JP2009009869A - 二次電池用電極およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池特性を維持しつつ、活物質の脱落による短絡の虞を排除した二次電池用電極を提供する。
【解決手段】本発明の二次電池用電極は、三次元金属多孔体と、活物質と結着剤とを含む合剤とからなり、三次元金属多孔体に合剤を充填した二次電池用電極であって、第1の充填部と、この第1の充填部よりも結着剤の含有量が多くかつ厚み方向における結着剤の分布が略均一な第2の充填部と、合剤を充填しない非充填部とからなり、第2の充填部の少なくとも一方を非充填部に隣接させ、この非充填部が端辺の少なくとも1つを構成するようにしたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明はアルカリ蓄電池等に用いる二次電池用電極及び電極の製造方法に関し、より詳しくは短絡を抑制する技術に関する。
二次電池、中でもアルカリ蓄電池は、一定の容量密度を有しつつ過充電や不定期なパターンの充放電に対する耐性が高いことから、タフユース用途を中心に非水電解液二次電池との棲み分けが進みつつある。
アルカリ蓄電池用電極には、大別してペースト式電極と焼結式電極とがある。近年は高容量化の観点から、スポンジ状金属多孔体やニッケル繊維不織布などの三次元金属多孔体の空隙に活物質を主体としたペーストを充填してなるペースト式電極が、アルカリ蓄電池の正極として活用されている。
これらの三次元金属多孔体は多孔度(全体積に占める空隙体積の比率)が95%程度で、空隙部の孔径は最大数百μmにも及ぶことから、上述したペーストを直接かつ多量に充填することが可能である。一方で三次元金属多孔体の空隙に担持された活物質が、切断工程において受けるストレスによって脱落するという課題がある。
この課題に対して、活物質と結着剤とを三次元金属多孔体の空隙に充填して構成された電極の表面を結着剤でさらに被覆する技術(例えば特許文献1)を活用し、切断工程においてストレスを受けやすい箇所(特に切断後の端辺の近傍)に展開すると有効であると考えられる。
特開平09−161794号公報
ところが切断工程においてストレスを受けやすい端辺の近傍の表面を結着剤でさらに被覆しても、活物質の脱落は若干ながら継続し、対極やセパレータとともに捲回して電槽缶に収容した後で脱落した活物質が導電性異物となって、内部短絡に至る場合があった。
本発明は上記課題を解決するためのものであり、電池特性を維持しつつ、活物質の脱落による短絡の虞を排除した二次電池用電極を提供することを目的とする。
上記課題に基づき、本発明の二次電池用電極は、三次元金属多孔体と、活物質と結着剤とを含む合剤とからなり、三次元金属多孔体に合剤を充填した二次電池用電極であって、第1の充填部と、この第1の充填部よりも結着剤の含有量が多くかつ厚み方向における結着剤の分布が略均一な第2の充填部と、合剤を充填しない非充填部とからなり、第2の充填部の少なくとも一方を非充填部に隣接させ、この非充填部が端辺の少なくとも1つを構成するようにしたことを特徴とする。
さらに上述した二次電池用電極を得るための製造方法として、本発明の二次電池用電極の製造方法は、活物質と結着剤とを含む合剤の前駆体であるペーストを、ペーストP1とこのペーストP1よりも結着剤の含有量が多いペーストP2とに分けて作製する第1の工程と、帯状の三次元金属多孔体を走行させながらペーストP1からなる第1の充填部の幅方向両端にペーストP2からなる第2の充填部を配置するようにし、かつ第2の充填部の
双方の幅方向他端に合剤を充填しない非充填部を配置するようにして電極前駆体を作製する第2の工程と、電極前駆体を乾燥する第3の工程と、電極前駆体を圧延する第4の工程と、電極前駆体における非充填部を切断する第5の工程とを含むことを特徴とする。
発明者らは切断工程の後に活物質の脱落が継続する理由として、切断後の端辺に合剤が存在する場合、断面の奥方向から三次元金属多孔体の空隙を伝って活物質が導かれることにより、脱落が継続すると推定するに至った。またこの現象は合剤が存在する端辺の表面を結着剤でさらに被覆しても沈静化しないことがわかった。
本発明はこれらの知見を活用したものであり、活物質に対し結着剤を従来どおりの量で添加した第1の充填部の他に、この第1の充填部よりも結着剤の含有量が多くかつ厚み方向における結着剤の分布が略均一な第2の充填部を設け、この第2の充填部に隣接した非充填部を切断箇所に該当する端辺の少なくとも1つに配置することにより、上述した課題を解決するものである。
本発明の第2の充填部は、厚み方向における結着剤の分布が略均一となるように結着剤の含有量を多くしているので、第1の充填部よりは劣るものの、当該箇所を樹脂成分などで完全に被覆する場合と比べて、電池の容量や特性に寄与できる構成となっている。
本発明によれば、第1の充填部で電池特性を維持しつつ、切断箇所に該当する第2の充填部の効果によって活物質の脱落が起こりにくい構成とできるので、短絡の虞を排除した二次電池を提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態について、図を用いて詳細に説明する。
第1の発明は、三次元金属多孔体と、活物質と結着剤とを含む合剤とからなり、三次元金属多孔体に合剤を充填した二次電池用電極であって、第1の充填部と、この第1の充填部よりも結着剤の含有量が多くかつ厚み方向における結着剤の分布が略均一な第2の充填部と、合剤を充填しない非充填部とからなり、第2の充填部の少なくとも一方を非充填部に隣接させ、この非充填部が端辺の少なくとも1つを構成するようにしたことを特徴とする。
図1は第1の発明の二次電池用電極を示す概略図である。活物質と結着剤とを含む合剤を三次元金属多孔体に充填することにより構成される二次電池用電極において、この活物質と結着剤とを含む第1の充填部5と、第1の充填部5よりも結着剤の含有量が多くかつ厚み方向における結着剤の分布が略均一な第2の充填部6と、合剤を充填しない非充填部7とからなり、かつ第2の充填部6に隣接した非充填部7がこの二次電池用電極の端辺の少なくとも1つを構成している。
三次元金属多孔体に合剤を充填した二次電池用電極はこの合剤が充填された部分を切断することにより所定寸法に調整されるが、切断の後に活物質の脱落が継続するという課題があった。この理由として、切断後の端辺に合剤が存在する場合、断面の奥方向から三次元金属多孔体の空隙を伝って活物質が導かれることにより、脱落が継続すると推定される。この現象は合剤が存在する端辺の表面を結着剤でさらに被覆しても沈静化しない。そこで活物質に対し結着剤を従来どおりの量で添加した第1の充填部5と、第1の充填部5よりも結着剤の含有量が多くかつ厚み方向における結着剤の分布が略均一な第2の充填部6を設け、切断箇所に該当する端辺の少なくとも1つにこの第2の充填部6に隣接した非充填部7を配置することにより、上述した活物質の脱落という課題を解決するようにした。
なお第1の発明の第2の充填部6は、厚み方向における結着剤の分布が略均一となるように結着剤の含有量を多くしているので、第1の充填部5よりは劣るものの、当該箇所を樹脂成分などで完全に被覆する場合と比べて、電池の容量や特性に寄与できる構成となっている。
第2の発明は、第1の発明において、第1の充填部5における結着剤の含有量X1を活物質100重量部に対し0.3重量部以上1.5重量部以下とし、かつ第2の充填部6における結着剤の含有量X2を活物質100重量部に対し2.0重量部以上4.0重量部以下としたことを特徴とする。X1が0.3重量部未満になると結着剤の効果が不十分で、電極表面から活物質が脱落しやすくなり、1.5重量部を超えると活物質を充填する空間の減少や、活物質粉末同士や活物質と三次元金属多孔体との導電性の低下などの影響を受けて、放電特性がやや低下する。またX2が2.0重量部未満になると電極端面から活物質が脱落しやすくなり、4.0重量部を超えると放電特性がやや低下する。
第3の発明は、第1の発明において、端辺の一方を第2の充填部6に隣接した非充填部7とし、もう一方を第2の充填部6としたことを特徴とする。上述したように、第2の充填部6自身が活物質の脱落を抑止する効果を有する。そこで図2のように、第2の充填部6を端辺の一方に配置することにより、端辺の両方を非充填部7とした場合に比べて、同一寸法の電極であっても容量を高めることができる。さらには電極の単位面積当りの電流密度が減るので、放電特性を向上できる。
第4の発明は、活物質と結着剤とを含む合剤の前駆体であるペーストを、ペーストP1とこのペーストP1よりも結着剤の含有量が多いペーストP2とに分けて作製する第1の工程と、帯状の三次元金属多孔体を走行させながらペーストP1からなる第1の充填部の幅方向両端にペーストP2からなる第2の充填部を配置するようにし、かつ第2の充填部の双方の幅方向他端に合剤を充填しない非充填部を配置するようにして電極前駆体を作製する第2の工程と、電極前駆体を乾燥する第3の工程と、電極前駆体を圧延する第4の工程と、電極前駆体における非充填部を切断する第5の工程とを含むことを特徴とする二次電池用電極の製造方法に関する。
図3は第4の発明の二次電池用電極の製造方法のうち第1の工程を省いたものの一例を示す概略図である。
第1の工程として、活物質と結着剤とを含む合剤の前駆体であるペーストを、ペーストP1とこのペーストP1よりも結着剤の含有量が多いペーストP2とに分けて作製する。
第2の工程として、アンコイラー2から巻き出されターンロール4aを経た帯状の三次元金属多孔体1を走行させながら、ペーストP1を供給するダイノズル1aの幅方向両端にペーストP2を供給するダイノズル1bを配置することにより第1の充填部6の幅方向両端に第2の充填部5が配置されるようにし、かつダイノズル1aと1bの総幅を三次元金属多孔体1の幅よりも小さくすることにより第2の充填部6の双方の幅方向他端にペーストP1およびP2のいずれも充填しない非充填部7が配置されるようにして、電極前駆体12を作製する。
第3の工程として、ターンロール4bを経た電極前駆体12を乾燥器8によって乾燥する。
第4の工程として、電極前駆体12を圧延ロール9によって圧延し、コイラー11に巻き取る。
第5の工程として、コイラー11に巻き取られた電極前駆体12を所定の長さに切断することにより、第1の発明の二次電池用電極が完成する。なお図2に例示した方法のほかに、先に電極前駆体12の長さ方向を所定値に切断した後に非充填部7を切断する方法を用いてもよい。
図3には二次電池用電極のフープを1列ずつ作製する形態を示したが、電極前駆体12の基本単位を幅方向にn列設けることにより、二次電池用電極のフープを列同時に作製することも可能である。
第1の充填部5よりも結着剤の含有量が多くかつ厚み方向における結着剤の分布が略均一な第2の充填部6を設け、これに隣接した非充填部7を切断して端辺とする方法を採ることにより、上述した活物質の脱落が解消されるので、品質の高い二次電池用電極を供給できる。
第5の発明は、第4の発明において、ペーストP1における結着剤の含有量X1を活物質100重量部に対し0.3重量部以上1.5重量部以下とし、かつペーストP2における結着剤の含有量X2を活物質100重量部に対し2.0重量部以上4.0重量部以下としたことを特徴とする。第4の発明の詳細は、第2の発明のそれと同様である。
第6の発明は、第4の発明において、第2の工程において、3条の第2の充填部6が2条の第1の充填部5を挟むように配置し、第5の工程において、電極前駆体12における中央に配置した第2の充填部6と非充填部7とを切断するようにしたことを特徴とする。
図4は第6の二次電池用電極の製造方法のうち第1の工程を省いたものの一例を示す概略図である。第2の工程において、ペーストP2を供給するダイノズル1bを3つ用意し、ペーストP1を供給する2つのダイノズル1aを挟むように配置する。第5の工程において、電極前駆体12における中央に配置した第2の充填部6をスリッター10によって切断し、コイラー11aおよび11bに巻き取る。この後に巻き取られた電極前駆体12を所定の長さに切断することにより、第1の発明の二次電池用電極が完成する。ここで所望する寸法の二次電池用電極に対して余分な非充填部7を併せてスリッター10などで切断してもよい。なお図2に例示した方法のほかに、先に電極前駆体12の長さ方向を所定値に切断した後に第2の充填部6を切断する方法や、第2の充填部6と非充填部7とが長手方向の端辺となるように切断金型を押圧して打ち抜く方法を用いてもよい。
上述したように、第2の充填部6自身が活物質の脱落を抑止する効果を有する。第2の充填部6を端辺の一方に配置することにより、端辺の両方を非充填部7とした場合に比べて、同一寸法の電極であっても容量および放電特性を高めることができる。また図3と図4との対比において、第6の発明を採ることにより、第4の発明と比べて生産性が2倍になる(2列同時に生産できる)という効果も有する。
本発明を実施するための最良の形態について、さらに詳述する。
三次元金属多孔体3として、ニッケルやニッケルを被覆した鉄を原料としたスポンジ状金属多孔体や繊維不織布などを用いることができる。また活物質として、アルカリ蓄電池用正極ならば水酸化ニッケル粉末を、アルカリ蓄電池用負極ならば水素吸蔵合金粉末を用いることができる。なお活物質として水酸化ニッケル粉末を用いる場合、水酸化コバルトや金属コバルトなどの導電剤や、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素ゴムやビニルアルコール系重合体の結着剤、さらにはカルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、キサンタンガムなどの増粘効果も併せ持つ結着剤を用いる
ことができる。
なお、結着剤の種類により、脱落を抑制する含有量は異なる場合がある。但し、本発明に示すように端部にあたる部分の結着剤の含有量を増加することにより端面の脱落を効果的に抑制することができる。
以下に実施例を示すことによって、本発明をさらに詳述する。
(実施例1−1)
活物質である水酸化ニッケル粉末(平均粒径10μm)100重量部に対し水酸化コバルト10重量部、PTFE1重量部、および適量の水を加えたペーストP1(固形分比70%、X1=1)を作製した。一方、水酸化ニッケル粉末100重量部に対するPTFEの添加量を3重量部とした以外はペーストP1と同様にしてペーストP2(X2=3)を作製した。
5m/分で走行させた三次元金属多孔体3(厚み1.5mm、目付700g/cm2)の双方の面に、図3に示す一対のダイノズル1(ダイノズル1aの両端にダイノズル1bを設けたもの)を配置し、ダイノズル1aからはペーストP1を、ダイノズル1bからはペーストP2を、それぞれポンプで一定の圧力をかけながら吐出して充填し、第1の充填部5(幅23mm)の両端に第2の充填部6(幅3mm)が配置され、第2の充填部6の両端に非充填部7(幅6mm)が配置された電極前駆体12を得た。これを乾燥した後で厚みが0.6mmとなるように圧延ロール9で圧延し、スリッター10で両端の非充填部7を幅3mmずつスリットしてさらに260mmの長さに切断し、非充填部7に金属板を溶接して集電部とし、正極(幅35mm)を得た。これを実施例1−1とする。
(実施例1−2〜1−5)
実施例1−1に対し、ペーストP2におけるPTFEの添加量X2を、水酸化ニッケル粉末100重量部に対し1.5重量部(実施例1−2)、2重量部(実施例1−3)、4重量部(実施例1−4)および4.5重量部(実施例1−5)としたこと以外は、実施例1−1と同様に作製した正極を実施例1−2〜1−5とする。
(実施例1−6〜1−9)
実施例1−1に対し、ペーストP1におけるPTFEの添加量X1を、水酸化ニッケル粉末100重量部に対し0.15重量部(実施例1−6)、0.3重量部(実施例1−7)、1.5重量部(実施例1−8)および2重量部(実施例1−9)としたこと以外は、実施例1−1と同様に作製した正極を実施例1−6〜1−9とする。
(比較例1−1)
実施例1−1に対し、三次元金属多孔体3の双方の面に、図2に示す一対のダイノズル1aおよび1bの双方からペーストP1を吐出して充填したこと以外は、実施例1−1と同様に作製した正極を比較例1−1とする。
(比較例1−2)
実施例1−1に対し、三次元金属多孔体3の双方の面に、図2に示す一対のダイノズル1aおよび1bの双方からペーストP2を吐出して充填したこと以外は、実施例1−1と同様に作製した正極を比較例1−2とする。
(ニッケル水素蓄電池の作製)
得られた各実施例および比較例の正極を、公知のMmNi5系の水素吸蔵合金を用いた
負極(厚み0.5mm、縦35mm、横300mm、Mmは希土類の混合物)および親水処理を施したポリプロピレン不織布セパレータを介して渦巻き状に捲回して電極群を構成した。
次にこれらの電極群を円筒状のケースに挿入し、濃度が30重量%の水酸化カリウム水溶液を電解液として注入した後で封口板を用いて密封し、理論容量が2700mAhの円筒型ニッケル水素蓄電池を作製した。
(電池放電特性)
20℃雰囲気中において、上述した電池(各例につき3個ずつ)を2.7Aで1.1時間充電した後、0.54Aで1.0Vまで放電した。続いて同様の充電を行った後、27Aで0.8Vまで放電した。0.54A放電時の容量に対する27A放電時の容量比率と、27A放電時の平均放電電圧とを、電池放電特性の尺度として(表1)に示した。
(耐短絡性)
20℃雰囲気中において、上述した電池(各例につき100個ずつ)を2.7Aで1.1時間充電、1時間休止をした後、2.7Aで1.0Vまで放電した。この充放電を100回繰り返した後、2.7Aで1.1時間充電し、45℃雰囲気中で2週間保存した。次いで雰囲気温度を20℃に戻した後、2.7Aで1.0Vまで放電し、45℃2週間保存後の電池容量を測定した。
保存後の電池容量を保存前の電池容量で除した値を百分率で表し、この値が60%以下になった電池を電圧不良電池と判定して、その個数を耐短絡性の尺度として(表1)に示した。
一方、保存直前の電池を1個ずつ分解して正極を取り出し、その重量を測定して、電極群を構成する前に記録した正極の重量との差から活物質の脱落量を比率として求め、耐短絡性の尺度として(表1)に示した。
Figure 2009009869
比較例1−1は、良好な電池放電特性を示したものの、耐短絡性が著しく悪い結果となった。また比較例1−2は、良好な耐短絡性を示したものの、電池放電特性が著しく悪い結果となった。これらの比較例に対し、各実施例は電池放電特性と耐短絡性とのバランスが取れた結果となった。しかしながら、第1の充填部5における結着剤の含有量X1が0.3重量部未満である実施例1−6は全体的に結着剤が不足して耐短絡性がやや低下し、X1が1.5重量部を超える実施例1−9は放電特性がやや低下した。また、第2の充填部6における結着剤の含有量X2が2.0重量部未満である実施例1−2は電極端面から活物質が脱落しやすくなって耐短絡性がやや低下し、X2が4.0重量部を超える実施例1−5は放電特性がやや低下した。よって第1の充填部5における結着剤の含有量X1は活物質100重量部に対し0.3重量部以上1.5重量部以下が好ましく、第2の充填部6における結着剤の含有量X2は活物質100重量部に対し2.0重量部以上4.0重量部以下であることが好ましいといえる。
(実施例2−1)
実施例1−1と同様にペーストP1およびペーストP2を作製し、5m/分で走行させた三次元金属多孔体3(厚み1.5mm、目付700g/cm2)の双方の面に、図4に示す一対のダイノズル1(3つのダイノズル1bで2つのダイノズル1aを挟んだもの)を配置し、ダイノズル1aからはペーストP1を、ダイノズル1bからはペーストP2を、それぞれポンプで一定の圧力をかけながら吐出して充填し、中央の第2の充填部6(幅6mm)を挟むように2条の第1の充填部5(幅26mm)が配置され、第1の充填部5の両端に第2の充填部6(幅3mm)が配置され、第2の充填部6の両端に非充填部7(幅6mm)が配置された電極前駆体12を得た。これを乾燥した後で厚みが0.6mmとなるように圧延ロール9で圧延し、スリッター10で中央の第2の充填部6を等分にスリットしつつ両端の非充填部7を幅3mmずつスリットすることにより2列(1列当りの幅が35mm)とし、さらに260mmの長さに切断して、非充填部7に金属板を溶接して集電部とし、正極を得た。これを実施例2−1とする。
(実施例2−2〜2−5)
実施例2−1に対し、ペーストP2におけるPTFEの添加量X2を、水酸化ニッケル粉末100重量部に対し1.5重量部(実施例2−2)、2重量部(実施例2−3)、4重量部(実施例2−4)および4.5重量部(実施例2−5)としたこと以外は、実施例2−1と同様に作製した正極を実施例2−2〜2−5とする。
(実施例2−6〜2−9)
実施例2−1に対し、ペーストP1におけるPTFEの添加量X1を、水酸化ニッケル粉末100重量部に対し0.15重量部(実施例2−6)、0.3重量部(実施例2−7)、1.5重量部(実施例2−8)および2重量部(実施例2−9)としたこと以外は、実施例2−1と同様に作製した正極を実施例2−6〜2−9とする。
得られた各実施例の正極を用いて、実施例1−1と同様の構成で、理論容量が3000mAhの円筒型ニッケル水素蓄電池を作製し、以下の評価を行った。結果を(表2)に示す。
(電池放電特性)
20℃雰囲気中において、上述した電池(各例につき3個ずつ)を3Aで1.1時間充電した後、0.6Aで1.0Vまで放電した。続いて同様の充電を行った後、30Aで0.8Vまで放電した。0.6A放電時の容量に対する30A放電時の容量比率と、30A放電時の平均放電電圧とを、電池放電特性の尺度として(表2)に示した。
(耐短絡性)
20℃雰囲気中において、上述した電池(各例につき100個ずつ)を3Aで1.1時間充電、1時間休止をした後、3Aで1.0Vまで放電した。この充放電を100回繰り返した後、3Aで1.1時間充電し、45℃雰囲気中で2週間保存した。次いで雰囲気温度を20℃に戻した後、3Aで1.0Vまで放電し、45℃2週間保存後の電池容量を測定した。
保存後の電池容量を保存前の電池容量で除した値を百分率で表し、この値が60%以下になった電池を電圧不良電池と判定して、その個数を耐短絡性の尺度として(表2)に示した。
一方、保存直前の電池を1個ずつ分解して正極を取り出し、その重量を測定して、電極
群を構成する前に記録した正極の重量との差から活物質の脱落量を比率として求め、耐短絡性の尺度として(表2)に示した。
Figure 2009009869
実施例2−1〜2−9は、実施例1−1〜1−9に比べて、耐短絡性が若干低下するものの、放電特性は若干向上した。加えて実施例2−1〜2−9は、実施例1−1〜1−9に比べて、高い電池容量を実現できた。
本発明の二次電池用電極を用いた二次電池は、高い放電特性と優れた対短絡性を併せ持つので、ハイブリッド電気自動車の補助電源や電動工具の電源などのタフユース用途に適しており、その利用可能性は極めて高い。
本発明の二次電池用電極を示す概略図 本発明の二次電池用電極を示す概略図 本発明の二次電池用電極の製造方法の一例を示す概略図 本発明の二次電池用電極の製造方法の一例を示す概略図
符号の説明
1、1a、1b ダイノズル
2 アンコイラー
3 三次元金属多孔体
4a、4b ターンロール
5 第1の充填部
6 第2の充填部
7 非充填部
8 乾燥器
9 圧延ロール
10 スリッター
11、11a、11b コイラー
12 電極前駆体

Claims (6)

  1. 三次元金属多孔体と、活物質と結着剤とを含む合剤とからなり、前記三次元金属多孔体に前記合剤を充填した二次電池用電極であって、
    第1の充填部と、この第1の充填部よりも前記結着剤の含有量が多くかつ厚み方向における前記結着剤の分布が略均一な第2の充填部と、前記合剤を充填しない非充填部とからなり、
    前記第2の充填部の少なくとも一方を前記非充填部に隣接させ、この非充填部が端辺の少なくとも1つを構成するようにした二次電池用電極。
  2. 前記第1の充填部における前記結着剤の含有量を前記活物質100重量部に対し0.3重量部以上1.5重量部以下とし、かつ前記第2の充填部における前記結着剤の含有量を前記活物質100重量部に対し2.0重量部以上4.0重量部以下としたことを特徴とする、請求項1記載の二次電池用電極。
  3. 端辺の一方を前記第2の充填部に隣接した非充填部とし、もう一方を前記第2の充填部としたことを特徴とする、請求項1記載の二次電池用電極。
  4. 活物質と結着剤とを含む合剤の前駆体であるペーストを、ペーストP1とこのペーストP1よりも前記結着剤の含有量が多いペーストP2とに分けて作製する第1の工程と、
    帯状の三次元金属多孔体を走行させながら前記ペーストP1からなる第1の充填部の幅方向両端に前記ペーストP2からなる第2の充填部を配置するようにし、かつ前記第2の充填部の双方の幅方向他端に前記合剤を充填しない非充填部を配置するようにして電極前駆体を作製する第2の工程と、
    前記電極前駆体を乾燥する第3の工程と、
    前記電極前駆体を圧延する第4の工程と、
    前記電極前駆体における前記非充填部を切断する第5の工程と、
    を含むことを特徴とする二次電池用電極の製造方法。
  5. 前記ペーストP1における前記結着剤の含有量を前記活物質100重量部に対し0.3重量部以上1.5重量部以下とし、かつ前記ペーストP2における前記結着剤の含有量を前記活物質100重量部に対し2.0重量部以上4.0重量部以下としたことを特徴とする、請求項4記載の二次電池用電極の製造方法。
  6. 前記第2の工程において、3条の前記第2の充填部が2条の前記第1の充填部を挟むように配置し、
    第5の工程において、前記電極前駆体における中央に配置した前記第2の充填部と前記非充填部とを切断するようにしたことを特徴とする、請求項4記載の二次電池用電極の製造方法。
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