JP2009007565A - 潤滑油 - Google Patents

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Shunichiro Yamaguchi
俊一郎 山口
Takuro Kera
拓郎 計良
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Abstract

【課題】幅広い温度で高い潤滑性能を維持し、温度による体積変化が小さい潤滑油を提供する。
【解決手段】1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムおよび1,2、3−トリメチルイミダゾリウムなどのアミジニウムカチオンと、式(2)で示されるアニオンとの塩であるイオン液体からなる潤滑油。
Figure 2009007565

[式(2)中、RとRはそれぞれ独立に、FまたはCn2n+1、nは1〜4の整数である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、潤滑油に関する。さらに詳しくは、流体軸受装置に使用される潤滑油に関する。
ハードディスクドライブなどに使用されるスピンドルモータには、処理スピードの高速化から、年々、高速回転が要求されるようになってきている。
従来のスピンドルモータには玉軸受に代表される転がり軸受が使用されてきたが、性能及びコスト面から非接触型の流体軸受が用いられるようになってきている。この流体軸受の高速回転時の性能(主に回転トルク)は、用いられる潤滑油の粘度によって定まることが多く、低粘度であるほど高速回転時の回転トルクは低くなる傾向にある。
一般的に、潤滑油は高温域で使用すると粘度が低下することにより、油膜切れ等の潤滑性能の低下が見られ、逆に低温域(例えば0℃以下など)で使用すると粘度が上昇し、摩擦損失を生じることがある。このようなことから、幅広い温度領域で高い潤滑性を維持することが潤滑油の性能として重要であり、そのために温度による粘度変化が小さいことが求められている。
従来、スピンドルモータなどの小型で高速回転の回転機器には潤滑油として、炭化水素系液体潤滑油やエステル油が提案されている(特許文献1〜3参照)が、上記の問題に対応できるものはなかった。
また、高温での使用により潤滑油が膨張したり、低温での使用により潤滑油が収縮したりすると、潤滑性能が著しく低下し、また、回転機器からの洩れや空気の混入の問題もあり、温度による体積変化が小さいことが求められている。
特開平11−172267号公報 特開2001−240885号公報 特開2002−146374号公報
本発明は、このような課題を解決するべく、幅広い温度で高い潤滑性能を維持し、温度による体積変化が小さな潤滑油、すなわち、高温で使用しても潤滑油が漏れたりせず、低温で使用しても空隙を生じることが少なく、長期間使用してもモーターの潤滑性能の低下がおこりにくい潤滑油を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、一般式(1)で示されるアミジニウム(a)と一般式(2)で示されるアニオン(b)との塩であるイオン液体(I)からなることを特徴とする潤滑油。
Figure 2009007565
Figure 2009007565
[式(1)中、R1は水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基または水素原子である。Rは、アルコキシ基、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基もしくはフォルミル基で置換していてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、これらは同一または異なっていてもよい。さらにR1およびRの一部または全部は、それらの2〜4個が相互に結合して窒素原子と共に複素環を形成していてもよい。
式(2)中、RとRはそれぞれ独立に、FまたはCn2n+1、nは1〜4の整数である。]
本発明に係る潤滑油は、幅広い温度で高い潤滑性能を維持し、温度による体積変化が小さい性質を有しているため、高温で使用しても潤滑油が漏れたりせず、低温で使用しても空隙を生じることが少ない。よって、高速で長期間使用しても潤滑性能の低下がおこりにくいため、特に高速回転を必要とする回転機器にも対応できる潤滑油を提供することができる。
本発明の潤滑剤は、イオン液体(I)からなり、温度による粘度変化が小さく、低温での粘度が低いことを特徴とする。
本発明の潤滑剤は粘度指数(VI)が200以上であり、好ましくは220〜400、さらに好ましくは250〜400である。粘度指数が200未満の場合、温度によって潤滑性の変動が大きいため適さない。
ここで、粘度指数(VI)は温度による粘度変化の指標として知られており、JIS K−2283の方法により、40℃の動粘度(V40)と100℃の動粘度(V100)の値を用いて算出される。粘度指数が高いほど、温度による粘度変化が小さいことを意味し、広範囲での温度領域で潤滑性能を発揮できるため、潤滑油として好ましい。
本発明の潤滑油は、粘度指数(VI)が高いことに加えて、0℃での動粘度(V)が60mm/s以下であることを特徴とする。Vは、好ましくは55mm/s以下、さらに好ましくは50mm/s以下である。Vが60mm/sより高い場合は、低温での起動トルクが高くなるため、低温領域での実使用に適さない。
潤滑油の温度による体積変化が大きいと、高温での使用により潤滑油が膨潤し、低温での使用により潤滑油が収縮するため、潤滑性能が著しく低下し、また回転機器からの漏れや空気の混入の問題を生じる恐れがある。本発明の潤滑油は、温度による体積変化が小さいことに優れている。具体的には、80℃における1g当たりの体積v80(cm/g)と、40℃における1g当たりの体積v40(cm/g)の体積変化が少ないことが好ましく、本発明の潤滑油は、これらの比率v80/v40が、通常1.000〜1.025、好ましくは1.000〜1.024、さらに好ましくは1.000〜1.023である。この比率が1.025を超えると温度変化により潤滑部分に空隙を生じ、潤滑性低下の原因となり好ましくない。
ここで、40℃における1g当たりの体積v40および80℃における1g当たりの体積v80は、下記の方法で測定することができる。
ゲーリュサック形比重瓶(JIS R3503)の重量を予め測っておき、この容器に常温で注入口の先端まで潤滑油を入れて栓をして、温度40℃で管理した恒温槽で2時間温調した後、1時間放冷し、潤滑油が入ったゲーリュサック形比重瓶の全重量を測定した。40℃での潤滑油の密度(D40)を以下の式で算出した。
40=(W40−Wb)/Vb
但し、W40=40℃に温調した潤滑油入りゲーリュサック形比重瓶の重量(g);
Wb=空のゲーリュサック形比重瓶の重量(g) ;
Vb=ゲーリュサック形比重瓶の体積(cm
温度80℃の恒温槽を用いる以外は同様に、80℃での潤滑油の密度(D80)を算出した。
80=(W80−Wb)/Vb
但し、W80=80℃に温調した潤滑油入りゲーリュサック形比重瓶の重量(g);
Wb=空のゲーリュサック形比重瓶の重量(g) ;
Vb=ゲーリュサック形比重瓶の体積(cm
ここで、40℃での試験液1gあたりの体積(v40)および80℃での試験液の体積(v80)はそれぞれ密度の逆数であり、下記式で表される。
40 = 1/D40
80 = 1/D80
従って、40℃での体積に対する80℃での体積膨張の割合を表し本発明における体積変化率は、上記の両式を用いて下記式で表すことができる。
体積変化率 = v80/v40 = D40/D80
イオン液体は、カチオンの構造、側鎖の長さ、枝分かれ構造、アニオンの構造など非常に多くの組み合わせがあるが、一般的には同一化合物群においてはカチオンのアルキル鎖が長くなると粘度は高くなり、カチオンの構造が非対称になれば融点や粘度が低くなる傾向があることが知られている。また下記参考文献において分子構造と粘度に関して、構造物性相関式が提案されている。
参考文献:山本博志ら、触媒Vol.49、No.8、p.624−629(2007)
本発明におけるイオン液体(I)は、上記の粘度指数(VI)、0℃での動粘度(V)および体積変化の条件を満たすものであり、下記一般式(1)で示されるアミジニウムカチオン(a)と一般式(2)で示されるアニオン(b)との組み合わせの塩である。(a)および(b)は、それぞれ2種以上の混合物であってもよい。
Figure 2009007565
Figure 2009007565
[式(1)中、R1は水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基または水素原子である。Rは、アルコキシ基、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基もしくはフォルミル基で置換していてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、これらは同一または異なっていてもよい。さらにR1およびRの一部または全部は、それらの2〜4個が相互に結合して窒素原子と共に複素環を形成していてもよい。
式(2)中、RとRはそれぞれ独立に、FまたはCn2n+1、nは1〜4の整数である。]
式(1)中のR1における炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル、エチル、イソプロピル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、ラウリルおよびステアリル等が挙げられる。水酸基で置換された炭素数1〜20のアルキル基としては、ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシヘキシルおよび1−ヒドロキシラウリル等のヒドロキシアルキル基が挙げられる。
1として好ましいのは、炭化水素数が1〜10のアルキル基又は水素原子であり、特に好ましいのは炭素数が1〜5のアルキル基又は水素原子である。
としては、上記R1で例示した炭素数1〜10のアルキル基、及びこれらの任意の位置にアルコキシ基、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、フォルミル基を有している基(例えばメトキシエチル基、エトキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、1−アミノエチル基、1−ニトロエチル基、2−シアノプロピル基および1−カルボキシプロピル基等)を有している基が挙げられる。
さらにR1およびRの一部または全部は、それらの2〜4個が相互に結合して窒素原子と共に複素環を形成していてもよい。
一般式(1)で示されるアミジニウムカチオン(a)の具体例としては、例えば下記(a1)および(a2)が挙げられる。
(a1)イミダゾリウムカチオン:
1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−ヘプチルイミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(2’−ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(3’−ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(4’−ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−ドデシルイミダゾリウム、1,1−ジメチルイミダゾリウム、1,1,2−トリメチルイミダゾリウム、1,1,2,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,1,2,5−テトラメチルイミダゾリウムおよび1,1,2,4,5−ペンタメチルイミダゾリウムなど。
(a2)テトラヒドロピリミジニウムカチオン:
1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネニウム、8−エチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムおよび5−エチル−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネニウムなど。
これらのアミジニウムカチオン(a)のうちで低粘度および温度による体積変化の観点から好ましいのは、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムおよび1,2、3−トリメチルイミダゾリウムであり、特に好ましいものは、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムである。
式(2)で示されるアニオン(b)の具体例としては、[BF(CF)]、[BF(CF、[BF(CF[BF(C)]、[BF(C)]および[BF(C)]が挙げられる。低粘度および温度による体積変化の観点から好ましいのは[BF(CF)]および[BF(CF であり、特に好ましいのは[BF(CF)]である。
本発明においてイオン液体(I)の製造方法は特に限定されないが、例えば、J.Am.Chem.Soc.,69,2269(1947)および米国特許第4892944号などに記載の方法(3級アミンを炭酸エステルで4級化後、塩交換する方法)などが挙げられる。
イオン液体(I)を形成するカチオンがイミダゾリウムカチオンである場合の主な製造方法を以下に例示する。
製造方法(1)
1−アルキルイミダゾールと同当量以上(例えば1.1〜5.0当量)の炭酸ジアルキルエステル(例えば炭酸ジメチルおよび炭酸ジエチル)を、溶媒(例えば、メタノール)の存在下または非存在下で、反応温度80〜200℃、好ましくは100〜150℃で反応させて1,3−ジアルキルイミダゾリウム塩を形成し、さらにアニオンを形成する酸を添加(1,3−ジアルキルイミダゾリウムの当量に基づいて0.9〜1.0当量)し、10〜50℃で1時間撹拌して塩交換する。溶媒を80〜120℃で減圧留去して、目的のイミダゾリウム塩を得る。
製造方法(2)
1−アルキルイミダゾールを、同当量以上のハロゲン化アルキルでアルキル化して得られた1,3−ジアルキルイミダゾリウム塩の極性溶媒(例えばアセトニトリル)による溶液(20〜70重量%)に、前記の酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩またはカリウム塩など)を加え(1,3−ジアルキルイミダゾリウム塩/酸のアルカリ金属塩の当量比で例えば1/1〜1/1.5)、室温で約2時間撹拌混合する。生成した塩の沈殿物を遠心分離により除去し、上層中の溶媒を減圧留去して、目的のイミダゾリウム塩を得る。
本発明の潤滑剤は、その性能を阻害しない範囲で、イオン液体(I)以外のイオン液体を併用して潤滑油組成物として使用することができる。
本発明の潤滑油には、さらに、防錆剤、pH調整剤、酸化防止剤、摩耗防止剤、極圧剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤および消泡剤等の添加剤の1種または2種以上を適宜配合して潤滑油組成物として使用することも可能である。
これらの添加剤の配合量は、所定の効果を奏する限り特に限定されるものではないが、潤滑剤の全体の重量に基づいて、それぞれの好ましい配合量の例を以下に示す。
防錆剤は、0〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%;pH調整剤は0〜3重量%、好ましくは0.01〜2重量%;酸化防止剤は、0〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%;摩耗防止剤と極圧剤は、0〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%;粘度指数向上剤と流動点降下剤は、0〜15重量%、好ましくは0.1〜7重量%;消泡剤は、0〜0.1重量%、好ましくは0.0005〜0.01重量%である。
[実施例]
以下、製造例、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において、特別に規定しない限り、部は重量部を表す。
実施例1
ジメチルカーボネート135部(1.5モル部)をメタノール192部に溶かした溶液に、1−エチルイミダゾール96部(1.0モル部)を滴下して、130℃で40時間攪拌して、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルカーボネート塩を製造した。さらに35%塩酸104部(1.0モル部)を加えて塩交換を行った。1.0kPa以下の減圧度で120℃で加熱して、溶媒のメタノールを除去することで1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・塩化物塩(EMI・CL)を得た。
トリフルオロメチルトリメチルシラン156.2部(1.1モル部)、トリメトキシボラン103.8部(1.0モル部)、フッ化カリウム58.1部(1.0モル部)のテトラヒドロフラン500部溶液を25℃で18時間撹拌した後、1.0kPa以下の減圧度で80℃で加熱して濃縮をおこなった。
その溶液に48重量%濃度のフッ化水素酸水溶液208部を加え、再び25℃で16時間撹拌した後、21重量%濃度の水酸化カリウム水溶液534部を氷で冷やしながら加えた。
その後、重炭酸カリウムを炭酸ガスが発生しなくなるまで充分加え、1.0kPa以下の減圧度で80℃で加熱して濃縮をおこなった。
精製のため、さらにアセトニトリル250部を加え、50℃に加熱撹拌し、不純物のフッ化カリウム塩を吸引ろ過して除去した。ろ液を減圧濃縮することによって、トリフルオロメチルトリフルオロボラン・カリウム塩(K[CFBF])を得た。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・塩化物塩(EMI・CL)73.2部(0.50モル部)をイオン水100部に溶解させ、トリフルオロメチルトリフルオロボラン・カリウム塩89.7部(0.51モル部)を加え25℃で30分撹拌した。その後1時間静置して層分離させた。分液後、1.0kPa以下の減圧度で70℃で加熱して濃縮、乾燥をおこない、本発明の潤滑剤(A−1)として、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・トリフルオロメチルトリフルオロボラン(EMI・[CFBF])を得た。(A−1)のVI、Vおよび体積変化率の測定結果を表1に示す。
実施例2
ジメチルカーボネート135部(1.5モル部)をジエチルカーボネート177部(1.5モル部)に代える以外は実施例1と同様にして本発明の潤滑油(A−2)として、1,3−ジエチルイミダゾリウム・トリフルオロメチルトリフルオロボラン(DEI・[CFBF])を得た。(A−2)のVI、Vおよび体積変化率の測定結果を表1に示す。
実施例3
1−エチルイミダゾール96部(1.0モル部)を1−メチルイミダゾール68部(1.0モル部)に代える以外は実施例1と同様にして本発明の潤滑油(A−3)として、1,3−ジメチルイミダゾリウム・トリフルオロメチルトリフルオロボラン(DMI・[CFBF])を得た。(A−3)のVI、Vおよび体積変化率の測定結果を表1に示す。
実施例4
トリフルオロメチルトリフルオロボラン・カリウム塩89.7部(0.51モル部)をパーフルオロエチルトリフルオロボラン・カリウム塩115.2部(0.51モル部)に代える以外は実施例1と同様にして、本発明の潤滑油(A−4)として、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・パーフルオロエチルトリフルオロボラン(EMI・[CBF])を得た。(A−4)のVI、Vおよび体積変化率の測定結果を表1に示す。
実施例5
トリフルオロメチルトリフルオロボラン・カリウム塩89.7部(0.51モル部)をトリス(トリフルオロメチル)トリフルオロボラン・カリウム塩140.6部(0.51モル部)に代える以外は実施例1と同様にして、本発明の潤滑油(A−5)として、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・トリス(トリフルオロメチル)トリフルオロボラン(EMI・[(CFBF])を得た。(A−5)のVI、Vおよび体積変化率の測定結果を表1に示す。
実施例6
実施例1の潤滑油(A−1)50部および実施例2の潤滑油(A−2)50部を25℃で30分撹拌し、本発明の潤滑油(A−6)を得た。(A−6)のVI、Vおよび体積変化率の測定結果を表1に示す。
比較例1
実施例1と同様にして得られた1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルカーボネート塩171部(1.0モル部)に1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド281部(1.0モル部)を加えて塩交換することにより、比較用の潤滑剤(B−1)として、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ビストリフルオロスルホニルイミド(EMI・TFSI)を得た。(B−1)のVI、Vおよび体積変化率の測定結果を表1に示す。
比較例2
市販のセバシン酸ジオクテートを比較用の潤滑剤(B−2)として用いた。(B−2)のVI、Vおよび体積変化率の測定結果を表1に示す。
比較例3
1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド281部(1.0モル部)を50重量%のHBF4水溶液314部(1.0モル部)に代える以外は比較例1と同様にして、比較用の潤滑剤(B−3)として、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・テトラフルオロボラン(EMI・BF4)を得た。(B−3)のVI、Vおよび体積変化率の測定結果を表1に示す。
<体積変化率の測定方法>
先に述べた80℃と40℃の1g当たりの体積の変化率(v80/v40)を、25mLのゲーリュサック形比重瓶を用いて、測定した。
Figure 2009007565
表1から、本発明の潤滑油は、粘度指数が非常に高く、低温(0℃)での粘度が低く、かつ温度による体積変化も小さいことがわかる。
本発明の潤滑剤はさらに、粘度も低く蒸発分も少ないので、スピンドルモーター等の軸受用潤滑剤として利用できる。さらに、増調剤を併用することによって、蒸発分が少なく、防錆性を持ったグリースとして使用することもできる。

Claims (2)

  1. 一般式(1)で示されるアミジニウムカチオン(a)と一般式(2)で示されるアニオン(b)との塩であるイオン液体(I)からなることを特徴とする潤滑油。
    Figure 2009007565
    Figure 2009007565
    [式(1)中、R1は水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基または水素原子である。Rは、アルコキシ基、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基もしくはフォルミル基で置換していてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、これらは同一または異なっていてもよい。さらにR1およびRの一部または全部は、それらの2〜4個が相互に結合して窒素原子と共に複素環を形成していてもよい。
    式(2)中、RとRはそれぞれ独立に、FまたはCn2n+1、nは1〜4の整数である。]
  2. 前記アミジニウムカチオン(a)が、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムおよび1,2、3−トリメチルイミダゾリウムからなる群から選ばれる1種以上であり、前記アニオン(b)が、[BF(CF)]および/または[BF(CF である請求項1記載の潤滑剤。
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