JP2009013254A - 繊維強化複合材料用マトリックス樹脂およびプリプレグ - Google Patents

繊維強化複合材料用マトリックス樹脂およびプリプレグ Download PDF

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Abstract

【課題】低い温度で熱硬化できることで繊維強化複合材料の成型を安価かつ容易にし、得られる繊維強化複合材料が高い耐熱性を発現できる繊維強化複合材料用マトリックス樹脂およびプリプレグを目的とする。
【解決手段】下記の(A)成分と、1分子中に少なくとも2つのアミノ基を有するアミン化合物である(B)成分とを含有し、(A)成分が100質量部に対し、(B)成分が0.5〜10質量部であることを特徴とする繊維強化複合材料用マトリックス樹脂。(A)成分は、多官能性マレイミド(I)と多官能性シアン酸エステルとの混合物、多官能性マレイミド(I)と多官能性シアン酸エステルのオリゴマー(II)との混合物、多官能性マレイミド(I)と多官能性シアン酸エステルとの反応物、多官能性マレイミド(I)と多官能性シアン酸エステルのオリゴマー(II)との反応物、のいずれかである。
【選択図】なし

Description

本発明は、繊維強化複合材料用マトリックス樹脂およびプリプレグに関する。
繊維強化複合材料(FRP)を所望の形状に成型するためには、繊維強化複合材料用マトリックス樹脂を強化繊維に含浸した繊維強化複合材料中間体、いわゆるプリプレグを型に貼り付けた後、熱硬化させる方法が一例として挙げられる。
従来、繊維強化複合材料用マトリックス樹脂として、各種の樹脂組成物が使用されている。その中でも熱硬化性樹脂は、優れた力学的特性、特に引張強度および破断伸度を有すると共に、強化繊維との接着特性が良好であることから、好適に用いられている。
熱硬化性樹脂としては、その代表格として、強化繊維の強度発現性に優れたエポキシ樹脂が挙げられ、スポーツ用途から産業用途まで幅広く使用されている。また、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、シアン酸エステル樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂等が知られている。
産業分野では、近年、繊維強化複合材料が、産業用途への広がりとともに、種々の過酷な環境下で使用される機会が増えてきた。特に、180℃を超える高温でも使用できる繊維強化複合材料の要望が高まってきている。
繊維強化複合材料に180℃を超える耐熱性を付与できる熱硬化性樹脂としては、例えば特許文献1において、分子骨格中にナフタレン骨格等の耐熱性を有する芳香族環を持つエポキシ樹脂組成物と、芳香族アミンとを主成分とした耐熱性エポキシ樹脂が開示されている。また、耐熱性に優れたマレイミド骨格を有する多官能性マレイミドを主成分としたマレイミド樹脂も知られている。さらに、例えば特許文献2および特許文献3では、多官能性マレイミドと、多官能性シアン酸エステルとからなるオリゴマー、あるいはそれらの予備酸化物が検討されている。
一般に、繊維強化複合材料に180℃を超える耐熱性を付与するためには、プリプレグを型に貼り付けた後、180℃以上で熱硬化する必要がある。すなわち、成型に用いる型そのものも高温に曝されることになるため、耐熱性を有した型材で型を作製しなければならない。ところが、耐熱性を有する型材は、石膏等に代表される一般的な型材と比べて非常に高価な上、様々な形状に加工しにくいという欠点がある。ゆえに、得られる繊維強化複合材料の形状が制限され、さらには、繊維強化複合材料の成型コストが高騰する原因にもなっている。
産業分野としては、これら耐熱性を有する繊維強化複合材料を安価かつ容易に成型したいという要望がある。繊維強化複合材料を安価かつ容易に成型するには、例えば成型に要する温度を低くすることが考えられる。成型における熱硬化の温度を低くできれば、一般的な型材で作製された型を用いることができるので、型に要するコストが低減でき、繊維強化複合材料の形状の自由度も向上できる。さらには、加熱に要するエネルギーコストも抑えられるので、繊維強化複合材料の安価かつ容易な成型に大きく寄与することができる。
この課題に対し、例えば特許文献4では、耐熱性を有するエポキシ樹脂組成物と芳香族アミンを主成分とする樹脂組成物に、100℃以下で硬化する硬化剤を併用することで、低温で一次硬化後、成型物を型から外し、さらに高温で二次硬化することにより、180℃以下での成型と、得られる繊維強化複合材料の耐熱性との両立を試みている。
特開平8−41173号公報 特開昭62−146927号公報 特開平8−225667号公報 特開2006−131920号公報
しかしながら、特許文献1では、一次硬化は80〜130℃で実施しているものの、約180℃の耐熱性を得るためには、二次硬化として180℃での熱硬化が必要である。また、特許文献2および特許文献3では、高い耐熱性を有した繊維強化複合材料が得られるものの、熱硬化には180℃程度の温度を必要とする。また、特許文献4では、一次硬化と二次硬化の間に成型物を型から外す必要があり、成型工程が複雑になる。また、耐熱性を付与するためには、最終的に180℃程度の加熱が必要であるため、エネルギーコストの低減には結びつかない。
また、近年、180℃を超える高い耐熱性を有した樹脂組成物として、耐熱性に優れたポリアミドイミドに代表されるエンジニアリングプラスチックと呼ばれる熱可塑性樹脂が検討されている。しかしながら、エンジニアリングプラスチックを用いた繊維強化複合材料の成型には、熱可塑性樹脂を熱融解させるために180℃以上の加熱が必要であり、繊維強化複合材料を容易かつ安価に成型したいという市場要求には合致しにくい。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、低い温度で熱硬化できることで繊維強化複合材料の成型を安価かつ容易にし、得られる繊維強化複合材料が高い耐熱性を発現できる繊維強化複合材料用マトリックス樹脂およびプリプレグを目的とする。
[1] 下記の(A)成分と、1分子中に少なくとも2つのアミノ基を有するアミン化合物である(B)成分とを含有し、(A)成分が100質量部に対し、(B)成分が0.5〜10質量部であることを特徴とする繊維強化複合材料用マトリックス樹脂。
(A)成分は、
多官能性マレイミド(I)と多官能性シアン酸エステルとの混合物、
多官能性マレイミド(I)と多官能性シアン酸エステルのオリゴマー(II)との混合物、
多官能性マレイミド(I)と多官能性シアン酸エステルとの反応物、
多官能性マレイミド(I)と多官能性シアン酸エステルのオリゴマー(II)との反応物、
のいずれかである。
[2] (A)成分に含まれる多官能性マレイミド(I)がメチレンビス−p−フェニレンジマレイミドであり、(A)成分に含まれる多官能性シアン酸エステルとしてビスフェノールA型ジシアネートを用い、その比率がメチレンビス−p−フェニレンジマレイミドとビスフェノールA型ジシアネートの30:70〜1:99であることを特徴とする[1]に記載の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂。
[3](B)成分であるアミン化合物が、分子中に芳香族基を少なくとも一つ以上有することを特徴とする[1]または[2]に記載の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂。
[4](B)成分であるアミン化合物が、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンもしくは3,3’−ジアミノジフェニルスルホンであることを特徴とする[3]に記載の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂を強化繊維に含浸させたプリプレグ。
本発明の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂およびプリプレグを用いれば、低い温度で熱硬化できるため、繊維強化複合材料が安価かつ容易に成型でき、かつ、高い耐熱性を有した繊維強化複合材料を提供することができる。
本発明の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂は、その樹脂組成物中に、下記の(A)成分と、1分子中に少なくとも2つのアミノ基を有するアミン化合物である(B)成分とを含有する熱硬化性樹脂である。
(A)成分は、
多官能性マレイミド(I)と多官能性シアン酸エステルとの混合物、
多官能性マレイミド(I)と多官能性シアン酸エステルのオリゴマー(II)との混合物、
多官能性マレイミド(I)と多官能性シアン酸エステルとの反応物、
多官能性マレイミド(I)と多官能性シアン酸エステルのオリゴマー(II)との反応物、
のいずれかである。
以下に、本発明の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂を構成する(A)成分、硬化剤である(B)成分、その他の成分、ならびに本発明の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂を含浸させる強化繊維について記述する。
<(A)成分>
(A)成分に含まれる多官能性マレイミド(I)は、マレイミド基を2個以上有する化合物であって、下記一般式(1)で表されるビスマレイミドの他、これらのビスマレイミドとジアミンから得られるプレポリマーを含む。なお、下記一般式(1)中のRは、2価の芳香族基または脂肪族基を示す。
Figure 2009013254
上記一般式(1)のビスマレイミドは、無水マレイン酸とジアミンとを反応させてビスマレアミド酸を調整し、次いで、ビスマレアミド酸を脱水環化させることにより合成することができる。なお、脱水環化の方法については、公知の方法を用いることができる。
ジアミンとしては、耐熱性の観点から芳香族ジアミンが好適であるが、可撓性等の機能を付与したい場合には、脂肪族アミンを単独で、あるいは組み合わせて用いてもよい。
ジアミンの具体例としては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等が挙げられる。
本発明では、一般式(1)で表されるビスマレイミド化合物以外の公知のビスマレイミド化合物を併用することも可能である。その具体例としては、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス{4−(4−マレイミドフェノキシ)−フェニル}プロパン、ビス(3,5-ジメチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5―ジエチル―4-マレイミドフェニル)メタン、これらビスマレイミド化合物のプレポリマー、もしくはビスマレイミド化合物とアミン化合物のプレポリマー等が挙げられ、1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することが可能である。
(A)成分に含まれる多官能性シアン酸エステルのモノマーまたはそのオリゴマー(II)は、2個以上のシアン酸エステル基を有する有機化合物またはそのオリゴマーであり、下記一般式(2)で表される。なお、下記一般式(2)中のnは2〜5の整数、Rは芳香族性の有機残基を示す。
Figure 2009013254
また、下記一般式(3)で表されるシアン酸エステル基の三量化によって形成されるトリアジン環を有するトリアジンオリゴマー、およびそのプレポリマーを好適に使用することができる。なお、下記一般式(3)中のRは芳香族性の有機残基を示す。
Figure 2009013254
多官能性シアン酸エステルとしては、1,3―ジシアナートベンゼン、1,4―ジシアナートベンゼン、4,4−ジシアナートビフェニル、ビス(4−シアナートフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパン、ビス(4−シアナートフェニル)スルホン、ビスフェノールA型ジシアネート等が用いられる。その他に、アミンとの反応によって形成されるプレポリマーであってもよい。なお、プレポリマーを形成するアミンとしては、上記のビスマレイミドの合成および変性に用いたジアミンを用いることができる。
本発明における好適な(A)成分として、多官能性マレイミド(I)にメチレンビス−p−フェニレンジマレイミドが、多官能性シアン酸エステルとしてビスフェノールA型ジシアネートが用いられる。炭素繊維複合材料とした際に、優れた機械的強度と高い耐熱性を両立するために有利であるからである。なお、メチレンビス−p−フェニレンジマレイミドとビスフェノールA型ジシアネートの質量比率としては、30:70〜1:99が好適である。
(A)成分の調製方法は特に限定されないが、例えば、(A)成分を構成する多官能性マレイミド(I)と多官能性シアン酸エステルのモノマーまたはそのオリゴマー(II)を、約160℃で約5時間程度の加熱溶融により混合する方法や、メチルエチルケトン、Nメチルピロドリン、ジメチルホルムアミド、キシレン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド等の有機溶剤に溶解して混合する方法が挙げられる。また、多官能性マレイミド(I)と、多官能性シアン酸エステルのモノマーまたはそのオリゴマー(II)の、どちらか一方または両方を予めオリゴマー化させた後に混合することや、両者を混合後、オリゴマー化させることも可能である。
(A)成分である多官能性マレイミド(I)と、多官能性シアン酸エステルのモノマーまたはそのオリゴマー(II)とは、ともにマレイミド−シアン酸エステル樹脂の主原料であり、これらの混合物または反応物は市販品として存在する。本発明では、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えばBT2160(メチレンビス−p−フェニレンジマレイミドとビスフェノールA型ジシアネートの予備反応物の半固形タイプ、三菱ガス化学社製)、BT2170(メチレンビス−p−フェニレンジマレイミドとビスフェノールA型ジシアネートの予備反応物の固形タイプ、三菱ガス化学社製)、BT2680(メチレンビス−p−フェニレンジマレイミドとビスフェノールA型ジシアネートの予備反応物の固形タイプ、三菱ガス化学社製)等が挙げられるが、これらに限定されることはない。
(A)成分である多官能性マレイミド(I)と、多官能性シアン酸エステルのモノマーまたはそのオリゴマー(II)とは、加熱によって重合反応し、複雑かつ緻密な網目構造を有する硬化物を形成できる。(A)成分中に存在するマレイミド由来のマレイミド骨格、および硬化によって形成される多官能性マレイミドと多官能性シアン酸エステルが結合した分子骨格を有する網目構造は、高い耐熱性を有している。ゆえに、本発明の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂は、高い耐熱性を獲得できる。
<(B)成分>
(B)成分は、1分子中に少なくとも2つのアミノ基を有するアミン化合物である。より好適には、上記アミン化合物の分子中に、芳香族基を少なくとも一つ以上有するアミン化合物が用いられる。
(B)成分は(A)成分の硬化剤として作用する。一般に、(A)成分に比べて、(B)成分であるアミン化合物自体の耐熱性は低い。そのアミン化合物と(A)成分を配合することにより、マトリックス樹脂の耐熱性の低下が懸念されるが、上記アミン化合物が、その分子中に芳香族基を有していれば、得られる硬化物は、(A)成分が有する優れた耐熱性を損なうことなく、高い機械的強度の発現が期待できる。そのため、芳香族基を少なくとも一つ以上有するアミン化合物が用いられる。
上記特徴を有するアミン化合物としては、例えば、ジアミノジフェニルメタンおよびその変性物、ならびにジアミノジフェニルスルホンおよびその変性物が挙げられ、これらの群から選ばれる1種以上が(B)成分として好適に用いられる。
好適に用いられるジアミノジフェニルメタンおよびこれらの変性物としては、例えば、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンが挙げられ、好適に用いられるジアミノジフェニルスルホンおよびこれらの変性物としては、例えば3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンが挙げられる。これらの中でも、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンもしくは4,4’−ジアミノジフェニルスルホンがより好適に用いられる。
3,3’−ジアミノジフェニルスルホンもしくは4,4’−ジアミノジフェニルスルホンは、優れた機械的強度および耐熱性が得られるだけでなく、マトリックス樹脂もしくはマトリックス樹脂を強化繊維に含浸させた繊維強化複合材料の中間体(以下プリプレグ)の保存安定性が優れているため、より好適に用いられる。
上記のジアミノジフェニルメタンおよびその変性物、ならびにジアミノジフェニルスルホンおよびその変性物は、エポキシ樹脂硬化剤として公知であり、本発明では市販品を用いてもよい。上記市販品としては、特に限定されないが、例えばスミキュアーM、スミキュアーS(ともに住友化学工業社製)、セイカキュア、セイカキュアS(ともに和歌山精化社製)、カヤハードA−A、カヤハードA−B(ともに日本化薬社製)、H9664(デグサ社製)等が挙げられる。
なお、(B)成分は常温で固体である。(B)成分を(A)成分の硬化剤として、より効果的に作用させるには、(B)成分を粉砕して用いるのがよい。粉砕後の(B)成分の平均粒径は、40μm以下が好適であり、20μm以下がより好適である。
本発明で使用できる(B)成分の形態としては、上述した(B)成分そのものであってもよいが、以下に述べるマイクロカプセルに(B)成分を封入した形態であってもよい。
マイクロカプセル等により潜在性を付与することにより、さらに常温での保存安定性が向上する。本発明でいう潜在性とは、製造工程でかかる温度である60℃以下では硬化剤としての作用をせず、それ以上の特定の温度、圧力、光量条件により硬化剤としての作用を発現させる機能をいう。
マイクロカプセル化の方法としては、コアセルベーション法、インサイチュー(insitu)重合法、界面重合法、ラジカル重合法、蒸気蒸着法、ウースター(Wurster)塗付法、パンコーティング法等の方法を用いることが可能である。
なお、マイクロカプセルは約40μm以下の平均粒径が好適である。より好適には平均粒径が20μm以下である。
マイクロカプセルの皮膜は、加熱により破壊可能な熱可塑性樹脂の皮膜が好適である。熱可塑性樹脂の皮膜を構成するための皮膜剤としては、ポリウレタンウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエーテルサルフォン、フェノキシ樹脂、アイオノマー、ポリエステル樹脂、ポリイソシアナートが、強度に優れ、かつ100〜170℃の範囲で可塑化しうるため好適に用いられる。
また、皮膜剤とする熱可塑性樹脂に、特定波長を吸収する色素等を配合することで、光に反応できる潜在性を(B)成分に付与することも可能である。すなわち、この樹脂からなる皮膜に、特定の光を照射することで、マイクロカプセルの皮膜を構成する樹脂が破壊され、それにより(B)成分が溶出し、硬化剤としての作用を発現させることができる。
潜在性を付与する方法に好適に用いられる硬化剤としては、アミンアダクト型潜在性硬化剤、アミンイミドブロックイソシアネート、アミンのカルバミン酸、オニウム塩等を挙げることができる。
マイクロカプセルの形態としては、この他にも、活性炭やシリカ等の多孔質体に(B)成分を担持させたマイクロカプセルであっても構わない。このマイクロカプセルは、所定の温度に達すると、担持していた(B)成分を放出させることにより潜在性を発揮する。
これらのマイクロカプセルの製造方法は特に限定されないが、例えば、(B)成分を有機溶剤で溶解した後、多孔質体に(B)成分を吸収させてから、有機溶剤成分を除去する方法や、B成分を多孔質体に高温高圧環境下で吸収させる方法が例示できる。
これらのマイクロカプセルとしては、市販されているものも使用できる。市販品としては、例えば、(B)成分として4,4‘−DDSを内包したエネックス社製のHB−MC GE40、HB−MC GE45、HB−MC GE50等が好適に使用できる。
本発明の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂において、(B)成分は(A)成分の硬化剤として作用する。
従来、(A)成分の硬化剤としては、P−トルエンスルホン酸等の少量のルイス酸や、過酸化ジクミル等の過酸化物を用いることが一般的であった。しかし、これらの硬化剤を用いて繊維強化複合材料用マトリックス樹脂を熱硬化させるには、180℃程度の温度が必要だった。
発明者らは鋭意研究の結果、(A)成分の100質量部に対し、硬化剤として(B)成分を0.5〜10質量部の範囲内で配合することによって、(A)成分の硬化反応に必要な温度を170℃以下に低減できることを見出した。
(B)成分が0.5質量部未満であると、硬化に必要な温度を170℃未満に低減することができないばかりでなく、硬化反応を十分に完了することができなくなる。
(B)成分が10質量部を超えると、得られる樹脂組成物が高粘度となるため、強化繊維への含浸性が劣ってしまう。高粘度のマトリックス樹脂を強化繊維に含浸させるためには、通常より10〜20℃程度高い温度をかけて、マトリックス樹脂の粘度を下げる必要がある。その結果、製品に大きな熱履歴がかかり、保存安定性が失われてしまう懸念が生じる。また、この樹脂組成物を含浸して得られるプリプレグは、室温での保存安定性に欠ける。さらには、硬化温度の低減効果も弱まってしまう。
特に、上述した潜在性を付与した(B)成分を用いる場合は、(B)成分の含有量が本発明の範囲内であることが重要である。
<その他の成分>
本発明の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂には、タック性や耐衝撃性を改質する成分として、エポキシ樹脂や熱可塑性樹脂等を適宜含有させてもよい。
エポキシ樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ダイマー酸型可撓性エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、シクロペンタジエンエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンエポキシ樹脂、ナフタレンもしくはビフェニル骨格等を有するエポキシ樹脂、N,N,N,N−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンに代表される多官能性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能性エポキシ樹脂およびその誘導体等が挙げられる。なお、上記エポキシ樹脂は単独で配合してもよく、2種以上を配合してもよい。
熱可塑性樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ナイロン類(ナイロン6、ナイロン12、共重合ナイロン等)、ポリエーテルサルフォン(商品名:PES3600、PES4300、PES5003p等、住友化学社製 他)、重合脂肪酸系ポリアミド樹脂(商品名:PA30、PA60、PA100、TPAE10、TPAE12、TPAE31、TPAE32等、富士化成社製 他)、ポリイミド(商品名:SN−20、PN−20、EN−20等、新日本理化社製 他)、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、アイオノマー、およびこれらの誘導体等が挙げられる。
また、本発明の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂には、用途により、酸化珪素微粉末や無機微粒子等の流れ調整剤、顔料、染料、安定剤、可塑剤、潤滑剤、増粘剤、タール、消泡剤、分散剤、難燃剤、チキソ性付与剤、アスファルト等の添加剤を単独もしくは複数併用してもよい。
添加剤としては、この他にも、溶融シリカ、球状シリカ等のシリカ化合物、タルク、カオリン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭化珪素、アルミナ、窒化珪素、ボロンナイトライト、酸化チタン、ウンモ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、石膏等の無機充填剤、木粉、コルク粉等の有機充填剤等を、1種あるいは2種以上用いてもよい。
なお、これらの添加剤を添加する場合、その添加量は樹脂組成物に対し、0.5〜3質量%が好適である。添加量が3質量%を超えると、樹脂組成物の粘度が著しく高くなり、強化繊維に樹脂を含浸することが困難となるばかりでなく、炭素繊維複合材料の力学的特性が著しく低下する恐れがあるからである。
<強化繊維>
本発明の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂を含浸させる強化繊維としては、特に限定されないが、例えば、PAN系およびPich系に代表される炭素繊維、E−,T−,S−ガラス等に代表されるガラス繊維、シリコンカーバイド繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、高強度ポリエチレン繊維、耐煙化繊維、アスベスト、ロックウール、スラグウール、石膏ウィスカー等が挙げられる。また、これらの繊維を複合した複合型強化繊維等が挙げられる。なお、これらの強化繊維は単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
強化繊維の形態としては、特に限定されないが、例えば、織物状、マット状、紙状、トウ状、あるいはこれらの形態を複合した強化繊維等が挙げられる。中でも、引張強度450MPa以上、引張伸度1.7%以上の高強度、高伸度の炭素繊維を、連続繊維状または各種織物状の形態としたものが最も好適に用いられる。
本発明の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂を強化繊維に含浸する方法としては、当業者に公知の方法を用いればよく、特に限定されない。
本発明の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂を含浸させたプリプレグは、170℃より低い温度で熱硬化できるため、一般的な型材からなる型を用いて成型でき、エネルギーコストも低減できる。また、熱硬化が1回のみで済むため、成型工程が複雑化しない。ゆえに、繊維強化複合材料を安価に成型できる。また、本発明の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂を含浸させたプリプレグから得られる繊維強化複合材料は、180℃以上の耐熱性を有しており、180℃以上の高温の環境下における使用であっても、高い耐熱性を発現することができる。
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されることはない。なお、実施例および比較例に用いた繊維強化複合材料用マトリックス樹脂を構成する各成分の詳細は、以下のとおりである。
<(A)成分>
BT2160:メチレンビス−p−フェニレンジマレイミドとビスフェノールA型ジシアネートの予備反応物の半固形タイプ(三菱ガス化学社製)。
BT2170:メチレンビス−p−フェニレンジマレイミドとビスフェノールA型ジシアネートの予備反応物の固形タイプ(三菱ガス化学社製)。
BT2680:メチレンビス−p−フェニレンジマレイミドとビスフェノールA型ジシアネートの予備反応物の固形タイプ(三菱ガス化学社製)。
<(B)成分>
4,4’−DDS:(B)4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(商品名:セイカキュアS、和歌山精化社製)。
HB−MC GE40:4,4’−ジアミノジフェニルスルホンを40質量%含有するマイクロカプセル(エネックス社製)。
HB−MC GE45:4,4’−ジアミノジフェニルスルホンを45質量%含有するマイクロカプセル(エネックス社製)。
<その他の成分>
AEROSIL380:酸化珪素微粉末(用途:流れ調整剤、日本アエロジル社製)。
jER604:テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製)。
jER807:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製)。
jER1001:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製)。
ポリエステル化合物:下式(4)で表されるポリエステル樹脂(用途:熱可塑性樹脂、三菱レイヨン社製)。なお、下式(4)のArはフェニレン基、Rは2価の脂肪族基を示す。
HO−R−(−O−CO−Ar−CO−O−R−O−)−H (4)
過酸化ジクミル:比較例4で使用の硬化剤。
p−トルエンスルホン酸:比較例4で使用の硬化剤。
<実施例1〜14および比較例1〜5>
表1に示す配合割合で各成分を混合し、50℃で溶融混合することにより、各実施例と各比較例の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂を得た。
Figure 2009013254
得られた繊維強化複合材料用マトリックス樹脂の各特性を下記の方法により評価した。評価結果を表2に示す。
[樹脂の硬化特性]
(1)硬化開始温度
それぞれの繊維強化複合材料用マトリックス樹脂を直径25mmのディスクプレート上に適量垂らし、動的粘弾性測定装置(型番:RDA700、レオメトリックス社製)を用い、12℃/分での昇温条件にして、測定間隔を1分間隔として粘度特性を測定した。粘度の値が、直前に測定した粘度の値と比較して1.2倍以上になった時点の温度を硬化開始温度とし、樹脂の硬化特性を評価した。
[硬化樹脂の特性]
それぞれの繊維強化複合材料用マトリックス樹脂を、予め離型剤を塗布した2枚のガラスに挟んだ後、乾燥機を用いて180℃で2時間の加熱硬化を行い、厚みが2mmの硬化樹脂板を得た。得られた硬化樹脂板に対して以下の測定を行い、繊維強化複合材料用マトリックス樹脂を硬化させた硬化樹脂の特性を評価した。
(2)ガラス転移温度(G’−Tg)
上記硬化樹脂板について、動的粘弾性測定装置(型番:RDA700、レオメトリックス社製)を用いて、2℃/分での昇温条件での貯蔵弾性率(G’)を測定した。その貯蔵弾性率が大きく変化した変曲点を硬化樹脂板のガラス転移温度(G’−Tg)とし、硬化樹脂の特性を評価した。
(3)強度および弾性率
上記硬化樹脂板について、JIS K 6911に準拠して3点曲げ物性(3点曲げ強度および3点曲げ弾性率)を測定し、硬化樹脂の特性を評価した。
[プリプレグの特性]
それぞれの繊維強化複合材料用マトリックス樹脂を、強化繊維に含浸させることにより各プリプレグを作製した。具体的には、繊維強化複合材料用マトリックス樹脂を離型紙上に133g/mの塗布量で塗布し、塗布した繊維強化複合材料用マトリックス樹脂の上に炭素繊維束(商品名:TR30S−3K、三菱レイヨン社製)を平織りした炭素繊維織布(商品名:TR3110、三菱レイヨン社製)を貼り付けて、繊維強化複合材料用マトリックス樹脂を含浸させることにより、樹脂含有率が40%のクロスプリプレグを得た。
(4)保存安定性
各クロスプリプレグを、23℃、相対湿度50%の環境下で2週間保管後、使用できるタックレベル(粘着性)を維持しているかを、次の方法により判断した。まず、クロスプリプレグの端部を180°に折り曲げることにより、クロスプリプレグの面同士を貼り付けて1分間静置した。そして、クロスプリプレグの面同士が貼り付いた状態を維持していたら、保存安定性を○とした。貼り付けの際に貼り付かなかった、あるいは1分間静置後に剥がれていたら、保存安定性を×として、プリプレグの特性を評価した。
[CFRPの特性]
各クロスプリプレグをそれぞれ10枚用意し、炭素繊維織布の織り方向を10枚とも同じ方向に揃えて積層した後、オートクレーブを用いて180℃で2時間加熱してプリプレグの熱硬化を行うことにより、炭素繊維強化複合材料(CFRP)を得て、以下の評価を行った。
(5)ガラス転移温度(G’−Tg)
得られたCFRPについて、動的粘弾性測定装置(型番:RDA700、レオメトリックス社製)を用いて、2℃/分での昇温条件での貯蔵弾性率(G’)を測定した。その貯蔵弾性率が大きく変化した変曲点をCFRPのガラス転移温度(G’−Tg)とし、CFRPの特性を評価した。なお、このガラス転移温度の評価は、代表例として実施例2、4、10、11、13、および比較例2に対して実施した。
(6)強度および弾性率
得られたCFRPについて、JIS K 6911に準拠して力学的特性(0°曲げ強度および0°曲げ弾性率)を測定し、CFRPの特性を評価した。
Figure 2009013254
<評価>
表2の結果から明らかなように、実施例1〜14の各繊維強化複合材料用マトリックス樹脂は、いずれも硬化開始温度が170℃を下回っており、170℃より低い温度で熱硬化できることが確認された。また、実施例1〜14の各繊維強化複合材料用マトリックス樹脂を熱硬化させた各硬化樹脂板は、いずれも硬化樹脂のガラス転移温度(G’−Tg)が200℃を超えており、高い耐熱性を有することが確認された。さらに、実施例1〜14の各硬化樹脂板は、3点曲げ強度および3点曲げ弾性率も良好であると確認された。さらには、実施例1〜14の各プリプレグの保存安定性は2週間以上を有しており、CFRPの力学的特性、すなわちCFRPの0°曲げ強度および0°曲げ弾性率も良好であると確認された。また、実施例中の代表例として、実施例2、4、10、11、13のCFRPのガラス転移温度(G’−Tg)を評価したが、いずれも200℃を超えており、高い耐熱性を有することが確認された。
比較例1は、(B)成分を含有しない繊維強化複合材料用マトリックス樹脂であり、比較例3は、(B)成分の含有量が少ない繊維強化複合材料用マトリックス樹脂であるが、これらの樹脂はいずれも硬化開始温度が観察されなかった。また、硬化樹脂板は作製できるものの、非常に脆く、軽い力で割れてしまった。したがって、プリプレグならびにCFRPの作製まで至ることができず、一連の特性評価を行うことができなかった。
比較例2は、(B)成分の含有量を多くした繊維強化複合材料用マトリックス樹脂の例であるが、高粘度を示し、強化繊維への含浸性が劣っていた。硬化開始温度に関しては、目標値の170℃以下を満たし、硬化樹脂の特性およびCFRPの力学的特性も良好であったが、得られたプリプレグは2週間後には硬くなり、取り扱いに困難を生じたため、保存安定性に欠けると確認された。
比較例4の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂は、(A)成分100質量部に対し、一般的に硬化剤として使用されている過酸化ジクミル0.1質量部、およびp−トルエンスルホン酸0.04質量部を加えた例であり、得られる硬化樹脂の特性およびCFRPの力学的特性は良好であった。しかしながら、硬化開始温度は172℃であり、目標である170℃以下での硬化開始温度は得られなかった。
比較例5の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂は、(A)成分の代わりに4官能エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製 jER604)100重量部を用いた例であるが、マトリックス樹脂の効果開始温度は183℃であり、目標の硬化開始温度の170℃よりも高い値を示した。また、硬化樹脂の特性はG’−Tgは179℃と低い値を示し、耐熱性に劣っていることが確認された。また、比較例5の硬化樹脂の特性における3点曲げ強度は優れているものの、得られるプリプレグは2週間後には若干硬くなっていたことから、保存安定性に劣っていると判断された。
本発明の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂を含浸させたプリプレグは、170℃より低い温度で熱硬化できるため、一般的な型材を用いて成型でき、また、エネルギーコストが低減できるため、繊維強化複合材料の成型に要する成型加工費を低減することができる。また、熱硬化が1回で完了するので、成型工程が複雑化することがない。したがって、本発明のプリプレグを用いれば、安価かつ容易に繊維強化複合材料の形状を成型することができる。また、本発明のプリプレグから得られる繊維強化複合材料は、180℃以上の耐熱性を有しているため、180℃以上の高温の環境下における使用であっても、高い耐熱性を発現することができる。

Claims (5)

  1. 下記の(A)成分と、1分子中に少なくとも2つのアミノ基を有するアミン化合物である(B)成分とを含有し、
    (A)成分が100質量部に対し、(B)成分が0.5〜10質量部であることを特徴とする繊維強化複合材料用マトリックス樹脂。
    (A)成分は、
    多官能性マレイミド(I)と多官能性シアン酸エステルとの混合物、
    多官能性マレイミド(I)と多官能性シアン酸エステルのオリゴマー(II)との混合物、多官能性マレイミド(I)と多官能性シアン酸エステルとの反応物、
    多官能性マレイミド(I)と多官能性シアン酸エステルのオリゴマー(II)との反応物
    のいずれかである。
  2. (A)成分に含まれる多官能性マレイミド(I)としてメチレンビス−p−フェニレンジマレイミドを用い、(A)成分に含まれる多官能性シアン酸エステルとしてビスフェノールA型ジシアネートを用い、メチレンビス−p−フェニレンジマレイミドとビスフェノールA型ジシアネートの比率が30:70〜1:99であることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂。
  3. (B)成分であるアミン化合物が、分子中に芳香族基を少なくとも一つ以上有することを特徴とする請求項1または2に記載の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂。
  4. (B)成分であるアミン化合物が、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンもしくは3,3’−ジアミノジフェニルスルホンであることを特徴とする請求項3に記載の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化複合材料用マトリックス樹脂を強化繊維に含浸させたプリプレグ。
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