JP2009007452A - 光学用粘着剤、光学用粘着シートおよび光学フィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】高温環境下または湿熱環境下にて長時間にわたって使用しても、ネオン光の吸収性を維持でき、ディスプレイの色調変化を防止できる光学用粘着剤、光学用粘着シートおよび光学フィルタを提供する。
【解決手段】本発明の光学用粘着剤は、アクリル重合体と、波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有する染料とを含有する光学用粘着剤であって、アクリル重合体が、過酸化物系重合開始剤を用いてアクリル単量体が重合されたもので、かつクレゾール骨格を有するヒンダードフェノール化合物を含有する。本発明の光学用粘着シートは、上述した光学用粘着剤から形成された粘着剤層を備える。本発明の光学フィルタは、プラズマディスプレイパネルの前面に配置され、上述した光学用粘着シートを備えるものである。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の光学用粘着剤は、アクリル重合体と、波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有する染料とを含有する光学用粘着剤であって、アクリル重合体が、過酸化物系重合開始剤を用いてアクリル単量体が重合されたもので、かつクレゾール骨格を有するヒンダードフェノール化合物を含有する。本発明の光学用粘着シートは、上述した光学用粘着剤から形成された粘着剤層を備える。本発明の光学フィルタは、プラズマディスプレイパネルの前面に配置され、上述した光学用粘着シートを備えるものである。
【選択図】なし
Description
本発明は、光学フィルタ等に用いられる光学用粘着剤および光学用粘着シートに関する。また、プラズマディスプレイパネルの前面に配置される光学フィルタに関する。
近年、テレビ装置用の薄型・大型ディスプレイとして、プラズマディスプレイが急速に普及している。プラズマディスプレイのパネル(以下、PDPという。)は、キセノンガスおよびネオンガスが封入された発光セル内に高電圧を印加して面放電させ、発光セルで生じる紫外線により、発光セル上に形成された赤(R)発光、緑(G)発光、青(B)発光の蛍光体を励起発光させることにより画像を表示するものである。
ところで、発光セル内にはネオンガスが封入されているため、紫外線と共に、ネオンガスに起因する波長590nm付近を中心波長とするオレンジ色の光(以下、この光をネオン光ということがある。)も発生する。ネオン光がそのまま透過してしまうと、色純度・色再現性が低下するため、通常、PDPの前面には、ネオン光を吸収するネオン光吸収層とネオン光の吸収に伴う色補正のための色補正層とを備えた光学フィルタが設けられる。
従来、ネオン光吸収層は、ネオン光を吸収する染料を含む塗料をポリエチレンテレフタレートフィルム等の表面に塗工したものを、粘着剤を介してガラス板等の上に積層することにより形成されていた。ところが、近年、軽量薄型化・コストダウンのために光学フィルタを構成する層の数を減らす傾向にあり、例えば、文献1〜5では、波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有するポリメチン系染料やテトラアザポルフィリン系染料、ジイモニウム塩化合物を粘着剤層中に添加して、ネオン光吸収層を省略することが提案されている。
特開2004−107566号公報
特開2002−040233号公報
特開2000−275432号公報
特開2007−16198号公報
特開2001−159712号公報
ところで、発光セル内にはネオンガスが封入されているため、紫外線と共に、ネオンガスに起因する波長590nm付近を中心波長とするオレンジ色の光(以下、この光をネオン光ということがある。)も発生する。ネオン光がそのまま透過してしまうと、色純度・色再現性が低下するため、通常、PDPの前面には、ネオン光を吸収するネオン光吸収層とネオン光の吸収に伴う色補正のための色補正層とを備えた光学フィルタが設けられる。
従来、ネオン光吸収層は、ネオン光を吸収する染料を含む塗料をポリエチレンテレフタレートフィルム等の表面に塗工したものを、粘着剤を介してガラス板等の上に積層することにより形成されていた。ところが、近年、軽量薄型化・コストダウンのために光学フィルタを構成する層の数を減らす傾向にあり、例えば、文献1〜5では、波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有するポリメチン系染料やテトラアザポルフィリン系染料、ジイモニウム塩化合物を粘着剤層中に添加して、ネオン光吸収層を省略することが提案されている。
PDPでは、プラズマ放電に伴う放熱により表面温度が60〜80℃程度になるため、高温または湿熱環境下で長期間使用してもディスプレイの色調が変化しにくいことが求められる。
しかし、光学フィルタの粘着剤層に波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有する染料を添加した場合には、PDPを長期間にわたって使用した際に、ネオン光の吸収性が低下した。その結果、ネオン光が光学フィルタを透過しやすくなり、ディスプレイの色調が変化することがあった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、高温環境下または湿熱環境下にて長期間にわたって使用しても、ネオン光の吸収性を維持でき、ディスプレイの色調変化を防止できる光学用粘着剤、光学用粘着シートおよび光学フィルタを提供する。
しかし、光学フィルタの粘着剤層に波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有する染料を添加した場合には、PDPを長期間にわたって使用した際に、ネオン光の吸収性が低下した。その結果、ネオン光が光学フィルタを透過しやすくなり、ディスプレイの色調が変化することがあった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、高温環境下または湿熱環境下にて長期間にわたって使用しても、ネオン光の吸収性を維持でき、ディスプレイの色調変化を防止できる光学用粘着剤、光学用粘着シートおよび光学フィルタを提供する。
本発明者らは、過酸化物系開始剤によって重合された粘着剤層に波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有する染料を添加した場合に、PDPを長期間にわたって使用すると、ネオン光の吸収性が低下する原因について検討した。その結果、粘着剤を重合する際に使用される過酸化物系重合開始剤の残存物から生成するラジカルが染料と反応して染料を変質させることが推定された。
本発明者らは、前記推定に基づき、ネオン光の吸収性低下の防止について検討を重ねた結果、以下の光学用粘着剤、光学用粘着シートおよび光学フィルタを発明した。
本発明者らは、前記推定に基づき、ネオン光の吸収性低下の防止について検討を重ねた結果、以下の光学用粘着剤、光学用粘着シートおよび光学フィルタを発明した。
本発明の光学用粘着剤は、アクリル重合体と、波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有する染料とを含有する光学用粘着剤であって、アクリル重合体が、過酸化物系重合開始剤を用いてアクリル単量体が重合されたものであり、且つクレゾール骨格を有するヒンダードフェノール化合物を含有することを特徴とする。前記クレゾール骨格を有するヒンダードフェノール化合物は4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールであることが好ましい。また、前記染料は下記一般式(1)にて表されるテトラアザポルフィリン系染料であることが好ましい
(一般式(1)中、A1〜A8は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、アルキル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシル基、アルコキシアルコキシル基、アリールオキシ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基のいずれかを表わす。A1とA2、A3とA4、A5とA6、A7とA8は、各々独立に、連結基を介して、芳香族環を除く環を形成してもよい。Mは、2価の金属原子、3価1置換金属原子、4価2置換金属原子、オキシ金属原子のいずれかを表わす。)
本発明の光学用粘着シートは、前記の光学用粘着剤から形成された粘着剤層を備えることを特徴とする。
本発明の光学フィルタは、プラズマディスプレイパネルの前面に配置され、前記の光学用粘着剤から形成された粘着剤層を備えることを特徴とする。
本発明では、高温環境下または湿熱環境下にて長期間にわたって使用しても、前記光学用粘着剤のネオン光の吸収性を維持し、ディスプレイの色調変化を防止できる。特に、染料が上記一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン系染料である場合には、上記効果がとりわけ発揮される。
(光学用粘着剤)
本発明の光学用粘着剤(以下、粘着剤と略す。)は、過酸化物系開始剤によって重合されたアクリル重合体と、波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有する染料、ならびにクレゾール骨格を有するヒンダードフェノール化合物を含有するものである。
本発明の光学用粘着剤(以下、粘着剤と略す。)は、過酸化物系開始剤によって重合されたアクリル重合体と、波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有する染料、ならびにクレゾール骨格を有するヒンダードフェノール化合物を含有するものである。
[アクリル重合体]
本発明におけるアクリル重合体は、過酸化物系重合開始剤を用いてアクリル単量体が重合されものである。アクリル単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、無水フマル酸等のカルボキシル基含有単量体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体などが挙げられる。なお、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートの総称である。
本発明におけるアクリル重合体は、過酸化物系重合開始剤を用いてアクリル単量体が重合されものである。アクリル単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、無水フマル酸等のカルボキシル基含有単量体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体などが挙げられる。なお、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートの総称である。
過酸化物系重合開始剤は、単独で開裂して遊離ラジカルを生成するものである。生成したラジカルは不飽和二重結合への付加反応および水素引き抜き反応をすることで重合反応を起こす。過酸化物系重合開始剤は化学構造よりケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートに分類され、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ジ(4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2.5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソブチリルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジアウロイルパーオキサイド、ジコハク酸パーオキサイド、ジ−(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ(4−メチルゼンゾイル)パーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネートなどが挙げられる。これら重合開始剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アクリル単量体を重合する際には、例えば、溶液重合法を適用することができる。その際に使用される溶媒としては、例えば、酢酸エチル、トルエン、ヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)などが挙げられる。また、溶液重合法以外の方法、具体的には、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法で重合しても構わない。
[クレゾール骨格を有するヒンダードフェノール化合物]
上述した通り、染料のネオン光の吸収性が低下する原因として、粘着剤を重合する際に使用される過酸化物系重合開始剤の残存物から生成するラジカルが、染料と反応して変質させることが推定された。一般に、生成するラジカルの捕捉には酸化防止剤が使用されるが、高温または湿熱環境下で、染料の変性を防止するには酸化防止剤が多量に含有されなくてはならず、粘着剤の物性(主に粘着性)への影響が懸念される。しかし、クレゾール骨格を有するヒンダードフェノール化合物においては、少量含まれることでも特異的に染料の変質を防止することを見出した。
上述した通り、染料のネオン光の吸収性が低下する原因として、粘着剤を重合する際に使用される過酸化物系重合開始剤の残存物から生成するラジカルが、染料と反応して変質させることが推定された。一般に、生成するラジカルの捕捉には酸化防止剤が使用されるが、高温または湿熱環境下で、染料の変性を防止するには酸化防止剤が多量に含有されなくてはならず、粘着剤の物性(主に粘着性)への影響が懸念される。しかし、クレゾール骨格を有するヒンダードフェノール化合物においては、少量含まれることでも特異的に染料の変質を防止することを見出した。
前記クレゾール骨格を有するヒンダードフェノール化合物とは、ヒンダードフェノールの中でも分子中の構成単位としてクレゾール(ヒドロキシメチルベンゼン)を有するものである。前記クレゾール骨格を有するヒンダードフェノール化合物としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール等が挙げられる。中でも4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールが好ましい。
前記クレゾール骨格を有するヒンダードフェノール化合物の配合量は任意であるが、アクリル重合体100質量部に対して0.05質量部未満であると十分な染料変質抑制効果を得ることができず、0.5質量部を超えて含有させると粘着物性に影響する恐れがある。したがって、クレゾール骨格を有するヒンダードフェノール化合物の配合量は0.05質量部以上、0.5質量部以下であることが好ましい。
前記クレゾール骨格を有するヒンダードフェノール化合物の配合量は任意であるが、アクリル重合体100質量部に対して0.05質量部未満であると十分な染料変質抑制効果を得ることができず、0.5質量部を超えて含有させると粘着物性に影響する恐れがある。したがって、クレゾール骨格を有するヒンダードフェノール化合物の配合量は0.05質量部以上、0.5質量部以下であることが好ましい。
[染料]
粘着剤に含まれる染料は、波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有するものである。波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有する該染料は、中心波長が590nm付近のオレンジ色のネオン光を吸収できるものである。
波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有する染料としては、例えば、上記一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン系染料、スクアリリウム系染料、ポリメチン系染料などが挙げられる。
これらの中でも、上記一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン系染料を用いた場合には、本発明の効果がとりわけ発揮される。
粘着剤に含まれる染料は、波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有するものである。波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有する該染料は、中心波長が590nm付近のオレンジ色のネオン光を吸収できるものである。
波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有する染料としては、例えば、上記一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン系染料、スクアリリウム系染料、ポリメチン系染料などが挙げられる。
これらの中でも、上記一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン系染料を用いた場合には、本発明の効果がとりわけ発揮される。
一般式(1)中、A1〜A8は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、アルキル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシル基、アルコキシアルコキシル基、アリールオキシ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基のいずれかを表わす。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、3−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチルブチル基、1,2,2−トリメチルブチル基、1,1,2−トリメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロへキシル基、n−へプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2,4−ジメチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、2,5,5−トリメチルペンチル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、4−エチルオクチル基、4−エチル−4,5−ジメチルヘキシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、1,3,5,7−テトラメチルオクチル基、4−ブチルオクチル基、6,6−ジエチルオクチル基、n−トリデシル基、6−メチル−4−ブチルオクチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、3,5−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチルヘプチル基、2,4−ジメチルヘプチル基、2,2,5,5−テトラメチルヘキシル基、1−シクロペンチル−2,2−ジメチルプロピル基、1−シクロへキシル−2,2−ジメチルプロピル基などが挙げられる。
ハロゲノアルキル基としては、例えば、クロロメチル基、ジクロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ノナフルオロブチル基などが挙げられる。
アルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、イソペントキシ基、ネオペントキシ基、n−へキシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基などが挙げられる。
アルコキシアルコキシル基としては、例えば、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、3−メトキシプロピルオキシ基、3−(イソプロピルオキシ)プロピルオキシ基などが挙げられる。
アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、2−メトキシフェノキシ基、4−イソプロピルフェノキシ基などが挙げられる。
モノアルキルアミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、n−へキシルアミノ基などが挙げられる。
ジアルキルアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ基などが挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ニトロベンジル基、シアノベンジル基、ヒドロキシベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、ジクロロベンジル基、メトキシベンジル基、エトキシベンジル基、トリフルオロメチルベンジル基、ナフチルメチル基、ニトロナフチルメチル基、シアノナフチルメチル基、ヒドロキシナフチルメチル基、メチルナフチルメチル基、トリフルオロメチルナフチルメチル基などが挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、ジクロロフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、ナフチル基、ニトロナフチル基、シアノナフチル基、ヒドロキシナフチル基、メチルナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基などが挙げられる。
へテロアリール基としては、例えば、ピロリル基、チエニル基、フラニル基、オキサゾイル基、イソオキサゾイル基、オキサジアゾイル基、イミダゾイル基、ベンゾオキサゾイル基、ベンゾチアゾイル基、ベンゾイミダゾイル基、ベンゾフラニル基、インドイル基などが挙げられる。
アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、2−メチルブチルチオ基、1−メチルブチルチオ基、ネオペンチルチオ基、1,2−ジメチルプロピルチオ基、1,1−ジメチルプロピルチオ基などが挙げられる。
アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−メトキシフェニルチオ基、4−t−ブチルフェニルチオ基などが挙げられる。
アルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、イソペントキシ基、ネオペントキシ基、n−へキシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基などが挙げられる。
アルコキシアルコキシル基としては、例えば、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、3−メトキシプロピルオキシ基、3−(イソプロピルオキシ)プロピルオキシ基などが挙げられる。
アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、2−メトキシフェノキシ基、4−イソプロピルフェノキシ基などが挙げられる。
モノアルキルアミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、n−へキシルアミノ基などが挙げられる。
ジアルキルアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ基などが挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ニトロベンジル基、シアノベンジル基、ヒドロキシベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、ジクロロベンジル基、メトキシベンジル基、エトキシベンジル基、トリフルオロメチルベンジル基、ナフチルメチル基、ニトロナフチルメチル基、シアノナフチルメチル基、ヒドロキシナフチルメチル基、メチルナフチルメチル基、トリフルオロメチルナフチルメチル基などが挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、ジクロロフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、ナフチル基、ニトロナフチル基、シアノナフチル基、ヒドロキシナフチル基、メチルナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基などが挙げられる。
へテロアリール基としては、例えば、ピロリル基、チエニル基、フラニル基、オキサゾイル基、イソオキサゾイル基、オキサジアゾイル基、イミダゾイル基、ベンゾオキサゾイル基、ベンゾチアゾイル基、ベンゾイミダゾイル基、ベンゾフラニル基、インドイル基などが挙げられる。
アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、2−メチルブチルチオ基、1−メチルブチルチオ基、ネオペンチルチオ基、1,2−ジメチルプロピルチオ基、1,1−ジメチルプロピルチオ基などが挙げられる。
アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−メトキシフェニルチオ基、4−t−ブチルフェニルチオ基などが挙げられる。
A1とA2、A3とA4、A5とA6、A7とA8が、各々独立に、連結基を介して、芳香族環を除く環を形成した例としては、例えば、−CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH(NO2)CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(Cl)CH2CH2−などが挙げられる。
Mで表される2価金属の例としては、例えば、Cu、Zn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Pt、Mn、Sn、Mg、Hg、Cd、Ba、Ti、Be、Caなどが挙げられる。
1置換の3価金属の例としては、Al−F、Al−Cl、Al−Br、Al−I、Ga−F、Ga−Cl、Ga−Br、Ga−I、In−F、In−I、In−Br、In−I、Tl−F、Tl−Cl、Tl−Br、Tl−I、Al−C6H5、Al−C6H4(CH3)、In−C6H5、In−C6H4(CH3)、Mn(OH)、Mn(OC6H5)、Mn[OSi(CH3)3]、Fe−Cl、Ru−Clなどが挙げられる。
2置換の4価金属の例としては、例えば、CrCl2、SiF2、SiCl2、SiBr2、SiI2、SnF2、SnCl2、SnBr2、ZrCl2、GeF2、GeCl2、GeBr2、GeI2、TiF2、TiCl2、TiBr2、Si(OH)2、Sn(OH)2、Ge(OH)2、Zr(OH)2、Mn(OH)2、TiA2、CrA2、SiA2、SnA2、GeA2[Aはアルキル基、フェニル基、ナフチル基およびその誘導体のいずれかを表わす。]、Si(OA’)2、Sn(OA’)2、Ge(OA’)2、Ti(OA’)2、Cr(OA’) 2[A’はアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基およびその誘導体のいずれかを表わす。]、Si(SA”)2、Sn(SA”)2、Ge(SA”)2[A”はアルキル基、フェニル基、ナフチル基およびその誘導体のいずれかを表わす。]等が挙げられる。オキシ金属としては、例えば、VO、MnO、TiOなどが挙げられる。
1置換の3価金属の例としては、Al−F、Al−Cl、Al−Br、Al−I、Ga−F、Ga−Cl、Ga−Br、Ga−I、In−F、In−I、In−Br、In−I、Tl−F、Tl−Cl、Tl−Br、Tl−I、Al−C6H5、Al−C6H4(CH3)、In−C6H5、In−C6H4(CH3)、Mn(OH)、Mn(OC6H5)、Mn[OSi(CH3)3]、Fe−Cl、Ru−Clなどが挙げられる。
2置換の4価金属の例としては、例えば、CrCl2、SiF2、SiCl2、SiBr2、SiI2、SnF2、SnCl2、SnBr2、ZrCl2、GeF2、GeCl2、GeBr2、GeI2、TiF2、TiCl2、TiBr2、Si(OH)2、Sn(OH)2、Ge(OH)2、Zr(OH)2、Mn(OH)2、TiA2、CrA2、SiA2、SnA2、GeA2[Aはアルキル基、フェニル基、ナフチル基およびその誘導体のいずれかを表わす。]、Si(OA’)2、Sn(OA’)2、Ge(OA’)2、Ti(OA’)2、Cr(OA’) 2[A’はアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基およびその誘導体のいずれかを表わす。]、Si(SA”)2、Sn(SA”)2、Ge(SA”)2[A”はアルキル基、フェニル基、ナフチル基およびその誘導体のいずれかを表わす。]等が挙げられる。オキシ金属としては、例えば、VO、MnO、TiOなどが挙げられる。
上記例示の中でも、好ましいMは、Pd、Cu、Ru、Pt、Ni、Co、Rh、Zn、VO、TiO、Si(Y)2、Ge(Y)2(Yはハロゲン原子、アルコキシル基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、トリアルキルシリルオキシ基、トリアルキルスズオキシ基、トリアルキルゲルマニウムオキシ基のいずれかを表わす。)である。さらに好ましいMは、Cu、VO、Ni、Pd、Pt、Coである。
波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有する染料の含有量は、アクリル重合体100質量部に対して、0.01〜0.5質量部であることが好ましい。波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有する染料の含有量が、アクリル重合体100質量部に対して0.01質量部以上であれば、PDPの発光セルより生じるネオン光を充分に吸収でき、0.5質量部以下であれば、全光線透過率の低下を防止できる。
また、粘着剤には、上記染料以外に、ディスプレイの色補正のための色補正用染料が含まれてもよい。例えば、波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有する染料によりオレンジ色の光が吸収されると、青色に見える傾向にあるため、青みを抑制できる色補正用染料を添加することが好ましい。
[架橋剤]
粘着剤は、凝集力を高め、また、耐熱性等を付与するために、アクリル重合体にカルボキシル基および/または水酸基を有する単量体単位を含有させた上で、カルボキシル基および/または水酸基と反応する架橋剤を含有することが好ましい。
架橋剤としては、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、金属キレート化合物、ブチル化メラミン化合物などが挙げられる。これら架橋剤の中でも、アクリル重合体を容易に架橋できることから、イソシアネート化合物、エポキシ化合物が好ましい。イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、テトラグリシジルキシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。架橋剤の含有量は、所望とする粘着物性に応じて適宜選択することが好ましい。
粘着剤は、凝集力を高め、また、耐熱性等を付与するために、アクリル重合体にカルボキシル基および/または水酸基を有する単量体単位を含有させた上で、カルボキシル基および/または水酸基と反応する架橋剤を含有することが好ましい。
架橋剤としては、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、金属キレート化合物、ブチル化メラミン化合物などが挙げられる。これら架橋剤の中でも、アクリル重合体を容易に架橋できることから、イソシアネート化合物、エポキシ化合物が好ましい。イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、テトラグリシジルキシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。架橋剤の含有量は、所望とする粘着物性に応じて適宜選択することが好ましい。
[添加剤]
また、粘着剤には、必要に応じて、酸化防止剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤、充填剤などの他の添加剤が含まれてもよい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。これら酸化防止剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
粘着付与剤として、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、石油樹脂などが挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、メルカプトアルコキシシラン化合物(例えば、メルカプト基置換アルコキシオリゴマー等)などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物などが挙げられる。
また、粘着剤には、必要に応じて、酸化防止剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤、充填剤などの他の添加剤が含まれてもよい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。これら酸化防止剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
粘着付与剤として、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、石油樹脂などが挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、メルカプトアルコキシシラン化合物(例えば、メルカプト基置換アルコキシオリゴマー等)などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物などが挙げられる。
(光学用粘着シート)
本発明の光学用粘着シート(以下、粘着シートと略す。)は、上述した粘着剤から形成された粘着剤層を備えるものである。粘着シートは、粘着剤層の他に、例えば、表面基材、剥離シートなどを備えてもよい。表面基材としては、例えば、透明樹脂製フィルムなどが挙げられる。透明樹脂製フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記載する。)、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、トリアセチルセルロースなどが挙げられる。これらの中でも、耐熱性に優れることから、PETが好ましい。ここで、透明とは、可視光に対して透明であることを意味する。剥離シートとしては、例えば、各種プラスチックフィルムにシリコーン等の剥離剤を塗布して剥離剤層を形成したもの、ポリプロピレンフィルム単体などが挙げられる。
本発明の光学用粘着シート(以下、粘着シートと略す。)は、上述した粘着剤から形成された粘着剤層を備えるものである。粘着シートは、粘着剤層の他に、例えば、表面基材、剥離シートなどを備えてもよい。表面基材としては、例えば、透明樹脂製フィルムなどが挙げられる。透明樹脂製フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記載する。)、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、トリアセチルセルロースなどが挙げられる。これらの中でも、耐熱性に優れることから、PETが好ましい。ここで、透明とは、可視光に対して透明であることを意味する。剥離シートとしては、例えば、各種プラスチックフィルムにシリコーン等の剥離剤を塗布して剥離剤層を形成したもの、ポリプロピレンフィルム単体などが挙げられる。
粘着シートの製造方法としては、例えば、剥離シートの剥離剤層上に上述した粘着剤を塗布し、乾燥して粘着剤層を形成した後、粘着剤層に表面基材を貼合する方法、表面基材の片面に上述した粘着剤を塗布し、乾燥して粘着剤層を形成した後、粘着剤層に剥離シートを貼合する方法、剥離シートの剥離剤層上に上述した粘着剤を塗布し、乾燥して粘着剤層を形成した後、粘着剤層に剥離シートを貼合して両面粘着シートを得る方法などが挙げられる。粘着剤の塗布方法としては、例えば、メイヤーバーコータ、ロールコータ、ナイフコータ、グラビアコータ、リップコータ、カーテンコータ、ダイコータ等を用いた塗布方法が挙げられる。
粘着剤の塗布量は10〜40g/m2であることが好ましい。粘着剤の塗布量が10g/m2以上であれば、充分な粘着力を確保でき、長時間使用しても浮きや剥がれが生じにくくなる上に、ネオン光を充分に吸収できる。一方、粘着剤の塗布量が40g/m2以下であれば、ディスプレイの組み立ての際に空気を抱き込むなど貼合に失敗があった場合に粘着シートを再剥離する際に、剥離抵抗が重くなりすぎず、作業性が高くなる。
(光学フィルタ)
本発明の光学フィルタは、プラズマディスプレイパネルの前面に配置され、上述した粘着シートを備えるものである。光学フィルタは、粘着シート以外に、例えば、反射防止層、電磁波吸収層、近赤外線吸収層、ハードコート層、防汚層などを備える。粘着シートは、これらの層のいずれかに貼着されていればよい。また、粘着シートの少なくとも一方の面にこれらの層が設けられていてもよい。
本発明の光学フィルタは、プラズマディスプレイパネルの前面に配置され、上述した粘着シートを備えるものである。光学フィルタは、粘着シート以外に、例えば、反射防止層、電磁波吸収層、近赤外線吸収層、ハードコート層、防汚層などを備える。粘着シートは、これらの層のいずれかに貼着されていればよい。また、粘着シートの少なくとも一方の面にこれらの層が設けられていてもよい。
以上説明した粘着剤、粘着シートおよび光学フィルタは、粘着剤の物性を維持し、高温環境下または湿熱環境下にて長期間にわたって使用しても、中心波長590nm付近のネオン光の吸収を維持でき、ディスプレイの色調変化を防止できる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中の「部」および「%」は、特に断らない限りそれぞれ「質量部」および「質量%」を意味する。
(実施例1)
<粘着剤の調製>
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを封入後、溶媒である酢酸エチルおよびアセトンを添加した。次いで、反応装置内に、アクリル単量体であるブチルアクリレート80部、メチルアクリレート20部、アクリル酸2部と、重合開始剤であるベンゾイルパーオキサイド(表1中ではBPOと記載)0.08部を添加し、攪拌しながら窒素ガス気流中、溶媒の還流温度で8時間重合した。反応終了後、トルエンを添加してアクリル重合体を得た。得られたアクリル重合体は、固形分濃度:21%、粘度:5000mPa・s、質量平均分子量:100万、ガラス転移温度:−40.4℃であった。
次いで、このアクリル重合体に、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(商品名:IRGANOX1520L、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)0.08部を添加して粘着剤主剤とし、該粘着剤主剤の固形分100質量部に対して、架橋剤である3級アミノ基含有エポキシ樹脂0.2部、波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有するテトラアザポルフィリン系染料(品名:TAP2、山田化学工業製)0.1部を混合して、粘着剤を得た。
<粘着剤の調製>
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを封入後、溶媒である酢酸エチルおよびアセトンを添加した。次いで、反応装置内に、アクリル単量体であるブチルアクリレート80部、メチルアクリレート20部、アクリル酸2部と、重合開始剤であるベンゾイルパーオキサイド(表1中ではBPOと記載)0.08部を添加し、攪拌しながら窒素ガス気流中、溶媒の還流温度で8時間重合した。反応終了後、トルエンを添加してアクリル重合体を得た。得られたアクリル重合体は、固形分濃度:21%、粘度:5000mPa・s、質量平均分子量:100万、ガラス転移温度:−40.4℃であった。
次いで、このアクリル重合体に、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(商品名:IRGANOX1520L、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)0.08部を添加して粘着剤主剤とし、該粘着剤主剤の固形分100質量部に対して、架橋剤である3級アミノ基含有エポキシ樹脂0.2部、波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有するテトラアザポルフィリン系染料(品名:TAP2、山田化学工業製)0.1部を混合して、粘着剤を得た。
前記アクリル重合体の固形分濃度、粘度は下記の測定方法により求めた。
<固形分濃度の測定>
アクリル重合体を適当量分取し、熱風乾燥機内(140℃)で溶剤分を蒸発させた後、残渣質量を測定した。測定した残渣質量から、分取したアクリル重合体中の質量%として、固形分濃度を算出した。
<粘度の測定>
アクリル重合体を適当量分取し、B型粘度計(型番:BL、東京計器製)を使用し、液温23℃、60rpmで測定した。
<固形分濃度の測定>
アクリル重合体を適当量分取し、熱風乾燥機内(140℃)で溶剤分を蒸発させた後、残渣質量を測定した。測定した残渣質量から、分取したアクリル重合体中の質量%として、固形分濃度を算出した。
<粘度の測定>
アクリル重合体を適当量分取し、B型粘度計(型番:BL、東京計器製)を使用し、液温23℃、60rpmで測定した。
<粘着シートの作成>
上記粘着剤を、バーコータにより、厚さ38μmのPET剥離フィルム(品名:RL07#38、王子特殊紙製)に、乾燥後の塗布量が25g/m2になるように塗工し、100℃で2分間乾燥させて、粘着剤層を得た。次いで、該粘着剤層の表面に厚さ25μmの透明PETフィルム(品名:HPE25、帝人製)を貼合して、PET剥離フィルム/粘着剤層/透明PETフィルムを備える粘着シートを得た。
上記粘着剤を、バーコータにより、厚さ38μmのPET剥離フィルム(品名:RL07#38、王子特殊紙製)に、乾燥後の塗布量が25g/m2になるように塗工し、100℃で2分間乾燥させて、粘着剤層を得た。次いで、該粘着剤層の表面に厚さ25μmの透明PETフィルム(品名:HPE25、帝人製)を貼合して、PET剥離フィルム/粘着剤層/透明PETフィルムを備える粘着シートを得た。
(比較例1)
実施例1の粘着剤の調整において、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(商品名:IRGANOX 1520L、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)のかわりに、カプロラクトン系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤とが15%/56.7%/28.3%の割合で混合されたもの(商品名:IRGANOX HP2215FF、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)0.08部を添加した以外は実施例1と同様にして粘着剤を得た。そして、この粘着剤を用い、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例2)
実施例1の粘着剤の調整において、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(商品名:IRGANOX 1520L、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)のかわりに、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1010、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)0.08部を添加した以外は実施例1と同様にして粘着剤を得た。そして、この粘着剤を用い、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例3)
実施例1の粘着剤の調整において4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(商品名:IRGANOX 1520L、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)のかわりに、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(商品名:IRGANOX 3114、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)0.08部を添加した以外は実施例1と同様にして粘着剤を得た。そして、この粘着剤を用い、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例4)
実施例1の粘着剤の調整において、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(商品名:IRGANOX 1520L、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)のかわりに、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(商品名:IRGANOX 1076、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)0.08部を添加した以外は実施例1と同様にして粘着剤を得た。そして、この粘着剤を用い、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例5)
実施例1の粘着剤の調整において、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(商品名:IRGANOX 1520L、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)のかわりに、ペンタエリスリトールテトラキス−(3−ドデシルチオプロピオネート)(商品名:SEENOX 412S、シプロ化成製)0.08部を添加した以外は実施例1と同様にして粘着剤を得た。そして、この粘着剤を用い、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例6)
実施例1の粘着剤の調整において、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(商品名:IRGANOX 1520L、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)のかわりに、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(商品名:IRGAFOS 168、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)0.08部を添加した以外は実施例1と同様にして粘着剤を得た。そして、この粘着剤を用い、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例7)
実施例1の粘着剤の調整において、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(商品名:IRGANOX 1520L、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得た。そして、この粘着剤を用い、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
実施例1の粘着剤の調整において、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(商品名:IRGANOX 1520L、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)のかわりに、カプロラクトン系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤とが15%/56.7%/28.3%の割合で混合されたもの(商品名:IRGANOX HP2215FF、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)0.08部を添加した以外は実施例1と同様にして粘着剤を得た。そして、この粘着剤を用い、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例2)
実施例1の粘着剤の調整において、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(商品名:IRGANOX 1520L、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)のかわりに、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1010、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)0.08部を添加した以外は実施例1と同様にして粘着剤を得た。そして、この粘着剤を用い、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例3)
実施例1の粘着剤の調整において4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(商品名:IRGANOX 1520L、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)のかわりに、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(商品名:IRGANOX 3114、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)0.08部を添加した以外は実施例1と同様にして粘着剤を得た。そして、この粘着剤を用い、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例4)
実施例1の粘着剤の調整において、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(商品名:IRGANOX 1520L、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)のかわりに、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(商品名:IRGANOX 1076、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)0.08部を添加した以外は実施例1と同様にして粘着剤を得た。そして、この粘着剤を用い、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例5)
実施例1の粘着剤の調整において、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(商品名:IRGANOX 1520L、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)のかわりに、ペンタエリスリトールテトラキス−(3−ドデシルチオプロピオネート)(商品名:SEENOX 412S、シプロ化成製)0.08部を添加した以外は実施例1と同様にして粘着剤を得た。そして、この粘着剤を用い、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例6)
実施例1の粘着剤の調整において、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(商品名:IRGANOX 1520L、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)のかわりに、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(商品名:IRGAFOS 168、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)0.08部を添加した以外は実施例1と同様にして粘着剤を得た。そして、この粘着剤を用い、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例7)
実施例1の粘着剤の調整において、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(商品名:IRGANOX 1520L、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得た。そして、この粘着剤を用い、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
実施例および各比較例の粘着シートについて、粘着力および波長590nmの光の透過率を以下の方法により測定した。それらの結果を表1に示す。また、実施例に使用したクレゾール骨格を有するヒンダードフェノール化合物、ならびに比較例で用いた酸化防止剤については、表1に示す。
<粘着力>
得られた粘着シートを2枚のガラス板で挟持した状態で、40℃の環境下に3日間放置して養生した後、25mm×60mmに裁断した粘着シートをガラス板に2kg荷重ロールで圧着し、常温で30分間放置した。その後、引張試験機(型式:オートグラフAGS−J、島津製作所製)を用い、引張速度0.3m/分で180°剥離した際の剥離強度を測定し、その剥離強度を粘着力とした。
<透過率>
染料退色は粘着剤主剤と架橋剤が反応していない状態の方が顕著であるため、得られた粘着シートを養生せずに50mm×50mmに裁断した後、ガラス板に貼付し、未処理のもの、温度60℃相対湿度90%の環境下で250時間処理したもの、温度80℃の環境下で250時間処理したものについて、自記分光光度計(型式:U−3500、日立製作所製)を用い、波長590nmの光の透過率を測定した。
<粘着力>
得られた粘着シートを2枚のガラス板で挟持した状態で、40℃の環境下に3日間放置して養生した後、25mm×60mmに裁断した粘着シートをガラス板に2kg荷重ロールで圧着し、常温で30分間放置した。その後、引張試験機(型式:オートグラフAGS−J、島津製作所製)を用い、引張速度0.3m/分で180°剥離した際の剥離強度を測定し、その剥離強度を粘着力とした。
<透過率>
染料退色は粘着剤主剤と架橋剤が反応していない状態の方が顕著であるため、得られた粘着シートを養生せずに50mm×50mmに裁断した後、ガラス板に貼付し、未処理のもの、温度60℃相対湿度90%の環境下で250時間処理したもの、温度80℃の環境下で250時間処理したものについて、自記分光光度計(型式:U−3500、日立製作所製)を用い、波長590nmの光の透過率を測定した。
過酸化物系重合開始剤を用いて重合され、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールが添加されたアクリル重合体を含む粘着剤層を備える実施例1の粘着シートでは、高温環境下または湿熱環境下にて処理した後に、僅かに波長590nmの光の吸収性の変化が見られたが、実用上問題のないものであった。これらはPDPに適用した際に長期間使用しても、ディスプレイの色調変化を防止できる。これに対し、過酸化物系重合開始剤を用いて重合され、表1に示すような酸化剤が添加されたアクリル重合体を含む粘着剤層を備えた比較例1〜6の光学用粘着シートでは、高温環境下および湿熱環境下で処理した場合には、波長590nmの光の吸収性が大きく低下した。これらはPDPに適用した際に、長期間使用するとオレンジ色のネオン光が透過しやすくなるため、ディスプレイの色調変化を防止できない。
また、実施例1と比較例7の比較では、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールの添加にかかわらず、同等の粘着性を示すことがわかった。
また、実施例1と比較例7の比較では、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールの添加にかかわらず、同等の粘着性を示すことがわかった。
Claims (5)
- アクリル重合体と、波長560〜620nmの範囲に極大吸収波長を有する染料とを含有する光学用粘着剤であって、アクリル重合体が、過酸化物系重合開始剤を用いてアクリル単量体が重合されたものであり、且つクレゾール骨格を有するヒンダードフェノール化合物を含有することを特徴とする光学用粘着剤。
- 前記クレゾール骨格を有するヒンダードフェノール化合物が4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールである請求項1に記載の光学用粘着剤。
- 前記染料が、下記一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン系染料である請求項1又は2に記載の光学用粘着剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の光学用粘着剤から形成された粘着剤層を備えることを特徴とする光学用粘着シート。
- プラズマディスプレイパネルの前面に配置され、請求項1〜3の光学用粘着剤から形成された粘着剤層を備えることを特徴とする光学フィルタ。
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2007
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