JP2009008998A - 位相差フィルム前駆体の製造方法及び位相差フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】その後の収縮を伴う加熱処理により位相差フィルムとされるオレフィン系樹脂フィルムに粘着層を介して収縮性フィルムを貼り合わせた状態で、特定の処理を施すことにより、後の加熱処理において粘着層とオレフィン系樹脂フィルムとの間に気泡が発生するのを防止し、nx>nz>nyの関係を有する位相差フィルムが均一に安定して製造できるようにする。
【解決手段】オレフィン系樹脂フィルム1の片面又は両面に粘着層3を介して収縮性フィルム2を貼り合わせ、これをロール14に巻き取り、巻き取られたロール状フィルムを、30〜70℃の温度で20〜200時間保持して養生することにより、位相差フィルム前駆体を製造する方法が提供される。得られる前駆体に、収縮を伴う加熱処理を施し、さらに収縮性フィルムを粘着層とともに剥がすことにより、位相差フィルムが得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、その後の収縮を伴う加熱処理により、位相差フィルムとなりうる位相差フィルム前駆体の製造方法に関するものである。本発明はまた、その前駆体を用いて位相差フィルムを製造する方法にも関係している。
位相差フィルムは、 TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、IPS(In-plane Switching)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、FFS(Fringe Field Switching)モードなどの液晶表示装置において、液晶セルの視野角補償に用いられることが多い。
液晶表示装置においては、一般に液晶セルの両側に偏光板が配置される。そして、液晶セルの複屈折による位相差を正面方向及び斜め方向において光学補償するため、液晶セルと偏光板との間には、位相差フィルムを配置することが多い。液晶表示装置における斜め方向の表示特性を改善するためには、位相差フィルムの斜め方向の位相差値が角度によってどのように変化するかということが非常に重要とされている。
そこで、角度によらず位相差値がほぼ一定である位相差フィルムが提案されており、例えば、特開平 2-160204 号公報(特許文献1)には、固有複屈折が正で分子がフィルム面の法線方向に配向しているフィルムを延伸することにより、垂直入射における位相差と法線から40°傾いた方向からの入射における位相差がほぼ同じになる位相差フィルムとすることが開示されている。この位相差フィルムは、面内遅相軸方向、面内進相軸方向及び厚み方向の屈折率をそれぞれnx、ny及びnzとしたとき、nx>nz>nyの関係を示す。
一方で、ノルボルネン系の如き脂肪族系の樹脂からなるフィルムは、光弾性係数の絶対値が小さいため、近年、位相差フィルムに適用する動きが高まっている。かかるノルボルネン系樹脂から、nx>nz>ny の関係を有する位相差フィルムを製造する方法として、特開 2006-72309 号公報(特許文献2)には、ノルボルネン系樹脂フィルムの片面又は両面に、幅方向の収縮率が大きい収縮性フィルムを貼り合わせ、加熱延伸と同時に延伸軸と直交する方向に収縮力を作用させることにより、面内位相差値が100〜350nm、かつ(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz係数が0.1〜0.9である位相差フィルムを得る方法が開示されている。ここで、nx、ny及びnz は、先に定義したとおりの意味を有する。また、特開 2007-17816 号公報(特許文献3)には、ノルボルネン系樹脂の延伸フィルムに、熱収縮性フィルムをその収縮方向が延伸フィルムの延伸方向と直交するように貼り合わせ、加熱収縮加工を施す方法が開示されている。これらの方法において、位相差フィルムとなる高分子フィルムと収縮性フィルムとの貼り合わせには、粘着剤を用いることが多い。
しかし、特にノルボルネン系樹脂などのオレフィン系樹脂に対してこれらの方法で厚み方向の位相差を発現させる場合、収縮を伴う加熱処理の際に、位相差フィルムとなるオレフィン系樹脂フィルムと収縮性フィルムとの間、特にオレフィン系樹脂フィルムと粘着層との間に気泡が生じやすい。このような気泡が生じると、収縮を伴う加熱処理を施して得られる位相差フィルムに凹状痕が残ってしまい、外観上好ましくない。また、位相差フィルムに凹状痕が存在すると、周囲の痕のない平坦部分とは位相差値が異なってしまい、偏光板と一体化し、液晶表示装置に適用した場合に、光洩れが生じてしまう。
特開平2−160204号公報 特開2006−72309号公報(請求項4) 特開2007−17816号公報(実施例)
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その後の収縮を伴う加熱処理により位相差フィルムとされるオレフィン系樹脂フィルムに粘着層を介して収縮性フィルムを貼り合わせた状態で、特定の処理を施すことにより、後の加熱処理において収縮性フィルム(特に粘着層)とオレフィン系樹脂フィルムとの間に気泡が発生するのを防止し、nx>nz>ny の関係を有する位相差フィルムを均一に安定して製造できる位相差フィルム前駆体の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち本発明によれば、オレフィン系樹脂フィルムの片面又は両面に粘着層を介して収縮性フィルムを貼り合わせ、これをロール状に巻き取り、巻き取られたロール状フィルムを30〜70℃の温度で20〜200時間保持して養生することにより、位相差フィルム前駆体を製造する方法が提供される。
また本発明によれば、位相差フィルムの製造方法も提供され、この方法は、以下の工程(A)〜(F):
(A)オレフィン系樹脂フィルムに延伸を施す延伸工程、
(B)オレフィン系樹脂フィルムの片面又は両面に粘着層を介して収縮性フィルムを貼り合わせる貼合工程、
(C)貼合工程で得られるフィルムをロール状に巻き取る巻き取り工程、
(D)ロール状に巻き取ったフィルムを30〜70℃の温度で20〜200時間保持して養生する養生工程、
(E)養生後に、前記収縮性フィルムが貼り合わされた状態のオレフィン系樹脂フィルムを加熱して、そのオレフィン系樹脂フィルムを収縮させる加熱収縮工程、及び
(F)前記オレフィン系樹脂フィルムから前記収縮性フィルムを粘着層とともに剥がす剥離工程
を包含し、前記貼合工程(B)、巻き取り工程(C)及び養生工程(D)をこの順に行い、かつ、前記加熱収縮工程(E)の後に剥離工程(F)を行うものである。
上記の方法により位相差フィルムを製造する際、一つの形態として、延伸工程(A)を先に行い、その後、貼合工程(B)、巻き取り工程(C)、養生工程(D)及び加熱収縮工程(E)をこの順に行い、最後に剥離工程(F)を行う方法を採用することができる。また別の形態として、貼合工程(B)、巻き取り工程(C)及び養生工程(D)をこの順に行った後、延伸工程(A)と加熱収縮工程(E)を同時に行い、最後に剥離工程(F)を行う方法を採用することもできる。
これら位相差フィルム前駆体の製造方法及び位相差フィルムの製造方法において、オレフィン系樹脂は、脂環式オレフィンから導かれる単位、例えば、ノルボルネン系モノマーから導かれる単位を主体とする樹脂であることが好ましい。
また、これらの方法における収縮性フィルムは、ノルボルネン系樹脂又はプロピレン系樹脂で構成することが好ましい。この収縮性フィルムとしては、二軸延伸されたものや横一軸延伸されたものを用いることができるが、とりわけ二軸延伸されたフィルムが好ましく用いられる。
さらに、これらの方法において用いる粘着層は、アクリル系樹脂をベースポリマーとするものであることが好ましい。
本発明では、オレフィン系樹脂フィルムの片面又は両面に、粘着層を介して収縮性フィルムを貼り合わせ、これをロール状に巻き取り、巻き取られたロール状フィルムを所定の温度で所定時間保持して養生する。かかる養生を施すことにより、その後の収縮を伴う加熱処理において、位相差フィルムとなるオレフィン系樹脂フィルムと収縮性フィルムとの間、特にオレフィン系樹脂フィルムと粘着層との間に、気泡が生じにくくなる。これにより、収縮を伴う加熱処理を経て製造される位相差フィルムに、凹状痕が発生しにくく、延いては位相差ムラが抑制でき、均一な位相差フィルムが製造できるようになる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明では、オレフィン系樹脂フィルムの片面又は両面に、粘着層を介して収縮性フィルムを貼り合わせて、これを位相差フィルム前駆体とする。そして、この前駆体をロール状に巻き取り、こうして巻き取られたロール状フィルムを30〜70℃の温度で20〜200時間保持して、養生する。
[位相差フィルム前駆体の製造方法]
本発明により位相差フィルム前駆体を製造するまでの各工程の一形態を、図1に概略的な側面図で示した。図1の(A)は、オレフィン系樹脂フィルム1に粘着層3を介して収縮性フィルム2を貼り合わせ、ロール状に巻き取るまでの工程を示すものであって、オレフィン系樹脂フィルム1は、第一の送り出しロール11から繰り出され、一方、収縮性フィルム2は、オレフィン系樹脂フィルム1との貼合面に粘着層3が付された状態で第二の送り出しロール12から繰り出される。そして、ラミネートロール13,13により、収縮性フィルム2の粘着層3側が高分子フィルム1に貼り合わされて、積層フィルム4が形成される。引き続き、積層フィルム4は前駆体ロール14に巻き取られる。粘着層3は、オレフィン系樹脂フィルム1側に設けられていてもよい。
図1の(B)は、前駆体ロール14に巻き取られた積層フィルム4を養生している状態を示すものであって、積層フィルム4を巻き取った状態の前駆体ロール14が、養生用加熱手段20の中で養生される。
なお、図1において、白抜きの直線矢印は工程の進行を表し、各ロール内にある曲線矢印は、ロールの回転方向を表す。図1には、オレフィン系樹脂フィルム1の片面に収縮性フィルム2を貼り合わせる例を示したが、オレフィン系樹脂フィルムの両面に収縮性フィルムを貼り合わせる場合は、図示されていないもう一方の面にも粘着層3を有する収縮性フィルム2が供給されるようにすればよい。
[オレフィン系樹脂]
本発明に用いられるオレフィン系樹脂とは、エチレンやプロピレンの如き脂肪族オレフィン又は、ノルボルネン系モノマーをはじめとする脂環式オレフィンから導かれる単位を主体とする樹脂である。この樹脂は、2種以上のモノマーを用いた共重合体であってもよい。
なかでも、脂環式オレフィンから導かれる単位、とりわけ、重合後も環状構造が主鎖中に残っている環状オレフィン系樹脂が好ましく用いられる。環状オレフィン系樹脂を構成する環状オレフィンの典型的な例としては、ノルボルネンやその置換体(以下、まとめてノルボルネン系モノマーと呼ぶことがある)などを挙げることができる。ノルボルネンとは、ノルボルナンの一個所が二重結合となった化合物であって、IUPAC 命名法によれば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エンと命名されるものである。その置換体の例としては、ノルボルネンの二重結合位置を1,2−位として、3−置換体、4−置換体、4,5−ジ置換体など、さらにはジシクロペンタジエンやジメタノオクタヒドロナフタレンなどを挙げることができる。このようなノルボルネン系モノマーから導かれる単位を主体とする樹脂は、一般にノルボルネン系樹脂と呼ばれている。
ノルボルネン系樹脂においては、出発原料にノルボルネン系モノマーが用いられるが、重合された状態では、構成単位にノルボルナン環を有していても有していなくてもよい。上記構成単位にノルボルナン環を有さないノルボルネン系樹脂には、例えば、開環により5員環となるもの、代表的には、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1−又は4−メチルノルボルネン、4−フェニルノルボルネンなどが挙げられる。ノルボルネン系樹脂が共重合体である場合、その分子の配列状態は特に制限されず、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。
ノルボルネン系樹脂としては、例えば、ノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーと他のモノマーとの開環共重合体、それらにマレイン酸付加やシクロペンタジエン付加等がなされたポリマー変性物、さらにはこれらを水素添加した樹脂;ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーと他のモノマーとの付加共重合体などが挙げられる。共重合体とする場合、他のモノマーには、α−オレフィン類、シクロアルケン類、非共役ジエン類などが包含される。また、脂環式オレフィンを2種以上用いた共重合体であってもよい。
なかでも、ノルボルネン系モノマーを用いた開環重合体に水素添加した樹脂が好ましく用いられる。かかるノルボルネン系樹脂は、成形加工性に優れており、収縮性フィルムを貼り合わせて加熱収縮させることにより、均一性が高く、大きな位相差値を有する位相差フィルムを与えることができる。このようなノルボルネン系モノマーを用いた開環(共)重合体の水素添加物として市販されている樹脂には、日本ゼオン(株)から販売されている“ゼオネックス”及び“ゼオノア”、JSR(株)から販売されている“アートン”など(いずれも商品名)がある。これらのノルボルネン系樹脂からなるフィルムや延伸フィルムも、例えば、(株)オプテスから“ゼオノアフィルム”の商品名で、JSR(株)から“アートンフィルム”の商品名で、また積水化学工業(株)から“エスシーナ”の商品名で、それぞれ販売されている。
また、オレフィン系樹脂を2種類以上含む混合樹脂からなるフィルムや、オレフィン系樹脂と他の熱可塑性樹脂との混合樹脂からなるフィルムを用いることもできる。例えば、オレフィン系樹脂を2種類以上含む混合樹脂の例としては、上記したような環状オレフィン系樹脂と脂肪族オレフィン系樹脂との混合物を挙げることができる。オレフィン系樹脂と他の熱可塑性樹脂との混合樹脂を用いる場合、他の熱可塑性樹脂は、目的に応じて、適宜、適切なものが選択される。具体例としては、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル/スチレン共重合樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の如き汎用プラスチック;ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂及びポリエチレンテレフタレート系樹脂の如き汎用エンジニアリングプラスチック;ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、液晶性樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂及びポリテトラフルオロエチレン系樹脂の如きスーパーエンジニアリングプラスチックなどが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、上記の熱可塑性樹脂は、任意の適切なポリマー変性を行ってから用いることもできる。ポリマー変性の例としては、共重合、架橋、分子末端変性、立体規則性付与などが挙げられる。
オレフィン系樹脂と他の熱可塑性樹脂との混合樹脂を用いる場合、他の熱可塑性樹脂の含有量は、樹脂全体に対して、一般には0〜50重量%程度であり、好ましくは0〜40重量%程度である。かかる範囲とすることによって、得られる位相差フィルムは、光弾性係数の絶対値が小さく、良好な波長分散特性を示し、かつ、耐久性や機械的強度、透明性に優れるものとすることができる。
以上説明したようなオレフィン系樹脂は、一般に用いられる溶液からのキャスティング法や溶融押出法などにより、フィルムに製膜することができる。溶液からのキャスティング法及び溶融押出法のいずれによっても、表面の平滑性に優れる原反フィルムを得ることができ、それを用いることで、表面の平滑性が高く、光学均一性の良好な位相差フィルム又は前駆体を得ることができる。2種以上の混合樹脂からフィルムを製膜する場合、その混合方法については特に限定されず、例えば、キャスティング法によりフィルムを作製する場合は、混合成分を所定の割合で溶媒とともに撹拌混合し、均一溶液として用いることができる。また、溶融押出法によりフィルムを作製する場合は、混合成分を所定の割合で溶融混合して用いることができる。
オレフィン系樹脂フィルムは、本発明の目的を損なわない範囲で、残存溶媒、安定剤、可塑剤、老化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤など、その他の成分を必要に応じて含有していてもよい。また、表面粗さを小さくするため、レベリング剤を含有することもできる。
オレフィン系樹脂フィルムは、波長590nmにおける光透過率が80%以上の値を示すことが好ましい。この光透過率は、より好ましくは85%以上であり、とりわけ90%以上であることが一層好ましい。この後、収縮を伴う加熱処理を経て得られる位相差フィルムも、同様の光透過率を示すことが好ましい。
また、オレフィン系樹脂フィルムのガラス転移温度(Tg)は特に制限されないが、一般には、110〜185℃の範囲にあることが好ましい。ガラス転移温度が110℃以上であれば、耐久性の高い位相差フィルムが得られやすくなり、185℃以下のガラス転移温度であれば、延伸や収縮を伴う加熱処理によって、フィルム面内及び厚み方向の位相差値を制御しやすい。より好ましいガラス転移温度は、120〜170℃である。樹脂のガラス転移温度は、JIS K 7121-1987 に準じた示差走査熱量測定(DSC)により求めることができる。
[収縮性フィルム]
収縮性フィルムは、前記オレフィン系樹脂フィルムに貼合した状態で加熱したときに、長手方向と直交する方向(幅方向)の収縮力を付与するために用いられる。この収縮性フィルムの材料として、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、ノルボルネン系樹脂を含む環状オレフィン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどを挙げることができるが、これらに限定されない。収縮力の均一性に優れ、耐熱性にも優れるなどの点から、環状オレフィン系樹脂やプロピレン系樹脂のフィルム、それも横方向が主延伸軸となる延伸フィルム、とりわけプロピレン系樹脂フィルムが好ましく用いられる。
この収縮性フィルムは、二軸延伸フィルムや一軸延伸フィルムなどの延伸フィルムであることが好ましい。このような収縮性フィルムは、例えば、押出法によりシート状に成形された原反フィルムを、縦又は横方向に所定の倍率で一軸延伸することにより、あるいは縦及び横方向に所定の倍率で同時若しくは逐次二軸延伸することにより、得ることができる。なお、成形及び延伸の条件は、用いる樹脂の組成や種類、目的などに応じて、適宜選択され得る。収縮力の均一性に優れ、耐熱性に優れるなどの観点から、二軸延伸されたもの、とりわけ二軸延伸されたプロピレン系樹脂フィルムが、特に好ましく用いられる。
収縮性フィルムは、目的とする位相差フィルムの位相差値などに応じて、その厚みを選択できるが、例えば、10〜500μm 程度であるのが好ましく、とりわけ20〜300μm であるのが一層好ましい。収縮性フィルムの厚みがこの範囲内であれば、十分な収縮率が得られ、良好な光学均一性を有する位相差フィルムを作製することができる。
収縮性フィルムは、本発明の目的を満足するものであれば、一般包装用、食品包装用、パレット包装用、収縮ラベル用、キャップシール用、電気絶縁用などの用途に使用される市販の収縮性フィルムも適宜、選択して用いることができる。これら市販の収縮性フィルムは、そのまま用いてもよく、延伸処理や収縮処理などの2次加工を施してから用いてもよい。市販品の中で、本発明における収縮性フィルムに用いることができる二軸延伸ポリプロピレン樹脂の具体例としては、王子製紙(株)から販売されている商品名“アルファン”シリーズ、グンゼ(株)から販売されている商品名“ファンシートップ”シリーズ、東レ(株)から販売されている商品名“トレファン”シリーズ、サン・トックス(株)から販売されている商品名“サントックス−OP”シリーズ、東セロ(株)から販売されている商品名“トーセロOP”シリーズなどを挙げることができる。
[貼合工程]
以上のような収縮性フィルムを、前記のオレフィン系樹脂フィルムに粘着層を介して貼り合わせる。この際、収縮性フィルムの収縮方向が、少なくともオレフィン系樹脂フィルムのロール送り方向と直交する方向の成分を含むように貼り合わされる。すなわち、収縮性フィルムの収縮力の全部又は一部が、オレフィン系樹脂フィルムのロール送り方向と直交する方向に作用するように行われる。したがって、収縮性フィルムの収縮方向がオレフィン系樹脂フィルムのロール送り方向と斜めに交わっていてもよいが、一般には、収縮性フィルムの収縮方向をオレフィン系樹脂フィルムのロール送り方向と直交させるのが好ましい。
収縮性フィルムをオレフィン系樹脂フィルムに貼り合わせるのに用いる粘着層は、オレフィン系樹脂フィルムの貼合面又は収縮性フィルムの貼合面に形成することができる。通常、収縮性フィルムは、位相差フィルムを作製した後に剥離除去されるので、粘着層は、その後の収縮を伴う加熱処理工程においては接着性と耐熱性を兼ね備え、さらにその後の剥離工程では、位相差フィルムの表面から収縮性フィルムとともに容易に剥離できて、得られる位相差フィルムの表面に残存しないものが好ましい。そこで粘着層は、収縮性フィルムの貼合面にコロナ処理を施し、その面に設けるほうが好ましい。これにより、収縮性フィルムと粘着層との間で粘着力が高まり、収縮を伴う加熱処理を施した後、オレフィン系樹脂フィルム(位相差フィルム)と粘着層との間で剥離しやすくなる。
粘着層を形成する粘着剤としては、アクリル系、合成ゴム系、ゴム系、シリコーン系などの樹脂を主成分とするものが用いられる。なかでも、接着性、耐熱性及び剥離性に優れることから、アクリル系樹脂をベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤においては、メチル基やエチル基、ブチル基等の炭素数が20以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルと、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルなどからなる官能基含有アクリル系モノマーとを、ガラス転移温度が好ましくは0℃以下となるように配合した、重量平均分子量が10万以上、好適には250万以下のアクリル系共重合体が、ベースポリマーとして有用である。ここで重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で測定される値である。通常は、このようなベースポリマーに架橋剤を配合し、有機溶剤溶液の形で粘着剤組成物とされる。
粘着層を形成する方法は特に制限されず、例えば、離型フィルムに粘着剤組成物を塗布し、乾燥後、収縮性フィルムの表面に転写する方法(転写法)、収縮性フィルムの表面に直接、粘着剤組成物を塗布し、乾燥する方法(塗工法)などを採用することができる。
粘着層の厚みも特に制限されるものでなく、粘着力や、収縮性フィルム及びオレフィン系樹脂フィルムの表面状態に応じて適宜決定される。例えば、1〜100μm 程度が好ましく、さらには5〜50μm 程度とするのが一層好ましい。この範囲内であれば、収縮性フィルムの収縮を十分にオレフィン系樹脂フィルムに伝播することができ、良好な光学的均一性を有する位相差フィルムを作製することができる。粘着層には、異なる組成のもの又は種類の異なるものを積層して用いることもできる。また粘着層は、必要に応じて接着力の制御などを目的に、粘着性付与樹脂の如き天然物や合成物からなる樹脂類、さらには酸化防止剤などの適宜な添加剤を含有していてもよい。
上述のとおり、粘着層は収縮性フィルム又はオレフィン系樹脂フィルムの表面に設けられるが、その露出面には、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的に剥離紙又は離型フィルム(セパレータともいう)が仮着されてカバーされる。これにより、通常の取扱い状態で粘着層に接触することを防止できる。上記セパレータとしては、例えば、プラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体の如き、適宜な薄葉体を、必要に応じて、シリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデンのような離型剤でコート処理したものなど、従来に準じた適宜なものを用いることができる。一般には、ポリエチレンテレフタレートフィルムの如きプラスチックフィルムに、離型処理を施したものが好適に用いられる。
オレフィン系樹脂フィルムと粘着層の界面における接着力は、特に制限されるものでないが、23℃において、0.1〜5N/25mm であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜0.25N/25mmである。この接着力は、粘着層を介して収縮性フィルムをオレフィン系樹脂フィルムに貼り、JIS Z 0237:2000 に準じた手動ローラを3往復させて圧着したものを接着力測定用サンプルとし、このサンプルを、温度50℃、圧力5kg/cm2 で15分間オートクレーブ処理した後、上記JISに準じて、90度引きはなし法(引き上げ速度:300mm/分)で測定することができる。このような適度の接着力とするためには、例えば、収縮性フィルムの粘着層が設けられる側の表面に、コロナ処理やプラズマ処理の如き易接着化表面処理を施したり、粘着層を介してオレフィン系樹脂フィルムと収縮性フィルムを接着した状態で、加熱処理やオートクレーブ処理の如き易接着化処理を施したりする方式を採用することができる。
収縮性フィルムは、設計する収縮力などに応じて、オレフィン系樹脂フィルムの片面又は両面に1枚又は2枚以上の適宜な数を接着することができる。オレフィン系樹脂フィルムの両面に収縮性フィルムを接着する場合や、片面に収縮性フィルムを複数枚接着する場合には、その表裏や上下における収縮性フィルムの収縮率は、同じものであってもよいし異なるものであってもよい。
[養生工程]
こうして、オレフィン系樹脂フィルムの片面又は両面に収縮性フィルムが粘着層を介して貼り合わされ、ロール状に巻き取られた状態で、養生が施される。この際、養生は熱雰囲気中にて行われるが、熱雰囲気の温度は、30〜70℃とし、好ましくは40〜60℃とする。またこの温度で保持する時間(養生時間)は、20〜200時間とする。この範囲内の温度及び時間で養生を施すことにより、オレフィン系樹脂フィルムと収縮性フィルムとが粘着層によって十分に接着され、良好な光学均一性を有する位相差フィルムを作製することができるようになる。貼合された状態で巻き取られ、養生に付される前駆体のロールフィルムは、300〜2,000mm 程度の幅を有することが好ましい。
養生用加熱手段25は、例えば、人が歩いて入れる程度の大きさを有する加熱炉であるウォークインオーブンや、熱風を吹き付ける装置が装備された自動巻替機(rewinder)、温度制御装置が装備された倉庫などであることができる。均一な熱雰囲気が好ましいことから、ウォークインオーブンが好適に用いられる。また、ウォークインオーブンや温度制御装置が装備された倉庫内に、自動巻替機を設置し、熱雰囲気中で巻き替えを行うことによって、ロール全体に均一な熱を与えることもできる。
[位相差フィルムの製造方法]
以上のようにして、オレフィン系樹脂フィルムの片面又は両面に粘着層を介して収縮性フィルムが貼り合わされ、養生が施された後の位相差フィルム前駆体は、その後、オレフィン系樹脂フィルムに収縮力を作用させるための加熱処理を経た後、収縮性フィルムを粘着層とともに剥がして、位相差フィルムとされる。
図1を参照して説明した方法で養生が施された後の位相差フィルム前駆体に、収縮を伴う加熱処理を施して位相差フィルムを製造する工程を、図2に概略的な側面図で示した。この図に示すように、養生後の前駆体ロール15から養生が施された位相差フィルム前駆体5が繰り出され、収縮用加熱ゾーン26に導かれる。この収縮用加熱ゾーン26では、オレフィン系樹脂フィルムに収縮力を作用させるための加熱処理が施される。収縮処理が施された後の位相差フィルム前駆体6は、次いで剥離ロール18に導かれ、ここで、収縮性フィルム9が粘着層とともにオレフィン系樹脂フィルム(位相差フィルム)から剥離され、収縮性フィルム9は収縮性フィルム回収ロール19に巻き取られる一方で、収縮性フィルム剥離後の位相差フィルム7は、製品ロール20に巻き取られるようになっている。なお、図2において、各ロール内にある曲線矢印は、ロールの回転方向を表す。
また、位相差フィルムとするためには通常、上記オレフィン系樹脂フィルムに延伸を施す操作が行われる。この延伸は、上記の位相差フィルム前駆体を製造する任意の段階、あるいは位相差フィルム前駆体とした状態で行うことができるが、好適には、収縮性フィルムを貼り合わせる前のオレフィン系樹脂フィルム自体に対して、あるいは、収縮性フィルムを貼り合わせ、養生が施された後の位相差フィルム前駆体に対して、この延伸操作が施される。
そこで、本発明に係る位相差フィルムの製造方法は、以下の(A)〜(F)の各工程を包含する。
(A)オレフィン系樹脂フィルムに延伸を施す延伸工程、
(B)オレフィン系樹脂フィルムの片面又は両面に粘着層を介して収縮性フィルムを貼り合わせる貼合工程、
(C)貼合工程で得られるフィルムをロール状に巻き取る巻き取り工程、
(D)ロール状に巻き取ったフィルムを30〜70℃で20〜200時間保持して養生する養生工程、
(E)養生後に、前記収縮性フィルムが貼り合わされた状態のオレフィン系樹脂フィルムを加熱して、前記オレフィン系樹脂フィルムを収縮させる加熱収縮工程、及び
(F)前記オレフィン系樹脂フィルムから前記収縮性フィルムを粘着層とともに剥がす剥離工程。
これらのうち、貼合工程(B)、巻き取り工程(C)及び養生工程(D)は、上で説明した位相差フィルム前駆体の製造方法において必須とする工程である。位相差フィルムの製造にあたっては、上記の貼合工程(B)、巻き取り工程(C)及び養生工程(D)をこの順に行い、かつ加熱収縮工程(E)の後に剥離工程(F)を行う。延伸工程(A)は好ましくは、収縮性フィルムを貼り合わせる前のオレフィン系樹脂フィルム自体に対して行われるか、あるいは加熱収縮工程(E)と同時に行われる。
そこで、位相差フィルムの製造方法に係る具体的な第一の形態として、上記の延伸工程(A)を先に行い、その後、貼合工程(B)、巻き取り工程(C)、養生工程(D)及び加熱収縮工程(E)をこの順に行い、最後に剥離工程(F)を行う方法を挙げることができる。以下、これを「位相差フィルム製造の第一の形態」と呼ぶことがある。また、位相差フィルムの製造方法に係る具体的な第二の形態として、貼合工程(B)、巻き取り工程(C)及び養生工程(D)をこの順に行った後、延伸工程(A)と加熱収縮工程(E)を同時に行い、最後に剥離工程(F)を行う方法を挙げることができる。以下、これを「位相差フィルム製造の第二の形態」と呼ぶことがある。
[延伸工程]
オレフィン系樹脂フィルムに対して施す延伸処理は、一軸で行ってもよいし、二軸で行ってもよいが、本発明では、最終的な収縮処理によってnx>nz>ny の関係を満たす位相差フィルムの製造を目的としていることから、延伸は、一軸延伸、それも縦一軸延伸であるのが好ましい。ただし、一軸性を損なわない程度に延伸軸と直交する方向への延伸が加わっていてもよい。一軸延伸の例として、フィルムを一定の温度に保持しながら、周速の異なるロール間にて縦一軸延伸する方法を挙げることができる。
延伸は一般に、オレフィン系樹脂フィルムのガラス転移温度(Tg)以上の温度で行われる。このときの温度は、好ましくは、オレフィン系樹脂フィルムのガラス転移温度より1〜50℃高い温度(つまり、Tg+1℃〜Tg+50℃)であり、より好ましくは、オレフィン系樹脂フィルムのガラス転移温度より2〜40℃高い温度であって、かつオレフィン系樹脂フィルムの融点より低い温度が採用される。
[加熱収縮工程]
収縮性フィルムが貼り合わされた状態のオレフィン系樹脂フィルムに対して、養生後に施される加熱収縮工程(E)は、オレフィン系樹脂フィルムに幅方向の収縮力を付与し、厚み方向の屈折率nz を大きくするために行われる。この加熱収縮処理も、オレフィン系樹脂フィルムのガラス転移温度(Tg)以上で行うことが、得られる位相差フィルムの位相差値を均一にしやすく、またフィルムが結晶化(白濁)しにくいなどの点で好ましい。この温度は、好ましくは、オレフィン系樹脂フィルムのガラス転移温度より1〜50℃高い温度(つまり、Tg+1℃〜Tg+50℃)であり、より好ましくは、オレフィン系樹脂フィルムのガラス転移温度より2〜40℃高い温度であって、かつオレフィン系樹脂フィルムの融点より低い温度が採用される。加熱収縮させるときの温度が上記の範囲であれば、均一な加熱収縮を行うことができる。また、このときの温度は、フィルム幅方向で一定であることが、位相差値のバラツキが小さく、良好な光学的均一性を有する位相差フィルムを作製するうえで好ましい。
[位相差フィルム製造の第一の形態]
位相差フィルム製造の第一の形態を採用する場合は、オレフィン系樹脂フィルムに上記のような延伸工程(A)による延伸処理を施した後、位相差フィルム前駆体の製造方法として先に説明したような、貼合工程(B)、巻き取り工程(C)及び養生工程(D)をこの順に行い、その後、加熱収縮工程(E)及び剥離工程(F)を経て、位相差フィルムが製造される。
このとき、加熱収縮工程(E)及び剥離工程(F)は、典型的には図2に示したような形態で行われる。すなわち、養生後の位相差フィルム前駆体5が収縮用加熱ゾーン26に導かれ、ここで加熱収縮処理が行われ、次いで剥離ロール18で収縮性フィルム9が粘着層とともに剥離され、残った位相差フィルム7が、製品ロール20に巻き取られる。
ここで、加熱収縮処理とは、収縮性フィルムが幅方向に収縮する力を位相差フィルム前駆体全体に作用させ、オレフィン系樹脂フィルムにおける厚み方向の屈折率nz を大きくする操作を意味する。例えば、フィルムの幅方向を保持して搬送しながら幅方向に伸縮できるチャック部を有する装置を用いて、チャックを幅方向に収縮させるとともに、収縮性フィルムを幅方向に収縮させる方法によって行うことができる。
位相差フィルム製造の第一の形態を採用する場合、加熱ゾーン26においては、位相差フィルム前駆体5を長手方向に手繰り寄せて波打たせた状態で供給することにより、長手方向への収縮を許容し、同時に幅方向へも収縮させるのが好ましい。このとき同時に、収縮性フィルム2の収縮によって、厚み方向への張力を付与させる。そのためには、ピンテンターが好適に用いられる。ピンテンターは、布帛の幅を整えるのに従来から多く用いられている装置であって、被加工物(本発明ではフィルム)の幅方向両端を順次ピンで抑えながら、幅を調整する機械である。
図3に、ピンテンターを用いて加熱収縮処理を行う状態を概略的に示す。図3の(A)は平面図であり、(B)は側面図である。図1を参照して養生が施された後の位相差フィルム前駆体5は、図3に示すように、台座32(例えばベルトコンベア)上で白抜き直線矢印方向に移動しながら、幅方向端部にチェーン状に多数配置されたピン30で順次保持される。そして、収縮用加熱ゾーン26(図2参照)の入口側で、位相差フィルム前駆体5をピン30により長手方向に手繰り寄せ、波打ち10を発生させた状態で、位相差フィルム前駆体5が供給される。その後、加熱による収縮でその波打ち10が徐々に緩和されるとともに、幅方向にも収縮して、平坦なフィルム(加熱収縮処理後)6となる。加熱収縮処理前のフィルム幅がW0 、加熱収縮処理後のフィルム幅がW1 で表されており、その比W1/W0が、幅方向の収縮倍率となる。
このように、位相差フィルム前駆体5を長手方向に手繰り寄せて波打ち10を形成させた状態で加熱ゾーン26に供給し、加熱ゾーン26において当該波打ちが解消されるように長手方向に収縮させるとともに幅方向にも収縮させることにより、収縮性フィルム2による収縮力を、オレフィン系樹脂フィルム1に効果的に作用させ、所望の位相差値を有する位相差フィルムを得ることができる。
[位相差フィルム製造の第二の形態]
位相差フィルム製造の第二の形態を採用する場合は、位相差フィルム前駆体の製造方法として先に説明したような、貼合工程(B)、巻き取り工程(C)及び養生工程(D)をこの順に行い、次いで延伸工程(A)と加熱収縮工程(E)を同時に行い、最後に剥離工程(F)を行って、位相差フィルムが製造される。延伸工程(A)と加熱収縮工程(E)を同時に行う操作を、以下では、「加熱延伸収縮処理」と呼ぶことがある。
加熱延伸収縮処理は、フィルムを搬送方向に延伸しながら、収縮性フィルムがフィルム幅方向へ収縮する力を利用して、厚み方向の屈折率nz を大きくする操作を意味する。位相差フィルム前駆体の製造方法として説明した手法に従って養生が施された前駆体に対して、例えば、送り側と引取側で回転速度の異なる二つのロールを用い、延伸と同時に幅方向に収縮させる方法によって行うことができる。この場合は通常、オレフィン系樹脂フィルムは未延伸の状態で粘着層を介して収縮性フィルムに貼り合わされ、前記した巻き取り工程(C)及び養生工程(D)を経た後、加熱延伸収縮処理が施される。
この場合の、延伸工程(A)と加熱収縮工程(E)を同時に行い、さらに剥離工程を行う状態を、図4に概略的な側面図で示した。図4においては、収縮用加熱ゾーン26の入口側に、送り側ロール16,16が設けられ、出口側に引取側ロール17,17が設けられている以外は、図2と同様なので、その他の部分の説明は省略する。この図に示すように、位相差フィルム製造の第二の形態を採用する場合は、収縮用加熱ゾーン26において延伸と収縮が同時に行われる。すなわち、オレフィン系樹脂フィルムに粘着層を介して収縮性フィルムが貼り合わされた位相差フィルム前駆体5は、収縮用加熱ゾーン26において、送り側ロール16,16と引取側ロール17,17を順に通過する。そして、前者の回転速度よりも後者の回転速度を大きくして、位相差フィルム前駆体5に長手方向の張力を付与して縦延伸を施し、同時に収縮性フィルム2が幅方向に収縮することに伴う位相差フィルム前駆体5(延いてはオレフィン系樹脂フィルム1)に厚み方向の張力が付与される。こうして、延伸と同時にその延伸軸と交差する方向に収縮させることで、フィルムを長手方向に配向させながら、厚み方向の屈折率nz をも大きくし、nx>nz>ny の関係を有する位相差フィルムが得られる。
[位相差フィルム]
本発明によって得られる位相差フィルムは、前記の如きオレフィン系樹脂の延伸フィルムからなり、nx>nz>ny の関係を有する。この位相差フィルムは、面内位相差値Ro が150〜400nm、好ましくは150〜300nmで、Nz係数が0.2〜0.6のものとすることができる。この位相差フィルムはまた、厚み方向の位相差値Rthが、−20nm〜+20nmの範囲にあることが好ましい。これらの位相差値は、波長590nmの光に対する値で代表させることができる。
ここで、面内の位相差値Ro 、厚み方向の位相差値Rth、及びNz係数は、nx、ny及びnz を先に定義した3軸方向の屈折率とし、厚みをdとして、それぞれ、次式(1)〜(3)で定義される。
Ro =(nx−ny)×d (1)
Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (2)
Nz=(nx−nz)/(nx−ny) (3)
厚み方向の位相差値Rthは、面内の遅相軸を傾斜軸として40度傾斜させて測定される位相差値R40と面内の位相差値Ro とから算出できる。すなわち、面内の位相差値Ro 、遅相軸を傾斜軸として40度傾斜させて測定した位相差値R40、フィルムの厚みd、及びフィルムの平均屈折率n0 を用い、以下の式(4)〜(6)から数値計算によりnx、ny及びnz を求め、これらを上記式(2)に代入して、厚み方向の位相差値Rthを算出することができる。
Ro =(nx−ny)×d (4)
40=(nx−ny')×d/cos(φ) (5)
(nx+ny+nz)/3=n0 (6)
ここで、
φ=sin-1〔sin(40°)/n0
y'=ny×nz/〔ny 2×sin2(φ)+nz 2×cos2(φ)〕1/2
この位相差フィルムの厚みは、10〜500μm 程度の範囲にあればよい。好ましくは10〜300μm、さらに好ましくは20〜200μmである。厚みがこの範囲であれば、フィルムの十分な自己支持性が得られ、広範囲の位相差値を得ることができる。
位相差フィルムをλ/2板として用いる場合、面内位相差値Ro は200〜300nm程度の範囲にあればよい。好ましくは240〜300nmである。この面内位相差値Ro を、測定波長の約1/2とすることによって、液晶表示装置の表示特性をより一層改善することができる。λ/2板として用いる場合、その厚みは80〜160μm の範囲にあることが好ましい。より好ましくは85〜145μm である。
またこの位相差フィルムのNz係数は、前述のとおり0.2〜0.6の範囲にあることが好ましいが、とりわけ0.3〜0.6の範囲にあることが一層好ましい。位相差フィルムのNz係数の値が 0.5付近であれば、角度によらず位相差値がほぼ一定の特性を達成することができ、液晶表示装置の表示特性をより一層改善することができる。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、各例における物性測定及び評価の方法は、次のとおりである。
(1)フィルム厚みの測定:
(株)ニコン製のデジタルマイクロメーター“MH-15M”を用いて測定した。
(2)加熱収縮工程での収縮倍率の測定:
位相差フィルムとなるオレフィン系樹脂フィルムに収縮性フィルムを貼り合わせた状態で、収縮性フィルムの表面に長手方向10cm×幅方向10cmの正方形標線をマークし、加熱収縮後のフィルムにおける標線間長さを測定し、それらの値から収縮倍率を求めた。例えば、収縮前の上記長手方向10cm×幅方向10cmの正方形標線が、加熱収縮後に長手方向9cm×幅方向8cm になったとすると、長手方向の収縮倍率が0.9倍、幅方向の収縮倍率が0.8倍となる。
(3)位相差値の測定:
平行ニコル回転法を原理とする位相差計〔王子計測機器(株)製の“KOBRA-21ADH”〕 を用いて、波長590nmで、フィルムの面内位相差値Ro 及び厚み方向位相差値Rthを測定した。
(4)均一性の評価:
収縮性フィルムを粘着層ごと剥がした後の位相差フィルムに、凹状痕が発生しているか否かを、肉眼で観察した。また、クロスニコルに合わせられた一対の偏光板の間に、位相差フィルムをその遅相軸と偏光板の吸収軸とのなす角度が45°となるよう配置し、一方から光を当てたときのムラの有無を肉眼で観察した。
さらに以下の例では、収縮性フィルムとして次の2種類を用いた。
収縮性フィルムA:ノルボルネン系樹脂の横一軸延伸フィルム(厚み60μm )。
収縮性フィルムB:プロピレン系樹脂の二軸延伸フィルムであって、横延伸倍率のほうが大きいもの(厚み60μm )。
[実施例1]
ノルボルネン系モノマーの開環重合体に水素添加された樹脂フィルム〔(株)オプテス製の“ゼオノアフィルム”〕が縦一軸延伸された、厚み80μm 、幅400mmでロール状に巻き取られたフィルムを準備した。このフィルムのガラス転移温度は136℃であり、面内の位相差値Ro は300nm、厚み方向の位相差値Rthは145nmであった。この一軸延伸フィルムの片面に、厚み25μm のシート状アクリル系粘着剤を貼り合わせ、その表面に、ライン速度10m/分、出力280Wでコロナ処理を施した。別途、収縮性フィルムAの表面に、同じくライン速度10m/分、出力280Wでコロナ処理を施した後、粘着剤のコロナ処理面と収縮性フィルムAのコロナ処理面とをロール・ツー・ロールで貼り合わせた。こうして、ノルボルネン系樹脂の延伸フィルムに粘着層を介して収縮性フィルムAが貼り合わされた状態でロール状に巻き取った。このとき、収縮性フィルムの収縮方向は幅方向となる。このロール状フィルムをウォークインオーブンに入れ、60°±1℃の温度で168時間維持する養生を行った。
次に、ピンテンターでフィルムの幅方向を保持しながら、175°±1℃の空気循環式恒温オーブン及び160°±1℃の空気循環式恒温オーブンを順次通過させて、幅方向で0.70倍に収縮させた。このときの長手方向の収縮倍率は0.92倍であった。その後、収縮性フィルムを粘着層ごと剥がして、ノルボルネン系樹脂からなる位相差フィルムを得た。この位相差フィルムの特性を表1に示す。
[実施例2]
収縮性フィルムAを収縮性フィルムBに変更し、養生条件を40°±1℃の温度で48時間に変更した以外は、実施例1と同様の方法で位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性を表1に示す。
[比較例1]
養生を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムには、凹状痕が全面にわたり発生しており、かつ上記の方法でムラを観察したところ、凹状痕の形状のムラが確認された。得られた位相差フィルムの特性を表1に示す。
[比較例2]
収縮性フィルムAを収縮性フィルムBに変更したこと以外は、比較例1と同様の方法で位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムには、凹状痕が全面にわたり発生しており、かつ上記の方法でムラを観察したところ、凹状痕の形状のムラが確認された。得られた位相差フィルムの特性を表1に示す。
Figure 2009008998
ここでは、一軸延伸されたノルボルネン系樹脂フィルムに、粘着層を介して収縮性フィルムを貼り合わせ、この状態の位相差フィルム前駆体を養生した後、加熱収縮する方法によって、位相差フィルムを作製する例を示したが、前記特許文献2に開示されるような、未延伸のノルボルネン系樹脂フィルムに、粘着層を介して収縮性フィルムを貼り合わせ、この状態の位相差フィルム前駆体を養生した後、加熱延伸する方法においても、前記の養生の結果、加熱延伸の工程で、最終的に位相差フィルムとなるノルボルネン系樹脂フィルムと収縮性フィルムとの間、特にノルボルネン系樹脂フィルムと粘着層との間に発生しやすい気泡が抑制され、加熱延伸後の位相差フィルムにも凹状痕が残らなくなることは、特許文献2の開示事項及び以上の説明から、理解されるであろう。
本発明に係る位相差フィルム前駆体の製造方法の各工程を概略的に示す側面図であって、(A)は貼合工程及び巻き取り工程を表し、(B)は養生工程を表す。 図1で得られる位相差フィルム前駆体に収縮を伴う加熱処理を施して位相差フィルムを製造する工程を概略的に示す側面図である。 収縮を伴う加熱処理において、ピンテンターを用いて収縮させる状態を示す図であって、(A)は平面図、(B)は側面図である。 延伸工程と加熱収縮工程を同時に行い、さらに剥離工程を行う状態を概略的に示す側面図である。
符号の説明
1……オレフィン系樹脂フィルム、
2……収縮性フィルム、
3……粘着層、
4……積層フィルム、
5……養生後の位相差フィルム前駆体、
6……加熱収縮後の位相差フィルム前駆体、
7……位相差フィルム、
9……剥離された収縮性フィルム、
10……積層フィルムの波打ち、
11……第一の送り出しロール、
12……第二の送り出しロール、
13……ラミネートロール、
14,15……前駆体ロール、
16……送り側ロール、
17……引取側ロール、
18……剥離ロール、
19……収縮性フィルム回収ロール、
20……製品ロール、
25……養生用加熱手段、
26……収縮用加熱ゾーン、
30……ピンテンターのピン、
32……台座。

Claims (10)

  1. オレフィン系樹脂フィルムの片面又は両面に粘着層を介して収縮性フィルムを貼り合わせ、これをロール状に巻き取り、巻き取られたロール状フィルムを30〜70℃の温度で20〜200時間保持して養生することを特徴とする位相差フィルム前駆体の製造方法。
  2. オレフィン系樹脂は、脂環式オレフィンから導かれる単位を主体とする樹脂である請求項1に記載の方法。
  3. 収縮性フィルムは、ノルボルネン系樹脂又はプロピレン系樹脂からなる請求項1又は2に記載の方法。
  4. 収縮性フィルムは、二軸延伸されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 粘着層は、アクリル系樹脂をベースポリマーとするものである請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. オレフィン系樹脂フィルムは縦一軸延伸が施された状態で、そこに粘着層を介して収縮性フィルムが貼り合わされる請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. オレフィン系樹脂フィルムは未延伸の状態で、そこに粘着層を介して収縮性フィルムが貼り合わされる請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  8. (A)オレフィン系樹脂フィルムに延伸を施す延伸工程、
    (B)オレフィン系樹脂フィルムの片面又は両面に粘着層を介して収縮性フィルムを貼り合わせる貼合工程、
    (C)貼合工程で得られるフィルムをロール状に巻き取る巻き取り工程、
    (D)ロール状に巻き取ったフィルムを30〜70℃の温度で20〜200時間保持して養生する養生工程、
    (E)養生後に、前記収縮性フィルムが貼り合わされた状態のオレフィン系樹脂フィルムを加熱して、該オレフィン系樹脂フィルムを収縮させる加熱収縮工程、及び
    (F)前記オレフィン系樹脂フィルムから前記収縮性フィルムを粘着層とともに剥がす剥離工程
    を包含し、前記貼合工程(B)、巻き取り工程(C)及び養生工程(D)をこの順に行い、かつ、前記加熱収縮工程(E)の後に剥離工程(F)を行うことを特徴とする位相差フィルムの製造方法。
  9. 延伸工程(A)を先に行い、その後、貼合工程(B)、巻き取り工程(C)、養生工程(D)及び加熱収縮工程(E)をこの順に行い、最後に剥離工程(F)を行う請求項8に記載の方法。
  10. 貼合工程(B)、巻き取り工程(C)及び養生工程(D)をこの順に行った後、延伸工程(A)と加熱収縮工程(E)を同時に行い、最後に剥離工程(F)を行う請求項8に記載の方法。
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