JP2009010290A - 有機エレクトロルミネッセンス装置及び有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス装置及び有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機EL素子の長期連続駆動において高い耐久性を示し、且つエネルギー損失の少ない有機EL素子の駆動方法を提供する。
【解決手段】陽極と陰極間に発光層を含む一層以上の有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子101と、順方向の直流電圧に周波数が10kHz以下の交流電圧を重畳した電圧を、有機エレクトロルミネッセンス素子101に印加して駆動する駆動手段106とを有し、重畳した電圧の最小値は有機エレクトロルミネッセンス素子101の発光開始電圧より大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は、陽極と陰極間に発光層を含む一層以上の有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法及びその有機エレクトロルミネッセンス素子を有する装置に関する。特に耐久性の向上を図れる有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法及びその有機エレクトロルミネッセンス素子を有する装置に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)は、電界を印加することによって陽極から注入された正孔と、陰極から注入された電子の再結合エネルギーによって有機材料から成る発光層が発光する原理を利用した自発光素子である。C.W.Tangらによる積層型素子による低電圧駆動有機EL素子の報告(非特許文献1参照)がなされて以来、有機材料を構成材料とする有機EL素子に関する研究が盛んに行われている。Tangらは、トリス(8−キノリノール)アルミニウムを発光層に、トリフェニルジアミン誘導体を正孔輸送層に用いている。積層構造の利点としては、発光層への正孔の注入効率を高めること、陰極より注入された電子をブロックして再結合により生成する励起子の生成効率を高めること、発光層内で生成した励起子を閉じこめることなどが挙げられる。
この例のように有機EL素子の素子構造としては、正孔輸送(注入)層、電子輸送性発光層の2層型、又は正孔輸送(注入)層、発光層、電子輸送(注入)層の3層型等がよく知られている。こうした積層型構造素子では注入された正孔と電子の再結合効率を高めるため、様々な有機材料や素子構造、形成方法の工夫がなされており、高輝度な発光で低駆動電圧な有機EL素子が得られている。しかしながら、直流電圧印加により連続駆動を行った場合、数時間で光出力の低下及び駆動電圧の上昇が観測され、ついには短絡モードで有機EL素子自体の破壊が生じる。この有機EL素子の劣化について、以下のような原因が考えられている。すなわち、発光層とキャリヤ輸送(注入)層との界面近傍に集中する局所的な発光に起因した有機分子の化学的性質の変化による劣化、発光層界面での空間電荷の蓄積によるキャリヤ注入性の悪化、一定方向の電界印加による有機分子の誘電分極に起因した素子の電気的性質の変化などである。
そこで、これらの直流電圧による連続駆動に伴う素子の劣化を抑制するため、材料面からの検討及び有機EL素子の駆動方法によって耐久性を向上する試みがこれまでなされている。駆動法によって耐久性を向上する試みとして、水谷ら(特許文献1参照)の報告がある。この報告では、ホール注入輸送層/発光層から構成される有機EL素子を5mA/cm2の定電流下で素子を1時間連続駆動した場合、顕著な劣化が生じるが、その後、素子に逆バイアスを印加することにより、初期輝度まで発光輝度を復活させることが可能であるとしている。この場合、逆バイアスを印加しない場合は素子特性の復活は観測されないと報告している。雨宮ら(特許文献2参照)は有機EL素子に直流電圧を印加し、さらに間欠的に逆方向電圧を印加することにより、素子の連続駆動の耐久性向上を図ることができると報告している。
また、大沼ら(特許文献3参照)も同様に逆極性パルスを印加し耐久性の向上を図ると共に、逆極性パルスの印加時間に応じて発光効率の改善度が違うことを利用して、逆極性パルスの印加時間を変化させることにより階調表示が可能であることを報告している。遠藤ら(特許文献4参照)も1周期に1度は極性が変わる交流電圧(正弦波、短型波、三角波、あるいはそれらの組み合わせ等)を印加することにより、耐久性が向上することを報告している。また、安達ら(特許文献5参照)は直流電圧に間欠的に順方向電圧のパルスを重畳することにより、耐久性が向上することを報告している。
C.W.Tang、S.A.VanSlyke、アプライドフィジックスレターズ(Applied Physics Letters)、51巻、913頁、1987年 特開平3−110786号公報 特開平4−308687号公報 特開平4−51490号公報 特開平4−349388号公報 特開平7−230880号公報
しかしながら、逆極性の電圧を適宜印加する駆動方法の場合、逆極性の電圧を印加する期間は非発光となり、素子に投入されるエネルギーを損失するという問題が生じる。また、間欠的に順方向電圧のパルスを重畳する駆動方法においても、重畳するパルスの大きさや周波数によっては非発光期間が生じてしまい、同じくエネルギーを損失することになる。
本発明の目的は、有機EL素子の長期連続駆動において高い耐久性を示し、且つエネルギー損失の少ない有機EL素子の駆動方法を提供することにある。
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)をある特定な駆動方法(又は駆動手段)で駆動し、発光層内での発光のピーク位置を周期的に移動せしめることで、耐久性の向上を図るものである。つまり、従来は電子とホールの再結合によって生じる発光が定常的に、発光層とキャリヤ輸送(注入)層との界面近傍に集中するため、局所的に有機分子がダメージを受けて化学的性質が変化していき、劣化すると考えられる。この界面近傍に集中する発光を防ぎ、周期的に発光のピーク位置を移動せしめることで、有機分子へのダメージを低減させることができる。
すなわち、本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置は、陽極と陰極間に発光層を含む一層以上の有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子と、
順方向の直流電圧に周波数が10kHz以下の交流電圧を重畳した電圧を、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に印加して駆動する駆動手段とを有し、
前記重畳した電圧の最小値は前記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光開始電圧より大きいことを特徴とする。
また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法は、陽極と陰極間に発光層を含む一層以上の有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法において、
順方向の直流電圧に、周波数が10kHz以下の交流電圧を重畳した、最小値が前記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光開始電圧より大きい電圧を、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に印加して駆動することを特徴とする。
前記交流電圧は正弦波、3値以上の矩形波、三角波のいずれかであってもよい。
本発明によれば、長期連続駆動において高い耐久性を示し、且つエネルギー損失の少ない有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することが可能となる。
以下、本発明について図面を参照して詳しく説明する。図1は、本発明の実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス装置を説明する図である。本実施形態の有機エレクトロルミネッセンス装置(有機EL装置)は有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)と駆動手段となる駆動部とからなる。
有機EL素子101は基板102上に積層された陽極103、有機層からなる発光層104、陰極105から成り、駆動部106は直流電圧を印加する直流電圧発生手段107と、順方向の交流電圧を発生する交流電圧発生手段108から構成される。発光層の他に電子輸送層や有機層からなる正孔輸送層を有してもよい。駆動部106の両端はそれぞれ有機EL素子101の陽極103と陰極105に接続され、駆動部106で生成された電圧が印加される。有機EL素子101に電圧が印加されることにより電流が流れ、発光する。
図2は、本発明における有機EL素子に印加する電圧波形を示す図であり、駆動部106で生成される駆動電圧波形を説明するものである。図2の電圧波形は、振幅Vdc201の直流電圧に、振幅Vac202の交流電圧が重畳されたものである。交流電圧の周期T203は、交流周波数fの逆数(1/f)である。
図2のような電圧波形を印加することによって、従来の単に直流電圧を印加する場合と比較して後述する理由により耐久性の向上を図ることが可能となる。さらに、交流電圧が順方向バイアスであるため、逆バイアス印加の場合と比較してエネルギーを損失することが少ない。ここで、Vac202と交流周波数fをある特定の範囲に規定することによって、有機EL素子101の耐久性を効果的に向上し、更にはエネルギーの損失を低減することができる。なお、交流電圧は直流電圧を基準に変動すれば正弦波でなくともよく、三角波であってもよい。矩形波でもよいが、発光位置をなるべく分散させるという点からは、3以上のレベルを持つ多値の矩形波が望ましい。
本実施形態の有機EL装置は、例えば基板上に酸化インジウム錫合金(ITO)等の複数の透明電極(陽極)、有機エレクトロルミネッセンス層、陽極に直交する複数の背面電極(陰極)を順に積層し形成したXYマトリックス型の表示装置に適用できる。
このドットマトリックスにおける1つの有機エレクトロルミネッセンス素子部分が図1の有機EL素子101に相当しており、1つの画素に対応させて発光させる。このようなマトリックス型の有機EL表示装置においては、直交した各電極の1交点が1画素に対応しており、複数のX電極(走査電極)と複数のY電極(信号電極)の電圧を制御することによって各画素の階調表示を行う。また、画素を非発光とする場合、印加する直流電圧を0とする、或いは逆バイアスの直流電圧を印加する、或いは交流電圧のみを印加する、等の方法が考えられるが、かかる方法に特に限定されない。
本実施形態の駆動方法を用いた場合の寿命耐久試験については後述するが、その前に本実施形態による効果が得られる交流電圧振幅Vac202と交流周波数fの値について、シミュレーションの結果に基づき詳細に説明する。
シミュレーションは、陽極、アルミニウム錯体(Alq3)を材料とする発光層、陰極の3層で構成された有機EL素子に電圧を印加し、電流・電圧(I−V)特性(これは直流電圧のみで計算)と発光レートの空間分布を求める1次元の計算を行った。Alq3の膜厚は50nmとし、LUMO(最低空軌道)エネルギー準位の仕事関数を3.0eV、HOMO(最高被占軌道)エネルギー準位の仕事関数を5.7eVとした。また、陽極の仕事関数は5.5eV、陰極の仕事関数は3.3eVとし、それぞれ膜厚は100nmとした。各層界面での電子・ホールの発光層への注入は、各仕事関数に依存して決定されるものとした。これをPoole−Frenkel型移動度モデル及びランジュバン型再結合モデルを用いて発光層中の電子、ホール及び励起子について計算した。また、HOMO−LUMO間の状態密度関数は、バンドエネルギーを関数としたボルツマン分布で与えた。電子とホールの移動度はそれぞれ
電子: 1.0×E-5(=1.0×10-5) cm2/Vs
ホール: 1.0×E-7 (=1.0×10-7) cm2/Vs
とした。
図3は、上記シミュレーションによって得られたI−V特性を示すものである。このI−V特性は直流電圧のみを印加した場合の静特性の結果であり、電圧は0〜3Vまで変化させている。図3から、このモデルでは印加電圧が発光開始電圧の2Vを超えると急激に電流が流れ始め、発光を生じることを示している。
図4は、本シミュレーションモデルの有機EL素子に印加する電圧波形の1実施例を示すものである。図3のI−V特性の結果から、まず直流電圧Vdc201を決定する。直流電圧Vdcは本実施形態では発光開始電圧の2Vより大きい値とすることが望ましく、ここでは、2.5Vとした。交流電圧の振幅Vacは0.25Vとし、VacとVdcの比(Vac/Vdc)が10%となるように設定した。つまり、印加電圧の1周期内の最小値Vminは2.25V(=2.5V−0.25V)となる。ここでは最小値Vminは発光開始電圧よりも高い。
次に、交流電圧の周期Tは20msec(周波数f=50Hz)とした。この理由についても後述する。
図5は、本シミュレーションモデルの有機EL素子に印加する電圧波形において、1周期Tの電圧波形を拡大して示す図である。図に示すように、1/4周期ごとの時刻をT0、T1、T2、T3、T4と定義し、各時刻での発光層内における発光レートの空間分布の過渡解析をシミュレーションにより行なった。
図6は、図4で示した電圧波形を印加した場合における、図5で示した時刻T0、T1、T2、T3での発光レートの空間分布を示すものである。縦軸は単位時間、単位体積あたりの再結合回数を表している。横軸は発光層膜厚方向の位置を示しており、図中左端が陽極との界面、右端が陰極との界面にあたる。発光層の膜厚は前述したように50nmである。
図6から、時刻T0(T2)、T1、T3での発光レート分布のピーク位置は移動していることがわかる。尚、時刻T4は図示していないが、時刻T0(T2)と一致する。時刻T0(T2)における発光レート分布は、陽極界面から7nm離れた位置で1.2e+22/s・cm(=1.2×1022/s・cm)のピークを示す。また、時刻T1における発光レート分布は、陽極界面から11nm離れた位置で2.0e+21/s・cm(=2.0×1021/s・cm)のピークを示す。また、時刻T3における発光レート分布は、陽極界面から3nm離れた位置で3.1e+22/s・cm(=3.1×1022/s・cm)のピークを示す。すなわち、時刻T0(T2)を中心として、時刻T1で+4nm、時刻T3で−4nm、合計8nmだけ発光レート分布のピーク位置は移動していることになる。これは、発光層の膜厚50nmに対して、16%に相当する。
前述したように、有機エレクトロルミネッセンス素子の寿命が短い理由として、電子とホールの再結合によって生じる発光が、発光層とキャリヤ輸送(注入)層との界面近傍に集中することがあげられる。本実施形態は、この問題をある特定の範囲に規定された振幅と周波数の交流電圧を直流電圧に重畳することで解決する。つまり、発光層内での発光レート分布のピーク位置を相対的に振幅の小さい交流電圧の重畳によって周期的に移動せしめることで、耐久性の向上を図る。この振幅と周波数の範囲について以下に詳述する。
図7は、交流電圧振幅Vacと直流電圧Vdcの比(Vac/Vdc)と、発光レート分布のピーク位置移動距離の関係を示す計算結果である。図中、発光レート分布のピーク位置移動距離は、発光層の膜厚に対する比として表している。また、発光開始電圧を2V、Vdcはすべて2.5Vに固定し、Vac/Vdcは0〜50%まで変化させて計算を行った。図7から、Vac/Vdcが0〜20%の場合、発光レート分布のピーク位置移動距離はVac/Vdcとほぼ比例関係で増加しているのがわかる。しかし、Vac/Vdcが20%を超えると、電圧の最小値が非発光の領域に入ってくるので、時刻T1で非発光となってしまい、エネルギーを損失することになる。この理由は、時刻T1は図5で説明したように印加する電圧が1周期で最小となる時刻であり、発光の源となる発光層内の電子とホールが急激に減少してしまうためである。従って、印加電圧の1周期内の最小値Vminが発光閾値以上となるよう交流電圧の振幅を設定することで、本実施形態の効果を得ることが可能となる。
図8は、重畳する交流電圧周波数と、発光レート分布のピーク位置移動距離の関係を示す計算結果である。図中、発光レート分布のピーク位置移動距離は図7と同様、発光層の膜厚に対する比として表している。交流周波数は、1Hz(1.E+0Hz(=1×10Hz))〜1GHz(1.E+9Hz(=1×10Hz))まで変化させて計算を行った。また、比較のため、Vac/Vdcが10%と25%の場合において計算を行った。発光開始電圧は2V、Vdcは2.5Vとした。図8から、Vac/Vdcが10%の場合、1Hz〜500Hzの周波数領域ではピーク位置移動距離は16%となり一定である。それに対し、500Hz〜10kHzの周波数領域では、周波数の増加に応じてピーク位置移動距離は減少していく。さらに、50kHz以上の領域になると、ピーク位置移動距離は0となる。この理由は、周波数が高くなるにつれ、発光層内の電子とホールが電界の時間変動に追従できなくなり、密度分布が1周期内で変化しないためである。すなわち、電子とホールの密度分布に過渡的な変化が生じないので、発光レート分布も変化しなくなる。また、Vac/Vdcが25%の場合においても同様の傾向を示しており、50kHz以上の領域になると、ピーク位置移動距離は0となる。従って、交流周波数を10kHz以下になるよう設定することで、本発明の効果を得ることが可能となる。尚、使用する画像表示装置の表示方式にもよるが、走査信号のフレーム周波数を考慮すると、フリッカを防止するには、少なくとも30Hz以上となるように設定することが好ましい。
本発明の効果を確認するため、以下に示す寿命耐久試験を行った。まず、使用した有機エレクトロルミネッセンス素子の作製方法を説明する。
ガラス基板上に電極面積3.14mmから成るITO電極をパターンニングし、これをアノードとした。ITO電極上に、ホール輸送層として水溶性のPEDOT:PSSをスピンコートにより塗布した。PEDOT:PSSを200℃で20分間ベークし、約30nmのPEDOT:PSSを形成した。続いて、窒素雰囲気中でスピンコートによって、発光層を塗布した。発光層のホスト材料はポリフルオレンとし、ゲスト材料として赤色発光のイリジウム錯体を5重量パーセントドープした。発光層の膜厚は80nmとした。
次に、電子注入層、カソードを真空チャンバー内での真空蒸着を行った。電子注入層は仕事関数が約2.0eVのCsCOであり、カソードはAlとした。各々の膜厚は2nm、100nmである。最後にUV硬化樹脂をスピンコートして、UV照射により封止膜とした。
作製した有機EL素子に6Vの直流電圧を印加したところ、輝度1000cd/mの発光が得られた。また、発光開始電圧は2.5Vであった。
寿命耐久試験は、作製した有機エレクトロルミネッセンス素子を初期輝度1000cd/mで発光させ、初期輝度に対して輝度が半減するまでの時間(以下、輝度半減時間)を測定した。
最初に、直流電圧6Vのみを印加して駆動した場合の寿命耐久試験を行なった。その結果、輝度半減時間は100時間であった。
次に、本発明の駆動方法を用いた場合の寿命耐久試験を、同じ条件で作製した有機エレクトロルミネッセンス素子に対して行なった。ここで、交流電圧の振幅と周波数はシミュレーションによって求められた条件を満たすものを使用した。具体的には、直流電圧6Vに、振幅1Vの交流電圧を重畳し、交流電圧周波数は100Hzとした。その結果、輝度半減時間は200時間となり、約2倍の寿命改善効果が得られた。
本発明は有機エレクトロルミネッセンス装置及び有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法に適用され、特にマトリクスに配された有機EL素子に電流を流すことで発光する表示装置に利用できる。例えば本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置はデジタルカメラ、携帯電話、PDA、テレビ等の表示装置に利用できる。
本発明の実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子と駆動部を説明する図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子に印加する電圧波形を示す図である。 シミュレーションによって得られたI−V特性を示すものである。 本シミュレーションモデルの有機エレクトロルミネッセンス素子に印加する電圧波形の1実施例を示すものである。 本シミュレーションモデルの有機エレクトロルミネッセンス素子に印加する電圧波形において、1周期Tの電圧波形を拡大して示す図である。 図4で示した電圧波形を印加した場合における、図5で示した時刻T0、T1、T2、T3での発光レートの空間分布を示すものである。 交流電圧振幅Vacと直流電圧Vdcの比(Vac/Vdc)と、発光レート分布のピーク位置移動距離の関係を示す計算結果である。 重畳する交流電圧周波数と、発光レート分布のピーク位置移動距離の関係を示す計算結果である。
符号の説明
101 有機エレクトロルミネッセンス素子
102 基板
103 陽極
104 発光層
105 陰極
106 駆動部
107 直流電圧発生手段
108 交流電圧発生手段

Claims (4)

  1. 陽極と陰極間に発光層を含む一層以上の有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子と、
    順方向の直流電圧に周波数が10kHz以下の交流電圧を重畳した電圧を、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に印加して駆動する駆動手段とを有し、
    前記重畳した電圧の最小値は前記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光開始電圧より大きいことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  2. 前記交流電圧の周波数は、発光層内の発光ピーク位置が電圧に応じて変化する範囲の周波数であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  3. 前記交流電圧は正弦波、3値以上の矩形波、三角波のいずれかであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  4. 陽極と陰極間に発光層を含む一層以上の有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法において、
    順方向の直流電圧に、周波数が10kHz以下の交流電圧を重畳した、最小値が前記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光開始電圧より大きい電圧を、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に印加して駆動することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法。
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