JP2015040403A - トンネルの漏水処理方法 - Google Patents

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義雄 白井
眞一 木澤
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眞一 木澤
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Abstract

【課題】精度の高い漏水処理溝形状を確保して、常に安定した確実な漏水処理をならしめるトンネルの漏水処理方法を提供する。【解決手段】トンネルの内壁面の欠陥空隙上、又は当該欠陥空隙の近傍位置に作業穴を所定の大きさで形成し、前記作業穴から挿入した第1の研削手段によって、当該作業穴から前記欠陥空隙に沿って第1の溝を形成し、前記作業穴から挿入した第2の研削手段によって、当該作業穴から前記第1の溝に沿って、当該第1の溝内の底部に当該第1の溝より幅広な第2の溝を形成して、平断面が開口部を幅狭とする蟻溝形状の漏水処理溝を形成し、前記漏水処理溝に漏水処理を行う。【選択図】図2

Description

本発明は、トンネルの内壁面に発生した欠陥空隙からの漏水を処理するトンネルの漏水処理方法の技術分野に関する。
従来から、コンクリートでライニングされたトンネルの内壁面には、地下水などの外圧によって発生するひび割れ、又はコンクリート打設不良により生じるジャンカ(豆板)などの欠陥空隙が生じている。そうした欠陥空隙が水道(みずみち)となって地下水が漏水する問題が指摘されている。
このような漏水を処理する手段の一つとして、例えばトンネルの内壁面に生じた欠陥空隙(ひび割れ)に沿って、欠陥空隙箇所をV字形状又はU字形状に切削して溝を形成し、溝内に樹脂系又はセメント系の充填材を充填する止水処理方法がある。
しかし、上記の方法は、地下水などの強い外圧がかかると、簡単に充填材が抜け落ちてしまうという問題があった。そうした問題を鑑みて、欠陥空隙に沿って、入口側が幅狭な幅狭削溝部と、奥行き側が逆円錐台形状の横断面を有する幅広削溝部とにより形成された線状削溝をドリルにより形成する。線状削溝内には、樹脂系又はセメント系の充填材を注入して、充填材の抜け落ちを防止する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−80307号公報
上記の線状削溝の形成には、先端部が逆円錐台形状(幅広)に形成されたドリルが使用されている。しかし、研削作業の開始時に、先端が幅広のドリルを欠陥空隙箇所の任意箇所へ沈め込むことは容易ではない。また、沈め込んだ後に欠陥空隙に沿って研削していくこともドリルの形状からして、かなり至難で作業性が悪く、線状削溝の形状の精度を確実に確保できない虞がある。すると、線状削溝の形状が有する、充填材の抜け落ち防止力が低下してしまう。
本発明の一つの実施形態の目的は、トンネルの内壁面に形成する漏水処理溝の施工性を飛躍的に向上でき、精度の高い漏水処理溝の形状を確保して、常に安定した確実な漏水処理をならしめるトンネルの漏水処理方法を提供することにある。
上記課題に鑑み、本発明の一つの実施形態は、トンネルの内壁面に発生した欠陥空隙からの漏水を処理するトンネルの漏水処理方法であって、前記トンネルの内壁面の欠陥空隙上、又は当該欠陥空隙の近傍位置に作業穴を所定の大きさで形成し、前記作業穴から挿入した第1の研削手段によって、当該作業穴から前記欠陥空隙に沿って第1の溝を形成し、
前記作業穴から挿入した第2の研削手段によって、当該作業穴から前記第1の溝に沿って、当該第1の溝内の底部に当該第1の溝より幅広な第2の溝を形成して、平断面が開口部を幅狭とする蟻溝形状の漏水処理溝を形成し、前記漏水処理溝に漏水処理を行うことを特徴とする。
本発明の一つの実施形態によれば、トンネルの内壁面に形成する漏水処理溝の施工性を飛躍的に向上でき、精度の高い漏水処理溝形状を確保して、常に安定した確実な漏水処理をならしめるトンネルの漏水処理方法を提供できる。
第1の実施形態に係るトンネルの漏水処理方法を実施した一例を示す全体斜視図である。 第1の実施形態に係るトンネルの漏水処理方法の工程を順に示した説明図である。 図2(D)のI−I矢視平断面図を示す。 図2(F)のII−II矢視平断面図を示す。 漏水処理溝の他の形状の一例を示す平断面図である。 漏水処理溝内へ止水材を充填した一例を示す平断面図である。 第2の実施形態に係るトンネルの漏水処理方法の工程を順に示した説明図である。 第3の実施形態に係るトンネルの漏水処理方法を実施した一例を示す。Aは、全体斜視図である。Bは、Aの部分拡大断面図である。 漏水処理溝内に導水路を形成した一例を示す平断面図である。 トンネルの漏水処理方法に使用される工具の一例を示した参考図である。Aは第1の研削手段を示す。Bは第2の研削手段を示す。 第2の研削手段の他の実施形態を示す参考図である。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。しかし、本発明は下記に記載する例によって限定されるものではない。また、図面は、部材もしくは部品間の相対比を示すことを目的としない。したがって、具体的な寸法は、以下の限定的でない実施形態に照らし、当業者により決定することができる。
[第1の実施形態]
図1に第1の実施形態に係るトンネルの漏水処理方法を実施した全体斜視図を示す。
第1の実施形態は、道路又は鉄道などを通すコンクリートでライニングされたトンネルであって、トンネルの内壁面に発生した欠陥空隙からの漏水を処理する漏水処理方法として実施される。
符号1は、トンネル、2は、トンネルの内壁面であり、Hは、内壁面2に発生した欠陥空隙を示している。本明細書内で「欠陥空隙」とは、ひび割れ、亀裂、ジャンカなど連続して発生した空隙を指している。Sは、第1の実施形態に係るトンネルの漏水処理方法により止水処理された箇所を指している。
(漏水処理溝の施工手順)
次に、図2から漏水処理溝6の施工手順を説明する。
最初に、図2(A)、(B)に示すように、トンネル1の内壁面2の欠陥空隙H上に、作業穴3を所定の大きさで形成する。図示例では所定の幅W1を確保する大きさで作業穴3を形成した。この作業穴3とは、第1の研削手段100の研削部110と、第2の研削手段200の研削部210(図10(A)、(B)参照)を挿入し、研削作業を始めるための作業穴である。作業穴3の穴あけ作業は、コンクリートの穴あけに通常使用されるコンクリートカッターなどにより行うものである。
所定の幅W1は、具体的には後述するが、第1の研削手段100の研削部110の厚さ(W2)と、第2の研削手段200の研削部210の幅(W3)を許容する縦横幅を有することが好ましい。本実施形態では12mmとした。また、作業穴3の深さは、欠陥空隙Hの形状や状態により変化するが、例えば欠陥空隙H(ひび割れ)の幅が0.5〜1.0の場合には、15mm程度である。
図2(B)に示した作業穴3は、円形、矩形など形状は問わない。また、図示例では作業穴3は、欠陥空隙H上の中間位置に設けているが、欠陥空隙Hの始点位置であっても良いし、欠陥空隙Hの近傍位置であっても良い。作業穴3はできるだけ作業性の良い箇所を選定して設けることができる。
更に云うと、第1の研削手段100の研削部110を完全に挿入できる大きさ(幅)でなくても良く、後述する第1の研削手段100による研削の開始がスムーズに行えるに足りる幅寸であれば良い。
前記した作業穴3を形成した後、図示することは省略したが、高圧洗浄水又は高圧空気の噴射によって作業穴3内の塵や粉塵を除去することが好ましい。
次に、図2(C)に示すように、作業穴3へ第1の研削手段100の研削部110を挿入する。
この第1の研削手段100は、図10(A)に示したように、先端部に円筒形状の研削部110を有するドリルであり、研削部110の側周面にはダイヤモンド砥粒が多数埋め込まれている。本実施形態では、エヌシーダイヤモンド株式会社の溶接工具を使用した。研削部110は、直径80mm程度、高さ7mm程度である。
上記構成の研削手段100は、研削部110を垂直に立ててトンネル1の長さ方向と直交する様態で、略半身(図10(A)のT1に相当)だけ作業穴3内へ挿入する。
そして、第1の研削手段100の研削部110を回転させて、図2(D)に示すように、作業穴3から欠陥空隙Hに沿って上下方向に移動させて研削し、作業穴3から上下に連続する深さT1を有する第1の溝4を形成する。図3に、図2(D)のI−I矢視平断面図を示した。
第1の溝4は、研削部110を垂直に立て半身だけ作業穴3内へ挿入された様態で、形成されるので、第1の溝4の幅W2は、研削部110の高さと略同じ例えば8mm(図10(A)参照)となる。また、深さT1は、研削部110の直径の半分以下の例えば25mmとなる。欠陥空隙Hがジャンカのように幅広な場合には、研削手段100を繰り返し往復移動させて適切な幅と深さの溝4を形成することが好ましい。
第1の溝4を形成した後に、図示することは省略したが、高圧洗浄水又は高圧空気の噴射によって溝4内の塵や粉塵を除去することが好ましい。
第1の溝4内の洗浄がなされた後、図2(E)に示すように、作業穴3へ第2の研削手段200の研削部210を挿入する。この際、図2(B)に示した作業穴3の幅W1が、第1の研削手段100による研削の開始を行える最小値の幅寸である場合には、図2(E)の作業前に、作業穴3を第2の研削手段200の研削部210の直径が完全に挿入可能な幅寸に形成しておく必要がある。
この第2の研削手段200は、図10(B)に示したように、先端部に円筒形状の研削部210を有するドリルであり、研削部210の側周面にはダイヤモンド砥粒が多数埋め込まれる構成である点は第1の研削手段100と同じである。相違点は、研削部210の直径(W3)が12mm程度、高さ(T2)が8mm程度である点にある。
つまり、第2の研削手段200の研削部210の直径は、研削手段100より小径で、高さT2は、研削手段100より高く研削手段100の半径(T1)より低いものが使用される。また、研削手段200を回転させるシャフト211の直径は、前記した第1の溝4の幅W2(研削手段100の研削部110の高さ)よりも小さいものが使用される。本実施形態では、エヌシーダイヤモンド株式会社の溶接工具を使用した。
上記構成の第2の研削手段200を、研削部210の先端面がトンネル1の内壁面2と水平となる様態で作業穴3内へ挿入する。
そして、第2の研削手段200の研削部210を回転させて、図2(F)及び図4に示すように、作業穴3から第1の溝4に沿って移動させて研削することで、第1の溝4の底部に溝4より幅広な第2の溝5を形成する。
上記のように第1の溝4と第2の溝5を形成すると、断面形状が開口部6aを幅狭とする蟻溝形状の漏水処理溝6が形成できる(図4参照)。
前記した第2の溝5は、研削部210を内壁面2と水平となる様態で作業穴3内へ挿入して形成するので、第2の溝5の幅W3は、研削部210の直径と略同じ(図10(B)参照)になり、第1の溝の幅W2よりも幅広となる。図示例の溝5の幅W3は、例えば12mmである。
また、溝5は、研削手段100の半径T1より低い高さ(T2)を有する研削手段210により形成されているので、第1の溝4より浅い深さT2となり、漏水処理溝6の開口側には第1の溝4の一部(T1−T2)が残る形状となる。図示例の溝5の深さT2は、例えば8mmである。
したがって、両溝4、5により形成される漏水処理溝6は、底部には溝5による幅広な空間を有し、上部には溝4の幅狭となる空間を有する蟻溝形状に形成されるのである。
図示した漏水処理溝6の平断面形状は、この限りではなく、図5に示すように、開口部に向かって幅狭に傾斜するテーパー形状を有する漏水処理溝6であっても良い。この際、第2の溝5の形成に使用される第2の研削手段の研削部の形状は、溝5の形状と一致している。
(漏水処理)
次に、漏水処理溝6へ漏水処理を行う点を説明する。
図6には、漏水処理溝6への漏水処理として止水処理を施したコンクリートの平断面図を示した。この第1の実施形態の止水処理は、導水路による導水処理方法が許可されていないトンネル構造においては、特に有効な漏水処理方法である。
第1の実施形態の漏水処理は、漏水処理溝6内に樹脂系又はセメント系の止水材7を充填して止水処理を行うことにより施工される。
樹脂系としては、エポキシ系樹脂、ミゼロン樹脂、ウレタン樹脂が好適に使用される。セメント系としては、無収縮モルタル、マイクロセメントペーストなどを使用することが好ましい。本実施形態では、エポキシ系樹脂を充填した。
上記構成の止水材7を漏水処理溝6内へ充填する際に、先ず、漏水処理溝6の底面6cに存在する欠陥空隙Hの内部に止水材7を充填しておくことが好ましい(図4参照)。
また、図1に示すように、上記した作業穴3にも、同様の止水材7を充填しておくことが好ましい。上記のようにして止水処理をされた箇所Sを完成させる。勿論、この限りではなく、作業穴3に嵌め込み可能な形状に形成された蓋材を、着脱可能又は開閉可能に取り付けて、以後、点検穴として使用することも好適に実施できる。
上記したように蟻溝形状に形成された漏水処理溝6内に、止水材7が充填され漏水処理溝6と一体化されると、地下水などの強い外力が生じても、蟻溝形状による抜け外れ防止効果が働いて、止水材7が漏水処理溝6から抜け出ることを確実に防止できる。したがって、常に安定した確実な漏水処理を簡易な方法で行うことができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係るトンネルの漏水処理方法を、図7に基づいて説明する。
第2の実施形態は、第1の実施形態と略同様の技術的思想に基づいており、以下に、その相違点についてのみ説明する。漏水処理溝6の形状、寸法については同じであり、説明は省略する。また、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付し、説明は省いた。
図7(A)、(B)に示すように、トンネル1の内壁面2の欠陥空隙H上に、第1の溝4を形成する。先ず、第1の研削手段100の研削部110を垂直に立ててトンネル1の長さ方向と直交する様態で、図10(A)のT1に相当する深さに達するまで研削して沈める。そして、欠陥空隙Hに沿って上下方向に移動させて、上下に連続する深さT1を有する第1の溝4を形成する。溝4の幅はW2(研削手段100の高さ)である。具体的な断面形状や寸法は、上記したとおりである。
次に、図7(C)に示すように、第1の溝4上に、第1の実施形態とは異なる第2の研削手段300により作業穴3が形成される。勿論この限りではなく、第1の溝4の近傍位置であっても良い。作業穴3はできるだけ作業性の良い箇所を選定して設けることができる。
本実施形態における第2の研削手段300を、図11(A)〜(C)に示す。図11(A)は、研削手段300の全体斜視図を示した。図11(B)は、図11(A)の縦断面図を示し、図11(C)は、図11(A)の底面図を示した。
第2の研削手段300は、シャフト310と、円筒形状の研削部311を有するドリルである。研削部311の先端面312には、中央位置(コア部)に円筒形状の凹部313と、凹部313内に溜まった研削屑を外部へ導く溝部314とを有している。研削部311の側周面には、ダイヤモンド砥粒が多数埋め込まれる構成である点は第2の研削手段200と同じである。研削手段300には、研削部311の先端面312、及び凹部313の内壁面にも、同様のダイヤモンド砥粒が多数埋め込まれている。
研削部311は、径の太い先端部311aと、径の細い基端部311bとを有している。先端部311aの直径は、研削手段200の研削部210と同じW3(第2の溝5の幅に相当)の幅を有している。また、基端部311bの直径は、研削手段100の研削部110の高さと同じW2(第1の溝4の幅に相当)の幅を有している。
また、研削部311全体の高さは、研削部110のT1(第1の溝4の高さに相当)の高さを有している。先端部311aの高さは、研削手段200の高さと同じT2(第2の溝5の高さに相当)の高さを有している。更に、研削手段300を回転させるシャフト310の直径は、前記した第1の溝4の幅W2(研削手段100の研削部110の高さに相当)よりも小さいものが使用されることが好ましい。
上記構成の第2の研削手段300を、図7(C)に示すように、研削部311の先端面312を、任意の溝4上に当接させ、内壁面2に対して直交方向に押し込み、円を描くように旋回させて研削し、図7(D)に示すように、所定の幅W1を有する作業穴3に形成する。W1は上記したとおり、例えば12mm程度である。
そして、第2の研削手段300の研削部311を回転させて、作業穴3から第1の溝4に沿って移動させて研削することで、図7(E)及び図4に示すように、当該第1の溝4の底部に当該溝4より幅広な第2の溝5を形成する。
上記のように第1の溝4と第2の溝5を形成すると、断面形状が開口部6aを幅狭とする蟻溝形状の漏水処理溝6が形成できる。
前記した第2の溝5は、研削部311を内壁面2と水平となる様態で作業穴3内へ挿入して形成するので、第2の溝5の幅W3は、研削部311の直径と略同じ(図11(A)参照)になり、第1の溝の幅W2よりも幅広となる。図示例の溝5の幅W3は、例えば12mmである。因みに、図11に示した研削手段300は、先端部311aと基端部311bとの境界部がテーパー形状とされているため、溝5の断面形状もテーパーを有する断面形状となる。
本実施形態は、要するに、作業穴3の形成と第2の溝5の形成を、第2の研削手段300で行うことができるため、作業効率が非常に良い。また、作業穴3の形成と第2の溝5の形成を、連続する一連の作業として行なって作業効率を更に高めることができる。
しかる後に、漏水処理溝6に漏水処理が施される点は、第1の実施形態で説明したとおりであり、説明は省略する。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係るトンネルの漏水処理方法を図8、図9に基づいて説明する。
第3の実施形態は、第1の実施形態と略同様の技術的思想に基づいており、図2〜図4に示した第1の溝4、第2の溝5により漏水処理溝6を形成する方法は同じであるため、重複する説明は省略する。以下に、その相違点を中心に説明する。
第1の実施形態との相違点は、漏水処理溝6への漏水処理方法が異なる。第3の実施形態は、漏水処理として導水処理を採用している。
第3の実施形態の漏水処理は、導水処理の施工を許可されているトンネル構造に実施され、欠陥空隙Hから漏水しており、特に地下水などの外圧が強いと予想される場合に実施される。
第3の実施形態は、トンネル1の内壁面2に、上記の方法により形成された漏水処理溝6を、導水路9として使用することにより漏水処理を行う。そのため、上記した漏水処理溝6は、側溝10の近傍位置まで伸びる長さに形成されていることが好ましい。
図8(A)に、第3の実施形態に係るトンネルの漏水処理方法を実施した全体斜視図を示す。図8(B)は、トンネルの側溝の周辺部分の拡大図を示す。図9は、漏水処理溝6内に導水路9を形成した平断面図を示す。
図8に示す符号1は、トンネル、2は、トンネルの内壁面、10は、トンネル1の側壁底部に敷設された側溝であり、Hは、内壁面2に発生した欠陥空隙を示している。Kは、第3の実施形態に係るトンネルの漏水処理方法により導水処理された箇所を指している。
(漏水処理)
次に、側溝10の近傍位置まで形成した漏水処理溝6に、導水処理を施工する方法を説明する。
図4及び図9に示すように、開口部6aが幅狭とする蟻溝形状の漏水処理溝6に、幅狭の開口部6aを塞ぐ蓋部材8を設置する。蓋部材8は、漏水処理溝6を形成する際に開口側に一部残った第1の溝4に嵌め入れる態様で設置する。
したがって、上記構成とされた蓋部材8を装着することにより、漏水処理溝6の底面6cと蓋部材8との間に導水路9を形成することができる。
蓋部材8とは、弾性ゴム材であり、漏水処理溝6の開口幅W2(第1の溝4の幅に相当)より、少し幅広な幅W4を有している。また、厚み(奥行き)は、漏水処理溝6の開口側に一部残された溝4の深さより少し厚く、上記した導水路9を確保可能な厚みとされている。
漏水処理溝6へ装着する際には、弾性ゴム材8の側周面に接着剤を塗布し、弾性圧縮状態にして漏水処理溝6内へ装着する。すると、装着後の弾性ゴム材8は、慣性力により漏水処理溝6の両側面6b、6bを押圧して、ゴムの不勢力と接着剤の接着力により漏水処理溝6内に強固に固定される。
上記した蓋部材8の不勢力と接着剤の接着力は、漏水処理溝6の開口部6aからの抜け外れを防止する抜け外れ防止手段として機能する。
また、この弾性ゴム材8は、上記のように漏水処理溝6の両側面6b、6bを押圧して装着されているので、導水路9を流れる漏水が内壁面2へ漏れ出ることを防止する止水材としても機能する。
漏水処理溝6の導水路9の内壁面には、止水剤を塗布して漏水の流れを向上させることが好ましい。止水剤としては、例えばエポキシ系樹脂、ミゼロン樹脂、ウレタン樹脂などを用いることもできる。止水剤の塗布は、蓋部材8を装着前に行うことが好ましい。
また、図8(B)に示したように、前記漏水処理溝6に形成された導水路9内に土砂止めフィルター12を、前記の導水路9の上部と下端部の2箇所に設けている。この限りではなく、設置場所や個数は適宜変更可能であり、導水路9内の少なくとも一箇所に設けていれば良い。
第3の実施形態に使用される土砂止めフィルター12は、プラスティック立体網状成形品を採用し、接着剤などにより導水路9内に設置する。また、導水路9の上端部又は下端部に土砂止めフィルター12を備える場合には、土砂止めフィルター12を奥から順に詰め込んでゆき、土砂止めフィルター12自身の不勢力によって設置することもできる。
上記の構成とされた漏水処理溝6の導水路9は、図8(B)に示すように、トンネル1の側壁底部に敷設された側溝10に、排水手段11を介して繋がっている。排水手段とは配水管11のことである。図示例ではコンクリート内に埋設された状態であるが、この限りではなく、漏水処理溝6の導水路9を流れる漏水が、側溝10へ排水できれば良く露出していても良い。
しかる後に、作業穴3内に止水材7を充填して埋め戻すことにより導水処理の箇所Kを完成させる(図8(A)参照)。
勿論、作業穴3への後処理はこの限りではなく、作業穴3に嵌め込み可能な形状に形成された蓋材を着脱可能又は開閉可能に取り付けて、以後、土砂止めフィルター12の交換などを行う点検穴として使用することが好ましい。
上記してきたように、本発明の実施形態に係るトンネルの漏水処理方法は、止水処理だけでなく導水処理などの多様な漏水処理方法を容易に適用できるので、汎用性が非常に高い。
以上のとおり、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に制限されるものではない。また、本発明は、添付の特許請求の範囲に照らし、種々に変形又は変更することが可能である。
例えば、上記した従来の漏水処理である、欠陥空隙HをU字形状又はV字形状に切削して形成した溝に、止水材を充填する漏水処理を施したものの、地下水などの外圧により止水材が抜け落ちた欠陥溝にも、同様の方法を適用して漏水処理を行える。その際は、第1の溝4の幅を適宜調整して実施する。
また、第2の実施形態において、第2の研削手段300により、作業穴3と第2の溝5の形成のみならず、第1の溝4の形成も同時に行うことができる。つまり、研削部311の基端部311bは、第1の溝4の幅W2を有しているため、作業穴3から挿入された研削手段300は、欠損空隙Hに沿って上下方向にゆっくり移動させると、蟻溝形状の漏水処理溝6を一気に完成できる。更に、第3の実施形態において漏水処理溝6をトンネル1の高さ方向に設けているが、この限りではなくトンネル1の長さ方向の漏水処理溝6を形成して漏水処理樋として実施することも可能であることを付言する。
1 トンネル
2 内壁面
3 作業穴
4 第1の溝
5 第2の溝
6 漏水処理溝
7 止水材
8 蓋部材
9 導水路
10 側溝
11 排水手段
12 土砂止めフィルター
100 第1の研削手段
200、300 第2の研削手段

Claims (8)

  1. トンネルの内壁面に発生した欠陥空隙からの漏水を処理するトンネルの漏水処理方法であって、
    前記トンネルの内壁面の欠陥空隙上、又は当該欠陥空隙の近傍位置に作業穴を所定の大きさで形成し、
    前記作業穴から挿入した第1の研削手段によって、当該作業穴から前記欠陥空隙に沿って第1の溝を形成し、
    前記作業穴から挿入した第2の研削手段によって、当該作業穴から前記第1の溝に沿って、当該第1の溝内の底部に当該第1の溝より幅広な第2の溝を形成して、平断面が開口部を幅狭とする蟻溝形状の漏水処理溝を形成し、
    前記漏水処理溝に漏水処理を行うことを特徴とする、トンネルの漏水処理方法。
  2. トンネルの内壁面に発生した欠陥空隙からの漏水を処理するトンネルの漏水処理方法であって、
    第1の研削手段によって、前記欠陥空隙に沿って第1の溝を形成し、
    第2の研削手段によって、前記第1の溝上、又は当該第1の溝の近傍位置に作業穴を所定の大きさで形成し、
    前記作業穴から挿入した前記第2の研削手段によって、当該作業穴から前記第1の溝に沿って、当該第1の溝内の底部に当該第1の溝より幅広な第2の溝を形成して、平断面が開口部を幅狭とする蟻溝形状の漏水処理溝を形成し、
    前記漏水処理溝に漏水処理を行うことを特徴とする、トンネルの漏水処理方法。
  3. 前記漏水処理溝内に樹脂系又はセメント系の止水材を充填する止水処理を行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載したトンネル漏水処理方法。
  4. 前記漏水処理溝の開口部に、当該開口部を塞ぐ蓋部材を設置し、前記漏水処理溝の底面部と蓋部材との間に導水路を形成する導水処理を行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載したトンネル漏水処理方法。
  5. 前記漏水処理溝に形成した前記導水路内の少なくとも一箇所に、土砂止めフィルターを備えたことを特徴とする、請求項4に記載したトンネルの漏水処理方法。
  6. 前記導水路の内壁面に止水剤を塗布することを特徴とする、請求項4又は5に記載したトンネルの漏水処理方法。
  7. 前記蓋部材は、開口部からの抜け外れを防止する抜け外れ防止手段を有することを特徴とする、請求項4に記載したトンネルの漏水処理方法。
  8. 前記漏水処理溝に形成した前記導水路は、前記トンネルの内壁面の底部に備えた側溝と排水手段を介して繋がっていることを特徴とする、請求項4〜6の何れか一項に記載したトンネルの漏水処理方法。
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