JP2009008186A - 車両用駆動力伝達シャフト - Google Patents
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Abstract
【課題】アイドリング時の車体振動を簡単な構成により好適に低減する車両用駆動力伝達シャフトを提供する。
【解決手段】円筒状の内周面30iを備えたアウターシャフト30と、円筒状の外周面32oを備えてそのアウターシャフト30の内周側に嵌合されたインナーシャフト32と、前記アウターシャフト30の内周面30iから内周側に突出して設けられた凸部30pと、前記インナーシャフト32の外周面32oから内周側に掘り込んで設けられ、その窪みに前記凸部32pが周方向の間隙36を有して位置するように形成された凹部32sと、前記凸部30pと凹部32sとの間の間隙36に設けられた緩衝部材34とを、備えたものであることから、駆動力の伝達に関与する凸部30pと凹部32sとの間に周方向の間隙36が設けられていることで、車両のアイドリング時に発生する振動の伝達を好適に抑制できる。
【選択図】図2
【解決手段】円筒状の内周面30iを備えたアウターシャフト30と、円筒状の外周面32oを備えてそのアウターシャフト30の内周側に嵌合されたインナーシャフト32と、前記アウターシャフト30の内周面30iから内周側に突出して設けられた凸部30pと、前記インナーシャフト32の外周面32oから内周側に掘り込んで設けられ、その窪みに前記凸部32pが周方向の間隙36を有して位置するように形成された凹部32sと、前記凸部30pと凹部32sとの間の間隙36に設けられた緩衝部材34とを、備えたものであることから、駆動力の伝達に関与する凸部30pと凹部32sとの間に周方向の間隙36が設けられていることで、車両のアイドリング時に発生する振動の伝達を好適に抑制できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両用駆動力伝達シャフトに関し、特に、アイドリング時の車体振動を低減するための改良に関する。
車両においては、エンジン回転等に起因する振動が問題となる。とりわけ、アイドリング時においては、車体にエンジンのアイドル回転に起因する振動が発生し、駆動力伝達シャフト等の構成要素を介して運転者に体感されるように伝達される。斯かる不具合を解消するため、車両の構成要素における振動の伝達を抑制する技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載された弾性軸継手がそれである。この弾性軸継手は、車両のパワーステアリングにおけるステアリングシャフトの中間部等に好適に用いられるものであり、上記2本のシャフトの間に直列に配置された複数の弾性部材と、それら2本のシャフトの間に生じる捩りトルクに応じて複数の弾性部材を直列に連結する弾性部材連結手段を、備えていることで、ステアリングボックスに発生した振動がステアリングホイール側へ伝達されるのを好適に抑制することができる。
しかし、前記従来の技術は、ステアリングボックスに発生した振動がステアリングホイール側へ伝達されるのを抑制するためのものであり、エンジンのアイドル回転に起因する車体の振動を抑制し得るものではなかった。斯かる車体の振動を抑制するために、エンジン内部のクラッチの係合状態を制御する等、電子制御により振動を低減する技術が提案されているが、制御が複雑になると共にメンテナンス性が劣化するという新たな不具合を生じさせるものであった。このため、アイドリング時の車体振動を簡単な構成により好適に低減する車両用駆動力伝達シャフトの開発が求められていた。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、アイドリング時の車体振動を簡単な構成により好適に低減する車両用駆動力伝達シャフトを提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、車両の差動歯車装置と駆動輪との間の動力伝達経路に設けられてその差動歯車装置から出力された駆動力をその駆動輪に伝達する車両用駆動力伝達シャフトであって、円筒状の内周面を備えたアウターシャフトと、円筒状の外周面を備えてそのアウターシャフトの内周側に嵌合されたインナーシャフトと、前記アウターシャフトの内周面から内周側に突出して設けられた凸部と、前記インナーシャフトの外周面から内周側に掘り込んで設けられ、その窪みに前記凸部が周方向の間隙を有して位置するように形成された凹部と、前記凸部と凹部との間の間隙に設けられた緩衝部材とを、備えたことを特徴とするものである。
このようにすれば、円筒状の内周面を備えたアウターシャフトと、円筒状の外周面を備えてそのアウターシャフトの内周側に嵌合されたインナーシャフトと、前記アウターシャフトの内周面から内周側に突出して設けられた凸部と、前記インナーシャフトの外周面から内周側に掘り込んで設けられ、その窪みに前記凸部が周方向の間隙を有して位置するように形成された凹部と、前記凸部と凹部との間の間隙に設けられた緩衝部材とを、備えたものであることから、駆動力の伝達に関与する凸部と凹部との間に周方向の間隙が設けられていることで、車両のアイドリング時に発生する振動の伝達を好適に抑制できると共に、車両走行時にはそれら凸部及び凹部を介して前記差動歯車装置から駆動輪への動力伝達を実現できる。すなわち、アイドリング時の車体振動を簡単な構成により好適に低減する車両用駆動力伝達シャフトを提供することができる。
ここで、好適には、前記凸部は、所定の中心角に相当する弧に対応して、その接線に垂直な端部側面を備えて形成されたものであり、前記凹部は、その凸部に対応する弧よりも大きな中心角に相当する弧に対応して、その接線に垂直且つ前記インナーシャフトがアウターシャフトに対して相対回転させられた際に前記緩衝部材を介して前記凸部の端部側面と当接させられる端部側面を備えて形成されたものである。このようにすれば、耐久性に優れた実用的な態様の凸部及び凹部により前記差動歯車装置から駆動輪への好適な動力伝達を実現できる。
また、好適には、前記インナーシャフトは前記差動歯車装置側に、前記アウターシャフトは前記駆動輪側にそれぞれ接続されたものである。このようにすれば、前記差動歯車装置から出力された駆動力を前記駆動輪に伝達する実用的な態様の車両用駆動力伝達シャフトを提供することができる。
また、好適には、前記アウターシャフトの内周面と前記インナーシャフトの外周面とは、潤滑油を介して嵌合されたものである。このようにすれば、実用的な態様の車両用駆動力伝達シャフトを提供することができる。
また、好適には、前記アウターシャフトの内周面と前記インナーシャフトの外周面とは、ベアリングを介して嵌合されたものである。このようにすれば、実用的な態様の車両用駆動力伝達シャフトを提供することができる。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用される車両の駆動力伝達装置10の構成を説明する図である。この図1に示す駆動装置10は、例えばFF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両に横向きに搭載されて用いられるものであって、走行用の駆動力源であるエンジン12と、そのエンジン12のクランク軸に連結された流体式動力伝達装置であるトルクコンバータ14と、そのトルクコンバータ14の出力軸に連結された自動変速機16と、その自動変速機16のデフドライブギヤと噛み合うデフドリブンギヤを有する差動歯車装置(デファレンシャル)18と、その差動歯車装置18の出力軸に対応する本発明の車両用駆動力伝達シャフトの一実施例である左右一対のデフアウトプットシャフト20l、20r(以下、特に区別しない場合には単にシャフト20という)と、それらシャフト20における上記差動歯車装置18とは逆の側の端部に接続された左右一対の自在継手22l、22r(以下、特に区別しない場合には単に自在継手22という)と、それら自在継手22における上記シャフト20とは逆の側の端部に接続された左右一対のアクスルシャフトである車軸24l、24r(以下、特に区別しない場合には単に車軸24という)と、それら車軸24における上記自在継手22とは逆の側の端部に接続された左右一対の第2の自在継手26l、26r(以下、特に区別しない場合には単に自在継手26という)と、それら自在継手26における上記車軸24とは逆の側の端部に接続された左右一対の駆動輪(前輪)28l、28r(以下、特に区別しない場合には単に駆動輪28という)とを、備えて構成されている。斯かる駆動装置10において、上記エンジン12により発生させられる駆動力は、上記トルクコンバータ14、自動変速機16、差動歯車装置18、シャフト20、自在継手22、車軸24、及び自在継手26を介して左右一対の駆動輪28へ伝達される。
上記エンジン12は、例えば、気筒内噴射される燃料の燃焼によって駆動力を発生させるガソリンエンジン等の内燃機関である。また、上記トルクコンバータ14は、例えば、上記エンジン12のクランク軸に連結されたポンプ翼車と、上記自動変速機16の入力軸に連結されたタービン翼車と、一方向クラッチによって上記自動変速機16のケースに対する一方向の回転が阻止されているステータ翼車とを備え、上記ポンプ翼車とタービン翼車との間で流体を介して動力伝達を行う流体式動力伝達装置である。また、上記自動変速機16は、例えば、油圧に応じて係合状態が制御される複数の油圧式摩擦係合装置を備え、それら油圧式摩擦係合装置の係合・解放の組み合わせに応じて所定の変速比を成立させる有段式の自動変速機や、入力軸と一体回転させられる入力側可変プーリと、出力軸と一体回転させられる出力側可変プーリと、それら入力側可変プーリ及び出力側可変プーリの間に巻き掛けられたベルトとを、備えて、上記入力軸から入力された駆動力を無段階に変速して上記出力軸から出力させる無段式の自動変速機等である。また、上記差動歯車装置18は、例えば複数の傘歯歯車を備え、路面の状態(抵抗)に応じて左右の駆動輪28の回転数差を吸収し、円滑な走行が実現されるように左右のシャフト20へ回転数を配分する歯車装置である。また、上記自在継手22は、上記シャフト20に対する車軸24の相対角度の変化を許容しつつそのシャフト20の回転力を車軸24へ伝達させる軸継手である。また、上記自在継手26は、上記車軸24に対する駆動輪28の回転軸の相対角度の変化を許容しつつその車軸24の回転力を駆動輪28の回転軸へ伝達させる軸継手である。上記自在継手22、26としては、フック式のジョイントや、ツェッパ型或いはバーフィールド型等速ジョイント等の等速ジョイントが好適に用いられる。
図2は、前記シャフト20の構成を説明するために軸心に垂直な面で切断して示す断面図である。この図2に示すように、本実施例のシャフト20は、円筒状の内周面30iを備えたアウターシャフト30と、円筒状の外周面32oを備えてそのアウターシャフト30の内周側に嵌合されたインナーシャフト32と、それらアウターシャフト30及びインナーシャフト32の間に介挿された緩衝部材34とを、備えて構成されている。このアウターシャフト30及びインナーシャフト32は、その内周面30i及び外周面32oが一般的なグリース等の潤滑油を介して摺動させられるように互いに嵌め合わされている。また、好適には、上記インナーシャフト32は前記差動歯車装置18に備えられた出力側の傘歯歯車に、上記アウターシャフト30は上記自在継手22にそれぞれ連結されてそれらと一体的に回転させられるように構成されている。
上記アウターシャフト30には、その内周面30iから内周側に突出すると共に軸心方向に長手状に形成された凸部30p(本実施例では2カ所)が設けられている。この凸部30pは、好適には、所定の中心角(例えば、30°程度)に相当する弧に対応して、その接線に垂直な端部側面30fを備えて形成されたものである。また、上記インナーシャフト32には、その外周面32oから内周側に掘り込まれると共に軸心方向に長手状に設けられ、その窪みに上記アウターシャフト30の凸部30pが周方向の間隙36を有して嵌合されるような構成の凹部32s(本実施例では2カ所)が設けられている。この凹部32sは、好適には、上記アウターシャフト30の凸部30pに対応する弧よりも大きな中心角(例えば、90°程度)に相当する弧に対応して、その接線に垂直且つ前記インナーシャフト32がアウターシャフト30に対して相対回転させられた際に前記緩衝部材34を介して前記凸部30pの端部側面30fと当接させられる端部側面32fを備えて形成されたものである。また、上記緩衝部材34は、ゴム等の弾性材料から棒状に形成されたものであり、前記凸部30pと凹部32sとの間の間隙36に各間隙36に対応して1本ずつ(本実施例では4本)、その軸心方向が上記アウターシャフト30及びインナーシャフト32に共通の軸心方向と略同一の方向になるように配設されている。なお、上記間隙36は、上記アウターシャフト30とインナーシャフト32との相対位置関係の変化(共通の軸心を中心とする相対回転)に応じて、上記凸部30pと凹部32sとの間でその周方向の寸法が詰まったり広がったりする相対的な空間である。
以上のように構成された駆動力伝達装置10において、駆動力源である前記エンジン12により発生させられた駆動力(トルク)は、前記トルクコンバータ14及び自動変速機16を介して前記差動歯車装置18へ伝達され、その差動歯車装置18により前記シャフト20の回転力として出力される。ここで、前記シャフト20と駆動輪28との間には、前記車軸24が自在継手22、26を介して連結されているため、図3に示すようにサスペンション全体を動かすトルクが伝達が伝達された場合、前記シャフト20に対する前記車軸24の相対角度の変化、その車軸24に対する前記駆動輪28の回転軸の相対角度の変化が許容されつつ、前記シャフト20と駆動輪28の回転軸の相対角度が一定(好適には略平行)に維持される。また、前記駆動輪28を回転させるためのトルク伝達に関しては図4に示すように、前記シャフト20から出力された駆動力(トルク)が前記自在継手22、車軸24、及び自在継手26を介して駆動輪28へ伝達される。
図5及び図6は、本実施例のシャフト20(右輪用シャフト20r)によるトルク伝達を説明するためにそのシャフト20の軸心に垂直な面で切断して示す断面図であり、図5は車両の前進加速時の状態を、図6は車両の前進減速時又は後進時の状態をそれぞれ示している。図5に示すように、車両の前進加速時においては、前記差動歯車装置18から出力される駆動力により前記インナーシャフト32が図に矢印で示す方向、すなわち前記駆動輪28を前進方向に回転させる反時計回りに回転させるためのトルクが発生する。前記インナーシャフト32に斯かるトルクが発生すると、そのインナーシャフト32における凹部32sの端部側面32fが前記緩衝部材34を介して前記アウターシャフト30における凸部30pの端部側面30fに当接させられ、そのアウターシャフト30及びインナーシャフト32が共通の軸心まわりに一体的に回転させられるようになり、その反時計回りのトルクが前記自在継手22へ出力される。ここで、前記凸部30pと凹部32sとの間の間隙36には前記緩衝部材34が設けられており、上述のように前記凹部32sの端部平面32fが凸部30pの端部平面30fに当接させられる際には、図5に示すようにそれら端部平面30f、32fの間に前記緩衝部材34が介在させられる。これにより、前記差動歯車装置18から比較的急な回転力が出力された場合であっても歯打ち音等が発生するのを好適に防止することができる。また、前述のように、前記緩衝部材34はゴム等の材料から形成されたものであるため経年劣化することが考えられるが、その弾性力が低下したとしても前記インナーシャフト32からアウターシャフト30へのトルク伝達に影響はないことから、車両の走行に支障が生じるおそれはない。
また、図6に示すように、車両の前進減速時又は後進時においては、前記差動歯車装置18から出力される駆動力により前記インナーシャフト32が図に矢印で示す方向、すなわち前記駆動輪28を制動方向(後進方向)に回転させる時計回りに回転させるためのトルクが発生する。前記インナーシャフト32に斯かるトルクが発生すると、そのインナーシャフト32における凹部32sの端部側面32fが前記緩衝部材34を介して前記アウターシャフト30における凸部30pの端部側面30fに当接させられ、そのアウターシャフト30及びインナーシャフト32が共通の軸心まわりに一体的に回転させられるようになり、その時計回りのトルクが前記自在継手22へ出力される。前記凸部30pと凹部32sとの間に緩衝部材34が設けられていることによる歯打ち音の防止及びその緩衝部材34が経年劣化した場合にも走行に支障が生じないことに関しては前述の前進加速時と同様である。
以上に説明したように、本実施例のシャフト20は、前記差動歯車装置18に連結されたインナーシャフト32及び自在継手22に接続されたアウターシャフト30を備え、非走行時においては図2に示すようにそれらインナーシャフト32(凹部32sの端部平面32f)とアウターシャフト30(凸部30pの端部平面30f)との間に周方向の間隙36が形成されるように構成されている。斯かる構成では、前記アウターシャフト30及びインナーシャフト32相互間に設けられたクリアランスである間隙36により両シャフト間の回転方向の振動伝達が可及的に抑制される。また、前記差動歯車装置18の出力軸として設けられていることで、図5を用いて前述したサスペンション全体を動かすトルク伝達及び図6を用いて前述した駆動輪28を回転させる方向のトルク伝達両方に関する力の伝達を低減することができる。そのようにして、車両の非走行時における前記エンジン12のアイドル回転に起因する車体の振動を好適に抑制することができる。
このように、本実施例によれば、円筒状の内周面30iを備えたアウターシャフト30と、円筒状の外周面32oを備えてそのアウターシャフト30の内周側に嵌合されたインナーシャフト32と、前記アウターシャフト30の内周面30iから内周側に突出して設けられた凸部30pと、前記インナーシャフト32の外周面32oから内周側に掘り込んで設けられ、その窪みに前記凸部32pが周方向の間隙36を有して位置するように形成された凹部32sと、前記凸部30pと凹部32sとの間の間隙36に設けられた緩衝部材34とを、備えたものであることから、駆動力の伝達に関与する凸部30pと凹部32sとの間に周方向の間隙36が設けられていることで、車両のアイドリング時に発生する振動の伝達を好適に抑制できると共に、車両走行時にはそれら凸部30p及び凹部32sを介して前記差動歯車装置18から駆動輪28への動力伝達を実現できる。すなわち、アイドリング時の車体振動を簡単な構成により好適に低減するシャフト20を提供することができる。
また、前記凸部30pは、所定の中心角に相当する弧に対応して、その接線に垂直な端部側面30fを備えて形成されたものであり、前記凹部32sは、その凸部30fに対応する弧よりも大きな中心角に相当する弧に対応して、その接線に垂直且つ前記インナーシャフト32がアウターシャフト30に対して相対回転させられた際に前記緩衝部材34を介して前記凸部30pの端部側面30fと当接させられる端部側面32fを備えて形成されたものであるため、耐久性に優れた実用的な態様の凸部30p及び凹部32sにより前記差動歯車装置18から駆動輪28への好適な動力伝達を実現できる。
また、前記インナーシャフト32は前記差動歯車装置18側に、前記アウターシャフト30は前記駆動輪28側にそれぞれ接続されたものであるため、前記差動歯車装置18から出力された駆動力を前記駆動輪28に伝達する実用的な態様のシャフト20を提供することができる。
また、前記アウターシャフト30の内周面30iと前記インナーシャフト32の外周面32oとは、潤滑油を介して嵌合されたものであるため、実用的な態様のシャフト20を提供することができる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。以下、本発明の他の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明において、実施例相互に共通する部分については同一の符号を用いてその説明を省略する。
図7は、本発明の他の実施例であるデフアウトプットシャフト40(以下、単にシャフト40という)の構成を説明するために軸心に垂直な面で切断して示す断面図である。この図7に示すように、本実施例のシャフト40において、前記アウターシャフト30の内周面30iとインナーシャフト32の外周面32oとの間にはベアリング42が配設されており、斯かる内周面30iと外周面32oとはそのベアリング42を介して摺動させられるように嵌め合わされている。このように、前記アウターシャフト30の内周面30iと前記インナーシャフト32の外周面32oとは、ベアリング42を介して嵌合されたものであってもよく、このような構成によっても、実用的な態様のシャフト40を提供することができる。
図8は、本発明の更に別の実施例であるデフアウトプットシャフト50(以下、単にシャフト50という)の構成を説明するために軸心に垂直な面で切断して示す断面図である。この図8に示すように、本実施例のシャフト50におけるアウターシャフト30には、その内周面30iから内周側に突出して軸心方向に長手状に形成された1カ所の凸部30pが設けられている。この凸部30pは、図2を用いて前述したシャフト20に設けられた凸部30pよりも大きな中心角(例えば、150°程度)に相当する弧に対応して設けられたものである。また、前記インナーシャフト32には、その外周面32oから内周側に掘り込んで軸心方向に長手状に設けられ、その窪みに前記アウターシャフト30の凸部30pが周方向の間隙36を有して嵌合されるような構成の1カ所の凹部32sが設けられている。この凹部32sは、図2を用いて前述したシャフト20に設けられた凹部32sよりも大きな中心角(例えば、180°程度)に相当する弧に対応して設けられたものであり、且つ前記アウターシャフト30の凸部30pに対応する弧よりも大きな中心角に相当する弧に対応して設けられたものである。また、前記凸部30pと凹部32sとの間に形成された間隙36に、各間隙36に対応して1本ずつ計2本の前記緩衝部材34が配設されている。このように、前記凸部30p及び凹部32sの数、それぞれの中心角、或いは緩衝部材34の本数を変化させた構成によっても、車両のアイドリング時に発生する振動の伝達を好適に抑制できると共に、車両走行時にはそれら凸部30p及び凹部32sを介して前記差動歯車装置18から駆動輪28への動力伝達を実現できる。また、あえて図示しないが、3カ所以上の凸部30p及び凹部32sが設けられた構成も考えられる。
また、前述の実施例のシャフト20等において、前記インナーシャフト32は前記差動歯車装置18側に、前記アウターシャフト30は前記駆動輪28側にそれぞれ接続されたものであったが、前記アウターシャフト30が前記差動装置18側(傘歯歯車)に、前記インナーシャフト32が前記駆動輪28側(自在継手22)にそれぞれ接続された構成も考えられる。
また、前述の実施例では、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両の駆動力伝達装置10における差動歯車装置18の出力軸に本実施例のシャフト20等が適用された例を説明したが、縦置き型の自走変速機及びプロペラシャフトを備えたFR(フロントエンジン・リアドライブ)車両の駆動力伝達装置における差動歯車装置の出力軸にも本発明は好適に適用されるものである。更には、アイドリング時の車体の振動を抑制するという効果を奏する限りにおいて、差動歯車装置の出力軸とは異なる他の駆動力伝達軸に本発明が適用されたものであってもよい。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
18:差動歯車装置
20、40、50:デフアウトプットシャフト(車両用駆動力伝達シャフト)
28:駆動輪
30:アウターシャフト
30i:内周面
30p:凸部
30f:端部平面
32:インナーシャフト
32o:外周面
32s:凹部
32f:端部平面
34:緩衝部材
36:間隙
42:ベアリング
20、40、50:デフアウトプットシャフト(車両用駆動力伝達シャフト)
28:駆動輪
30:アウターシャフト
30i:内周面
30p:凸部
30f:端部平面
32:インナーシャフト
32o:外周面
32s:凹部
32f:端部平面
34:緩衝部材
36:間隙
42:ベアリング
Claims (5)
- 車両の差動歯車装置と駆動輪との間の動力伝達経路に設けられて該差動歯車装置から出力された駆動力を該駆動輪に伝達する車両用駆動力伝達シャフトであって、
円筒状の内周面を備えたアウターシャフトと、
円筒状の外周面を備えて該アウターシャフトの内周側に嵌合されたインナーシャフトと、
前記アウターシャフトの内周面から内周側に突出して設けられた凸部と、
前記インナーシャフトの外周面から内周側に掘り込んで設けられ、その窪みに前記凸部が周方向の間隙を有して位置するように形成された凹部と、
前記凸部と凹部との間の間隙に設けられた緩衝部材と
を、備えたものであることを特徴とする車両用駆動力伝達シャフト。 - 前記凸部は、所定の中心角に相当する弧に対応して、その接線に垂直な端部側面を備えて形成されたものであり、前記凹部は、該凸部に対応する弧よりも大きな中心角に相当する弧に対応して、その接線に垂直且つ前記インナーシャフトがアウターシャフトに対して相対回転させられた際に前記緩衝部材を介して前記凸部の端部側面と当接させられる端部側面を備えて形成されたものである請求項1に記載の車両用駆動力伝達シャフト。
- 前記インナーシャフトは前記差動歯車装置側に、前記アウターシャフトは前記駆動輪側にそれぞれ接続されたものである請求項1又は2に記載の車両用駆動力伝達シャフト。
- 前記アウターシャフトの内周面と前記インナーシャフトの外周面とは、潤滑油を介して嵌合されたものである請求項1から3の何れか1に記載の車両用駆動力伝達シャフト。
- 前記アウターシャフトの内周面と前記インナーシャフトの外周面とは、ベアリングを介して嵌合されたものである請求項1から3の何れか1に記載の車両用駆動力伝達シャフト。
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JP2007170765A JP2009008186A (ja) | 2007-06-28 | 2007-06-28 | 車両用駆動力伝達シャフト |
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