JP2009005481A

JP2009005481A - 減速機構付き電動モータ

Info

Publication number: JP2009005481A
Application number: JP2007163459A
Authority: JP
Inventors: Shuichi Hatori; 周一羽鳥
Original assignee: Mitsuba Corp
Current assignee: Mitsuba Corp
Priority date: 2007-06-21
Filing date: 2007-06-21
Publication date: 2009-01-08
Anticipated expiration: 2027-06-21
Also published as: JP5013985B2

Abstract

【課題】ブラシと電源とを接続する接続ユニットをブラシホルダのユニット接続部にハンダ付けする際に、ハンダが流れてショートすることを防ぐ。
【解決手段】ギヤケースの外側面上に配置され、ブラシホルダに組み付けられる収容ケース５１には、ブラシホルダに設けられる一対のユニット接続部５６ａ，５６ｂにそれぞれ接続される一対のブラシ側接続板５３ａ，５３ｂを備える接続ユニット５２を収容する。一対のブラシ側接続板５３ａ，５３ｂの間には、収容ケース５１のブラシホルダ側の端部より突出して仕切り壁５５が設けられる。これにより、ブラシ側接続板５３ａ，５３ｂをブラシホルダのユニット接続部５６ａ，５６ｂにハンダ付けする際に、一方のブラシ側接続板からハンダが流れても、仕切り壁５５によりハンダの流れが止められ、流れたハンダが他方のブラシ側接続板まで拡がるのを防ぐことができる。
【選択図】図７

Description

本発明は回転軸を備えたモータ本体と、回転軸の回転を減速して出力軸から出力する減速機構とを備えた減速機構付き電動モータに関する。

車両に設けられるワイパ装置やパワーウインド装置、サンルーフ装置等の駆動源としては、通常、車両に搭載されるバッテリ等の電源により作動する電動モータが用いられている。これらの装置に電動モータを適応させるためには、モータの回転数を所用の回転数にまで減速する必要がある。そのため、このような電動モータは、減速機構が取り付けられて減速機構付き電動モータとして１つのユニットとされている。

減速機構付き電動モータのモータ本体としては、ブラシ付きモータが多く用いられている。このブラシ付きモータに設けられるブラシには、ブラシと電源とを接続する接続ユニットを収容した収容ケースをブラシホルダに組み付けることにより、電力が供給されるようになっている。

通常接続ユニットには、複数のそれぞれ対向するブラシ側接続部材が設けられ、これらをブラシホルダの対応するユニット接続部にハンダ付けして接続し、このユニット接続部を介してブラシに接続される。例えば特許文献１では、ブラシ側接続部材が三箇所にそれぞれ対向して設けられる接続ユニットを有する電動モータが記載されている。
特開２００６−１８７１７５号公報

ところで、接続ユニットは、複数のブラシ側の接続部材が互いに近い位置に配置されているため、これらをブラシホルダのユニット接続部にハンダ付けする際に、いずれかの接続部材からハンダが流れると、流れたハンダが他の接続部材まで拡がってしまいショートする虞がある。

本発明の目的は、ブラシと電源とを接続する接続ユニットをブラシホルダのユニット接続部にハンダ付けする際に、ハンダが流れてショートするのを防ぐことにある。

本発明の減速機構付き電動モータは、回転軸を備えたモータ本体と、前記回転軸の回転を減速して出力軸から出力する減速機構とを備えた減速機構付き電動モータであって、前記回転軸に固定されるコミュテータと前記コミュテータに接続されるコイルとを備えたアーマチュアと、内面にマグネットが装着され、前記アーマチュアを回転自在に収容するモータヨークと、前記モータヨークの内部に装着され、前記コミュテータに摺接する一対のブラシを保持するブラシホルダと、前記モータヨークに固定され、前記減速機構を収容するギヤケースと、前記ギヤケースの外側面上に配置され、前記ブラシホルダに組み付けられる収容ケースと、前記ブラシホルダに設けられ、前記ブラシに接続される一対のユニット接続部と、前記収容ケースに収容され、それぞれ電源に接続される一対の電源側接続板と、それぞれ前記一対のユニット接続部に接続される一対のブラシ側接続板とを備える接続ユニットと、前記収容ケースに設けられ、前記一対のブラシ側接続板の間に突出する仕切り壁とを有することを特徴とする。

本発明の減速機構付き電動モータは、回転軸を備えたモータ本体と、前記回転軸の回転を減速して出力軸から出力する減速機構とを備えた減速機構付き電動モータであって、前記回転軸に固定されるコミュテータと前記コミュテータに接続されるコイルとを備えたアーマチュアと、内面にマグネットが装着され、前記アーマチュアを回転自在に収容するモータヨークと、前記モータヨークの内部に装着され、前記コミュテータに摺接する一対のブラシを保持するブラシホルダと、前記モータヨークに固定され、前記減速機構を収容するギヤケースと、前記ギヤケースの外側面上に配置され、前記ブラシホルダに組み付けられる収容ケースと、前記ブラシホルダに設けられ、前記ブラシに接続される一対のユニット接続部と、前記収容ケースに収容され、それぞれ電源に接続される一対の電源側接続板と、それぞれ前記一対のユニット接続部に接続される一対のブラシ側接続板と、一端が前記一対の電源側接続板に接続されるとともに他端が前記一対のブラシ側接続板に接続される雑音防止手段とを備える接続ユニットと、前記収容ケースに設けられ、前記一対のブラシ側接続板の間に突出する仕切り壁とを有することを特徴とする。

本発明の減速機構付き電動モータは、前記仕切り壁の前記収容ケースからの突出距離が、前記一対のブラシ側接続板の前記収容ケースからの突出距離以上であることを特徴とする。

本発明の減速機構付き電動モータは、前記仕切り壁は、前記収容ケースの前記ブラシホルダ側の端部に設けられたことを特徴とする。

本発明によれば、収容ケースに収容される接続ユニットのブラシに接続される一対のブラシ側接続板の間に突出する仕切り壁を設けたので、一対のブラシ側接続板をそれぞれブラシホルダの対応するユニット接続部にハンダ付けする際に、一方のブラシ側接続板からハンダが流れても、仕切り壁によりハンダの流れが止められる。つまり、流れたハンダが他方のブラシ側接続板まで拡がらなくすることができる。これにより、ハンダが流れてショートするのを防ぐことが可能となる。

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。

図１は本発明の一実施の形態であるワイパモータを示す斜視図であり、図２は図１に示すワイパモータの分解斜視図である。

図１に示すワイパモータ１１は車両に設けられるリヤワイパ装置の駆動源として用いられるものであり、モータ本体１２と減速機１３とが１つのユニットとされた減速機構付き電動モータとなっている。

図２に示すように、モータ本体１２は回転軸１２ａを備えたブラシ付きモータとなっており、この回転軸１２ａにはコミュテータ１４（整流子）とアーマチュアコア（不図示）とが固定されている。アーマチュアコアのスロットには複数の図示しないコイル（電機子巻線）が巻装され、これらのコイル端はそれぞれコミュテータの対応するセグメントに接続されており、コミュテータ１４とコイルとによりアーマチュア（電機子）１５が構成されている。

モータ本体１２は断面小判形状の底付き筒状に形成されたモータヨーク（継鉄）１６を備えており、アーマチュア１５は回転軸１２ａの一端がモータヨーク１６の底部に回転自在に支持されることにより、モータヨーク１６の内部に回転自在に収容されている。また、モータヨーク１６の内面には一対のマグネット（不図示）が互いに異なる磁極を対向させて装着されており、コイルが巻装されたアーマチュアコアはこれらのマグネットとモータヨーク１６とで形成される磁界内に位置するようになっている。

図３は図１に示すワイパモータの給電回路図であり、図４はモータ本体に設けられるブラシホルダの詳細を示す斜視図である。

このワイパモータ１１には、モータ本体１２に駆動電流を供給するために、図３に示す給電回路２１が設けられている。この給電回路２１はコミュテータ１４の外周面に摺接する一対のブラシ２２ａ，２２ｂを有しており、これらのブラシ２２ａ，２２ｂを保持するために、図２に示すように、モータヨーク１６の内部にはブラシホルダ２３が装着されている。

図４に示すように、このブラシホルダ２３は樹脂材料により形成され、回転軸１２ａの軸方向に垂直な本体壁部２３ａと、モータヨーク１６の内面に沿う筒状に形成されて本体壁部２３ａの外周を覆う外周壁部２３ｂとを備えており、外周壁部２３ｂがモータヨーク１６の内面に摺接するようにモータヨーク１６の内部に装着されるようになっている。また、本体壁部２３ａの軸心には貫通孔２３ｃが形成されており、ブラシホルダ２３がモータヨーク１６に装着されたときには、アーマチュア１５のコミュテータ１４は貫通孔２３ｃに挿通されて本体壁部２３ａの内側に配置されるようになっている。

図４に示すように、ブラシホルダ２３に保持される一対のブラシ２２ａ，２２ｂは、それぞれくの字に折り曲げられた板ばね２４ａ，２４ｂの一端に固定されており、これらの板ばね２４ａ，２４ｂの他端が締結部材（ボルト）２５でブラシホルダ２３に固定されることにより、ブラシ２２ａ，２２ｂは板ばね２４ａ，２４ｂに付勢された状態でコミュテータ１４の外周面に摺接するようになっている。板ばね２４ａ，２４ｂは銅板等の金属板により形成されており、各板ばね２４ａ，２４ｂに直流電流が供給されると、その電流は板ばね２４ａ，２４ｂを介してブラシ２２ａ，２２ｂに供給されるようになっている。そして、各ブラシ２２ａ，２２ｂに電流が供給されると、その電流はコミュテータ１４により転流されて各コイルに供給され、これにより磁界中にあるコイルに通電されてアーマチュア１５とともに回転軸１２ａが回転することになる。

なお、給電回路２１を構成する他の素子等については、順次後述する。

図５は図１に示す減速機の内部構造を示す一部切り欠き断面図である。

一方、減速機１３はモータヨーク１６に固定されるギヤケース２６を有している。このギヤケース２６はアルミ合金等の導体により形成されており、モータヨーク１６に固定されたときには、当該モータヨーク１６に電気的に接続されるようになっている。

図５に示すように、このギヤケース２６の内部には減速機構２８が収容されている。減速機構２８はウォーム３１とウォーム３１に噛み合うウォームホイル３２とを備えたウォームギヤ機構となっており、ウォーム３１は回転軸１２ａのギヤケース２６内部に突出する外周面に一体的に形成され、ウォームホイル３２はギヤケース２６に設けられた支持軸３３に支持されてギヤケース２６の内部で回転自在となっている。したがって、モータ本体１２が作動して回転軸１２ａが回転すると、その回転は減速機構２８により所定の回転数にまで減速してウォームホイル３２に伝達される。

また、この減速機１３には、ウォームホイル３２の回転を揺動運動に変換して出力軸２７に伝達するために、動力変換機構３４が設けられている。動力変換機構３４は、動力変換部材３５と出力ギヤ３６とを有しており、動力変換部材３５はアーム部３５ａとセクタギヤ部３５ｂとを有し、アーム部３５ａの先端部は連結軸３７によりウォームホイル３２の回転中心軸から離れた位置に回転自在に連結されている。一方、出力ギヤ３６はギヤケース２６の内部に突出する出力軸２７の基端部に固定されており、動力変換部材３５のセクタギヤ部３５ｂに噛み合わされている。また、セクタギヤ部３５ｂの軸心には歯車軸３８が設けられ、この歯車軸３８と出力軸２７とはプレート部材３９により揺動自在に連結されており、これにより、セクタギヤ部３５ｂは出力ギヤ３６に噛み合わされた状態に保持されるようになっている。

このような構造により、モータ本体１２が作動してウォームホイル３２が回転すると、その回転によりアーム部３５ａが往復動されるとともにセクタギヤ部３５ｂが出力ギヤ３６に対して揺動運動し、ウォームホイル３２の回転運動が揺動運動に変換されて出力軸２７から出力される。つまり、このワイパモータ１１では、モータ本体１２の動力である回転軸１２ａの回転運動を減速機構２８で減速するとともに動力変換機構３４により揺動運動に変換して出力軸２７から出力するようになっている。

図１に示すように、ギヤケース２６には支持軸３３と平行に突出するボス部２６ａが形成されており、出力軸２７は支持軸３３に平行となってボス部２６ａに回転自在に支持されている。また、出力軸２７の先端はボス部２６ａから外部に突出しており、その先端にはリヤワイパ装置を構成するリヤワイパアームが取り付けられる。これにより、モータ本体１２が作動すると、出力軸２７とともにリヤワイパアームが揺動して、リヤワイパ装置による払拭動作が行われることになる。

給電回路２１を車載されるバッテリ等の電源４１やワイパスイッチ４２に接続するために、このワイパモータ１１にはコネクタ４３が設けられている。図１に示すように、このコネクタ４３は独立したユニットとして形成され、ギヤケース２６の外側面上に配置されて締結部材（ボルト）４４により当該ギヤケース２６に固定されている。図３、図５から解るように、コネクタ４３には一対の給電端子４５ａ，４５ｂが設けられており、給電端子４５ａは配線を介して電源４１とワイパスイッチ４２とに接続され、給電端子４５ｂは図示しない車体側の外部コネクタに接続されて車体にアースされている。そして、ワイパスイッチ４２がオンされると、給電端子４５ａに電源４１から給電されるようになっている。

また、コネクタ４３にはオートストップ回路用のスイッチ端子４６が設けられており、このスイッチ端子４６はギヤケース２６に設けられた挿通孔（不図示）からギヤケース２６の内部に挿通され、ウォームホイル３２とともに回転するリレープレート（不図示）に接触している。リヤワイパアームが下反転位置となると、スイッチ端子４６とリレープレートとを介してコネクタ４３の位置検出用端子４７から図示しない制御装置に位置検出信号が出力される。そして、制御装置は、ワイパスイッチ４２が無作為に停止操作されても、リヤワイパアームが下反転位置となったときにモータ本体１２を停止させるようになっている。

図１に示すように、ギヤケース２６の外側面上には収容ケース５１が配置されている。

図６は図１に示す収容ケースの詳細を示す斜視図であり、この収容ケース５１は樹脂材料により縦長のバスタブ状に形成されており、図４に示すように、その一端において外周壁部２３ｂに沿うようにブラシホルダ２３に組み付けられている。つまり、収容ケース５１はブラシホルダ２３に固定されて当該ブラシホルダ２３と一体に設けられており、ブラシホルダ２３がモータヨーク１６に装着されると収容ケース５１はモータヨーク１６の内部からその開口部を介してギヤケース２６側に突出するようになっている。そして、モータヨーク１６にギヤケース２６が固定されたときには、収容ケース５１はギヤケース２６の外側面上に配置されるようになっている。

収容ケース５１には、ブラシ２２ａ，２２ｂと電源４１とを電気的に接続する接続ユニット５２が収容されている。図６に示すように、接続ユニット５２は、収容ケース５１のブラシホルダ２３側の端部（以下、単に「ブラシホルダ側の端部」と称することもある）に固定された一対のブラシ側接続板５３ａ，５３ｂと、コネクタ４３側の端部に固定された一対の給電側接続板（電源側接続板）５４ａ，５４ｂと、ブラシ側接続板５３ａ，５３ｂと給電側接続板５４ａ，５４ｂとの間に設けられる雑音防止手段５７とを備えている。なお、図６においては、収容ケース５１の蓋が取り外された状態を示している。

図７は接続ユニットの要部を示す平面図である。図７に示すように、ブラシ側接続板５３ａ，５３ｂは、それぞれ銅板等の金属板を折り曲げて形成されている。一方、図４に示すように、ブラシホルダ２３には対応するブラシ２２ａ，２２ｂの板ばね２４ａ，２４ｂに接続される配線板が設けられており、その端部に一対のユニット接続部５６ａ，５６ｂを有している。

そして、図７に示すように、このユニット接続部５６ａ，５６ｂにブラシ側接続板５３ａ，５３ｂの一端部がそれぞれ接続されている。また、ブラシ側接続板５３ａ，５３ｂの他端部はモータヨーク１６の開口部を介して収容ケース５１の内部に平行に並んで突出している。

一対のブラシ側接続板５３ａ，５３ｂの間には、ブラシホルダ側の端部より突出して仕切り壁５５が設けられている。この仕切り壁５５は、ブラシホルダ側の端部からの突出距離Ｌ_１が、ブラシ側接続板５３ａ，５３ｂのブラシホルダ側の端部からの突出距離Ｌ_２と等しくなるように形成されている。また、図示の例では、ブラシ側接続板５３ａ，５３ｂの双方から等間隔に配置されており、先端側半分の幅が基端側半分の幅よりも狭く形成されている。

このように、このワイパモータ１１では、一対のブラシ側接続板５３ａ，５３ｂの間に仕切り壁５５を設けたことにより、ハンダの流れによるショートを防ぐことが可能となる。

つまり、図４および図７に示すように、収容ケース５１をブラシホルダ２３に組み付ける際には、ブラシ側接続板５３ａ，５３ｂをユニット接続部５６ａ，５６ｂにそれぞれハンダ付けして接続する。このハンダ付けの際に、ユニット接続部５６ａ，５６ｂは、ブラシ側接続板５３ａ，５３ｂ間の距離に併せて互いに近い位置に配置されているため、仕切り壁５５がない場合には、一方のブラシ側接続板からハンダが流れると、流れたハンダが他方のブラシ側接続板まで拡がってしまいショートする虞がある。

これに対し、このワイパモータ１１では、一方のブラシ側接続板からハンダが流れても、仕切り壁５５によりハンダの流れが止められ、流れたハンダが他方のブラシ側接続板まで拡がるのを防ぐことができる。

また、図７に示すように、ブラシ側接続板５３ａ，５３ｂは、先端部分がブラシホルダ２３のユニット接続部５６ａ，５６ｂにそれぞれハンダ付けされるので、この先端部分でハンダが流れやすい。しかし、仕切り壁５５のブラシホルダ側の端部からの突出距離Ｌ₁を、ブラシ側接続板５３ａ，５３ｂのブラシホルダの側端部からの突出距離Ｌ₂と等しくすることで、一方のブラシ側接続板の先端部分から流れたハンダが、仕切り壁５５の先端を超えて他方のブラシ側接続板に流れるのを防ぐことができる。

一方、図６に示すように、給電側接続板５４ａ，５４ｂは、それぞれ銅板等の金属板を折り曲げて形成され、互いに平行に並べて配置されており、その一端部はコネクタ４３の対応する給電端子４５ａ，４５ｂに接続され、他端部は収容ケース５１の内部に平行に並んで突出している。

接続ユニット５２のブラシ側接続板５３ａ，５３ｂと給電側接続板５４ａ，５４ｂとの間には、各ブラシ２２ａ，２２ｂと給電端子４５ａ，４５ｂとを接続するとともにブラシ２２ａ，２２ｂとコミュテータ１４の摺接部分から生じるノイズを吸収するために、雑音防止手段５７が収容ケース５１に収容されて設けられている。

雑音防止手段５７は一対のチョークコイル５８ａ，５８ｂと、コンデンサとバリスタの機能を有する容量性素子としての双方向性バリスタ５９とを有し、一方、収容ケース５１には当該収容ケース５１内を３つのスペースに区画する隔壁６０が設けられており、各チョークコイル５８ａ，５８ｂは収容ケース５１に並列に並べて配置されるとともに隔壁６０により互いに隔てられ、双方向性バリスタ５９は各チョークコイル５８ａ，５８ｂに対してコネクタ４３側に並べて収容されるとともに隔壁６０により各チョークコイル５８ａ，５８ｂから隔てられている。隔壁６０により区画される各スペースはそれぞれチョークコイル５８ａ，５８ｂ、双方向性バリスタ５９の外形に対応した形状と大きさに設定されており、これにより、各スペースにチョークコイル５８ａ，５８ｂや双方向性バリスタ５９を容易に装着できるようになっている。

なお、容量性素子として、コンデンサのみを装着したり、バリスタのみを装着するようにしてもよい。

チョークコイル５８ａの一端はブラシ側接続板５３ａに接続され、他端は給電側接続板５４ａに接続されており、つまり、チョークコイル５８ａは正極側のブラシ２２ａと正極側の給電端子４５ａとの間に直列に接続されている。同様に、チョークコイル５８ｂの一端はブラシ側接続板５３ｂに接続され、他端は給電側接続板５４ｂに接続されており、つまりチョークコイル５８ｂは負極側のブラシ２２ｂと負極側の給電端子４５ｂとの間に直列に接続されている。また、双方向性バリスタ５９の一端は給電側接続板５４ａに接続され、他端は給電側接続板５４ｂに接続されており、つまり双方向性バリスタ５９は各チョークコイル５８ａ，５８ｂ間に電気的に接続されている。

これにより、ブラシ２２ａ，２２ｂとコミュテータ１４との摺接部分からノイズが発生しても、チョークコイル５８ａ，５８ｂおよび双方向性バリスタ５９により、給電回路２１に流れるノイズを吸収して、モータ外部へのノイズの放射を低減することができる。また、雑音防止手段５７は、モータヨーク１６からの給電回路２１の出口つまり各ブラシ側接続板５３ａ，５３ｂが通る開口部の直後に設けられているので、モータヨーク１６の内部から当該開口部を介して外部に放射されるノイズを、他の配線等に伝播する前に雑音防止手段５７により除去することができ、これによりモータ外部へのノイズの放射を低減することができる。

このように、このワイパモータ１１では、雑音防止手段５７をモータヨーク１６の外側に配置するようにしたので、モータヨーク１６の内部から開口部を介して出てくるノイズを他の配線に伝播する前にまとめて除去して、このワイパモータ１１から放射されるノイズを低減することができる。

また、このワイパモータ１１では、ブラシホルダ２３と一体に設けられた収容ケース５１に雑音防止手段５７を収容するようにしたので、雑音防止手段５７の組み付け作業を容易にすることができる。

さらに、このワイパモータ１１では、収容ケース５１に隔壁６０を設け、この隔壁６０により形成される収容スペースにチョークコイル５８ａ，５８ｂや双方向性バリスタ５９を収容するようにしたので、雑音防止手段５７を構成する各素子の収容ケース５１への組み付け作業を容易にすることができる。

さらに、このワイパモータ１１では、収容ケース５１はモータヨーク１６やギヤケース２６の外側面上に配置されるので、モータ組み付け工程の最終段階で雑音防止手段５７を組み付けることができ、これにより、雑音防止手段５７の有無によるワイパモータ１１の仕様分けが容易となる。

収容ケース５１は接続ユニット５２を収容後、蓋が被せられてブラシホルダ２３に組み付けられる。図８（ａ）、（ｂ）はそれぞれ蓋をした状態の収容ケースを示す斜視図であり、図９は蓋をした状態の収容ケースを示す底面図である。

図８（ａ）に示すように、蓋６１のブラシ側接続板５３ｂ固定側の側面には、ブラシ側接続板５３ｂとチョークコイル５８ｂとの接続箇所に接続確認窓６２が形成されており、この接続確認窓６２から収容ケース５１の内部を覗くことにより、ブラシ側接続板５３ｂとチョークコイル５８ｂとのハンダ付けがされているか否かを確認できるようになっている。なお、図示はしないが、ブラシ側接続板５３ａ固定側の側面にも、同様の確認窓が形成されている。

図８（ｂ）に示すように、蓋６１におけるコネクタ４３側の端部の側面には、給電側接続板５４ａ，５４ｂと双方向性バリスタ５９との接続箇所に接続確認窓６３が形成されており、給電側接続板５４ａ，５４ｂと双方向性バリスタ５９とのハンダ付けがされているか否かを確認できるようになっている。

図９に示すように、収容ケース５１の底面には、給電側接続板５４ａとチョークコイル５８ａとの接続箇所に接続確認窓６４ａが形成されており、給電側接続板５４ａとチョークコイル５８ａとのハンダ付けがされているか否かを確認できるようになっている。給電側接続板５４ｂとチョークコイル５８ｂとの接続箇所にも同様の接続確認窓６４ｂが形成されている。

また、収容ケース５１の底面のチョークコイル５８ａ，５８ｂが収容されている箇所には、チョークコイル確認窓６５ａ，６５ｂが形成されており、これらのチョークコイル確認窓６５ａ，６５ｂを覗くことにより、それぞれチョークコイル５８ａ，５８ｂが備えられているか否かを確認できるようになっている。

さらに、収容ケース５１の底面の双方向性バリスタ５９が収容されている箇所には、バリスタ確認窓６６が同様に形成されている。

そして、図１に示すように、収容ケース５１をブラシホルダ２３に組み付けた状態では、ブラシ側接続板とチョークコイルとの接続確認窓はモータヨーク１６に、給電側接続板と双方向性バリスタとの接続確認窓はコネクタ４３に、給電側接続板とチョークコイルとの接続確認窓、チョークコイル確認窓およびバリスタ確認窓はギヤケース２６の外側面に、それぞれ覆われるようになっている。

このように、この収容ケース５１では、接続確認窓６２，６３および６４ａ，６４ｂを形成したことにより、収容ケース５１に蓋６１を被せた後であっても、ブラシ側接続板５３ａ，５３ｂや給電側接続板５４ａ，５４ｂと、雑音防止手段５７のチョークコイル５８ａ，５８ｂや双方向性バリスタ５９との接続箇所のハンダ付け、つまり接続ユニット５２の構成部材間の接続箇所を確認することができる。同様に、チョークコイル確認窓６５ａ，６５ｂおよびバリスタ確認窓６６を形成したことにより、収容ケース５１に接続ユニット５２の構成部材である雑音防止手段５７のチョークコイル５８ａ，５８ｂや双方向性バリスタ５９が備えられていることを確認することができる。

また、この収容ケース５１では、上述の各確認窓を、収容ケース５１の側面や底面に形成したことにより、収容ケース５１をブラシホルダ２３に組み付けた際にはこれらの各確認窓を塞ぐことができる。これにより、各確認窓から収容ケース５１内に異物が混入してショートするのを防ぐことができる。

図１０（ａ）、（ｂ）はそれぞれモータヨーク側接地端子のモータヨークへの接地手順を示す断面図である。

負極側のブラシ２２ｂをモータヨーク１６に接地するために、ブラシホルダ２３にはモータヨーク側接地端子６７が設けられている。このモータヨーク側接地端子６７は銅板等の金属板を折り曲げて形成されており、その本体部６７ａにおいてブラシホルダ２３の本体壁部２３ａに固定され、その端子部６７ｂは本体部６７ａに対して、くの字に折り曲げられて、図１０（ａ）に示すように、外周壁部２３ｂに形成された切り欠きから外周壁部２３ｂの外側に突出している。また、モータヨーク側接地端子６７の本体部６７ａはブラシホルダ２３に設けられる配線板を介して負極側のブラシ２２ｂと負極側のブラシ側接続板５３ｂとに接続されている。

ブラシホルダ２３がモータヨーク１６の内部に装着されると、図１０（ｂ）に示すように、モータヨーク側接地端子６７の端子部６７ｂはモータヨーク１６の内面に弾性変形した状態で接触し、これにより、負極側のブラシ２２ｂはモータヨーク１６に接地される。負極側のブラシ２２ｂがモータヨーク１６に接地されると、モータヨーク１６がシールド効果を生じ、モータヨーク１６を介してモータ外部へノイズが放射されることを防止することができる。

図１１はブラシホルダが取り付けられる前のギヤケースを示す斜視図であり、図１２は図１１に示す突起部と回転軸との位置関係を示す説明図である。また、図１３は図１２におけるＡ−Ａ線に沿う断面図であり、図１４（ａ）、（ｂ）はそれぞれ突起部へのギヤケース側接地端子の接続手順を示す正面図である。

図１１に示すように、ギヤケース２６の外側面上には、接地用の突起部６８が設けられている。図１１に示すように、この突起部６８は、ギヤケース２６と一体にアルミ合金等の導体により形成されており、ギヤケース２６やモータヨーク１６に電気的に接続された状態となっている。また、図１２、図１３に示すように、この突起部６８は、モータ本体１２の回転軸１２ａの軸心を通り且つギヤケース２６の外側面に直交する面（図１３中に一点鎖線で示す）と当該外側面との交差線（図１２中に一点鎖線で示す）上に配置されている。つまり、突起部６８は、出力軸２７の軸方向から見て、モータ本体１２つまり回転軸１２ａの中心軸線上に配置されている。

一方、図６に示すように、収容ケース５１のコネクタ４３側の先端部には係止板６９が設けられ、図１４に示すように、この係止板６９に形成された係止溝６９ａを突起部６８に係合させることにより、収容ケース５１はギヤケース２６上に位置決めされるようになっている。また、収容ケース５１に固定される各給電側接続板５３ａ，５３ｂは、収容ケース５１が突起部６８により位置決めされたときに、互いの中間に突起部６８が位置するように当該突起部６８を挟んで対向して配置されている。

図６に示すように、負極側の給電側接続板５４ｂには、当該給電側接続板５４ｂをギヤケース２６に接地するために、ギヤケース側接地端子７０が設けられている。このギヤケース側接地端子７０は、収容ケース５１からコネクタ４３側に突出する給電側接続板５４ｂの一部つまり先端部を正極側の給電側接続板５４ａの側から収容ケース５１に向けて折り返すようにＶ字形状に折り曲げて形成されており、その曲げ方向つまり給電側接続板５４ｂに接近離反する方向に弾性変形自在となっている。つまり、ギヤケース側接地端子７０は、給電側接続板５４ｂと一体に銅板等の金属板により形成されている。そして、収容ケース５１が突起部６８により位置決めされた状態でギヤケース２６上に配置されたときには、図１４（ｂ）に示すように、突起部６８の側面に弾性変形した状態で接触するようになっている。また、収容ケース５１には、突起部６８の側面に接触した状態のギヤケース側接地端子７０の先端部に当接する当接部７１が設けられており、ギヤケース側接地端子７０を先端側は突起部６８と当接部７１との間に挟み込んで、より強固に突起部６８に接触させるようになっている。

ギヤケース側接地端子７０は雑音防止手段５７よりも給電端子４５ａ，４５ｂ側においてギヤケース２６に接地され、ギヤケース２６はモータヨーク１６と電気的に接続され、さらに、モータヨーク１６はモータヨーク側接地端子６７により給電回路２１に接続されているので、雑音防止手段５７によって吸収しきれなかったノイズはギヤケース２６とモータヨーク１６とを介してモータ本体１２の内部に戻され、これにより、モータ外部に放射されるノイズを低減させることができる。

このように、このワイパモータ１１では、モータヨーク側接地端子６７によりブラシ２２ｂをモータヨーク１６に接地するとともに、ギヤケース側接地端子７０により雑音防止手段５７よりも給電端子４５ａ，４５ｂ側において給電回路２１をギヤケース２６に接地するようにしたので、雑音防止手段５７でとりきれなかったノイズをギヤケース側接地端子７０とモータヨーク側接地端子６７とを介してモータ本体１２の内部に戻して、モータ外部へのノイズの放射を低減させることができる。

また、このワイパモータ１１では、給電側接続板５４ｂの先端部をＶ字形状に折り曲げてギヤケース側接地端子７０を形成し、このギヤケース側接地端子７０をギヤケース２６に設けられる接地用の突起部６８に弾性変形させた状態で接触させるようにしたので、ギヤケース側接地端子７０を常にばね力が加えられた状態で突起部６８に接触させることができる。特に、給電側接続板５４ｂの一部をＶ字形状に折り曲げてギヤケース側接地端子７０を形成することにより、狭いスペースにおいてもギヤケース側接地端子７０に十分なたわみ長さを確保することができる。これにより、ギヤケース側接地端子７０を確実に突起部６８に接触させて給電回路２１を確実にギヤケース２６に接地させることができる。また、収容ケース５１をギヤケース２６に装着することにより、容易にギヤケース側接地端子７０を突起部６８に接地することができる。つまり、ねじ等の締結部材を用いることなくギヤケース側接地端子７０を確実にギヤケース２６に接地させることができるので、このワイパモータ１１の部品点数や組み付け工数等を低減することができる。

さらに、このワイパモータ１１では、回転軸１２ａの軸心を通り且つギヤケース２６の外側面に直交する面が当該外側面と交差する線上に突起部６８を配置し、一対の給電側接続板５４ａ，５４ｂをこの突起部６８を挟んで対向させて配置するようにしたので、このワイパモータ１１の車体の取り付け状態等の仕様に応じ、ギヤケース２６を左右対称の２種類の形状に形成するようにしても、各ギヤケース２６に対して同一のモータ本体１２を用いることができる。つまり、ギヤケース２６の勝手違いに対するモータ本体１２の汎用性を高めて、このワイパモータ１１のコストを低減させることができる。

本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、本実施の形態においては、本発明を車両のリヤワイパアームを駆動するワイパモータ１１に適用した場合を示しているが、これに限らず、例えば、車両用のパワーウインド装置やサンルーフ装置等の駆動源として用いられるモータ等に本発明を適用してもよい。

また、本実施の形態においては、減速機１３には動力変換機構３４が設けられているが、これに限らず、減速機構２８が設けられていれば、動力変換機構３４の有無は問わない。

さらに、本実施の形態においては、ブラシ側接続板５３ａ，５３ｂと給電側接続板５４ａ，５４ｂとが別体に形成され、これらの接続板５３ａ〜５４ｂが雑音防止手段５７により接続される構造となっているが、これに限らず、雑音防止手段５７を設けず、ブラシ側接続板５３ａ，５３ｂと給電側接続板５４ａ，５４ｂとを一体に形成するようにしてもよい。

さらに、本実施の形態においては、仕切り壁５５のブラシホルダ２３側の端部からの突出距離Ｌ₁は、ブラシ側接続板５３ａ，５３ｂのブラシホルダ２３側の端部からの突出距離Ｌ₂と等しくなっているが、ブラシ側接続板５３ａ，５３ｂのブラシホルダ２３側の端部からの突出距離Ｌ₂より長くなるように形成してもよい。

さらに、本実施の形態においては、ブラシはブラシホルダ２３の２箇所に設けられているが、３箇所以上に設けるとともに、これに対応してブラシ側接続板も３箇所以上設けるようにしてもよい。

さらに、本実施の形態においては、給電側接続板５４ｂの先端部をＶ字形状に折り曲げてギヤケース側接地端子７０を形成するようにしているが、これに限らず、例えば給電側接続板５４ｂの一部をくの字状に折り曲げるなど、給電側接続板５４ｂの一部を弾性変形した状態で突起部６８に接触させることができる形状であれば、他の形状としてもよい。

本発明の一実施の形態であるワイパモータを示す斜視図である。図１に示すワイパモータの分解斜視図である。図１に示すワイパモータの給電回路図である。モータ本体に設けられるブラシホルダの詳細を示す斜視図である。図１に示す減速機の内部構造を示す一部切り欠き断面図である。図１に示す収容ケースの詳細を示す斜視図である。接続ユニットの要部を示す平面図である。（ａ）、（ｂ）はそれぞれ蓋をした状態の収容ケースを示す斜視図である。蓋をした状態の収容ケースを示す底面図である。（ａ）、（ｂ）はそれぞれモータヨーク側接地端子のモータヨークへの接地手順を示す断面図である。ブラシホルダが取り付けられる前のギヤケースを示す斜視図である。図１１に示す突起部と回転軸との位置関係を示す説明図である。図１２におけるＡ−Ａ線に沿う断面図である。（ａ）、（ｂ）はそれぞれ突起部へのギヤケース側接地端子の接続手順を示す正面図である。

符号の説明

１１ワイパモータ（減速機構付き電動モータ）
１２モータ本体
１２ａ回転軸
１３減速機
１４コミュテータ
１５アーマチュア
１６モータヨーク
２１給電回路
２２ａ，２２ｂブラシ
２３ブラシホルダ
２３ａ本体壁部
２３ｂ外周壁部
２３ｃ貫通孔
２４ａ，２４ｂ板ばね
２５締結部材
２６ギヤケース
２６ａボス部
２７出力軸
２８減速機構
３１ウォーム
３２ウォームホイル
３３支持軸
３４動力変換機構
３５動力変換部材
３５ａアーム部
３５ｂセクタギヤ部
３６出力ギヤ
３７連結軸
３８歯車軸
３９プレート部材
４１電源
４２ワイパスイッチ
４３コネクタ
４４締結部材
４５ａ，４５ｂ給電端子
４６スイッチ端子
４７位置検出用端子
５１収容ケース
５２接続ユニット
５３ａ，５３ｂブラシ側接続板
５４ａ，５４ｂ給電側接続板（電源側接続板）
５５仕切り壁
５６ａ，５６ｂユニット接続部
５７雑音防止手段
５８ａ，５８ｂチョークコイル
５９双方向性バリスタ
６０隔壁
６２接続確認窓
６３接続確認窓
６４ａ，６４ｂ接続確認窓
６５ａ，６５ｂチョークコイル確認窓
６６バリスタ確認窓
６７モータヨーク側接地端子
６７ａ本体部
６７ｂ端子部
６８突起部
６９係止板
６９ａ係止溝
７０ギヤケース側接地端子
７１当接部

Claims

回転軸を備えたモータ本体と、前記回転軸の回転を減速して出力軸から出力する減速機構とを備えた減速機構付き電動モータであって、
前記回転軸に固定されるコミュテータと前記コミュテータに接続されるコイルとを備えたアーマチュアと、
内面にマグネットが装着され、前記アーマチュアを回転自在に収容するモータヨークと、
前記モータヨークの内部に装着され、前記コミュテータに摺接する一対のブラシを保持するブラシホルダと、
前記モータヨークに固定され、前記減速機構を収容するギヤケースと、
前記ギヤケースの外側面上に配置され、前記ブラシホルダに組み付けられる収容ケースと、
前記ブラシホルダに設けられ、前記ブラシに接続される一対のユニット接続部と、
前記収容ケースに収容され、それぞれ電源に接続される一対の電源側接続板と、それぞれ前記一対のユニット接続部に接続される一対のブラシ側接続板とを備える接続ユニットと、
前記収容ケースに設けられ、前記一対のブラシ側接続板の間に突出する仕切り壁とを有することを特徴とする減速機構付き電動モータ。
回転軸を備えたモータ本体と、前記回転軸の回転を減速して出力軸から出力する減速機構とを備えた減速機構付き電動モータであって、
前記回転軸に固定されるコミュテータと前記コミュテータに接続されるコイルとを備えたアーマチュアと、
内面にマグネットが装着され、前記アーマチュアを回転自在に収容するモータヨークと、
前記モータヨークの内部に装着され、前記コミュテータに摺接する一対のブラシを保持するブラシホルダと、
前記モータヨークに固定され、前記減速機構を収容するギヤケースと、
前記ギヤケースの外側面上に配置され、前記ブラシホルダに組み付けられる収容ケースと、
前記ブラシホルダに設けられ、前記ブラシに接続される一対のユニット接続部と、
前記収容ケースに収容され、それぞれ電源に接続される一対の電源側接続板と、それぞれ前記一対のユニット接続部に接続される一対のブラシ側接続板と、一端が前記一対の電源側接続板に接続されるとともに他端が前記一対のブラシ側接続板に接続される雑音防止手段とを備える接続ユニットと、
前記収容ケースに設けられ、前記一対のブラシ側接続板の間に突出する仕切り壁とを有することを特徴とする減速機構付き電動モータ。
請求項１または２記載の減速機構付き電動モータにおいて、前記仕切り壁の前記収容ケースからの突出距離が、前記一対のブラシ側接続板の前記収容ケースからの突出距離以上であることを特徴とする減速機構付き電動モータ。
請求項１〜３のいずれか１項に記載の電動モータにおいて、前記仕切り壁は、前記収容ケースの前記ブラシホルダ側の端部に設けられたことを特徴とする減速機構付き電動モータ。