JP2009008932A - 画像投影システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非可視光線を反射または吸収するパターンを具備するスクリーンからの反射光を検知する事で、該パターンの位置情報を得、該位置情報を画像処理ユニットに出力し、該画像処理ユニットが、入力端末から入力された該位置情報を画像情報に変換し、該画像情報を画像プロジェクターに伝達し、該画像プロジェクターが、該画像処理ユニットから伝達された該画像情報を可視光線に変換し、該可視光線を該スクリーンに投影し、且つ非可視光線遮断手段が、該画像プロジェクターの前又は内部に配置され、投影される該可視光線から該非可視光線を除去する画像投影システムである。
【選択図】図1
Description
また、特許文献7には、ディスプレースクリーン上に手持ち型ポインタの位置を示す信号を発生する手段、例えば該手持ち型ポインタのxおよびy座標を特定するデジタイザーを含む光学的投影システムが提案されている。
しかしながら、手持ち型ポインタとデジタイザーとを連動させる手法は、ポインタをスクリーンに接触させる必要があり、投影システムの使用範囲が限定され、また、得られる位置情報の精度も低かった。
すなわち、本発明は、スクリーン、入力端末、画像処理ユニット、画像プロジェクター及び非可視光線遮断手段を含む画像投影システムであって、
該スクリーンが、非可視光線を反射することにより位置情報を発信する反射パターン又は非可視光線を吸収することにより位置情報を発信する吸収パターンを有するパターン印刷シートを具備し、
該入力端末が、非可視光線照射部を備え、該非可視光線照射部から照射された非可視光線の該パターン印刷シートの特定部位から反射された反射光線を検知し、該反射パターン又は該吸収パターンの位置情報を読み取り、該位置情報を該画像処理ユニットに出力し、
該画像処理ユニットが、該入力端末から入力された該位置情報を画像情報Aに変換し、該画像情報Aを該画像プロジェクターに伝達し、
該画像プロジェクターが、該画像処理ユニットから伝達された該画像情報Aを可視光線に変換し、該可視光線を該スクリーンに投影し、且つ
該非可視光線遮断手段が、該画像プロジェクターの前又は内部に配置され、投影される該可視光線から該非可視光線を除去することを特徴とする画像投影システムである。
本発明の画像投影システムは、スクリーン10、入力端末20、画像処理ユニット30、画像プロジェクター40及び非可視光線遮断手段50を含む画像投影システムである。
ここで、スクリーン10は、非可視光線を反射することにより位置情報を発信する反射パターン110又は非可視光線を吸収することにより位置情報を発信する吸収パターン210を有するパターン印刷シート11を具備するものである。
そして、入力端末20は、非可視光線照射部(図示しない)を備え、その非可視光線照射部から非可視光線iがパターン印刷シート11の特定の部位に照射され、その反射パターン110から反射された反射光線r又はその吸収パターン210の周囲から反射された反射光線rは入力端末20に入射し、検知される。反射パターン110から反射された反射光線rの検知によりその反射パターン110の位置情報を受信するのと同様に、吸収パターン210の周囲から反射された反射光線rの検知によりその吸収パターン210の位置情報を受信することが出来る。
検知された反射光線rにより、入力端末20は反射パターン110又は吸収パターン210の位置情報を読み取り、その位置情報を画像処理ユニット30にコード70等を経由して出力する。但し、コード70は、有線ケーブル等でも良いし、電波、赤外線等を用いた無線による送信であっても良い。
なお、本発明に係る非可視光線iとしては、赤外線又は紫外線が好ましく、近赤外線又は近紫外線が更に好ましい。
画像プロジェクター40が、画像処理ユニット30から伝達された該画像情報Aを可視光線に変換し、その可視光線をスクリーン10に投影する。但し、投影される可視光線に上記非可視光線照射部から発信される非可視光線と重複する波長領域を有する非可視光線Xを含んでいると、上記の位置情報を読み取ることが困難になるので、予め、投影される前に非可視光線遮断手段50により、可視光線から非可視光線Xを除去、遮断しておく必要がある。非可視光線遮断手段50は、図1のように画像プロジェクター40とは独立に、画像プロジェクター40の前に配置されても良いし、図2のように画像プロジェクター40の内部、例えば光学レンズの前(外側)に配置されても良い。
画像プロジェクター40から投影される画像を見た観察者(位置情報入力担当者)が、入力端末20を用いて、更に次の位置情報を入力することとなる。
図3は、本発明の画像投影システムに用いられるパターン印刷シート11において、ドット形状の反射パターン110が不規則に配列した例を示すパターン印刷シートの要部拡大平面図である。また、ドット形状の吸収パターン210が不規則に配列した例を示すパターン印刷シートの要部拡大平面図は図示しないが、吸収パターン210の配列は反射パターン110の配列と同様である。
例えば、反射パターン110及び吸収パターン210のいずれの配列方法においても、ドットの形状を複数設定し、平面内に於いて、所定範囲内に配置されたこれら複数形状のドットの組み合わせをパターン化したようなもの、縦横に配置した罫線の太さを変えて、所定範囲内の前記罫線の重なり部分の大きさの組み合わせをパターン化したようなもの、x、y座標の値を直接ドットの縦横の大きさと結びつけたもの等が挙げられるが、特に簡素で好適なものとしては、縦横に等間隔に並ぶ基準点を設定して、この基準点に対して上下左右に変位したドットを配置し、これらドットの当該基準点からの相対的な位置関係を利用する方法が挙げられる。この方法はドットのサイズを小さく一定に出来るため入力装置の高分解能化に有利である。このように、反射パターン110及び吸収パターン210は、ドット形状であることが好ましく、個々のドット形状は何れでも良く、上から見て、円形、楕円形、正方形、矩形、多角形、他の点形状が所望により選ばれる。ドットの平面内での大きさ(円の場合は直径、楕円の場合は長径、多角形の場合は外接円の直径で評価)は10〜1000μm程度である。またドットの立体形状についても特に制限はなく、通常円盤状であるが、半球状、楕円半球状、円柱状又は凹面状であっても良い。
なお、プロセッサ、メモリ、Bluetooth技術等を利用したワイヤレストランシーバ等の通信インタフェース、及びバッテリ等の部材は、入力端末20の外にあっても良く、画像処理ユニット30の内部に組み込まれていても良い。
入力端末20の形状は、ペン型、円筒型、ピストル型、ポインタ型等何でも良いが、非接触で位置情報を高精度に示すためには、軽量であることが好ましい。
ここで、画像情報Aは、文字、記号、数字、図形、バーコード等の暗号コード、写真画像(風景、人物、絵画、其の他各種)等各種の画像情報に限られず、他の静止画像や動画の投影を命令する命令情報であっても良い。前者は、入力端末20の非可視光線照射部から照射された非可視光線の軌跡が直接的に文字、記号又は絵を表わす場合であり、後者は、パターン印刷シート11の特定の部位からの反射光線rが、特定の文字、記号又は絵を表わすように予めプログラム設定されている場合等である。勿論、画像情報Aは、画像情報と命令情報の双方を具備していても良い。
画像処理ユニット30は、読取データ処理装置から送信されてきた軌跡情報に基づき、スクリーン10に表示する画像情報を順次更新することによって、入力端末20で手書き入力した軌跡を、紙の上にペンで書いたかのようにスクリーン10上に実時間的に(あるいは必要であれば適宜時間遅延させて)表示することが出来る。
非可視光線遮断手段は、非可視光線を吸収又は反射することによって遮断するものであり、例えば、市販されている非可視光線遮断フィルム(赤外線遮断フィルムや紫外線遮断フィルム)が適宜用いられる。
ここで、画像情報Bは、画像情報Aとは異なる情報源の画像情報をいい、文字、記号、数字、図形、バーコード等の暗号コード、写真画像(風景、人物、絵画、その他各種)、映画(アニメーション等も含む)等の動画等各種の画像情報が包含される。
画像ソースユニット60は、DVD、ハードディスク、CD、ビデオ等の記録媒体の画像データや無線又は有線基地局から配信される画像データを読み取り画像処理ユニット30に伝達する。
画像情報Aと画像情報Bとが並行処理されることにより、より高度な投影システムが得られる。
例えば、画像情報Aが画像データの画像変換の命令情報として機能し、画像処理ユニット30が画像情報Aの命令に従って画像データを画像情報Bに変換することにより、投影される画像を自由に制御することが出来る。
また、画像処理ユニット30が、画像情報Aと画像情報Bとを複合し、複合画像情報に変換することにより、複合的な画像を投影することが出来る。
例えば、画像情報B由来の投影画像の中に画像情報A由来の手書きの文字、記号、数字等の投影画像を組み込み、情報価値を高めることが可能になる。
更に、画像情報Aは、上記のような命令情報と手書きの文字、記号、数字等の画像等との双方の情報を併せ持つことも出来る。
本発明におけるストリーミング情報とは、動画のみならず、動画の一部が静止画であって、それらが連続的に画像ストリームとして投影されるものや、静止画が連続的に画像ストリームとして投影されるものも含まれる。
図4〜6に示すように、パターン印刷シート11は、基板A120の上に反射パターン110が上述のいずれかの配列によりグラビア印刷等の印刷、塗工手段により配設されてなる。
基板A120は、基材A121そのものであっても良いが、図4のように、基材A121の上にプライマー層122を塗工したもの、図5のように、基材A121の上に配向膜123を塗工したものであっても良い。
また、必要に応じ、図6のように、反射パターン110を保護するために、反射パターン110を被覆する表面保護層130を設けても良い。
赤外線反射材料としては、目的の波長で所望の反射率を示すもので有れば公知の材料を用いることができ、例えば、熱線反射性能を示す、太陽光の反射率の高い白色顔料又は金属粉顔料、具体的には、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛、硫化亜鉛、鉛白、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化スズやスズドープ酸化インジウム(ITO)、スズドープ酸化アンチモン等複合金属酸化物の無機粉体やアルミニウム、金、銅等の金属粉が好ましく用いられる。また、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ(Al2O3)、クレー、タルクなども使用出来る。
また、赤外線や遠赤外線反射性能、熱線反射性能を有する三酸化アンチモンやジクロム酸アンチモン、SiO2(石英)、Al2O3(アルミナ)、MgO−Al2O3−SiO2(コージェライト)、Ca2P2O7(アパタイト)、MnO2、Fe2O3、ZrO2、ZrSiO4(ジルコン)、FeTiO3(イルメナイト)、Cr2O3、FeCr2O4(クロマイト)、V2O5、Bi2O3、MoO3、SnO2、ZnO、ThO2、La2O3、CeO2、Pr6O11、Nd2O3、Y2O3等の無機粉体も目的の波長で所望の反射率を示す場合は好ましく用いられる。
この他、特開2004−4840号公報に記載の、天然または合成雲母、別の葉状珪酸塩、ガラス薄片、薄片状二酸化珪素または酸化アルミニウム等の透明支持材料と、金属酸化物の被覆とからなる干渉顔料なども用いることが出来る。
これらの中でも、特に、AB820ブラック、AG235ブラック、ピグメントブラック28、ピグメントブラック27が好ましい。
前記非可視光線反射材料を用いて、インキを調製する際に、前記材料の分散性を向上するために分散剤を用いても良く、分散剤の種類としては特に限定されず公知のものを用いれば良く、市販されている具体的な例としては、例えば、ディスパービック183、110、111、116、140、161、163、164、170、171、174、180、182、2000、2001、2020(商品名;ビックケミー株式会社製)等が挙げられる。
なお、分散剤の量は、前記材料100重量部に対して、1〜50重量部であると好ましい。
ウレタン樹脂の具体例としては、例えば、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクタムポリウレタン等のウレタン樹脂、及びそれらの混合物が挙げられる。
これらのウレタン樹脂は、ポリイソシアネート化合物と、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール等のポリマーポリオールとを溶液重合等の公知の方法で反応させ、必要に応じて、ウレタンプレポリマーに鎖伸長剤及び反応停止剤を使用することによって得られる。
ここで、左旋性又は右旋性のコレステリック(カイラルネマチック)構造を有する液晶は、各液晶分子の軸は多層構造の各層面内に存在すると共に、該層面内において特定の方向に一様に配向する。且つ、該液晶分子軸の配向方向は層厚み方向の関数として順次変化し、該コレステリック構造の厚み方向に向かって進むに従って順次回転する結果、回転軸が該多層膜の厚み方向を向き、該多層膜の層面内において特定の方向に向かって回転する一定周期のらせん構造(コレステリック構造)を有する。コレステリック構造の特徴として、該らせんの回転方向と電場の回転方向が一致する円偏光成分のみ反射する円偏光選択反射性を示し、且つ該らせんピッチに対応した波長の円偏光を反射すると言う波長選択反射性がある。その為、本発明の用途に好適である。選択反射波長λ(nm)は、一般に次式で与えられる。向きに対応し、かつらせんピッチに対応した波長の円偏光を反射すると言う性質がある(選択反射)。選択反射波長λ(nm)は、一般に次式で与えられる。
λ=p・n・cosθ
p:コレステリック液晶のらせんピッチ(nm)
n:液晶の平均屈折率
θ:光の入射角(面の法線からの角度)
コレステリック構造の1ピッチとは、細長い液晶分子の軸方向が、層厚み方向(らせん軸のこと、液晶分子軸とは別)に進むに従って、らせんを描いて360°回転するに要するらせん軸軸方向の長さであるが、実際に断面を観察すると、液晶分子軸が180°回転するごとに液晶分子軸は該層面内における配向方向が同方向となる為、層厚み方向に繰り返しの層構造が見える。したがって、断面を観察したときに見える見掛けの層間ピッチは、液晶のらせんピッチの1/2である。それゆえ、断面観察したときに見える見掛けの層間ピッチが250nmであれば、液晶のピッチは500nmとなる。
なお、一般に、「液晶」は、狭義には流動性を有する状態のものを指すが、本願発明の明細書中においては、流動性を有する液晶材料を架橋、冷却等の手段により、液晶の有する光学特性、屈折率、異方性等の所望の性能を維持する状態で固化させ、非流動状態としたものも「液晶」と呼称することにする。
尚、前記コレステリック構造を呈する(発現する)液晶材料としては、非可視光線領域の少なくとも一部の波長において高反射率(無偏光光に対して、通常5〜50%程度)を呈するものであれば、本来、可視光線領域の波長において必ずしも高透過性は要求しない。それは、仮に前記コレステリック構造を呈する液晶材料が完全不透明であったとしても当該液晶材料の非形成部(余白部)の面積を適度に大きく取り、其処からの透過光を利用すれば、当該反射パターン全体としては、所望の透明性を得ることは可能だからである。但し、当該液晶材料自体の可視光線透過率は高い方が好ましいことは勿論である。そして、通常、係るコレステリック構造を呈する液晶材料は、高反射波長域を非可視光線領域に持って行くと、可視光線領域においては、数μm程度の厚みで70%程度以上の可視光線透過率を得る。一方、非可視光線領域においては無偏光光に対して、5〜50%程度の高反射率を得ることが一般的である。また、前記重合性液晶材料がコレステリック相を呈する温度範囲については特に制限はなく、コレステリック相の状態で架橋により固定化できれば良いが、コレステリック相を呈する温度が30〜140℃の範囲にある材料は、パターン印刷時の乾燥工程と、液晶の相転移を同時に行えるため好ましい。
また、高いガラス転移点を有し、加熱後冷却することにより常温でガラス状態に固化することが可能な液晶ポリマー(高分子コレステリック液晶)を用いることも出来る。これらの材料も同様に、液晶分子をコレステリック規則性を有した液晶の状態のままで光学的に固定化することができ、光学シートとしての取り扱いが容易な、常温で安定したパターンを形成することが出来るからである。
更に、前記液晶ポリマーとしては、液晶を呈するメソゲン基を主鎖、側鎖、あるいは主鎖及び側鎖の両方の位置に導入した高分子、コレステリル基を側鎖に導入した高分子コレステリック液晶、特開平9−133810号公報に開示されているような液晶性高分子、特開平11−293252号公報に開示されているような液晶性高分子等を用いることが出来る。
以上のようにして得られる液晶材料を用いた反射パターンは、読み取り精度向上の観点から、800nm〜950nm又は200〜400nmに選択反射ピーク波長を有することが好ましい。
光重合開始剤としては、ビスアシルフォスフィンオキサイド系やα−アミノケトン系の光重合開始剤等が挙げられる。ビスアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の具体例としては、ジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。α−アミノケトン系の光重合開始剤の具体例としては、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンが挙げられる。
この溶媒としては、材料に対し十分な溶解性を有する限り特に限定されず公知のものを用いれば良く、例えば、アノン(シクロヘキサノン)、シクロペンタノン、トルエン、アセトン、MEK(メチルエチルケトン)、MIBK(メチルイソブチルケトン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、DMA(N,N−ジメチルアセトアミド)、酢酸メチル、酢酸エチル、n−酢酸ブチル、酢酸3−メトキシブチル等の一般的な溶媒や、それらの混合溶媒が挙げられる。
従って、基材A121としては、特に限定されないが、非可視光線を透過する材料であることが好ましく、光学的不具合の少ない材料で形成されたものが好ましい。所謂フィルム、シート、あるいは板の形態の物が適宜用いられる。又、平坦なものの他、媒体表面の湾曲面に合わせるように曲面形状であっても良い。具体的には、基材A121の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、TAC(トリアセチルセルロース)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリオレフィン、ガラス等が挙げられる。
また、厚みは20〜5000μm程度の範囲から、カール防止性の観点から好ましくは100〜5000μmの範囲から、材料、要求性能、及び使用形態に応じて適宜選定する。
前記熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラニン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂、硬化性アクリル樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂を用いる場合、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を更に添加して使用することが出来る。
また、反応性モノマー又は反応性オリゴマーの重合開始剤としては、上述のビスアシルフォスフィンオキサイド系やα−アミノケトン系の光重合開始剤等が挙げられる。
微粒子としては、通常用いられるものを特に制限なく適量添加することが出来るが、例えば無機物ではα−アルミナ、シリカ、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド、炭化ケイ素等の球状粒子が挙げられる。粒子形状は、球、楕円体、多面体、鱗片形等が挙げられ、特に制限はないが、球状が好ましい。有機物では架橋アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂ビーズが挙げられる。これらの中でも、硬度が高く、耐摩耗性の向上に対する効果が大きいこと、また、球状の粒子を得やすい点で、α−アルミナ及びシリカが好ましく、球状のものが特に好ましい。また、微粒子の平均粒径は、0.01〜20μm程度である。
なお、プライマー層122の厚みは、通常0.1〜10μm程度であり、より薄いフィルムを作製し、より広い読取角度を得る観点より、0.1〜5μmが好ましい。
更に、本発明に係るパターン印刷シート11の背後にあるスクリーン10の視認性を確保するために、シート11表面又は内部に反射防止膜等を設けても良い。反射防止膜の材質としては、特に限定されず、例えば、弗化マグネシウム、弗素系樹脂等の低屈折率物質の薄膜と、酸化ジルコニウム、酸化チタニウム等の高屈折率物質の薄膜とを該低屈折率の薄膜が最表面になる様積層した誘電体多層膜等が例示される。
図7に示すように、吸収パターンを有するパターン印刷シート11は、好ましくは非可視光線を拡散反射する基板B220の上に吸収パターン210が上述のいずれかの配列によりグラビア印刷等の印刷、塗工手段により配設されてなる。
(1−A): 図8に示す、透明基材10上に、非可視光線を拡散反射するコレステリック構造を有する液晶材料からなる湾曲した液晶層230が設けられて基板B220が形成され、その上に吸収パターン210がパターン印刷されてなるパターン印刷シート11である。
(1−B): 図9に示す、透明基材10上に、吸収パターン210がパターン印刷されてなり、その上に非可視光線を拡散反射するコレステリック構造を有する液晶材料からなる湾曲した液晶層230が設けられてなるパターン印刷シート11(1−B)である。この場合も、透明基材10と液晶層230との組み合わせにより基板B220の役割を果たす。
(2): 図10に示す、非可視光線を拡散する光拡散フィルム250が基板B220として用いられ、その光拡散フィルム250の一方の面に、吸収パターン210がパターン印刷されてなるパターン印刷シート11である。
ここで、コレステリック(カイラルネマチック)構造を有する液晶は、反射パターン110に用いられるものと同様であり、同様にネマチック液晶相を呈する液晶性モノマーにカイラル剤を添加することによりカイラルネマチック液晶(コレステリック液晶)が得られ、用いることが出来るネマチック液晶分子(液晶性モノマー)としては、例えば上記式(1)〜(11)に示す化合物が挙げられる。また、架橋可能な重合性オリゴマー、液晶ポリマー、カイラル剤、その他の配合剤、溶媒、レベリング剤、微粒子等も上記のものが用いられる。カイラル剤としては、上記式(12)に示す化合物が挙げられる。
さらに、光拡散フィルム250として、表面の微細な凹凸形状により一度集光した後に拡散するという機能を有する拡散レンズフィルムも有効である。
なお、再帰反射性能を有する層に用いられる再帰反射材料は、レンズとして作用する直径40〜90μmの微小な高屈折ガラスビーズが一定の効果を満たすように結合樹脂中に多数配置されているものであって、ビーズの一つ一つは真円で一種の凸レンズとして作用するため、入射光線はガラスを通り屈折して一点に焦点を結ぶが、球体底部に反射層を設け、再びガラス体を通ってもとの光源方向に帰される材料である。
前記(b)の金属酸化物としては、上述の赤外線反射材料及び紫外線反射材料として用いられる金属酸化物が挙げられる。
この低屈折率層Aを形成する無機材料としては、屈折率が1.6以下の材料を通常用いることができ、好ましくは、屈折率の範囲が1.2〜1.6の材料が選択される。
このような材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、六フッ化アルミニウムナトリウムなどが挙げられる。
また、高屈折率層Bを形成する無機材料としては、屈折率が1.7以上の材料を用いることができ、好ましくは、屈折率の範囲が1.7〜2.5の材料が選択される。
このような材料としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化インジウムを主成分とし、酸化チタン、酸化スズ、酸化セリウムなどを少量含有させたものなどが挙げられる。
なお、低屈折率層及び高屈折率層は、相対的な屈折率より決定されるので、前記無機材料は、低屈折率材料及び高屈折率材料に限定されない。また、特公昭61−51762号公報、特開平3−218822号公報及び特開平3−178430号公報に記載された材料も適宜用いることが出来る。
また、高屈折率層B及び低屈折率層Aはこれらの2種類以上のポリマーの混合物を用いても良い。
さらに、光や電離放射線、熱等により硬化するモノマーやオリゴマーなどを用いて層を形成した後に硬化させても良い。ポリマーやオリゴマー,モノマーが溶媒に可溶な場合は、溶液で塗布し、乾燥させても良い。
上記樹脂系材料を高屈折率層B及び低屈折率層Aに用いる組み合わせの一例としては、高屈折率層Bにポリエチレン−2,6−ナフタレート、低屈折率層Aにポリエチレンテレフタレートなどを使用することが出来る。
また、前記形態(2)において、非可視光線反射層260の上に、さらに前記形態(1−A)及び(1−B)と同様の透明基材を設けても良い。
(d)非可視光線反射フィルムとしては、ポリエステルフィルムに超極薄膜をスパッタリングし、多層膜にしたもの等が挙げられる。
製造例1
下記の成分を均一に混練分散して、反射パターン形成用インキAを調製した。
・ポリウレタン系樹脂(荒川化学工業(株)製、商品名「ユリアーノ2466」):40.0質量部
・硝化綿:2.0質量部
・硬化剤(三井化学ポリウレタン(株)製、商品名「タケネートD−110N」):4.0質量部
・イソプロピルアルコール 5.0質量部
・メチルエチルケトン 6.0質量部
・酢酸エチル 4.0質量部
・酸化チタン 39.0質量部(シリカで表面処理されたもの、平均粒径:0.3μm)
次に、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなる基材A121上に、ペンタエリスリトールトリアクリレート100質量部とアクリル酸共重合物系レベリング剤(ビックケミー社製、商標名「BYK361」)0.03質量部、重合開始剤(商品名:ルシリンTPO、BASF社製)4質量部をMEK(メチルエチルケトン)に溶解させた溶液を、バーコーターにてコーティングし、80℃で2分乾燥し膜厚1μmのプライマー層122を形成し基板A120とした。
この基板A120のプライマー層122上にグラビア印刷法により、上記反射パターン形成用インキAをドット形状にて図3に示すような配置となるように塗工し、熱硬化してパターン印刷シート11を得た。得られたパターン印刷シート11に、赤外線を照射して、その赤外線を反射するドットパターンからの反射光を検知することにより、ドットパターンを画像として検知したところ、40°まで読み取ることが可能であり、広い読取角度を有していた。
末端に重合可能なアクリロイル基を持ち、ネマチック−アイソトロピック転移温度が110℃付近であるモノマー(前記化学式(9)で示される分子構造を有するもの)100質量部と、末端に重合可能なアクリロイル基を有するカイラル剤(前記化学式(12)で示される分子構造を有するもの)3.0質量部、光重合開始剤ジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド(商品名:ルシリンTPO、BASF社製)4質量部とを、MIBK(メチルイソブチルケトン)に溶解させた溶液を調製し、これを反射パターン形成用インキBとした。
次に、製造例1と同じ基材A121上に、製造例1と同様に膜厚1μmのプライマー層122を形成した基板A120を得た。
この基板A120のプライマー層122上にグラビア印刷法により、上記反射パターン形成用インキBをドット形状にて図3に示すような配置となるように塗工し、熱硬化してパターン印刷シート11を得た。得られたパターン印刷シート11に、赤外線を照射して、その赤外線を反射するドットパターンからの反射光を検知することにより、ドットパターンを画像として検知したところ、40°まで読み取ることが可能であり、広い読取角度を有していた。
末端に重合可能なアクリロイル基を持ち、ネマチック−アイソトロピック転移温度が110℃付近であるモノマー(前記化合物(11)で示される分子構造を有するもの)100質量部と、末端に重合可能なアクリロイル基を持つカイラル剤(上記化学式(12)で示される分子構造を有するもの)3.0重量部、光重合開始剤(ビーエーエスエフ社製、ルシリンTPO)を4重量部、レベリング剤(ビックケミー社製、BYK−361)0.3重量部とを、メチルイソブチルケトンに溶解させた赤外線反射インキを調製した。
この液晶溶液を、125μmのPETからなる透明基材B240上にグラビア印刷法にて直接塗工し、紫外線照射により硬化し、赤外線拡散反射基板B220を作製した。
次に、ペンタエリスリトールトリアクリレート100質量部に、フタロシアニン系色素(日本触媒社製、IR−12)2重量部、光重合開始剤(ビーエーエスエフ社製、ルシリンTPO)4重量部をシクロヘキサノンに溶解させた赤外線吸収インキを調製し、グラビア印刷によりドット状にパターン印刷し、パターン印刷シート11を得た。得られたパターン印刷シート11に、赤外線を照射して、その赤外線吸収するドットパターン以外からの反射光を検知することにより、ドットパターンを画像として検知したところ、40°まで読み取ることが可能であり、広い読取角度を有していた。
拡散レンズフィルム(オプティカルソリューションズ社製、LCD80PC10−F10)の一方の面に、赤外線反射フィルム(帝人社製、レフテルWH03)を赤外線反射層260として用い、拡散レンズフィルム(光拡散フィルム250)に接着し、赤外線反射層を形成した。
拡散レンズフィルムのもう一方の面には、製造例3で調製した赤外線吸収インキをドット状にパターン印刷し、パターン印刷シート11を得た。得られたパターン印刷シート11に、赤外線を照射して、その赤外線吸収するドットパターン以外からの反射光を検知することにより、ドットパターンを画像として検知したところ、40°まで読み取ることが可能であり、広い読取角度を有していた。
厚さ125μmのPETからなる透明基材B240上に再帰反射材料(小松プロセス社製、アートブライトカラー)を固形分30%となるようにシクロヘキサノンで希釈したものを塗工し、赤外線反射層260を形成し、PETからなる透明基材B240のもう一方の面に製造例3と同様の赤外線吸収ドットを形成し、パターン印刷シート11を得た。得られたパターン印刷シート11に、赤外線を照射して、その赤外線吸収するドットパターン以外からの反射光を検知することにより、ドットパターンを画像として検知したところ、40°まで読み取ることが可能であり、広い読取角度を有していた。
製造例1〜5で得られたパターン印刷シート11を用いて、赤外線照射部を具備する入力端末20を備えた本発明の画像投影システムにおけるパターンの読み取りを評価したところ、いずれのパターン印刷シート11も読取不能や位置情報(座標)認識の錯誤も無く、十分な信号レベルで読み取りが出来、スクリーンの位置情報を非接触で、簡便に且つ高精度に入力することができた。
また、製造例1〜5で得られたパターン印刷シート11を用いて、本発明の画像投影システムを稼動したところ、手書き入力された位置情報から変換された画像情報Aを更に可視光線に変換して高精度に投影し得た。また、画像ソースユニットを用い動画である画像情報Bに画像情報Aを組み合わせて複合画像情報に変換したところ、連続的なストリーミング情報として投影できた。
11: パターン印刷シート
20: 入力端末
30: 画像処理ユニット
40: 画像プロジェクター
50: 非可視光線遮断手段
60: 画像ソースユニット
70、70': コード
110: 反射パターン
120: 基板A
121: 基材A
122: プライマー層
123: 配向膜
130: 表面保護層
210: 吸収パターン
220: 基板B
230: 液晶層
240: 透明基材B
250: 光拡散フィルム
260: 非可視光線反射層
i:非可視光線
r:反射光線
Claims (11)
- スクリーン、入力端末、画像処理ユニット、画像プロジェクター及び非可視光線遮断手段を含む画像投影システムであって、
該スクリーンが、非可視光線を反射することにより位置情報を発信する反射パターン又は非可視光線を吸収することにより位置情報を発信する吸収パターンを有するパターン印刷シートを具備し、
該入力端末が、非可視光線照射部を備え、該非可視光線照射部から照射された非可視光線の該パターン印刷シートの特定部位から反射された反射光線を検知し、該反射パターン又は該吸収パターンの位置情報を読み取り、該位置情報を該画像処理ユニットに出力し、
該画像処理ユニットが、該入力端末から入力された該位置情報を画像情報Aに変換し、該画像情報Aを該画像プロジェクターに伝達し、
該画像プロジェクターが、該画像処理ユニットから伝達された該画像情報Aを可視光線に変換し、該可視光線を該スクリーンに投影し、且つ
該非可視光線遮断手段が、該画像プロジェクターの前又は内部に配置され、投影される該可視光線から該非可視光線を除去することを特徴とする画像投影システム。 - 更に、前記画像投影システムが画像データを読み取り伝達する画像ソースユニットを具備し、前記画像処理ユニットが、前記位置情報を画像情報Aに変換し、且つ該画像ソースユニットから伝達された該画像データを画像情報Bに変換するものである請求項1に記載の画像投影システム。
- 前記画像処理ユニットが、前記画像データを前記画像情報Aの命令に従って画像情報Bに変換する請求項2に記載の画像投影システム。
- 前記画像処理ユニットが、前記画像情報Aと前記画像情報Bとを複合し、複合画像情報に変換する請求項2に記載の画像投影システム。
- 前記画像情報A及び/又は前記画像情報Bが、ストリーミング情報である請求項2〜4のいずれかに記載の画像投影システム。
- 前記パターン印刷シートが、非可視光線を透過する基板上に反射パターンを配列してなる請求項1〜5のいずれかに記載の画像投影システム。
- 前記反射パターンが、ドット形状である請求項1〜6のいずれかに記載の画像投影システム。
- 前記反射パターンが、酸化チタンを分散して含有する樹脂組成物からなる請求項1〜7のいずれかに記載の画像投影システム。
- 前記樹脂組成物が、ウレタン樹脂組成物である請求項8に記載の画像投影システム。
- 前記パターン印刷シートが、非可視光線を拡散反射する基板上に吸収パターンを配列してなる請求項1〜6のいずれかに記載の画像投影システム。
- 前記吸収パターンが、ドット形状である請求項10に記載の画像投影システム。
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