JP2016173003A - ナトム工法で施工されたトンネルの漏水対策工法 - Google Patents

ナトム工法で施工されたトンネルの漏水対策工法 Download PDF

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Abstract

【課題】ナトム工法で施工されたトンネルの覆工面からの漏水が発生している箇所において、車道を最小限の規制で、簡易な方法により、漏水を常時側溝に流して、壁面が汚れたり、漏水が凍結して交通に障害を及ぼすことを確実に防止する漏水対策工法を提供する。
【解決手段】吹き付けコンクリート3の表面に防水シート5を取付け、この防水シート5の下部に排水材6をトンネル1の方向に沿って取付け、排水材6から車道7の下に埋設された中央排水口に排水すると共に、防水シート5の表面に覆工コンクリート4を取付けたナトム工法で施工されたトンネルにおいて、その漏水個所の覆工コンクリート4側の歩道12にベースホール13を形成し、この底部から排水材6に向かって斜め下向きに削孔し、ベースホール13から側溝16に導水管18を接続して、流れ込んだ湧水を削孔14とベースホール13を通して導水管18から側溝16に排水する。
【選択図】図5

Description

本発明は、ナトム工法で施工されたトンネル覆工面からの漏水対策工法に関するものである。
地山を掘削してトンネルを形成し、この内側にコンクリートを吹き付け、この表面に防水シートを取付け、この防水シートの下部に排水材をトンネルの方向に沿って取付け、前記排水材から車道の下に埋設された中央排水口に排水すると共に、防水シートの表面に覆工コンクリートを設けるトンネル工法はナトム工法として知られている。
このようにナトム工法で作られたトンネルは、吹き付けコンクリートと防水シートとの間に流れ込んだ湧水は防水シートに沿って流下し、下部のトンネル長手方向に沿って配置された吸水性のある多孔質の材料で形成された排水材に沿って流れ、約50mおきに設けた横断排水管から車道の中央部に埋設した中央排水口に排水して、吹き付けコンクリートと防水シートとの間に湧水が溜らないようになっている。
しかしながら、横断排水管の設置間隔が50mと比較的大きいことから、施工後の経年によって、吹付けコンクリートから分離した石灰分や、湧水に含まれる鉄分あるいは微粒子等が排水材に沈積して目詰まりしてくる。このため、排水がスムーズに行われなくなり局所的に覆工コンクリート面の打ち継ぎ目や亀裂から漏水が発生し、壁面が汚れたり、漏水が凍結して交通に障害を及ぼす問題があった。
このため漏水対策として、吹付コンクリートと覆工コンクリートとの間に補修材注入管を予め埋め込んで、トンネル構造を施工する。長い期間経過してトンネル構造に漏水箇所が生じた場合、予め埋め込んである補修材注入管に補修材を注入してその補修材放出部を破断させて、補修材を漏水箇所に放出して充填し、補修する方法がある(特許文献1)。
しかしながら、従来の方法ではトンネル施工時に、補修材注入管を吹付コンクリートと覆工コンクリートとの間の予め埋め込むため、施工が面倒であり、またどの個所から漏水するか分らず、埋め込んだ大部分の補修材注入管が機能しない問題がある。更に補修材注入管から補修材を注入・充填させて地下水の溜まる部分を塞いでも、恒久的な対策にならず、また近くの部分から漏水する問題があった。
特開2003−176698
本発明は上記問題を改善し、ナトム工法で施工されたトンネルの覆工面からの漏水が発生している箇所において、車道を最小限の規制で、簡易な方法により、漏水を常時側溝に流して、壁面が汚れたり、漏水が凍結して交通に障害を及ぼすことを確実に防止する漏水対策工法を提供するものである。
本発明の請求項1記載のナトム工法で施工されたトンネルの漏水対策工法は、吹き付けコンクリートの表面に防水シートを取付け、この防水シートの下部に排水材をトンネルの方向に沿って取付け、前記排水材から車道の下に埋設された中央排水口に排水すると共に、防水シートの表面に覆工コンクリートを取付けたナトム工法で施工されたトンネルにおいて、その漏水個所の覆工コンクリート側の歩道に排水材に向かって斜め下向きに削孔し、この削孔の上部から車道の側溝に導水管を接続すると共に、削孔の上部を密閉して、吹き付けコンクリートと防水シートとの間に流れ込んだ湧水を前記削孔と導水管を通して、車道の側溝に排水することを特徴とするものである。
本発明の請求項2記載のナトム工法で施工されたトンネルの漏水対策工法は、請求項1において、歩道から排水材に向かって斜め下向きに削孔した削孔が、1箇所において1孔または複数孔放射状に形成することを特徴とするものである。
本発明の請求項3記載のナトム工法で施工されたトンネルの漏水対策工法は、請求項1記載のナトム工法で施工されたトンネルの漏水対策工法において、更に歩道にベースホールを形成し、このベースホールの底部から排水材に向かって斜向きに削孔することを特徴とするものである。
本発明の請求項本4記載のナトム工法で施工されたトンネルの漏水対策工法は、請求項3において、ベースホールの上部にキャップを着脱自在に取付けたことを特徴とするものである。
本発明に係る請求項1記載のナトム工法で施工されたトンネルの漏水対策工法によれば、吹き付けコンクリートと防水シートとの間に流れ込んだ湧水は、排水材が目詰まりしても、排水材に達する削孔と導水管を通りサイホンの作用により排水材の部分に溜った湧水は側溝に流れる。この結果、歩道より低い位置までしか湧水は溜らず覆工コンクリートの表面からの漏水を防止して壁面の汚れや、車道の凍結による交通障害を防止することができる。
更に車道を最小限の規制で、歩道の上だけで漏水対策工事を進めることができるので、工事中もトンネル内の車の通行が可能であり、しかも歩道の上で1m以下のボーリングとパイプの埋設、埋戻し作業だけなので工期も短く、施工費用も安価である。
また請求項2記載のナトム工法で施工されたトンネルの漏水対策工法によれば、1箇所において複数孔放射状に形成されているので広い範囲にわたって湧水を排水することができる。
また請求項3記載のナトム工法で施工されたトンネルの漏水対策工法によれば、歩道に先ずベースホールを形成し、このベースホールの底部から排水材に向かって斜め下向きに削孔するので、作業が容易である上、キャップの取付けも容易である。
また請求項4記載のナトム工法で施工されたトンネルの漏水対策工法によれば、防水対策工事を行なっても、経年変化して削孔と導水管が目詰まりしてスムーズに排水されなくなることがある。この場合、ベースホールのキャップを取り外して、ベースホールや削孔、導水管を清掃して沈積物を取り除くことにより、更に長期間に亘って漏水を防止することができる。
以下本発明の実施の一形態を図1ないし図5を参照して詳細に説明する。図1および図2はナトム工法で施工されたトンネル1で、地山2を掘削して、この内側にコンクリート3を吹き付け、この表面に防水シート5を取付け、この防水シート5の下部に排水材6をトンネル1の方向に沿って巻き付けて取付け、前記排水材6から車道7の中央に埋設された中央排水口8に排水すると共に、防水シート6の表面に覆工コンクリート4を設けたものである。
排水材6は多孔質のスポンジ状で、吹き付けコンクリート3と防水シート5との間に流れ込んだ湧水を吸収して、トンネル1の方向に沿って流す作用をなすもので、例えば50mおきに設けた横断排水管10の先端を前記排水材6に接続し、下端を車道7の中央に埋設した中央排水口8に接続して常時湧水を排水するようになっている。
施工後の経年によって、吹付けコンクリートから分離した石灰分や、湧水に含まれる鉄分あるいは微粒子等が排水材6などに沈積して目詰まりしてくると湧水が溜り、排水がスムーズに行われなくなって覆工コンクリート4の表面の亀裂から漏水が発生する。
漏水が発生した場合、図3に示すように覆工コンクリート4の漏水個所の下の歩道12をボーリングして円形に除去してベースホール13を形成する。次にこのベースホール13の底面の隅から排水材6に向かって斜め下向きにドリルで削孔し、排水材6に達する削孔14を形成する。この場合、図4に示すように方向を変えて放射状に3本の削孔14を削孔する。次に3本の削孔14が崩れないように、図5に示すように内側にネット状のパイプ15を挿着する。
この後、図3に示すようにベースホール13の横の歩道12の表面をはつって、このはつった部分の車道側から脇に埋設されている側溝16に向かって斜め下向きにドリルで削孔し、側溝16の側面を貫通する削孔14を形成する。次に図5に示すように歩道12のはつった部分に、一端がベースホール13に連通するパイプ17aを横に設けると共に、側溝16の側面を貫通する削孔14に斜めにパイプ17bを挿着する。次にこの斜めのパイプ17bと前記横のパイプ17aとの交差部分を接続して導水管18を形成する。この後、ベースホール13の上部にゴムのキャップ19を着脱自在に取付けて密閉すると共に、歩道12のはつった部分をモルタルで補修して対策を完了する。
このような漏水対策工事を行なうと、吹き付けコンクリート3と防水シート5との間に流れ込んだ湧水は、スポンジ状の排水材6が目詰まりしても排水材6に達する削孔14のパイプ15と上部がキャップ19で塞がれたベースホール13を通り、導水管18からサイホンの作用により排水材6の部分に溜った湧水は側溝16に常時流れる。この結果、歩道12より低い位置までしか湧水は溜らず覆工コンクリート4の表面からの漏水を防止することができる。更に削孔14は図4に示すように3本放射状に形成されているので広い範囲にわたって湧水を排水することができる。
従って従来の補修材注入管を予め埋め込んで、ここから補修材を注入・充填させて湧水の溜る部分を塞ぐ対策に比べて長期間漏水を防止することができる。この結果、覆工コンクリート4の漏水による壁面の汚れや、車道の凍結による交通障害を防止することができる。
また漏水対策工事を行なっても、経年変化して削孔14のパイプ15と導水管18が目詰まりして排水がスムーズに行われなくなってくることがある。このような場合にはベースホール13のゴムのキャップ19を取り外して、ベースホール13や削孔14のパイプ15、導水管18を清掃して沈積物を取り除くことにより、更に長期間に亘って漏水を防止することができる。
このように車道7を最小限の規制で、歩道12の上だけで漏水対策工事を進めることができるので、工事中もトンネル1内の車の通行が可能である。しかも歩道12の上で1m以下のボーリングとパイプの埋設、歩道表面の補修作業だけなので工期も短く、施工費用も安価である。
なお上記説明では放射状に3本の削孔14を削孔した場合について示したが、1本または2本、もしくは4本以上削孔しても良い。また上記説明ではベースホール13を設けてこの底部に削孔14を形成した場合について説明したが、ベースホール13を設けず、歩道12から削孔14を直接形成しても良い。この場合、削孔14の上部側に導水管18を接続し、削孔14の上端にキャップ19を取付ければ良い。
また上記説明では吹き付けコンクリート3にロックボルトを打設しないナトム工法について説明したが、ロックボルトを打設したトンネル1についても適用することができる。
本発明の実施の一形態によるナトム工法で施工されたトンネルの断面図である。 図1の要部を拡大して示す断面図である。 図2のトンネルの歩道にベースホールと削孔を形成した状態を示す断面図である。 ベースホールから3本放射状に削孔を形成した状態を示す平面から見た断面図である。 図3に示す歩道のはつった部分に導水管を設け、ベースホールの上部にキャップを取付けて対策を完了した状態を示す断面図である。
1 トンネル
2 地山
3 吹き付けコンクリート
4 覆工コンクリート
5 防水シート
6 排水材
7 車道
8 中央排水口
10 横断排水管
12 歩道
13 ベースホール
14 削孔
15 パイプ
16 側溝
17a、17b パイプ
18 導水管
19 キャップ
本発明は、ナトム工法で施工されたトンネル覆工面からの漏水対策工法に関するものである。
地山を掘削してトンネルを形成し、この内側にコンクリートを吹き付け、この表面に防水シートを取付け、この防水シートの下部に排水材をトンネルの方向に沿って取付け、前記排水材から車道の下に埋設された中央排水口に排水すると共に、防水シートの表面に覆工コンクリートを設けるトンネル工法はナトム工法として知られている。
このようにナトム工法で作られたトンネルは、吹き付けコンクリートと防水シートとの間に流れ込んだ湧水は防水シートに沿って流下し、下部のトンネル長手方向に沿って配置された吸水性のある多孔質の材料で形成された排水材に沿って流れ、約50mおきに設けた横断排水管から車道の中央部に埋設した中央排水口に排水して、吹き付けコンクリートと防水シートとの間に湧水が溜らないようになっている。
しかしながら、横断排水管の設置間隔が50mと比較的大きいことから、施工後の経年によって、吹付けコンクリートから分離した石灰分や、湧水に含まれる鉄分あるいは微粒子等が排水材に沈積して目詰まりしてくる。このため、排水がスムーズに行われなくなり局所的に覆工コンクリート面の打ち継ぎ目や亀裂から漏水が発生し、壁面が汚れたり、漏水が凍結して交通に障害を及ぼす問題があった。
このため漏水対策として、吹付けコンクリートと覆工コンクリートとの間に補修材注入管を予め埋め込んで、トンネル構造を施工する。長い期間経過してトンネル構造に漏水箇所が生じた場合、予め埋め込んである補修材注入管に補修材を注入してその補修材放出部を破断させて、補修材を漏水箇所に放出して充填し、補修する方法がある(特許文献1)。
しかしながら、従来の方法ではトンネル施工時に、補修材注入管を吹付コンクリートと覆工コンクリートとの間に予め埋め込むため、施工が面倒であり、またどの個所から漏水するか分らず、埋め込んだ大部分の補修材注入管が機能しない問題がある。更に補修材注入管から補修材を注入・充填させて地下水の溜まる部分を塞いでも、恒久的な対策にならず、また近くの部分から漏水する問題があった。
特開2003−176698
本発明は上記問題を改善し、ナトム工法で施工されたトンネルの覆工面からの漏水が発生している箇所において、車道を最小限の規制で、簡易な方法により、漏水を常時側溝に流して、壁面が汚れたり、漏水が凍結して交通に障害を及ぼすことを確実に防止する漏水対策工法を提供するものである。
本発明の請求項1記載のナトム工法で施工されたトンネルの漏水対策工法は、吹き付けコンクリートの表面に防水シートを取付け、この防水シートの下部に排水材をトンネルの方向に沿って取付け、前記排水材から車道の下に埋設された中央排水口に排水すると共に、防水シートの表面に覆工コンクリートを取付けたナトム工法で施工されたトンネルにおいて、その漏水個所の覆工コンクリート側の歩道にベースホールを形成し、このベースホールの底部から前記排水材に向かって斜め下向きに削孔し、この削孔の上部から歩道の下に形成した導水管を介して車道の側溝に接続すると共に、ベースホールの上部にキャップを着脱自在に取付けて密閉し、吹き付けコンクリートと防水シートとの間に流れ込んだ湧水を前記削孔と導水管を通して、車道の側溝に排水することを特徴とするものである。
本発明の請求項2記載のナトム工法で施工されたトンネルの漏水対策工法は、請求項1において、歩道から排水材に向かって斜め下向きに削孔した削孔が、1箇所において1孔または複数孔放射状に形成することを特徴とするものである。
本発明に係る請求項1記載のナトム工法で施工されたトンネルの漏水対策工法によれば、吹き付けコンクリートと防水シートとの間に流れ込んだ湧水は、排水材が目詰まりしても、排水材に達する削孔と導水管を通りサイホンの作用により排水材の部分に溜った湧水は側溝に流れる。この結果、歩道より低い位置までしか湧水は溜らず覆工コンクリートの表面からの漏水を防止して壁面の汚れや、車道の凍結による交通障害を防止することができる。
また歩道に先ずベースホールを形成し、このベースホールの底部から排水材に向かって斜め下向きに削孔するので、作業が容易である上、キャップの取付けも容易である。したがって車道を最小限の規制で、歩道の上だけで漏水対策工事を進めることができるので、工事中もトンネル内の車の通行が可能であり、しかも歩道の上で1m以下のボーリングとパイプの埋設、埋戻し作業だけなので工期も短く、施工費用も安価である。
更に防水対策工事を行なっても、経年変化して削孔と導水管が目詰まりしてスムーズに排水されなくなることがある。この場合、ベースホールのキャップを取り外して、ベースホールや削孔、導水管を清掃して沈積物を取り除くことにより、更に長期間に亘って漏水を防止することができる。
また請求項2記載のナトム工法で施工されたトンネルの漏水対策工法によれば、1箇所において複数孔放射状に形成されているので広い範囲にわたって湧水を排水することができる。
以下本発明の実施の一形態を図1ないし図5を参照して詳細に説明する。図1および図2はナトム工法で施工されたトンネル1で、地山2を掘削して、この内側にコンクリート3を吹き付け、この表面に防水シート5を取付け、この防水シート5の下部に排水材6をトンネル1の方向に沿って巻き付けて取付け、前記排水材6から車道7の中央に埋設された中央排水口8に排水すると共に、防水シート6の表面に覆工コンクリート4を設けたものである。
排水材6は多孔質のスポンジ状で、吹き付けコンクリート3と防水シート5との間に流れ込んだ湧水を吸収して、トンネル1の方向に沿って流す作用をなすもので、例えば50mおきに設けた横断排水管10の先端を前記排水材6に接続し、下端を車道7の中央に埋設した中央排水口8に接続して常時湧水を排水するようになっている。
施工後の経年によって、吹付けコンクリートから分離した石灰分や、湧水に含まれる鉄分あるいは微粒子等が排水材6などに沈積して目詰まりしてくると湧水が溜り、排水がスムーズに行われなくなって覆工コンクリート4の表面の亀裂から漏水が発生する。
漏水が発生した場合、図3に示すように覆工コンクリート4の漏水個所の下の歩道12をボーリングして円形に除去してベースホール13を形成する。次にこのベースホール13の底面の隅から排水材6に向かって斜め下向きにドリルで削孔し、排水材6に達する削孔14を形成する。この場合、図4に示すように方向を変えて放射状に3本の削孔14を削孔する。次に3本の削孔14が崩れないように、図5に示すように内側にネット状のパイプ15を挿着する。
この後、図3に示すようにベースホール13の横の歩道12の表面をはつって、このはつった部分の車道側から脇に埋設されている側溝16に向かって斜め下向きにドリルで削孔し、側溝16の側面を貫通する削孔14を形成する。次に図5に示すように歩道12のはつった部分に、一端がベースホール13に連通するパイプ17aを横に設けると共に、側溝16の側面を貫通する削孔14に斜めにパイプ17bを挿着する。次にこの斜めのパイプ17bと前記横のパイプ17aとの交差部分を接続して導水管18を形成する。この後、ベースホール13の上部にゴムのキャップ19を着脱自在に取付けて密閉すると共に、歩道12のはつった部分をモルタルで補修して対策を完了する。
このような漏水対策工事を行なうと、吹き付けコンクリート3と防水シート5との間に流れ込んだ湧水は、スポンジ状の排水材6が目詰まりしても排水材6に達する削孔14のパイプ15と上部がキャップ19で塞がれたベースホール13を通り、導水管18からサイホンの作用により排水材6の部分に溜った湧水は側溝16に常時流れる。この結果、歩道12より低い位置までしか湧水は溜らず覆工コンクリート4の表面からの漏水を防止することができる。更に削孔14は図4に示すように3本放射状に形成されているので広い範囲にわたって湧水を排水することができる。
従って従来の補修材注入管を予め埋め込んで、ここから補修材を注入・充填させて湧水の溜る部分を塞ぐ対策に比べて長期間漏水を防止することができる。この結果、覆工コンクリート4の漏水による壁面の汚れや、車道の凍結による交通障害を防止することができる。
また漏水対策工事を行なっても、経年変化して削孔14のパイプ15と導水管18が目詰まりして排水がスムーズに行われなくなってくることがある。このような場合にはベースホール13のゴムのキャップ19を取り外して、ベースホール13や削孔14のパイプ15、導水管18を清掃して沈積物を取り除くことにより、更に長期間に亘って漏水を防止することができる。
このように車道7を最小限の規制で、歩道12の上だけで漏水対策工事を進めることができるので、工事中もトンネル1内の車の通行が可能である。しかも歩道12の上で1m以下のボーリングとパイプの埋設、歩道表面の補修作業だけなので工期も短く、施工費用も安価である。
なお上記説明では放射状に3本の削孔14を削孔した場合について示したが、1本または2本、もしくは4本以上削孔しても良い。
また上記説明では吹き付けコンクリート3にロックボルトを打設しないナトム工法について説明したが、ロックボルトを打設したトンネル1についても適用することができる。
本発明の実施の一形態によるナトム工法で施工されたトンネルの断面図である。 図1の要部を拡大して示す断面図である。 図2のトンネルの歩道にベースホールと削孔を形成した状態を示す断面図である。 ベースホールから3本放射状に削孔を形成した状態を示す平面から見た断面図である。 図3に示す歩道のはつった部分に導水管を設け、ベースホールの上部にキャップを取付けて対策を完了した状態を示す断面図である。
1 トンネル
2 地山
3 吹き付けコンクリート
4 覆工コンクリート
5 防水シート
6 排水材
7 車道
8 中央排水口
10 横断排水管
12 歩道
13 ベースホール
14 削孔
15 パイプ
16 側溝
17a、17b パイプ
18 導水管
19 キャップ

Claims (4)

  1. 吹き付けコンクリートの表面に防水シートを取付け、この防水シートの下部に排水材をトンネルの方向に沿って取付け、前記排水材から車道の下に埋設された中央排水口に排水すると共に、防水シートの表面に覆工コンクリートを取付けたナトム工法で施工されたトンネルにおいて、その漏水個所の覆工コンクリート側の歩道に排水材に向かって斜め下向きに削孔し、この削孔の上部から車道の側溝に導水管を接続すると共に、削孔の上部を密閉して、吹き付けコンクリートと防水シートとの間に流れ込んだ湧水を前記削孔と導水管を通して、車道の側溝に排水することを特徴とするナトム工法で施工されたトンネルの漏水対策工法。
  2. 歩道から排水材に向かって斜め下向きに削孔した削孔が、1箇所において1孔または複数孔放射状に形成することを特徴とする請求項1記載のナトム工法で施工されたトンネルの漏水対策工法。
  3. 請求項1記載のナトム工法で施工されたトンネルの漏水対策工法において、更に歩道にベースホールを形成し、このベースホールの底部から排水材に向かって斜め下向きに削孔することを特徴とするナトム工法で施工されたトンネルの漏水対策工法。
  4. ベースホールの上部にキャップを着脱自在に取付けたことを特徴とする請求項3記載のナトム工法で施工されたトンネルの漏水対策工法。
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