JP2009007552A - 発光素子用熱可塑性樹脂組成物及びそれからなる成形品、並びにそれを用いてなる発光素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】以下の成分(A)〜(C)を含む樹脂組成物。
(A)ポリブチレンテレフタレート、ポリアリーレンサルファイド、液晶ポリマー、シンジオタクチックポリスチレン及びポリフタルアミドからなる群から1以上選択される熱可塑性樹脂:20〜65重量%
(B)酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭化ケイ素、窒化アルミニウム及び窒化ホウ素からなる群から1以上選択されるセラミック系フィラー:15〜60重量%
(C)ガラス繊維及び/又は炭素繊維:5〜45重量%
(前記各成分の配合量は、成分(A)〜(C)の合計量に対する重量分率である)
【選択図】なし
Description
1.以下の成分(A)〜(C)を含む発光素子用熱可塑性樹脂組成物。
(A)ポリブチレンテレフタレート、ポリアリーレンサルファイド、液晶ポリマー、シンジオタクチックポリスチレン及びポリフタルアミドからなる群から1以上選択される熱可塑性樹脂:20〜65重量%
(B)酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭化ケイ素、窒化アルミニウム及び窒化ホウ素からなる群から1以上選択されるセラミック系フィラー:15〜60重量%
(C)ガラス繊維及び/又は炭素繊維:5〜45重量%
(前記各成分の配合量は、成分(A)〜(C)の合計量に対する重量分率である)
2.前記熱可塑性樹脂がポリアリーレンサルファイドである1に記載の発光素子用熱可塑性樹脂組成物。
3.前記熱可塑性樹脂がポリフェニレンサルファイドである1又は2に記載の発光素子用熱可塑性樹脂組成物。
4.前記セラミック系フィラーが窒化アルミニウム又は窒化ホウ素である1〜3のいずれかに記載の発光素子用熱可塑性樹脂組成物。
5.1〜4のいずれかに記載の発光素子用熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体。
6.体積固有抵抗が103Ω・cm以上である5に記載の成形体。
7.熱伝導率が1.5W/mk以上である5又は6に記載の成形体。
8.荷重たわみ温度が180℃以上である5〜7のいずれかに記載の成形体。
9.LED架台の放熱部材である5〜8のいずれかに記載の成形体。
10.アノード側リードフレーム、カソード側リードフレーム及び9に記載のLED架台を有し、前記アノード側リードフレーム及び前記カソード側リードフレームが、前記LED架台に接触している発光素子。
11.前記アノード側リードフレーム及び前記カソード側リードフレームが金属薄板であり、前記アノード側リードフレーム及び前記カソード側リードフレームが前記LED架台に貼り付いてプリント配線基板構造を形成してなる10に記載の発光素子。
(A)ポリブチレンテレフタレート、ポリアリーレンサルファイド、液晶ポリマー、シンジオタクチックポリスチレン及びポリフタルアミドからなる群から1以上選択される熱可塑性樹脂:20〜65重量%
(B)酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭化ケイ素、窒化アルミニウム及び窒化ホウ素からなる群から1以上選択されるセラミック系フィラー:15〜60重量%
(C)ガラス繊維及び/又は炭素繊維:5〜45重量%
(前記各成分の配合量は、成分(A)〜(C)の合計量に対する重量分率である)
成分(A)の配合量が20重量%未満の場合、本発明の樹脂組成物の成形性が著しく低下し、所望の形状が得られないおそれがある。一方、成分(A)の配合量が65重量%を超える場合、本発明の樹脂組成物からなる成形体の熱伝導率が向上しないおそれがある。
成分(B)の配合量が15重量%未満の場合、本発明の樹脂組成物からなる成形体の熱伝導率が向上しないおそれがある。一方、成分(B)の配合量が60重量%を超える場合、本発明の樹脂組成物の成形性が著しく低下するおそれがある。
成分(C)の配合量が5重量%未満の場合、本発明の樹脂組成物からなる成形体のハンダ耐熱性(荷重たわみ温度)が低くなるおそれがある。一方、成分(C)の配合量が45重量%を超える場合、本発明の樹脂組成物からなる成形体の熱伝導率が向上しないおそれがある。
上記ポリアリーレンサルファイドは、繰り返し単位が下記式
−(Ar−S)−
(式中、Arはアリーレン基、Sは硫黄を示す。)
で示される重合体である。
置換するポリマーとしては、ポリアミド系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリアリーレンエーテル系ポリマー、ポリスチレン系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー、含フッ素ポリマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、シリコーン系エラストマー等が挙げられる。
尚、上記ポリアリーレンサルファイドは、空気中で加熱して高分子量化してもよく、また、酸無水物等の化合物を用いて化学修飾してもよい。
図1の発光素子1において、LED架台10上にはリフレクター20が発光方向に対して開口して積層されている。リフレクター20には、アノード側にリードフレーム(+)30、及びカソード側にリードフレーム(−)32が差し込まれており、これらリードフレーム(+)30及びリードフレーム(−)32はLED架台10の凸部に接触している。
リードフレーム(+)30上には半導体チップ40が実装されており、リードフレーム(−)32と半導体チップ40はワイヤーボンディング50を介して接続されている。また、リフレクター20が形成している開口部は封止材60で封止されている。
このような金属薄板として、GTS−MP(古河サーキットフォイル株式会社製)等の銅箔が好適に用いることができる。
上記のように射出成形を用いることにより3次元複雑形状の発光素子が製造できる。
尚、上記リフレクターはハンダ(例えば鉛フリーハンダ)を用いて他の電子部品と接合する場合があるので、リフレクターの材料である樹脂組成物の荷重たわみ温度は、好ましくは180℃以上である。リフレクターの材料である樹脂組成物は、好ましくは本発明の成分(A)の熱可塑性樹脂を含む。
ポリブチレンテレフタレート:N1300(三菱レーヨン株式会社製)
ポリフェニレンサルファイド:H1G(大日本インキ化学工業株式会社製)
液晶ポリマー:NX101(ガラス繊維含有量30重量%、新日本石油株式会社製)
シンジオタクチックポリスチレン:300ZC(出光興産株式会社製)
ポリフタルアミド:ET1001(ソルベー社製)
ポリカーボネート:A1900(出光興産株式会社製)
窒化アルミニウム:グレードH(株式会社トクヤマ製)
窒化ホウ素:グレードHGP(電気化学工業株式会社製)
酸化マグネシウム:グレード クールフィラーTM CF(タテホ化学工業株式会社製)
ガラス繊維:CSG3PA−830S(扁平ガラス繊維、日東紡株式会社製)
炭素繊維:TR06UB4E(三菱レーヨン株式会社製)
成分(A)の熱可塑性樹脂、成分(B)のセラミック系フィラー及び成分(C)のガラス繊維及び/又は炭素繊維を、表1に示す配合比となるようにそれぞれ量りとった。この原料をドライブレンドして混合原料を調製し、二軸混練押出機TEM37BS(東芝機械株式会社製)を用いて、樹脂温度320℃で溶融混練した。溶融混練して得られたペレットを、熱風乾燥機を用いて120℃で3時間乾燥し、評価した。結果を表1に示す。
(1)熱伝導率
IS80EPN(80t)射出成形機を用い、樹脂温度330℃及び金型温度135
℃で、得られたペレットからなる60×60×厚さ2mmの角板成形品を成形し、熱伝導率測定装置TPA−501(京都電子工業株式会社製)を用いてホットディスク法スラブシートモードにて熱伝導率を測定した。
IS80EPN(80t)射出成形機を用い、樹脂温度330℃及び金型温度135℃で、得られたペレットからなる127×12.7×厚さ3.2mmの棒状成形品を成形し、ASTM D648に準拠し、荷重0.45MPa下での荷重たわみ温度を測定した。
IS80EPN(80t)射出成形機を用い、樹脂温度330℃及び金型温度135℃で、得られたペレットを成形し、LED架台を作製した。次に、作製したLED架台、半導体チップとしてEZ1000(CREE社製)、及びニッケルメッキを施した純銅製リードフレームを用いて、図1に示される発光素子を作製した。半導体チップが実装されたリードフレーム(−)の直下に熱電対を挿入し、発光素子に200mAの電流を流したときのLED接合温度を測定した。
IS80EPN(80t)射出成形機を用い、樹脂温度330℃及び金型温度135℃で、得られたペレットからなる80×80×厚さ2mmの成形品を成形し、ハンダリフロー炉内(株式会社タムラ製作所製、TAS20−15N)に通して、熱処理後の成形品の外形寸法を顕微鏡で観察した。
成形品の幅、高さ及び奥行の全ての寸法変化が0.05%以内であったときは「○」とし、それ以外の場合は「×」とした。
尚、上記ハンダリフロー炉内の熱処理条件は以下の通りである。
150℃で120秒熱処理→(昇温速度:15℃/分)→
180℃で60秒熱処理 →(昇温速度:30℃/分)→
210℃で60秒熱処理→(降温速度:30℃/分)
IS80EPN(80t)射出成形機を用い、樹脂温度330℃及び金型温度135℃で、得られたペレットからなる80×80×厚さ2mmの平板成形品を成形し、ASTM D257に準拠し、体積固有抵抗を測定した。
成分(A)の熱可塑性樹脂、成分(B)のセラミック系フィラー及び成分(C)のガラス繊維及び/又は炭素繊維を、表2に示す配合比となるようにそれぞれ量りとった以外は実施例1〜8と同様にしてペレットを製造し、同様に評価した。結果を表2に示す。尚、比較例9では、樹脂組成物の流動性低く、ペレットを製造することができなかったため、その特性を評価することができなかった。
本発明の樹脂組成物からなる成形体を用いた発光ダイオードは、カー用ヘッドランプ、店舗用照明、車載用照明、信号灯等の照明器具、携帯電話、薄型TV、ビデオカメラ等のディスプレイに好適に使用できる。
10 LED架台
20 リフレクター
30 リードフレーム(+)
32 リードフレーム(−)
40 半導体チップ
50 ワイヤーボンディング
60 封止材
Claims (11)
- 以下の成分(A)〜(C)を含む発光素子用熱可塑性樹脂組成物。
(A)ポリブチレンテレフタレート、ポリアリーレンサルファイド、液晶ポリマー、シンジオタクチックポリスチレン及びポリフタルアミドからなる群から1以上選択される熱可塑性樹脂:20〜65重量%
(B)酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭化ケイ素、窒化アルミニウム及び窒化ホウ素からなる群から1以上選択されるセラミック系フィラー:15〜60重量%
(C)ガラス繊維及び/又は炭素繊維:5〜45重量%
(前記各成分の配合量は、成分(A)〜(C)の合計量に対する重量分率である) - 前記熱可塑性樹脂がポリアリーレンサルファイドである請求項1に記載の発光素子用熱可塑性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂がポリフェニレンサルファイドである請求項1又は2に記載の発光素子用熱可塑性樹脂組成物。
- 前記セラミック系フィラーが窒化アルミニウム又は窒化ホウ素である請求項1〜3のいずれかに記載の発光素子用熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の発光素子用熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体。
- 体積固有抵抗が103Ω・cm以上である請求項5に記載の成形体。
- 熱伝導率が1.5W/mk以上である請求項5又は6に記載の成形体。
- 荷重たわみ温度が180℃以上である請求項5〜7のいずれかに記載の成形体。
- LED架台の放熱部材である請求項5〜8のいずれかに記載の成形体。
- アノード側リードフレーム、カソード側リードフレーム及び請求項9に記載のLED架台を有し、
前記アノード側リードフレーム及び前記カソード側リードフレームが、前記LED架台に接触している発光素子。 - 前記アノード側リードフレーム及び前記カソード側リードフレームが金属薄板であり、
前記アノード側リードフレーム及び前記カソード側リードフレームが前記LED架台に貼り付いてプリント配線基板構造を形成してなる請求項10に記載の発光素子。
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