JP2009006363A - 線材冷却装置及びそれを用いた線材製造装置、並びに線材冷却方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱間圧延後に巻き取られて形成されるリング状線材を、ステルモア冷却工程上において線材全体に対して均一に冷却熱処理を施すことができ、優れた靱性及び延性を有し、高減面の伸線加工性に優れた高炭素線材を製造することが可能な線材冷却装置及びそれを用いた線材製造装置を提供する。
【解決手段】連続したコイルリング状に形成されてなるリング状線材50を搬送しつつ冷却する線材冷却装置1であり、少なくとも、リング状線材50の各リング部51が各々間隙を有するように支持して搬送する搬送部2と、リング状線材50に対して冷却風を衝風する送風部3とが備えられてなる。
【選択図】図1
【解決手段】連続したコイルリング状に形成されてなるリング状線材50を搬送しつつ冷却する線材冷却装置1であり、少なくとも、リング状線材50の各リング部51が各々間隙を有するように支持して搬送する搬送部2と、リング状線材50に対して冷却風を衝風する送風部3とが備えられてなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、高減面の伸線加工性に優れた高炭素線材の製造工程において、熱間圧延後に巻き取られて形成されるリング状線材を冷却するための冷却装置に関し、特に、ステルモア冷却工程上において、リング状線材を均一に冷却するための線材冷却装置及びそれを用いた線材製造装置、並びに線材冷却方法に関する。
従来、線材の製造工程においては、鋼材が熱間圧延等によって線状に圧延された後、レイングヘッドによって巻き取られることによって連続した非同心のリング状(即ち、ルーズコイル状)に形成され、このリング状線材が、レイングヘッドからコンベア上に連続的に搬出される。そして、図11(a)に示すように、リング状線材100は、各リング部101が重ねられた重畳状態とされ、コンベア200上で搬送されつつ衝風や水冷等の手段で冷却されることにより、所定の金属組織が得られるという、所謂、ステルモア冷却と呼ばれる方法並びに装置が採用されている。このような、ステルモア冷却による冷却熱処理を施すことにより、線材の組織がオーステナイト組織から微細なパーライト組織に変態した線材を得ることができる。
上述のような、リング状線材に対してステルモア冷却を行なうことで冷却熱処理を施し、所定の金属組織を有する線材を製造する方法として、例えば、リング状の線材をコンベア上に載置して搬送しつつ冷却するに際し、冷却段階を複数に分け、一つの冷却段階を終了後、搬送方向を90°変更して次の冷却段階に移る冷却方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、熱間圧延されたリング状線材を第1搬送速度により搬送する第1コンベアと、該第1コンベアの下流側に配置され前記リング状線材を第1搬送速度より遅い第2搬送速度により搬送する第2コンベアと、該第2コンベアの上部空間を覆う徐冷カバーと、該徐冷カバーの内面上部に設けられた加熱ヒータとを備えた冷却装置が提案されている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、特許文献1に記載の方法や、特許文献2に記載の装置を用いて、リング状線材のステルモア冷却を行なった場合、コンベア上においてリング状線材の各リング部が重なり合って重畳状態となる。この際、図11(b)に示すような、リング状線材100の各リング部101同士の重なり領域101aが不可避的に生じ、この領域には冷却風や冷却水等が充分に供給されないため、冷却熱処理が不均一な状態となる。さらに、線材100の一部が、例えば、チェーンコンベア等からなるコンベア200上に常に接触するので、この接触領域101bにも、上記同様、冷却風や冷却水等が充分に供給されず、冷却熱処理が不均一となる。
上述のような、熱間圧延処理後の冷却工程において不均一な冷却熱処理が施された線材は、金属組織が均一なパーライト組織とならず、線材長手方向に沿って不均一な状態となるため、延性や靱性が部分的に不均一となり、加工性や強度に劣る線材となる虞がある。
上述のような、熱間圧延処理後の冷却工程において不均一な冷却熱処理が施された線材は、金属組織が均一なパーライト組織とならず、線材長手方向に沿って不均一な状態となるため、延性や靱性が部分的に不均一となり、加工性や強度に劣る線材となる虞がある。
また、さらに、特許文献1及び2では、リング状線材が効率良く冷却されないので、このリング状線材を搬送させつつ冷却する搬送距離が長大化し、装置が大型化してしまうという問題がある。
ここで、上述のようなステルモア冷却工程におけるリング状線材の重なりを防止するため、リング状線材を搬送するコンベヤと、リング状線材の両側に配置され、線材を案内する螺旋状の案内溝を有する竪ロールとからなる構成とされた線材冷却装置が提案されている(例えば、特許文献3)。
特許文献3に記載の冷却装置によれば、リング状線材の各リング部が、竪ロールに形成された案内溝にガイドされ、コンベア上において傾斜した状態となり、各々のリング部間に隙間ができるので、上述した図11(b)に示すような重なり領域(図11(b)の符号101a参照)が生じるのを防止できる。
特許文献3に記載の冷却装置によれば、リング状線材の各リング部が、竪ロールに形成された案内溝にガイドされ、コンベア上において傾斜した状態となり、各々のリング部間に隙間ができるので、上述した図11(b)に示すような重なり領域(図11(b)の符号101a参照)が生じるのを防止できる。
しかしながら、特許文献3に記載の線材冷却装置を用いた場合でも、上述したような特許文献1及び2と同様、リング状線材がコンベア上に常に接触しながら搬送されるので、この際の接触領域には冷却風や冷却水等が充分に供給されず、冷却熱処理が不均一となり、金属組織が不均一になり易いという問題があった。
特開平10−310825号公報
特開2003−136122号公報
特開昭56−25932号公報
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、熱間圧延後に巻き取られて形成されるリング状線材を、ステルモア冷却工程上において線材全体に対して均一に冷却熱処理を施すことができ、優れた靱性及び延性を有し、高減面の伸線加工性に優れた高炭素線材を製造することが可能な線材冷却装置及びそれを用いた線材製造装置、並びに線材冷却方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、連続したコイル状に形成されたコイル状線材の冷却熱処理を行なう線材冷却装置において、コイル状線材を搬送させつつ冷却するための搬送部に関し、コイル状線材を吊持しながら搬送、冷却する構成とすることにより、線材に対して均一に冷却熱処理を施すことができ、均一な金属組織とすることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
即ち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
[1] 連続したコイルリング状に形成されてなるリング状線材を搬送しつつ冷却する線材冷却装置であって、少なくとも、前記リング状線材の各リング部が各々間隙を有するように支持して搬送する搬送部と、前記リング状線材に対して冷却風を衝風する送風部と、が備えられてなることを特徴とする線材冷却装置。
[2] 前記搬送部は、少なくとも、前記リング状線材の個々のリング部の上部を吊持する複数の支持具が設けられ、該支持具を搬送することによって前記リング状線材を搬送させる吊持搬送機構が備えられてなることを特徴とする[1]に記載の線材冷却装置。
[3] 前記吊持搬送機構には、前記支持具として、前記リング状線材の個々のリング部の上部を吊持するための複数のフック部材が備えられていることを特徴とする[2]に記載の線材冷却装置。
[4] 前記搬送部は、さらに、前記吊持搬送機構に吊持された前記リング状線材を、該リング状線材の略下方及び/又は略側方から保持する補助搬送機構が備えられてなることを特徴とする[2]又は[3]に記載の線材冷却装置。
[5] 前記吊持搬送機構には、前記リング状線材を保持するための複数の受け部が備えられていることを特徴とする[4]に記載の線材冷却装置。
[6] 前記搬送部は、前記吊持搬送機構が複数備えられるとともに、該複数の吊持搬送機構よりも下方に、前記補助搬送機構が複数備えられてなることを特徴とする[4]又は[5]に記載の線材冷却装置。
[2] 前記搬送部は、少なくとも、前記リング状線材の個々のリング部の上部を吊持する複数の支持具が設けられ、該支持具を搬送することによって前記リング状線材を搬送させる吊持搬送機構が備えられてなることを特徴とする[1]に記載の線材冷却装置。
[3] 前記吊持搬送機構には、前記支持具として、前記リング状線材の個々のリング部の上部を吊持するための複数のフック部材が備えられていることを特徴とする[2]に記載の線材冷却装置。
[4] 前記搬送部は、さらに、前記吊持搬送機構に吊持された前記リング状線材を、該リング状線材の略下方及び/又は略側方から保持する補助搬送機構が備えられてなることを特徴とする[2]又は[3]に記載の線材冷却装置。
[5] 前記吊持搬送機構には、前記リング状線材を保持するための複数の受け部が備えられていることを特徴とする[4]に記載の線材冷却装置。
[6] 前記搬送部は、前記吊持搬送機構が複数備えられるとともに、該複数の吊持搬送機構よりも下方に、前記補助搬送機構が複数備えられてなることを特徴とする[4]又は[5]に記載の線材冷却装置。
[7] さらに、前記リング状線材及び前記搬送部を覆うように冷却用空間を形成するカバー部が備えられるとともに、該カバー部に複数のスリットが形成されており、前記送風部は、前記カバー部に覆われた前記リング状線材に対し、前記スリットを介して冷却風を衝風することを特徴とする[1]〜[6]の何れかに記載の線材冷却装置。
[8] さらに、前記送風部によって前記リング状線材に衝風された冷却風を、前記カバー部によって形成された冷却用空間から、前記スリットを介して外部に排気する排気部が備えられていることを特徴とする[7]に記載の線材冷却装置。
[9] 前記カバー部の内面が、前記リング状線材の搬送方向と同軸方向の円筒状に形成されており、前記冷却用空間が円筒状の空間とされていることを特徴とする[7]又は[8]に記載の線材冷却装置。
[8] さらに、前記送風部によって前記リング状線材に衝風された冷却風を、前記カバー部によって形成された冷却用空間から、前記スリットを介して外部に排気する排気部が備えられていることを特徴とする[7]に記載の線材冷却装置。
[9] 前記カバー部の内面が、前記リング状線材の搬送方向と同軸方向の円筒状に形成されており、前記冷却用空間が円筒状の空間とされていることを特徴とする[7]又は[8]に記載の線材冷却装置。
[10] 熱間圧延後に巻き取られ、連続したコイルリング状に形成されてなるリング状線材を、800℃以上900℃以下の範囲の温度で前記冷却用空間に搬入して取り込み、前記リング状線材を、前記搬送部によって前記冷却用空間を搬送させつつ、前記送風部からの衝風で500℃以上800℃未満の範囲の温度に冷却し、前記冷却用空間から外部に搬出する構成とされていることを特徴とする[7]〜[9]の何れかに記載の線材冷却装置。
[11] 第1の線材冷却装置として上記[1]〜[10]の何れかに記載の線材冷却装置が備えられ、さらに、前記第1の線材冷却装置から搬出されるリング状線材を重畳状態として、前記第1の線材冷却装置における冷却温度よりも低い温度に冷却する第2の線材冷却装置が備えられてなることを特徴とする線材製造装置。
[12] 上記[1]〜[10]の何れかに記載の線材冷却装置を用い、連続したコイルリング状に形成されてなるリング状線材を搬送しつつ冷却する線材冷却方法であって、熱間圧延後に巻き取られ、連続したコイルリング状に形成されてなるリング状線材を、
800℃以上900℃以下の範囲の温度で冷却用空間に搬入して取り込み、前記リング状線材の各リング部が各々間隙を有するように前記冷却用空間内を搬送させつつ、冷却風を衝風することによって500℃以上800℃未満の範囲の温度に冷却し、前記冷却用空間から外部に搬出することを特徴とする線材冷却方法。
[11] 第1の線材冷却装置として上記[1]〜[10]の何れかに記載の線材冷却装置が備えられ、さらに、前記第1の線材冷却装置から搬出されるリング状線材を重畳状態として、前記第1の線材冷却装置における冷却温度よりも低い温度に冷却する第2の線材冷却装置が備えられてなることを特徴とする線材製造装置。
[12] 上記[1]〜[10]の何れかに記載の線材冷却装置を用い、連続したコイルリング状に形成されてなるリング状線材を搬送しつつ冷却する線材冷却方法であって、熱間圧延後に巻き取られ、連続したコイルリング状に形成されてなるリング状線材を、
800℃以上900℃以下の範囲の温度で冷却用空間に搬入して取り込み、前記リング状線材の各リング部が各々間隙を有するように前記冷却用空間内を搬送させつつ、冷却風を衝風することによって500℃以上800℃未満の範囲の温度に冷却し、前記冷却用空間から外部に搬出することを特徴とする線材冷却方法。
本発明の線材冷却装置によれば、連続したコイルリング状に形成されてなるリング状線材を搬送しつつ冷却する線材冷却装置であって、少なくとも、リング状線材の各リング部が各々間隙を有するように支持して搬送する搬送部と、リング状線材に対して冷却風を衝風する送風部とが備えられた構成なので、リング状線材の各リング部が重なり合うことなく所定の間隙を有した状態で搬送することができ、また、リング状線材がコンベア等に広い領域で接触することが無い。
これにより、熱間圧延後に巻き取られて形成されるリング状線材を、ステルモア冷却工程上において線材全体に対して均一に効率良く冷却熱処理を施すことができ、線材の金属組織を、オーステナイト組織から微細なパーライト組織に均一に変態させることが可能となる。また、上記構成により、線材全体を効率良く冷却できるので、リング状線材を搬送させつつ冷却する搬送距離を短縮することができ、装置全体の小型化が可能となる。
従って、靱性及び延性に優れ、高減面の伸線加工性に優れた高炭素線材を、安価な構成で得ることが可能となる。
これにより、熱間圧延後に巻き取られて形成されるリング状線材を、ステルモア冷却工程上において線材全体に対して均一に効率良く冷却熱処理を施すことができ、線材の金属組織を、オーステナイト組織から微細なパーライト組織に均一に変態させることが可能となる。また、上記構成により、線材全体を効率良く冷却できるので、リング状線材を搬送させつつ冷却する搬送距離を短縮することができ、装置全体の小型化が可能となる。
従って、靱性及び延性に優れ、高減面の伸線加工性に優れた高炭素線材を、安価な構成で得ることが可能となる。
以下、本発明に係る線材冷却装置及びそれを用いた線材製造装置、並びに線材冷却方法の実施の形態の一例について、図1〜10を適宜参照しながら詳細に説明する。
なお、この実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために詳細に説明するものであるから、特に指定の無い限り、本発明を限定するものではない。
なお、この実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために詳細に説明するものであるから、特に指定の無い限り、本発明を限定するものではない。
本発明に係る線材冷却装置は、高減面の伸線加工性に優れる高炭素線材を製造するための製造工程において、熱間圧延によって線状に圧延された鋼材がレイングヘッドで巻き取られることにより、連続した非同心のリング状に形成されたリング状線材をステルモア冷却熱処理する際に用いられるものである。即ち、レイングヘッドから連続的に供給されるルーズコイル状のリング状線材を、搬送部で吊持して後述の冷却用空間内を搬送させつつ冷却することにより、線材全体を高効率で均一に冷却することができるので、リング状線材の金属組織を、オーステナイト組織から、均一で微細なパーライト組織に変態させることを可能にするものである。
[線材製造装置]
図1に、本実施形態の線材冷却装置1が備えられる線材製造装置の概要を示す。
図1に示す例の線材製造装置6は、鋼材を加熱する加熱炉61と、該加熱炉61で加熱された鋼材に対して各種圧延処理を施し、最終的に仕上圧延処理を施して線材5とする圧延機62と、最終圧延処理された線材5を所定の温度に冷却する冷却器63と、冷却後の線材5を巻き取り、連続したリング状に形成してリング状線材50とするレイングヘッド(巻取装置)64とが備えられている。そして、レイングヘッド64から連続的に供給されるリング状線材50が、以下に詳細を詳述する線材冷却装置1に搬入されることにより、均一な冷却熱処理が施されるというものである。
図1に、本実施形態の線材冷却装置1が備えられる線材製造装置の概要を示す。
図1に示す例の線材製造装置6は、鋼材を加熱する加熱炉61と、該加熱炉61で加熱された鋼材に対して各種圧延処理を施し、最終的に仕上圧延処理を施して線材5とする圧延機62と、最終圧延処理された線材5を所定の温度に冷却する冷却器63と、冷却後の線材5を巻き取り、連続したリング状に形成してリング状線材50とするレイングヘッド(巻取装置)64とが備えられている。そして、レイングヘッド64から連続的に供給されるリング状線材50が、以下に詳細を詳述する線材冷却装置1に搬入されることにより、均一な冷却熱処理が施されるというものである。
[線材冷却装置]
本実施形態の線材冷却装置は、連続したコイルリング状に形成されてなるリング状線材50を搬送しつつ冷却する線材冷却装置1であって、少なくとも、リング状線材50の各リング部51が各々間隙を有するように支持して搬送する搬送部2と、リング状線材50に対して冷却風を衝風する送風部3とが備えられ、概略構成されている。
本実施形態の線材冷却装置は、連続したコイルリング状に形成されてなるリング状線材50を搬送しつつ冷却する線材冷却装置1であって、少なくとも、リング状線材50の各リング部51が各々間隙を有するように支持して搬送する搬送部2と、リング状線材50に対して冷却風を衝風する送風部3とが備えられ、概略構成されている。
また、図2に示す例の線材冷却装置1は、搬送部2が、リング状線材50を吊持して搬送する吊持チェーン(吊持搬送機構)20と、吊持チェーン20に吊持されたリング状線材50を保持する保持チェーン(補助搬送機構)25とから構成されている。また、図示例の線材冷却装置1は、さらに、リング状線材50及び搬送部2を覆うように冷却用空間8を形成するカバー部7が備えられている。
本実施形態の線材冷却装置1によってステルモア冷却熱処理が施されるリング状線材50は、上述したように、高炭素鋼材が熱間圧延等によって線状に圧延された後、内部の詳細な図示を省略するレイングヘッド64によって巻き取られ、連続した非同心のリング状、即ち、ルーズコイル状に形成された線材である。このような、ステルモア冷却熱処理が施される直前のリング状線材50は、金属組織がオーステナイト組織とされている。
搬送部2は、図2及び図3に示すように、少なくとも、リング状線材50を吊持して搬送する吊持チェーン20を備えてなり、図示例では、さらに、吊持チェーン20に吊持されたリング状線材50を、該リング状線材50の略下方及び略側方から保持する保持チェーン25が備えられた構成とされている。
吊持チェーン20は、図3に示すように、回転軸21、22間に張設されたチェーン23上に、複数のフック部材(支持具)24が略均等のピッチで設けられてなる。
回転軸21、22は、例えば、スプロケット等、張設されるチェーン23を同期駆動できる部材からなり、モーター等からなる図示略の駆動手段によって何れか一方が回転することにより、フック部材24が取り付けられたチェーン23を、リング状線材50の搬送方向(図3のR1方向)へ向けて回動させる。この際の回動(搬送)速度は、駆動手段の回転数等によって適宜制御することができる。
チェーン23としては、従来公知の金属製チェーンを用いることができ、上述の回転軸21、22に用いられるスプロケットと同期するピッチのものを用いれば良い。
フック部材24は、上述したように、チェーン23上に略均等ピッチで取り付けられ、フック24aが備えられているとともに、フック24aと反対側がチェーン23への取付部24bとされており、ねじ止め等の手段によってチェーン23に取り付けられる。
回転軸21、22は、例えば、スプロケット等、張設されるチェーン23を同期駆動できる部材からなり、モーター等からなる図示略の駆動手段によって何れか一方が回転することにより、フック部材24が取り付けられたチェーン23を、リング状線材50の搬送方向(図3のR1方向)へ向けて回動させる。この際の回動(搬送)速度は、駆動手段の回転数等によって適宜制御することができる。
チェーン23としては、従来公知の金属製チェーンを用いることができ、上述の回転軸21、22に用いられるスプロケットと同期するピッチのものを用いれば良い。
フック部材24は、上述したように、チェーン23上に略均等ピッチで取り付けられ、フック24aが備えられているとともに、フック24aと反対側がチェーン23への取付部24bとされており、ねじ止め等の手段によってチェーン23に取り付けられる。
上述のように構成される吊持チェーン20は、レイングヘッド64(図2参照)から供給されるリング状線材50の各々のリング部51が、複数のフック部材24のフック部24aに引っ掛けられるように各々吊持され、搬送される。
なお、吊持チェーン20は、吊持搬送されるリング状線材50が重量の大きなものなので、各構成の強度等を考慮しながら、材質や固定方法等の選定を行うことが好ましい。
なお、吊持チェーン20は、吊持搬送されるリング状線材50が重量の大きなものなので、各構成の強度等を考慮しながら、材質や固定方法等の選定を行うことが好ましい。
保持チェーン25は、上記吊持チェーン20と同様、スプロケット等からなる回転軸26、27間にチェーン28が張設されてなり、チェーン28上には、複数の受け部29が略均等ピッチで取り付けられている。また、回転軸26、27の何れか一方が図示略の駆動手段によって回転することにより、受け部29が取り付けられたチェーン28を、リング状線材50の搬送方向(図3のR2方向)へ向けて回動させる。
保持チェーン25は、上記吊持チェーン20に吊持されたリング状線材50を、該リング状線材50の略下方及び/又は略側方から受け部29によって保持しながら搬送するものである。
保持チェーン25は、上記吊持チェーン20に吊持されたリング状線材50を、該リング状線材50の略下方及び/又は略側方から受け部29によって保持しながら搬送するものである。
なお、搬送部2は、図4の破断図に示す例のように、上記吊持チェーン20及び保持チェーン25が複数備えられるとともに、複数の吊持チェーン20よりも下方に、保持チェーン25が複数備えられてなる構成とすることが好ましい。図示例では、吊持チェーン20が、中心Wよりも上方において3箇所に備えられ、同様に、保持チェーン25が、上記中心Wよりも下方において3箇所に備えられ、これら吊持チェーン20及び保持チェーン25によって、ルーズコイル状のリング状線材50を、その搬送方向に平行に取り囲むように配されている。
また、吊持チェーン20のチェーン23上におけるフック部材24間のピッチP1、並びに保持チェーン25のチェーン28上における受け部29間のピッチP2は、搬送するリング状線材50の線材径に応じ、各リング部51間に一定の間隙を有した状態となるように適宜設定することができる。例えば、線材径が5.5〜15mm程度の範囲である場合は、上記ピッチP1,P2を20mm程度とすれば、リング状線材50の各リング部51が接触するようなことが無いので好ましい。
上記構成とされた本実施形態の搬送部2は、レイングヘッド64から供給されるリング状線材50を、吊持チェーン20のフック部材24にリング部51の上部を引っ掛けるように吊持した状態で、チェーン23を図3に示すR1方向に回動させ、F方向に搬送する。また、同時に、リング状線材50の下部を、保持チェーン25の受け部29で保持した状態で、チェーン28を図3に示すR2方向に回動させることにより、リング状線材50を、各リング部51が所定の間隔を有した状態で、安定した姿勢でF方向に搬送する。
送風部3は、リング状線材50に対して冷却風を衝風し、冷却熱処理するためのものであり、ブロア31によって発生させた冷却風を衝風することにより、上記搬送部2によって搬送されるリング状線材50を搬送させつつ冷却する。
本実施形態の送風部3は、冷却風がブロア31から接続菅32を通じて衝風部33に送られ、該衝風部33からリング状線材50に向けて衝風するように構成されている。また、本例では、図4の破断図に示すように、衝風部33から噴出される冷却風が、詳細を後述するカバー部7のスリット71を介して、リング状線材50に衝風されるように構成されている。
本実施形態の送風部3は、冷却風がブロア31から接続菅32を通じて衝風部33に送られ、該衝風部33からリング状線材50に向けて衝風するように構成されている。また、本例では、図4の破断図に示すように、衝風部33から噴出される冷却風が、詳細を後述するカバー部7のスリット71を介して、リング状線材50に衝風されるように構成されている。
ブロア31は、モーターによってファンを駆動する、従来公知のものを何ら制限なく用いることができる。また、ブロア31による風量を調整するとともに、上記搬送部2によるリング状線材50の搬送速度を調整することにより、リング状線材50の冷却温度並びに冷却速度を適宜設定することができる。これにより、リング状線材50の金属組織を所望の組織に変態させることが可能となり、本実施形態では、800℃以上900℃以下の温度でオーステナイト組織とされたリング状線材50を500℃以上800℃未満の温度に冷却熱処理することにより、パーライト組織に変態させることができる。
接続菅32としては、樹脂又は金属等からなり、送風装置等において用いられる従来公知のパイプ等を何ら制限なく用いることができる。
接続菅32としては、樹脂又は金属等からなり、送風装置等において用いられる従来公知のパイプ等を何ら制限なく用いることができる。
衝風器33は、冷却風をリング状線材50に衝風する吹き出し部である。
本実施形態の衝風器33は、詳細を後述するカバー部7に取り付けられ、上述したように、該カバー部7に設けられたスリット71を介して冷却風をリング状線材50に衝風する。
本実施形態の衝風器33は、詳細を後述するカバー部7に取り付けられ、上述したように、該カバー部7に設けられたスリット71を介して冷却風をリング状線材50に衝風する。
カバー部7は、図2及び図4に示すように、リング状線材50及び搬送部2を覆うように設けられ、これらリング状線材50及び搬送部2が収容される内部空間が、冷却用空間8として形成される。図示例では、内面7bが半円筒状とされたカバー部7が上下方向に組み合わされることにより、組み合わされた各内面7bがリング状線材50の搬送方向と同軸方向の円筒状に形成され、これにより、冷却用空間8が円筒状の空間とされている。
カバー部7には、該カバー部7の外部と冷却用空間8との間を貫通する、複数のスリット71が設けられており、図4の破断図に示す例では、スリット71が、リング状線材50の搬送方向と平行に、上下の各4箇所で合計8箇所の位置に設けられている。また、図示例では、複数のスリット71の各々が、上記搬送部2を構成する吊持チェーン部20、又は保持チェーン25の何れかの間に配されている。また、上述したように、カバー部7の外面7aに、送風部3を構成する衝風器33が取り付けられており、カバー部7に覆われたリング状線材50に対し、スリット71を介して冷却風を衝風する構成とされている。
カバー部7の材質等の仕様としては、従来公知のものと同様とすることができる。
また、冷却用空間8におけるリング状線材50搬送方向の空間有効長Lは、カバー部7の長さ方向寸法によって決定されるが、この空間有効長Lは、リング状線材50の冷却温度や冷却速度を勘案しながら決定する必要がある。例えば、850℃の温度でリング状線材50を冷却用空間8に搬入し、650℃の温度に冷却して搬出する場合には、上記空間有効長Lを7m(7000mm)程度とすることができる。
また、冷却用空間8におけるリング状線材50搬送方向の空間有効長Lは、カバー部7の長さ方向寸法によって決定されるが、この空間有効長Lは、リング状線材50の冷却温度や冷却速度を勘案しながら決定する必要がある。例えば、850℃の温度でリング状線材50を冷却用空間8に搬入し、650℃の温度に冷却して搬出する場合には、上記空間有効長Lを7m(7000mm)程度とすることができる。
本実施形態の線材冷却装置1では、カバー部7によって形成される冷却用空間8内において、リング状線材50が、搬送部2によって搬送されつつ、送風部3によって冷却風がスリット71を介して衝風されることで冷却熱処理が行なわれる。これにより、リング状線材50に対して高効率で均一な冷却熱処理を施すことができ、冷却後のリング状線材50の金属組織を均一なパーライト組織とすることが可能となる。
本実施形態の線材冷却装置では、図2に示すように、さらに、送風部3によってリング状線材50に衝風された冷却風を、カバー部に覆われた冷却用空間8から、スリット71を介してカバー部7外部に排気する排気部4が備えられた構成としても良い。図示例の排気部4は、吸引ポンプ41と、一端側が吸引ポンプ41に連通して取り付けられる吸引管42と、該吸引管42の他端側が連通して設けられカバー部7の外面7aに取り付けられる吸引器43とから構成される。
本実施形態では、上述のような排気部4を備えた構成とすることにより、例えば、リング状線材50の熱によって加熱された冷却風を、冷却用空間8から外部に排出することができる。これにより、線材冷却装置を用いてリング状線材50の冷却熱処理を行なう際の冷却効率が向上するので、処理時間を短くすることができ、製造効率が向上する。また、送風部3のブロア31の送風能力を低く設定した場合であっても、効率良くリング状線材50を冷却することができるので、製造コスト及び装置コストの低減が可能となる。
また、リング状線材50への衝風により、該リング状線材50の表面において金属酸化物等からなるスケールが発生した場合であっても、リング状線材50表面に付着するか、又は冷却用空間8内を浮遊するスケールを効率良く集塵することができる。これにより、リング状線材50をより均一の冷却することが可能となり、線材の製造品質が向上する。
また、リング状線材50への衝風により、該リング状線材50の表面において金属酸化物等からなるスケールが発生した場合であっても、リング状線材50表面に付着するか、又は冷却用空間8内を浮遊するスケールを効率良く集塵することができる。これにより、リング状線材50をより均一の冷却することが可能となり、線材の製造品質が向上する。
(リング状線材冷却前及び冷却後の温度)
本実施形態の線材製造装置1では、高炭素鋼材が熱間圧延等によって線状に圧延された後、レイングヘッド64によって巻き取られ、連続したコイルリング状に形成されてなるリング状線材50を、800℃以上900℃以下の範囲の温度で冷却用空間8に搬入して取り込み、リング状線材50を、搬送部2によって冷却用空間8を搬送させつつ、送風部3からの衝風で500℃以上800℃未満の範囲の温度に冷却し、冷却用空間8から外部に搬出する構成とされていることが好ましい。
本実施形態の線材製造装置1では、高炭素鋼材が熱間圧延等によって線状に圧延された後、レイングヘッド64によって巻き取られ、連続したコイルリング状に形成されてなるリング状線材50を、800℃以上900℃以下の範囲の温度で冷却用空間8に搬入して取り込み、リング状線材50を、搬送部2によって冷却用空間8を搬送させつつ、送風部3からの衝風で500℃以上800℃未満の範囲の温度に冷却し、冷却用空間8から外部に搬出する構成とされていることが好ましい。
線材製造装置を上記構成とし、さらに、ステルモア冷却熱処理前、及び、冷却後のリング状線材50の温度を上記範囲に規定することにより、リング状線材50の金属組織を、オーステナイト組織から、均一で微細なパーライト組織へと変態させることができる。
リング状線材50を冷却用空間8に搬入する際の温度、つまり、冷却処理前の温度が800℃未満だと、冷却熱処理の前に変態が開始してしまい、所望の金属組織とならない。
また、リング状線材50を冷却用空間8に搬入する際の温度が900℃を超えると、未変態のまま冷却熱処理が終了してしまい、所望の金属組織とならない。
また、リング状線材50を冷却用空間8に搬入する際の温度は、概ね850℃程度とすることが最も好ましい。
リング状線材50を冷却用空間8に搬入する際の温度、つまり、冷却処理前の温度が800℃未満だと、冷却熱処理の前に変態が開始してしまい、所望の金属組織とならない。
また、リング状線材50を冷却用空間8に搬入する際の温度が900℃を超えると、未変態のまま冷却熱処理が終了してしまい、所望の金属組織とならない。
また、リング状線材50を冷却用空間8に搬入する際の温度は、概ね850℃程度とすることが最も好ましい。
また、リング状線材50を冷却用空間8から外部に搬出する際の温度が500℃未満だと、冷却速度が大きくなり過ぎ、所望の金属組織とならない。
また、リング状線材50を冷却用空間8から外部に搬出する際の温度、つまり、冷却熱処理後の温度が800℃以上だと、未変態のまま冷却熱処理が終了してしまい、所望の金属組織とならない。
また、リング状線材50を冷却用空間8から外部に搬出する際の温度は、概ね650℃程度とすることが最も好ましい。
また、リング状線材50を冷却用空間8から外部に搬出する際の温度、つまり、冷却熱処理後の温度が800℃以上だと、未変態のまま冷却熱処理が終了してしまい、所望の金属組織とならない。
また、リング状線材50を冷却用空間8から外部に搬出する際の温度は、概ね650℃程度とすることが最も好ましい。
(線材冷却方法)
上記構成とされた本実施形態の線材冷却装置1を用いて、リング状線材50のステルモア冷却熱処理を行なう線材冷却方法としては、例えば、熱間圧延後に巻き取られ、連続したコイルリング状に形成されてなるリング状線材50を、800℃以上900℃以下の範囲の温度で冷却用空間8に搬入して取り込み、リング状線材50の各リング部51が各々間隙を有するように冷却用空間8内を搬送させつつ、冷却風を衝風することによって500℃以上800℃未満の範囲の温度に冷却し、冷却用空間8から外部に搬出する方法とすることができる。
以下、図1に示す線材製造装置6を用いた場合を例に詳述する。
上記構成とされた本実施形態の線材冷却装置1を用いて、リング状線材50のステルモア冷却熱処理を行なう線材冷却方法としては、例えば、熱間圧延後に巻き取られ、連続したコイルリング状に形成されてなるリング状線材50を、800℃以上900℃以下の範囲の温度で冷却用空間8に搬入して取り込み、リング状線材50の各リング部51が各々間隙を有するように冷却用空間8内を搬送させつつ、冷却風を衝風することによって500℃以上800℃未満の範囲の温度に冷却し、冷却用空間8から外部に搬出する方法とすることができる。
以下、図1に示す線材製造装置6を用いた場合を例に詳述する。
まず、加熱炉61において鋼材を加熱した後、圧延機62において加熱された鋼材に各種圧延処理を施し、最終的に仕上圧延処理を施して線材5とする。次いで、線材5を冷却器63で所定温度に冷却した後、線材5をレイングヘッド64に導入することにより、連続したリング状に形成されてなるリング状線材50が得られる。
次いで、リング状線材50を上記所定温度とした状態で、図2〜4に示す本実施形態の線材冷却装置1に搬入する。この際、搬送部2の吊持チェーン20に備えられる複数のフック部材24に、リング状線材50の各リング部51が順次吊持されるとともに、リング状線材50の下部が、保持チェーン25に備えられる複数の受け部29によって順次保持される。そして、このような状態で、吊持チェーン20がR1方向に回動するとともに、保持チェーン25がR2方向に回動することにより、カバー部7によって形成される冷却用空間8に、入口71側からリング状線材50が順次搬入され、冷却熱処理が施される。そして、F方向に順次搬送されつつ冷却熱処理が施されたリング状線材50は、上記吊持チェーン20及び保持チェーン25の回動に伴い、出口72から冷却用空間8の外部へ順次搬出された後、出口コンベア9によって次工程へと搬送される。
本実施形態の線材冷却装置1は、吊持チェーン20と保持チェーン25とからなる搬送部2を備えた構成なので、上述のようなステルモア冷却熱処理を施す際、リング状線材50の各リング部51が重なり合うことなく所定の間隙を有した状態で搬送され、また、リング状線材50がコンベア等に広い領域で接触することが無い。この際、リング状線材50の上部は、フック部材24のフック部24aとの間で概ね点接触あるいは線接触とされ、また、リング状線材50の下部も、受け部29との間で概ね点接触あるいは線接触とされるので、リング状線材50が装置部材と接触することで熱影響を受けるのを抑制することができる。これにより、例えば、リング状線材50が部分的に冷却速度の遅い状態となることが抑制されるので、均一なステルモア冷却熱処理を施すことができる。従って、リング状線材50の金属組織を、オーステナイト組織から微細なパーライト組織に、均一に変態させることが可能となる。
(第1及び第2の線材冷却装置を備えた線材製造装置)
本実施形態の線材冷却装置1は、図6に示す例のように、線材冷却装置(第1の線材冷却装置)1が備えられ、さらに、この線材冷却装置1から搬出されるリング状線材50を重畳状態として、線材冷却装置における冷却温度、つまり500℃よりも低い温度、例えば100〜400℃に冷却する重畳冷却装置(第2の線材冷却装置)65が備えられた線材製造装置60を構成することができる。重畳冷却装置65は、コンベア65a上においてリング状線材50を重畳状態で搬送しつつ、送風部65bによってリング状線材50に冷却風を衝風する。
線材製造装置を、上述のような本実施形態の線材冷却装置1と重畳冷却装置65とが備えられた構成とすることにより、線材が変態終了するまでは線材冷却装置1によって均一な冷却熱処理を行ない、変態終了後は、設備コストが安価な重畳冷却装置65によって冷却熱処理を行なうことができるので、均質な線材を低コストで得ることが可能となる。
本実施形態の線材冷却装置1は、図6に示す例のように、線材冷却装置(第1の線材冷却装置)1が備えられ、さらに、この線材冷却装置1から搬出されるリング状線材50を重畳状態として、線材冷却装置における冷却温度、つまり500℃よりも低い温度、例えば100〜400℃に冷却する重畳冷却装置(第2の線材冷却装置)65が備えられた線材製造装置60を構成することができる。重畳冷却装置65は、コンベア65a上においてリング状線材50を重畳状態で搬送しつつ、送風部65bによってリング状線材50に冷却風を衝風する。
線材製造装置を、上述のような本実施形態の線材冷却装置1と重畳冷却装置65とが備えられた構成とすることにより、線材が変態終了するまでは線材冷却装置1によって均一な冷却熱処理を行ない、変態終了後は、設備コストが安価な重畳冷却装置65によって冷却熱処理を行なうことができるので、均質な線材を低コストで得ることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態の線材冷却装置1によれば、連続したコイルリング状に形成されてなるリング状線材50を搬送しつつ冷却する装置であって、少なくとも、リング状線材50の各リング部51が各々間隙を有するように支持して搬送する搬送部2と、リング状線材50に対して冷却風を衝風する送風部3とが備えられた構成なので、リング状線材50の各リング部51が重なり合うことなく所定の間隙を有した状態で搬送することができ、また、リング状線材50がコンベア等に広い領域で接触することが無い。これにより、熱間圧延後に巻き取られて形成されるリング状線材50を、ステルモア冷却工程上においてリング状線材50全体に対して均一に効率良く冷却熱処理を施すことができ、リング状線材50の金属組織を、オーステナイト組織から微細なパーライト組織に均一に変態させることが可能となる。また、上記構成により、リング状線材50全体を効率良く冷却できるので、リング状線材50を搬送させつつ冷却する搬送距離を短縮することができ、装置全体の小型化が可能となる。従って、靱性及び延性に優れ、高減面の伸線加工性に優れた高炭素線材を、安価な構成で得ることが可能となる。
本発明に係る線材冷却装置は、上述したように、リング状線材50の上部が、フック部材24のフック部24aとの間で概ね点接触あるいは線接触とされ、また、リング状線材50の下部も、受け部29との間で概ね点接触あるいは線接触とされるので、リング状線材50が装置部材と接触することによって熱影響を受けるのを抑制できるというものである。これにより、リング状線材50に対して均一なステルモア冷却熱処理を施すことができるので、微細なパーライト組織からなる均一な金属組織とすることが可能になるというものである。
以下、本発明に係る線材冷却装置の実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、もとより下記実施例に限定されるものではなく、前、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
[線材製造装置]
本例では、図2及び図3に示すような本発明に係る線材冷却装置が備えられた製造装置を用いて線材を製造した。また、比較例として、図11(a)に示すような従来の線材冷却装置が備えられた製造装置を用いて線材を製造した。ここで、線材冷却装置に搬入されるリング状線材を形成する装置としては、図2に示すような、鋼材を加熱する加熱炉61と、該加熱炉61で加熱された鋼材に対して各種圧延処理を施し、最終的に仕上圧延処理を施して線材5とする圧延機62と、最終圧延処理された線材5を所定の温度に冷却する冷却器63と、冷却後の線材5を巻き取り、連続したリング状に形成してリング状線材50とするレイングヘッド64とが備えられたものを使用し、下記に示す実施例及び比較例とも同様とした。
本例では、図2及び図3に示すような本発明に係る線材冷却装置が備えられた製造装置を用いて線材を製造した。また、比較例として、図11(a)に示すような従来の線材冷却装置が備えられた製造装置を用いて線材を製造した。ここで、線材冷却装置に搬入されるリング状線材を形成する装置としては、図2に示すような、鋼材を加熱する加熱炉61と、該加熱炉61で加熱された鋼材に対して各種圧延処理を施し、最終的に仕上圧延処理を施して線材5とする圧延機62と、最終圧延処理された線材5を所定の温度に冷却する冷却器63と、冷却後の線材5を巻き取り、連続したリング状に形成してリング状線材50とするレイングヘッド64とが備えられたものを使用し、下記に示す実施例及び比較例とも同様とした。
下記本発明例においては、線材冷却装置として、図2及び図3に示すような、リング状線材10を吊持して搬送する吊持チェーン20と、吊持チェーン20に吊持されたリング状線材50を、該リング状線材50の略下方及び略側方から保持する保持チェーン25とを具備し、リング状線材50の各リング部51が各々間隙を有するように支持して搬送する搬送部2と、リング状線材50に対して冷却風を衝風する送風部3とが備えられたものを使用した。また、リング状線材50及び搬送部2を覆うようにして、内部に冷却用空間8を形成するカバー部7が備えられており、このカバー部7に複数のスリット71が設けられている構成とした。
ここで、吊持チェーン20のチェーン23上に設けられるフック部材24間のピッチP1、並びに保持チェーン25のチェーン28上に設けられる受け部29間のピッチP2は、ともに20mmとした。また、カバー部7によって形成される冷却用空間8の空間有効長Lは7mとした。
ここで、吊持チェーン20のチェーン23上に設けられるフック部材24間のピッチP1、並びに保持チェーン25のチェーン28上に設けられる受け部29間のピッチP2は、ともに20mmとした。また、カバー部7によって形成される冷却用空間8の空間有効長Lは7mとした。
また、下記比較例においては、線材冷却装置として、図11(a)に示すような、レイングヘッドから供給されるリング状線材を、コンベア200上において重畳状態で搬送させつつ、コンベア200の下方に備えられた送風部300からリング状線材へ向けて冷却風を衝風する、従来の構成のものを使用した。
この際、コンベア200の有効長を30mとし、このコンベア有効長全体において、リング状線材へ向けて送風部300から冷却風が衝風される構成とした。
この際、コンベア200の有効長を30mとし、このコンベア有効長全体において、リング状線材へ向けて送風部300から冷却風が衝風される構成とした。
[高炭素線材]
本例で製造される高炭素線材としては、下記表1に示すような成分組成を有する供試材を用い、下記表1に示すような各条件で、上述のような加熱炉61、圧延機62、冷却器63及びレイングヘッド64が備えられた装置を用いてリング状線材を形成した。この際、線材の径は平均5.5mm(5.0〜15.0mm)とし、リング状線材の各リング部の径は、線材中心間距離で平均1100mm(1000〜1200mm)とした。
本例で製造される高炭素線材としては、下記表1に示すような成分組成を有する供試材を用い、下記表1に示すような各条件で、上述のような加熱炉61、圧延機62、冷却器63及びレイングヘッド64が備えられた装置を用いてリング状線材を形成した。この際、線材の径は平均5.5mm(5.0〜15.0mm)とし、リング状線材の各リング部の径は、線材中心間距離で平均1100mm(1000〜1200mm)とした。
[ステルモア冷却熱処理]
本発明例においては、図2及び図3に示すような本発明に係る線材冷却装置1を用い、下記表1に示すような条件でリング状線材にステルモア冷却熱処理を施した。この際、線材5がレイングヘッド64で巻き取られてリング状線材50とされ、線材冷却装置1(冷却用空間8)に搬入される際の温度を850℃とし、線材冷却装置1から搬出される際のリング状線材50の温度を650℃とした。また、冷却用空間8において、搬送部2によって搬送されるリング状線材50の搬送速度を平均25m/分(20〜35m/分)とし、冷却速度を平均10℃/秒(5〜15℃/秒)とした。そして、650℃まで冷却したリング状線材50を、さらに常温まで冷却した後、下記にしめす各種評価試験を行った。
本発明例においては、図2及び図3に示すような本発明に係る線材冷却装置1を用い、下記表1に示すような条件でリング状線材にステルモア冷却熱処理を施した。この際、線材5がレイングヘッド64で巻き取られてリング状線材50とされ、線材冷却装置1(冷却用空間8)に搬入される際の温度を850℃とし、線材冷却装置1から搬出される際のリング状線材50の温度を650℃とした。また、冷却用空間8において、搬送部2によって搬送されるリング状線材50の搬送速度を平均25m/分(20〜35m/分)とし、冷却速度を平均10℃/秒(5〜15℃/秒)とした。そして、650℃まで冷却したリング状線材50を、さらに常温まで冷却した後、下記にしめす各種評価試験を行った。
また、比較例においては、図11(a)に示すような従来の線材冷却装置を用い、上記実施例と同様、レイングヘッド64で巻き取られたリング状線材を線材冷却装置100に搬入する温度、つまりコンベア200上に重畳状態とする際の温度を850℃とし、コンベア200上から搬出される際のリング状線材の温度を300℃とした。また、コンベア200によって搬送されるリング状線材の搬送速度を平均25m/分(20〜35m/分)とし、冷却速度を平均10℃/秒(5〜15℃/秒)とした。そして、平均300℃(100〜400℃)まで冷却したリング状線材を、さらに常温まで冷却した後、下記にしめす各種評価試験を行った。
[評価方法]
上記手順で得られた本発明例及び比較例の線材について、以下に説明するような評価試験を行った。
また、以下に説明する各試験においては、図5に示すリング状線材50を、リング部51の所定位置で切断して評価用試料とし、該リング部51円周上において、0°(符号53)、60°(符号54)、120°(符号55)、180°(符号56)、240°(符号57)、300°(符号58)の位置の特性評価を行い、リング部51上の各部分における線材特性を評価した。
上記手順で得られた本発明例及び比較例の線材について、以下に説明するような評価試験を行った。
また、以下に説明する各試験においては、図5に示すリング状線材50を、リング部51の所定位置で切断して評価用試料とし、該リング部51円周上において、0°(符号53)、60°(符号54)、120°(符号55)、180°(符号56)、240°(符号57)、300°(符号58)の位置の特性評価を行い、リング部51上の各部分における線材特性を評価した。
(引張強さ)
引張強さTS(MPa)については、上記評価用試料から200mmの長さのゲージを作製し、これに対して10mm/minの速度で引張試験を行い、n=3の平均値を求めることにより測定した。
引張強さTS(MPa)については、上記評価用試料から200mmの長さのゲージを作製し、これに対して10mm/minの速度で引張試験を行い、n=3の平均値を求めることにより測定した。
(硬度)
硬度(ビッカース硬度:Hv)については、JIS Z2244で規定される試験方法に準じて測定した。この際、測定位置は、線材の長さ方向と平行な断面(L断面)の中心部、及び、1/4D部とした。
硬度(ビッカース硬度:Hv)については、JIS Z2244で規定される試験方法に準じて測定した。この際、測定位置は、線材の長さ方向と平行な断面(L断面)の中心部、及び、1/4D部とした。
(金属組織の評価)
金属組織については、ステルモア冷却熱処理後のリング状線材が、均一に微細なパーライト組織となっているかどうかを評価するため、以下の方法で組織状態を確認した。このような金属組織の評価は、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning electron microscope)を用いたる組織観察により、線材の長さ方向と平行な断面(L断面)におけるパーライト組織率を求めることで行なった。
まず、ステルモア冷却熱処理後、上記方法で所定位置にて分断された評価用試料を樹脂に埋め込んで研磨し、ピクリン酸を用いた科学腐食を施した。次いで、線材の中心から半径の±5%の部位にて切断及び研磨することでL断面を出現させた。そして、表層部分において、SEM組織観察により、表層から深さ100μm×幅100μmの領域の組織写真を、2000倍の倍率で5視野ずつ撮影し、画像解析によりその面積率の平均値を測定した。
金属組織については、ステルモア冷却熱処理後のリング状線材が、均一に微細なパーライト組織となっているかどうかを評価するため、以下の方法で組織状態を確認した。このような金属組織の評価は、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning electron microscope)を用いたる組織観察により、線材の長さ方向と平行な断面(L断面)におけるパーライト組織率を求めることで行なった。
まず、ステルモア冷却熱処理後、上記方法で所定位置にて分断された評価用試料を樹脂に埋め込んで研磨し、ピクリン酸を用いた科学腐食を施した。次いで、線材の中心から半径の±5%の部位にて切断及び研磨することでL断面を出現させた。そして、表層部分において、SEM組織観察により、表層から深さ100μm×幅100μmの領域の組織写真を、2000倍の倍率で5視野ずつ撮影し、画像解析によりその面積率の平均値を測定した。
表1に、上記本発明例及び比較例の成分組成及び線材製造条件の一覧を示し、表2に評価結果の一覧を示す。
また、図7に、上記本発明例で得られたリング状線材の硬度分布グラフを示し、図9に、上記比較例のリング状線材の硬度分布グラフを示す。また、図8に、上記本発明例で得られたリング状線材の引張強度分布グラフを示し、図10に、上記比較例のリング状線材の引張強度分布グラフを示す。
また、図7に、上記本発明例で得られたリング状線材の硬度分布グラフを示し、図9に、上記比較例のリング状線材の硬度分布グラフを示す。また、図8に、上記本発明例で得られたリング状線材の引張強度分布グラフを示し、図10に、上記比較例のリング状線材の引張強度分布グラフを示す。
[評価試験結果]
表1及び表2に示すように、本発明の線材冷却装置が用いられ、本発明で規定する各条件でステルモア冷却熱処理が施されたリング状線材は、リング部の何れの位置においても、引張強度が1130MPa以上であり、また、硬度分布が20(Hv)以内であった。また、図7の分布グラフに示すように、リング状線材のリング部円周上における引張強度は均一な分布となっており、また、図8のグラフに示すように、リング状線材のリング部円周上における硬度についても均一な分布となっている。
表1及び表2に示すように、本発明の線材冷却装置が用いられ、本発明で規定する各条件でステルモア冷却熱処理が施されたリング状線材は、リング部の何れの位置においても、引張強度が1130MPa以上であり、また、硬度分布が20(Hv)以内であった。また、図7の分布グラフに示すように、リング状線材のリング部円周上における引張強度は均一な分布となっており、また、図8のグラフに示すように、リング状線材のリング部円周上における硬度についても均一な分布となっている。
これに対し、従来の線材冷却装置を用いてステルモア冷却熱処理が行なわれた上記比較例のリング状線材では、図9の分布グラフに示すように、リング状線材のリング部円周上における300°の位置(図5の符号58参照)の引張強度が1000MPaと、他の箇所に比べて著しく低くなっており、引張強度分布が不均一なっている。また、図10のグラフに示すように、リング状線材のリング部円周上における硬度分布も40〜50(Hv)とばらつきがあり、不均一となっている。
以上説明したような実施例の結果より、本発明の線材冷却装置を用いてリング状線材にステルモア冷却熱処理を施すことにより、リング部の何れの位置においても均一に冷却されるので、その機械的特性並びに金属組織が均一なものとなる。従って、優れた靱性及び延性を有し、高減面の伸線加工性に優れた高炭素線材を製造することが可能となることが明らかである。
1…線材冷却装置(第1の線材冷却装置)、2…搬送部、20…吊持チェーン(吊持搬送機構)、23…チェーン、24…フック部材(支持具)、25…保持チェーン(保持搬送機構)、28チェーン、29…受け部、3…送風部、4…排気部、50…リング状線材、51…リング部、6、60…線材製造装置、65…重畳冷却装置(第2の冷却装置)、7…カバー部、71…スリット、8…冷却用空間
Claims (12)
- 連続したコイルリング状に形成されてなるリング状線材を搬送しつつ冷却する線材冷却装置であって、
少なくとも、前記リング状線材の各リング部が各々間隙を有するように支持して搬送する搬送部と、
前記リング状線材に対して冷却風を衝風する送風部と、が備えられてなることを特徴とする線材冷却装置。 - 前記搬送部は、少なくとも、前記リング状線材の個々のリング部の上部を吊持する複数の支持具が設けられ、該支持具を搬送することによって前記リング状線材を搬送させる吊持搬送機構が備えられてなることを特徴とする請求項1に記載の線材冷却装置。
- 前記吊持搬送機構には、前記支持具として、前記リング状線材の個々のリング部の上部を吊持するための複数のフック部材が備えられていることを特徴とする請求項2に記載の線材冷却装置。
- 前記搬送部は、さらに、前記吊持搬送機構に吊持された前記リング状線材を、該リング状線材の略下方及び/又は略側方から保持する補助搬送機構が備えられてなることを特徴とする請求項2又は3に記載の線材冷却装置。
- 前記吊持搬送機構には、前記リング状線材を保持するための複数の受け部が備えられていることを特徴とする請求項4に記載の線材冷却装置。
- 前記搬送部は、前記吊持搬送機構が複数備えられるとともに、該複数の吊持搬送機構よりも下方に、前記補助搬送機構が複数備えられてなることを特徴とする請求項4又は5に記載の線材冷却装置。
- さらに、前記リング状線材及び前記搬送部を覆うように冷却用空間を形成するカバー部が備えられるとともに、該カバー部に複数のスリットが形成されており、
前記送風部は、前記カバー部に覆われた前記リング状線材に対し、前記スリットを介して冷却風を衝風することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の線材冷却装置。 - さらに、前記送風部によって前記リング状線材に衝風された冷却風を、前記カバー部によって形成された冷却用空間から、前記スリットを介して外部に排気する排気部が備えられていることを特徴とする請求項7に記載の線材冷却装置。
- 前記カバー部の内面が、前記リング状線材の搬送方向と同軸方向の円筒状に形成されており、前記冷却用空間が円筒状の空間とされていることを特徴とする請求項7又は8に記載の線材冷却装置。
- 熱間圧延後に巻き取られ、連続したコイルリング状に形成されてなるリング状線材を、800℃以上900℃以下の範囲の温度で前記冷却用空間に搬入して取り込み、
前記リング状線材を、前記搬送部によって前記冷却用空間を搬送させつつ、前記送風部からの衝風で500℃以上800℃未満の範囲の温度に冷却し、前記冷却用空間から外部に搬出する構成とされていることを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の線材冷却装置。 - 第1の線材冷却装置として請求項1〜10の何れか1項に記載の線材冷却装置が備えられ、さらに、前記第1の線材冷却装置から搬出されるリング状線材を重畳状態として、前記第1の線材冷却装置における冷却温度よりも低い温度に冷却する第2の線材冷却装置が備えられてなることを特徴とする線材製造装置。
- 請求項1〜10の何れか1項に記載の線材冷却装置を用い、連続したコイルリング状に形成されてなるリング状線材を搬送しつつ冷却する線材冷却方法であって、
熱間圧延後に巻き取られ、連続したコイルリング状に形成されてなるリング状線材を、800℃以上900℃以下の範囲の温度で冷却用空間に搬入して取り込み、前記リング状線材の各リング部が各々間隙を有するように前記冷却用空間内を搬送させつつ、冷却風を衝風することによって500℃以上800℃未満の範囲の温度に冷却し、前記冷却用空間から外部に搬出することを特徴とする線材冷却方法。
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CN105436214A (zh) * | 2014-08-27 | 2016-03-30 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种线材边部冷却装置及线材边部冷却方法 |
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2007
- 2007-06-28 JP JP2007170300A patent/JP2009006363A/ja not_active Withdrawn
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