JP2009008064A - 内燃機関用燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インジェクタ内のクリアランス部に堆積するデポジットによる不具合を未然に防止することができる内燃機関用燃料噴射装置を提供する。
【解決手段】ECUは、コモンレール内の燃温を検出する燃温センサからデータTfを読み込み(S2)、重み付けマップから燃温重み付け係数kを算出する処理を実行し(S3)、燃温積算値を算出する(S4)。この燃温積算値は、ΣTf=k×Tf+ΣTfにより求める。そして、燃温積算値ΣTf>所定値wとなった場合は(S5:YES)、デポジット量が規定量となったと判断し、ウォーニングランプを点灯する(S6)。
【選択図】図7

Description

本発明は、コモンレール内に貯留された高圧燃料をインジェクタにより内燃機関に噴射供給する内燃機関用燃料噴射装置に関する。
近年、低サルファ軽油に潤滑性向上のための添加剤が混入されている燃料や、バイオ燃料との混合燃料が用いられるようになっている。この種の燃料をコモンレールからインジェクタに高圧燃料を供給する燃料噴射装置において使用する場合には、インジェクタ内の温度が高いことから、燃料中の金属イオンがインジェクタ内におけるクリアランス部を形成する摺動部及び摺動孔に析出・堆積し、インジェクタの駆動を妨げるという問題がある。
特開2006−105092号公報
このデポジットが例えばノズルのクリアランス部を形成する摺動部及び摺動孔の壁面に規定量以上堆積した場合には、閉弁した状態でノズルが固着してしまうことがあり、このような場合には、噴射指令を出しても(ソレノイドに通電しても)、ノズルが開弁せず、噴射しなくなる。また、開弁した状態でノズルが固着してしまうと、噴射指令をオフしても(ソレノイドへの通電をオフしても)、ノズルが閉弁せず、噴射しっぱなしとなる。これにより、車両においてはノッキング、ラフアイドルなどの不具合が発生している。
このような課題に対して、特許文献1のものでは、燃料タンクと燃料ポンプとの間に金属イオン除去手段を設け、燃料中に含まれる金属イオンや金属の量を低減することを提案している。
しかしながら、金属イオン除去手段により燃料に含まれる金属イオンや金属の量を低減することができるにしても、金属イオン除去手段の機能が低減したり、長期間経過した場合には、結局、金属イオンが摺動部の壁面に析出・堆積してしまうことから、依然として課題を解決できていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、インジェクタ内のクリアランス部に堆積するデポジットによる不具合を未然に防止することができる内燃機関用燃料噴射装置を提供することにある。
請求項1の発明によれば、燃料に含まれる金属イオンや金属によるデポジットは高温にて堆積が促進されることから、燃料温度を検出することによりインジェクタ内のクリアランス部に付着するデポジット量を推定することが可能となる。従って、燃料ポンプからインジェクタに至る所定部位における燃料温度に基づいてデポジット量を推定し、その推定結果に基づいてインジェクタの清掃を報知することにより、デポジットによる不具合を未然に防止することができる。
請求項2の発明によれば、燃料温度に応じてデポジット量が異なることから、燃料温度に対応した重み付け係数を求め、燃料温度と重み付け係数とを積算した積算値に基づいてデポジット量を適切に推定することができる。
請求項3の発明によれば、積算値とデポジット量とは対応関係にあることから、積算値が所定値を超えた場合にデポジット量が規定量以上となったと判断することができる。
請求項4の発明によれば、インジェクタの清掃を、インジェクタに不具合が生じることがない適切なタイミングで行うことができる。
請求項5の発明によれば、燃料温度が高くなるほどデポジット量が多くなることから、重み付け係数を適切に設定することができる。
請求項6の発明によれば、燃料温度が高くなるほどデポジット量が指数関数的に増大することから、重み付け係数を適切に設定することができる。
次に、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
図1は、インジェクタの縦断面図である。この図1において、本実施例の内燃機関用燃料噴射装置は、例えば自動車等の車両に搭載される多気筒ディーゼルエンジン等の内燃機関(以下、エンジン)の各気筒の燃焼室内に高圧燃料を噴射供給する蓄圧式燃料噴射装置であり、次のように構成されている。即ち、燃料タンクから吸入した燃料を加圧して高圧化した状態で圧送供給する燃料ポンプ1と、この燃料ポンプ1からの燃料を燃料噴射圧力に相当する高圧で蓄圧するコモンレール(蓄圧室)2と、エンジンの各気筒毎に対応してシリンダヘッド等に搭載された複数のインジェクタ(燃料噴射弁)3と、エンジンの各気筒の燃焼室内への燃料噴射圧力、燃料噴射量および燃料噴射時期等を電子制御するエンジン制御ユニット(以下、ECU、推定手段及び報知手段に相当)4とから構成されている。
以下、インジェクタ3について説明する。
インジェクタ3は、コモンレール2の内部に蓄圧された高圧燃料を、エンジンの各気筒の燃焼室内に霧状に噴射供給する直接噴射タイプの電磁式燃料噴射弁である。このインジェクタ3は、燃料噴射ノズル(インジェクタ本体)5と電磁弁6からなり、リテーニングナット7を燃料噴射ノズル5の図示上端側に形成されたネジ部5aの外周に締め付け固定することで、燃料噴射ノズル5と電磁弁6とが一体化されている。
燃料噴射ノズル5と電磁弁6との間にはオリフィスプレート8が挟み込まれている。このオリフィスプレート8には、図2に示すように、圧力制御室9に流入する燃料の流入量を規制する入口側オリフィス8aと、圧力制御室9から流出する燃料の流量を規制するための出口側オリフィス8bとが形成されている。出口側オリフィス8bの流路径は、入口側オリフィス8aの流路径よりも大きく設定されている。
<燃料噴射ノズル5>
燃料噴射ノズル5は、金属製のインジェクタボデー10と金属製のノズルボデー11とから構成されており、リテーニングナット12をインジェクタボデー10の図示下端側の外周に締め付け固定することで、インジェクタボデー10とノズルボデー11とが一体化されている。
インジェクタボデー10は、円筒形状のシリンダ13と、このシリンダ13の図示上部から図示両側の斜め方向に突出した配管継手(燃料インレット)14及び配管継手(燃料アウトレット)15とから構成されている。配管継手14は、コモンレール2と接続された図示しない燃料供給配管が接続されるようになっており、内部にインレットポート(流入ポート)14aが形成されている。このインレットポート14aの内部には、燃料中に混入した異物を捕捉するバーフィルタ16が挿入されている。
配管継手15は、アウトレットパイプ17を介して、燃料系の低圧側である燃料タンクに余剰燃料を戻すための図示しないリターン燃料配管が接続されるようになっており、内部にアウトレットポート(流出ポート)15aが形成されている。インジェクタボデー10の内部、つまりシリンダ13の中心軸上にはシリンダ孔18が形成されている。このシリンダ孔18において図示上端から所定範囲に亘って内径精度が極めて高い摺動孔(ピストンガイド部)18aが形成されている。
インジェクタボデー10には、インレットポート14aの同軸上に延びた高圧燃料通路19が形成されていると共に、その高圧燃料通路19の先端部からシリンダ孔18に沿ってインジェクタボデー10の図示下端面へと延びる高圧燃料通路20が形成されている。また、インジェクタボデー10には、高圧燃料通路19の中間部から分岐して、オリフィスプレート8の入口側オリフィス8aに連結する高圧燃料通路21が形成されており、高圧燃料通路19がオリフィスプレート8の入口側オリフィス8aを介して圧力制御室9に連通している(図2参照)。
インジェクタボデー10のシリンダ孔18には金属製のコマンドピストン22が挿入されている。このコマンドピストン22の図示上端部には外形精度が極めて高い円柱形状の摺動部22aが形成されており、その摺動部22aが、インジェクタボデー10のシリンダ孔18の図示上端部に形成された摺動孔18aに摺動自在に支持されている。摺動部22aの図示上端面には、摺動部22aよりも径小な円柱形状のピストン頭部22bが一体形成されている。
図2は、インジェクタ3の燃料噴射ノズル5の上部を拡大して示す縦断面図である。この図2において、シリンダ孔18の図示上端はオリフィスプレート8により液密的に閉鎖されており、オリフィスプレート8とコマンドピストン22のピストン頭部22bとにより圧力制御室9が形成されている。この圧力制御室9は、内部に導入される燃料の油圧力が、コマンドピストン22を閉弁方向(図示下方向)に作用する第2圧力室(背圧制御室)として機能する。
図1に戻って、シリンダ孔18の図示下方となる部位には径大部23が形成されており、コマンドピストン22の先端部に形成された細径なプッシュロッド22cが位置している。径大部23にはリターンバネ24およびロッドプレッシャ25が収容されており、リターンバネ24によりロッドプレッシャ25が図示下方向に弾性的に押圧されている。ロッドプレッシャ25の外径は、径大部23の内径よりも僅かに小さく設定されている。径大部23においてロッドプレッシャ25の図示下方となる部位はダンパ室23aに設定されている。ダンパ室23aを含む径大部23には、燃料噴射ノズル5内の後述するクリアランス部からリークした余剰燃料(リーク燃料)が流れ込むようになっている。
ロッドプレッシャ25の図示上面には、コマンドピストン22のプッシュロッド22c及びリターンバネ24が当接していると共に、図示下端にはノズルボデー11側のノズルニードル26のニードル頭部26aが当接している。このような構成により、コマンドピストン22は、ロッドプレッシャ25を介してノズルニードル26を図示下方に弾性的に押圧している。
インジェクタボデー10には、シリンダ孔18に沿って燃料回収通路27が形成されている。この燃料回収通路27は、インジェクタボデー10内部からリークした余剰燃料が流れ込むように構成されている。燃料回収通路27内に流入した余剰燃料は、電磁弁6内、インジェクタボデー10の低圧燃料通路28、アウトレットポート15a、アウトレットパイプ17、および図示しないリターン燃料配管を経て燃料タンクに戻される。
図3は、インジェクタ3のノズルボデー11及びノズルニードル26を拡大して示す縦断面図である。この図3において、ノズルボデー11は、段部を有する円筒形状に形成されており、ノズルボデー11の中心軸上には先端が閉鎖されたノズル孔29が形成されている。このノズル孔29の先端部(図示下端)には内側に膨出形状のシート面(弁座部)30が形成されており、このシート面30に、燃料噴射を行う複数の噴射孔31が形成されている。ノズル孔29の図示上端から所定範囲には、内径精度の極めて高い摺動孔(ニードルガイド部)29aが形成されている。ノズル孔29の中間部分には、摺動孔29aよりも径大な燃料貯留室32が形成されている。ノズルボデー11の内部には、ノズルボデー11の図示上端面から燃料貯留室32へ延びる高圧燃料通路33が形成されており、燃料貯留室32が高圧燃料通路33を介してインジェクタボデー10に形成された高圧燃料通路21、ひいては高圧燃料通路19と連結している。
ノズル孔29には金属製のノズルニードル26が挿入されており、そのノズルニードル26が噴射孔31を閉塞、開放する弁体として機能する。ノズルニードル26の図示上端部には外径精度が極めて高い円柱形状の摺動部26bが形成されており、その摺動部26bが、ノズルボデー11のノズル孔29の図示上端側に形成された摺動孔29aに摺動自在に支持されている。摺動部26bの図示上端面には、摺動部26bよりも径小な円柱形状のニードル頭部26aが一体形成されている。このニードル頭部26aは、ノズルボデー11の摺動孔29aの開口端側からインジェクタボデー10のダンパ室23aに進入してロッドプレッシャ25の図示下面に当接している。
ノズルニードル26のノズル部26cとノズルボデー11のノズル孔29との間に比較的間隙寸法の大きなクリアランス部が形成されている。このクリアランス部は、燃料貯留室32から噴射孔31に燃料を供給する燃料通路として機能する。ノズル部26cの先端部には円錐形状面が形成されており、その円錐形状面がシート面30に着座、離脱することにより弁体として機能する。燃料貯留室32は、インジェクタボデー10から内部に導入される燃料の油圧力が、ノズルニードル26の開弁方向に作用する第1圧力室として機能する。
<電磁弁6>
図2に示すように、電磁弁6は、オリフィスプレート8の出口側オリフィス8bを開閉するボールバルブ34と、このボールバルブ34を開弁方向に駆動する電磁駆動部35とから構成されている。電磁駆動部35は、ボールバルブ34を図示下端面において包含するように装着されたアーマチャ36と、このアーマチャ36の摺動部36aを摺動孔37aにより図示上下方向に摺動自在に保持するバルブボデー37と、アーマチャ36を介してボールバルブ34をオリフィスプレート8に形成された出口側オリフィス8bの開口周縁部(弁座部)に押し当てる方向(閉弁方向)に付勢するリターンバネ38と、アーマチャ36をオリフィスプレート8の弁座部より引き離す方向(開弁方向)に駆動するソレノイドコイル39とから構成されている。バルブボデー37には、オリフィスプレート8の出口側オリフィス8bと低圧燃料通路28とを連結する排出通路40が形成されている。なお、ボールバルブ34は、アーマチャ36の弁体を構成している。
本実施例では、コモンレール2には蓄圧している燃料の圧力を検出する圧力センサ41に加えて、燃料温度(以下、燃温)を検出する燃温センサ(温度検出手段に相当)42が設けられており、ECU4は、後述するように燃温センサ42からの温度信号に基づいてインジェクタ3内のデポジット量を推定してウォーニングランプ43を点灯するようになっている。
次に、上記構成の作用について説明する。
エンジンの始動状態では、エンジンにより駆動される燃料ポンプ1が、燃料タンク内の燃料を吸上げ、これを加圧して、コモンレール2へ高圧燃料を圧送する。燃料ポンプ1からの燃料は、図示しない燃料フィルタにより、燃料中の異物が除去された状態でコモンレール2に圧送される。
コモンレール2では燃料ポンプ1から圧送された高圧燃料を蓄圧し、その蓄圧した高圧燃料を図示しない高圧配管を介してインジェクタ3へ供給する。この場合、コモンレール2内の燃温は、高圧による畜圧のために上昇する。インジェクタ3に供給される高圧燃料は、高圧燃料通路19を介してノズルボデー11の燃料貯留室32に導く高圧燃料通路20と、高圧燃料通路19を介して圧力制御室9に導く高圧燃料通路21とに分岐して導入される。このとき、電磁弁6が閉弁状態(アーマチャ36がオリフィスプレート8の出口側オリフィス8bを閉じている状態)であると、圧力制御室9に導入された高圧燃料の圧力がコマンドピストン22及びロッドプレッシャ25を介してノズルニードル26に作用し、リターンバネ24と共にノズルニードル26を閉弁方向へ付勢している。
一方、ノズルボデー11の燃料貯留室32に導入された高圧燃料は、ノズルニードル26の受圧面に作用してノズルニードル26を開弁方向へ付勢している。電磁弁6の閉弁状態では、ノズルニードル26を閉弁方向に付勢する力が開弁方向に付勢する力を上回っているため、ノズルニードル26がリフトすることはなく、噴射孔31を閉じているので、燃料は噴射されない。
ECU4からの指令に応じて電磁弁6のソレノイドコイル39に通電されて開弁する(アーマチャ36が出口側オリフィス8bを開く)と、オリフィスプレート8の出口側オリフィス8bが電磁弁6のバルブボデー37内に設けられた排出通路40と連通するため、圧力制御室9の燃料が出口側オリフィス8bを通って低圧燃料通路28より排出される。なお、電磁弁6が開弁しても、高圧燃料は引き続き入口側オリフィス8aを通って圧力制御室9に補給され続けるが、入口側オリフィス8aの流路径より出口側オリフィス8bの流路径の方が大きいので、コマンドピストン22に作用する圧力制御室9の燃料圧力は低下する。その結果、圧力制御室9の燃料圧力と、ノズルニードル26を開弁方向へ押し上げる力と、ノズルニードル26を閉弁方向に押し下げるリターンスバネ24の付勢力とのバランスが崩れ、ノズルニードル26を開弁方向に付勢する力が閉弁方向に付勢する力を上回った時点でノズルニードル26がリフトして噴射孔31を開くことにより、燃料がエンジンの気筒内に噴射される。
一方、ソレノイドコイル39への通電停止によりアーマチャ36が出口側オリフィス8bを閉じると、再び圧力制御室9の燃料圧力が上昇し、ノズルニードル26を閉弁方向に付勢する力が開弁方向に付勢する力を上回った時点で、ノズルニードル26が押し下げられて噴射孔31を閉じることにより、噴射が終了する。
ところで、一般に、燃料が主として脂肪酸メチルエーテルからなるいわゆるバイオディーゼル燃料(BDF)を含む場合、具体的にはBDFと低サルファ軽油との混合燃料を用いた場合等においては、燃温が上昇すると、燃料が酸化されて変質し、ヒドロペルオキシドが生成されると考えられる。この燃料の変質により、燃料タンクや金属製のホース(燃料通路)から亜鉛や鉛等の金属成分が燃料中に溶出し、(R−COO)2Znや(R−COO)2Pb等のカルボン酸エステルが生成され易くなる。その結果、図4及び図5に示すように、インジェクタ3内におけるクリアランス部を形成する摺動部及び摺動孔の壁面で金属からなるデポジットが堆積し、ノズルニードル26の作動が妨げられたり、電磁弁6のアーマチャ36の作動が妨げられたりする場合があった。
このように高温の燃料からカルボン酸塩が生成されるメカニズムは次の通りである。
<カルボン酸生成メカニズム>
軽油:酸化劣化 R−CH3 + O2 → R−COOH
[軽油] [酸素] [カルボン酸]
バイオ燃料:加水分解 R−COO−CH3+H2O → R−COOH+CH3−OH
[バイオ燃料] [水] [カルボン酸] [アルコール]
<カルボン酸塩生成メカニズム>
Pbの場合 2R−COOH+Pb→(R−COO)2Pb
[カルボン酸] [鉛] [カルボン酸鉛]
図6は、軽油における全酸価(カルボン酸の発生量)とデポジットの関係を示している。この図6から分るように、燃温が上昇するほどカルボン酸の発生量が増大すると共に、燃温が約100℃以上となると、デポジット(付着物)が発生し始める。
そこで、本実施例では、コモンレール2内またはインジェクタ3内の燃温を検出し、その温度に基づいてインジェクタ3内のクリアランス部のデポジット量を推定するようにした。このようなデポジット量を推定するクリアランス部としては、ノズルニードル26の摺動部26bの壁面とノズルボデー11の摺動孔29aの壁面との間に形成されるクリアランス部、コマンドピストン22の摺動部22aの壁面とインジェクタボデー10の摺動孔18aの壁面との間に形成されるクリアランス部、アーマチャ36とバルブボデー37との間に形成されるクリアランス等である。
図7は、ECU4が有するデポジット量の推定動作を示すフローチャートである。この図7に示すように、ECU4は、インジェクタ3の洗浄直後(インジェクタ3の製造時点を含む)は、燃温積算値初期化すると共に、ウォーニングランプを消灯する(S1)。
通常においては、燃温センサ42のデータTfを読み込み(S2)、重み付けマップから燃温重み付け係数kを算出する処理を実行し(S3)、燃温積算値を算出する(S4)。この燃温積算値は、ΣTf=k×Tf+ΣTfにより求める。つまり、今回検出した燃温Tfに燃温重み付け係数kを掛け合わせた数値と、それまでに求めた燃温積算値を加算するものである。
図8は、燃温Tfと燃温重み付け係数kとの関係を示す図である。この図8に示すように、燃温Tfの増加が高くなるほど燃温重み付け係数kが大きくなるように設定され、さらに燃温Tfの増加が高くなるほど燃温重み付け係数kの増大幅が大きくなるように設定されている。これは、燃温が高くなるほどデポジット量が指数関数的に増大するという特性を考慮したからである。
燃温の検出ポイントとしては、本実施例では、コモンレール2内とした。つまり、上述したようにインジェクタ3内の各クリアランス部の燃温はコモンレール2内の燃温よりも高くなるものの、それらの関係(インジェクタ3内の燃温とコモンレール2内の燃温との関係)が一定の場合には、コモンレール2内の燃温を検出することにより、インジェクタ3内で発生するデポジット量を予測することが可能となるからである。
図9(a)は、コモンレール2内の燃温Tfと温度との関係を示している。つまり、Tf1が「60℃」の場合はkが「0.5」、Tf2が「70℃」の場合はkが「1」、Tf3が「80℃」の場合はkが「2」、Tf4が「90℃」の場合はkが「4」となるように設定されている。
図9(b)は、燃温の検出ポイントとしてインジェクタ3内に設定した場合の燃温Tfと温度との関係を示している。つまり、Tf1が「90℃」の場合はkが「0.5」、Tf2が「100℃」の場合はkが「1」、Tf3が「110℃」の場合はkが「2」、Tf4が「120℃」の場合はkが「4」となるように設定されている。この場合、インジェクタ3は、エンジンに直接取付けられることから、インジェクタ3内の燃温Tfの設定は、コモンレール2内の燃温Tfよりも高く設定されている。
以上のように、燃温が高いほど燃温積算値が大きくなるように計算式を設定したので、計算式によりデポジット量を適切に求めることができる。
ECU4は、上述のように求めた燃温積算値ΣTfが所定値wを超えたかを判断する(S5)。このとき、ΣTf>wでないときは(S5:NO)、ステップS2に移行して、上述の動作を繰返す。
さて、車両の走行距離が増大すると、インジェクタ3のクリアランス部に金属が析出・堆積することにより発生するデポジット量が増大し、ノズルニードル26、或いは電磁弁6のアーマチャ36の作動に支障が生じるようになる。
そこで、ECU4は、燃温積算値ΣTf>所定値wとなった場合は(S5:YES)、デポジット量が規定量以上となったと判断し、ウォーニングランプ43を点灯する(S6)。これにより、車両の所有者は、インジェクタ3を清掃しなければならないことを認識するようになるので、車両のディーラー或いは整備工場にインジェクタ3の清掃を依頼する。
このような実施例によれば、コモンレール2内またはインジェクタ3内の燃温Tfを検出し、その燃温Tfに基づいてインジェクタ3内のデポジット量を推定し、そのデポジット量が所定値となった場合にウォーニングランプ43を点灯するようにしたので、インジェクタ3のデポジット量が規定量となったタイミングでインジェクタ3を清掃することができる。従って、金属イオン除去手段により燃料中に含まれる金属イオンや金属の量を低減する従来例のものと違って、デポジットによりインジェクタ3に不具合が発生してしまうことを未然に防止できる。
しかも、燃温に対応した燃温重み付け係数を求めるようにしたので、燃温Tfと燃温重み付け係数kとを積算した積算値に基づいてデポジット量を適切に推定することができる。この場合、燃温Tfの増加が高くなるほど燃温重み付け係数kが大きくなるように設定すると共に、燃温Tfの増加が高くなるほど燃温重み付け係数kの増大幅が大きくなるように設定するようにしたので、燃温が高くなるほどデポジット量が指数関数的に増大するという特性を考慮した燃温重み付け係数kを適切に設定することができる。
本発明は、上記実施例に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
燃料ポンプ1からインジェクタ3に至る部位であれば、燃料ポンプ1を含む何れの部位で燃温Tfを検出するようにしてもよいし、インジェクタ3から吐出される部位で燃温Tfを測定するようにしてもよい。
燃温重み付け係数kを任意に変更可能としたり、インジェクタ3を清掃した際のデポジット量の多少を入力することにより燃温重み付け係数kを自動補正するように学習機能を持たせるようにしてもよい。
ディスプレイに清掃の報知を表示したり、音声で報知したりするようにしてもよい。
本発明の一実施例におけるインジェクタの縦断面図 インジェクタの燃料噴射ノズルの上部を拡大して示す縦断面図 インジェクタのノズルボデー及びノズルニードルを拡大して示す縦断面図 電磁弁のクリアランス部に付着したデポジットを示す模式図 ノズルニードルのクリアランス部に付着したデポジットを示す模式図 温度と全酸価との関係を示す図 ECUのデポジット量推定動作を示すフローチャート 燃温Tfと燃温重み付け係数kとの関係を示す図 コモンレール内及びインジェクタ内の燃温Tfを示す図
符号の説明
図面中、1は燃料ポンプ、2はコモンレール、3はインジェクタ、4はECU(推定手段、報知手段)、42は燃温センサ(温度検出手段)、43はウォーニングランプである。

Claims (6)

  1. 燃料ポンプにより昇圧された燃料を高圧状態で貯蔵するコモンレールと、前記コモンレール内の燃料を内燃機関に噴射供給するインジェクタとを備えた内燃機関用燃料噴射装置において、
    前記燃料ポンプから前記インジェクタに至る所定部位における燃料温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段が検出した温度に基づいて前記インジェクタ内においてクリアランス部を形成する摺動部及び摺動孔の壁面に堆積したデポジット量を推定する推定手段と、
    前記推定手段の推定結果に基づいて前記インジェクタの清掃を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。
  2. 前記推定手段は、前記温度検出手段が検出した燃料温度に対応した重み付け係数を求め、前記燃料温度と前記重み付け係数とを積算した積算値に基づいて前記デポジット量を推定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関用燃料噴射装置。
  3. 前記推定手段は、前記積算値が所定値を超えた場合に前記デポジット量が規定量以上であると判断することを特徴とする請求項2記載の内燃機関用燃料噴射装置。
  4. 前記報知手段は、前記推定手段が前記デポジット量は規定量以上であると判断した場合に清掃を報知することを特徴とする請求項3記載の内燃機関用燃料噴射装置。
  5. 前記重み付け係数は、前記温度検出手段が検出した温度が高くなるほど大きくなることを特徴とする請求項2ないし4の何れかに記載の内燃機関用燃料噴射装置。
  6. 前記重み付け係数は、前記温度検出手段が検出した温度が高くなるほど増大幅が大きくなることを特徴とする請求項5記載の内燃機関用燃料噴射装置。
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