JP2009002089A - 排水用横孔の施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】地すべり斜面内における地下水の排水工法において、地すべり斜面内における水みちと排水管を連通させ、確実に地下水位を低下させる。
【解決手段】地すべり対策工における排水用横孔の施工方法において、掘削装置20により地山の地表面から排水用横孔40を掘削する工程と、排水用横孔40の所定範囲が裸孔となるように排水用横孔保護部材50を配設する工程と、排水用横孔40の裸孔部分から圧力水を一定時間注入し、裸孔と地山内の地下水脈60とを連通させる工程と、排水用横孔40に排水用ドレン70を配設する工程と、を実行することを特徴とする排水用横孔の施工方法である。
【選択図】図4

Description

本発明は傾斜地やトンネル内などにおいて、確実に地下水を排水することが可能な排水用横孔の施工方法に関する。
地すべり対策や急傾斜地における斜面安定対策として、地表面、集水井またはトンネル内から排水用横孔を掘削し、排水ドレンを配設する地下水排除工が実施されている。このような地下水排除工との一例として、特許文献1のようなものがある。
特許文献1記載の地下水排除工法は、地すべり面内を横断するように配設された透水性の良い壁体を用いて地滑り区域内の地下水を集水し、壁体に連通して設けた排水管を経て地すべり区域の外へ排出するものである。これにより、従来のように排水管のような点による集水ではなく、壁体の面による集水であるため、集水効率が向上し、効率的な排水が可能になるものとされている。
特開2006−132312号公報
特許文献1に記載されている地下水の排水工法においては、配水管による集水よりも集水面積が増加しているため、降雨時等において斜面内における地下水位が上昇したような状態においては、非常に効率的な排水が可能なため好適である。しかしながら、壁体の配設位置が地すべり斜面内の水みち(地下水脈)を横断するように配設されていなければ、通常時における斜面内の地下水の排水がなされないため、効率的な地下水の排水ができなくなるおそれがあるといった課題がある。
本発明は、地すべり斜面内における地下水の排水工法において、地すべり斜面内における水みちと排水管を確実に連通させることにより、地下水排除が十分できない場合も地下水流動状体(条件)を改善して、常に斜面内の地下水を有効に排出することが可能な排水用横孔の施工方法の提案を目的としている。
本発明は、地すべり対策工における排水用横孔の施工方法において、掘削装置により地山の地表面から排水用横孔を掘削する工程と、前記排水用横孔の所定範囲が裸孔となるように排水用横孔保護部材を配設する工程と、前記排水用横孔の裸孔部分から圧力水を一定時間注入し、前記裸孔と前記地山内の地下水脈とを連通させる工程と、前記排水用横孔に排水用ドレンを配設する工程と、を実行することを特徴とする排水用横孔の施工方法である。
また、本発明は、地すべり対策工における排水用横孔の施工方法において、掘削装置により地山の地表面から排水用横孔を掘削する工程と、前記排水用横孔の所定範囲が裸孔となるように止水部材を配設する工程と、前記排水用横孔の裸孔部分から圧力水を一定時間注入し、前記裸孔と前記地山内の地下水脈とを連通させる工程と、前記排水用横孔に排水用ドレンを配設する工程と、を実行することを特徴とする排水用横孔の施工方法である。
また、本発明は、地すべり対策工における排水用横孔の施工方法において、掘削装置により地山の地表面から排水用横孔を掘削する工程と、前記排水用横孔の所定範囲が裸孔となるように排水用横孔保護部材を配設する工程と、前記排水用横孔の裸孔部分から圧力水を一定時間注入し、前記裸孔と前記地山内の地下水脈とを連通させる工程とを繰り返し実行し、前記裸孔と前記地山内の地下水脈との連通部分が地山内の滑り面を越える位置に到達した後、前記排水用横孔に排水用ドレンを配設する工程と、を実行することを特徴とする排水用横孔の施工方法である。
また、本発明は、地すべり対策工における排水用横孔の施工方法において、掘削装置により地山の地表面から排水用横孔を掘削する工程と、前記排水用横孔の所定範囲が裸孔となるように止水部材を配設する工程と、前記排水用横孔の裸孔部分から圧力水を一定時間注入し、前記裸孔と前記地山内の地下水脈とを連通させる工程とを繰り返し実行し、前記裸孔と前記地山内の地下水脈との連通部分が地山内の滑り面を越える位置に到達した後、前記排水用横孔に排水用ドレンを配設する工程と、を実行することを特徴とする排水用横孔の施工方法である。
また、前記圧力水は、前記排水用横孔の軸線に対して少なくとも放射方向に注入されることを特徴とする。これにより、排水用横孔の配設位置が斜面内の水みち(地下水脈)の位置から離反していたとしても、水みちの拡大・生成により確実に斜面内の水みちに連通させることが可能になる。
また、前記圧力水の注入圧力は0.1MPa〜1.0MPaであることを特徴とする。これにより、斜面内の水路との連通が確実になされると共に、経済的な施工が可能になるため好都合である。
本発明に係る排水用横孔の施工方法によれば、地すべり区域における斜面内の地下水の水みち(地下水脈)と配水管を連通させることができるため、降雨による地下水位の上昇等といった外的要因にかかわらず、常時地すべり区域内の地下水を外部に排出することができる。
また、従来技術においても使用されていた施工機械を簡単に適用することができるため、新たな設備投資が不要であり安価な施工が可能になる。
(実施形態1)
以下、添付図面に基づいて実施形態1について説明する。図1は実施形態1における排水用横孔の施工範囲を示す平面図である。図2〜図5は、実施形態1における排水用横孔の施工手順を示す説明断面図である。
図1に示すように、排水用横孔40を施工する平面領域内におけるほぼ中央部分であり、排水用横孔40どうしの中間となる位置に水位観測井10を掘削する。水位観測井10の掘削は通常の掘削装置であるボーリングマシン20によりおこなわれる。ボーリングマシン20の機種は特に限定されるものではないが、一般には、ロータリー油圧式やロータリーパーカッション油圧式のものが用いられ、図示しない泥水ポンプで送水しながら行われる。泥水ポンプでの送水を行うことで、切羽部を安定させると共に、掘削土の排出および掘削具であるビット(図示せず)の冷却がなされるため、円滑な掘削が可能になる。
水位観測井10の掘削が完了した後、図2に示すように傾斜面の所定位置に足場30を組み立てると共に、排水用横孔40を掘削するためのボーリングマシン20と圧力水注入装置22を据え付ける。水位観測井10を掘削した際にはボーリングマシン20を鉛直方向に設置したが、排水用横孔40を掘削する際には、ボーリングマシン20を横向きに設置するだけでよく、水位観測井10の掘削に用いたボーリングマシン20を用いることができる。足場30にボーリングマシン20の据付が完了した後、傾斜面の表面から排水用横孔40の掘削を開始する。排水用横孔40は、仰角θが5度〜10度となるように掘削される。排水用横孔40の掘削もまた図示しない泥水ポンプで送水しながら行われる。泥水ポンプによる送水の目的は水位観測井10の掘削時と同様である。
排水用横孔40の掘削長さが所定の長さに到達した時点で、掘削具である図示しないビットを排水用横孔40から一旦抜き取る。この後、図3に示すように排水用横孔40の傾斜面側から排水用横孔保護部材であるケーシングパイプ50を配設する。排水用横孔40に挿入されるケーシングパイプ50は、排水用横孔40の掘削長さより短いものが用いられる。ケーシングパイプ50の一端部は、傾斜面の表面位置となるように配設される。このようにしてケーシングパイプ50が配設された排水用横孔40は、先端部分(切羽側)が所定範囲にわたって裸孔部分となる。
ケーシングパイプ50の配設が完了した後、図4に示すように圧力水注入装置22に中空部材からなるロッド54を接続し、圧力注入装置22を作動させて、裸孔部分に圧力水を注入する。ケーシングパイプ50は、地山と密着した状態で配設されていると共に、ロッド54とは図示しない接続具により水密に接続されているので、圧力水注入装置22から供給された圧力水はケーシングパイプ50を通過した後、裸孔部分で基盤(地山)90に注入されることになる。圧力水注入装置22としては、泥水ポンプを用いることができる。
本実施の形態における圧力水注入装置22は排水用横孔40の軸線に対して、放射方向と軸線の延長方向に圧力水を注入するものであり、圧力水の注入は、0.1MPa〜1MPa程度の圧力で数分間〜数十分間継続しておこなわれる。また、圧力水注入装置22から注入される水量は一分間当たり10〜60リットル程度である。
所定の圧力による圧力水を地すべり区域の地中部で所定時間にわたって注入することにより、排水用横孔40の一部区間とその周辺に存在する地すべり区域内の地下水脈である既存の水みちの流動性が拡大すると共に、既存の水みちと圧力水注入により生成された新たな水みちが連通することになる。排水用横孔40の一部区間と水みち60との連通は水位観測井10の水位変化を計測することにより判断することができる。より詳細には、圧力水注入装置22から注入された水が排水用横孔40と水みち60を経由した後に、水位観測井10に連結され、水位観測井10の地下水は水みちを通して排水され地下水位低下を確認することができれば、排水用横孔40と地すべり区域内に存在する水みち60およびクラックとが確実に連通したと判断することができる。
排水用横孔40と水みち60との連通が確認された後、圧力水注入装置22の圧力水の注入を停止する。排水用横孔40が地すべり面80の位置を越え、基盤90に5〜10m入り込む位置となるまで、図2〜図4に示すボーリングマシン20による掘削、ケーシングパイプ50およびロッド54の挿入、圧力水注入装置22による圧力水の注入、圧力水による排水用横孔40と水みち60との連通作業を繰り返し行う。
以上の作業を繰り返し、排水用横孔40の延長が地すべり面80を越えて、基盤90側に5m〜10m進入した位置に到達した後、ケーシングパイプ50内に排水用ドレン70を挿通する。そして、ケーシングパイプ50およびロッド54を取り出した後に、孔口保護工(図示せず)と集水枡72を設けて排水用横孔40の施工が完了する(図5)。図1に示すように、排水用横孔40の施工範囲は地すべり区域において扇形状に配設されるため、それぞれの排水用横孔40において以上に説明した施工方法と同様に施工することができる。
他ブロックの排水用横孔40の圧力水の注入区間、圧力、注入量については、水位観測井10を用いて実施した注入方法に準じて行えば高品質の地下水排除がなされることになる。
(実施形態2)
本実施の形態においては、排水用横孔40の裸孔部分の他の形成方法について説明する。本実施の形態は、排水用横孔40の中途部の1箇所以上に止水部材であるパッカーを配設することを特徴としている。排水用横孔40の任意の位置に配設したパッカーを拡張させ、地表面側のパッカーよりも基盤90側において排水用横孔40内で圧力水注入装置22により圧力水を注入することにより、排水用横孔40の先端部分のみ、または排水用横孔40の中途部における一部区間のみに圧力水を注入させることが可能になる。
排水用横孔40と地下水脈である水みち60および圧力水注入による新たな水みち60との連通の確認方法は先の実施形態を適用することができる。排水用横孔40と地下水脈である水みち60との連通が確認できたら、圧力水の注入を停止し、パッカーを撤去する。また、必要に応じて排水用横孔40を延長し、排水用横孔40の所定位置において再びパッカーを用いた圧力水の注入を行い、排水用横孔40と地下水脈との連通をとる処理を繰り返し実行しても良い。地表面側の排水用横孔40の孔壁の保護が必要な場合には排水用横孔保護部材であるケーシングパイプ50を適宜配設しても良いのはもちろんである。
(実施例)
具体的な実施例について説明する。図6は、実施例における排水用横孔の配設状態を示す説明平面図である。図7は、実施例における排水用横孔の状態を示す説明断面図である。図8は、実施例の施工中における水位観測井の水位計測結果である。図9は、実施例において採用した圧力水注入状態を示す説明断面図である。本実施例においては、排水用横孔40にケーシングパイプにより止水し、先端部分を裸孔として圧力注入区間として、圧力水注入を行った。
本実施例における排水用横孔40は、図7に示すように、地すべり区域内において複数段にわたって配設されている点が特徴である。地すべり対策として複数段にわたって排水用横孔を配設する場合には、地下水位を徐々に低減させるように、上段側から下段側に向かって施工が行われる。水位観測井は排水用横孔の施工前に施工するのは実施形態1と同様である。
本実施例における水位観測井の深度は地表面から20mである。排水用横孔40の施工前における水位観測井の水位は、5月24日から5月26日の3日間で2.81m〜2.95m(図8)である。
上段の排水用横孔(B−2群)のボーリング作業は5月29日に行った。作業開始前の水位観測井10の水位は2.97mであった。上段の排水用横孔(B−2群)は、φ85mmのケーシングパイプを12m延長で建て込み止水した。ケーシングパイプの前方部分は5mにわたってφ66mmのビットにより掘削を行った。掘削作業後における水位観測井の水位は2.94mであった。
翌日の5月30日に上段側排水用横孔(B−2群)において圧力水の注入作業を行った。作業開始前における水位観測井の水位は、3.10mであった。前日の計測水位よりも0.13m水位が低下しているのは、通常ボーリングで形成した上段側排水用横孔(B−2群)による排水の影響と考えられる。
圧力水の注入は、ケーシングパイプの前方部分の5mの区間で行った。圧力水の注入条件は、注入圧が0.2MPa〜0.5MPa、注入水量は一分間あたり20リットルとした。水位観測井と上段側排水用横孔との水平距離は1.2mである。圧力水注入開始から20分で、水位観測井から水が噴出したので、排水用横孔と水みちが連通したものと判断した。表1は、上段部排水用横孔からの圧力水注入終了後における水位観測井の水位観測結果である。水位観測後1時間で作業開始前の水位(計測水位高3.10m)から、圧力水注入後における水位(計測水位高6.71m)まで大幅に低下(3.61mの水位低下)させることができた。圧力水注入後、6月5日までは上段側排水用横孔(B−2群)のみの水位低下を評価するため、水位観測井の水位計測のみを行った。この期間内における水位観測井の水位は図8に示すように、6.87m〜6.89mであり、非常に安定した状態を維持していた。
6月6日に下段側排水用横孔(B−1)のボーリング作業を行った。作業開始前における水位観測井の水位は6.88mであった。下段側排水用横孔の抗口から水位観測井までの水平距離は33.8mである。下段側排水用横孔(B−1群)のボーリング作業もケーシングパイプはφ85mmのものを用い、ケーシングパイプの建て込み長さは32mとした。ケーシングパイプの前方部分を5mにわたってφ66mmのビットにより掘削を行った。掘削作業後における水位観測井の水位は6.88mであった。
翌日の6月7日に下段側排水用横孔(B−1群)における圧力水の注入作業を行った。作業開始前における水位観測井の水位は、6.97mであった。前日に比べ若干ではあるが水位の低下(0.09m)が確認された。この水位低下は通常ボーリングで形成した下段側排水用横孔(B−1群)による排水の影響と考えられる。圧力水の注入は、パッカーの前方部分の5mの区間で行った。圧力水の注入条件は、注入圧が0.2MPa〜1.0MPa、注入水量は一分間あたり10〜20リットルとした。圧力水注入開始から30分で、水位観測井から水が噴出したので、下段側排水用横孔(B−1群)と水みちが連通したものと判断した。表2は、下段部排水用横孔(B−1群)からの圧力水注入終了後における水位観測井の水位観測結果である。水位観測後3時間の時点で作業開始前に水位に対して、圧力水注入後における水位を8.93m低下させることができた。
また、6月8日から6月17日にかけての水位観測井の観測結果を見る(図8)と、単に下段側排水用横孔(B−1群)を掘削しただけの状態(6月7日)の後に比べて10.6m程度水位が低下した状態で安定していることが分かる。
以上、本実施例で説明したように、排水用横孔を掘削した後、排水用横孔内部から圧力水を一定時間注入することにより、排水用横孔と地下水脈である水みち60とが連通し、確実に地下水をすべり領域の外部に排出することが可能になることが明らかになった。
以上の実施形態1、実施形態2、実施例に基づいてそれぞれ説明したように、地すべり対策における排水用横孔40において、排水用横孔40の内部から排水用横孔40の周辺に対して圧力水を所定時間にわたって注入させることにより、地山に存在する地下水脈である水みち60と排水用横孔40とを確実に連通させることができる。これにより、通常の排水用横孔ボーリング工の施工では水位が下がらない地盤であっても確実に地下水を排除してすべり領域の外部に排出することができるため、地すべりを防止することができるのである。
また、本発明において用いられる圧力水の注入圧は、0.1MPa〜1MPaであり、掘削時等において用いられる圧力水の注入圧力に比べ大きい圧力であるが、地盤を破壊するほどの高圧ではない。本発明は掘削時に用いられるウォータジェットに比べて低圧な圧力水を長時間注入させることにより地すべり区域内における地山の土粒子の結合の破壊を最小限におさえながらも、地下水脈である水みち60と排水用横孔40とを連通させている。したがって圧力水の注入により地すべり区域内の地山の強度が低下し、地山を不安定にさせることがないため好都合である。また、従来のボーリング機材をそのまま本願発明にかかる排水工法に適用することができるので、低コストでの施工が可能になる。
地すべり対策における排水用横孔の施工方法は以上に説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、掘削すべき排水用横孔40の総延長が短い場合(地すべり区域の地山表面と地すべり面80との距離が少ない場合)には、排水用横孔40の掘削および排水用横孔保護部材であるケーシングパイプ50または止水部材であるパッカー52の配設、および圧力水の注入による排水用横孔40と水みち60との連通作業を一回で完了させることができる場合もあるのはもちろんである。
また、図7においては排水用横孔40を2段階の高さ位置に配設する構成としているが、必要に応じて3段階以上の高さ位置に排水用横孔40を配設することももちろん可能である。このように、排水用横孔40を高さ方向に複数段配設することにより、より効果的に斜面内の地下水位の低下がなされるため、更に斜面を安定化させることができ好都合である。
また、他の実施形態として、図9、図10に示すような形態を採用することもできる。図9においては、排水用横孔40の切羽の手前側部分にロッド54を用いてパッカー52を配置し、ロッド54を介してパッカー52と排水用横孔40の切羽部分との間で区切られた区間(注水区間)で圧力水を所定時間にわたって注入する実施形態を示している。ロッド54は中空部材により形成されていて、パッカー52を貫通しているので、ロッド54の一端部側から圧力水を供給することによりパッカー52と排水用横孔40の切羽部分との間に圧力水を注入させることができる。
一方、図10においては、排水用横孔40の中途部分にロッド54を用いて2つのパッカー52,52を所要距離離間させた状態で配設し、パッカー52,52によって区切られた区間(注水区間)においてロッド54を介して排水用横孔40から圧力水を所定時間にわたって注入させる形態としても良い。図10に示す形態におけるロッド54もまた、中空部材により形成されているが、一方の端部は排水用横孔40の切羽側のパッカー52により閉塞されていて、パッカー52,52間の外周面にはストレーナ部分が形成されているので、パッカー52,52間で圧力水を注入させることができる。
これらの実施形態を採用することにより、排水用横孔40の掘削を先行させておくことができる。
また、以上の実施形態においては、傾斜面における排水用横孔の施工方法について説明しているが、本発明は傾斜面における排水用横孔の施工の他にも、集水井やトンネル内における排水用横孔の施工にも適用することができる。この場合、特許請求の範囲における地山の地表面とは、集水井の内壁面やトンネル内の切羽部分をも含む概念であることはいうまでもない。
実施形態1における排水用横孔の施工範囲の平面図および断面図である。 排水用横孔の掘削状況を示す説明断面図である。 排水用横孔保護部材の配設状態を示す説明断面図である。 圧力水注入装置により排水用横孔と地下水脈とを連通させている状態示す説明断面図である。 排水ドレンの配設が完了した状態を示す説明断面図である。 実施例における排水用横孔の配設状態を示す説明平面図である。 実施例における排水用横孔の状態を示す説明断面図である。 実施例の施工中における水位観測井の水位計測結果である。 排水用横孔にパッカーを用いた実施形態の一例を示す説明平面図である。 排水用横孔にパッカーを用いた実施形態の一例を示す説明平面図である。
符号の説明
10 水位観測井
20 ボーリングマシン
22 圧力水注入装置
30 台座
40 排水用横孔
50 ケーシングパイプ
52 パッカー(止水部材)
54 ロッド
60 地下水脈(水みち)
70 排水ドレン
72 集水枡
80 地すべり面
90 基盤
B−1 下段部排水用横孔群
B−2 上段部排水用横孔群

Claims (6)

  1. 地すべり対策工における排水用横孔の施工方法において、
    掘削装置により地山の地表面から排水用横孔を掘削する工程と、
    前記排水用横孔の所定範囲が裸孔となるように排水用横孔保護部材を配設する工程と、
    前記排水用横孔の裸孔部分から圧力水を一定時間注入し、前記裸孔と前記地山内の地下水脈とを連通させる工程と、
    前記排水用横孔に排水用ドレンを配設する工程と、を実行することを特徴とする排水用横孔の施工方法。
  2. 地すべり対策工における排水用横孔の施工方法において、
    掘削装置により地山の地表面から排水用横孔を掘削する工程と、
    前記排水用横孔の所定範囲が裸孔となるように止水部材を配設する工程と、
    前記排水用横孔の裸孔部分から圧力水を一定時間注入し、前記裸孔と前記地山内の地下水脈とを連通させる工程と、
    前記排水用横孔に排水用ドレンを配設する工程と、を実行することを特徴とする排水用横孔の施工方法。
  3. 地すべり対策工における排水用横孔の施工方法において、
    掘削装置により地山の地表面から排水用横孔を掘削する工程と、
    前記排水用横孔の所定範囲が裸孔となるように排水用横孔保護部材を配設する工程と、
    前記排水用横孔の裸孔部分から圧力水を一定時間注入し、前記裸孔と前記地山内の地下水脈とを連通させる工程とを繰り返し実行し、
    前記裸孔と前記地山内の地下水脈との連通部分が地山内の滑り面を越える位置に到達した後、
    前記排水用横孔に排水用ドレンを配設する工程と、を実行することを特徴とする排水用横孔の施工方法。
  4. 地すべり対策工における排水用横孔の施工方法において、
    掘削装置により地山の地表面から排水用横孔を掘削する工程と、
    前記排水用横孔の所定範囲が裸孔となるように止水部材を配設する工程と、
    前記排水用横孔の裸孔部分から圧力水を一定時間注入し、前記裸孔と前記地山内の地下水脈とを連通させる工程とを繰り返し実行し、
    前記裸孔と前記地山内の地下水脈との連通部分が地山内の滑り面を越える位置に到達した後、
    前記排水用横孔に排水用ドレンを配設する工程と、を実行することを特徴とする排水用横孔の施工方法。
  5. 前記圧力水は、前記排水用横孔の軸線に対して少なくとも放射方向に注入されることを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか一項に記載の排水用横孔の施工方法。
  6. 前記圧力水の注入圧力は0.1MPa〜1.0MPaであることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の排水用横孔の施工方法。
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