JP2009004297A - インターコネクタ及び固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性が高い材料からなる保護膜を用い、固体酸化物形燃料電池の発電動作中などの高温状態においても、インターコネクタの酸化による劣化を抑制できるようにする。
【解決手段】空気極側インターコネクタ107の少なくとも空気極側の表面に、ランタンニッケルフェライトよりなる保護膜108がコーティングされている。言い換えると、空気極側インターコネクタ107の少なくとも空気極側の酸化剤ガスに晒される表面が、ランタンニッケルフェライト(LNF)よりなる保護膜108で被覆されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、保護膜で保護されたインターコネクタ及びこれを用いる固体酸化物形燃料電池に関するものである。
近年、規模の大小にかかわらず高い効率が得られる発電手段として、燃料電池が注目されている。燃料電池は、酸素などの酸化剤ガスと水素などの燃料ガスとの化学反応を利用した電池であり、燃料電極(燃料極)と酸化剤電極(空気極)とで電解質層を挟んで構成され、燃料ガスと酸化剤ガスとを供給することで、水の電気分解の逆反応を主反応として利用して発電するものである。例えば、燃料ガスとして改質メタンガス及び水素が用いられ、酸化剤ガスとして酸素や空気などが用いられる。このような燃料電池において、発電効率が45%以上と高い固体酸化物形燃料電池がある。
固体酸化物形燃料電池は、400〜1000℃と高温で作動することで、電池電解質のイオン伝導性が高く、かつ電極における酸化還元反応が起こりやすい状態とし、内部抵抗や反応抵抗による発電の損失を低減させることで、上述した高い発電効率を得ている。また、実用上十分な発電量(電圧)を得るために、燃料極−電解質−空気極からなる単位発電要素(単セル)を複数直列に電気的に接続したスタック構造として用いられている。
このようにスタック構造とする場合、隣り合う単セルの間にインターコネクタと呼ばれる接続部材が用いられる。インターコネクタは、単セルの燃料極側及び空気極側に各々設けられる場合もあり、また、これら他一体に形成されている場合もある。また、インターコネクタの各電極側には、各々の電極に燃料ガスや酸化剤ガスを供給するための通路(溝を含む)が設けられている。また、発電反応の結果生成される反応生成ガスや未反応ガスなどの、排ガスを排出する通路が設けられる場合もある。
このようなインターコネクタには、まず、隣り合う単セル間を電気的に接続するために、導電性を備えていることが必要となる。また、発電動作が行われている高温では、燃料ガスと酸化剤ガスとが直接接触すると、発電に寄与しない反応が進行して燃料が無駄に消費されることになる。このため、隣り合う単セルの一方の燃料極側と他方の空気極側とが向かい合うように接続されるスタック構造では、インターコネクタに、一方の単セルの燃料極に供給される燃料ガスと、他方の単セルの空気極に供給される酸化剤ガスとが交わらないようにするセパレータとしての機能が要求される。また、インターコネクタには、前述したような高温の状態においても、燃料ガス及び酸化剤ガスに晒されても、変性せずまた劣化しないことが求められる。
このように、電子伝導性,隔壁として機能,及び高温での安定性が要求されるインターコネクタには、フェライト系ステンレスなどの耐熱性金属材料や、導電性セラミクス材料が用いられている。特に、フェライト系ステンレスは、加工性に優れており、ガスの流路を含む複雑な形状が容易に形成でき、機械的強度も優れ、また、セラミクスに比較して一般に安価であるため、インターコネクタの材料として主に用いられている(特許文献1参照)。
しかしながら、フェライト系ステンレスより構成されたインターコネクタにおいても、酸化剤ガス及び高温水蒸気などに長期間晒される環境にあるため、酸化が起こり表面に酸化被膜が形成されるようになあるなど、徐々に劣化して接続抵抗が増大するなどの問題が発生する。これに対し、インターコネクタの表面に導電性酸化物の層をコーティングし、上述したような酸化雰囲気での劣化を抑制する技術が提案されている。導電性酸化物からなる保護膜がコーティングされたインターコネクタは、酸化剤ガスに金属の表面が直接晒されることが防がれるようになる。
燃料電池の単セルは、各電極やこの電極の上に設けられる接続層などが金属酸化物のセラミクス(焼結体)で構成され、これらにインターコネクタが接続されることになる。ここで、インターコネクタに保護膜が形成されていないと、金属と金属酸化物とが接触するようになり、酸化剤ガスなどの影響を受けて金属部分が劣化し、接続抵抗が増大するなどの悪影響が発生する。また、接続層を用いている場合、インターコネクタの表面が接続層で覆われていることになるが、接続層は導電性ペーストを焼結して形成された多孔質状態であり、インターコネクタの表面を完全に覆うものとはなっていない。このため、接続層で覆う状態では、酸化剤ガスがインターコネクタの表面にまで到達する状態であり、インターコネクタの表面の劣化を防ぐことができず、結果として燃料電池の特性を損なうことになる。
以上のことに対し、保護膜がコーティングされていると、酸化剤ガスがインターコネクタの表面に直接接触することが防がれるようになり、インターコネクタが電極や接続層と接続する部分では金属酸化物と金属酸化物とが接触することになる。このように、金属酸化物同士の接続(接触)であれば、酸化剤ガスの影響は小さく、結果として、燃料電池の特定劣化を抑制することができる。
上述したインターコネクタの劣化防止のためにコーティングされる保護膜には、少なくとも燃料電池の運転温度で酸化に対して安定であり、電子伝導性が高いことが要求されるが、このような酸化物材料として、ランタンクロマイト及びこの部分置換体が提案されている(非特許文献1参照)。また、インターコネクタの劣化防止のためにコーティングされる保護膜の材料として、ランタンストロンチウムマンガナイト及びこの部分置換体が提案されている(非特許文献2参照)。
特開2005−174884号公報 C.Johnson, et al. ,"PEROVSKITE BACED PROTECTIVE COATINGS FOR SOLID OXIDE FUEL CELL METALLIC INTERCONNECTS", Electrochemical Society Proceedings, Vol.2005-07, pp.1842-1850, 2005. L.Mikkelsen, et al. ,"INTERFACE RESISTANCE BETWEEN FeCr ALLOYS AND La0.85Sr0.15MnO3", Electrochemical Society Proceedings, Vol.2005-07, pp.1832-1841, 2005.
ところが、上述した従来の保護膜材料には、次に示すような問題があった。まず、ランタンクロマイト系の化合物の熱膨張係数は、一般的な耐熱性金属であるフェライト系ステンレスの熱膨張係数と大きく異なっている。このため、高温となる発電動作中に、形成した保護膜に亀裂などが入りやすく、インターコネクタを酸化剤ガスから保護することが難しいという問題があった。また、ランタンクロマイト系の化合物は、クロムを含んでいるため、これが空気極に直接接触すると、空気極に対していわゆるクロム被毒と呼ばれる損傷を与えることになるという問題があった。
一方、ランタンストロンチウムマンガナイト系の材料では、電子導電性があまり高くないため、インターコネクタとしての抵抗成分が大きくなり、スタック構造とした燃料電池の特性が低下するという問題があった。また、ランタンストロンチウムマンガナイト系の材料では、クロムとの反応性が高いため、インターコネクタがフェライト系ステンレスより構成されている場合、これに含まれるクロムが高温となる発電動作中に保護膜に拡散して保護膜の成分と反応し、劣化を招くという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、導電性が高い材料からなる保護膜を用い、固体酸化物形燃料電池の発電動作中などの高温状態においても、インターコネクタの酸化による劣化を抑制できるようにすることを目的とする。
本発明に係るインターコネクタは、燃料極,この燃料極の上に配置された電解質層,及びこの電解質層の上に配置された空気極から構成された複数の単セルが積層されたスタック構造の隣り合う単セルの間に配置され、ステンレス鋼から形成されたインターコネクタであって、少なくとも空気極の側の面に形成されたランタンニッケルフェライトからなる保護膜を備えるようにしたものである。
上記インターコネクタは、例えば、フェライト系ステンレスから構成されているとよい。また、上記インターコネクタの保護膜は、例えば、鉄mol数/ニッケルmol数が9以下のランタンニッケルフェライトから構成されているとよい。
また、本発明に係る固体酸化物形燃料電池は、上述したインターコネクタを用いた固体酸化物形燃料電池であって、燃料極,この燃料極の上に配置された電解質層,及びこの電解質層の上に配置された空気極から構成されて積層された複数の単セルと、隣り合う単セルの間に配置されたインターコネクタとを少なくとも備え、空気極が、ランタンニッケルフェライトから構成されているようにしたものである。
上記固体酸化物形燃料電池において、単セルは、平板型であるとよい。また、単セルは、燃料極を支持体とした燃料極支持型であると良い。
以上説明したように、本発明によれば、インターコネクタの少なくとも空気極の側の面に、ランタンニッケルフェライトからなる保護膜を備えるようにしたので、導電性が高い材料からなる保護膜を用い、固体酸化物形燃料電池の発電動作中などの高温状態においても、インターコネクタの酸化による劣化を抑制できるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における固体酸化物形燃料電池の構成例を示す断面図である。この固体酸化物形燃料電池は、まず、燃料極側接続層102,燃料極103,電解質層104,空気極105,及び空気極側接続層106が各々この順に積層された単セルを備えている。また、本固体酸化物形燃料電池は、複数の単セルが積層されたスタック構造とされ、隣り合う単セルの間に配置される燃料極側インターコネクタ101及び空気極側インターコネクタ107を備えている。
燃料極側インターコネクタ101及び空気極側インターコネクタ107は、例えば、よく知られたフェライト系ステンレス鋼から形成されている。また、例えば、単セル及び各インターコネクタは、平面視円形に形成されている。また、燃料極側接続層102及び空気極側接続層106は、必要に応じて設ければよく、導電性を備えた微粒子の焼結体よりなる多孔体や網状に形成された金属の層などから構成された、導電性を備えてガスを透過するものである。接続層を用いることで、各電極とインターコネクタとの間の接続抵抗の低減が図れる。
ここで、空気極105は、例えば、ランタンニッケルフェライト(La(Ni,Fe)O3:LNF),ランタンストロンチウムマンガネート((La,Sr)MnO3:LSM),ランタンストロンチウムコバルタイト((La,Sr)CoO3:LSC),ランタンストロンチウムフェライト((La,Sr)FeO3:LSF),及びサマリウムストロンチウムコバルタイト((Sm,Sr)CoO3:SSC)などの、導電性を有する金属酸化物の焼結体から構成されたものである。
また、電解質層104は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ),サマリア安定化ジルコニア(SSZ),スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ),コバルト添加ランタンガレート系酸化物(LSGMC)などから構成されたものである。また、燃料極103は、例えば、ニッケルドープイットリア安定化ジルコニア(Ni−YSZ),ニッケルドープスカンジア安定化ジルコニア(Ni−ScSZ)などの、電解質層104を構成する酸化物材料に金属ニッケルが混合されたものである。
また、燃料極側インターコネクタ101の燃料極103の側には、燃料ガス流路111が設けられ、空気極側インターコネクタ107の空気極105の側には、酸化剤ガス流路171が設けられている。なお、図示していないが、燃料極側インターコネクタ101には、燃料ガス供給配管及び燃料ガス排気配管が接続し、これら各配管は、燃料ガス流路111の燃料極側インターコネクタ101の内部に設けられた管路に連通している。同様に、図示していないが、空気極側インターコネクタ107には、酸化剤ガス供給配管が接続し、この配管は、燃料ガス流路111の空気極側インターコネクタ107内部に設けられた管路に連通している。
また、燃料極側インターコネクタ101の燃料極103の側には、凹部が設けられ、この凹部内に単セルの燃料極側接続層102,燃料極103,及び電解質層104の部分が収容されている。燃料極側インターコネクタ101の凹部においては、リング状のシール部109により燃料極103(電解質層104)と燃料極側インターコネクタ101との間に、密閉された空間が形成されている。この構造により、燃料極103の側に供給される燃料ガスと、空気極105の側に供給される酸化剤ガスとの接触が抑制されている。
加えて、本実施の形態における固体酸化物形燃料電池では、空気極側インターコネクタ107の少なくとも空気極側の表面に、ランタンニッケルフェライトよりなる保護膜108が形成(コーティング)されているようにした。言い換えると、空気極側インターコネクタ107の少なくとも空気極側の酸化剤ガスに晒される表面が、ランタンニッケルフェライト(LNF)よりなる保護膜108で被覆されているようにした。
ランタンニッケルフェライトは、化学組成式LaNi1-xFex3-d(ただし0<x<1,0.5≦d≦0.5)で表される複酸化物である。ランタンニッケルフェライトにおけるLa/(Ni+Fe)の比は、概ね1である。なお、例えばカチオン欠損などにより上記比が1で内場合もある。ランタンニッケルフェライトが、高い電子導電性を示す条件は、Femol数/ニッケルmol数が9以下、言い換えると、LaNi1-xFex3-dにおいて0<x≦0.9とした状態である。
ランタンニッケルフェライトは、0<x<1の全組成領域において、熱膨張率がフェライト系ステンレス鋼にほぼ等しい。このため、空気極側インターコネクタ107が、フェライト系ステンレス鋼から構成されている場合、空気極側インターコネクタ107とこの表面に形成される保護膜108とは、熱膨張率がほぼ等しい状態となり、大きな温度変化により保護膜108に亀裂が入るなどのことが発生しにくいものとなっている。
また、ランタンニッケルフェライトは、クロムに対する耐性が強く、インターコネクタのフェライト系ステンレスに含まれるクロムと接しても、ランタンストロンチウムマンガナイトに見られるような劣化が起こりにくい。また、ランタンニッケルフェライト自身にクロムを含んでいないので、空気極に対してクロム被毒を与えることがない。
上述したような特徴を備えるランタンニッケルフェライトは、よく知られた方法により形成することが可能である。例えば、酸化ランタン,酸化ニッケル,及び酸化鉄を、所望のmol比で混合し、この混合物を900〜1400°の温度で焼成することでランタンニッケルフェライトよりなる保護膜108の形成が可能である。
ところで、燃料極側インターコネクタ101及び空気極側インターコネクタ107は、固体酸化物形燃料電池のインターコネクタとして用いられているよく知られた金属材料から形成可能であり、特に、耐食性の高い金属材料(ステンレス鋼)を用いればよい。例えば、フェライト系ステンレス,オーステナイト系ステンレス,少量の添加物を加えたクロム系合金などが挙げられる。フェライト系ステンレスや少量の添加物を加えたクロム系合金は、ランタンニッケルフェライトと熱膨張率が近く、インターコネクタの材料として好適である。空気極側インターコネクタ107が、フェライト系ステンレスや少量の添加物を加えたクロム系合金で構成されている場合、ランタンニッケルフェライトよりなる保護膜108との密着性がよく、これらを用いることで固体酸化物形燃料電池のいっそうの長寿命化が図れるようになる。
空気極側インターコネクタ107に対する保護膜108の形成(コーティング)方法としては、酸化物の被膜を形成するよく知られた技術を用いればよい。例えば、プラズマスプレー法,スラリーコート法,スピンコート法,ディップコート法,電子ビーム蒸着法,交流スパッタ法,マグネトロンスパッタ法,電着(電析),及び熱スプレー法などが適用可能である。
また、空気極側インターコネクタ107の保護膜108の形成箇所(領域)は、予め研磨,ブラスト,溶解,及び脱脂などの方法で前処理を行っておくと良い。これらの前処理を行っておくことで、密着性の良い状態で保護膜108が形成できる。なお、保護膜108は、空気極側インターコネクタ107の空気極側の酸化剤ガスが接触する領域に形成されていればよい。また、保護膜108の膜厚は、十分な緻密性が得られる範囲で薄いことが望ましく、100μm以下、好ましくは50μm以下、特に好ましくは10μm以下であることが望ましい。
保護膜108は、電気的な抵抗を考慮すると、薄いほどよいが、薄すぎる場合、ピンホールなどが発生し、インターコネクタに対する酸化剤ガス接触防止の機能が低下する。従って、厚さを変えた複数のテストサンプルを作成し、発電状態におけるインターコネクタの抵抗の変化を各々測定し、抵抗の増大が確認されないテストサンプルの中の保護膜の膜厚条件より、保護膜108の膜厚下限を決定すればよい。
また、空気極105は、保護膜108と同様のランタンニッケルフェライトから構成すると、空気極側インターコネクタ107(保護膜108)との接続性が高くなり、出力特性・寿命特性の点で特に有利である。単セルが平板型である場合、出力特性が高いという点で有利である。さらに、単セルが、いわゆる燃料極支持型である場合、特に出力特性が高くできるという利点を有する。
ここで、燃料極支持型の特徴について簡単に説明する。複数の単セルを組み合わせたスタック構造とされている固体酸化物形燃料電池では、セルの構造は大きく、円筒型及び平板型に分けられるが、よく知られているように、セル性能の点から、空気極又は燃料極を支持体とした電極支持型の平板型セルが多く見られる。電極支持型セルの利点は、セルの構成材料の中で最も抵抗の大きい電解質の層を数μm〜数十μmと薄くできることにある。電解質層が薄くなるとセルの内部抵抗が低減されるので、出力の向上が期待できるようになる。電極支持型セルでは、支持電極として空気極又は燃料極のいずれも適用可能であるが、電極材料として金属ニッケルを含む燃料極の方がより抵抗が小さく、基板に適用したときのIR抵抗の抑制に有利である。
ところで、保護膜108は、ランタンニッケルフェライトよりなる単一の層で形成されている必要はなく、ランタンニッケルフェライトよりなる保護膜108の表面が、より酸化耐性が強く、反応性の低い材料で覆われているようにしても良い。また、ランタンニッケルよりなる2つの層を、より安価な材料の層で挟むように構成しても良い。保護膜108は、少なくとも、空気極インターコネクタ107の必要とする表面に接して形成された(被覆された)ランタンニッケルフェライトよりなる膜を含んでいればよい。
なお、上述したランタンニッケルフェライトの膜が形成されているインターコネクタは、固体酸化物形燃料電池に限らず、例えば、高温状態での水電解による水素製造にも適用可能である。この水素製造では、図1に示した構成を備える固体酸化物形燃料電池の運転条件とほぼ同様である。
本発明の実施の形態における固体酸化物形燃料電池の構成例を示す断面図である。
符号の説明
101…燃料極側インターコネクタ、102…燃料極側接続層、103…燃料極、104…電解質層、105…空気極、106…空気極側接続層、107…空気極側インターコネクタ、108…保護膜、109…シール部、111…燃料ガス流路、171…酸化剤ガス流路。

Claims (6)

  1. 燃料極,この燃料極の上に配置された電解質層,及びこの電解質層の上に配置された空気極から構成された複数の単セルが積層されたスタック構造の隣り合う前記単セルの間に配置され、ステンレス鋼から形成されたインターコネクタであって、
    少なくとも前記空気極の側の面に形成されたランタンニッケルフェライトからなる保護膜を備える
    ことを特徴とするインターコネクタ。
  2. 請求項1記載のインターコネクタにおいて、
    前記インターコネクタは、フェライト系ステンレスから構成されている
    ことを特徴とするインターコネクタ。
  3. 請求項1又は2記載のインターコネクタにおいて、
    前記保護膜は、鉄mol数/ニッケルmol数が9以下のランタンニッケルフェライトから構成されている
    ことを特徴とするインターコネクタ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のインターコネクタを用いた固体酸化物形燃料電池であって、
    燃料極,この燃料極の上に配置された電解質層,及びこの電解質層の上に配置された空気極から構成されて積層された複数の単セルと、
    隣り合う前記単セルの間に配置された前記インターコネクタと
    を少なくとも備え、
    前記空気極が、ランタンニッケルフェライトから構成されている
    ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  5. 請求項4記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記単セルは、平板型であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  6. 請求項4又は5記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記単セルは、前記燃料極を支持体とした燃料極支持型であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
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