JP2009007179A - ガラス繊維用集束剤、ガラス繊維、ガラス繊維の製造方法及びガラス繊維強化熱可塑性樹脂 - Google Patents

ガラス繊維用集束剤、ガラス繊維、ガラス繊維の製造方法及びガラス繊維強化熱可塑性樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂の弱点を克服し、その機械的な性能をより一層向上させることを可能とするガラス繊維強化熱可塑性樹脂と、これに使用されるガラス繊維、さらにガラス繊維に使用されるガラス繊維用集束剤、これを使用するガラス繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のガラス繊維用集束剤は、皮膜形成剤、アルデヒド捕捉剤及びシランカップリング剤を含有する。また本発明のガラス繊維は、上記本発明のガラス繊維用集束剤により表面処理されたガラス繊維であって、チョップドストランドに付着したガラス繊維用集束剤の質量が表面処理を行っていないガラス繊維の質量に対する付着率が、質量百分率表示で0.1%から5.0%の範囲内にある。また本発明のガラス繊維の製造方法は、ブッシングより連続的に引き出したガラスフィラメントの表面に、上記本発明のガラス繊維用集束剤を塗布する。さらに本発明のガラス繊維強化熱可塑性樹脂は、補強材として上記本発明のガラス繊維チョップドストランドを用いたものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス繊維用集束剤と、このガラス繊維用集束剤によって表面処理されたガラス繊維、このガラス繊維用集束剤をガラスフィラメント表面に塗布するガラス繊維の製造方法及びこのガラス繊維を熱可塑性樹脂の補強材に用いたガラス繊維強化熱可塑性樹脂に関する。
ガラス繊維は、様々な用途で使用されているが、一般に次のような工程で製造されている。まず熔融ガラスを白金製のブッシングの底部に設けられた多数のノズルから引き出すことによってガラスフィラメントが形成され、この各ガラスフィラメントの表面にロールコート法などによってガラス繊維用集束剤が塗布された後、数十から数千本束ねられて1本のガラス繊維ストランドとされ、ケーキと呼ばれる回巻体となるように巻き取られる。次いで、ケーキに巻き取られたガラス繊維ストランドは、利用目的に応じてさらなる加工が施される。例えばケーキから解除されたガラス繊維ストランドは、所定の長さに切断して乾燥処理を行いガラスチョップドストランドとし、それを熱可塑性樹脂と混練してガラス繊維強化熱可塑性樹脂(FRTP)が作製される。あるいはケーキに巻き取られたガラス繊維ストランドに乾燥処理を行い複数本のガラス繊維ストランドを合糸してガラス繊維ロービングとし、それに未硬化の熱硬化性樹脂を含浸後、硬化させてガラス繊維強化熱硬化性樹脂(FRP)が作製される場合もある。このような工程で使用されているガラス繊維用集束剤は、ガラス繊維表面とマトリックス樹脂との接着性や、ガラス繊維に樹脂を含浸する工程等での作業性を考慮して、各種の機能を付与するための薬剤を併用することが行われている。またガラス繊維強化熱可塑性樹脂は、成型性が高く軽量化が可能であること等から、金属部品の代替材料としても用いられている。
このため、バランスの取れた機械特性を有するエンジニアリングプラスチックの分野において、自動車やOA機器等多方面で使用される熱可塑性樹脂に関しては、多くの発明が行われており、その補強に使用されるガラス繊維やガラス繊維の表面を被覆するガラス繊維用の集束剤についても様々な発明が行われてきている。例えば特許文献1には、マトリックス樹脂がポリアセタール樹脂である場合のガラス繊維強化熱可塑性樹脂の機械強度を高める目的で、ポリアクリル酸、ハロゲン化アンモニウム、ポリウレタン樹脂、及びアミノシラン系カップリング剤等を用いたガラス繊維用集束剤が開示されている。また特許文献2には、集束性に優れ、ポリアセタール樹脂に対し強い補強効果をもたらすガラス繊維束を与えるガラス繊維用集束剤とこの集束剤を用いたポリアセタール樹脂補強用ガラス繊維束として、被膜形成成分、カップリング剤、潤滑剤そしてpHを3〜6.5に調整するためのpH調整剤としての亜リン酸を含むポリアセタール樹脂補強用ガラス繊維集束剤とこの集束剤を使用したガラス繊維束が開示されている。さらに、特許文献3には、機械的強度、耐熱エージング性および耐加水分解性に優れたポリアセタール樹脂組成物とその成形品として、ポリアセタール樹脂100重量部に対してガラス繊維5〜60重量部及び水溶性メラミンホルムアルデヒド付加物0.2〜5重量部を配合してなるものが開示されている。
特開平6−93546号公報 特開2000−335942号公報 特開2005−126457号公報
これまで行われてきた発明は、上述した特許文献に開示されているように、熱可塑性樹脂の長所をさらに伸ばそうとするものや、さらに新たな用途、機能を付与しようとするものが多い。例えば特許文献1については、ポリアクリル酸等を用いたガラス繊維用集束剤を塗布したガラス繊維を用いて成形したガラス繊維強化熱可塑性樹脂は、集束剤に含まれるポリアクリル酸がマトリックスとなるポリアセタール樹脂を分解して分子鎖の末端数が増し、末端基と集束剤成分との結合が進むためガラス繊維とポリアセタール樹脂の界面における接着性が高くなり機械物性が向上するというものである。
しかしながら、このような熱可塑性樹脂にも弱点がある。例えば特許文献に記述されたポリアセタール樹脂は、熱可塑性樹脂の1つであるが、この樹脂の大きな弱点の一つに複合材料を成形する途中、あるいは成形された後であっても、ポリアセタール樹脂の分解によりホルムアルデヒド等のガスが成形時あるいは成形品から発生しやすいといった問題を有している。発生したこれらのガスは人間や環境に悪影響を与え、環境負荷を高めるものであるため、ポリアセタール樹脂とガラス繊維による複合材料の生産面で不利に働くものとなる。さらに、発生したガスは、ガラス繊維と樹脂の界面での結合を妨げ、ガラス繊維による補強効果を最大限に発揮することができないと言う問題も生じる。そして、これまで開示された発明は、機械的な強度に注目することはあっても、ホルムアルデヒド等の有害ガスの発生量を低減するという点については、機械的強度を高めつつ十分に対処できるというものは見いだされておらず、このような困難な問題を解決することは、複合材料に関わる技術者の中でも待たれていた技術の一つであった。
本発明は、係る状況に鑑み行われたものであり、熱可塑性樹脂の最大の弱点を克服するとともに、その機械的な性能をより一層向上させることを可能とするガラス繊維強化熱可塑性樹脂と、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂に使用されるガラス繊維、さらにガラス繊維に使用されるガラス繊維用集束剤、そしてガラス繊維用集束剤を使用するガラス繊維の製造方法の提供を課題とする。
すなわち、本発明のガラス繊維用集束剤は、アルデヒド捕捉剤、皮膜形成剤及びシランカップリング剤を含有することを特徴とする。
本発明で、アルデヒド捕捉剤、皮膜形成剤及びシランカップリング剤を含有するとは、本発明のガラス繊維用集束剤は、その必須成分として、ガラス表面に被膜を形成する機能を有する皮膜形成剤、そしてホルムアルデヒド等のガスを捕捉する性能を有するアルデヒド捕捉剤、さらにガラスを構成する珪素と易結合性を有する基と樹脂等の有機物と易結合性を有する基をもつシランカップリング剤の以上の3種類の成分を少なくとも併せもつものであることを表している。
本発明者は、化学的性能や電気的性能に加えて耐疲労性等の機械的性能についても優れた性質を有し、エンジニアリングプラスチックとして、OA機器や自動車用部材等として利用されるポリアセタール樹脂の性能を向上させるために、使用されるガラス繊維について研究を重ねた。そこで、他の樹脂に対して使用された場合程の補強効果が得にくいとされるポリアセタール樹脂の強度を確実に向上させることが可能で、しかもシックハウス症候群等の原因ともされ、PRTR制度の第一種に該当するホルムアルデヒド等の有害なガスの発生を抑制あるいは捕捉する成分をガラス繊維用集束剤に含有させることによって、チョップドストランドとマトリックス樹脂における界面での結合を強固にすることができ、加えてガスの発生が極めて小さいガラス繊維強化ポリアセタール成形品を作製できることを見出した。さらにガラス繊維用集束剤中に含有させるホルムアルデヒド等のガスの発生を抑制あるいは捕捉する成分として、ヒドラジン誘導体、アゾール系化合物、ビニルアミド等のアルデヒド捕捉剤が特に高い性能を発揮する有効なものであることを見出し、本発明を提案するものである。
アルデヒド捕捉剤は、元来ポリアセタール樹脂あるいはポリアセタール樹脂複合材料中のホルムアルデヒド等のガス発生過程、あるいは成形品表面から外部へ拡散する過程で捕捉するという観点から使用されてはいたが、アルデヒド捕捉剤をポリアセタール樹脂中に均一に分散させるためには、多量のアルデヒド捕捉剤を樹脂改質剤として樹脂調整時に添加するか、またはポリアセタール樹脂の成形品に直接捕捉剤を塗布する必要があった。すなわち成形品に高い性能を発揮させようとする場合、アルデヒド捕捉剤を効率的に使用することができないという問題があった。
複合材料に使用されたガラスチョップドストランド等のガラス繊維は、複合材料中で極めて均一な状態に分散分布しているが、アルデヒド捕捉剤がガラス繊維表面のみに結合、固定された状態となるように限定的に使用されるのであれば、複合材料におけるマトリックス樹脂から発生するホルムアルデヒド等の有害ガスのほぼ全てを捕捉することは困難である。一方本発明で提示するようにガラス繊維用集束剤に含有させた状態でアルデヒド捕捉剤を使用すると、従来行われてきたようにポリアセタール樹脂の改質剤として使用する量よりも極めて少量のアルデヒド捕捉剤を使用するだけで次のような効果が実現できる。それは極めて少量であってもアルデヒド捕捉剤の捕捉能が十分に発揮されるとようになるという効果、さらにポリアセタール樹脂とガラス繊維の複合材の機械強度が向上するといった効果の2つである。このような優れた効果が実現されるのは、ガラス繊維を使用してポリアセタール樹脂を成形する過程でガラス繊維が極めて良好にマトリックス樹脂中に分散し、さらにガラス繊維表面にそれまでは結合、固定されていたアルデヒド捕捉剤が、複合材料を成形する過程でガラス繊維表面からマトリックス樹脂中へ離脱し、さらにマトリックス樹脂中へと拡散していくことになるため、ホルムアルデヒド等の有害ガスの発生点となるポリマー末端部等に効果的かつ効率的にアルデヒド捕捉剤が配置されるようになるためである。
本発明に係るアルデヒド捕捉剤については、ガラス繊維強化樹脂成形品からのホルムアルデヒド等のガスの発生を抑制あるいは捕捉するものである。例えばヒドラジン、コハク酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、カルボジヒドラジド等のヒドラジン誘導体、2−エチルイミダゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾイミダゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール等のアゾール系化合物、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシトリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシトリアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシルトリアジン等のトリアジン誘導体、尿素、チオ尿素、メラミン、ビニルアミド、ジシアンジアミド、ベンゾグアナミン等の分子内にアミノ基、アミド基、イミノ基等を有する化合物、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の亜硫酸塩または重亜硫酸塩等が挙げられる。これらは単独または2種類以上を併用して使用することができ、エマルジョンやディスパージョン等の水分散状にして用いることが好ましく、水に容易に溶けるものが好適に使用される。そのようなものとしてアジピン酸ジヒドラジドを水に溶解したものが例示される。これらのなかで本発明ではヒドラジン誘導体、アゾール系化合物、ビニルアミド等を用いるとガラス繊維強化熱可塑性樹脂の機械強度が向上するため好ましく、特にビニルアミドを用いるのが好ましい。
また本発明に係る皮膜形成剤については、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、あるいはエポキシ樹脂等を単独または2種類以上を併用して使用することができる。これらの樹脂の中でも、ガラス繊維の集束性を一層向上させるという観点から、皮膜形成剤としてウレタン樹脂を含むことが好ましい。
皮膜形成剤としてウレタン樹脂を使用する場合、ウレタン樹脂はガラス繊維強化樹脂の機械的強度を向上する働きやチョップドストランドの集束性を高める働きをすることになる。ウレタン樹脂については、イソシアネート化合物、ポリオール化合物、更に必要に応じて、鎖伸長剤や架橋剤とから形成されるものを適宜使用することができ、エマルジョンやディスパージョン等の水分散状にして用いることが好ましい。
イソシアネート化合物としては、例えばテトラメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型三量体、テトラメチレンジイソシアネートのアダクト型三量体、テトラメチレンジイソシアネートのビウレット型三量体、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型三量体、ヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト型三量体、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型三量体、イソホロンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート型三量体、イソホロンジイソシアネートアダクト型三量体、イソホロンジイソシアネートのビウレット型三量体、ビス−イソシアネート−シクロヘキサン、ビス−イソシアネート−シクロヘキサンのイソシアヌレート型三量体、ビス−イソシアネート−シクロヘキサンのアダクト型三量体、ビス−イソシアネート−シクロヘキサンのビウレット型三量体、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートのイソシアヌレート型三量体、ジフェニルメタンジイソシアネートのアダクト型三量体、ジフェニルメタンジイソシアネートのビウレット型三量体、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネートのイソシアヌレート型三量体、水添ジフェニルメタンジイソシアネートのアダクト型三量体、水添ジフェニルメタンジイソシアネートのビウレット型三量体、トリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート型三量体、トリレンジイソシアネートのアダクト型三量体、トリレンジイソシアネートのビウレット型三量体、キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート型三量体、キシリレンジイソシアネートのアダクト型三量体、キシリレンジイソシアネートのビウレット型三量体、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート型三量体、テトラメチルキシリレンジイソシアネートのアダクト型三量体、テトラメチルキシリレンジイソシアネートのビュウレット型三量体、および、テトラメチレンジイソシアネートがポリマー化したポリテトラメチレンジイソシアネートからなる群より選ばれた1種類以上の分子内に複数個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物が使用可能である。
またポリオール化合物としては、例えばグリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールオクタン、ペンタエリスリトール、ブチレングリコール、ペンチルグリコール、1,6‐ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2,4−トリメチル−1,3‐ペンタンジオール、ジメチロールプロピオン酸、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリペンタジエンポリオール、ポリエステルオリゴマー、ポリエーテルオリゴマー、エポキシオリゴマー、および、アクリルオリゴマーからなる群より選ばれた1種類以上の水酸基を分子内に複数個有するポリオールが使用可能である。
この内、ポリエステルオリゴマーとしては、例えばアジピン酸、セバシン酸、コハク酸、ヘキサヒドロフタル酸、ハイミック酸、1,2,5−ヘキサトリカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロへキサンジカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、および、トリメリット酸からなる群より選ばれた1種類以上のカルボキシル基を分子内に複数個有する化合物と、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールへキサン、トリメチロールへプタン、トリメチロールオクタン、ペンタエリスリトール、ブチレングリコール、1,5‐ペンタンジオール、1,6‐ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2,4‐トリメチル‐1,3‐ペンタンジオール、ジメチロールプロピオン酸、および、ソルビトールからなる群より選ばれた1種類以上の水酸基を分子内に複数個有するポリオールとの縮重合物が使用可能である。
また、ポリエーテルオリゴマーとしては、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールオクタン、ペンタエリスリトール、ブチレングリコール、1,5‐ペンタンジオール、1,6‐ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2,4‐トリメチル‐1,3‐ペンタンジオール、および、1,12‐ヒドロキシステアリルアルコールからなる群より選ばれた1種類以上の水酸基を分子内に複数個有する化合物と、エチレンオキサイド、および、プロピレンオキサイドからなる群より選ばれた1種類以上のアルキレンオキサイドとを反応させて得られるポリエーテルポリオールが使用可能である。
さらにエポキシオリゴマーとしては、分子内に2個以上の水酸基を有する低分子量のエポキシ樹脂が使用可能であり、例えばノボラック型エポキシ樹脂、β‐メチルエピクロロヒドリン型エポキシ樹脂、環状オキシラン型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリコシルエステル型エポキシ樹脂、および、アミノグリシジル型エポキシ樹脂からなる群より選ばれた1種類以上のエポキシオリゴマーが使用可能である。
またアクリルオリゴマーとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、および、トリメチロールプロパンからなる群より選ばれた1種類以上のポリオールと、アクリル酸、および、メタクリル酸からなる群より選ばれた1種類以上のカルボン酸とが縮重合したエステル化合物の付加重合物が使用可能である。
また本発明に係るシランカップリング剤については、チョップドストランドとマトリックス樹脂の界面の結合を高めるものであり、皮膜形成剤やアルデヒド捕捉剤と併用することで、ガラス繊維強化樹脂成形品の機械強度を相乗的に向上させることができるものである。本発明に使用できるシランカップリング剤としては、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−N’−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランのようなアミノシラン類や、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4 −エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランのようなエポキシシラン類、γ−クロロプロピルトリメトキシシランのようなクロルシラン類、γ−メルカプトトリメトキシシランのようなメルカプトシラン、ビニルメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランのようなビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランのようなアクリルシラン類等があり、これらから1つ以上選ばれたものが好ましい。
また本発明のガラス繊維用集束剤は、上述に加えJIS K0067(1992)に従う皮膜形成剤の蒸発残分100質量部に対するアルデヒド捕捉剤の蒸発残分が、1.0質量部から100.0質量部の範囲にあるならば、アルデヒド捕捉剤の性能を一層発揮させることが可能となる。
ここで、JIS K0067(1992)に従う皮膜形成剤の蒸発残分100質量部に対するアルデヒド捕捉剤の蒸発残分が、1.0質量部から100.0質量部の範囲にあるとは、アルデヒド捕捉剤の蒸発残分と被膜形成剤の蒸発残分について、1992年発行の日本工業規格、JIS K0067「化学製品の減量及び残分試験方法」に従い、試料を熱板上で加熱して蒸発させて恒量となった残分の質量を0.1mgまで、適性に校正された計量機で計測することによって得ることができた値を比較し、皮膜形成剤の蒸発残分100質量部に対して、アルデヒド捕捉剤の蒸発残分が1.0質量部から100.0質量部の範囲にあることを表している。
また本発明のガラス繊維用集束剤は、上述に加えガラス繊維用集束剤の質量に対するJIS K0067(1992)に従う皮膜形成剤の蒸発残分が1.0質量%から20.0質量%の範囲内、好ましくは2.0質量%から10.0質量%の範囲内であれば、チョップドストランドが毛羽だったりすることなく適性に集束させることになるので好ましい。皮膜形成剤の蒸発残分が1.0質量%より小さいとチョップドストランドの集束性が不充分なものとなり、また、20.0質量%を超えても集束性のより一層の向上はさほど得られず、アルデヒド捕捉剤によるホルムアルデヒド等のガスの発生を抑制あるいは捕捉するといった効果を抑制することになる場合もあるため好ましくない。
さらに本発明のガラス繊維用集束剤は、上述に加えガラス繊維用集束剤の質量に対するJIS K0067(1992)に従うアルデヒド捕捉剤の蒸発残分が0.01質量%から20.0質量%の範囲内、好ましくは0.02質量%から10.0質量%の範囲内であることにより、充分なアルデヒドの捕捉性を実現できる。アルデヒド捕捉剤の蒸発残分が0.01質量%より小さいとホルムアルデヒド等のガスの発生を抑制あるいは捕捉効果が不十分なものとなり、また、10.0質量%を超えてもホルムアルデヒド等のガスの発生を抑制あるいは捕捉効果の向上はさほど得られず、経済性およびチョップドストランドの集束性が悪化する懸念があるため好ましくない。
ここで、本発明でアルデヒド捕捉剤が、ホルムアルデヒド等のガスの発生を抑制しているかどうかについて具体的に調査するには、例えばギヤーオーブン(Geer type aging tester;強制循環式加熱老化試験機、またはギヤー式老化試験機ともいう)等の加熱設備を使用して本発明のガラス繊維用集束剤を使用したチョップドストランドを用いて形成されたガラス繊維補強熱可塑性樹脂を一定時間処理することによって、加熱前後の質量を計測し、加熱前の質量を分母、加熱後の減少質量を分子として割り算することにより算出して加熱減量とし、その値を比較することができるものである。後述する実施例でも示すが、加熱減量を求める際の加熱条件としては、例えばガラス繊維補強熱可塑性樹脂3gを200℃、5時間、空気雰囲気中で処理する条件で比較すると、ホルムアルデヒド等のガスの発生量がどの程度であるかを比較するのが容易である。
また本発明のガラス繊維用集束剤は、上述に加えガラス繊維用集束剤の質量に対するJIS K0067(1992)に従うシランカップリング剤の蒸発残分が0.01質量%から5.0質量%の範囲内、好ましくは0.1質量%から3.0質量%の範囲内であれば、ガラス繊維と樹脂の結合を充分に高い状態とすることが可能である。シランカップリング剤の蒸発残分が0.01質量%より小さいと、チョップドストランドとマトリックス樹脂間の界面結合を高める効果が得られにくく、また、5.0質量%を超えてもチョップドストランドとマトリックス樹脂間の界面結合はすでに十分に高く、しかも含有量を上げただけのそれ以上の向上は見込めず、省資源の観点から好ましくない。
また本発明のガラス繊維用集束剤は、上述に加えアルデヒド捕捉剤がビニルアミドを含有するものであれば、熱可塑性樹脂の補強用途で使用されるガラス繊維の集束剤として本発明のガラス繊維用集束剤を使用することによって熱可塑性樹脂の機械的性能を一層向上させることが可能となるので好ましい。
本発明で、アルデヒド捕捉剤がビニルアミドを含有するものであるとは、ガラス繊維用集束剤に含有させるアルデヒド捕捉剤中にビニルアミドが含まれたものとすることを表している。
本発明のガラス繊維用集束剤は、アルデヒド捕捉剤、皮膜形成剤及びシランカップリング剤を必須成分としており、集束剤や使用されるガラス繊維、あるいは使用される樹脂材の性能を損なわない程度に、酢酸ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂等、動植物油あるいはパラフィンワックス等を水溶化した潤滑剤や、帯電防止剤、乳化剤、レベリング剤あるいは架橋剤等を必要に応じて適量添加することができる。
本発明のガラス繊維は、請求項1から請求項3の何れかに記載の本発明のガラス繊維用集束剤により表面処理されたガラス繊維であって、ガラス繊維に付着したガラス繊維用集束剤の質量が表面処理を行っていないガラス繊維の質量に対し、質量百分率表示で0.1%から5.0%の範囲内にあることを特徴とする。
ここで、上記本発明のガラス繊維用集束剤により表面処理されたガラス繊維であって、ガラス繊維に付着したガラス繊維用集束剤の質量が表面処理を行っていないガラス繊維の質量に対する付着率が、質量百分率表示で0.1%から5.0%の範囲内にあるとは、前記したJIS K0067(1992)に従って計測したアルデヒド捕捉剤、皮膜形成剤、及びシランカップリング剤を含有することを特徴とするガラス繊維用集束剤により表面処理されたガラス繊維であって、そのガラス繊維用集束剤の蒸発残分の付着率が質量百分率表示で0.1%から5.0%の範囲内にあることを表している。
また本発明のガラス繊維は、上述したように表面処理を行っていないガラス繊維の質量に対しガラス繊維用集束剤のJIS K0067(1992)に従う蒸発残分の質量の付着量が0.1質量%から5.0質量%の範囲内となることが好ましく、0.3質量%から2.0質量%の範囲内であるとさらに好ましい。付着量が0.1質量%よりも少ないと、ガラス繊維の結束力が弱くなって毛羽が発生しやすく、また機械的強度の向上効果が小さい。一方、付着量が5.0質量%より多くしても、ガラス繊維の毛羽の抑制やガラス繊維強化樹脂の機械強度の向上は期待できず、経済性や省資源の観点から好ましくない。また本発明のガラス繊維の具体的な好ましい態様としては、例えばガラスチョップドストランドとすることである。
本発明のガラス繊維の製造方法は、ブッシングより連続的に引き出したガラスフィラメントの表面に、請求項1から請求項3の何れかに記載の本発明のガラス繊維用集束剤を塗布することを特徴とする。
ここでブッシングより連続的に引き出したガラスフィラメントの表面に、上記本発明のガラス繊維用集束剤を塗布するとは、ブッシングに配設した耐熱性ノズルから連続的に引き出して紡糸する際に、アルデヒド捕捉剤、皮膜形成剤及びシランカップリング剤を含有することを特徴とするガラス繊維用集束剤をガラスフィラメントの表面に塗布することによって、ガラス繊維を製造することを表している。
ガラスフィラメントの表面にガラス繊維用集束剤を塗布する方法については、ガラス繊維に確実に塗布することができ、ガラス繊維が本発明の性能を発揮できるものとすることができる方法であれば、どのような方法で塗布するものであってもよい。例えば、アプリケータを使用するものであっても、繊維表面に噴霧する設備を使用するものであってもよい。
またガラスフィラメントを引き出す速度や冷却速度、さらにブッシングから一度に引き出されるガラスフィラメントの本数、ガラスフィラメントの直径等の各種条件についても、本発明に相応しい性能を十分に発揮することができるものであれば特段の限定は行わなくてもよい。
本発明におけるガラス繊維用集束剤を表面処理するガラス繊維のガラス組成は特に制限はなく、従来既知のEガラス、Dガラス、Sガラス、Cガラス、HガラスあるいはARガラス等いずれも良好に使用できるが、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂の機械強度を向上させるためには、アルカリ金属元素のガラス組成中の含有率が低いEガラスであることがより好ましい。
本発明のガラス繊維は、ポリアセタールの補強用として用いるのが最も好ましいが、ポリアセタール樹脂以外にも、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等のポリエステル樹脂や、6‐ナイロン樹脂、6,6‐ナイロン等のポリアミド樹脂や、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂や、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂として使用してもよい。
本発明のガラス繊維強化熱可塑性樹脂は、補強材として請求項4に記載の本発明のガラス繊維を用いたことを特徴とする。
ここで、補強材として上記本発明のガラス繊維を用いたとは、熱可塑性樹脂の補強材として、アルデヒド捕捉剤、皮膜形成剤、及びシランカップリング剤を含有することを特徴とするガラス繊維用集束剤により表面処理されたガラス繊維であって、ガラス繊維に付着したガラス繊維用集束剤の質量が表面処理を行っていないガラス繊維の質量に対し付着率が、質量百分率表示で0.1%から5.0%の範囲内にあるガラス繊維を用いたものであることを表している。また、熱可塑性樹脂とは加熱することにより軟化変形する樹脂であることを意味しているおり、前記したようにガラス繊維としては、ガラスチョップドストランドとするのが好ましいのは言うまでもない。
ガラス繊維強化樹脂におけるガラス繊維の含有量は、ガラス繊維強化樹脂の全量に対して5質量%から75質量%の範囲内であることが好ましく、10質量%から70質量%の範囲内であるとさらに好ましい。ガラス繊維の含有量が5質量%よりも少ないとガラス繊維の補強効果が乏しく機械強度が向上しにくく、75質量%よりも多いとガラス繊維の間に十分に樹脂が含浸しないため機械強度が向上しにくいためである。
また本発明のガラス繊維強化熱可塑性樹脂は、上述に加え熱可塑性樹脂がポリアセタール樹脂であるならば、各種用途で使用されているポリアセタール樹脂の性能を益々高めることとなり、より多様な応用製品への展開を可能とするものとできる。
ここで加え熱可塑性樹脂がポリアセタール樹脂であるとは、加熱することにより軟化変形する熱可塑性樹脂として、単位構造にオキシメチレン(−CH2O−)構造をもち、後述するようなホモポリマーやコポリマーの形態をとる樹脂であることを意味している。
ポリアセタール樹脂としては、ホルムアルデヒド、またはその3量体であるトリオキサンや4量体であるテトラオキサンなどの環状オリゴマーを重合したホモポリマー、ホルムアルデヒドまたはその3量体であるトリオキサンや4量体であるテトラオキサンと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,3−ジオキソラン等とを共重合させて得られたコポリマーや、さらに分岐状分子鎖を有するもの、オキシメチレン単位からなるセグメント50重量%以上と異種セグメント50重量%以下とを含有するオキシメチレンブロックポリマー等を用いることができる。
本発明のガラス繊維強化熱可塑性樹脂は、必要に応じて様々用途に使用してよい。例えば電子機器関連用途では、電子機器ハウジング材、ギアテープリール、各種収納ケース、光部品用パッケージ、電子部品用パッケージ、スイッチボックス、絶縁支持体などがあり、車載関連用途では、車体屋根材(ルーフ材)、窓枠材、車体フロント、カーボディ、ランプハウス、エアスポイラー、フェンダーグリル、タンクトロリー、ベンチレーター、水タンク、汚物タンク、座席、ノーズコーン、フェンダーグリル、カーテン、フィルター、エアコンダクト、マフラーフィルター、ダッシュパネル、ファンブレード、ラジエータータイヤ、タイミングベルトなどがあり、航空機関連用途ではエンジンカバー、エアダクト、シートフレーム、コンテナ、カーテン、内装材、サービストレイ、タイヤ、防振材、タイミングベルトなどがあり、造船、陸運海運関連用途ではモーターボート、ヨット、漁船、ドーム、ブイ、海上コンテナ、フローター、タンク、信号機、道路標識、カーブミラー、コンテナ、パレット、ガードレール、照明灯カバー、火花保護シートなどがあり、農業関連用途ではビニールハウス、サイロタンク、スプレーノズル、支柱、ライニング、土壌改良剤などがあり、建設・土木・建材関連ではバスタブ、バストイレユニット、便槽、浄化槽、水タンク、内装パネル、カプセル、バルブ、ノブ、壁補強材、プレキャストコンクリートボード、平板、波板、テント、シャッター、外装パネル、サッシ、配管パイプ、貯水池、プール、道路、構造物側壁、コンクリート型枠、ターポリン、防水ライニング、養生シート、防虫網などがあり、工業施設関連用途では、バグフィルター、下水道パイプ、浄水関連装置、防振コンクリート補強材(GRC)、貯水槽、ベルト、薬品槽、反応槽、容器、ファン、ダクト、耐蝕ライニング、バルブ、冷蔵庫、トレー、冷凍庫、トラフ、機器部品、電動機カバー、絶縁ワイヤ、変圧器絶縁、ケーブルコード、作業服、カーテン、蒸発パネル、機器ハウジングなどがあり、レジャースポーツ関連用途では、釣竿、スキー、アーチェリー、ゴルフクラブ、プール、カヌー、サーフボード、カメラ筐体、ヘルメット、衝撃保護防具、植木鉢、表示ボードなどがあり、日用品関連用途では、テーブル、椅子、ベッド、ベンチ、マネキン、ゴミ箱、携帯端末保護材などがある。
(1)以上のように、本発明のガラス繊維用集束剤は、アルデヒド捕捉剤、皮膜形成剤及びシランカップリング剤を含有するものであるため、ポリアセタールのような熱可塑性樹脂とともに使用することによって、樹脂の性能を一層高めて優れた機械的性能を発揮させ、さらに加えてホルムアルデヒド等の人体に有害なガスの発生についても抑制することが可能となるものである。すなわち、ガラス繊維集束剤中のアルデヒド捕捉剤が、発生したホルムアルデヒド等のガスと反応しこれを固定することで、大気中へ拡散することを抑制するとともに、アルデヒド捕捉剤が分解したポリアセタール樹脂の末端付近から発生するホルムアルデヒド等のガスを固定することになり、シランカップリング剤や皮膜形成剤等によるガラス繊維とポリアセタール樹脂の界面結合が効率的に進行するためである。
(2)また本発明のガラス繊維用集束剤は、JIS K0067(1992)に従う皮膜形成剤の蒸発残分100質量部に対するアルデヒド捕捉剤の蒸発残分が、1.0質量部から100.0質量部の範囲にあるものであれば、優れた引張強度、曲げ強度等の複合材の機械的特性が得られるとともに、ホルムアルデヒド等のガスの発生が極めて小さいガラス繊維強化熱可塑性樹脂を作製することができ、さらにポリアセタールを使用して複合材料を製造する場合にも製造環境をガス発生等により劣化させる危険性をも少なくすることができる。
(3)さらに本発明のガラス繊維用集束剤は、アルデヒド捕捉剤がビニルアミドを含有するものであれば、熱可塑性樹脂の補強用途で使用されるガラス繊維の集束剤として本発明のガラス繊維用集束剤を使用することによって熱可塑性樹脂の機械的性能を一層向上させることが可能となるので、熱可塑性樹脂の機械的な耐久性を高め、一層高い性能を実現することが可能となる。
(4)本発明のガラス繊維は、上記本発明のガラス繊維用集束剤により表面処理されたガラス繊維であって、ガラス繊維に付着したガラス繊維用集束剤の質量が表面処理を行っていないガラス繊維の質量に対して付着率が、質量百分率表示で0.1%から5.0%の範囲内にあるため、大量に集束剤を使用せずとも高い性能を発揮させることが可能であり、経済的にも省資源の観点からも効率的なものとなる。
(5)本発明のガラス繊維の製造方法は、ブッシングより連続的に引き出したガラスフィラメントの表面に、上記本発明のガラス繊維用集束剤を塗布するものであるため、従来行われてきた製造方法を採用することによって、蓄積された各種のガラス繊維の製造技術を適用することによって高い効率を有するガラス繊維の製造が実現可能となる。
(6)本発明のガラス繊維強化熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂の補強材として上記本発明のガラス繊維を用いたものであるため、環境問題などの原因ともなる毒性のあるガス発生の危険性の低い、安定した品位を有するガラス繊維強化熱可塑性樹脂である。
(7)また本発明のガラス繊維強化熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂がポリアセタール樹脂であれば、高い安定性に加えて、優れた機械的な性能を発揮するものであるので、様々な用途で利用することが可能となるものである。
以下、実施例に基づき、本発明のガラス繊維用集束剤とガラス繊維、及びその製造方法さらに本発明のガラス繊維として、チョップドストランドを使用したガラス繊維強化熱可塑性樹脂について詳細に説明する。
本発明の実施例である試料No.1から試料No.4、および比較例である試料No.101から試料No.103のそれぞれについて、ガラス繊維及びガラス繊維強化樹脂成形品について、表1にその評価結果をまとめ、以下詳細に説明する。
なお、表1には、ガラス繊維用集束剤の質量に対するアルデヒド捕捉剤の蒸発残分の質量の割合A、皮膜形成剤の蒸発残分の質量の割合H、シランカップリング剤の蒸発残分の質量の割合S、さらに表皮膜形成剤の蒸発残分の質量の割合Hに対するアルデヒド捕捉剤の蒸発残分の質量の割合Aの比率を示し、さらに常態の引張強度、すなわちガラス繊維強化樹脂成形品を成形した後に何も特段の処理は行わない初期状態での室温、常圧環境下における引張強度、熱水浸漬後すなわち80℃の熱水に24時間浸漬後の引張強度、及び加熱減量について上記の項目について評価を行った結果を示している。表中で、常態の引張強度、及び熱水浸漬後の引張強度については、ASTM D638に準拠した計測によるものである。また、加熱減量については、前述したようにホルムアルデヒド等のガスの発生量がどの程度であるかを比較するために有効なものであって、ガラス繊維チョップドストランドとポリアセタール樹脂を練り込んだペレット3gを計量し、アルミホイルで作製した容器内に保持してギヤーオーブン中にて200℃で5時間、空気雰囲気中で加熱処理を行い、その際にこの加熱操作の前後の加熱処理試料の質量を計測しておくことで得られる。加熱減量の算出は、加熱前の質量を分母、加熱後の減少質量を分子として割り算することにより算出したものである。この加熱減量を評価することによって、ホルムアルデヒド等のガスの発生量がどの程度の量であるかを比較することができる。
まず試料No.1について、本発明のガラス繊維用集束剤を使用して得られるガラス繊維、さらにガラス繊維強化熱可塑性樹脂の製造について順番に説明する。ガラス繊維用集束剤については、本発明の必須となる3成分として、皮膜形成剤についてはポリエーテル系無黄変ウレタン樹脂エマルジョン(大日本インキ化学工業株式会社製 CP−7030)を蒸発残分で5.2質量%、アルデヒド捕捉剤としてビニルアミド系化合物を含有するFCS−20(三木理研工業株式会社製)を蒸発残分で0.6質量%、シランカップリング剤についてはγ‐アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製 KBM−903)を蒸発残分で0.6質量%となるように混合し、脱イオン水を加えてガラス繊維用集束剤を作製した。ここで蒸発残分については、前記したようにJIS K0067「化学製品の減量及び残分試験方法」に従って計測することによって得られるもので、具体的には試料を熱板上で加熱して蒸発させて恒量となった残分の質量を0.1mgまで、適性に校正された計量機で計測することによって得ることができる値である。
次いで、このガラス繊維用集束剤をブッシングから引き出したEガラス組成を有するガラス繊維のフィラメントの表面にアプリケータを使用して塗布し、直径13μmのEガラスフィラメントを2000本束ねてガラス繊維ストランドとし、紙管に巻き取ってケーキを製造した。そして、このケーキからガラス繊維ストランドを解舒しながら切断装置を使用して3mm長に切断し、その後乾燥することによってガラスチョップドストランドを得た。なお、表面処理を行っていないガラス繊維の質量に対してガラス繊維用集束剤の付着量は0.7質量%であった。これはガラスチョップドストランドを20g量り取り、アルミナ製のるつぼに入れ、マッフル炉(いすゞ製作所製 ETR−28K)で620℃で1時間加熱処理することでチョップドストランド表面に付着していた不揮発成分を焼却し、加熱処理前後のガラスチョップドストランドの質量から計算した。
作製したガラスチョップドストランドとポリアセタール樹脂(ポリプラスチックス株式会社製 ジュラコンM90−44)とを210℃に加熱しながら混練し、ペレタイザーによりペレット化した後、このペレットを210℃で射出成形することによってガラス繊維強化熱可塑性樹脂からなる略板状のFRTP成形品を作製した。なお、FRTP成形品におけるガラス繊維含有量は25質量%であった。
まず試料No.1について、FRTP成形品に関しての常態での引張強度、熱水浸漬後の引張強度について、それぞれ上述した方法に従って計測したところ、常態で140MPa、熱水浸漬後でも106MPaという高い値となっていることが判明した。また加熱減量については0.31%であった。ちなみに引張強度の測定には、校正された株式会社島津製作所製の強度試験装置を使用した。
次に実施例である試料No.2については、本発明のガラス繊維用集束剤の調整時に皮膜形成剤としてウレタン樹脂の蒸発残分を5.5質量%、アルデヒド捕捉剤の蒸発残分を0.3質量%、シランカップリング剤の蒸発残分を0.7質量%となるように調整したものを準備した点以外の手順については、試料No.1と同様の手順によって、本発明のガラス繊維のストランドを得、さらにそれを試料No.1と同様の寸法となるように切断してガラスチョップドストランドとした。なお表面処理を行っていないガラス繊維の質量に対してガラス繊維用集束剤の付着量は0.7質量%であった。そしてさらに試料No.1と同様にポリアセタール樹脂を使用してFRTP成形品を作製した。
試料No.2についても、試料No.1と同様にFRTP成形品についての常態での引張強度と熱水浸漬後の引張強度の計測を行ったところ、常態が140MPa、熱水浸漬後が106MPaで試料No.1と同様に高い値となった。また加熱減量は、0.35%であった。
さらに実施例である試料No.3に関しては、本発明のガラス繊維用集束剤の調整時にアルデヒド捕捉剤としてヒドラジン誘導体を含有するH6000HS(大塚化学株式会社製)を使用した以外は、試料No.1と同様の手順に従って、本発明のガラス繊維のストランドとし、さらにそれを試料No.1と同様に切断してガラスチョップドストランドとした。なお表面処理を行っていないガラス繊維の質量に対してガラス繊維用集束剤の付着量は0.7質量%であった。そしてこのガラスチョップドストランドとポリアセタール樹脂とから、FRTP成形品を作製した。
試料No.3に関しても、他の試料と同様にFRTP成型品について、その引張強度の評価を行ったところ、常態での引張強度は139MPa、熱水浸漬後の引張強度は103MPaと高い値になり、加熱減量は、0.35%であった。
実施例である試料No.4については、本発明のガラス繊維用集束剤の調整を行う際にアルデヒド捕捉剤としてアゾール系化合物を含有するT−8400(大塚化学株式会社製)を用いた点以外については、試料No.1と同様の手順で作業を行い、ガラス繊維用集束材を調整した。そしてさらに試料No.1と同様の手順を経て本発明のガラスチョップドストランドを得、次いでこのガラスチョップドストランドを使用して試料No.1と同様にFRTP製品を製造した。なお表面処理を行っていないガラス繊維の質量に対してガラス繊維用集束剤の付着量は0.7質量%であった。
試料No.4のFRTP成型品についての引張強度の評価は、他の実施例と同様の手順で行い、常態での引張強度は139MPa、熱水浸漬後の引張強度は104MPaと高い値になり、加熱減量は、0.35%であった。
次いで本発明の比較例として、実施例と同様の評価を実施した。まず比較例である試料No.101は、ガラス繊維用集束剤の調整時にアルデヒド捕捉剤をまったく含有させなかった点を除いては、試料No.1と同様の手順でガラス繊維用集束剤を得た。さらにこのガラス繊維用集束剤を実施例と同様にEガラス組成を有するストランドの表面に塗布して切断を行い、ガラスチョップドストランドとした。なお、表面処理を行っていないガラス繊維の質量に対するガラス繊維用集束剤の付着量は0.7%と同じ条件となるように、ガラス繊維用集束剤の蒸発残分濃度を10質量%増加させてガラス繊維用集束剤を塗布にした。そして実施例同様に、このガラスチョップドストランドとポリアセタール樹脂を使用してFRTP成型品を得た。
比較例である試料No.101についても、FRTP成型品の引張強度の評価は、実施例と同様の手順、仕様で実施した。その結果、常態での引張強度は136MPaで、熱水浸漬後の引張強度は100MPaとなり実施例より劣る結果となった。また加熱減量の計測値は0.40%であった。
比較例である試料No.102に関しては、ガラス繊維用集束剤の調整時に皮膜形成剤のウレタン樹脂を使用しなかった点を除けば、試料No.1と同様の手順でガラス繊維用集束剤を得た。そしてこのガラス繊維用集束剤を実施例同様にEガラス組成のストランド表面に塗布して、切断加工を経て、ガラスチョップドストランドを得た。なお、表面処理を行っていないガラス繊維の質量に対するガラス繊維用集束剤の付着量が0.7%と同じ条件となるように、ガラス繊維用集束剤の蒸発残分の濃度を430質量%増加させてガラス繊維用集束剤を塗布した。そして他の実施例試料や比較例試料と同様に、ガラスチョップドストランドとポリアセタール樹脂を使用してFRTP成型品を作製した。
比較例である試料No102に関してのFRTP成型品の引張強度の評価は、実施例と同様の手順で実施した。こうして得られた結果は、常態での引張強度が87MPa、熱水浸漬後の引張強度が61MPaとなり、実施例より大幅に低い結果となった。また加熱減量の計測値は、0.30%であった。
さらに比較例である試料No.103については、ガラス繊維用集束剤の調整時にシランカップリング剤を使用しないという点を除き、試料No.1と同様の手順でガラス繊維用集束剤を得た。そしてこのガラス繊維用集束剤を実施例と同様にしてEガラス組成のストランド表面に塗布して、切断加工を経て、ガラスチョップドストランドを作製した。なお、表面処理を行っていないガラス繊維の質量に対するガラス繊維用集束剤の付着量は0.7%と同じ条件となるように、ガラス繊維用集束剤の蒸発残分濃度を10質量%増加させてガラス繊維用集束剤を塗布にした。こうして実施例と同様に、このガラスチョップドストランドとポリアセタール樹脂を使用してFRTP成型品を得た。
比較例である試料No.103について、そのFRTP成型品の引張強度の評価は、実施例と同様の手順で実施した。こうして得られた結果は、常態での引張強度が120MPa、熱水浸漬後の引張強度が60MPaとなり、実施例より低い結果となった。また加熱減量の計測値は、0.40%であった。
以上の評価結果をまとめると、実施例の試料No.1から試料No.4については、常態での引張強度が139〜140MPa、熱水浸漬後の引張強度が103〜106MPaと十分に高い値であり、しかも加熱減量が0.31〜0.35質量%と低いことが判明した。よって本発明の実施例によれば、本発明のガラス繊維強化熱可塑性樹は、優れた機械的性能を有し、しかもホルムアルデヒド等のガスの発生量が少ないものである。一方比較例である試料No.101から試料No.103については、いずれも本発明の実施例より劣る結果となった。まずガラス繊維用集束剤にアルデヒド捕捉剤を用いていない試料No.101は、加熱減量が0.40%であり、ホルムアルデヒド等のガスの発生が多く、ウレタン樹脂を用いていない試料No.102、およびシランカップリング剤を用いていない試料No.103のガラス繊維強化熱可塑性樹脂の成形品は、いずれも機械強度が劣るものであった。
こうして、本発明のアルデヒド捕捉剤、皮膜形成剤及びシランカップリング剤を含有するガラス繊維用集束剤を使用することによって、ブッシングより連続的に引き出したガラスストランドの表面処理を行い、その際のチョップドストランドに付着したガラス繊維用集束剤の質量が表面処理を行っていないガラス繊維の質量に対する付着率が、質量百分率表示で0.1%から5.0%の範囲内にある本発明のガラス繊維チョップドストランドであれば、ポリアセタール樹脂のような熱可塑性樹脂の補強材として使用することによって、ホルムアルデヒドのようなガスの発生を抑え、しかも高い機械的強度を実現することができる本発明のガラス繊維強化熱可塑性樹脂とできることが明瞭となった。
ちなみに、ここではアルデヒド捕捉剤としてアゾール系化合物、ヒドラジン誘導体、ビニルアミドを使用する場合について示したが、それ以外にトリアジン誘導体についても同様の効果を確認している。また皮膜形成剤については、ウレタン樹脂以外にアクリル樹脂やエポキシ樹脂を使用してもよく、シランカップリング剤も上述した様々なものを適用できる。

Claims (7)

  1. アルデヒド捕捉剤、皮膜形成剤及びシランカップリング剤を含有することを特徴とするガラス繊維用集束剤。
  2. JIS K0067(1992)に従う皮膜形成剤の蒸発残分100質量部に対するアルデヒド捕捉剤の蒸発残分が、1.0質量部から100.0質量部の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のガラス繊維用集束剤。
  3. アルデヒド捕捉剤がビニルアミドを含有するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガラス繊維用集束剤。
  4. 請求項1から請求項3の何れかに記載のガラス繊維用集束剤により表面処理されたガラス繊維であって、
    ガラス繊維に付着したガラス繊維用集束剤の質量が表面処理を行っていないガラス繊維の質量に対し、質量百分率表示で0.1%から5.0%の範囲内にあることを特徴とするガラス繊維。
  5. ブッシングより連続的に引き出したガラスフィラメントの表面に、請求項1から請求項3の何れかに記載のガラス繊維用集束剤を塗布することを特徴とするガラス繊維の製造方法。
  6. 補強材として請求項4に記載のガラス繊維を用いたことを特徴とするガラス繊維強化熱可塑性樹脂。
  7. 熱可塑性樹脂がポリアセタール樹脂であることを特徴とする請求項6に記載のガラス繊維強化熱可塑性樹脂。
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