JP2009006240A - 多成分系内部熱交換式蒸留装置 - Google Patents

多成分系内部熱交換式蒸留装置 Download PDF

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Abstract

【課題】熱効率、蒸留効率、設備費の大幅な節減効果に優れ、かつ安全性が向上した内部熱交換型蒸留装置を提供すること。
【解決手段】3またはそれ以上の成分を含む多成分含有液の蒸留装置は、上流から下流に向けて連続的に配置された少なくとも2塔から構成され、第1塔は該多成分含有液を蒸気として、隣接する下流の塔に供給し得る塔であり、第2塔から最下流の塔までの下流の塔はいずれも圧縮機を必要としない内部熱交換型蒸留塔であり、それぞれの塔が独立した濃縮部および回収部を備えており、該回収部の塔頂に回収部凝縮器が、そして該回収部の塔底にはリボイラーが配設されている。この装置においては、第1塔からの多成分を含有する蒸気は、加圧された状態で下流の塔の濃縮部に順次供給され、回収部塔頂からの蒸気は凝縮されて、回収部および隣接する上流側の濃縮部に還流するように構成されており、一方、各塔の回収部塔底から、高沸点の成分から順に回収するという、従来とは全く異なるフローが提供される。
【選択図】図8

Description

本発明は、3またはそれ以上の成分を含有する多成分含有液を蒸留するための、省エネルギー型の内部熱交換型蒸留システム、および当該システムを実現し得る、省エネルギー性に優れた内部熱交換型蒸留装置に関する。
石油化学分野を始めとする多くの分野で蒸留操作が行われている。より精度の高い蒸留を行うために、多段式あるいは充填式の蒸留塔が利用されている。この多段式あるいは充填式の蒸留塔は、一般的には同一塔内で、原料供給段より上部を濃縮部とし、下部を回収部とする構成を有している。しかし、このような蒸留塔は、リボイラーで加熱し、凝縮器で冷却しているため、エネルギーロスが大きいという問題がある。
そこで、エネルギーを効率よく利用するために、内部熱交換型の蒸留塔が提案され、実用化研究がなされている。現時点で確立されている2成分系の蒸留に用いられる内部熱交換型蒸留塔の基本的な原理は、図1に例示される。従来の蒸留塔が同一塔の原料供給段より上部を濃縮部とし、下部を回収部としているのに対して、図1に示すように、内部熱交換型蒸留塔(Heat Integrated Distillation Column:以下、HIDiC塔という)は、濃縮部(R1)および回収部(S1)をそれぞれ独立させている。そして、内部熱交換をするために、濃縮部(R1)を加圧し、回収部(S1)を濃縮部(R1)より低圧として、沸点が高くなった濃縮部(R1)とそれより沸点が低い状態の回収部(S1)とを熱的に接触させている。
このようなHIDiC塔を単一塔として用いる蒸留システムを図2に基づいて説明する。図2に示す内部熱交換型蒸留塔10は、基本構成として、同一塔内で、それぞれ独立した濃縮部11および回収部12、濃縮部11の塔頂に設けられた凝縮器13、回収部12の塔底に設けられたリボイラー14、および、回収部12と濃縮部11との間に設けられた圧縮機15を備えている。このシステムでは、原料16を回収部12の塔頂から供給して流下する内部還流液とする一方で、塔底のリボイラー14で加熱して蒸気を発生させ、回収部12内で流下する内部還流液と上昇する蒸気とを接触させて、蒸留の熱と物質の同時移動を行わせる。回収部12の塔頂より流出してくる蒸気を圧縮機15で圧縮して濃縮部11の底部へ吹き込み、濃縮部11で蒸気を発生させる。発生して上昇する蒸気は、濃縮部11の塔頂から流下してきた内部還流液と接触させて蒸留の熱と物質の同時移動を行わせる。濃縮部11の塔頂に到達した蒸気は、凝縮器13で凝縮され、その一部が蒸留成分として回収され、残りの一部は濃縮部11への還流液となる。濃縮部11の塔底液は、回収部12の塔頂へ原料16と合流して供給される。
濃縮部11内はこの圧縮機15で加圧されるため、濃縮部11内に存在している蒸気および凝縮液の沸点が上昇する。そのため、濃縮部11は回収部12に存在している原料からなる内部還流液の沸点より高温になっている。従って、回収部12と濃縮部11とを熱的に接触させれば、濃縮部11の蒸気が凝縮して放出される潜熱が濃縮部11から回収部12へ移動することにより内部熱交換ができる。その結果、回収部12内では流下する内部還流液の蒸発が起き、回収部12の塔底のリボイラー14の熱負荷を大幅に節減でき、省エネルギー効果が得られる。また、濃縮部11内では、その内部熱交換により、上昇中の蒸気の凝縮が起きるため、凝縮器13における熱負荷も軽減される。
2塔のHIDiC塔を用いる場合の従来の蒸留システムを図3に示す。図3の第1HIDiC塔20aは、独立した濃縮部21aおよび回収部22a、凝縮器23a、リボイラー24aおよび圧縮機25aを備え、第2HIDiC塔20bは、独立した濃縮部21bおよび回収部22b、凝縮器23b、リボイラー24bおよび圧縮機25bを備えている。第1HIDiC塔20aでは、気体および液のフローは上述の単一塔と同じであり、最も沸点の低い成分が濃縮部21aから蒸気として抜き出され、凝縮器23aで凝縮されて、回収される。第2HIDiC塔20bの回収部22bには、第1HIDiC塔20aの回収部22aの塔底液が供給され、上述と同じ気体および液のフローが生じ、第2HIDiC塔20bの回収部22bから塔底液が高い沸点の留分として回収される。また同じ回収部22bの塔頂から流出してくる蒸気は圧縮機25bにより圧縮されて濃縮部21bの塔底に吹き込まれる。第2HIDiC塔20bの濃縮部21bの塔頂からは第2番に沸点の低い成分が蒸気として抜き出され、凝縮器23bで凝縮されて回収される。
さらに、3またはそれ以上の成分を含む多成分含有液を3塔以上の従来の内部熱交換型蒸留塔を用いる場合の蒸留システムを図4に示す。図4に示す第1HIDiC塔30aを第1塔とし、その下流に、第2HIDiC塔30b、第3HIDiC塔30c、および第4HIDiC塔30dが配置されている。図4からも明らかなように、個々のHIDiC塔30a〜30dは、いずれも、図1および図2に示す基本構成を有している。第1HIDiC塔30a、第2HIDiC塔30b、第3HIDiC塔30c、および第4HIDiC塔30dは、それぞれ、濃縮部31a、31b、31c、および31d、回収部32a、32b、32c、および32d、凝縮器33a、33b、33c、および33d、リボイラー34a、34b、34c、および34d、圧縮機35a、35b、および35cを備えており、それぞれ、上記図1および図2の単一塔の場合と同様の気体および液体のフローを有している。簡単に説明すると、多成分を含む原料36は、第1HIDiC塔30aの回収部32aの塔頂へ供給される。回収部32aで発生した蒸気は、圧縮機35aで圧縮され、濃縮部31aの塔底に供給され、最も沸点が低い成分が濃縮部31aの塔頂から蒸気として流出し、凝縮器33aで凝縮されて回収される。一方、その他の成分を含む回収部32aの塔底液は、第2HIDiC塔30bの回収部32bの塔頂に供給され、第1HIDiC塔と同じフローで蒸留される。回収部32bで発生した蒸気は、圧縮機35bで圧縮されて、濃縮部31bの塔底に供給され、2番目に沸点が低い成分が濃縮部31bの塔頂から蒸気として流出し、凝縮器33bで凝縮されて回収される。その他の成分を含む回収部32bの塔底液は、第3HIDiC塔30cの回収部32cの塔頂に供給される。そして、前述の蒸気および液のフローが繰り返され、第3HIDiC塔30cの濃縮部31cの塔頂から第3番目に沸点の低い成分が回収され、第3HIDiC塔30cの回収部32cの塔底液が、第4HIDiC塔30dの回収部32dに供給される。このように、従来のHIDiC塔を用いるシステムは、各蒸留塔の回収部塔頂からの蒸気を圧縮機で圧縮して、濃縮部の塔底に供給し、濃縮部塔頂から、沸点の低い成分から順に回収するように構成されている。
このような基本構成を有するHIDiC塔に関して種々の改良が検討されている。例えば、特許文献1には、本体胴内に複数に分割形成した単管を軸方向に配置し、そして互に隣接する単管の管外を構成する領域を連通させる1以上の連通管を配設し、これらの単管の管壁および連通管の管壁を、高圧側(濃縮部)から低圧側(回収部)への伝熱面としたことを特徴とするHIDiC塔が開示されている。特許文献2には、濃縮部と回収部とを隔てる複数管の、回収部となる領域(管外)側の表面(回収部側管壁)に、略水平(複数管の周方向)に溝を形成し、そして、回収部を充填塔方式とするHIDiC塔が開示されている。特許文献3には、濃縮部の塔頂蒸気と原料液とを熱交換させる熱交換手段を設け、濃縮部の塔頂蒸気の有するエネルギーを有効に利用できるHIDiC塔が開示されている。特許文献4には、回収部と濃縮部とを一体化し、回収部と接する濃縮部の面に伝熱手段を配設し、伝熱手段が回収部に収納されるように構成されたHIDiC塔が開示されている。
これらのHIDiC塔は、いずれも、濃縮部の塔頂に付設される凝縮器、回収部の塔底に付設されるリボイラー、および回収部と濃縮部との間に搭載される圧縮機を基本構成としているものである。そして、その基本構成を維持しつつ、濃縮部から回収部への熱交換効率を改良し、省エネルギー効果を向上させることを目的とし、一定の成果を上げている。しかし、さらなる省エネルギー化が求められている。
多成分を含有する液には、腐食性成分、過酸化物、高温で分解、酸化あるいは変質しやすい成分などが含まれる場合が多い。例えば、HIDiC塔の基本構成の一つである圧縮機では、高温高圧となるため、例えば、圧縮機に悪影響を与える成分などが含まれている場合には、このような液を圧縮機に通すことは好ましくない、従って、このような成分を含む液をより安全に蒸留する方法も望まれている。
特開平8−131704号公報 特開2000−189703号公報 特開2000−246001号公報 国際公開第2004/002602号パンフレット
本発明の目的は、省エネルギー、熱効率、蒸留効率、設備の節減効果に優れたHIDiC塔を用いる蒸留システム、およびそのシステムを実現し得る蒸留装置を提供することにある。
本発明は、以下の装置:
3またはそれ以上の成分を含む多成分含有液の蒸留装置であって、該蒸留装置は、上流から下流に向けて連続的に配置された少なくとも2塔から構成され、
第1塔は、該多成分含有液を加圧蒸気として、隣接する下流の塔に供給し得る塔であり、
第2塔から最下流の塔までの下流の塔はいずれも内部熱交換型蒸留塔であり、それぞれの塔が独立した濃縮部および回収部を備えており、
該回収部の塔頂に回収部凝縮器が、そして該回収部の塔底にはリボイラーが配設されており、ここで、最下流の塔には、さらに濃縮部の塔頂に濃縮部凝縮器が配設されており、
該蒸留装置は、該第1塔に該多成分含有液を導入して、該液を多成分を含有する加圧蒸気とし、該加圧蒸気を下流の塔の濃縮部に順次供給し、そして、該下流の塔の回収部の塔底から各成分を高い沸点順に順次抜き出しできるように構成され、
第2塔またはその下流の塔の濃縮部においては、隣接する下流の塔の回収部からの凝縮液の一部が還流液として該濃縮部の塔頂に供給され、隣接する上流の塔からの加圧蒸気が該濃縮部の塔底に供給され、
該濃縮部の塔底に供給された蒸気により該濃縮部の塔底液が加熱され、該加熱により発生して上昇する蒸気と該濃縮部の塔頂から供給される凝縮液の内部還流液との間で蒸留の熱と物質の同時移動が行われ、蒸気は塔頂に、そして凝縮した液は塔底に移動され、
該濃縮部の塔頂に移動した蒸気は抜き出されて、隣接する下流の塔の濃縮部の塔底へ供給され、そして、該濃縮部の塔底液は同一塔内の回収部の塔頂に供給されるように構成され、
第2塔またはその下流の塔の回収部では、該回収部塔頂から抜き出された蒸気を該回収部凝縮器で凝縮して凝縮液とし、該凝縮液の一部は隣接する上流の塔に供給され、残りの該凝縮液および該同一塔内の濃縮部塔底液が合流して該回収部の塔頂に還流液として供給され、そして、該回収部の塔底液はリボイラーで加熱されるように構成され、
該回収部の塔底液の該リボイラーによる加熱により発生して上昇する蒸気と、該回収部の塔頂に供給されて流下する凝縮液および濃縮部塔底液からなる内部還流液との間で蒸留の熱と物質の同時移動が行われ、蒸気は塔頂に、そして凝縮した液は塔底に移動され、
該回収部の塔頂の蒸気は抜き出されて、該回収部凝縮器で凝縮され、そして、該回収部の塔底液の一部が分留された成分として回収されるように構成されており、そして、
最下流の塔は、該最下流の塔の濃縮部の塔頂に設けられた濃縮部凝縮器で、該濃縮部の塔頂から抜き出された蒸気を凝縮し、留出液として回収するように構成された蒸留装置を提供する。
一つの実施態様においては、
上記第1塔が、それぞれ独立した濃縮部および回収部を備えた内部熱交換型蒸留塔であり、
該回収部の塔底にリボイラーを備え、そして、該回収部の塔頂と該濃縮部の塔底との間に、該回収部からの蒸気を圧縮して該濃縮部の塔底に供給するための圧縮機を備えており、
該回収部では、上記多成分含有液および該濃縮部の塔底液が合流されて内部還流液として該回収部の塔頂に供給され、そして、該回収部の塔底液はリボイラーで加熱され、該リボイラーによる加熱により発生して上昇する蒸気と、該塔頂に供給されて流下する該多成分含有液および該濃縮部塔底液からなる内部還流液との間で蒸留の熱と物質の同時移動が行われ、凝縮した液は塔底に、そして蒸気は塔頂にそれぞれ移動され、該回収部の塔底液の一部は分留された成分として回収され、そして、該回収部塔頂の蒸気は抜き出されて該圧縮機で圧縮されて、該濃縮部の塔底に供給されるように構成され、
該濃縮部では、上記第2塔からの凝縮液が該濃縮部の塔頂へ還流液として供給され、そして、該回収部の塔頂から抜き出され圧縮された蒸気が該濃縮部の塔底に供給され、
該蒸気により該濃縮部の塔底液が加熱され、該加熱により発生して上昇する蒸気と該濃縮部の塔頂に供給されて流下する凝縮液である内部還流液との間で蒸留の熱と物質の同時移動が行われ、蒸気は塔頂に、凝縮した液は塔底にそれぞれ移動され、そして、
該濃縮部の塔頂の蒸気は抜き出されて、加圧された状態のまま第2塔の濃縮部塔底に供給されるように構成された蒸留塔である。
別の実施態様においては、上記第1塔が、多段式蒸留塔、充填塔式蒸留塔、ストリッピング塔、または蒸発缶であり、該第1塔で生じた多成分を含有する蒸気が、前記第2塔の濃縮部に供給されるように構成されている。
さらに別の実施態様では、上記第1塔が、それぞれ独立した濃縮部および回収部を備えた内部熱交換型蒸留塔であり、該回収部の塔底にリボイラーを備え、該回収部の塔頂に回収部凝縮器を備え、そして該濃縮部に原料を加熱して加圧蒸気として供給するための原料予熱器を備えており、
上記多成分含有液は該原料予熱器で加熱され、加圧蒸気として該濃縮部の塔底に供給され、該加圧蒸気により濃縮部塔底液が加熱され、該加熱により発生して上昇する蒸気と、上記第2塔から該濃縮部の塔頂に供給されて流下する凝縮液である内部還流液との間で蒸留の熱と物質の同時移動が行われ、凝縮した液は塔底に、そして蒸気は塔頂にそれぞれ移動され、該蒸気は下流の第2塔の濃縮部塔底に供給されるように構成され、
該回収部では、回収部塔底液が該リボイラーで加熱され、該加熱により発生して上昇する蒸気と、該回収部の塔頂へ供給されて流下する濃縮部塔底液および該回収部凝縮器で凝縮された凝縮液からなる内部還流液との間で蒸留の熱と物質の同時移動が行われ、凝縮した液は回収部塔底に、そして蒸気は回収部塔頂にそれぞれ移動され、該回収部の塔底液の一部は分留された成分として回収され、そして、該回収部塔頂の蒸気は抜き出されて、上記の該凝縮液として該回収部の塔頂へ還流されるように構成された蒸留塔である。
さらに、別の実施態様では、上記下流の塔において、上記回収部を減圧にすることにより、上記濃縮部よりも上記回収部の蒸気および還流液の沸点を低下させて内部熱交換が行われる。
本発明によれば、従来型のHIDiC塔の濃縮部の塔頂に各々配置され、加圧蒸気を凝縮していた凝縮器を取り外し、各HIDiC塔の濃縮部からの加圧蒸気をそのまま、下流側のHIDiC塔の濃縮部の塔底へ吹き込む構成とすることにより、濃縮部の蒸気が有するエネルギーおよび圧力をそのまま次の濃縮部に活用することができる。そのため、従来の各HIDiC塔に配置されていた圧縮機は、第1塔に配置するだけでよくなり、第2塔より下流の塔では不要となる。さらに、従来のシステムとは異なり、回収部の塔頂に回収部凝縮器を配置し、回収部凝縮液を回収部塔と上流側のHIDiC塔の濃縮部塔との両方に還流する構成を採用することにより、回収部および濃縮部における還流効果を高めることができる。従って、従来の内部熱交換型蒸留システムと同等の高い省エネルギー効果に加えて、さらに熱効率の向上、蒸留効率の向上、圧縮機の設備費の大幅な節減効果、および圧縮機を用いないことによる蒸留システムの安全性および安定性向上効果を奏することができる。
本発明は、2以上の塔を必要とする3またはそれ以上の成分を含む多成分含有液の蒸留システムにおいて、このシステムを効率的かつ経済的な内部熱交換型蒸留システムとするための新たな蒸気および液のフローを確立し、このフローを実現し得る蒸留システムの基本構成を提供するものである。
多成分を含む液の分離精製においては、複数の蒸留塔を連結して所望の個々の成分を分離精製して各塔頂または塔底から製品として抜き出している。従って、従来の考えでは、前述の図1〜4に示すように、単一塔のHIDiC塔を連結するシステム構成が基本であり、連結される各HIDiC塔には、それぞれ圧縮機を装備する必要がある。
しかし、本発明は、図5〜13に基づいて後述するように、第2塔以降の塔を圧縮機を要しないHIDiC塔とし、従来、各HIDiC塔の加圧された濃縮部塔頂に設けていた凝縮器を取り外し、3またはそれ以上の成分を含む多成分含有液(以下、単に原料ということがある)を液ではなく蒸気として、加圧状態のまま次のHIDiC塔の濃縮部に供給するフローとしている。濃縮部に供給される蒸気は加圧されているため、沸点が上昇しており、濃縮部は回収部より高温になっている。従って、回収部と濃縮部とを熱的に接触させれば、濃縮部から回収部へ熱が移動する内部熱交換が可能である。そのため、本発明の構成も、内部熱交換型の塔として機能する。これにより、第1塔の圧縮機の仕事および機能を、原料を供給する第1塔から下流側に連結されるHIDiC塔にカスケード的に及ぼすように構成し、第2塔およびそれより下流のHIDiC塔には圧縮機を必要としないシステムとすることができる。一方で、各HIDiC塔の回収部の塔頂に、新たに凝縮器を配設し、凝縮液を自身の回収部および隣接する上流側の濃縮部に還流して、還流効果、さらには蒸留効率を向上させている。このように構成することで、多成分を含む気体および液のフローは、従来のHIDiC塔におけるフローとは全く異なるものとなる。本発明のフローによれば、従来法とは逆に、沸点の高い成分から順に回収される。
本発明における蒸留システムの基本的な構成は、2またはそれ以上の塔を備えており、第2塔より下流の塔を全てHIDiC塔とすることであり、これらのHIDiC塔は、圧縮機を備えておらず、回収部の塔頂に凝縮器を、そして回収部の塔底にリボイラーを備えている。このような基本構成を有することにより、従来とは全く異なるフローが提供される。第1塔は、原料を蒸気として供給できる装置であれば特に制限はない。第1塔をHIDiC塔としてもよいし、多段式または充填式の蒸留塔、ストリッピング塔、または蒸発缶としてもよい。第1塔を多段式蒸留塔、充填式蒸留塔、ストリッピング塔、または蒸発缶とする場合、これらの塔を加圧運転とすることで、圧縮機を全く使用しないフローとする構成が可能である。さらに、第2塔より下流のHIDiC塔の回収部を真空ポンプで減圧にすることにより、濃縮部よりも内部還流液および蒸気の沸点を下げて内部熱交換するフローとする構成も可能である。
以下、本発明の蒸留システムおよびその構成について、実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
(実施例1:第1塔がHIDiC塔である2塔による蒸留システムおよびその構成)
第1塔がHIDiC塔である場合について、図5および図6に基づいて説明する。図5は、2塔の場合の熱的接触を示す模式図であり、図6は実際のシステム構成例である。図6では、実際に配備されるフラッシュドラム、加熱装置、ポンプ、弁などが記載されているが、基本構成は図5と同一である。第1HIDiC塔100aは、それぞれ独立した濃縮部110aおよび回収部120a、リボイラー140a、および圧縮機150aを備えている。第2HIDiC塔100bは、それぞれ独立した濃縮部110bおよび回収部120b、回収部120bの塔頂からの蒸気を凝縮する回収部凝縮器170b、リボイラー140b、および濃縮部120bの塔頂からの蒸気を凝縮する濃縮部凝縮器130bを備えている。また、図5および6に示すように、フラッシュドラム180a、フラッシュドラム180bを備えていてもよい。
第1HIDiC塔の回収部120aにおいては、蒸気および液のフローは、以下のように構成される:原料160の液および濃縮部110aの塔底液が合流されて、回収部120aの塔頂から供給される;回収部120aの塔底液はリボイラー140aで加熱され、発生して上昇する蒸気と、塔頂から供給されて流下する原料液および濃縮部塔底液が合流した内部還流液との間で蒸留の熱と物質の同時移動が行われる;凝縮した液は回収部120aの塔底に、そして蒸気は回収部120aの塔頂にそれぞれ移動する;回収部120aの塔底液の一部は、最も沸点の高い成分または残渣として回収される;回収部120aの塔頂に達した蒸気は抜き出されて、圧縮機150aで圧縮されて、濃縮部110aの塔底に供給される。
第1HIDiC塔の濃縮部110aにおいては、蒸気および液のフローは、以下のように構成される:回収部120aの塔頂から抜き出され、圧縮機150aで圧縮された蒸気が濃縮部110aの塔底に供給され、塔底液を加熱して、蒸気を発生させる;濃縮部110aの塔頂に、第2HIDiC塔の回収部120bからの蒸気の凝縮液が還流され、この蒸気と凝縮液との間で蒸留の熱と物質の同時移動が行われる;蒸気は濃縮部110aの塔頂に、凝縮した液は濃縮部110aの塔底にそれぞれ移動する;濃縮部110aの塔頂から抜き出された蒸気は加圧状態のまま、第2HIDiC塔の濃縮部110bに供給される;濃縮部110aの塔底液は、多成分を含んだ液であり、再び、原料160とともに回収部120aの塔頂に供給される。
第2HIDiC塔100bの濃縮部110bにおいては、蒸気および液のフローは、以下のように構成される:第1HIDiC塔の濃縮部110aからの蒸気が直接第2HIDiC塔100bの濃縮部110bの塔底に供給され、濃縮部110bの塔底液を加熱し、蒸気を発生させる;蒸気は濃縮部110bの塔頂から抜き出され、濃縮部凝縮器130bで凝縮された凝縮液は、一部は蒸留成分として回収され、残りは濃縮部110bの塔頂から、濃縮部110bに還流される;濃縮部110bでは、塔底液の加熱により発生した前記蒸気と濃縮部110bの塔頂から還流してくる凝縮液との間で蒸留の熱と物質の同時移動が行われる;蒸気は濃縮部110bの塔頂に、そして凝縮した液は濃縮部110bの塔底に移動する;そして、濃縮部110bの塔頂に移動した蒸気は、上記のように一部が回収され、一部が濃縮部110bに還流される。濃縮部110bの塔底液の液体は、回収部120bの塔頂に供給される。減圧フラッシュ180bにより発生した蒸気は、回収部120bの凝縮器170bに供給される。
第2HIDiC塔100bの回収部120bにおいては、蒸気および液のフローは、以下のように構成される:回収部120bの塔頂から抜き出した蒸気を濃縮部110bの塔底液のフラッシュにより生じた蒸気と共に回収部凝縮器170bで凝縮して凝縮液とし、凝縮液の一部を隣接する上流の第1HIDiC塔100aの濃縮部110aに塔頂から還流液として供給し、残りの凝縮液および濃縮部110bの塔底液を回収部120bの塔頂から還流液として供給する;回収部120bの塔底液はリボイラー140bで加熱される;回収部120bの塔底液の加熱により発生した蒸気と、回収部120bの塔頂から供給される凝縮液および濃縮部110bの塔底液からなる還流液との間で蒸留の熱と物質の同時移動が行われ、蒸気は回収部120bの塔頂に、そして凝縮した液は回収部120bの塔底に移動する;回収部120bの塔頂の蒸気は抜き出されて、回収部凝縮器170bで凝縮される;そして、回収部120bの塔底液の一部が蒸留成分として回収される。
上記説明から理解されるように、本発明の蒸留装置の基本構成が、従来の装置と異なる点の一つは、回収部の塔頂に凝縮器を設けたことである。これによって、第2HIDiC塔100bの回収部120bの塔頂からの蒸気を当該回収部120bと第1HIDiC塔100aの濃縮部110aとの両方に還流させることができる。従って、それぞれの塔における還流効果が高まり、蒸留効率が向上する。
なお、この図5および図6に示される2塔のシステムの場合、第1HIDiC塔100aの回収部120aの塔底液が最も沸点の高い成分または残渣であり、第2HIDiC塔100bの回収部120bの塔底液が2番目に沸点の高い成分である。第2HIDiC塔100bの濃縮部凝縮器130bの凝縮液が、3番目に沸点の高い成分か、さらにこの成分より沸点の低い成分を含む混合液である。
また、フラッシュドラム180a、フラッシュドラム180bを備えた場合には、第1HIDiC塔100aの濃縮部110aの塔底液を原料160とともにフラッシュドラム180aに入れて減圧フラッシュし、生じた蒸気は回収部には供給せず、回収部120aの塔頂蒸気とともに圧縮機150aにて圧縮し、濃縮部110aの塔底へ供給する。フラッシュドラム180aに残った液体は第1HIDiC塔100aの原料として回収部120aの塔頂に供給される。第2HIDiC塔100bの濃縮部110bの塔底液をフラッシュドラム180bに入れて減圧フラッシュし、生じた蒸気は第2HIDiC塔100bの回収部120bの凝縮器170bに、回収部120bの塔頂蒸気と共に供給され、凝縮される。フラッシュドラム180bに残った液体は、同じ第2HIDiC塔の回収部120bの塔頂に供給される。凝縮器170bで得られる上記の凝縮液の一部は、回収部120bの塔頂へ還流され、残りの凝縮液は上流の第1HIDiC塔100aの濃縮部110aの塔頂へ還流液として供給される。このようなシステム構成により、蒸留の操作性が大きく改善される。
(実施例2:第1塔がHIDiC塔である3塔以上の蒸留システムおよびその構成)
図7に、3塔以上のHIDiC塔を用いる場合の蒸留装置の例を示す。図7では、HIDiC塔200aを第1塔とし、その下流に、第2HIDiC塔200b、第3HIDiC塔200c、および第4HIDiC塔200dが順次配置されている。図示していないが、必要に応じて、第5HIDiC塔などの塔が第4HIDiC塔の下流に配置される。配置する蒸留塔の数は、分留する成分の数、あるいは必要とする留分の数などを考慮して決定すればよい。
図7の蒸留装置において、各HIDiC塔は、それぞれ、濃縮部210a、210b、210c、および210d、回収部220a、220b、220c、および220d、回収部凝縮器270b、270c、および270d、並びにリボイラー240a、240b、240c、および240dを備えている。なお、270eは、第5HIDiC塔(図示せず)の回収部凝縮器である。これを図4に記載した従来の多成分蒸留装置と比べると、従来の蒸留システムの全ての塔に備えられている圧縮機は、本発明においては第1HIDiC塔200aにのみ配置され(圧縮機250a)、第2HIDiC塔より下流のHIDiC塔には、備えられていない。また、従来の蒸留システムに用いられている濃縮部凝縮器は、本発明の蒸留装置のいずれの塔にも設けられていない。代わりに、回収部の塔頂に回収部凝縮器が設けられている。なお、濃縮部凝縮器は、最も沸点の低い成分回収の目的で、最下流の塔にのみ設けられる。すなわち、最下流の塔は、図5および図6に示す第2HIDiC塔と同じ構成を有する。
第1HIDiC塔200aおよび第2HIDiC塔200bにおける蒸気および液のフローは、図5および6で説明したものと基本的に同じである。簡単に説明すると、原料260は、濃縮部210aの塔底液と共に、第1HIDiC塔200aの回収部220aに供給され、回収部220aで蒸気とされる。この蒸気は塔頂より抜き出され、圧縮機250aで圧縮され、加圧されて濃縮部210aの塔底に供給される。供給された蒸気は、濃縮部210aの内部を流下する還流液と蒸留の熱と物質の同時移動を行いながら、濃縮部210aの塔頂から抜き出され、加圧状態のまま下流の第2HIDiC塔200bの濃縮部210bの塔底に供給される。この蒸気の供給により、濃縮部210bの塔底液は加熱され、蒸気が発生する。発生した蒸気は、第1塔と同様に、濃縮部210bの内部を流下する還流液と蒸留の熱と物質の同時移動を行いながら上昇し、濃縮部210bの塔頂から抜き出され、加圧状態のまま下流の第3HIDiC塔200cの濃縮部210cの塔底に供給される。この第3HIDiC塔200cの濃縮部210cにおいても、同じフローが繰り返され、濃縮部210cの塔頂から抜き出された蒸気は、加圧状態のままさらに下流の第4HIDiC塔200dの濃縮部210dの塔底に供給される。このように、各濃縮部に供給される蒸気は、加圧された状態で供給されるため、濃縮部は回収部より高温になり、回収部と濃縮部との熱的接触により、濃縮部から回収部への内部熱交換が生じる。このように、蒸気は、第1HIDiC塔200aでいったん加熱/加圧されると、そのエネルギーおよび圧力が、一つ下流の塔の濃縮部に、順にカスケード的に供給される。従って、2番目以降の下流のHIDiC塔に圧縮機を設ける必要がない。従って、1基のみの圧縮機を配設することによりシステム全体を内部熱交換型の塔とすることができる。そのうえ、圧縮機の運転制御が容易になり、かつ圧縮機の設備費の大幅な節減効果が生じる。さらに、圧縮機を用いないことにより、蒸留システムの安全性および安定性が向上する。
一方、第1HIDiC塔200aの回収部220aの塔底からは、最も沸点の高い成分が回収される。第2HIDiC塔の回収部220bにおいては、回収部220bの塔頂から蒸気を抜き出し、回収部凝縮器270bで凝縮し、一部を回収部220bに還流し、残りを上流の塔である第1HIDiC塔200aの濃縮部210aに還流するように構成されている。第3HIDiC塔およびその下流の各HIDiC塔でも同様である。このように、回収部塔頂からの蒸気の凝縮液を、回収部と一つ上流側の塔の濃縮部に分けて還流することにより、回収部および濃縮部における還流効果、さらに蒸留効率も高めることができる。
(実施例3:全ての塔がHIDiC塔である蒸留塔を用いる5成分含有液の蒸留)
図8は4塔のHIDiC塔を用いる5成分含有液の蒸留システムを示す模式図である。図8の蒸留システムは、第1HIDiC塔から順々に第4HIDiC塔まで、加圧状態の蒸気が流れるように構成されている。第1HIDiC塔300aは、濃縮部310a、回収部320a、および回収部320aの塔頂から抜き出した蒸気を圧縮し濃縮部310aの塔底に供給するための圧縮機350aを備えている。下流の各HIDiC塔300b、300cおよび300dは、それぞれ、濃縮部310b、310cおよび310d、回収部320b、320c、および320d、ならびに回収部凝縮器370b、370cおよび370dを備えている。そして、最下流の第4HIDiC塔は、さらに濃縮部凝縮器330dを備えている。なお、図8において、各塔の回収部に備えられるリボイラーの記載は省略されている。各HIDiC塔における蒸気および液のフローは図5および図7の記載と同様である。
原料360は、沸点が低い順に、A、B、C、D、およびEの5成分を含む。原料360は第1HIDiC塔300aの回収部320aの塔頂に供給され、回収部320aの内部還流液となり、回収部320aの塔底液の加熱により生じて上昇する蒸気との気液接触により蒸留の熱と物質の同時移動が行われる。最も沸点の高い成分E(残渣が含まれる場合がある)は、第1HIDiC塔300aの回収部320aの塔底(リボイラー)に蓄積され、抜き出される。E以外の成分(A、B、C、D)は、圧縮機350aで加圧された蒸気のまま、濃縮部310aの塔頂から抜き出され、第2HIDiC塔300bの濃縮部310bの塔底に供給される。濃縮部310bの塔底液は、回収部320bの塔頂からの蒸気の回収部凝縮器370bで凝縮された凝縮液(以下、回収部塔頂凝縮液ということがある)とともに、回収部320bの塔頂へ還流され、回収部320b内を流下する。この内部還流液は、回収部320bの塔底液の加熱により発生する蒸気との気液接触により蒸留の熱と物質の同時移動が行なわれ、2番目に沸点の高い成分Dが回収部320bの塔底より抜き出され、回収される。回収部塔頂凝縮液の残りは一つ上流の第1HIDiC塔300aの濃縮部310aの塔頂に還流液として戻す。
第2HIDiC塔300bの濃縮部310bの塔頂からは、残りの成分(A、B、C)の混合蒸気が、加圧状態のまま下流の第3HIDiC塔300cの濃縮部310cの塔底へ供給される。そして、上記と同様のフローが第3HIDiC塔300cおよび第4HIDiC塔300dで生じ、各成分が、高沸点成分から順に各HIDiC塔の回収部塔底から抜き出される。すなわち、第3HIDiC塔300cの回収部320cの塔底からC成分が、第4HIDiC塔300dの回収部320dの塔底からB成分が抜き出される。最終塔である第4HIDiC塔300dの濃縮部310dの塔頂からの蒸気は、最も沸点の低いA成分が主成分である。この濃縮部310dの塔頂からの蒸気は、濃縮部凝縮器330dで凝縮され、A成分が回収される。
(実施例4:第1塔が蒸留塔あるいはストリッピング塔である場合の蒸留システムおよびその構成)
蒸留すべき原料は、その蒸気を圧縮機に通すことが好ましくない成分を含む場合が多い。この場合は、第1塔を、加圧状態の従来型の蒸留塔あるいはストリッピング塔にして、圧縮機を用いない構成とすることができる。図9は、このような場合の蒸留システムの模式図である。図9の蒸留システムは、第1塔が多段式あるいは充填式の蒸留塔であり、第2塔以下をHIDiC塔とし、蒸留塔からの蒸気が順次下流のHIDiC塔に流れるように構成されている。第1蒸留塔400aはリボイラー440aを塔底に備えている。第2HIDiC塔400b、第3HIDiC塔400c、第4HIDiC塔400dは、それぞれ、濃縮部410b、410c、および410d、回収部420b、420c、および420d、回収部凝縮器470b、470c、および470d、ならびにリボイラー440b、440c、および440dを備えている。なお、470eは、第5HIDiC塔(図示せず)の回収部凝縮器である。従来の蒸留装置と比較すると、蒸留塔の塔頂に通常設けられる凝縮器は、第1塔である蒸留塔400aの塔頂には配置されず、各HIDiC塔には、圧縮機が全く配置されない。また、本発明では、上記の通り、凝縮器は濃縮部の塔頂の代わりに回収部の塔頂に設けられている。
蒸留塔400aは、原料供給口より上部を濃縮部、下部を回収部とし、ともに加圧状態として操作する。蒸留塔400aの塔底液はリボイラー440aで加熱され、蒸気を発生させる。蒸留塔400aに供給された原料460、および蒸留塔400aの塔頂から還流される第2HIDiC塔400bの回収部420bからの還流液が内部還流液となり、蒸留塔400a内で上昇する蒸気との接触による蒸留の熱と物質の同時移動を行うことにより、最も沸点の高い成分あるいは残渣が、第1塔である蒸留塔400aの塔底(リボイラー)に蓄積され、抜き出される。
蒸留塔400aの塔頂には凝縮器が設けられていないため、最も沸点の高い成分以外の成分の混合蒸気は加圧状態のまま塔頂から抜き出され、一つ下流の第2HIDiC塔400bの濃縮部410bの塔底に供給される。この加圧蒸気によって、第2HIDiC塔400bの濃縮部410bは適切な加圧状態で運転され、内部熱交換される回収部420bは常圧あるいは濃縮部410bよりも低い温度および圧力で運転される。この第2HIDiC塔400bの濃縮部410bは回収部420bに熱を与え、それによって、濃縮部410b内の蒸気は凝縮して還流液量の増加となり、濃縮部410bの底部に流下する。一方、熱を受領する回収部420bでは、回収部420b内を流下する還流液が蒸発し、回収部420bの塔頂へ向かって蒸気量が増加する。回収部420bの塔底には、蒸発できずに流下した2番目に沸点の高い成分が塔底液として抜き出され、回収される。
回収部420bの塔頂には、濃縮部410bからの還流液が液または気液混相状態で供給される。回収部420bの塔頂からの蒸気は、回収部凝縮器470bで凝縮される。凝縮液の一部は回収部420bの塔頂に還流液として供給され、残りは一つ上流の蒸留塔(第1塔)の塔頂に還流液として供給される。この還流液の還流により、回収部420bおよび第1塔400aの濃縮部の還流効果が向上する。
なお、スタートアップ運転などに必要な還流液を作るために第1塔(蒸留塔400a)から出てくる蒸気の一部を、第2HIDiC塔400bに設けた回収部凝縮器470bに供給するように構成してもよい。
第2HIDiC塔400bの濃縮部410bの塔頂からは、残りの成分の混合蒸気が加圧状態のまま抜き出され、一つ下流の第3HIDiC塔400cの濃縮部410cの塔底に供給される。第3HIDiC塔400cも、第2HIDiC塔400bと同様の蒸気および液のフローが構成される。第3HIDiC塔400cの回収部凝縮器470cでは、回収部420cの塔頂から抜き出した蒸気を凝縮して凝縮液とする。凝縮液の一部は回収部420cの塔頂に、残りの凝縮液は、一つ上流の第2HIDiC塔400bの濃縮部410bの塔頂に還流される。
第3HIDiC塔400cの回収部420cの塔底からは、3番目に沸点の高い成分が抜き出される。この第3HIDiC塔400cの濃縮部410cの塔頂からは残りの成分の混合物の加圧された蒸気が抜き出されて、さらに下流の第4HIDiC塔400dの濃縮部410dの塔底へ供給される。第4HIDiC塔400dの回収部凝縮器470dからの凝縮液の一部が、第4HIDiC塔400dの回収部420dの塔頂に還流液として戻される。残りの凝縮液は、一つ上流の第3HIDiC塔400cの濃縮部410cへ還流される。そして、回収部420dの塔底から、4番目に沸点の高い成分が抜き出される。
このように、蒸留塔(第1塔)から下流へ向かう各HIDiC塔の濃縮部には、蒸留塔400aのリボイラー440aにより加圧された蒸気が、その濃縮部塔頂より供給され、各濃縮部は、カスケード的に加圧状態にされる。このような構成を有するHIDiC蒸留システムでは、第1塔は塔頂に凝縮器を設けないこと以外は通常の蒸留塔であるため、第1塔においては内部熱交換による省エネルギー効果を有しない。しかし、この蒸留システムでは、圧縮機を1基も必要とせず、複数塔を要する多成分系の蒸留の場合には第2塔から下流の塔をHIDiC化できるため、十分に省エネルギー効果を奏することができる。
(実施例5:第1塔が加圧蒸発缶である場合の蒸留システムおよびその構成)
図10は、第1塔が加圧蒸発缶(以下、単に蒸発缶という)である場合の蒸留システムの模式図である。第1塔を蒸発缶、第2塔から下流の塔をHIDiC塔とし、蒸発缶500aからの加圧状態の蒸気が順次下流のHIDiC塔に流れるように構成されている。第2HIDiC塔500b、第3HIDiC塔500c、第4HIDiC塔500dは、それぞれ、濃縮部510b、510c、および510d、回収部520b、520c、および520d、回収部凝縮器570b、570c、および570d、ならびにリボイラー540b、540c、および540dを備えている。また、必要に応じて、第2HIDiC塔500bにはフラッシュドラム580bが備えられ、濃縮部塔底からの加圧状態の液を減圧フラッシュする。そこで分けられた液は第2HIDiC塔500bの回収部520bの塔頂へ供給される。なお、570eは、第5HIDiC塔(図示せず)の回収部凝縮器である。従来の蒸留装置と比較すると、HIDiC塔は、圧縮機を全く必要としない。また、本発明では、凝縮器は濃縮部の塔頂の代わりに、回収部の塔頂に設けられている。
蒸発缶500aは、加熱による加圧状態で操作し、原料560を加熱し、加圧蒸気とする。この加圧蒸気は、一つ下流の第2HIDiC塔500bの濃縮部510bの塔底に供給される。この加圧蒸気によって、第2HIDiC塔500bの濃縮部510bは適切な加圧状態で運転され、内部熱交換される回収部520bは常圧あるいは濃縮部510bよりも低い温度および圧力で運転される。この第2HIDiC塔500bの濃縮部510bは回収部520bに熱を与え、それによって、濃縮部510b内の蒸気は凝縮して還流液量の増加となり、濃縮部510bの底部に流下する。一方、熱を受領する回収部520bでは、回収部520b内を流下する還流液が蒸発し、回収部520bの塔頂へ向かって蒸気量が増加する。回収部520bの塔底液には、最も沸点の高い成分が抜き出され、回収される。なお、蒸発缶500aからは、残渣が回収される。
回収部520bの塔頂には、濃縮部510bの塔底液が、液または気液混相状態で供給される。回収部520bの塔頂から出る蒸気(並びに、必要に応じて、濃縮部510bの塔底液のフラッシュドラム580bによる蒸気)は、回収部凝縮器570bで凝縮され、凝縮液は、前記濃縮部510bの塔底液とともに、回収部520bの塔頂に還流液として供給される。
第2HIDiC塔500bの濃縮部510bの塔頂からは、残りの成分の混合蒸気が加圧状態のまま抜き出され、一つ下流の第3HIDiC塔500cの濃縮部510cの塔底に供給される。そして、第3HIDiC塔500cも、第2HIDiC塔500bと同様の蒸気および液のフローが構成される。第3HIDiC塔500cの回収部凝縮器570cでは、回収部520cの塔頂から抜き出した蒸気を凝縮して凝縮液とする。凝縮液の一部は回収部520cの塔頂に、残りの凝縮液は、一つ上流の第2HIDiC塔500bの濃縮部510bの塔頂に還流される。
第3HIDiC塔500cの回収部520cの塔底からは、2番目に沸点の高い成分が抜き出される。この第3HIDiC塔500cの濃縮部510cの塔頂からは残りの成分の混合物の加圧された蒸気が抜き出されて、次の第4HIDiC塔500dの濃縮部510dへ供給される。第4HIDiC塔500dの回収部凝縮器570dからの凝縮液が、第4HIDiC塔500dの回収部520dの塔頂および一つ上流の第3HIDiC塔500cの濃縮部510cの塔頂に還流液として戻される。そして、回収部520dの塔底から、3番目に沸点の高い成分が抜き出される。
このように、蒸発缶500a(第1塔)から下流へ向かう各HIDiC塔の濃縮部には、蒸発缶500aにより加圧された蒸気が順次供給され、各濃縮部は、カスケード的に加圧状態にされる。この構成のHIDiC蒸留システムでは、第1塔は蒸発缶であるため、内部熱交換による省エネルギー効果を有しない。しかし、この蒸留システムでは、圧縮機を1基も必要とせず、複数塔を要する多成分系の蒸留の場合は第2塔から下流の塔をHIDiC化でき、十分に省エネルギー効果を奏することができる。また、残渣となる成分や汚れの原因となる成分が多く含まれている原料の場合、メンテナンスや掃除のしやすい蒸発缶を第1塔とすることが有利な場合が多い。実施例4および5に示されるように、圧縮機を必要としない本発明の多成分系HIDiC蒸留システムは、応用範囲が広い基本的なシステム構成を提供する。
上記実施例1〜5に示すように、本発明の蒸留システムは、次の点で非常に有利である:(1)HIDiC蒸留システムの安全性が向上する;(2)蒸留すべき原料混合物に圧縮機にとって不利あるいは危険な成分(例えば、腐食性成分、汚れ系成分、過酸化物など安全性が問題となる成分)が含まれている場合にも、使用することができる;(3)第1塔目には省エネルギー効果はないが、小型化して、第2塔およびその下流のHIDiC蒸留塔で十分な省エネルギー効果が得られる;(4)圧縮機を必要としないことによる設備経費の節減ができる;(5)圧縮機の運転制御を必要としない。
(実施例6:第1塔を蒸発缶とし、2塔目から下流のHIDiC塔の回収部を減圧とする蒸留システムおよびその構成)
図11は、第1塔を蒸発缶とし、2塔目から下流のHIDiC塔の回収部を減圧とする蒸留システムの構成を示す模式図である。図10のシステムにおいて、各HIDiC塔の回収部に、真空ポンプが配置されている。第1塔を蒸発缶、第2塔から下流をHIDiC塔とし、原料660が蒸発缶600aに供給され、蒸発缶600aからの蒸気が順次下流のHIDiC塔に流れるように構成されている。第2HIDiC塔600bおよび第3HIDiC塔600cは、それぞれ、濃縮部610bおよび610c、回収部620bおよび620c、回収部凝縮器670bおよび670c、リボイラー640bおよび640c、並びに真空ポンプ690bおよび690cを備えている。このシステムにおける蒸気および液のフローは実施例5と同じである。各HIDiC塔の濃縮部の圧力を上げずに回収部の圧力を真空ポンプで下げることにより、各回収部内の気液の各成分の沸点を下げることができる。これによって、濃縮部と回収部との間で内部熱交換させることができ、加熱するためのエネルギーが節減できる。
(実施例7:第1塔を蒸留塔とし、2塔目から下流のHIDiC塔の回収部を減圧とする蒸留システムおよびその構成)
図12は、第1塔を蒸留塔とし、2塔目から下流のHIDiC塔の回収部を減圧とする蒸留システムの構成を示す模式図である。図9のシステムにおいて、各HIDiC塔の回収部に真空ポンプが配置されている。蒸留塔700aはリボイラー740aを塔底に備えている。第2HIDiC塔700b、第3HIDiC塔700c、および第4HIDiC塔700dは、それぞれ、濃縮部710b、710cおよび710d、回収部720b、720cおよび720d、回収部凝縮器770b、770cおよび770d、リボイラー740b、740cおよび740d、ならびに真空ポンプ790b、790cおよび790dを備えている。原料760が蒸留塔700aに供給され、リボイラー740aで加熱される。その後のこのシステムにおける蒸気および液のフローは実施例4と同じである。このシステムにおいては、各HIDiC塔の濃縮部の圧力を上げずに回収部の圧力を真空ポンプで下げることにより、回収部内の気液の各成分の沸点を下げることができる。これによって、濃縮部と回収部との間で内部熱交換させることができ、加熱するためのエネルギーが節減できる。
(実施例8:圧縮機なしのHIDiC塔を第1塔とする蒸留システム)
図13は、本発明の蒸留システムにおいて、第1塔として、圧縮機なしのHIDiC塔を用いる場合の構成を示す模式図である。この第1塔800aは、濃縮部810a、回収部820a、リボイラー840a、回収部凝縮器870a、および原料予熱器890を備えている。第2塔より下流は、上記いずれかの構成を有するHIDiC塔である。
原料(多成分含有液)860は原料予熱器890で加熱され、加圧蒸気として濃縮部810aの塔底に供給され、濃縮部塔底液が加熱される。濃縮部810aにおいては、蒸気および液のフローは、以下のように構成される:加熱により発生して上昇する蒸気と、第2塔(図示せず)の回収部凝縮器870bから濃縮部810aの塔頂に供給されて内部還流液として流下する凝縮液との間で気液接触による蒸留の熱と物質の同時移動が行われる;凝縮した液は濃縮部810aの塔底に、そして蒸気は濃縮部810aの塔頂にそれぞれ移動する;そして蒸気は、加圧状態のまま、下流の第2HIDiC塔の濃縮部(図示せず)に供給される。
回収部820aにおいては、蒸気および液のフローは、以下のように構成される:回収部820aの塔底液がリボイラー840aで加熱される;加熱により発生した蒸気と、回収部820aの塔頂へ供給される濃縮部810aの塔底液および回収部凝縮器870aで凝縮された凝縮液からなる内部還流液との間で蒸留の熱と物質の同時移動が行われる;凝縮した液は回収部820aの塔底に、そして蒸気は回収部820aの塔頂にそれぞれ移動する;回収部820aの塔底液の一部は分留された成分として回収され;そして、回収部820aの塔頂の蒸気は抜き出されて、上記の凝縮液として回収部820aの塔頂へ還流される。
この構成によれば、原料予熱器890で加圧蒸気を作り、濃縮部810aの塔底に供給するので、濃縮部810aを加圧状態にすることができる。従って、従来のHIDiC塔と同様に内部熱交換が可能になる。この塔を従来のHIDiC塔と比較すると、原料予熱器890の熱負荷が大きいこと、および回収部塔頂に還流用の凝縮器が必要であることから、圧縮機を有する従来のHIDiC塔のような省エネルギー効果は期待できない。しかし、下流に複数のHIDiC塔を連結する場合、第1塔として用いることにより、圧縮機を必要としないHIDiCシステムを構成することができ、上記の省エネルギー効果を得ることができる。原料予熱器890を残渣や汚れの除去などのメンテナンスが容易な構造にしておけば、汚れに強いHIDiCシステムを構成することもできる。
(実施例9)
従来のHIDiC塔を用いる蒸留システムにおける熱効率および本発明のHIDiC塔を用いる蒸留システムの熱効率を、シミュレートした。従来の蒸留システムとして、図4において、第1塔〜第3塔までの蒸留塔を有するシステムを用いた。本発明のシステムとして、図7において第1塔〜第3塔までの蒸留塔を有するシステムを用いた。シミュレートは、以下の表1の組成を有する原料から、シクロペンタンを回収する場合について行った。シクロペンタン画分は、従来のシステムでは第2塔の濃縮部凝縮器33bから回収され、本発明のシステムでは、第2塔の回収部220bの塔底から回収される。
Figure 2009006240
従来型および本発明のシステムにおいて、内部熱交換における濃縮部と回収部との間での伝熱性能をUA(総括熱伝達率と伝熱面積との積)で評価し、高さ方向に一定であると仮定し、第1塔:UA=800Kcal/hr、第2塔:UA=400Kcal/hrと仮定した。本発明のシステムにおけるシミュレーションの制御パラメータは、第1塔から第2塔へ送る塔頂蒸気組成であり、シクロペンタンより高沸点成分の合計濃度が0.005(質量分率)(xcp=0.5wt%)となるようにした。第2塔の塔底のxcpを98.5wt%、塔頂のxcpを0.5wt%と設定した。そして、第1塔濃縮部210aと第2塔回収部220bへの還流量比を1:1とした。原料の供給は1650kg/hrで行った。この場合の計算結果を以下に示す。
従来型のシステムの消費エネルギーQ(base)は、実際の温度および物質収支の運転データから算出した結果、Q(base)=1.1218Gcal/hrであった。本発明のシステムでは、第1塔リボイラー Q1=0.272Gcal/hr、第2塔リボイラー Q2=0.0276Gcal/hr、圧縮機のプレヒーター Qc=0.0126Gcal/hr、原料供給プレヒーター Qf=0.0039Gcal/hr、圧縮機の運転 Wc=0.054Gcal/hrであり、発電効率を35%とすると、Wc’=0.1543Gcal/hrであった。これより、本発明のシステムにおける合計消費エネルギー Q(total)=Q1+Q2+Qc+Qf+Wc’=0.4704Gcal/hrであった。この値から、省エネルギー率Esは、Es=(1−Q(total))/Q(base))×100=58.1%であった。以上から、本発明の蒸留システムは、従来のシステムに比べて、非常に高水準の省エネルギー効果が期待できる。
本発明による蒸留システムによれば、従来の内部熱交換型蒸留システムと同等の高い省エネルギー効果に加えて、熱効率の向上、蒸留効率の向上、圧縮機の設備費の大幅な節減効果、および圧縮機を用いないことによる蒸留システムの安全性向上効果を奏することができる。従って、本発明の蒸留システムは、蒸留の分野において、非常に有用性が高い。
従来の単一の内部熱交換型の蒸留システムの原理を示す模式図である。 従来の単一の内部熱交換型蒸留塔の基本構成を示す模式図である。 従来の2塔による内部熱交換型の蒸留システム構成を示す模式図である。 従来の内部熱交換型の蒸留システムを用いた多成分を分離する蒸留フローと蒸留システムを示す模式図である。 本発明の2塔型の内部熱交換型蒸留システムにおいて、第1塔がHIDiC塔である場合の熱的接触を示す模式図である。 本発明の2塔型の内部熱交換型蒸留システムにおいて、第1塔がHIDiC塔である場合のフローおよびシステム構成を示す模式図である。 本発明の内部熱交換型の蒸留システムを用いて多成分を分離する蒸留フローおよび蒸留システムを示す模式図である。 本発明の内部熱交換型の蒸留システムを用いて5成分を分離する蒸留フローおよび蒸留システムを示す模式図である。 本発明の蒸留システムにおいて、第1塔が従来型の蒸留塔とする場合の多成分を分離する蒸留フローおよび蒸留システムを示す模式図である。 本発明の蒸留システムにおいて、第1塔が加圧蒸発缶である場合の多成分を分離する蒸留フローおよび蒸留システムを示す模式図である。 本発明の蒸留システムにおいて、加圧あるいは常圧の蒸発缶を第1塔とし、内部熱交換型蒸留塔の回収部を減圧にして多成分を分離する蒸留フローおよび蒸留システムを示す模式図である。 本発明の蒸留システムにおいて、蒸留塔を第1塔とし、内部熱交換型蒸留塔の回収部を減圧にして多成分を分離する蒸留フローおよび蒸留システムを示す模式図である 本発明の蒸留システムにおいて、圧縮機なしの内部熱交換型蒸留塔を第1塔とする内部熱交換システムを示す模式図である。
符号の説明
10 内部熱交換型蒸留塔(HIDiC塔)
11 濃縮部
12 回収部
13 濃縮部凝縮器
14 リボイラー
15 圧縮機
16 原料
20a、20b 内部熱交換型蒸留塔(HIDiC塔)
21a、21b 濃縮部
22a、22b 回収部
23a、23b 濃縮部凝縮器
24a、24b リボイラー
25a、25b 圧縮機
26 原料
30a、30b、30c、30d 内部熱交換型蒸留塔(HIDiC塔)
31a、31b、31c、31d 濃縮部
32a、32b、32c、32d 回収部
33a、33b、33c 凝縮器
34a、34b、34c、34d リボイラー
35a、35b、35c 圧縮機
36 原料
100a、100b 内部熱交換型蒸留塔(HIDiC塔)
110a、110b 濃縮部
120a、120b 回収部
130b 濃縮部凝縮器
140a、140b リボイラー
150a 圧縮機
160 原料
170b 回収部凝縮器
180a、180b フラッシュドラム
200a、200b、200c、200d 内部熱交換型蒸留塔(HIDiC塔)
210a、210b、210c、210d 濃縮部
220a、220b、220c、220d 回収部
270b、270c、270d、270e 回収部凝縮器
240a、240b、240c、240d リボイラー
250a 圧縮機
260 原料
300a、300b、300c、300d 内部熱交換型蒸留塔(HIDiC塔)
310a、310b、310c、310d 濃縮部、
320a、320b、320c、320d 回収部
330d 濃縮部凝縮器
350a 圧縮機
360 原料
370b、370c、370d 回収部凝縮器
400a 蒸留塔
400b、400c、400d 内部熱交換型蒸留塔(HIDiC塔)
410b、410c、410d 濃縮部
420b、420c、420d 回収部
440a、440b、440c、440d リボイラー
460 原料
470b、470c、470d、470e 回収部凝縮器
500a 蒸発缶
500b、500c、500d 内部熱交換型蒸留塔(HIDiC塔)
510b、510c、510d 濃縮部
520b、520c、520d 回収部
540b、540c、540d リボイラー
560 原料
570b、570c、570d、570e 回収部凝縮器
580b フラッシュドラム
600a 蒸発缶
600b、600c 内部熱交換型蒸留塔(HIDiC塔)
610b、610c 濃縮部
620b、620c 回収部
640b、640c リボイラー
660 原料
670b、670c 回収部凝縮器
690b、690c 真空ポンプ
700a 蒸留塔
700b、700c、700d 内部熱交換型蒸留塔(HIDiC塔)
710b、710c、710d 濃縮部
720b、720c、720d 回収部
740a、740b、740c、740d リボイラー
760 原料
770b、770c、770d 回収部凝縮器
790b、790c、790d 真空ポンプ
800a 内部熱交換型蒸留塔(HIDiC塔)
810a 濃縮部
820a 回収部
840a リボイラー
860 原料
870a、870b 回収部凝縮器
890 原料予熱器

Claims (5)

  1. 3またはそれ以上の成分を含む多成分含有液の蒸留装置であって、該蒸留装置は、上流から下流に向けて連続的に配置された少なくとも2塔から構成され、
    第1塔は、該多成分含有液を加圧蒸気として、隣接する下流の塔に供給し得る塔であり、
    第2塔から最下流の塔までの下流の塔はいずれも内部熱交換型蒸留塔であり、それぞれの塔が独立した濃縮部および回収部を備えており、
    該回収部の塔頂に回収部凝縮器が、そして該回収部の塔底にはリボイラーが配設されており、ここで、最下流の塔には、さらに濃縮部の塔頂に濃縮部凝縮器が配設されており、
    該蒸留装置は、該第1塔に該多成分含有液を導入して、該液を多成分を含有する加圧蒸気とし、該加圧蒸気を下流の塔の濃縮部に順次供給し、そして、該下流の塔の回収部の塔底から各成分を高い沸点順に順次抜き出しできるように構成され、
    第2塔またはその下流の塔の濃縮部においては、隣接する下流の塔の回収部からの凝縮液の一部が還流液として該濃縮部の塔頂に供給され、隣接する上流の塔からの加圧蒸気が該濃縮部の塔底に供給され、
    該濃縮部の塔底に供給された蒸気により該濃縮部の塔底液が加熱され、該加熱により発生して上昇する蒸気と該濃縮部の塔頂から供給される凝縮液の内部還流液との間で蒸留の熱と物質の同時移動が行われ、蒸気は塔頂に、そして凝縮した液は塔底に移動され、
    該濃縮部の塔頂に移動した蒸気は抜き出されて、隣接する下流の塔の濃縮部の塔底へ供給され、そして、該濃縮部の塔底液は同一塔内の回収部の塔頂に供給されるように構成され、
    第2塔またはその下流の塔の回収部では、該回収部塔頂から抜き出された蒸気を該回収部凝縮器で凝縮して凝縮液とし、該凝縮液の一部は隣接する上流の塔に供給され、残りの該凝縮液および該同一塔内の濃縮部塔底液が合流して該回収部の塔頂に還流液として供給され、そして、該回収部の塔底液はリボイラーで加熱されるように構成され、
    該回収部の塔底液の該リボイラーによる加熱により発生して上昇する蒸気と、該回収部の塔頂に供給されて流下する凝縮液および濃縮部塔底液からなる内部還流液との間で蒸留の熱と物質の同時移動が行われ、蒸気は塔頂に、そして凝縮した液は塔底に移動され、
    該回収部の塔頂の蒸気は抜き出されて、該回収部凝縮器で凝縮され、そして、該回収部の塔底液の一部が分留された成分として回収されるように構成されており、そして、
    最下流の塔は、該最下流の塔の濃縮部の塔頂に設けられた濃縮部凝縮器で、該濃縮部の塔頂から抜き出された蒸気を凝縮し、留出液として回収するように構成された、
    蒸留装置。
  2. 前記第1塔が、それぞれ独立した濃縮部および回収部を備えた内部熱交換型蒸留塔であり、
    該回収部の塔底にリボイラーを備え、そして、該回収部の塔頂と該濃縮部の塔底との間に、該回収部からの蒸気を圧縮して該濃縮部の塔底に供給するための圧縮機を備えており、
    該回収部では、前記多成分含有液および該濃縮部の塔底液が合流されて内部還流液として該回収部の塔頂に供給され、そして、該回収部の塔底液はリボイラーで加熱され、該リボイラーによる加熱により発生して上昇する蒸気と、該塔頂に供給されて流下する該多成分含有液および該濃縮部塔底液からなる内部還流液との間で蒸留の熱と物質の同時移動が行われ、凝縮した液は塔底に、そして蒸気は塔頂にそれぞれ移動され、該回収部の塔底液の一部は分留された成分として回収され、そして、該回収部塔頂の蒸気は抜き出されて該圧縮機で圧縮されて、該濃縮部の塔底に供給されるように構成され、
    該濃縮部では、前記第2塔からの凝縮液が該濃縮部の塔頂へ還流液として供給され、そして、該回収部の塔頂から抜き出され圧縮された蒸気が該濃縮部の塔底に供給され、
    該蒸気により該濃縮部の塔底液が加熱され、該加熱により発生して上昇する蒸気と該濃縮部の塔頂に供給されて流下する凝縮液である内部還流液との間で蒸留の熱と物質の同時移動が行われ、蒸気は塔頂に、凝縮した液は塔底にそれぞれ移動され、そして、
    該濃縮部の塔頂の蒸気は抜き出されて、加圧された状態のまま第2塔の濃縮部塔底に供給されるように構成された蒸留塔である、
    請求項1に記載の蒸留装置。
  3. 前記第1塔が、多段式蒸留塔、充填塔式蒸留塔、ストリッピング塔、または蒸発缶であり、該第1塔で生じた多成分を含有する蒸気が、前記第2塔の濃縮部に供給されるように構成された、請求項1に記載の蒸留装置。
  4. 前記第1塔が、それぞれ独立した濃縮部および回収部を備えた内部熱交換型蒸留塔であり、該回収部の塔底にリボイラーを備え、該回収部の塔頂に回収部凝縮器を備え、そして該濃縮部に原料を加熱して加圧蒸気として供給するための原料予熱器を備えており、
    前記多成分含有液は該原料予熱器で加熱され、加圧蒸気として該濃縮部の塔底に供給され、該加圧蒸気により濃縮部塔底液が加熱され、該加熱により発生して上昇する蒸気と、前記第2塔から該濃縮部の塔頂に供給されて流下する凝縮液である内部還流液との間で蒸留の熱と物質の同時移動が行われ、凝縮した液は塔底に、そして蒸気は塔頂にそれぞれ移動され、該蒸気は下流の第2塔の濃縮部塔底に供給されるように構成され、
    該回収部では、回収部塔底液が該リボイラーで加熱され、該加熱により発生して上昇する蒸気と、該回収部の塔頂へ供給され、流下する濃縮部塔底液および該回収部凝縮器で凝縮された凝縮液からなる内部還流液との間で蒸留の熱と物質の同時移動が行われ、凝縮した液は回収部塔底に、そして蒸気は回収部塔頂にそれぞれ移動され、該回収部の塔底液の一部は分留された成分として回収され、そして、該回収部塔頂の蒸気は抜き出されて、上記の該凝縮液として該回収部の塔頂へ還流されるように構成された蒸留塔である、
    請求項1に記載の蒸留装置。
  5. さらに、前記下流の塔において、前記回収部を減圧にすることにより、前記濃縮部よりも前記回収部の蒸気および還流液の沸点を低下させて内部熱交換が行われる、請求項1から4のいずれかの項に記載の蒸留装置。
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