JP2017066435A - 高強度鋼線の製造方法 - Google Patents
高強度鋼線の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017066435A JP2017066435A JP2015189814A JP2015189814A JP2017066435A JP 2017066435 A JP2017066435 A JP 2017066435A JP 2015189814 A JP2015189814 A JP 2015189814A JP 2015189814 A JP2015189814 A JP 2015189814A JP 2017066435 A JP2017066435 A JP 2017066435A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel wire
- less
- cooling
- temperature
- wire
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Abstract
【解決手段】質量%で、C:0.95〜1.3%、Si:0.1〜1.2%、Mn:0.2〜1%、Al:0%超0.01%以下、P:0%超0.02%以下、S:0%超0.02%以下、Ti:0%以上0.005%以下、およびN:0%超0.01%以下を含有し、残部が鉄および不可避不純物からなり、線径が3.5mm以下の鋼線を、900〜1100℃に加熱した後、冷却開始温度を800〜1100℃とし、冷却停止温度を480〜630℃とし、前記冷却開始温度から前記冷却停止温度までの平均冷却速度を100〜300℃/秒として冷却を行った後、560〜610℃の温度域で保持する。
【選択図】なし
Description
(a)Cr:0%超0.5%以下、V:0%超0.5%以下のいずれか1種以上、
(b)Cu:0%超0.5%以下、
(c)Ni:0%超0.5%以下、
(d)Nb:0%超0.5%以下、
(e)B:0%超0.01%以下、
を含有してもよい。
(a)Cr:0%超0.5%以下、V:0%超0.5%以下のいずれか1種以上、
(b)Cu:0%超0.5%以下、
(c)Ni:0%超0.5%以下、
(d)Nb:0%超0.5%以下、
(e)B:0%超0.01%以下、
を含有してもよい。こうした範囲を規定した理由は、次の通りである。
加熱温度が低すぎるとオーステナイト化が不充分となり、熱処理後に未固溶炭化物と呼ばれる球状の炭化物が残存する。未固溶炭化物が残存すると鋼線の強度が低下し、かつ伸線中に断線を引き起こす。また、未固溶炭化物はC量が多いほど残存しやすいので、本発明で対象とする高C材に対しては加熱温度を充分に高くする必要がある。また、加熱温度が低いと結晶粒が微細化するが、結晶粒が微細化することによって粒界が増加し、粒界に初析セメンタイトが析出しやすくなるため、伸線性を改善できない。従って、C量が多くなるほど、より高温で加熱することが推奨される。本発明では、上記加熱温度は、900℃以上とし、好ましくは920℃以上、より好ましくは930℃以上とする。しかし、加熱温度が高すぎると結晶粒が過度に粗大化し、鋼線の延性が低下して伸線性が低下する。また、加熱時に鋼線の表層部が脱炭し、表面キズが増加して伸線時に断線を引き起こす。従って、本発明では、上記加熱温度は1100℃以下とする。上記加熱温度は、好ましくは1080℃以下、より好ましくは1050℃以下、更に好ましくは1000℃以下とする。
加熱した鋼線の温度は、パテンティング炉に設けられた冷媒に浸漬されるまでの間に徐々に低下するが、本発明の製造方法では、鋼線の温度ができるだけ高い温度から冷却を開始する必要がある。具体的には、上記冷却開始温度は、800℃以上とする。冷却開始温度が800℃未満では、冷却開始前に初析セメンタイトが析出するため、後述する平均冷却速度で冷却してもパテンティング処理時における初析セメンタイトの析出を抑制できない。そのため、鋼線の伸線性を改善できない。従って、本発明では、冷却開始温度は、800℃以上とする。上記冷却開始温度は、好ましくは810℃以上、より好ましくは830℃以上である。
冷却停止温度が低すぎると、鋼線の内部にベイナイトやマルテンサイト等の過冷組織が生成し、鋼線の伸線性を改善できない。従って、本発明の製造方法では、冷却停止温度を480℃以上とする。上記冷却停止温度は、好ましくは500℃以上、より好ましくは520℃以上である。しかし、冷却停止温度が高すぎると、冷却停止後に初析セメンタイトが析出し、鋼線の伸線性を改善できない。従って、本発明では、冷却停止温度を630℃以下とする。冷却停止温度は、好ましくは620℃以下、より好ましくは600℃以下である。
本発明の製造方法では、上記冷却開始温度から上記冷却停止温度までの平均冷却速度を100〜300℃/秒とする必要がある。加熱炉で加熱された鋼線を急速冷却することによって、パテンティング処理時における初析セメンタイトの析出を防止でき、伸線性を改善できる。従って、本発明では、上記平均冷却速度は、100℃/秒以上とする。上記平均冷却速度は、好ましくは120℃/秒以上、より好ましくは130℃/秒以上である。上記平均冷却速度は、鋼線に含まれるC量が多いほど大きくすることが好ましい。しかし、上記平均冷却速度が大きすぎると、鋼線の表層部と内部との温度差が大きくなり、鋼線の表層部が過度に冷却されて過冷組織が発生する。そのため伸線時に断線し、伸線性を改善できない。従って、本発明では、上記平均冷却速度は、300℃/秒以下とする。上記平均冷却速度は、好ましくは280℃/秒以下、より好ましくは250℃/秒以下である。
上記冷却停止温度まで冷却した鋼線は、パテンティング炉内に設けられた冷媒に浸漬し、パーライト変態させる。上記冷媒の温度を保持温度としたとき、保持温度が低すぎると、鋼線の内部にベイナイトなどの過冷組織が生成し、伸線性が低下する。従って、本発明の製造方法では、保持温度を560℃以上とする。保持温度は、好ましくは570℃以上、より好ましくは580℃以上である。しかし、上記保持温度が高すぎると、充分な強度が得られない。従って、本発明では、保持温度を610℃以下とする。保持温度は、好ましくは600℃以下、より好ましくは590℃以下である。なお、上記温度での保持時間は特に限定されないが、例えば、5〜30秒程度である。
ε=ln(S0/S)
Claims (9)
- 質量%で、
C :0.95〜1.3%、
Si:0.1〜1.2%、
Mn:0.2〜1%、
Al:0%超0.01%以下、
P :0%超0.02%以下、
S :0%超0.02%以下、
Ti:0%以上0.005%以下、および
N :0%超0.01%以下を含有し、
残部が鉄および不可避不純物からなり、線径が3.5mm以下の鋼線を、
900〜1100℃に加熱した後、
冷却開始温度を800〜1100℃とし、
冷却停止温度を480〜630℃とし、
前記冷却開始温度から前記冷却停止温度までの平均冷却速度を100〜300℃/秒として冷却を行った後、
560〜610℃の温度域で保持することを特徴とする高強度鋼線の製造方法。 - 前記鋼線は、更に、Cr:0%超0.5%以下、V:0%超0.5%以下のいずれか1種以上を含有する請求項1に記載の製造方法。
- 前記鋼線は、更に、Cu:0%超0.5%以下を含有する請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記鋼線は、更に、Ni:0%超0.5%以下を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 前記鋼線は、更に、Nb:0%超0.5%以下を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 前記鋼線は、更に、B:0%超0.01%以下を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- 前記冷却は、加熱後の鋼線に、空気または水の少なくとも一方を吹き付けて行う請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- 前記空気または水の少なくとも一方を、加熱後の鋼線に対して異なる方向から吹き付ける請求項7に記載の製造方法。
- 前記保持は、流動砂を用いて行う請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015189814A JP2017066435A (ja) | 2015-09-28 | 2015-09-28 | 高強度鋼線の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015189814A JP2017066435A (ja) | 2015-09-28 | 2015-09-28 | 高強度鋼線の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017066435A true JP2017066435A (ja) | 2017-04-06 |
Family
ID=58491772
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015189814A Pending JP2017066435A (ja) | 2015-09-28 | 2015-09-28 | 高強度鋼線の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017066435A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018166791A (ja) * | 2017-03-29 | 2018-11-01 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
JP2019056162A (ja) * | 2017-09-22 | 2019-04-11 | 新日鐵住金株式会社 | 高強度鋼線 |
WO2023071299A1 (zh) * | 2021-10-26 | 2023-05-04 | 南京钢铁股份有限公司 | 一种抗拉强度≥4000MPa钢帘线用钢及生产方法 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03271329A (ja) * | 1990-03-22 | 1991-12-03 | Nippon Steel Corp | 高強度鋼線の製造方法 |
JPH04314829A (ja) * | 1991-01-18 | 1992-11-06 | Nippon Steel Corp | 高強度鋼線の製造方法 |
JP2007131945A (ja) * | 2005-10-12 | 2007-05-31 | Nippon Steel Corp | 延性に優れた高強度鋼線およびその製造方法 |
JP2007231412A (ja) * | 2006-02-01 | 2007-09-13 | Katsuhiko Yamada | 高炭素鋼線材のパテンティング方法 |
JP2010065274A (ja) * | 2008-09-10 | 2010-03-25 | Bridgestone Corp | 高炭素鋼線材のパテンティング方法 |
JP2010070783A (ja) * | 2008-09-16 | 2010-04-02 | Sumitomo Denko Steel Wire Kk | 鋼線材の熱処理方法 |
WO2011089782A1 (ja) * | 2010-01-25 | 2011-07-28 | 新日本製鐵株式会社 | 線材、鋼線、及び線材の製造方法 |
-
2015
- 2015-09-28 JP JP2015189814A patent/JP2017066435A/ja active Pending
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03271329A (ja) * | 1990-03-22 | 1991-12-03 | Nippon Steel Corp | 高強度鋼線の製造方法 |
JPH04314829A (ja) * | 1991-01-18 | 1992-11-06 | Nippon Steel Corp | 高強度鋼線の製造方法 |
JP2007131945A (ja) * | 2005-10-12 | 2007-05-31 | Nippon Steel Corp | 延性に優れた高強度鋼線およびその製造方法 |
JP2007231412A (ja) * | 2006-02-01 | 2007-09-13 | Katsuhiko Yamada | 高炭素鋼線材のパテンティング方法 |
JP2010065274A (ja) * | 2008-09-10 | 2010-03-25 | Bridgestone Corp | 高炭素鋼線材のパテンティング方法 |
JP2010070783A (ja) * | 2008-09-16 | 2010-04-02 | Sumitomo Denko Steel Wire Kk | 鋼線材の熱処理方法 |
WO2011089782A1 (ja) * | 2010-01-25 | 2011-07-28 | 新日本製鐵株式会社 | 線材、鋼線、及び線材の製造方法 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018166791A (ja) * | 2017-03-29 | 2018-11-01 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
JP2019056162A (ja) * | 2017-09-22 | 2019-04-11 | 新日鐵住金株式会社 | 高強度鋼線 |
WO2023071299A1 (zh) * | 2021-10-26 | 2023-05-04 | 南京钢铁股份有限公司 | 一种抗拉强度≥4000MPa钢帘线用钢及生产方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8168011B2 (en) | High-strength steel wire excellent in ductility and method of manufacturing the same | |
JP4310359B2 (ja) | 疲労特性と伸線性に優れた硬引きばね用鋼線 | |
JP4970562B2 (ja) | 延性に優れた高強度鋼線用線材及び鋼線の製造方法 | |
WO2011089782A1 (ja) | 線材、鋼線、及び線材の製造方法 | |
US10329646B2 (en) | Steel wire for drawing | |
WO2011092905A1 (ja) | 線材、鋼線及びそれらの製造方法 | |
US10221464B2 (en) | Excellent workability steel wire rod and method for production of same | |
JP6795319B2 (ja) | 伸線性に優れた高炭素鋼線材、および鋼線 | |
EP1069199B1 (en) | High-fatigue-strength steel wire and production method therefor | |
JP2014208901A (ja) | 生引き性に優れた高強度鋼線用線材および高強度鋼線 | |
JP2007131945A (ja) | 延性に優れた高強度鋼線およびその製造方法 | |
KR20150121081A (ko) | 생드로잉성이 우수한 고강도 강선용 선재 및 고강도 강선 | |
JP2017066435A (ja) | 高強度鋼線の製造方法 | |
JP2764167B2 (ja) | 熱間圧延リング状線材の直接パテンティング装置およびその方法 | |
JP2001181789A (ja) | 伸線加工性に優れた細径高炭素鋼熱間圧延線材 | |
AU2016260101B2 (en) | Method for producing steel material, apparatus for cooling steel material, and steel material | |
WO2001046485A1 (fr) | Tige de fil metallique de haute resistance a patentage direct, et son procede de production | |
KR102020440B1 (ko) | 강선 제조장치, 고탄소 강선 및 그 제조방법 | |
JP4192857B2 (ja) | 高強度冷延鋼板及びその製造方法 | |
CN107109578A (zh) | 悬挂弹簧用钢及其制造方法 | |
JP2004011002A (ja) | 伸線加工用の素線及び線 | |
JP3036393B2 (ja) | 高強度高靭性溶融めっき鋼線、及びその製造方法 | |
JP3298688B2 (ja) | 高強度異形鋼線の製造方法 | |
JPH10183242A (ja) | 高強度鋼線の製造方法 | |
JP3300932B2 (ja) | 高張力鋼線の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20170210 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20170321 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170901 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180704 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180731 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20190305 |