以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
なお、実施例1は、主に請求項1、5、6、10、11について説明する。また、実施例2は、主に請求項2、7について説明する。また、実施例3は、主に請求項3、8について説明する。また、実施例4は、主に請求項4、9について説明する。また、実施例5は、請求項1から4の別の実施形態について説明する。
≪実施例1≫
<概要>
図1は、本実施例の広告配信システムを構成するクライアント端末装置の表示画面の一例を表す図である。この図にあるように、クライアント端末にてブラウザβが起動されている。また、このブラウザβにはツールバーが組み込まれており、ブラウザの起動に合わせてツールバーもブラウザの所定領域αに表示されている。
ここで、本実施例では、ユーザーがブラウザやツールバーに入力した検索キーやURLを、ツールバーのプログラムによって収集する。またブラウザでのウエッブページの表示時間や、移動先や移動元などウエッブページの遷移経路を示す情報も、ツールバーによって収集される。
そして、このようにしてネットワーク上の各クライアント端末装置にて収集された情報が、広告サーバ装置に送信される。
図2は、その広告サーバ装置で管理されている広告配信用のデータベースの一例を表す図である。この図にあるように、前記複数のクライアント端末装置から収集した表示時間や遷移経路などの情報を利用して、広告サーバ装置では、ウエッブページごとの広告効果などをランクで示す「トラフィックランク(ウエッブページのランク)」を算出する。そして算出されたトラフィックランクに応じて、例えばそのページの広告料金が設定されている、という具合である。
そして、本実施例の広告配信システムでは、そのランクの算出においては、収集したページごとの表示時間を利用してクリックミスなどを排し閲覧実体に即した値が算出されるよう構成されている。したがって、例えば図1中のウエッブページ「サイトP」であれば、そのランクで示される広告効果に見合った広告料金「94万/1日」が広告主によって支払われた広告「新しいCPU」が、クライアント端末装置のブラウザの広告表示領域γ上に表示される、という具合である。
<機能的構成>
図3は、本実施例の広告配信システムにおける機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の広告配信システムは、「クライアント端末装置」(0300)と、「広告サーバ装置」(0310)と、からなる。
以下、まずはクライアント端末装置の構成要件について、図3などを用いて説明する。なお、「クライアント端末装置」とは、ネットワークに接続され、ウエッブページをブラウジングする機能を備えた端末装置をいい、例えば、パーソナルコンピュータや携帯電話、PDAなどの各種ネットワーク接続端末が挙げられる。
そして、この「クライアント端末装置」(0300)は、「ツールバー動作部」(0305)と、「ブラウザ動作部」(0306)と、を有している。また、そのツールバー動作部は、「ブラウジング情報取得手段」(0301)と、「ブラウジング情報送信手段」(0302)と、「広告情報受信手段」(0303)と、「広告表示手段」(0304)と、を備えることを特徴とする。
なお、以下に記載する本クライアント端末装置、また広告サーバ装置の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUや主メモリ、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CD−ROMやDVD−ROMなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部やその外部周辺機器用のI/Oポート、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、情報入力に利用されるユーザーインターフェースなどが挙げられる。
またこれらハードウェアやソフトウェアは、主メモリ上に展開したプログラムをCPUで演算処理したり、メモリやハードディスク上に保持されているデータや、インターフェースを介して入力されたデータなどを加工、蓄積、出力処理したり、あるいは各ハードウェア構成部の制御を行ったりするために利用される。また、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を記録媒体に固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
「ブラウジング情報取得手段」(0301)は、ブラウザから表示時間を含むブラウジング情報を取得する機能を有する。「ブラウザ」とは、WWW(ワールド・ワイド・ウエッブ)上のHTML文書などウエッブページに関する情報を取得、解析し、所定のレイアウトに従ってそのウエッブページを表示するためのアプリケーションプログラムをいう。
そして、ブラウジング情報取得手段ではこのブラウザ(の制御プログラム)の動作を監視し、その動作に係るブラウジング情報をウエッブページの広告効果などを測定するための情報として収集する。そして本実施例の広告配信システムでは、その広告効果の測定にウエッブページの表示時間を利用することを第一の特徴とする。
具体的に、例えば他のウエッブページと比較して相対的な表示時間が短いウエッブページは、クリックミスによる表示や、別のウエッブページに辿り着くためにただ経由されたウエッブページなどであると想定することができる。そこで、本実施例では、この表示時間を含むブラウジング情報を利用して、後述する広告サーバ装置にてウエッブページごとの広告効果等を示す「トラフィックランク(ウエッブページのランク)」を算出する、という具合である。
なお、この表示時間の取得処理に関しては以下のような計算機の処理によって実現することができる。例えばブラウザ制御プログラムの動作を監視し、そのウエッブページが表示画面上の最前面に表示されている時間をOSの計時機能などで取得し、表示時間として取得する方法が挙げられる。あるいは、OS上でのポインティングデバイスの制御プログラムの動作を監視し、ポインティングデバイスが指し示す表示画面上の座標位置がウエッブページ上にある時間をOSの計時機能などで取得し、表示時間として取得しても良い。また、ブラウザ制御プログラムの動作を監視し、そのウエッブページが所定以上の表示サイズで画面上に表示されている時間をOSの計時機能などで取得し、表示時間として取得しても良い。
また、ブラウジング情報に含まれる表示時間を示す情報は、上記のように表示時間そのもの以外にも、例えばウエッブページの表示開始時刻と表示終了時刻や、表示開始時刻と次のウエッブページの表示開始時刻などで間接的に示されていても良い。その場合には、それら時刻情報を利用した別途演算によって表示時間が算出されることになる。
またブラウジング情報は、表示時間に加えて、例えば、起点となるウエッブページからの移動先ウエッブページなど、ウエッブブラウジング時のページ遷移経路を示す情報などを取得するよう構成しても良い。なお、この遷移経路を示す情報をさらに利用した広告配信システムに関しては、実施例3にて後述する。
図4は、取得されるブラウジング情報の一例を表す図である。この図にあるように、ブラウジング情報には、「ブラウザID」や(例えばインターネットキャッシュなどから取得可能なユーザー識別情報である)「Cookie」などが含まれている。このような各種ID情報を利用して、後述する広告サーバ装置では、例えばユーザー別にブラウジング情報を管理することができる。また、それによって、例えば同一ユーザーが同一ウエッブページに繰り返しアクセスすることによる広告効果とは関係の無いアクセス数の増加を特定することなどもできる。
またブラウジング情報には、ユーザーがアクセスしたウエッブページごとに、そのページを特定するための「URL」や、その「アクセス時刻」、そして上記のようなブラウザプログラムの監視などで取得した「表示時間」、あるいは「移動元」や「移動先」などの遷移情報なども含まれている、という具合である。
このように、ブラウジング情報にウエッブページごとの「表示時間」が含まれていることで、本実施例の広告配信システムでは、後述するようにクリックミスなどの表示時間が短いアクセスを含むウエッブページに関して低いバイアスを掛けるなどの処理を行うことができる。したがって、ウエッブページごとに実体に即した広告効果を算定することができる。
「ブラウジング情報送信手段」(0302)は、取得したブラウジング情報を広告サーバ装置に送信する機能を有する。このブラウジング情報送信手段は、後述のツールバー動作部の制御による、例えばネットワーク接続回路の制御などによって実現することができる。なお、情報の送信先となる広告サーバ装置のIPアドレスは、予めツールバープログラム内に記述などされていると良い。
なお、ここでのブラウジング情報を送信するタイミングとしては、例えば、一のウエッブページの閲覧を単位として、一のウエッブページの閲覧終了処理や、別のページへの遷移処理を実行するごとに、そのページに関するブラウジング情報を取得し、送信するといったタイミングが挙げられる。具体的には、ブラウザ制御プログラムなどを監視して判断される一のウエッブページの表示終了処理の実行や遷移表示処理の実行をトリガーとして、ブラウジング情報の取得、送信が実行される、という具合である。
その他にも、ブラウザプログラムが実行されている間であればウエッブページの閲覧ごとにブラウジング情報を蓄積しておき、ブラウザプログラムが終了したことをトリガーとして、蓄積しているページごとのブラウジング情報をまとめて送信する、といったタイミングも挙げられる。あるいは、同様にウエッブページの閲覧ごとにブラウジング情報を蓄積しておき、OSの計時機能を参照したCPUの処理によって所定の時刻が経過した旨を判断したことをトリガーとして、ブラウジング情報をまとめて送信する、といったタイミングも挙げられる。
また、ブラウジング情報の送信が前者のようにウエッブページの遷移単位である場合、かつ、そのブラウジング情報にURLなどが含まれている場合、後述するサーバ装置において実行されるランクに応じた広告配信処理は、そのブラウジング情報の受信をトリガーとして実行されても良い。また、前者、後者に関わらず、ブラウジング情報とは別のトリガー情報を送信し、そのトリガー情報に応じてサーバ装置におけるランクに応じた広告配信処理が実行されても良い。
そして、ここで送信されたウエッブページごとの表示時間などを含むブラウジング情報を利用して、広告サーバ装置は、後述するような処理によってウエッブページごとの実体に即した広告効果などの指標となるウエッブページのランクを算出する。
「広告情報受信手段」(0303)は、広告情報を広告サーバ装置から受信する機能を有する。この広告情報受信手段は、例えばネットワーク接続回路の制御などによって実現することができる。また、「広告情報」とは、広告を表示するための情報をいい、広告用のテキストデータや画像、音声、動画データ、また広告の表示位置やサイズ、レイアウトなどを示す情報が含まれる。また、その広告情報にはハイパーリンクを含むよう構成しても良いし、あるいは広告情報の中に非広告情報が含まれていても構わない。
なお、この広告情報受信手段で受信する広告情報は、クライアント端末装置がウエッブページにアクセスした際に送信されるブラウジング情報に含まれるURLなどの情報、あるいはツールバー等の機能によって別途送信されるURLなどの情報を利用して、後述する広告サーバ装置からクライアント端末装置へと返信されるものである。
ここで、クライアント端末装置から送信され、広告サーバ装置での広告情報送信のトリガーとなるこれら情報の送信タイミングとしては、例えば以下のようなタイミングが挙げられる。第一に、ウエッブページを表示するためにブラウザからHTTPリクエストが送信されるのと同じタイミングが挙げられる。
第二にHTTPリクエストに応じてウエッブサーバから返信されてきたウエッブページを受信した際に、その受信したウエッブページのURLを送信する、といったタイミングも挙げられる。これは、例えばウエッブページのヘッダなどに転送先のURLが記述されている場合などには、HTTPリクエストで示されるURLと、そのリクエストに応じて返信されてきたURLとが異なるケースもありうる。そのような場合には、広告情報送信のトリガーとなるURLなどの情報の送信を第二のタイミング(ウエッブページの受信タイミング)とすることで、実際に表示されているウエッブページのURLを送信することができる、という具合である。
「広告表示手段」(0304)は、受信した広告情報に基づいてディスプレイに広告を表示する機能を有する。
図5は、この広告表示手段によるディスプレイ上での広告表示の一例を表す図である。この図5(a)にあるように、例えばツールバー動作部の制御によって、ツールバーの表示領域α内に広告メッセージなどが表示する方法が挙げられる。あるいは図5(b)にあるように、例えば後述するツールバー動作部の制御によって、ブラウザ内にポップアップウィンドウγが表示され、そのポップアップウィンドウ内に広告を表示するよう制御しても良い。
なお本実施例では、表示時間を利用した広告配信用のランクの算出に加えて、上記のようなブラウジング情報の取得や送信、そして広告情報の受信や広告の表示などの処理が、以下のツールバー動作部の制御によって実現されることを、もう一つの特徴とする。
「ツールバー動作部」(0305)は、上記「ブラウジング情報取得手段」と「ブラウジング情報送信手段」と、「広告情報受信手段」と「広告表示手段」と、を含み、ブラウザと同時表示可能なツールバーを動作させる機能を有する。「ツールバー」とは、ブラウザの機能を拡張するため、ブラウザに組み込まれるなどしてブラウザとともに動作するアプリケーション、およびそのアプリケーションによって実現される機能をいい、上記各構成手段以外の機能としては、例えば、検索機能やRSS文書データの収集、表示機能、ショートカットアイコンによるランチャー機能などが挙げられる。
そして、このツールバー受信部の上記各構成手段の機能によって、次のブラウザ動作部でのブラウザの動作に関するブラウジング情報の収集が実行される、という具合である。
なお、本実施例のほか、実施例2,3,4ではツールバー動作部を含む広告配信システムについて説明する。ただし実施例5にて後述するように、本発明では広告配信システムにおいて「ツールバー動作部」を含まない構成であっても良い。つまり、上記「ブラウジング情報取得手段」と「ブラウジング情報送信手段」と、「広告情報受信手段」と「広告表示手段」とが「ツールバー動作部」に含まれない構成であっても良い。
そして、その場合には、例えば上記各構成に係る機能はブラウザに実装されるなどして実現される、という具合である。
「ブラウザ動作部」(0306)は、ブラウザを動作させる機能を有する。このブラウザ動作部は、ブラウザアプリケーションやOSのAPI、またその制御回路などで実現することができる。そして、キーボードやマウスなどの入力デバイスから入力されたブラウザアプリケーションの操作命令を受付けた制御回路の制御によってブラウザが動作する。
そして、その動作に関する、例えばウエッブページの表示時間や遷移情報などを、上記ツールバーのブラウジング情報取得手段がブラウジング情報として取得する、という具合である。そしてブラウジング情報が次に説明する広告サーバ装置に送信され、ウエッブページごとのランクが算出される。そしてクライアント端末装置でのウエッブページ表示に際して、その算出されたランクに応じた広告が配信されることになる、という具合である。
続いて、図3に戻り、広告サーバ装置の機能的な構成要件について以下説明する。
図3にあるように、「広告サーバ装置」(0310)は、「ブラウジング情報受信部」(0311)と、「ウエッブランク付情報管理部」(0312)と、「広告情報保持部」(0313)と、「第一広告情報送信部」(0314)と、を有する。
「ブラウジング情報受信部」(0311)は、クライアント端末装置からブラウジング情報を受信する機能を有する。このブラウジング情報受信部は、例えばネットワーク接続回路などで実現することができる。そして、複数のクライアント端末装置から送信され、ここで受信したブラウジング情報に含まれるウエッブページごとの表示時間などを利用して、以下のようにして広告サーバ装置は、ウエッブページごとの広告効果などの指標となるランクを算出する。
「ウエッブランク付情報管理部」(0312)は、ウエッブランク付情報を管理する機能を有する。「ウエッブランク付情報」とは、ブラウジング情報から得られるウエッブページ毎の表示時間に応じたウエッブページのランク付情報をいい、例えばウエッブページαのランクは‘90’などの数値情報が挙げられる。
この表示時間に応じたランクの算出方法は様々であって良い。算出方法の一例としては、例えば、1日における全ウエッブページの合計表示時間に対するウエッブページAの合計表示時間のパーセンテージをウエッブページのランクとして算出する方法などが挙げられる。このようにウエッブページのランクを算出することで、クリックミスなどの表示時間が短いアクセスに関しては、そのランクを低いものとして算出することができる。したがって単純なアクセス数などでは推定することが困難な、クリックミスなどを排除して実体に即した広告効果などを示す指標としてウエッブページのランクを算出することができる。
なお、上記ウエッブページのランクの算出処理として、主に以下のような3つのパターンによる算出処理が考えられる。第一に、例えば一日を単位とし、集計された全端末あるいは一部端末からのブラウジング情報に含まれる表示時間を利用して、いわゆるウエッブページごとの「全国ランク」を算出する処理が挙げられる。
また第二に、Cookieなどからデータベースを参照して特定されるユーザーの属性情報を利用して、年齢別、男女別、居住地別、職業別などの各種セグメントごとにウエッブページの「属性別ランク」を算出するように構成しても良い。
なお、このCookieを利用したデータベースは、一例として以下のようにして構築することができる。例えば、クライアント端末装置にツールバー機能のインストーラ(組込プログラム)をダウンロードする際には、上記ユーザーの属性情報の登録を必須とする。そして、登録された属性情報をCookieと紐付けて広告サーバ装置にて管理することで、クライアント端末装置から送信されたCookieによるユーザー(属性情報)の特定を実行する、という具合である。
また第三に、Cookieなどを利用してブラウジング情報をユーザー単位で分類し、「ユーザーαにおけるサイトAのランク」、「ユーザーαにおけるサイトBのランク」といった具合に、いわゆる「ユーザー別ランク」を算出するよう構成しても良い。
具体的に、この第三の算出処理を行うための構成としては、本実施例の広告配信システムのクライアント端末装置と広告サーバ装置が以下のような構成を備えていると良い。例えば、このクライアント端末装置は、そのブラウジング情報送信手段にて送信するブラウジング情報に、例えばCookieやその他ユーザーを識別するための情報であるユーザー識別情報を含み広告サーバ装置に送信するよう構成されている。
そして、ここで送信されたユーザー識別情報を利用して、広告サーバ装置の以下の構成によって「ユーザー別ランク」が算出されることになる。
広告サーバ装置は、そのブラウジング情報受信部がさらに「ユーザー識別情報受信手段」を含み、ウエッブランク付情報管理部が「ユーザー別ウエッブランク付情報管理手段」をさらに含み、また、第一広告情報送信部が「第一ユーザー別広告情報送信手段」をさらに含むことを特徴とする。
「ユーザー識別情報受信手段」は、クライアント端末装置からCookieなどのユーザー識別情報をブラウジング情報と関連付けて受信する機能を有する。
「ユーザー別ウエッブランク付情報管理手段」は、ユーザー別に算出されたウエッブランク付情報を管理する機能を有する。このユーザー別のウエッブランク付情報は、前述の表示時間に応じたウエッブページのランク付情報の算出時に、ユーザー識別情報を利用してユーザー単位で算出することで取得、管理されると良い。
「第一ユーザー別広告情報送信手段」は、クライアント端末装置が表示しているウエッブページの、該クライアント端末装置のユーザー別のランクに応じた広告情報を広告情報保持部から取得してクライアント端末装置のツールバー動作部に対して送信する機能を有する。このようにして、いわゆる「個人ランク」に応じて、そのユーザーが閲覧しているウエッブページに広告を送信、表示させることができる。
また、上記ウエッブページのランクの算出に際しては、同一ユーザーによる不正なども含めた同一ウエッブページへの重複アクセスを排除してウエッブページのランクを算出するよう構成しても良い。具体的には、ブラウジング情報に含まれるCookieなどを利用して、同一ユーザーが同一ページへアクセスしたことを判断する。そして、そのように判断された表示時間に関しては、合計値ではなくその平均値などを利用してウエッブページごとのランクを算出する、という具合である。
また、上記のように集計されたウエッブページごとの値について、前日の値からの増減率を算出し、その増減率をウエッブページのランクに反映するような計算式を用いるよう構成しても良い。このような増減率を反映させることで、ウエッブページの一日ごとの盛り上がりを反映させることもできる。
そして、このようにして算出されたウエッブページとランクの組が、例えば図2に示すようなテーブルデータとして管理される、という具合である。
「広告情報保持部」(0313)は、広告情報をランクと関連付けして保持する機能を有し、例えば各種記憶媒体によって実現することができる。
図6は、この広告情報保持部を実現するためのテーブルデータの一例を表す図である。ここで、例えば自動車Mの広告主は、高い広告掲載料を支払ってでも広告効果の高いランクが上位のウエッブページに広告を掲載したいと考えている。そこで、自動車Mの広告に関し、その配信条件として図に示すように、「ランク(図中のTR):90−100」、「ユーザー属性:男女」、「キーワード:車、自動車」を設定し、本実施例の広告サーバ装置に登録する。そしてそのランク(TR)で示される広告効果などに応じて算出される「広告掲載料:100万円」の支払を行う。
同様に音楽TやパソコンFの広告主も、同様にして広告の配信条件として掲載を希望するウエッブページのランクの登録を行ったり、ランクに応じて算出された広告掲載料の支払を行ったりする。
そして、その登録情報や入金情報に従って、図6に示すようなテーブルデータが生成、保持される、という具合である。
そして、ユーザーが前述のクライアント端末装置にてウエッブページにアクセスした際には、次の第一広告情報送信部の機能によってそのアクセス先のウエッブページのランクなどを検索キーとして、この図6に示すテーブルデータなどが参照され、配信すべき広告を決定することができる、という具合である。
「第一広告情報送信部」(0314)は、クライアント端末装置が表示しているウエッブページのランクに応じた広告情報を広告情報保持部から取得してクライアント端末装置のツールバー動作部に対して送信する機能を有する。
なお、この第一広告情報送信部による広告情報の送信は、いわゆる「プッシュ型」ではなく「プル型」、すなわちクライアント端末装置での所定のアクションが実行されたことの通知を受けて広告情報を送信する機能である。
具体的に、クライアント端末装置上のブラウザにてウエッブページにアクセスするためのHTTPリクエスト(所定のアクション)の送信が実行される。すると、その所定のアクションが実行されたことを広告サーバ装置に通知するため、例えばツールバーなどの機能によってそのリクエストで示されるIPアドレスやURL、例えばサイトPのURL「http://portal.co.jp/・・・」などが広告サーバ装置に送信される。そして、この第一広告情報送信部ではそのURLをキーとして、図2に示すようなランク管理用のテーブルデータの検索がCPUの論理演算処理によって実行される。その結果、サイトPのランク「94」が取得される。
つづいて、そのランク「94」をキーとして、図6に示すような広告配信用のテーブルデータの検索がCPUの論理演算処理によって実行される。その結果、ランク「94」を広告の配信条件としている広告、例えば「自動車M」が特定される。そして、その広告IDから「自動車M」の広告情報が取得され、クライアント端末装置のツールバーに対して、その広告情報が送信される、という具合である。
なお、このランクに応じた広告を表示するためにクライアント端末装置から送信され受信されるURLなどはブラウジング情報に含まれるもので、それによってサイトPのランクが更新されるよう構成されても良い。あるいは、ここで受信されるURLなどはツールバー以外から送信されるもので、ランク付けには利用されない構成であっても良い。
もちろん、送信すべき広告情報の特定は「ランク」だけでなく、これに加えてウエッブページのタイトルタグやメタタグ内のキーワード、例えば「自動車」などが含まれるか否かをCPUの論理演算処理などで判断し、送信する広告情報を決定しても良い。また、図7に示すように予めユーザーの属性情報などを登録しておくことで、さらにユーザーの属性情報と、広告の配信条件とをマッチングして送信する広告情報を決定するよう構成しても良い。なお、ユーザーの特定方法は、例えばブラウザからのHTTPリクエスト送信時にツールバーなどが別途送信するCookieなどを利用する方法が挙げられる。
以上のように、本実施例の広告配信システムでは、クライアント端末装置のブラウザに組み込まれたツールバーを利用してウエッブページごとの表示時間を収集し、クリックミスなどの表示時間が短いアクセスに関しては低くバイアスを掛けるなどしたランクを算出することができる。そしてそのウエッブページのランクは、アクセスの実体に即して算出されたものであるため、クリックミスなどを排した実際の広告効果を反映したものとなり、その広告効果に応じて広告をクライアント端末装置のツールバーに対して配信することができる。
<ハードウェア的構成>
以下、図を用いて、本実施例の広告配信システムを構成する上記「クライアント端末装置」、および「広告サーバ装置」のそれぞれの機能的な構成要件を、ハードウェアとして実現した際の構成の一例について説明する。
(クライアント端末装置)
図8は、広告配信システムを構成する「クライアント端末装置」のハードウェア構成の一例を表す概略図である。この図を利用してブラウジング情報の送信処理や広告の表示処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
この図にあるように、クライアント端末装置は、各種演算処理や制御を行う「CPU」(0801)と、「主メモリ」(0802)と、を備えている。また、「I/O(インプット/アウトプット)」(0803)や、「UI(ユーザーインターフェース)」(0804)、「記憶装置」(0805)、「ディスプレイ」(0806)なども備えている。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
また、「主メモリ」は、各種処理を行うプログラムをCPUに実行させるために読み出すと同時にそのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。また、この「主メモリ」や「記憶装置」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
ここで、ユーザーは「UI」を介して、ブラウザ/ツールバーの起動命令を入力する。クライアント端末装置では、その起動命令の入力を受付けると、ブラウザプログラム、また、そのブラウザプログラムに組み込まれたツールバープログラムを「主メモリ」のワーク領域に読み出し展開する。
そして、ユーザーの「UI」を介した操作命令の入力を受付けて、ブラウザによるウエッブページへのアクセス、表示処理などが実行される。そして、このようなブラウザによるウエッブページのアクセスに応じて、本実施例のクライアント端末装置では、ツールバープログラムに従って以下のような処理が実行される。
まず、Cookieに含まれるユーザーID、あるいはユーザーが設定したユーザーIDなどが「記憶装置」から読み出され、「主メモリ」のアドレス1に格納される。つづいてブラウザにてアクセスのために入力されたURLが「主メモリ」のアドレス2に格納される。
またブラウザプログラムによる制御を監視することで、そのURLで示されるウエッブページが例えばディスプレイ上の最前面に表示されるよう制御されている時間や、ポインタデバイスが当該ウエッブページのウィンドウ上にあるよう制御されている時間などを計測し、表示時間として「主メモリ」のアドレス3に格納する。そして、ツールバープログラムに従って、「CPU」の演算処理によってそれら情報をブラウジング情報として関連付ける。そして予めツールバープログラムなどに記述されている送信先IPアドレス(後述の広告サーバ装置)に対して、「I/O」からそのブラウジング情報を送信する命令を出力し、ブラウジング情報を送信する、という具合である。
そして広告サーバ装置では、後述するように、その送信されたブラウジング情報で示される閲覧時間などを利用して、ウエッブページの実体的な広告効果が反映されたランクを算出することになる。
また、本実施例では、上記のようにクライアント端末装置によるウエッブページへのアクセスによってブラウジング情報を収集し、ウエッブページごとのランクを算出、更新していく。そしてそれとともに、該アクセス先のウエッブページに関して、それまでに算出されたランク、あるいは該アクセスによるブラウジング情報も反映されたランクに応じて、広告の配信処理が実行されることになる。
具体的には、クライアント端末装置上のブラウザプログラムの処理によってブラウザ上などで指定されたURLに対してHTTPリクエストが送信される。そしてそれとともにツールバーがHTTPリクエストで示される該URLなどのウエッブページの識別情報を取得し、広告サーバ装置に対して送信する。
すると、従来同様の処理によって指定されたURLのウエッブページのデータが返信されてくる。また、それとともに、ツールバーにて送信されたURLなどに応じて、後述する広告サーバ装置の処理によって、今までのブラウジング情報の集計によって算出されたウエッブページのランクに応じた広告情報も返信されてくる。
すると、クライアント端末装置の「I/O」で返信されたウエッブページのデータと広告情報とが受信される。そしてブラウザプログラムの処理によってブラウザ上に当該ウエッブページが表示されるとともに、ツールバープログラムの処理によって、例えばツールバー固有の表示領域やポップアップウィンドウ上などに受信した広告が表示されることになる。また、広告情報は「記憶装置」に保持されることで、以降も繰り返し表示されるよう構成しても良い。
このようにして、クライアント端末装置では、ブラウザ/ツールバーによるブラウジングに応じて、ウエッブページごとのランクを算出するためのブラウジング情報を送信し、また、それとともにアクセスしたウエッブページのランクに応じた広告の受信、表示を実行する、という具合である。
(広告サーバ装置)
図9は、広告配信システムを構成する「広告サーバ装置」のハードウェア構成の一例を表す概略図である。この図を利用してウエッブランク付情報の管理処理やランクに応じた広告の送信処理などにおけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
この図にあるように、広告サーバ装置は、各種演算処理や制御を行う「CPU」(0901)と、「主メモリ」(0902)と、を備えている。また、この広告サーバ装置は、さらにウエッブランク付情報管理部、および広告情報保持部である「記憶装置」(0903)や、ブラウジング情報受信部、および第一広告情報送信部である「I/O」(0904)なども備えている。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
ここで、「I/O」にて、ネットワーク上の複数のクライアント端末装置から送信されたブラウジング情報を受信すると、「主メモリ」のワーク領域に展開されたランク算出プログラムに従って以下のような処理が実行される。まず、CPUの論理演算処理によって、ブラウジング情報内の所定のタグ(例えば、図4中の「browsing time」)を参照し、ウエッブページごとの表示時間が抽出され、「記憶装置」に格納される。そして、例えば1日単位など所定のサイクル単位で収集された、例えばURL「A」の表示時間を「CPU」の演算処理によって合算し、「主メモリ」のアドレス1に格納する。また、同じ例えば1日単位の全URLの表示時間も、「CPU」の演算処理によって合算し、「主メモリ」のアドレス2に格納する。
そして、「主メモリ」のアドレス1に格納された値を用いてアドレス2に格納された値を除することで、ある1日の全アクセスにおけるURL「A」の表示時間の割合(%)を算出し、例えばそれをトラフィックランク(ウエッブページのランク)として「主メモリ」のアドレス3に格納する。
そして、その他のURLに関しても同様にウエッブページのランクを算出し、ランクテーブルを生成し、「記憶装置」のアドレスAに、そのランクテーブルを格納する、という具合である。
また、その他に、例えば以下のような数式を用いて、さらに実体に即した閲覧状況を示すようなウエッブページのランクを算出するよう構成しても良い。例えば
といった数式などが挙げられる。もちろん、これら数式は一例であって、本実施例の広告配信システムにおけるウエッブページごとのランクの算出は、これに限定されるものではない。
また算出されるランクは、いわゆる上記のような「全国ランク」以外にも、前述のように「属性別ランク」や「個人ランク」であっても良い。具体的には、受信したブラウジング情報に含まれるCookieなど「主メモリ」に格納する。そしてそのCookieをキーとして、予め保持しているユーザー登録情報などからそのブラウジング情報で示される表示時間に関してセグメントや個人を特定する処理を「CPU」の演算処理によって実行する。そして、上記例えばURL「A」および全URLの表示時間の合算処理において、特定された個人やセグメント別にその合算値を算出し、その表示時間の割合を「CPU」の演算処理によって算出する、という具合である。
そして、クライアント端末装置からあるウエッブサイトへHTTPリクエストが送信された場合、この広告サーバ装置は以下のような処理を実行し、そのウエッブサイトのランクに応じた広告を配信する。すなわち、クライアント端末装置でのHTTPリクエスト送信時などに、例えばツールバーの機能によってHTTPリクエストで示されるURLなどが広告サーバ装置に対して送信されてくる。そして、そのURLなどを「I/O」にて受信し「主メモリ」のアドレス4に格納する。そしてそのURLなどをキーとして、「記憶装置」に保持されているランクテーブルの検索処理が「CPU」の論理演算処理によって実行される。その結果、HTTPリクエストでアクセスリクエストされているウエッブページのランクが特定され、「主メモリ」のアドレス5に格納される。
続いて、その特定されたランクをキーとして、図6に示すような広告の配信条件を定めて予め「記憶装置」のアドレスBに保持されている広告管理テーブルの検索処理が実行される。そして、その結果、特定されたランクをその配信条件とする、例えば広告1が特定され、「主メモリ」のアドレス6に格納される。
そして、URLなどの送信元のIPアドレスに対して、その広告1の情報を「I/O」から送信する。あるいは、HTTPリクエストにてリクエストされたウエッブページの情報を取得可能であれば、そのウエッブページの所定領域に広告1を埋め込む処理などをして同IPアドレス宛にウエッブページごとその広告情報を返信するよう構成しても良い。
具体的には、例えばウエッブサーバと、広告配信サーバとが連携し、ウエッブサーバはHTTPリクエストを受信した際に、そのリクエストで指定されるウエッブページのURL情報などと、当該ウエッブページを表示するためのHTMLデータと、リクエスト元のユーザー端末のIPアドレスなどを広告配信サーバに転送する。広告配信サーバでは、そのURLなどをキーとして上記例と同様に当該ウエッブページのランクを特定する。そして特定されたランクに応じて配信すべき広告を決定し、当該広告をHTMLで示されるウエッブページ内に埋め込む処理を実行する。そして、ランクに応じた広告が埋め込まれたHTMLデータが、ユーザー端末のIPアドレスに返信され、ユーザーの端末装置上で表示される、という具合である。
あるいは、広告配信サーバは、上記決定した広告をウエッブサーバに対して返信することで、ウエッブサーバにおいて当該ウエッブページを示すHTMLデータへの広告の埋め込み処理やユーザー端末への送信処理を実行するよう構成しても良い。
いずれのような処理によっても、クライアント端末装置によるウエッブページアクセスに応じて、そのウエッブページのランクに応じた広告情報が送信され、クライアント端末装置上で表示されることになる、という具合である。
<処理の流れ>
図10は、本実施例の広告配信システムにおける、ウエッブページのランクの算出処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
この図にあるように、まず、クライアント端末装置にてブラウザとツールバーが起動される(ステップS1001)。そして、ユーザーの入力操作などを受付けてブラウザによるウエッブページのブラウジングが制御される(ステップS1002)。すると、例えば内蔵時計などを利用して表示時間を含むブラウジング情報をツールバーにて取得し(ステップS1003)、そのブラウジング情報を広告サーバ装置に送信する(ステップS1004)。
広告サーバ装置では、このように送信されてきたブラウジング情報を受信する(ステップS1005)と、ブラウジング情報に含まれるURLなどを利用してウエッブページごとの表示時間に応じたウエッブページのランクをCPUなどの演算処理によって算出する(ステップS1006)。そして、算出したウエッブランク付情報をデータベースなどに蓄積、管理する(ステップS1007)。
つづいて、このように算出、管理されているウエッブページのランクを利用した広告配信処理の流れの一例について説明する。
図11は、本実施例の広告配信システムにおける、ウエッブページのランクに応じた広告配信処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップも、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
この図にあるように、まず、クライアント端末装置にてブラウザとツールバーが起動される(ステップS1101)。そして、ユーザーの操作入力を受付けて、ブラウザがあるウエッブページへのアクセスを実行するため、HTTPリクエストを送信する(ステップS1102)。すると、ツールバーは、そのHTTPリクエストで示されるURLを取得し、別途広告サーバ装置に送信する(ステップS1103)。なお、この処理ステップはURLなどを含むブラウジング情報を送信するステップとして構成されても構わない。
広告サーバ装置では、URLなどを取得する(ステップS1104)と、そのURLについて前記処理によって蓄積管理されているランクテーブルを参照し、CPUの検索処理によってそのウエッブページのランクを取得する(ステップS1105)。
そして、広告情報をランクと関連付けて予め蓄積している広告情報保持部からウエッブページのランクに応じて広告情報を取得し(ステップS1106)、取得した広告情報を、クライアント端末装置に対して返信する(ステップS1107)。
クライアント端末装置では、このようにして広告サーバ装置から返信されてきた広告情報を受信し(ステップS1108)、その受信した広告情報に基づいてディスプレイ上に広告を表示する(ステップS1109)。
≪効果の簡単な説明≫
以上のように、本実施例の広告配信システムによって、クライアント端末装置のブラウザに組み込まれたツールバーを利用してウエッブページごとの表示時間を収集し、クリックミスなどの表示時間が短いアクセスに関しては低くバイアスを掛けるなどしたウエッブページのランクを算出することができる。
そしてそのウエッブページのランクは、アクセスの実体に即して算出されたものであるため、実際の広告効果を反映したものとなり、その広告効果に応じて広告をクライアント端末装置のツールバーに対して配信することができる。
≪実施例2≫
<概要>
本実施例は、上記実施例1を基本として、ウエッブページAの例えばハイパーリンク先のウエッブページB,C,・・・のランクなどを利用、あるいは加味して、ウエッブページAにアクセスがあった際の配信広告を決定する機能をさらに備えた広告配信システムである。
図12は、本実施例の広告配信システムによる広告配信の一例を表す概念図である。この図にあるように、クライアント端末装置からサイトPにアクセスがあった。このとき、本実施例の広告配信システムでは、サイトPにハイパーリンクされている「音楽配信サイトM」のランクを利用し、例えばその音楽配信サイトM向けの広告、例えば音楽CDの広告を特定する。そして、その音楽CDの広告がこのクライアント端末装置に送信され、画面上にて表示される、という具合である。
<機能的構成>
図13は、本実施例の広告配信システムにおける機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の広告配信システムは実施例1を基本として、その「クライアント端末装置」(1300)が、「ツールバー動作部」(1305)と、「ブラウザ動作部」(1306)と、を有している。また、そのツールバー動作部は、「ブラウジング情報取得手段」(1301)と、「ブラウジング情報送信手段」(1302)と、「広告情報受信手段」(1303)と、「広告表示手段」(1304)と、を備えている。
また、「広告サーバ装置」(1310)も、実施例1の広告サーバ装置と同様に「ブラウジング情報受信部」(1311)と、「ウエッブランク付情報管理部」(1312)と、「広告情報保持部」(1313)と、「第一広告情報送信部」(1314)と、を有する。
なお、上記構成は、実施例1で記載したものとほぼ同様であるのでその説明は省略する。
そして、本実施例の広告配信システムの特徴点は、その広告サーバ装置が、さらに「第二広告情報送信部」(1315)を有する点である。
「第二広告情報送信部」(1315)は、クライアント端末装置が表示しているウエッブページにリンクされたウエッブページのランクに応じた広告情報を広告情報保持部から取得して、クライアント端末装置のツールバー動作部に対して送信する機能を有する。
図14は、この第二広告情報送信部によるリンク先ウエッブページを特定するための処理に利用されるテーブルデータの一例を表す図である。この図にあるように、このテーブルデータは、リンク元のURLと関連付けてそのURLで示されるリンク先のサイトの識別情報を保持している。したがって、クライアント端末装置のブラウザによるアクセス先のウエッブページのURLが「http://portal.co.jp/・・・」であるならば、このテーブルデータを参照して、そのウエッブページのリンク先のページの識別情報「ニュースサイトN」、「音楽サイトM」、「動画サイトMV」などを特定することができる、という具合である。
そして本実施例の広告配信システムでは、その特定されたリンク先のウエッブサイトにも、当然ランクが関連付けてウエッブランク付情報として管理されている。そこで本実施例の広告配信システムでは、クライアント端末装置からアクセスがあった際には、そのアクセス先のランクを利用するのではなく、そのアクセス先のさらにリンク先のランクをキーとして配信広告の決定処理を実行する、という具合である。
もちろん、第二広告情報送信部で送信される広告情報は、リンク先のウエッブページのランクによってのみ決定される広告情報には限定されない。例えば本来アクセスのあったウエッブページのランクと、リンク先のウエッブページのランクとの平均値を「CPU」の演算処理によって算出するなどして、その平均値に合致する広告情報を特定するよう構成しても良い。
また、前述のようにCookieなどのユーザー識別情報を利用して、属性別、ユーザー別などに算出されたリンク先ウエッブページのランクに基づいて上記広告情報の送信を実行しても良い。
なお、リンク先の特定は図14のようなデータベースを参照する以外に、以下のような方法で実行する方法が挙げられる。例えばウエッブページそのもののHTML文書を取得し、その記述内容を「CPU」の論理演算処理によって解析する。その結果リンクタグなどで示されるURLなどを、そのウエッブページのリンク先の情報として抽出する、といった具合である。
また、図に示すように複数のリンク先がある場合には、例えばそのランクが最も高いリンク先を選択したり、あるいは実施例3で後述するように、ブラウジング情報を統計解析することで推定される遷移確率が最も高いリンク先を選択したりするよう構成しても良い。
また、本実施例における「リンク」とは、ウエッブページを構成する文書同士を文書内の記述で関連付けるいわゆる「ハイパーリンク」のみならず、例えばウエッブページのヘッダやメタタグなどを利用して「音楽」に関するウエッブページ、といった具合に分類、データベース化されることで構築されるリンクなども含むものである。つまり、「ページA」と「ページB」との間にハイパーリンクは無いが、例えば双方のメタタグに「音楽バンドE」のキーワードが含まれていることから、両ページは関連付けてデータベースに保持されている。すると、本実施例では、そのデータベースを参照して、「ページA」と「ページB」とはリンクの関係にあると判断する、という具合である。
<ハードウェア構成>
図15に示すのは、本実施例の広告配信システムを構成する広告サーバ装置におけるハードウェア構成の一例を表す図である。この図を利用して、本実施例に特徴的な処理について説明する。
この図にあるように、本実施例の広告サーバ装置も、実施例1同様に「CPU」(1501)と、「主メモリ」(1502)と、「記憶装置」(1503)と、「I/O」(1504)などを備えている。
そして、クライアント端末装置からあるウエッブサイトへHTTPリクエストが送信され、それとともにツールバーの機能などによって該HTTPリクエストで示されるURLなどが広告サーバ装置に送信されてきた場合、広告サーバ装置では受信したURLなどを「主メモリ」のアドレス1に格納する。そしてそのURLなどをキーとして、「記憶装置」のアドレスBに格納されている図14に示すようなリンクテーブルを参照する。そして「CPU」の論理演算処理によって、キーに合致するURLと関連付けられているリンク先の識別情報(URLなど)を取得し、「主メモリ」のアドレス2,3、・・・に格納する。
そして、その「主メモリ」のアドレス2,3、・・・に格納されているURLなどをキーとして、今度は「記憶装置」のアドレスAに保持されているランクテーブルの検索処理を実行する。そしてリンク先のウエッブページのランクを特定し、「主メモリ」のアドレス4,5、・・に格納する。
続いて、例えばそのウエッブページのランクの大小比較処理を「CPU」の演算処理によって実行し、値が最も大きいランクを特定する。そして、その特定されたランクや、そのランクと関連付けて管理されているウエッブページの情報を用いて、「記憶装置」に保持されている広告情報の中から、配信すべき広告を決定する、という具合である。
このようにして、本実施例の広告配信システムによって、クライアント端末装置がアクセスしたウエッブサイトのリンク先のランクを利用して広告を配信することができる。
<処理の流れ>
図16は、本実施例の広告配信システムにおける、ウエッブページのランクに応じた広告配信処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、ウエッブページのランクの算出や管理に関しては実施例1と同様であるのでその説明は省略する。
この図にあるように、まず、クライアント端末装置にてブラウザとツールバーが起動される(ステップS1601)。そして、ユーザーの操作入力を受付けて、ブラウザがあるウエッブページへのアクセスを実行するため、HTTPリクエストを送信する(ステップS1602)。すると、その送信とともに、ツールバーはHTTPリクエストで示されるURLを取得し広告サーバ装置に送信する(ステップS1603)。
広告サーバ装置では、URLなどを取得する(ステップS1604)と、そのURLについてリンクされているリンク先URLを、例えば図14にて示すようなテーブルなどを利用して取得する(ステップS1605)。つづいて、取得したリンク先URLについて、蓄積管理されているランクテーブルを参照し、CPUの検索処理によってそのウエッブページのランクを取得する(ステップS1606)。
そして、広告情報をランクと関連付けて予め蓄積している広告情報保持部からウエッブページのランクに応じて広告情報を取得し(ステップS1607)、取得した広告情報を、クライアント端末装置に対して返信する(ステップS1608)。
クライアント端末装置では、このようにして広告サーバ装置から返信されてきた広告情報を受信し(ステップS1609)、その受信した広告情報に基づいてディスプレイ上に広告を表示する(ステップS1610)。
<効果の簡単な説明>
以上のように、本実施例の広告配信システムによって、クライアント端末装置がアクセスしたウエッブサイトのリンク先のランクを利用して広告を配信することができる。
≪実施例3≫
<概要>
図17は、本実施例の広告配信システムにおける広告配信の一例を表す概念図である。この図にあるように、本実施例の広告配信システムは、実施例2と同様に、あるクライアント端末装置が例えばサイトPにアクセスした際に、そのサイトPのリンク先ウエッブページの広告を、サイトPに表示する。
そして、本実施例の特徴点は、そのサイトPに、「ニュースサイトN」、「音楽配信サイトM」といった具合に複数のウエッブページがリンクされている場合に、サイトPにアクセスしたユーザーが次にアクセスする確率(遷移割合)が高いリンク先ウエッブページを特定し、その遷移割合が高いリンク先ウエッブページ用の広告を表示する点にある。つまり本実施例の広告配信システムでは、サイトPにアクセスしたユーザーの次のアクセス先を先読みして、例えばサイトPにて、ニュースサイトN向けの「本の広告α」を表示する、という具合である。
<機能的構成>
図18は、本実施例の広告配信システムにおける機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の広告配信システムは実施例2を基本として、その「クライアント端末装置」(1800)が、「ツールバー動作部」(1805)と、「ブラウザ動作部」(1806)と、を有している。また、そのツールバー動作部は、「ブラウジング情報取得手段」(1801)と、「ブラウジング情報送信手段」(1802)と、「広告情報受信手段」(1803)と、「広告表示手段」(1804)と、を備えている。
また、その「広告サーバ装置」(1810)も、実施例2の広告サーバ装置と同様に「ブラウジング情報受信部」(1811)と、「ウエッブランク付情報管理部」(1812)と、「広告情報保持部」(1813)と、「第一広告情報送信部」(1814)と、「第二広告情報送信部」(1815)と、を有する。
なお、上記構成は、実施例1や実施例2で記載したものとほぼ同様であるのでその説明は省略する。
そして、本実施例の広告配信システムの特徴点は、その広告サーバ装置の第二広告情報送信部が、さらに「優先送信手段」(1816)を有する点である。
「優先送信手段」(1816)は、表示しているウエッブページにリンクされているウエッブページが複数ある場合には、受信したブラウジング情報に基づいて得られるウエッブページ表示遷移情報を統計解析することで得られるリンク先表示確率が最も高いウエッブページのランクに応じた広告情報を広告情報保持部から取得してクライアント端末装置のツールバー動作部に対して送信する機能を有する。
つまり、この優先送信手段は、例えば以下のような複数の処理を順次実行し、上記機能を実現すると良い。例えば、まず、クライアント端末装置からHTTPリクエストが送信される。そしてそれとともにツールバーなどの機能によって、該HTTPリクエストで示されるURLの取得と、広告サーバ装置への送信処理が実行される。すると、実施例2で説明したように本実施例の広告サーバ装置は、例えば図14に示すようなリンクテーブルなどを参照し、そのウエッブページのリンク先を特定する。
また、それとともに、特定されたリンク先の数が2以上であるか、論理演算処理によって判断する。ここで、リンク先の数が2以上であるとの判断結果が出力されると、その中から遷移確率の高いウエッブページを特定するための処理が実行される。
すなわち、本実施例の広告配信システムでは、予めブラウジング情報に含まれる「遷移先/遷移元ウエッブページ(図4中「move from」タグや「move for」タグで示される情報)」を、ウエッブページ表示遷移情報として取得、収集する。そして、その収集したウエッブページ表示遷移情報を統計解析処理することで、リンク先ウエッブページごとに遷移割合を算出する、という具合である。
図19は、この統計解析による遷移割合の算出処理の一例を説明するための概念図である。この図にあるように、各クライアント端末装置から収集したブラウジング情報に含まれるURLをキーとしてサイトPへのアクセス数をCPUの演算処理によって特定、集計することで、サイトPへの(例えば1日の)全アクセス数がXと算出される。
そして、その中からさらに、図4中の「move from」タグや「move for」タグで示される情報をキーとして、「サイトP⇒音楽サイトM」へと表示遷移した数X1を集計する。また、同様に「サイトP⇒ニュースサイトN」へと表示遷移した中からさらに「(サイトP⇒)ニュースサイトN⇒音楽サイトM」へと表示遷移した数X2を集計する。
そして、サイトPから音楽サイトMへの遷移割合を、このように集計された数X,X1,X2などを図に示すような所定の数式に代入して算出する。そして、算出された遷移割合を、例えば図14に示すリンクテーブルの各リンク先の識別情報と関連付けて保持しておく。
そして、このように予め統計処理によって算出、保持されている遷移割合をCPUの大小比較処理によって比較し、最も遷移確率の高いウエッブページを特定する。そして実施例1で記載したような処理によって、その遷移先のウエッブページ向けの広告情報を取得し、クライアント端末装置に送信する、という具合である。
以上のように、本実施例の広告配信システムでは、各クライアント端末装置のツールバー機能を利用して収集したブラウジング情報を利用した統計処理によって、予めサイトごとの表示遷移割合を算出する。そして、ブラウザにてあるウエッブページPを表示中のクライアント端末装置に対して、その表示遷移割合を参照してページPの次のアクセス先を先読みし、その次のウエッブページ用の広告を送信する。したがってクライアント端末装置ではアクセス中のページPにて、そのページPからの遷移割合の高い広告が表示されることになる、という具合である。
また本実施例においても、遷移確率の高いリンク先ウエッブページに関して、前述のようにCookieなどのユーザー識別情報を利用して、属性別、ユーザー別などに算出されたランクに基づいて上記広告情報の送信を実行しても良い。
<ハードウェア構成>
図20に示すのは、本実施例の広告配信システムを構成する広告サーバ装置におけるハードウェア構成の一例を表す図である。この図を利用して、本実施例に特徴的な処理について説明する。
この図にあるように、本実施例の広告サーバ装置も、実施例1や2同様に「CPU」(2001)と、「主メモリ」(2002)と、「記憶装置」(2003)と、「I/O」(2004)などを備えている。
そして、まず、実施例1で説明したように、ツールバー機能によって各クライアント端末装置からブラウジング情報を収集する。そしてブラウジング情報に含まれるURLをキーとしてサイトごとのアクセス数をCPUの演算処理によって特定、集計する。
そして、その中からさらに、図4中の「move from」タグや「move for」タグで示される情報をキーとして、リンク先のウエッブページごとに表示遷移した数を集計する。なお、この集計処理においては、例えば基準となるウエッブページから所定時間以内に移動したページ、あるいはその遷移ページ数が所定ページ以内であるページ、といった具合にその集計範囲を所定に閾値で限定して集計すると良い。
そして、その遷移割合をCPUの四則演算処理によって算出し、例えば図14に示すリンクテーブルの各リンク先の識別情報と関連付けて「記憶装置」に保持しておく。
その後、実施例2で説明したようにクライアント端末装置からHTTPリクエストが送信され、それとともにツールバーから該リクエストで示されるURLなどが送信された場合、そのURLなどをキーとして、リンクテーブルの検索処理が実行される。そしてリンク先のウエッブページを特定し、そのURLを「主メモリ」のアドレス2,3、・・に格納する。
そして、上記のようにリンク先ウエッブページごとの遷移割合も含めてテーブル化されているリンクテーブルを参照して、「主メモリ」のアドレス2,3、・・・で示されるリンク先ウエッブページの遷移割合を取得し、「主メモリ」のアドレス4,5、・・・に格納する。そして、CPUの大小比較処理によって、最も遷移割合の大きいリンク先ウエッブページが特定される。
すると、実施例1で記載したような処理によって、その特定されたリンク先ウエッブページ向けの広告情報が「記憶装置」から取得され、「I/O」からクライアント端末装置に対して送信される、という具合である。
<処理の流れ>
図21は、本実施例の広告配信システムにおける、ウエッブページ表示遷移情報を利用した広告配信処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、ウエッブページのランクの算出や管理に関しては実施例1と同様であるのでその説明は省略する。
この図にあるように、まず、クライアント端末装置にてブラウザとツールバーが起動される(ステップS2001)。そして、ユーザーの操作入力を受付けて、ブラウザがあるウエッブページへのアクセスを実行するため、HTTPリクエストを送信する(ステップS2002)。すると、ツールバーは、それとともに該HTTPリクエストで示されるURLを広告サーバ装置に送信する(ステップS2003)。
広告サーバ装置では、URLなどを取得する(ステップS2004)と、そのURLについてリンクされているリンク先URLを、例えば図14にて示すようなテーブルなどを利用して取得する(ステップS2005)。つづいて、取得したリンク先URLについて、予め収集したブラウジング情報に含まれる表示遷移情報を用いて統計解析処理を実行する(ステップS2106)。そして、統計解析の結果、例えば最も表示遷移割合が高いウエッブページに関して、蓄積管理されているランクテーブルを参照し、CPUの検索処理によってそのウエッブページのランクを取得する。そして、広告情報をランクと関連付けて予め蓄積している広告情報保持部からウエッブページのランクに応じて広告情報を取得し(ステップS2107)、取得した広告情報を、クライアント端末装置に対して返信する(ステップS2108)。
クライアント端末装置では、このようにして広告サーバ装置から返信されてきた広告情報を受信し(ステップS2109)、その受信した広告情報に基づいてディスプレイ上に広告を表示する(ステップS2110)。
<効果の簡単な説明>
本実施例の広告配信システムでは、各クライアント端末装置のツールバー機能を利用して収集したブラウジング情報で示されるページの遷移情報を利用した統計処理によって、予めサイトごとの表示遷移割合を算出することができる。
したがって、算出されたページ間の遷移割合から、あるウエッブページでの次のアクセス先を先読み予測して、その遷移割合の高い次のウエッブページ用の広告を前もって表示する、といった処理を実行することができる。
≪実施例4≫
<概要>
本実施例は、上記実施例1から3のいずれかを基本としてウエッブページのランクに応じた広告を配信する。そしてさらに、ブラウザにて表示中のウエッブページやリンク先のウエッブページのランクをユーザーに提示するために、広告サーバ装置がクライアント端末装置に対してそのウエッブページのランクを送信する機能をさらに備えることを特徴とする広告配信システムである。
図22は、本実施例の広告配信システムにおける、クライアント端末装置のブラウザ上でのウエッブページの表示例を表す概念図である。この図にあるように、クライアント端末装置のブラウザ上では、現在表示中のサイトのランク(TR)「92点」がツールバーの所定領域α1に表示されている。
また、サイトにてリンク先として表示されている「音楽サイトM」の文字上には、例えばポップアップウィンドウα2で、そのランク「71点」が表示されている、という具合である。
このように本実施例の広告配信システムによって、ウエッブページごとのランクをユーザーに通知などすることができる。
<機能的構成>
図23は、本実施例の広告配信システムにおける機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の広告配信システムは、例えば実施例1を基本として、その「クライアント端末装置」(2300)が、「ツールバー動作部」(2305)と、「ブラウザ動作部」(2306)と、を有している。また、そのツールバー動作部は、「ブラウジング情報取得手段」(2301)と、「ブラウジング情報送信手段」(2302)と、「広告情報受信手段」(2303)と、「広告表示手段」(2304)と、を備えている。
また、その「広告サーバ装置」(2310)も、実施例1の広告サーバ装置と同様に「ブラウジング情報受信部」(2311)と、「ウエッブランク付情報管理部」(2312)と、「広告情報保持部」(2313)と、「第一広告情報送信部」(2314)と、を有する。
また、本実施例の広告配信システムは、実施例2や3を基本として、さらに図示しない「第二広告情報送信部」や「優先送信手段」などを備えていてもよい。なお、上記構成は、実施例1や2,3で記載したものとほぼ同様であるのでその説明は省略する。
そして、本実施例の広告配信システムの特徴点は、その広告サーバ装置が、さらに「ウエッブランク付情報送信部」(2315)を有する点である。
「ウエッブランク付情報送信部」(2315)は、ウエッブランク付情報管理部(2312)にて管理されているウエッブランク付情報をクライアント端末装置に対して送信する機能を有する。
具体的には、このウエッブランク付情報送信部は、例えば実施例1や2などで説明したように配信すべき広告を特定した際に利用したウエッブページのランク、あるいはリンク先のウエッブページのランクをクライアント端末装置に対して送信する、という具合である。
そして、そのウエッブページのランクを受信したクライアント端末装置では、例えば図22で示すようにブラウザ上でそのランクを表示したり、あるいはアクセスの際に自動音声などでランクを読み上げたりするなどして、クライアント端末装置のユーザーにそのウエッブページのランクを通知することなどができる。
また、本実施例では、例えばクライアント端末装置のブラウザやツールバーの検索機能にて、そのウエッブページのランクをキーとして検索処理を実行できるよう構成しても良い。
<ハードウェア構成>
図24に示すのは、本実施例の広告配信システムを構成する広告サーバ装置におけるハードウェア構成の一例を表す図である。この図を利用して、本実施例に特徴的な処理について説明する。
この図にあるように、本実施例の広告サーバ装置も、実施例1などと同様に「CPU」(2401)と、「主メモリ」(2402)と、「記憶装置」(1503)と、「I/O」(2404)などを備えている。
そして、実施例1で説明したように、クライアント端末装置からあるウエッブサイトへHTTPリクエストが送信されると、それとともに該HTTPリクエストで示されるURLが広告サーバ装置に送信され、受信される。するとそのURLをキーとしてランクテーブルなどを検索し、そのウエッブページのランクを「主メモリ」のアドレス2に格納する。そして格納したランクに応じた広告情報を取得しクライアント端末装置に対して送信する。
また、本実施例の広告サーバ装置では、ランク送信プログラムに従って、さらに「主メモリ」のアドレス2に格納されているウエッブページのランクを「I/O」からクライアント端末装置に対して送信する、という具合である。
<処理の流れ>
図25は、本実施例の広告配信システムにおける、ウエッブページのランクの送信処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、ウエッブページのランクの算出や管理に関しては実施例1と同様であるのでその説明は省略する。
この図にあるように、まず、クライアント端末装置にてブラウザとツールバーが起動される(ステップS2501)。そして、ユーザーの操作入力を受付けて、ブラウザがあるウエッブページへのアクセスを実行するため、HTTPリクエストを送信する(ステップS2502)。すると、ツールバーは、そのHTTPリクエストで示されるURLを取得し、広告サーバ装置に送信する(ステップS2503)。
広告サーバ装置では、URLなどを取得する(ステップS2504)と、そのURLについて、予め蓄積管理されているランクテーブルを参照し、CPUの検索処理によってそのウエッブページのランクを取得する(ステップS2505)。
そして、広告情報をランクと関連付けて予め蓄積している広告情報保持部からウエッブページのランクに応じて広告情報を取得し(ステップS2506)、取得した広告情報と、ステップS2505で取得したウエッブページのランクとを、クライアント端末装置に対して返信する(ステップS2507)。
クライアント端末装置では、このようにして広告サーバ装置から返信されてきた広告情報とウエッブページのランクを受信し(ステップS2508)、その受信した広告情報に基づいてディスプレイ上に広告とランクとを表示する(ステップS2509)。
<効果の簡単な説明>
以上のように、本実施例の広告配信システムによって、クライアント端末装置のブラウザ上でそのウエッブページのランクを表示したり、あるいはアクセスの際に自動音声などでランクを読み上げたりするなどして、クライアント端末装置のユーザーにそのランクを通知することなどができる。
≪実施例5≫
<概要>
本実施例は、上記実施例1と同様に、視聴時間に応じたウエッブページのランクを算出し、そのランクに応じて広告を配信する広告配信システムである。あるいは、実施例2や3と同様に、ウエッブページAの例えばハイパーリンク先などのウエッブページB,C,・・・のランクなどを利用、加味、あるいは先読みして、ウエッブページAにアクセスがあった際の配信広告を決定する機能を備える広告配信システムである。あるいは実施例4と同様に、ウエッブページのランクをクライアント端末装置に送信する機能を備える広告配信システムである。
そして、上記実施例との相違点は、そのランクを決定するために収集するブラウジング情報の取得について、本実施例ではツールバーでの取得には限定しない点である。すなわち本実施例の広告配信システムでは、クライアント端末装置において、例えばブラウザそのものや、ブラウザのバックグラウンドで別途動作するその他アプリケーションなどを利用してブラウジング情報を取得することを特徴とする。
なお、以下の記載では、上記実施例2と同様にリンク先ランクを加味して広告配信を行うシステムにおいて、ツールバーを利用せずにブラウジング情報の収集を行う構成の一例について説明する。そのため実施例1や、3,4と同様の構成にてツールバーを利用しない構成についての説明は省略するが、その基本的な構成は以下に記載するものと同じである。
<機能的構成>
図26は、本実施例の広告配信システムにおける機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の広告配信システムは、「クライアント端末装置」(2600)と、「広告サーバ装置」(2610)と、からなる。そして「クライアント端末装置」(2600)は、「ブラウジング情報取得手段」(2601)と、「ブラウジング情報送信手段」(2602)と、「広告情報受信手段」(2603)と、「広告表示手段」(2604)と、を備える。
なお、上記構成要件は、実施例2の「ツールバー動作部」に含まれない点を除いて、その機能などは上記実施例で記載した同名の構成要件と同じであるので、その詳細な説明は省略する。
つまり上記構成をとる事で、本実施例ではツールバー以外の構成によってブラウジング情報の取得、送信や広告情報の受信、表示などを実行することになる。
また、「広告サーバ装置」(2610)は、「ブラウジング情報受信部」(2611)と、「ウエッブランク付情報管理部」(2612)と、「広告情報保持部」(2613)と、「第二広告情報送信部」(2614)と、を有する。なお、「ブラウジング情報受信部」と、「ウエッブランク付情報管理部」と、「広告情報保持部」と、「第二広告情報送信部」は上記実施例で記載した同名の構成と同様であるので、やはりその説明は省略する。
そして、このような構成によって、本実施例の広告配信システムは、ツールバー以外の構成によって、実施例2と同様にクライアント端末装置がアクセスしたウエッブサイトのリンク先のランクを利用して広告を配信することができる。
また、本実施例の広告配信システムの広告サーバ装置は、例えば実施例3と同様の構成である「優先送信手段」をさらに備えるよう構成しても良い。それによって予めサイトごとに算出した表示遷移割合から、あるウエッブページでの次のアクセス先を先読み予測して、その遷移割合の高い次のウエッブページ用の広告を前もって表示する、といった処理を実行しても良い。
<処理の流れ>
図27は、本実施例の広告配信システムにおける、ウエッブページのランクの算出処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
この図にあるように、まず、クライアント端末装置にてブラウザが起動される(ステップS2701)。そして、ユーザーの入力操作などを受付けてブラウザによるウエッブページのブラウジングが制御される(ステップS2702)。すると、例えば内蔵時計などを利用して表示時間を含むブラウジング情報を、例えばブラウザ自身などにて取得し(ステップS2703)、そのブラウジング情報を広告サーバ装置に送信する(ステップS2704)。
広告サーバ装置では、このように送信されてきたブラウジング情報を受信する(ステップS2705)と、ブラウジング情報に含まれるURLなどを利用してウエッブページごとの表示時間に応じたウエッブページのランクをCPUなどの演算処理によって算出する(ステップS2706)。そして、算出したウエッブランク付情報をデータベースなどに蓄積、管理する(ステップS2707)。
つづいて、このように算出、管理されているウエッブページのランクを利用した広告配信処理の流れの一例について説明する。
図28は、本実施例の広告配信システムにおける、ウエッブページのランクに応じた広告配信処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップも、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
この図にあるように、まず、クライアント端末装置にてブラウザが起動される(ステップS2801)。そして、ユーザーの操作入力を受付けて、ブラウザがあるウエッブページへのアクセスを実行するため、HTTPリクエストを送信する(ステップS2802)。すると、その送信とともに例えばブラウザなどがHTTPリクエストで示されるURLを広告サーバ装置に送信する(ステップS2803)。
広告サーバ装置では、URLなどを取得する(ステップS2804)と、そのURLについてリンクされているリンク先URLを、例えば図14にて示すようなテーブルなどを利用して取得する(ステップS2805)。つづいて、取得したリンク先URLについて、蓄積管理されているランクテーブルを参照し、CPUの検索処理によってそのウエッブページのランクを取得する(ステップS2806)。
そして、広告情報をランクと関連付けて予め蓄積している広告情報保持部からウエッブページのランクに応じて広告情報を取得し(ステップS2807)、取得した広告情報を、クライアント端末装置に対して返信する(ステップS2808)。
クライアント端末装置では、このようにして広告サーバ装置から返信されてきた広告情報を受信し(ステップS2809)、その受信した広告情報に基づいてディスプレイ上に広告を表示する(ステップS2810)。
<効果の簡単な説明>
以上のように、本実施例の広告配信システムは、ツールバー以外の構成によって、実施例2と同様にクライアント端末装置がアクセスしたウエッブサイトのリンク先のランクを利用して広告を配信することができる。