典型的な実施形態をタービン系に関して詳細に説明してきた。本発明の方法、装置及び系は、本明細書に開示した特定の実施形態に限定されるものではなく、また具体的に例示したタービンブレードに限定されるものでもない。
様々な特定の実施形態に関して本発明を説明してきたが、特許請求の範囲の技術的思想及び技術的範囲内で変更を加えて本発明を実施できることは当業者には明らかであろう。
典型的な燃焼タービンブレードの斜視図。 図1のブレードで使用できる典型的な翼形部の概略断面図。 図2の翼形部の領域3の部分の拡大図。
符号の説明
100 タービンブレード
102 翼形部
104 ブレード根元
105 冷却流体通路
106 翼形部基板
108 基板表面
110 遮熱コーティング(TBC)系
112 ボンドコート層
114 熱成長酸化物(TGO)ボンドコート層界面
120 トップコート層

Claims (10)

  1. 遮熱コーティング(TBC)系(110)であって、
    基板表面領域(108)上に形成された1以上の遮熱コーティング(TBC)ボンドコート層(112)であって、ケイ素(Si)、ハフニウム(Hf)及び10重量%(wt%)未満のコバルト(Co)を含むNiCrAlY組成物である1以上のTBCボンドコート材料を含むTBCボンドコート層と、
    TBCボンドコート層上に形成された1以上のトップコート層(120)と、
    を備える遮熱コーティング(TBC)系(110)。
  2. TBCボンドコート層(112)が、約5.0〜30.00wt%のCr、約5.00〜20.00wt%のAl、約0.01〜5.00wt%のY、約0.5〜4.00wt%のSi、約0.20〜2.00wt%のHf、約0.00〜5.00wt%のCoを含み、残部が実質的にNiからなる、請求項1記載のTBC系(110)。
  3. TBCボンドコート層(112)が、約21.90wt%のCr、約10.10wt%のAl、約1.04wt%のY、約2.5wt%のSi、約0.20〜2.00wt%のHfを含み、残部が実質的にNiからなる、請求項1記載のTBC系(110)。
  4. 基板表面(108)が超合金を含み、超合金がニッケル基超合金である、請求項1記載のTBC系(110)。
  5. TBCボンドコート層(112)がさらに1種以上の酸素活性元素を含み、1種以上の酸素活性元素が、イリジウム、オスミウム、パラジウム、白金、レニウム、ロジウム及びルテニウムからなる白金族の元素を含む、請求項1記載のTBC系(110)。
  6. NiCrAlY組成物が、
    局在化したSiの重量%が所定の重量%を超えないように1以上のTBCボンドコート層(112)中にケイ素が実質的に均一に分布した所定の重量%のSiと、
    所定の重量%のSiの達成を容易にする所定の重量%のHfと、
    を含む、請求項1記載のTBC系(110)。
  7. 表面領域(108)を有する基板であって、基板表面領域の少なくとも一部が所定の材料組成を含む基板と、
    基板表面領域上に形成された1以上の遮熱コーティング(TBC)ボンドコート層(112)であってケイ素(Si)、ハフニウム(Hf)及び10重量%(wt%)未満のコバルト(Co)を含むニッケル−クロム−アルミニウム−イットリウム(NiCrAlY)組成物である1以上のTBCボンドコート材料を含むTBCボンドコート層及びTBC層上に形成された1以上のトップコート層(120)を有する遮熱コーティング(TBC)系(110)と、
    を備える機械部品。
  8. TBCボンドコート層(112)が、約5.0〜30.00wt%のCr、約5.00〜20.00wt%のAl、約0.01〜5.00wt%のY、約0.5〜4.00wt%のSi、約0.20〜2.00wt%のHf、約0.00〜5.00wt%のCoを含み、残部が実質的にNiを含む、請求項7記載の機械部品。
  9. TBCボンドコート層(112)が、約21.90wt%のCr、約10.10wt%のAl、約1.04wt%のY、約2.5wt%のSi、約0.20〜2.00wt%のHfを含み、残部が実質的にNiを含む、請求項8記載の機械部品。
  10. 基板表面(108)の所定の材料組成は超合金を含み、超合金がニッケル基超合金である、請求項7記載の機械部品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010180460A (ja) * 2009-02-06 2010-08-19 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Hvof溶射コーティング層の形成方法及びタービン部材保持装置
JP2012142273A (ja) * 2010-12-30 2012-07-26 General Electric Co <Ge> 回路保護のための装置および方法
CN104711458A (zh) * 2015-03-02 2015-06-17 清华大学 一种用于热障涂层的含一种活性元素的粘结层材料
JP2016500756A (ja) * 2012-08-31 2016-01-14 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ プラズマスプレーによって形成された物品

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