JP2005139890A - 地盤の削孔システムおよび地盤の削孔方法 - Google Patents

地盤の削孔システムおよび地盤の削孔方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 地盤への削孔作業により、被圧水を排出せずに、滞水圧の減衰、および沢水や井戸の枯渇および動植物への影響を及ぼさない地盤の削孔システムおよび削孔方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 被圧水を有する地盤を削孔する地盤の削孔システムにおいて、先端から掘削水2を吐出しながら地盤を掘削する掘削部3と、掘削部3を内部に移動自在に挿通し、地盤に形成した掘削孔Hと外気とを密閉状に遮蔽する密閉管4と、掘削部3に掘削水2を供給する供給手段5と、掘削作業により生じた泥水21を密閉管4を通じて排出する排泥手段6と、地盤内の滞水圧を一定に維持する制御手段10と、より構成しており、供給手段5による掘削水2の供給と、排泥手段6による泥水21の排出とを調整しつつ地盤内の滞水圧を一定に保ちながら、地盤を削孔することを特徴とする、地盤の削孔システム1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、地盤の削孔システムおよび地盤の削孔方法に関するものである。
従来より、地盤のトンネル工事においては、地盤内の地下水が建設工事の障害となるため、地盤の削孔に伴い地下水を排出する水抜き工事が行われている。
また、トンネル工事の完了後においては、先の水抜き工事で地盤内に形成された水路を通じ、コンクリート覆工の背面に設置される防水シートと地山との空隙内に地下水が積極的に集まるため、これをトンネルの最下部に設けた中央排水溝に導き、トンネル外に排出するといった地下水処理を行っている。
前者の具体的な方法としては、滞水地盤をボーリングにて削孔しながら掘削水を吐出する方法および装置が開示されている(たとえば、特許文献1)。
また、ほかにも地下水位下の崩壊性の土質をボーリング機によって削孔し、ボーリング孔に排水ドレンパイプを埋設して排水を行う方法が開示されている(たとえば、特許文献2)。
特開平8−189284号公報 特開平11−256557号公報
しかし、前記した従来の削孔技術にあっては、地盤内の地下水を排水することにより、工事箇所周辺の沢水や井戸の枯渇、水脈の変化による動植物を始めとした自然環境への悪影響といった諸問題を抱えていた。
上記のような課題を解決するために、本発明の地盤の削孔システムは、被圧水を有する地盤を削孔する地盤の削孔システムにおいて、先端から掘削水を吐出しながら地盤を掘削する掘削部と、前記掘削部を内部に移動自在に挿通し、地盤に形成する掘削孔と外気とを密閉状に遮蔽する密閉管と、前記掘削部に掘削水を供給する供給手段と、掘削作業により生じた泥水を前記密閉管を通じて排出する排泥手段と、地盤内の滞水圧を一定に維持する制御手段と、より構成しており、前記供給手段による掘削水の供給と、前記排泥手段による泥水の排出とを調整しつつ地盤内の滞水圧を一定に保ちながら、地盤を削孔することを特徴とする。
ここで、被圧水とは圧力を受けている地盤中の地下水のことをいい、滞水圧とは被圧水の圧力のことをいう。
また、本発明の削孔システムは、前記した地盤の削孔システムにおいて、前記密閉管に接続して、掘削孔に注入材を注入する注入手段を設けたことを特徴とする。
ここで、注入材とは、止水材や固化材のことをいう。
また、本発明の削孔システムは、前記した地盤の削孔システムにおいて、前記排泥手段により排出した泥水を土砂と排水とに分離し、分離した前記排水を前記供給手段により掘削水として用いることを特徴とする。
また、本発明の削孔システムは、前記した地盤の削孔システムにおいて、前記排泥手段には、複数の土砂分離装置を設置し、切り替えて使用することを特徴とする。
また、本発明の削孔システムは、前記した地盤の削孔システムにおいて、前記掘削部に設けた掘削水の吐出口を、逆止弁構造としたことを特徴とする。
また、本発明の地盤の削孔方法は、被圧水を有する地盤を削孔する地盤の削孔方法であって、前記の掘削システムを使用し、地盤の削孔を行うと共に、供給手段による掘削水の供給と、排泥手段による掘削作業で生じた泥水の排出の何れか一方、又は両方を調整して、地盤内の滞水圧を一定に維持しながら削孔することを特徴とする。
本発明の地盤の削孔システムおよび地盤の削孔方法は、上記した課題を解決するための手段により、次のような効果の少なくとも一つを得ることができる。
<1>本発明は、先端から掘削水を吐出しながら地盤を掘削する掘削部と、掘削部を内部に移動自在に挿通し、掘削孔と外気とを密閉状に遮蔽する密閉管と、掘削水を供給する供給手段と、泥水を排出する排泥手段と、制御手段とを備えているため、掘削水の供給と泥水の排出とを調整しつつ、地盤内の滞水圧を一定に保ちながら削孔することができる。
このため、地盤内の滞水圧は常時変化せず、長期スパンにおいても沢水や井戸の枯渇、および水脈の変化による動植物への影響などを及ぼすことはなく、地盤の削孔作業を行うことができる。
<2>掘削作業の終了後、掘削孔に注入材などを注入する場合にも密閉管を介して行うことができるため、地下水の排出すなわち地盤内の滞水圧を減少させることはない。
このため、地下水から高い被圧を受ける地盤や、また掘削孔を種々の用途に用いることができる。
<3>土砂分離装置を複数台並列に設置することにより、一方の土砂分離装置の土砂排出作業時には、他方の土砂分離装置を使用し、一方の土砂分離装置の土砂排出作業のための中断時間が無くなるため、土砂排出の影響を受けることなく連続削孔が可能となり、作業効率が向上する。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
<1>全体の構成
本発明は、滞水地盤にアースアンカーを施工したり、凍結工法や注入工法などの施工を行うために、地盤に削孔を行うための削孔システム1であって、先端から掘削水2を吐出しながら地盤を掘削する掘削部3と、掘削部3を内部に移動自在に挿通しつつ、地盤の掘削孔Hを外気に対して密閉して遮蔽する密閉管4と、掘削水2を掘削部3に供給する供給手段5と、掘削により生じた泥水21を密閉管4を通じて排出する排泥手段6と、供給手段5と排泥手段6からデータを受け取り、地盤内の滞水圧を一定に維持する制御手段10より構成している(図1)。
掘削部3の後方部は、たとえばスイベル継手7を取り付けられるように形成して、これを介して所要の掘削機8に接続する。
また密閉管4には、注入材の注入口91が設けてあり、密閉管4を通じて注入材を掘削孔Hへ注入できるようになっている。
さらに本形態では、排泥手段6に泥水21を排水22と土砂612とに分離する土砂の分離装置61を備え、分離した排水22を循環させて掘削水2に再利用する。そして、排泥手段6と供給手段5に、それぞれ泥水21の排出量および圧力、掘削水2の供給量および圧力を計測する検出器を設け、このデータを基に自動調整機能を有する制御手段10でそれぞれを調整して、地盤内の滞水圧を一定に保持できるような構成とする。
以下、本発明を構成する各部について詳述する。
<2>掘削部
掘削部3は、地盤を掘削する部分であって、先端部からは掘削による過熱防止を図る掘削水2を吐出することができる。
掘削部3は、たとえば地盤を掘削する切削ビット31と、切削ビット31を先端に配置し、切削ビット31に回転および位置移動を付与するロッド32とより構成し、掘削水2はロッド32の後部より供給して、切削ビット31およびロッド32内に形成した吐出口311、流路321を通じて、切削ビット31の先端部より吐出できる構成とする。
この吐出口311は、地盤内の地下水が流路321内に流入しないように、逆止弁構造とすることができる。逆止弁の構造は、たとえば図2に示すように切削ビット31内の吐出口311の途上に、転動可能に構成するボール33を配置したものが採用できる。これは吐出口311に掘削水2を流すことで、ボール33が掘削水2の圧力を受けて吐出口311から分岐する別ルートへ転がり(図2(a))、閉塞された吐出口311が開通して噴射する構成である。
一方、掘削水2の供給が停止されると、ボール33は地盤内の被圧水により元の位置に押し戻され、再び吐出口311を閉塞して被圧水の逆流を防止する(図2(b))。
ロッド32は切削ビット31に回転、移動などの諸作用を付与できれば、必ずしも一本物で形成する必要はなく、短く分割する複数の棒体を接続して構成しても良い。ロッド32を分割させて構成する場合、たとえば各接続端部34、34にそれぞれ雄ネジ341、若しくは雌ネジ342を形成して、各ロッド32、32・・を接続する形態が採用できる。かかる形態を用いる場合、図3(a)に示すように、雌ネジ342側に移動可能な蓋体343を配置して、螺着させた雄ネジ341の頭部で蓋体343が内部側に押し入れられることによって、流路321が開通する機構とできる。反対に螺着を解除すると、内部に滞留する掘削水2等により蓋体343が外方に向けて押し出されて、流路321は密封状態となる(図3(b))。
また、ロッド32、32同士の接続部のみならず、ロッド32と切削ビット31との接続部にも同様の構成を採用することができる。
ロッド32を接続タイプとすることで運搬性に優れ、また狭小空間においても取り扱い性に優れた施工を行うことができる。
なお、掘削部3の構成は、必ずしも上記したものに限定されるものではない。
<3>密閉管
密閉管4は、掘削孔Hの開口部に一端を配置して、掘削孔Hを外気から遮蔽する密閉構造の部材である。密閉管4の内部には中空部41が形成されており、この中空部41に掘削部3が移動可能に挿通、配置されている(図1)。
密閉管4は、たとえば全体を筒状に構成し、一端の先端開口部にはシール材46を、他端側には掘削部3の貫通孔42を設けた板材を配置したものが使用できる。この場合、シール材46を削孔する対象地盤に圧着させることで、掘削孔Hを完全に遮蔽することができる。また、貫通孔42と掘削部3との取り合い箇所には、遮水構造、たとえばグランドパッキン構造やロータリースライド構造などを採用すると良い。
ここでグランドパッキン構造43とは、密閉管4の内部と掘削部3周囲との間隙に、たとえばゴムなどの弾性部材を一定長に亘って配置したもので、密閉管4内部を外気から遮断することができる。これによって、掘削部3の回転、押し込み、引き抜きなどの諸作動によっても、密閉管4内部の密封状態は保持され、中空部41に浸水した泥水21が外部へ漏れるのを防止できる。
一方、ロータリースライド構造44とは、図4に示すように密閉管4を内筒441と外筒442とから構成し、内筒441とロッド32、内筒441と外筒442、外筒442とロッド32との間にそれぞれパッキン443、445およびOリング444を配置して内部を遮蔽する構造である。これによって、密閉管4は二重構造となり、より確実に掘削孔Hを外気から遮蔽することができる。
なお、外筒442はロッド32のスライドと共に移動する構成としても、若しくは移動しない構成としても良い。
密閉管4には、掘削孔Hの内部で生じた泥水21を排出する排泥口45が設けてある。ここに排泥手段6を接続することにより、中空部41を通じて泥水21を排出することができる。
また、密閉管4には、中空部41内に注入材を注入する注入口91を設けることができる。この注入口91に図外の注入手段9を接続することにより、注入材を中空部41を通じて掘削孔H内に注入することができる。
この注入口91は必ずしも別途設ける必要はなく、排泥手段6の排泥口45と兼用して用いても良い。
また、密閉管4は掘削孔H側とその後方部側とに、前後二分割できる構成としても良い。これによって、たとえば削孔中に切削ビット31が抜けないなどの緊急事態が発生した場合でも、密閉管4を途中で切り放して中空部41を前後に分断することによって、掘削孔Hの密閉状態を保持したまま、後方に設置したシステム1を撤去するなどの対応を行うことができるため、その後の壁体W内での作業に及ぼす影響を最小限に抑えることができる。
<4>供給手段
供給手段5は、掘削水2を掘削部3に供給する装置であって、一般的に使用される公知のポンプ51などが使用できる。
供給手段5は、掘削水2の供給量および供給圧を自在に調整できる構成とする。
<5>排泥手段
排泥手段6は、掘削作業により生じた泥水21を孔H外に排出する装置であって、泥水21の排出量および排出圧力を自在に調整できる構成とする。
排泥手段6には、たとえば排水の圧力および流量を自動的に制御可能なABCバルブ62などが使用できる。このABCバルブ62は、排水22の排出圧力を検出して、このデータを基に自体に備えるバルブを自動的に開閉し、排出圧力と流量およびバルブ62から排出する圧力および流量を調整することができる。
また排泥手段6には、泥水21中に含まれる土砂などの固形物を分離できる、土砂分離装置61を備えても良い。土砂分離装置は、たとえば下方が自在に開閉できる箱体の内部に、泥水21の供給管と、上層の上澄液(排水22)のみを排出できる配管を設けておき、泥水21の貯水量によって上澄液を排出するものが使用できる。土砂分離装置61内に堆積した土砂は、必要に応じて下方から取り出し、処理若しくは再使用に供することができる。
一方、排水22は掘削水2として再利用することができる。この場合、ABCバルブ62を通じて供給手段5に供給し、掘削水2とできる。
さらに、ポンプ51の手前には、たとえばストレーナ52などを設けておき、塵埃などを再分離するのが好ましい。
なお、排泥手段6は必ずしも上記形態に限定されるものではなく、土砂分離装置61、ストレーナ52などは必要に応じて配置すれば良い。
<6>土砂分離装置の並列設置
また、上記した土砂分離装置61を2台並列に設置すると、一方の土砂分離装置61の動作を止めて、装置内に堆積した土砂を取り出す作業を行っていても、他方の土砂分離装置61を動作させておくことで、土砂排出作業による削孔作業中断の影響を受けることなく連続削孔ができ、作業能率の向上が可能となる。
<7>制御手段
制御手段10は、制御ユニット101と、ポンプ制御盤102と、表示板103からなり、制御ユニット101は、排泥手段に取り付けられた排出流量検出器64と排出圧力検出器65、供給手段に取り付けられた送水流量検出器54と送水圧力検出器55から排出流量、排出圧力、送水流量、送水圧力を受信し、各データを基にABCバルブ62及びポンプ制御盤102へそれぞれ圧力制御データ104,105を送信する。
<8>注入手段
注入手段9は、注入材を掘削孔H内に注入する手段であって、先端を先述した密閉管4の注入口91に接続して注入を行う。
注入手段9には、一般的に使用される公知の供給手段を使用できる。たとえば、注入ホースと、注入材を送りこむ供給ポンプとの組み合わせからなるものが使用できる(図示せず)。このとき供給ポンプには、供給圧力の調整が行えるものを用いる。
本例では、山岳トンネルを構築するにあたり、止水注入工の施工基地として、先行してトンネル全線に亘り先進導杭(直径4、800mm)を密閉型泥水シールド式トンネルボーリングマシン(以下、TBMと呼ぶ)で構築して、削孔システム1により止水工を行う形態について説明する。
<1>準備
TBMで地盤を掘進し、掘削した地山面に鋼製セグメントS(壁体W)の組立てを行う。
セグメントSを組立てた後、止水注入工の削孔工事を行う掘削機8を所要の位置にセットする(図5)。掘削機8には、たとえばトンネル工事において通常使用されるロータリーパーカッション系統の削孔機8が使用できる。
削孔機8の先端に、スイベル継手7を介して掘削部3および密閉管4を取り付けて、掘削部3に供給手段5、密閉管4に排泥手段6を接続し、供給手段5と排泥手段6と制御手段10を連結して掘削システム1のセットを完了する。このとき、排泥手段6へ繋がる配管の途上には、被圧水の急激な流入を防止する可変調整可能なバルブ(ゲートを含む)を設けるのが好ましい。
<2>削孔
次に、鋼製セグメントSの注入孔S1に掘削部3の先端をセットする。
密閉管4のシール材を配置した側をセグメントSに圧着して固定し、注入孔S1を密閉管4で完全に閉塞した状態とする。
切削ビット31を回転させ、注入孔S1を通じて地盤を削孔してゆく。削孔作業は、掘削水2の吐出と共に行う。
掘削水2をロッド32内に送りこむと、流路321の途上にあるボール33は掘削水2によって押しのけられ、吐出口311が開通して掘削水2が地盤に向けて噴射される。掘削水2は、一定の量および圧力で地盤に向けて噴射される。
<3>泥水の排出
掘削水2の吐出と同時に、掘削作業で生じた土砂を含む泥水21の排出を行う。泥水21は、掘削した土砂と掘削水2が混合されたもので、主に掘削孔H内や密閉管4の内部に滞留する。この泥水21をバルブ630と、バルブ632の開口とABCバルブ62の調整により、一方の土砂分離装置61に送りこんで、泥水21を土砂と排水22とに分離する。その後、分離された排水22をABCバルブ62に供給する。このとき、バルブ631とバルブ633は閉めておき、他方の土砂分離装置61は運転を停止しておく。
<4>圧力制御
ABCバルブ62の制御は、制御手段10が、各検出器による検出データに基づき、調整しながら行う。
かかる制御は、供給手段5と排泥手段6との何れか一方、又は両方に、掘削水2の供給量と圧力、および泥水21の排出量と圧力の検出データに基づき、制御データを送信し、地盤内の滞水圧が一定となるように調整を行う。
これによって、排泥手段6の運転中に泥水21の排出量に増減変化が生じたときでも、掘削水2の供給量や圧力を調整して、地盤内の滞水圧を一定に維持できると共に、掘削作業の運転停止直後や運転開始直後においても、同様に滞水圧を一定に維持することができる。
<5>掘削水の供給
ABCバルブ62から排出される排水23は、必要に応じてたとえばこの排水23を沈殿槽63に通し、より不純物を含まない排水23としたり、或いは掘削水2に不足する成分を排水23に添加しても良い。
こうして調整された掘削水2はポンプ51に送りこまれ、ロッド32後方より供給される。このとき、ポンプ51までの配管の途上にストレーナ52を配置して、再度不純物を撤去しても良い。
そしてポンプ51で掘削水2の圧力を再調整し、切削ビット31先端の吐出口311より噴射される。
このときの圧力は、排水22の排出量および圧力の検出データと連動させ、地盤内の滞水圧を常時一定に保持する。
<6>土砂分離装置の切り替え
削孔作業を進めていくうちに、一方の土砂分離装置61に堆積した土砂を取り除く作業が発生する。このとき、他方の土砂分離装置の運転を開始し、バルブ631とバルブ633を徐々に開口して、他方の土砂分離装置61に泥水21を送り込む。その後、バルブ630とバルブ632を徐々に閉口し、泥水21が流入されなくなった一方の土砂分離装置61の運転を停止し、堆積した土砂の取り出し作業を行う。
他方の土砂分離装置61に土砂が堆積した場合も、同様の手順を繰り返して、削孔作業を中断することなく、連続運転を行う。
<7>自然環境への影響
従来の方法においては、掘削と同時若しくは掘削に伴い、削孔工事の障害となる地下水は積極的に排水していた。かかる方法を行うと、地盤内の掘削孔の周辺には、掘削孔へ導かれる地下水の無数の水路が形成され、施工後においてもこの水路に自然に地下水が集まり易い構造を形成していた。これによって、掘削孔の開口側、すなわちトンネルの周囲に被覆される防水シートの表面には、水路や掘削孔を通じて多量の地下水が集まり、そしてこのシート周面に導かれた地下水をトンネルの最下部に設けた中央排水溝に集め、トンネル外に排出していた。
しかし、本発明では掘削作業に伴い、掘削水の供給と排泥の排出を同時に行い、そしてこの供給量と圧力、および排出量と圧力との関係を一定に調整することによって、地下水が掘削孔に積極的に移動し、地盤内に水路を形成することがないため、地盤内には掘削孔だけが構築された状態となる。そして、これにグラウト材などの注入を行えば、完全に掘削孔は閉塞された状態となり、トンネルの周面には、従来のように地下水が集まることがない。これによって、地盤内の地下水が減少し、トンネル近傍における沢水や井戸の枯渇、また水脈の変化による動植物を始めとした自然環境への影響をほとんど与えることはない。
<8>ロッドの継ぎ足し
削孔に伴い切削ビット31およびロッド32を地盤内に貫入してゆく。
ロッド32は、密閉管4に対して相対的に移動する。ロッド32と密閉管4との取り合い箇所には、両者の間に隙間が生じないように、グランドパッキン構造43を採用する。これによってロッド32が移動しても、密閉管4の内部は完全な密閉状態を保持することができる。
ロッド32が所要の深度まで地盤内に挿入されたところで、必要に応じてロッド32の後方部に別のロッド32を継ぎ足してゆく。ロッド32を螺着すると、ロッド32内にある蓋体343は、後方のロッド32によって内部側に押しこまれ、両ロッド32、32の流路321が貫通する。こうして、掘削水2は新たに継ぎ足したロッド32の後方から切削ビット31へ供給される。
掘削とロッド32の継ぎ足しを必要なだけ繰り返し、所要の深さの掘削孔Hを得る。
<9>掘削部の抜取り
所要の掘削孔Hを構築した後、切削ビット31およびロッド32を掘削孔Hから抜取る。
後部側のロッド32から順に螺合を解除してゆき、ロッド32を掘削孔H内から引き抜く。このとき、ロッド32と密閉管4の間はグランドパッキン構造43によって遮蔽されており、またロッド32の流路321は、蓋体343の移動によって閉塞されるため、密閉管4の内部は常に密閉状態を保持することができる。
また、ロッド32のスライドにより、密閉管4の中空部41の体積にはほとんど影響を及ぼさないため、地盤内の地下水へも影響を与えることはない。そのため、供給手段5や排泥手段6に通じる開口は閉塞しておいてもよい。
<10>注入材の注入
掘削が完了し、ロッド32を引き抜いた後、次に止水材(注入材)を掘削孔Hに注入する。注入は、密閉管4の注入口91に図外の注入手段9を接続して行う。
止水材の注入においては、地盤内の滞水圧に影響を及ぼさないように、泥水21の排出による調整を行いながら注入するのが好ましい。
注入作業が完了した後、掘削孔Hから止水材や地下水が漏水しないように注意して、密閉管4および削孔システム1を撤去する。
なお、密閉管4の撤去は、必要な時間放置して止水材が固化した後、撤去しても良い。
以上、地盤の削孔および止水材の注入作業を、セグメントSの各注入孔S1、S1に順次行ってゆき、止水工を完成させる。
本発明の削孔システムの実施例の説明図。 切削ビットの詳細断面図。 ロッドの取り合い詳細断面図。 密閉管の一例を示した断面図。 削孔システムを使用した実施例の説明図。
符号の説明
1・・・削孔システム
2・・・掘削水
3・・・掘削部
311・吐出口
4・・・密閉管
5・・・供給手段
6・・・排泥手段
9・・・注入手段
10・・制御手段
H・・・掘削孔

Claims (6)

  1. 被圧水を有する地盤を削孔する地盤の削孔システムにおいて、
    先端から掘削水を吐出しながら地盤を掘削する掘削部と、
    前記掘削部を内部に移動自在に挿通し、地盤に形成する掘削孔と外気とを密閉状に遮蔽する密閉管と、
    前記掘削部に掘削水を供給する供給手段と、
    掘削作業により生じた泥水を前記密閉管を通じて排出する排泥手段と、
    地盤内の滞水圧を一定に維持する制御手段と、より構成しており、
    前記供給手段による掘削水の供給と、前記排泥手段による泥水の排出とを調整しつつ地盤内の滞水圧を一定に保ちながら、地盤を削孔することを特徴とする、
    地盤の削孔システム。
  2. 請求項1に記載の地盤の削孔システムにおいて、
    前記密閉管に接続して、掘削孔に注入材を注入する注入手段を設けたことを特徴とする、
    地盤の削孔システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の地盤の削孔システムにおいて、
    前記排泥手段により排出した泥水を土砂と排水とに分離し、
    分離した前記排水を前記供給手段により掘削水として用いることを特徴とする、
    地盤の削孔システム。
  4. 請求項3に記載の地盤の削孔システムにおいて、
    前記排泥手段には、複数の土砂分離装置を設置し、切り替えて使用することを特徴とする、
    地盤の削孔システム。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の地盤の削孔システムにおいて、
    前記掘削部に設けた掘削水の吐出口を、逆止弁構造としたことを特徴とする、
    地盤の削孔システム。
  6. 被圧水を有する地盤を削孔する地盤の削孔方法であって、
    請求項1乃至請求項5の何れかに記載の地盤の削孔システムを使用し、
    地盤の削孔を行うと共に、供給手段による掘削水の供給と、排泥手段による掘削作業で生じた泥水の排出の何れか一方、又は両方を調整して、地盤内の滞水圧を一定に維持しながら削孔することを特徴とする、
    地盤の削孔方法。
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