JP2009000749A - 非球面研磨工具 - Google Patents

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卓 横手
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Abstract

【課題】ディップル等が発生せず均一で研磨精度の良好な研磨工具を提供する。
【解決手段】工具枠体1に付設された緩衝材2を介して粒度の違う研磨布3A、3B、3C、3D、3Eが工具中心から外周方向に向けて同心円状に貼り付けられている。これらの研磨布3A、3B、3C、3D、3Eは内方側から順に粒度が大きくなるものを並設している。研磨面に並設された研磨布の上面に環状の溝を形成したもので、この溝に砥粒が滞留する。
【選択図】図1

Description

本発明は、非球面形状を有する光学素子の研磨における研磨工具に関する。
非球面光学素子の一般的な研磨方法としては、つぎの2つに大別される。第1の方法は、金型を利用した成形による研磨方法である。そして第2の方法は、ダイヤモンドバイトによる切削加工や、ダイヤモンドやCBN砥粒などの超砥粒ホイールによる研削加工といった機械加工の後に、遊離砥粒などを用いての光学研磨による方法である。この2つの研磨方法の中で非球面光学素子の研磨方法としては遊離砥粒を用い研磨工具にて研磨する方法が主流となっている。
ところで、従来から光学素子の研磨工具として使用されている非球面研磨工具(以下簡単に「研磨工具」という)は図4において符号Kに示すとおりである。一般的には形状精度の悪化を防ぐために被加工品すなわち光学素子4の大きさに比べて小さく構成されている。この研磨工具Kは図4に示すとおり研磨装置(図示せず)からの負荷を支持する工具枠体1と、この工具枠体1に付設された緩衝材2およびこの緩衝材2に付設された研磨布3で構成されている。この研磨布3には、光学素子4の表面に直接接する1mm前後の薄い研磨布3または、数十ミクロンの研磨シートを研磨装置(図示せず)からの荷重を支持する研磨工具Kに緩衝材2を介して一枚物として、または複数片に分けたものを工具全体にわたって貼り付けた構成となっている(特許文献1参照)。
研磨においては、遊離砥粒を含んだ研磨液を供給しながら研磨工具Kを連続回転させ被加工品の大きさに見合ったストローク分を前後、および左右方向へ往復運動させて研磨を行う。更に高精度非球面を達成するためには形状の悪化した部分については、部分修正が必要となるが、その場合には往復運動させずに、定点研磨を繰り返すことで高精度非球面を得るようにしている。
特開2001−113452号公報
研磨の対象となる光学素子4などの被加工品は金型などによって成形されるが、金型による成形品は、厚みの高低差が大きいものや、外形形状が円形でないものは成形が困難である。したがって成形できる形状についての制約が多く、更に金型材料と成形材料の膨張係数の違いから生じるヒケなどにより高精度な非球面を達成することはできない。また、切削加工や研削加工の機械加工後の研磨工具Kを用いた光学研磨では、研磨工具Kを中心に最大荷重がかかり周辺部にかけて荷重が小さくなっていくために、光学素子4の中心付近が研磨量最大となって図4に示すような凹部(ディップル)Dが発生しやすい。
また研磨液を供給しながら研磨を行う際には、ツールの回転による遠心力が作用して研磨液は中心付近から周辺部へと移動していき、遂には研磨工具Kの外方へと逃げてしまうが、研磨液の滞留時間は外周部にいくにつれて周速度が早くなるため、短くなる。これらの原因で研磨工具Kに直接接する被加工品すなわち光学素子4の面内においては研磨量の差が生じ、非球面形状を悪化させ光学性能に悪影響を及ぼしていた。
本発明が第1に提供する研磨工具は、上記課題を解決するために、研磨粒度の異なる複数個の研磨布を工具の面に並設したものである。したがって、各研磨粒度のいずれかを使用することによって研磨量を調整することにより、各被研磨材の研磨を適正に行うことができる。
本発明は、具体的には研磨工具中心部から外周部へかけて、研磨布の粒度を小さなものから大きなものへ順次変化させ、更には、研磨布上に同心円状または格子状に設けた溝について、その間隔を順次、密にした構成の研磨工具である。したがって単位時間あたりの研磨量は、研磨布の粒度が大きいほど多く、逆に小さいほど少なくなる。そのため研磨工具中心部から外周部へかけて研磨布の粒度を小さいものから大きいものへ順次変化させることで、研磨布に起因する研磨量は研磨工具中心部から外周部へかけて多くなる。
本発明が第2に提供する研磨工具は、研磨布上に溝を形成したものである。したがって研磨中における遊離砥粒を保持する機能が生起する。これは砥粒が溝に滞留することによるものである。この溝はたとえば環状で複数個同心状に形成される。外周になるにしたがい溝が密になっており、密な部分は疎になっている部分に比べ遊離砥粒を保持する機能が高く、研磨量が多くなる。
これらの機能を有することで、研磨工具の中央部と外周部における荷重の違いに起因する研磨量の違いを相殺することができ、研磨工具に直接接するワーク面の全領域において均等な研磨を保証する。
研磨粒度の異なる研磨布は容易に準備でき、これらを並設することも容易である。このような簡略な構造と操作で光学素子全面にわたって均等に研磨でき、高精度な非球面を実現することができる。以下図面に示す実施例にしたがって本発明を説明する。
本発明は研磨工具の加工面に異なる研磨粒度の研磨布を並設することと、この研磨布上に同心円状の溝を形成することが特徴とする点である。したがって本発明としてはこれらの特徴を備えた研磨工具が最良の形態である。
本発明が提供する研磨工具の第1の実施例は図1に示されている。図1において(A)は研磨工具Kの先端部を側方より示す図であり、(B)は研磨工具Kの先端部を下方から見た図である。
研磨装置(図示せず)からの荷重を支持する研磨工具Kの研磨面には緩衝材2を介して研磨布3A〜3Eが貼り付けられている。本発明はこの研磨布3A〜3Eの構成に特徴を有し、粒度の違う研磨布3A、3B、3C、3D、3Eが工具中心から外周方向に向けて同心円状に貼り付けられている。これらの研磨布3A、3B、3C、3D、3Eは内方側から順に粒度が大きくなるものが並設されている。
図示実施例では同心円のピッチは等間隔としているが、研磨工具Kに直接接する光学素子4の被研磨面の全領域において等しい研磨量になるように同心円のピッチを決定するのが基本であり、したがってピッチを等しくすることに限定されるものではない。また、研磨布の種類は実施例では5種類の研磨布を記述しているが、この種類の個数についても限定されるものではない。なお図1に示す実施例では、複数種類の研磨布3A〜3Eが円形ないし輪状をなしている例を示したが、これをたとえば八角形にすることも可能で円形に限定されるものではない。ただ円形の方が加工容易であり均一性にすぐれている。いずれにしても本発明による第1の実施例は複数種類の研磨布を並設したものであり、高精度な研磨が保障される。なお図1おいて図4と同一の符号で示される部品は図4と同一の部品であり、詳細な説明は省略する。
本発明が提供する研磨工具の第2の実施例は、研磨工具Kにおける研磨面の全領域Aに並設された研磨布3A〜3Eの上面に環状の溝を形成したものであり、この構成は図2に示すとおりである。図2は図1の(B)に示すように研磨工具Kにおける研磨面側を示す図で研磨面の全領域A内にリング(輪)状の溝M1〜M5が同心状に形成された状態を示している。
このリング状溝M1〜M5の間隔は図2に示すとおり中心部分から外周部分に向けて、疎から密になるようにする。リング状溝M1〜M5の本数と間隔は研磨工具に直接接するワーク面の全領域Aにおいて等しい研磨量になるように決定するため、リング状溝M1〜M5の本数と間隔は限定しない。本発明が第2に提供する研磨工具は以上のとおりであり、このリング状溝M1〜M5に砥料が滞留し研磨機能が維持される。
本発明が第2に提供する研磨工具の特徴は以上詳述したとおりであるが、上記ならびに図示例に限定されるものではなく、たとえば図3に示すように直線状の直線溝Sを形成する実施例においても同機の機能を生起する。図3の例は直線溝Sが縦軸方向と横軸方向のみの例であるが、たとえば全体的に六角状の直線溝とすることもでき、本発明はこれら変形例をすべて包含する。
本発明が第1に提供する非球面研磨工具の構成を示す図である。 本発明が第2に提供する非球面研磨工具の構成を示す縦断面図である。 本発明が提供する非球面研磨工具の変形例を示す図である。 従来における非球面研磨工具の構成を示す図である。
符号の説明
1 工具枠体
2 緩衝材
3 研磨布
3A〜3E 研磨布
4 光学素子
A 全領域
D 凹部
K 研磨工具
M1〜M5 リング状溝
S 直線溝

Claims (4)

  1. 光学素子の非球面研磨を行う研磨工具の面に、研磨粒度の異なる複数個の研磨布を並設させたことを特徴とする非球面研磨工具。
  2. 複数個の研磨布が研磨粒度が異なり、かつ環状をなし内方より順に粒度を大きくして並設されたものであることを特徴とする請求項1記載の非球面研磨工具。
  3. 研磨布上に複数の環状溝が形成されたことを特徴とする請求項1記載の非球面研磨工具。
  4. 環状の溝が外周に近づくにつれて密に並設されていることを特徴とする請求項3記載の非球面研磨工具。
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KR20120026460A (ko) * 2010-09-09 2012-03-19 엔지케이 인슐레이터 엘티디 피연마물의 연마 방법 및 연마 패드

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