JP2009001975A - 複数の建物棟間に空中構造体を架設する工法 - Google Patents

複数の建物棟間に空中構造体を架設する工法 Download PDF

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Yosuke Shiraishi
洋介 白石
Yasushi Nakanishi
康 仲西
Yasushi Shibata
恭伺 柴田
Yoshihiro Ishikawa
善弘 石川
Koji Muranaka
孝司 村中
Akira Nishimura
章 西村
Yasuhiko Kimura
康彦 木村
Tsutomu Nohira
勉 野平
Yoshifumi Kawahara
由史 河原
Sadao Ishibashi
貞雄 石橋
Shigetomo Tateyama
恵朋 立山
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Abstract

【課題】空中構造体の主要部側の連結部と建物棟側の連結部との間隔を必要十分にあけて当該主要部をスムーズに上昇させ得る構造設計で実施することにより、精度の高い組立作業及び上昇手段を要求されることがない、建物棟間に空中構造体を架設する工法を提供する。
【解決手段】建物棟1、1間で、前記空中構造体2の主要部3を、当該主要部3の両端の連結部4が対応する建物棟1の連結部5と対向配置となるまで上昇させて、いずれか一方の連結部5の下方に設けた受け座ブラケット6を他方の連結部4の直下位置へせり出させて当該他方の連結部4の下面へ当接させると共に、前記空中構造体2の主要部3の連結部4と前記建物棟1の連結部5とを接合手段で一連に連結する。
【選択図】図4

Description

この発明は、複数の建物棟間に空中構造体を架設する工法の技術分野に属する。
複数の建物棟間に空中構造体を架設して成る構造物を構築するにあたり、当該構造物は従来、下方から上方へ順に構築する作業を行っていた。すなわち、前記複数の建物棟を、空中構造体の架設レベルまで構築した後に建物棟間で空中構造体を構築する工程を、空中構造体の数に応じて繰り返し行っていた。しかし、この従来工法によると、前記空中構造体の構築作業を前記建物棟間で行わなければならず、危険な高所作業となり、安全性及び作業性の点で問題があった。また、建物棟間に作業ステージを仮設する必要があり、不経済であった。さらに、建物棟を空中構造体の架設レベルまで構築しなければ、空中構造体の構築作業を開始することができないので、作業効率が悪く、工期が長期化する問題もあった。
そこで、本出願人は、建物棟を構築する工程と並行して、建物棟間の底部で建物棟間に架設される空中構造体の主要部を組み立て、建物棟の躯体構築を空中構造体との架設レベルまで行った後に、既に組み立てた前記空中構造体の主要部を前記架設レベルまで上昇させて建物棟の躯体へ定着させ、しかる後、建物棟と空中構造体とを完成させる構築工法を開発した(例えば、特許文献1、2参照)。
この構築工法によれば、前記従来工法と比して、建物棟の躯体構築と並行して空中構造体の主要部の組み立て作業を行うので作業効率がよく、工期を短縮できる。また、空中構造体の主要部を地上で組み立てるので、危険な高所作業をなくして、大幅に省力化でき、作業性に優れているし、安全性が高い。さらに、空中構造体の主要部を建物棟間に定着した後で、この空中構造体を完成させる作業を前記主要部を足場や作業床として利用できるので、作業ステージなどの特別な足場や作業床を仮設する必要もないから仮設作業を減じ、合理的、且つ経済的でもある(特には、特許文献1の段落[0002]、[0005]、及び[0006]を参照)。このように、特許文献1、2に係る構築工法は、従来工法と比して種々の利点がある。
ところで、前記特許文献1、2に係る空中構造体の主要部と建物棟とを連結することにより複数の建物棟間に空中構造体を架設する工法については、空中構造体の主要部と連結棟との連結構造をより高強度でしかも作業効率よく実現するべく、架設レベルまで上昇させた前記空中構造体の主要部の両端の連結部と、これに対応する建物棟の連結部とをできるかぎり接近させる構成(寸法)で実施していた。
特許第3115942号公報 特許第3115951号公報
上記特許文献1、2に係る発明によれば、空中構造体の主要部を架設レベルまで上昇させる過程において、前記主要部の連結部のうち上側の連結部が、建物棟の連結部のうち下側の連結部を通過することになる。
そうすると、上記特許文献1に係る発明によれば、前記空中構造体の主要部の両端の連結部と、これに対応する建物棟の連結部とをできるかぎり接近する構成(寸法)で実施するが故に、空中構造体の主要部が風等の影響を受けて揺動すると、前記主要部の上側の連結部が、建物棟の下側の連結部の近傍を通過する場合には、当該建物棟の下側の連結部と接触したり、引っ掛かる虞があり、作業上及び安全上の点で問題があった。
前記問題を踏まえ、上記特許文献2に係る発明は、前記主要部側の連結部を下方のものほど建物棟側に突出する状態に形成し、前記建物棟側の連結部を上方のものほど主要部側に突出する状態に形成して実施している(同文献2の請求項1参照)。よって、同文献2に係る発明によると、前記主要部の上側の連結部が、建物棟の下側の連結部の近傍を通過する場合に当該建物棟の下側の連結部と接触したり、引っ掛かる虞を低減することができ、上記問題は一応解消したように見える。
しかしながら、上記特許文献2に係る技術は、空中構造体の主要部を上昇させる作業をスムーズに行い得るにすぎず、架設レベルまで上昇させた前記空中構造体の主要部の両端の連結部と、これに対応する建物棟の連結部とをできるかぎり接近する構成で実施していることに変わりはない。
したがって、前記主要部側の連結部を下方のものほど建物棟側に突出する状態に形成し、前記建物棟側の連結部を上方のものほど主要部側に突出する状態に形成するのに加えて、前記空中構造体の主要部の両端の連結部と、これに対応する建物棟の連結部とをできるかぎり接近させる構成で実施するには、自ずと精度の高い組立作業が要求され、熟練工の手を必要とし、大変煩わしく、コストが嵩むという問題があった。
また、空中構造体の主要部を大重量の大架構で実施する場合には、当該主要部を支持する建物棟の剛性によっては主要部を吊り上げ手段等で上昇させるとその重量で建物棟間のスパンを狭める方向に撓む場合があった。そうすると、前記主要部両端の連結部と建物棟の連結部とが互いに干渉し、それ以上の吊り上げが困難になったり、直接連結することができなくなる虞があった。
さらに、三棟の建物棟で実施する場合、図8に示したように、左右非対称構造の空中構造体の主要部を上昇させることが普通に行われる。このような場合に、当該主要部両端の連結部と建物棟の連結部とをできる限り接近する構成で実施すると、前記主要部の構成部材が建物棟に衝突して破損等する虞が増し、さらに精度の高い上昇手段が要求される問題もある。
このように、前記空中構造体の主要部の連結部とこれに対応する建物棟の連結部とをできるかぎり接近する構成で実施すると、上記したような種々の問題があり、改良の余地が残されていた。
本発明の目的は、空中構造体の主要部側の連結部と建物棟側の連結部との間隔を必要十分にあけて当該主要部をスムーズに上昇させ得る構造設計で実施することにより、精度の高い組立作業及び上昇手段を要求されることがなく、それでいて前記空中構造体の主要部側の連結部と建物棟側の連結部とを確実、且つ強固に連結することができる、経済性及び作業性に優れた建物棟間に空中構造体を架設する工法を提供することにある。
上記背景技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る建物棟間に空中構造体を架設する工法によれば、
複数の建物棟間に空中構造体を架設する工法であって、
前記建物棟間で、前記空中構造体の主要部を、当該主要部の両端の連結部が対応する建物棟の連結部と対向配置となるまで上昇させて、いずれか一方の連結部の下方に設けた受け座ブラケットを他方の連結部の直下位置へせり出させて当該他方の連結部の下面へ当接させると共に、前記空中構造体の主要部の連結部と前記建物棟の連結部とを接合手段で一連に連結することを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した建物棟間に空中構造体を架設する工法において、前記いずれか一方の連結部の下方に設けた受け座ブラケットは、同連結部の下方に設けた鉛直部材の両側面に一対の鋼材をヒンジ手段を介して接合してなり、同一対の鋼材はそれぞれヒンジ軸線を中心に水平方向に回動させて他方の連結部の直下位置へせり出させて対面可能な構成とすることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1に記載した建物棟間に空中構造体を架設する工法において、前記いずれか一方の連結部の下方に設けた受け座ブラケットは、前記連結部の上側に設け同連結部の軸線に沿って摺動可能なスライド部材で吊り支持した構成とし、同スライド部材を他方の連結部側へスライドさせることにより、他方の連結部の直下位置へせり出し可能な構成とすることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載した建物棟間に空中構造体を架設する工法において、前記空中構造体の主要部の連結部と前記建物棟の連結部は、双方の連結部の上面に跨って設けた押しジャッキ及び引きジャッキを作動させて、水平方向の位置を調整した後に連結することを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載した建物棟間に空中構造体を架設する工法において、前記空中構造体の主要部の連結部と前記建物棟の連結部は、H形鋼等の間詰め材を介して溶接等の接合手段で一連に連結することを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、請求項1〜5のいずれか一に記載した建物棟間に空中構造体を架設する工法において、前記空中構造体の主要部は、同主要部に設けた被吊り点にPC鋼線、PC鋼棒等の吊上げ材を取り付けており、建物棟間における空中構造体の架設レベルより高い位置にリフトアップ用ジャッキを搭載したリフティングビームを仮設して当該リフトアップ用ジャッキで前記吊上げ材を吊り上げることにより上昇させることを特徴とする。
請求項1〜請求項6に係る建物棟間に空中構造体を架設する工法によれば、下記する効果を奏する。
空中構造体の主要部を、当該主要部両端の連結部が、対応する建物棟の連結部と対向配置とした後に、いずれか一方の連結部に設けた受け座ブラケットを他方の連結部の直下位置へせり出させて当該他方の連結部の下面へ当接させると共に、前記空中構造体の主要部の連結部と前記建物棟の連結部とを一連に連結する構成で実施できるので、前記連結部同士をできるかぎり接近させる構成で実施する必要は一切ない。具体的に、前記連結部同士の間隔を、前記空中構造体(主要部)をスムーズに上昇させ得るのに必要十分な間隔をあけて、これに応じて前記受け座ブラケットの長さを適宜調整することにより、安全かつ確実に実施することができる。
よって、空中構造体の主要部が風等の影響を受けて揺動しても、前記主要部の上側の連結部が、建物棟の下側の連結部の近傍を通過する場合に当該建物棟の下側の連結部と接触したり、引っ掛かる虞もなく、スムーズな上昇作業(吊り上げ作業)を安全に行うことができる。したがって、前記主要部について、精度の高い組立作業及び上昇手段も要求されることもない。
また、空中構造体の主要部を大重量の大架構で実施する場合に、たとえその重量で建物棟間のスパンを狭める方向に撓んだとしても、その程度の誤差は許容範囲内であるので、前記主要部両端の連結部と建物棟の連結部とが互いに干渉することも、それ以上の吊り上げが困難になることもなく、直接連結することができなくなる虞もない。
さらに、三棟(以上)の建物棟で実施する場合にも、前記主要部の構成部材が建物棟に衝突する虞もなく、さらに精度の高い上昇手段が要求されることもない。
特に、請求項6記載の発明によれば、前記主要部を精度よく吊り上げることができるので、上記した効果をより一層期待できる。
本発明に係る建物棟間に空中構造体を架設する工法は、上述した発明の効果を奏するべく、前記建物棟1、1間で、前記空中構造体2の主要部3を、当該主要部3の両端の連結部4が対応する建物棟1の連結部5と対向配置となるまで上昇させて、いずれか一方の連結部5(又は4)の下方に設けた受け座ブラケット6を他方の連結部4(又は5)の直下位置へせり出させて当該他方の連結部4(又は5)の下面へ当接させると共に、前記空中構造体2の主要部3の連結部4と前記建物棟1の連結部5とを接合手段で一連に連結して実施する(請求項1記載の発明)。
図1〜図7は、請求項1に係る建物棟間に空中構造体を架設する工法の実施例を示している。この工法は、複数の建物棟1、1間に空中構造体2を架設する工法であって、前記建物棟1、1間で、前記空中構造体2の主要部3を、当該主要部3の両端の連結部4が対応する建物棟1の連結部5と対向配置となるまで上昇させて(図2〜図5参照)、いずれか一方の連結部5(又は4)の下方に設けた受け座ブラケット6を他方の連結部4(又は5)の直下位置へせり出させて(図5参照)、当該他方の連結部4の下面へ当接させると共に、前記空中構造体2の主要部3の連結部4と前記建物棟1の連結部5とを接合手段で一連に連結することを特徴とする(請求項1記載の発明)。
前記建物棟1、1は、一例として、柱、梁の躯体が鉄骨造り、或いは鉄筋コンクリート造りで、床がサイト成形のPC版で、外装がカーテンウォールの高層、或いは超高層の構造体で実施している。ちなみに、本実施例では、建物棟1の寸法(敷地面積)が20m×20m程度で、高さが140m(42階建て)程度と、アスペクト比が7程度の高層の建物棟1、1を想定しているが、低層の建物棟でも勿論同様に実施可能である。
また、本実施例では、図1A、Bに示したように、2棟の建物棟1、1を平面視で、左右対称な形状、及び配置で構築しているがこれに限定されず、3棟でも4棟以上でも実施できるし、左右非対称な形状でも実施できる。
前記空中構造体2は、前記主要部3をベースに仕上げ工事を行って、通路、或いは居住者の憩いの空間等に供されるものであるが、当該主要部3は、図1、図2等に示したように、トラス構造等の鉄骨造りをベースに直方体状に形成している。具体的には、上弦材3a及び下弦材3b並びに斜材3cをH形鋼等の鋼材で構成したトラス構造で実施している。前記下弦材3bの両端部には、図2等に示したように、ダンパー7を取り付け可能な構造で実施している(詳しくは、本出願人が先に出願した特願2006−254643の段落[0019]、及び特願2006−254677の段落[0018]を参照)。
なお、前記主要部3の構造はこれに限定されるものではなく、建物棟1、1間に架設され支持されることが可能な大きさ及び形状と剛性を有する構造であれば種々のバリエーションで実施可能である。勿論、上記特許文献1で開示したような、鉄骨梁、鉄骨柱、及び斜材鉄骨等を組み合わせて成り、中央部に上下に貫通する環状等の孔を形成した構造でも実施可能である。
また本実施例に係る空中構造体2(主要部3)は、一例として図1Aに示したように、所定の架設レベルに平行に2体ずつ設けて実施しているが、1体でも3体以上でも実施できることは勿論である。また、図1Bに示したように、上下に3段架設して実施しているが、1段でも2段でも実施できるし、4段以上でも実施できることは勿論である。
以下、本発明に係る建物棟間に空中構造体を架設する工法を具体的に説明する。
建物棟1、1を構築する工程と並行して、建物棟1、1間の底部1aで建物棟1、1間に架設される空中構造体2の主要部3を組み立てる。建物棟1、1の躯体構築を少なくとも空中構造体2(主要部3)との架設レベルHまで行った後に、既に組み立てた前記空中構造体2の主要部3に当該主要部3の四隅にバランスよく設けた被吊り点8にワイヤ9を取り付ける。そして、建物棟1、1の躯体における架設レベルHより高い位置に設けた滑車装置に前記ワイヤ9を巻き掛け、地上等に設置したウインチで前記ワイヤ9を巻き取ることにより、地上で組み立てた空中構造体2の主要部3を前記架設レベルHまでリフトアップし(図2〜図5参照)、前記主要部3の両端の連結部4と、これに対応する建物棟1の連結部5とを対向配置に位置決めする。なお、前記滑車装置とウインチは、図示の便宜上省略している。
ちなみに、前記主要部3を上昇させる手段はこれに限定されず、後述するような手段でも実施できるし(図16参照)、所謂プッシュアップ工法(前記主要部3を下方から支持した状態にて当該主要部3を下方から上方へ押し上げる油圧ジャッキ等を用いて、逐次に押し上げる工法)でも実施できる。
次に、前記主要部3の両端の連結部4と、これに対応する建物棟1の連結部5とを対向配置とした後、図5に示したように、いずれか一方の連結部(図示例では建物棟1側の連結部)5の下方に設けた受け座ブラケット6を他方の連結部(図示例では主要部3側の連結部)4の直下位置へせり出させる。
この実施例に係る前記受け座ブラケット6は、図3に示したように、前記建物棟1側の連結部5の下方に設けた鉛直部材10の両側面に一対の鋼材6a、6bをヒンジ手段11、12を介して接合してなり、同一対の鋼材6a、6bはそれぞれヒンジ軸線を中心に水平方向に回動させて、図5に示したように、他方の連結部4の直下位置へせり出させて対面可能な構成となるように実施している(請求項2記載の発明)。
具体的に、この実施例1に係る前記鉛直部材10は、前記建物棟1側の連結部5の下面に溶接接合されたI形鋼(又はH形鋼)から成る梁部材13のウエブ部10とし、同鉛直部材10の両側面にヒンジ手段11、12を介して接合した前記受け座ブラケット6を構成する一対の鋼材6a、6bはそれぞれ、外向きに開口した縦断面ほぼコ型の溝形鋼6a、6bで実施している。
なお、前記鉛直部材10は前記梁部材13のウエブ部に限定されず、平板プレートでも同様に実施可能である。要するに、前記一対の鋼材6a、6bを支持し得る鉛直な平面部材であればよい。また、前記一対の鋼材6a、6bはコ型の溝形鋼に限定されず、C型等の溝形鋼でも同様に実施可能である。要するに、前記鉛直部材10にヒンジ手段11、12を介して接合でき、他方の連結部4の直下位置へせり出させて対面が可能で、連結部4と当接可能な構成で実施できる部材であればよい。
よって、上記構成の受け座ブラケット6は、前記空中構造体2の主要部3(連結部4)が当該受け座ブラケット6を通過する際には前記主要部3側の連結部4と干渉しないように、図3に示したように、前記一対のコ型の溝形鋼6a、6bをハの字形状に開いた状態を保持させる。そして、前記主要部3側の連結部4が当該受け座ブラケット6を通過し、その上方の建物棟1側の連結部5と対向配置に位置決めした際には、図5に示したように、前記一対のコ型の溝形鋼6a、6bをそれぞれ回動させて閉じ、前記主要部3側の連結部4の直下位置へせり出させて対面させるのである。
その後、前記対面させた一対のコ型の溝形鋼6a、6b同士を複数のボルト15…で締結する。ちなみに、図3中の符号14は、ねじ孔が設けられた方形状の孔明きプレート部材であり、前記鉛直部材10の厚みと同一とすることで、一対のコ型の溝形鋼6a、6b同士に隙間を生じさせない接合構造とし、複数のボルト15…で締結している。
しかる後、前記ウインチが負担していた前記主要部3の鉛直荷重を漸次開放して、当該主要部3を前記受け座ブラケット6上に載置して盛り替える。
次に、前記空中構造体2の主要部3の連結部4と前記建物棟1の連結部5とを接合するに際し、図6A、Bに示したように、双方の連結部4、5の上面に跨って設けた押しジャッキ16及び引きジャッキ17を作動させて、水平方向の位置を調整する(請求項4記載の発明)。その後、前記受け座ブラケット6の上面と、前記主要部3側の連結部4の下面とを必要に応じて隅肉溶接する等して接合すると共に、前記連結部4、5同士の間に所要の長さの間詰め材18を介在させて当該間詰め材18の両端部をそれぞれ、対応する連結部4、5と溶接接合することにより、図7A、Bに示したように、前記空中構造体2の主要部3の連結部4と前記建物棟1の連結部5とを一連に連結する(請求項5記載の発明)。
なお、本実施例では、図示の便宜上、図1中のX部、或いはY部で示したように、前記空中構造体2の主要部3のうち右側部分の接合工程について図面に基づいて説明しているが、左側部分の接合工程についても、当該右側部分と同様の工程を同時期に実施することを念のために言及する。
また、本実施例に係る空中構造体2(主要部3)は、前記図2等に基づいて既に説明したように、前記主要部3の下弦材3bの両端部にダンパー7を取り付け可能な構造で実施しているが故に、前記受け座ブラケット6を、上弦材3aの連結部4に対応する建物棟1側の連結部5に設けて実施している(図7A、B参照)がこれに限定されない。前記主要部3の連結部4…にダンパー7を取り付けない構造で実施する等、対応する建物棟1側の連結部5…のすべてに受け座ブラケット6を設ける構造で実施することも勿論できる。
さらに、本実施例では、二棟の建物棟1、1間に空中構造体2の主要部3を架設する構成で実施しているが故に、当該主要部3の連結部4と連結する建物棟1側の連結部5を直線状に形成して実施しているがこれに限定されない。例えば、図8に示したように、三棟の建物棟1、1、1間に前記主要部3を架設する場合には、合理的な接合構造を実現するべく、一例として図9に図8のZ部を拡大して示したように、前記建物棟1側の連結部5を水平方向に屈曲させる等、適宜設計変更して実施することもできる。
その他、前記受け座ブラケット6を構成する一対のコ型の溝形鋼6a、6b同士をボルト15で締結する場合、本実施例では図6が分かり易いように、建物棟1の連結部5側に16本のボルト15を配し、主要部3の連結部4側に6本のボルト15を配して実施しているが、使用本数はもちろんこれに限定されない。ただし、構造力学上、建物棟1の連結部5側により多くのボルト15を配することに留意する。以下の実施例についても同様の技術的思想とする。
以上説明したように、この実施例に係る建物棟間に空中構造体を架設する工法によれば、前記空中構造体2の主要部3を、当該主要部3の両端の連結部4が、対応する建物棟1の連結部5と対向配置とした後に、建物棟1側の連結部5に設けた受け座ブラケット6を主要部3の連結部4の直下位置へせり出させて当該連結部4の下面へ当接させると共に、前記空中構造体2の主要部3の連結部4と前記建物棟1の連結部5とを一連に連結する構成で実施できるので、前記連結部4、5同士をできるかぎり接近させる構成で実施する必要は一切ない。具体的に、前記連結部4、5同士の間隔を、前記空中構造体2(主要部3)をスムーズに上昇させ得るのに必要十分な間隔をあけて、これに応じて前記受け座ブラケット6の長さを適宜調整することにより、安全かつ確実に実施することができる。
よって、空中構造体2の主要部3が風等の影響を受けて揺動しても、前記主要部3の上側の連結部4が、建物棟1の下側の連結部5の近傍を通過する場合に当該建物棟1の下側の連結部5と接触したり、引っ掛かる虞もなく、スムーズな吊り上げ作業を安全に行うことができる。したがって、前記主要部3について、精度の高い組立作業及び上昇作業を要求されることもない。
また、空中構造体2の主要部3を大重量の大架構で実施する場合に、たとえその重量で建物棟1、1間のスパンを狭める方向に撓んだとしても、その程度の誤差は許容範囲内であるので、前記主要部3両端の連結部4、4と建物棟1の連結部5とが互いに干渉することも、それ以上の吊り上げが困難になることもなく、直接連結することができなくなる虞もない。
さらに、三棟(以上)の建物棟間で上昇させる場合にも、前記連結部4、5同士の間隔を必要十分にあけて吊り上げ作業を行い得るので、前記主要部3の構成部材が建物棟1に衝突する虞もなく、さらに精度の高い吊り上げ作業が要求されることもない。
したがって、空中構造体2の主要部3側の連結部4と建物棟1側の連結部5との間隔を必要十分にあけて当該主要部3をスムーズに上昇させ得る構造設計で実施することにより、精度の高い組立作業及び吊り上げ作業を要求されることがなく、それでいて前記空中構造体2の主要部3側の連結部4と建物棟1側の連結部5とを確実、且つ強固に連結することができ、経済性及び作業性に優れた建物棟間に空中構造体を架設する工法を提供することができるのである。
図10〜図12は、請求項1に係る建物棟間に空中構造体を架設する工法の異なる実施例を示している。この実施例2は、上記実施例1と比して、前記受け座ブラケット6を設ける部位を前記主要部3側の連結部4としている点が主に相違する。以下、建物棟1、空中構造体2、主要部3など、上記実施例1と共通する構成要素については同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
この工法は、複数の建物棟1、1間に空中構造体2を架設する工法であって、前記建物棟1、1間で、前記空中構造体2の主要部3を、当該主要部3の両端の連結部4が対応する建物棟1の連結部5と対向配置となるまで上昇させて、前記主要部3側の連結部4の下方に設けた受け座ブラケット6を前記建物棟1側の連結部5の直下位置へせり出させて、当該連結部5の下面へ当接させると共に、前記空中構造体2の主要部3の連結部4と前記建物棟1の連結部5とを接合手段で一連に連結することを特徴とする(請求項1記載の発明)。
この工法は、上記実施例1で説明した手法と同様の手法で、前記空中構造体2の主要部3を架設レベルHまでリフトアップし、前記主要部3の両端の連結部4と、これに対応する建物棟1の連結部5とを対向配置に位置決めする。次に、図11に示したように、前記主要部3側の連結部4の下方に設けた受け座ブラケット6を建物棟1側の連結部5の直下位置へせり出させる。
この実施例に係る前記受け座ブラケット6は、前記主要部3側の連結部4の下方に設けた鉛直部材20の両側面に一対の鋼材6a、6bをヒンジ手段11、12を介して接合してなり、同一対の鋼材6a、6bはそれぞれヒンジ軸線を中心に水平方向に回動させて、建物棟1側の連結部5の直下位置へせり出させて対面可能な構成となるように実施している(請求項2記載の発明)。
具体的に、この実施例1に係る前記鉛直部材20は、前記主要部3側の連結部5の下面に溶接接合されたI形鋼(又はH形鋼)等から成る梁部材19のウエブ部20とし、同鉛直部材20の両側面にヒンジ手段11、12を介して接合した前記受け座ブラケット6を構成する一対の鋼材6a、6bはそれぞれ、外向きに開口した縦断面ほぼコ型の溝形鋼6a、6bで実施している。
なお、前記鉛直部材20は前記梁部材19のウエブ部20に限定されず、平板プレートでも同様に実施可能である。要するに、前記一対の鋼材6a、6bを支持し得る鉛直部材であればよい。また、前記一対の鋼材6a、6bはコ型の溝形鋼に限定されず、C型等の溝形鋼でも同様に実施可能である。要するに、前記鉛直部材10にヒンジ手段11、12を介して接合でき、建物棟1側の連結部5の直下位置へせり出させて対面が可能で、連結部5と当接可能な構成で実施できる部材であればよい。
よって、上記構成の受け座ブラケット6は、前記空中構造体2の主要部3(連結部4)が建物棟1側の下側の連結部等の障害物(図示省略)を通過する際には当該障害物と干渉しないように、図10に示したように、前記一対のコ型の溝形鋼6a、6bをハの字形状に開いた状態を保持させる。そして、前記主要部3側の連結部4とこれに対応する建物棟1側の連結部5とを対向配置に位置決めした際には、図11に示したように、前記一対のコ型の溝形鋼6a、6bをそれぞれ回動させて閉じ、前記建物棟1側の連結部5の直下位置へせり出させて対面させる。
その後、前記対面させた一対のコ型の溝形鋼6a、6b同士を複数のボルト15…で締結する。
次に、前記空中構造体2の主要部3の連結部4と、前記建物棟1の連結部5とを接合するに際し、図12A、Bに示したように、双方の連結部4、5の上面に跨って設けた押しジャッキ16及び引きジャッキ17を作動させて、水平方向の位置を調整する(請求項4記載の発明)。その後、前記受け座ブラケット6の上面と、前記建物棟1側の連結部5の下面とを必要に応じて隅肉溶接する等して接合すると共に、前記連結部4、5同士の間に所要の長さの間詰め材18を介在させて当該間詰め材18の両端部をそれぞれ、対応する連結部4、5と溶接接合することにより、前記空中構造体2の主要部3の連結部4と前記建物棟1の連結部5とを一連に連結する(請求項5記載の発明)。
爾後、ウインチが負担していた前記主要部3の鉛直荷重を漸次開放して盛り替える。なお、この盛り替え作業は、前記押しジャッキ16及び引きジャッキ17を作動させて、水平方向の位置を調整する前段階で行ってもよい。
以上説明したように、この実施例に係る建物棟間に空中構造体を架設する工法によれば、前記空中構造体2の主要部3を、当該主要部3の両端の連結部4が、対応する建物棟1の連結部5と対向配置とした後に、当該主要部3側の連結部4に設けた受け座ブラケット6を建物棟1の連結部5の直下位置へせり出させて当該連結部5の下面へ当接させると共に、前記空中構造体2の主要部3の連結部4と前記建物棟1の連結部5とを一連に連結する構成で実施できるので、前記連結部4、5同士をできるかぎり接近させる構成で実施する必要は一切ない。具体的に、前記連結部4、5同士の間隔を、前記空中構造体2(主要部3)をスムーズに上昇させ得るのに必要十分な間隔をあけて、これに応じて前記受け座ブラケット6の長さを適宜調整することにより安全かつ確実に実施することができる等、上記段落[0030]に記載したような、上記実施例1と同様の作用効果を奏する。
図13〜図15は、請求項1に係る建物棟間に空中構造体を架設する工法の異なる実施例を示している。この実施例3は、上記実施例1と比して、前記受け座ブラケット6の構成を回動式ではなく、スライド式で実施している点が主に相違する(請求項3記載の発明)。以下、建物棟1、空中構造体2、主要部3など、上記実施例1と共通する構成要素については同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
この工法は、複数の建物棟1、1間に空中構造体2を架設する工法であって、前記建物棟1、1間で、前記空中構造体2の主要部3を、当該主要部3の両端の連結部4が対応する建物棟1の連結部5と対向配置となるまで上昇させて、いずれか一方の連結部4(又は5)の下方に設けた受け座ブラケット21を他方の連結部5(又は4)の直下位置へせり出させて、当該他方の連結部5(又は4)の下面へ当接させると共に、前記空中構造体2の主要部3の連結部4と前記建物棟1の連結部5とを接合手段で一連に連結することを特徴とする(請求項1記載の発明)。
また、前記いずれか一方の連結部4(又は5)に設けた受け座ブラケット21は、前記連結部4(又は5)の上面に設置したスライドベース22上を摺動可能なスライド部材24により、吊り支持した構成で実施している。また、前記スライド部材24は、他方の連結部5(又は4)へスライドさせることにより、前記受け座ブラケット21を当該連結部5(又は4)の直下位置へせり出し可能な構成で実施している(請求項3記載の発明)。
ちなみに図中の符号22’は架け渡し部材であり、前記空中構造体2の主要部3を当該主要部3の両端の連結部4が対応する建物棟1の連結部5と対向配置とした後に、前記連結部4、5同士の上面に跨がるように設置することにより、前記スライド部材24を建物棟1の連結部5側へスライドさせることを容易ならしめている。
具体的に、図示例に係る受け座ブラケット21は、一対のコ型の溝形材21a、21bを、一側(図示例では左側)部分を、前記孔あきプレート部材14を介してボルト15で締結している。なお、前記孔あきプレート部材14は、建物棟1側の連結部5の直下に位置する鉛直部材10の厚みと同一とすることが好ましい。また、この段階で前記孔あきプレート部材14側の前記ボルト15…は仮締めが好ましい。
前記スライドベース22は、断面コ字形の鋼材を、前記押しジャッキ16及び引きジャッキ17を覆うように前記連結部4の上面に横向きに載置している。
前記スライド部材24は、前記スライドベース22上に所要の間隔をあけて配した2枚の平板プレート24、24で構成され、その両端から垂れ下がる吊りボルト23により、前記受け座ブラケット21を構成する一対のコ型の溝形材21a、21bをバランスよく支持する構成で実施している。なお、前記スライド部材24は前記主要部3を上昇させる作業中は、当該スライド部材24、スライドベース22、及び連結部4を鉛直方向に貫通するボルト(図示省略)を通す等して位置決めし、滑落防止を図っている。ちなみに図中の符号27は後述するステンレス鋼、スチール鋼等の鋼材を示している。
したがって、この実施例3に係る工法は、上記実施例1で説明した手法と同様の手法で、前記空中構造体2の主要部3を架設レベルHまでリフトアップし、前記主要部3の両端の連結部4と、これに対応する建物棟1の連結部5とを対向配置に位置決めする。この段階まで、前記スライド部材24は、前記主要部3側の連結部4に後退させておき、前記したような滑落防止手段を施してロックしておく。
次に、図13に示したように、前記架け渡し部材22’を前記連結部4、5同士の上面に跨がるように設置すると共に、前記スライド部材24のロック状態を解除する。次に、図14に示したように、前記スライド部材24を、前記スライドベース22および架け渡し材22’の上面をスライド(前進、図示例では右側へ移動)させることにより、前記受け座ブラケット21を建物棟1側の連結部5の直下位置へせり出させ、当該連結部5の下方のウエブ10を狭持する構成で位置決めする。
なお、本実施例に係る前記スライド部材24は、前記スライドベース22および架け渡し材22’の上面をスムーズにスライドさせるべく、前記スライドベース22および架け渡し材22’の上面に設けた前記鋼材27に対応する位置にプレート材26を設け(図15参照)、当該鋼材27およびプレート材26の間にフッ素系樹脂材を貼着する(図示省略)等の一般的に採用される工夫を施している。
続いて、前記受け座ブラケット21を構成する一対のコ型の溝形鋼21a、21b同士を前記ウエブ10を介して複数のボルト15…でサンドイッチ状に締結する(本締め)。一対のコ型の溝形鋼21a、21b、及び前記ウエブ10は、前記孔明きプレート部材14が前記ウエブ10と同厚で実施しているので、隙間を生じさせない接合構造を実現することができる。なお、前記受け座ブラケット21が前記建物棟1側の連結部5に接合されたことを確認した段階で、後に行う連結作業を容易ならしめるべく、前記スライドベース22、架け渡し部材22’、スライド部材24、及び吊りボルト23を撤去しておくことが好ましい。
次に、前記空中構造体2の主要部3の連結部4と、前記建物棟1の連結部5とを接合するに際し、図14に示したように、双方の連結部4、5の上面に跨って設けた押しジャッキ16及び引きジャッキ17を作動させて、水平方向の位置を調整する(請求項4記載の発明)。その後、前記受け座ブラケット21の上面と、前記建物棟1側の連結部5の下面とを必要に応じて隅肉溶接する等して接合すると共に、前記連結部4、5同士の間に所要の長さの間詰め材18を介在させて当該間詰め材18の両端部をそれぞれ、対応する連結部4、5と溶接接合することにより、前記空中構造体2の主要部3の連結部4と前記建物棟1の連結部5とを一連に連結する(請求項5記載の発明)。
爾後、ウインチが負担していた前記主要部3の鉛直荷重を漸次開放して盛り替える。なお、この盛り替え作業は、前記押しジャッキ16及び引きジャッキ17を作動させて、水平方向の位置を調整する前段階で行ってもよい。
以上説明したように、この実施例に係る建物棟間に空中構造体を架設する工法によれば、前記空中構造体2の主要部3を、当該主要部3の両端の連結部4が、対応する建物棟1の連結部5と対向配置とした後に、当該主要部3側の連結部4に設けた受け座ブラケット21を建物棟1の連結部5の直下位置へせり出させて当該連結部5の下面へ当接させると共に、前記空中構造体2の主要部3の連結部4と前記建物棟1の連結部5とを一連に連結する構成で実施できるので、前記連結部4、5同士をできるかぎり接近させる構成で実施する必要は一切ない。具体的に、前記連結部4、5同士の間隔を、前記空中構造体2(主要部3)をスムーズに上昇させ得るのに必要十分な間隔をあけて、これに応じて前記受け座ブラケット21の長さを適宜調整することにより安全かつ確実に実施することができる等、上記段落[0030]に記載したような、上記実施例1と同様の作用効果を奏する。
なお、前記受け座ブラケット21の構成は図示例に限定されるものではなく、H形鋼、I形鋼、若しくはコ型、C型の溝形鋼等のいずれか、又はこれらを組み合わせたもので実施することもできる。
また、本実施例では、前記受け座ブラケット21、スライドベース22、及びスライド部材24を前記主要部3側の連結部4に設けて実施しているがこれに限定されず、前記建物棟1側の連結部5に設けてもほぼ同様に実施することができる。
以上に実施形態を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の実施形態の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、上記実施例1〜3は、滑車装置とウインチを使用した吊り上げ手段で実施しているがこれに限定されず、図16に示したように、前記空中構造体2の主要部3に設けた被吊り点8にPC鋼線、PC鋼棒等の吊上げ材9を取り付けており、建物棟1、1間における空中構造体2の架設レベルHより高い位置にリフトアップ用ジャッキJ、Jを搭載したリフティングビーム25を仮設して当該リフトアップ用ジャッキJ、Jで前記吊上げ材9を吊り上げることにより上昇させることもできる(請求項6記載の発明。詳細は、本出願人が先に出願した特願2007−52651に係る明細書の段落[0030]〜[0037]参照)。
最後に、この複数の建物棟間に空中構造体を架設する工法は、本出願人が先に出願した特願2007−52651、特願2007−56094、及び特願2007−56096に係る建物の構築方法を含む、建物棟1、1間に空中構造体2の主要部3を上昇させて架設する工法全般に好適に実施することができる。
Aは、本発明に係る複数の建物棟間に空中構造体を架設した構造の全体を示した平面図であり、Bは、同立面図である。 実施例1に係る複数の建物棟間に空中構造体の主要部を架設する工法の一工程を示した立面図である。 図2の枢要部を示した斜視図である。 実施例1に係る複数の建物棟間に空中構造体の主要部を架設する工法の一工程を示した立面図である。 受け座ブラケットをせり出させた状態を示した斜視図である。 実施例1に係る複数の建物棟間に空中構造体の主要部を架設した状態の枢要部を示した立面図であり、Bは、同平面図である。 実施例1に係る複数の建物棟間に空中構造体の主要部を架設した状態を示した立面図であり、Bは、同平面図である。 三棟の建物棟間に空中構造体の主要部を架設した状態を示した平面図である。 三棟の建物棟間に空中構造体の主要部を架設した状態の連結構造を示した平面図である。 実施例2に係る複数の建物棟間に空中構造体の主要部を架設する工法の一工程を示した斜視図である。 実施例2に係る複数の建物棟間に空中構造体の主要部を架設する工法の一工程を示した斜視図である。 実施例2に係る複数の建物棟間に空中構造体の主要部を架設した状態の枢要部を示した立面図であり、Bは、同平面図である。 実施例3に係る複数の建物棟間に空中構造体の主要部を架設する工法の一工程を示した立面図であり、Bは、同平面図である。 実施例3に係る複数の建物棟間に空中構造体の主要部を架設した状態の枢要部を示した立面図である。 図14のA−A矢視断面図である。 Aは、実施例1〜実施例3に共通して実施可能な、空中構造体の主要部の吊り上げ手段のバリエーションを示した立面図であり、Bは、前記主要部の側面図である。
符号の説明
1 建物棟
2 空中構造体
3 主要部
4、5 連結部
6 受け座ブラケット
6a、6b 一対のコ型の溝形鋼(鋼材)
7 ダンパー
8 被吊り点
9 ワイヤ
10 鉛直部材
11、12 ヒンジ手段
13 梁部材
14 孔明きプレート部材
15 ボルト
16 押しジャッキ
17 引きジャッキ
18 間詰め材
19 梁部材
20 鉛直部材
21 受け座ブラケット
21a、21b 一対のコ型の溝形鋼(鋼材)
22 スライドベース
23 吊りボルト
24 スライド部材
25 リフティングビーム
26 プレート材
27 鋼材(ステンレス鋼)

Claims (6)

  1. 複数の建物棟間に空中構造体を架設する工法であって、
    前記建物棟間で、前記空中構造体の主要部を、当該主要部の両端の連結部が対応する建物棟の連結部と対向配置となるまで上昇させて、いずれか一方の連結部の下方に設けた受け座ブラケットを他方の連結部の直下位置へせり出させて当該他方の連結部の下面へ当接させると共に、前記空中構造体の主要部の連結部と前記建物棟の連結部とを接合手段で一連に連結することを特徴とする、複数の建物棟間に空中構造体を架設する工法。
  2. 前記いずれか一方の連結部の下方に設けた受け座ブラケットは、同連結部の下方に設けた鉛直部材の両側面に一対の鋼材をヒンジ手段を介して接合してなり、同一対の鋼材はそれぞれヒンジ軸線を中心に水平方向に回動させて他方の連結部の直下位置へせり出させて対面可能な構成とすることを特徴とする、請求項1に記載した複数の建物棟間に空中構造体を架設する工法。
  3. 前記いずれか一方の連結部の下方に設けた受け座ブラケットは、前記連結部の上側に設け同連結部の軸線に沿って摺動可能なスライド部材で吊り支持した構成とし、同スライド部材を他方の連結部側へスライドさせることにより、他方の連結部の直下位置へせり出し可能な構成とすることを特徴とする、請求項1に記載した複数の建物棟間に空中構造体を架設する工法。
  4. 前記空中構造体の主要部の連結部と前記建物棟の連結部は、双方の連結部の上面に跨って設けた押しジャッキ及び引きジャッキを作動させて、水平方向の位置を調整した後に連結することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した複数の建物棟間に空中構造体を架設する工法。
  5. 前記空中構造体の主要部の連結部と前記建物棟の連結部は、H形鋼等の間詰め材を介して溶接等の接合手段で一連に連結することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載した複数の建物棟間に空中構造体を架設する工法。
  6. 前記空中構造体の主要部は、同主要部に設けた被吊り点にPC鋼線、PC鋼棒等の吊上げ材を取り付けており、建物棟間における空中構造体の架設レベルより高い位置にリフトアップ用ジャッキを搭載したリフティングビームを仮設して当該リフトアップ用ジャッキで前記吊上げ材を吊り上げることにより上昇させることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載した複数の建物棟間に空中構造体を架設する工法。
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