JP2009000045A - 飼料配合剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】家畜の免疫を増強させることで健康状態を向上させ、さらに成長を促進するための飼料配合剤及びそれを配合した飼料を安価に提供する。
【解決手段】乳酸桿菌(ラクトバチルス属に属する乳酸菌)を培養し、得られた培養液から固液分離やろ過などにより乳酸桿菌の培養残渣を得、これを有効成分として含有する飼料配合剤、及び前記の乳酸桿菌の培養残渣を粉砕し、平均粒径を50ミクロン以下にしたものを有効成分とする飼料配合剤。
【選択図】 図1

Description

本発明は、動物飼料用の飼料配合剤及び該飼料配合剤を配合した飼料に関する。
鶏、豚、羊、牛などの家畜は幼少期に大腸菌、あるいは、サルモネラ菌などの有害細菌や病原性ウィルスなどに感染すると下痢を起こすことが知られている。これらの家畜が下痢を起こすと、摂取した栄養を腸管から十分吸収することができずに成長が停滞するうえ、また、体力や抵抗力も低下して他の感染症にもかかりやすくなるという問題がある。また、養殖魚等の魚類においても、細菌やウィルスなど病原性微生物に感染すれば成長が停滞し、斃死率が増加するという問題がある。
一方、近年の畜産業では、家畜の生産性を高めより高い経済効果を得るための工夫がなされてきた。たとえば、面積あたりの飼養頭数を多くすることによって生産性を高めようとしてきたが、逆に過密飼育によるストレスが家畜の体力や抵抗力を低下させ生産性に悪影響を及ぼしていると言われている。さらに、過密飼育の畜舎内でひとたび感染症が発生すれば、それが畜舎内全体に蔓延し、さらに生産性を悪化させるという問題があった。これに対して家畜の病気予防と成長促進を目的として抗生物質や抗菌剤などの薬剤が飼料に混ぜて給与されるようになったが、耐性菌出現の問題、あるいは、薬剤漬けで生産された畜産物の安全性の問題が指摘されるようになり、抗生物質などの薬剤に代わる安全な資材が求められている。
乳酸菌は、腸内環境を良好に保ち家畜の健康維持に役立つことが知られている(例えば、非特許文献1参照)。また、糞の臭気を軽減したり、良い堆肥をつくるのに役立つなどの利点もある。このため飼料添加物として広く使用されているが、生きた乳酸菌は扱いが面倒で、加工には向かないなどの欠点もあった。
近年、乳酸菌の死菌にも免疫賦活作用があることがわかってきており、熱にも強く加工も容易であることから注目されているが、その免疫賦活作用が特に強いと言われているのは乳酸球菌であった(例えば、特許文献1参照)。しかし、最初から飼料目的で製造され、菌体のみで使用されるので価格が高く、飼料としてはあまり普及していなかった。
一方、乳酸発酵等乳酸菌を用いた発酵液の培養残渣については、副産物であり安価に入手できるが、培養残渣中の乳酸菌量は通常少ない為これらに免疫賦活作用があるとの報告はない。
「畜産の研究」,養賢堂,Vol.49,No.8,p.927−933(1995) 特開2004−41099号公報
従来の乳酸菌を用いた飼料配合剤は生菌、死菌にかかわらずコストが高くつくものが多く、安価なものは知られていなかった。
最近になって、乳酸桿菌の死菌にも免疫賦活作用があることがわかってきている。桿菌であればヨーグルトなど食品に一般的に使用されているため、食品残渣を利用することが可能であり、大幅なコストダウンが期待できる。
本発明は、より効果的に腸内環境を整えて家畜の健康状態を向上させ、さらに成長を促進するための安価な飼料配合剤及びそれを配合した安価な飼料を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討した結果、醗酵法で乳酸を製造する際の副産物(上清を除いた残渣で、培地成分、乳酸菌を含む)を熱殺菌、乾燥したものを飼料配合剤として使用することにより、扱いが容易で、安価で、免疫増強作用などの機能性を有する優れた飼料配合剤となりうることを発見し、さらに、この乳酸桿菌の培養残渣を、特に平均粒径を50ミクロン以下に粉砕したものを動物に与えれば、腸管など粘膜免疫が賦活され下痢の防止や増体の効果が見られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の第一は、乳酸桿菌の培養残渣を含有することを特徴とする飼料配合剤を要旨とするものであり、また、乳酸桿菌の培養残渣を有効成分とすることを特徴とする免疫賦活作用を有する飼料配合剤を要旨とするものであり、好ましくは、乳酸桿菌の培養残渣が、50ミクロン以下の平均粒径を有するものであり、また好ましくは、乳酸桿菌がラクトバチルス属に属する乳酸菌であり、さらに好ましくは、ラクトバチルス属に属する乳酸菌が、ラクトバチルス・デルブルエキイ(Lactobacillus delbrueckii)に属する乳酸菌であるものである。
本発明の第二は、上記した飼料配合剤を配合したことを特徴とする飼料を要旨とするものである。
本発明によれば、腸管などの粘膜の免疫賦活作用を有する飼料配合剤を安価に入手することができる。本飼料配合剤を配合した飼料を摂取させることにより、効果的に腸内環境を整えて動物の健康状態を向上させ、さらに成長を促進するなどの効果を十分に発揮することができ、特に仔牛、子豚、幼雛などの幼少期の家畜・家禽に適用した場合に有効である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、まず乳酸桿菌を培養して培養残渣を調製する必要がある。ここで用いられる乳酸菌は乳酸桿菌であり、その中には、ラクトバチルスアシドフィルス、ラクトバチルス サリバリウス、ラクトバチルス カゼイなどのラクトバチルス(Lactobacillus)属、ビフィドバクテリウム サーモフィラム、ビフィドバクテリウム シュードロンガム、ビフィドバクテリウム ロンガムなど一般にビフィズス菌といわれているビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属などが挙げられる。この中で、ラクトバチルス属に属する乳酸菌が好ましく用いられ、さらに、ラクトバチルス・デルブルエキイ(Lactobacillus delbrueckii)に属する乳酸菌が、特に好ましく使用することができる。
ラクトバチルス・デルブルエキイ(Lactobacillus delbrueckii)は、食品製造に利用されている乳酸菌のひとつであり、例えば、チーズのスターターとして利用されたことが文献に記載されている(「乳酸菌の科学と技術」、1996年2月28日、学会出版センター発行、p.230)。その他、ヨーグルト(特にStreptococcus thermophilusと共に用いられる)、乳酸菌飲料、パン生地にも利用されている。加えてサイレージから検出される乳酸菌のひとつ(良質のもの)との記載もある。また、食品の変敗に関わる菌はすべてヘテロ発酵乳酸桿菌との記述があり、ホモ乳酸発酵乳酸桿菌であるラクトバチルス・デルブルエキイ(Lactobacillus delbrueckii)は安全な菌であると考えられる。
本発明の乳酸桿菌の培養に用いる培地は、公知のものを使用することができる。すなわち、GYP培地(D-グルコース1質量%、ペプトン0.5質量%、酵母エキス1質量%、酢酸ナトリウム3水和物0.2質量%、ツイーン80 0.05質量%、硫酸マグネシウム7水和物0.02質量%、硫酸マンガン4水和物10ppm、硫酸鉄7水和物10ppm、塩化ナトリウム10ppm)、FYP培地(GYP培地の糖がD-フルクトースになったもの)のほか、市販のGAM培地(日水製薬社製)、MRS培地(Difco社製)等を使用することもできるし、酵母エキス、肉エキス、麦芽エキス、魚肉エキス、大豆分解物、ペプトン、ポリペプトン、ポテト浸出液、乾燥酵母、カゼイン、大豆粉、大豆粕、綿実粕等を単独でまたは2種以上を水に溶解または懸濁させた培地を使用することができる。加えてこのほか、無機塩類として、リン酸カリウム、硫酸アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、硫酸鉄、各種ビタミン、消泡剤その他を加えることができる。
本発明で用いられる培地中の糖としては、上記したD-グルコース、D-フルクトースなどの他に、乳酸桿菌が資化性を有するものであればいかなるものも使用できる。かかる糖としては、D-ガラクトース、L-アラビノース、D-キシロース、マルトース、スクロース、D-リボース、メリビオース、澱粉等であり、好ましくはD-グルコース、D-フルクトース、D-ガラクトース、D-キシロース、マルトースであり、さらに好ましくはD-グルコース、D-フルクトース、マルトースである。
本発明における培養条件としては、嫌気条件下でも好気条件下でもよいが、増殖の際には嫌気条件にした方がよい。そのためには、たとえばバブリングや早い撹拌等を行う必要はなく、緩やかに撹拌する程度でよい。
本発明における培養温度としては、本発明の効果を損なわない限り限定されないが、通常5〜45℃であり、好ましくは15〜40℃であり、さらに好ましくは20〜35℃である。培養温度がこの温度範囲より高くても低くても著しく増殖速度が劣る傾向にある。また、培養液のpHは通常4.0〜6.0に調整することが好ましく、4.5〜5.5に調整することがより好ましい。pH調整に用いる薬品はいかなるものも使用でき、たとえば塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、酢酸、酪酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、アンモニア水等が挙げられる。このような条件で培養を行うと、培養から24〜96時間で充分な量の乳酸桿菌を含む培養液が得られる。乳酸桿菌の培養残渣は、以上のようにして得られた培養液を遠心分離や限外ろ過した後に乾燥、必要に応じて殺菌することにより得ることができる。
本発明の飼料配合剤は、上記のようにして調製した乳酸桿菌の培養残渣そのままを、あるいは、破砕のような加工を施したものを有効成分として含むものである。本発明の飼料配合剤に含まれる乳酸桿菌の培養残渣の量としては、1〜100質量%、好ましくは10〜100質量%、さらに好ましくは50〜100質量%である。本発明の飼料配合剤において、乳酸桿菌の培養残渣のほかに含ませることができるものとしては、菌体の効果を増強する目的でマンノースやマンノオリゴ糖のほか、プレバイオティクスとしてその他のオリゴ糖、有機酸、水溶性食物繊維、デンプン、不溶性食物繊維などを添加してもよい。さらに、必要に応じて、安定剤や賦形剤が含まれても構わない。安定剤としては、無水ケイ酸などが挙げられ、賦形剤としては、乳糖、ふすま、小麦粉、コーンスターチ、コーングルテンフィード、デキストリン、米糠などが挙げられる。
また、本発明の飼料配合剤は、生薬等の有効成分を含んでもよい。生薬としては、例えば、枸杞葉、麦芽、枇杷葉、人参、大棗、山薬、金銀花、黄精、蒲公英、南瓜子、車前子、柿の葉、杜仲の葉、山梔子、エキナケア、ハコベ等を用いることができる。
これらの生薬については、市販のものを好適に用いることができる。これらの生薬は、数mm〜1cm程度の大きさに裁断し、あるいは、数mm以下の大きさに粉砕して使用すればよい。また、適宜市販の栄養剤や抗生物質を併用することができる。
ところで、乳酸球菌の免疫賦活作用の強さは、菌の大きさが桿菌に比べ小さいため、腸管表面のパイエル板を刺激しやすいことに起因すると考えられている。本発明において、乳酸桿菌の培養残渣を破砕し一定の粒径にしたものを用いることは、乳酸桿菌の大きさを乳酸球菌の大きさに物理的に近づけ、免疫賦活作用の向上を狙う上で望ましい。本発明において用いられる破砕方法は、公知の方法を用いればよいが、効率性の点から物理的粉砕法が好ましい。物理的粉砕方法としては、ジェットミル型粉砕器、石臼型粉砕器、超音波粉砕器、凍結粉砕器などを用いた方法が挙げられる。
乳酸桿菌の培養液から遠心分離や限外ろ過などにより得られた乳酸桿菌の培養残渣は、通常、200〜500ミクロンの平均粒径を有しており、これを平均粒径が0.1〜100ミクロンになるように粉砕することが好ましく、5〜50ミクロンがさらに好ましい。100ミクロンを超えると免疫賦活作用が弱く、0.1ミクロン未満では製造効率が低下するため好ましくない。
本発明において、乳酸桿菌の培養残渣の平均粒径とは、乳酸桿菌の培養残渣を水などの媒体に分散させた後、レーザー回折粒度分布測定装置により得られた粒度分布から求められたメジアン径(中央累積値、50%粒径)のことをいう。
本発明の第二の飼料は、既存の各種飼料に上記の本発明の飼料配合剤を配合したものである。配合割合は、効果及び経済性の観点から乳酸桿菌の培養残渣換算で0.005〜5質量%が好ましく、0.02〜2質量%がさらに好ましい。
本発明の飼料配合剤を配合する飼料の組成としては、ごく一般的なものを用いればよい。すなわち、タンパク源としてホワイトフィッシュミール、繊維源としてフスマ・脱脂米ヌカ・アルファルファミール、炭水化物源としてマイロ・トウモロコシ・糖蜜、ビタミン類としてビタミンA・D3・E・K3・B1・B2・B6・B12 ・C・ナイアシン・パントテン酸・ビオチン・葉酸・塩化コリン、ミネラル類として・炭酸カルシウム・リン酸カルシウム・食塩・硫酸鉄・ペプチド鉄・硫酸マンガン・硫酸コバルト・ヨウ素酸カルシウム等である。これらを、動物種あるいは生育段階に応じて適宜調整すればよい。
本発明の飼料配合剤及び該飼料配合剤を配合した飼料は、E.coliによるマウスサバイバル試験において、生存率を高めるという効果を発現する。また、マウス脾臓細胞免疫賦活試験の結果、Th2細胞とTh1細胞のうち、Th2細胞を活性化し、抗体産生を増強する作用がある。この作用は飼料の粒度が細かいほど高くなる。
さらに、本発明の飼料配合剤及び該飼料配合剤を配合した飼料を経口摂取させることにより腸管免疫に関与するIgA抗体産生を増強させる作用も有する。
このように本発明の飼料配合剤及び該飼料配合剤を配合した飼料は、免疫賦活作用を有するものである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
製造例1〔乳酸桿菌の培養残渣の製造〕
ラクトバチルス・デルブルエキイ(Lactobacillus delbrueckii)ATCC9649株を次に示した培地を用いて、3Lジャー培養槽で35℃、72時間、攪拌培養した。なお、培養中のpHは5.5となるよう10%アンモニア水により調整した。
培養後、100℃、10分間で加熱殺菌処理をしてから、この培養液を15000rpm、15分間遠心分離した。そして、上清を取り除き、残渣を集めた。さらに集めた残渣を60℃での減圧乾燥と粉砕器による粉砕を繰り返して、最終的に乳酸桿菌の培養残渣24gを得た。乳酸桿菌の培養残渣の平均粒径を、レーザ回折式粒度分布測定装置(島津製作所製、SALD-3100)を用いて計測したところ、約200ミクロンであった。
実施例1〔マウスサバイバル試験〕
平均粒径約200ミクロンの製造例1で製造した乳酸桿菌の培養残渣をPBS(−)にて500μg/0.5mL、1000μg/0.5mL、5000μg/0.5mLとなるように調製し、30分間撹拌後、105℃、15minの高圧滅菌をかけ、氷を用いて冷却した。陰性対照区にはPBS(−)を用いた。
供試動物は、ICR、雄29日齢、10匹/区とした。試料の投与時期は、1回目は31日齢時、2回目は34日齢時とした。試料のマウスへの投与量は0.5mL/匹とし、右腹腔内に2.5mLシリンジ、26G針を用いて投与した。
攻撃菌は、E.coliとし、定常期に達した培養液をPBS(−)で27倍希釈したものを、35日齢時に、攻撃菌が沈殿しないように撹拌しながら0.5mL/匹、左腹腔内に投与した。攻撃後、当日夕方を含めて3日間観察を行い、死亡・生存数等を観察した。3日目の生存数から生存率を算出した。
表2から明らかなように、本発明の飼料配合剤をマウスに投与することにより免疫が賦活された結果、E.coliへの抵抗性が増強されることが示された。
実施例2〔マウス脾臓細胞免疫賦活試験〕
(乳酸桿菌の培養残渣微細物の調製)
平均粒径200ミクロンの製造例1で製造した乳酸桿菌の培養残渣1Kgをポットミル(マキノ社製、RP−17型遊星ポットミル)に入れ、室温、90回転/分の条件で粉砕した。平均粒径は製造例1と同じくレーザ回折式粒度分布測定装置(島津製作所製、SALD-3100)を用いて計測した。
粉砕時間と平均粒径の関係を表3に示す。
(マウス脾臓細胞免疫賦活試験)
本発明の飼料配合剤の免疫賦活作用について、マウスの培養脾臓細胞上清中のサイトカインを指標に調べた。
BALB/cマウス(雄、7週齢、日本エスエルシー社)に対し、アレルゲンとしてOVA溶液(0.5mgOVA(卵白アルブミン、ナカライテスク社製)、10mg Alum(アラム;水酸化アルミニウムゲル、コスモ・バイオ社製)/mL in 生理食塩水)0.1mLを腹腔内投与し、10日後に脾臓を回収した。脾臓をホモジナイズして赤血球を除去後、脾臓細胞をRPMI−1640培地に懸濁し、100μg/mL OVA共存下で200μLずつ96ウェルプレートに播き、平均粒径の異なる飼料配合剤存在下で培養した。飼料配合剤サンプルはそれぞれオートクレーブした水懸濁液とし、終濃度が1μg/mLとなるように添加した。7日間培養後、培養上清中のIL−4(Th-2型サイトカイン)を、IL-4定量ELISAキット(ENDOGEN社製)を用いて定量した。結果を図1に示す。
以上の結果より、本発明の飼料配合剤はTh2型免疫(液性免疫)を増強する作用があり、その効果は、平均粒径が小さくなるほど強くなることがわかる。
実施例3〔腸管免疫賦活作用〕
マウスを用いて本発明の飼料配合剤を経口摂取することによる糞中IgA分泌促進能を調べた。
BALB/c Cr Slc (♀) 4週齢(日本エスエルシー社)を群分けし6匹ずつケージに収容した。週3回、体重測定と餌・水の残量計測および補給を実施した。飼料と水は自由に摂取させた。ベース飼料はAIN−93M(日本クレア社製)を99質量部とし、1質量部の本発明の粉砕飼料配合剤(20ミクロン)、未粉砕の乳酸桿菌の培養残渣(200ミクロン)およびセルロース粉末(日本クレア社)を添加混合して固形飼料を調製した。
8週齢時の糞を採取しIgAを抽出した。抽出は10倍量のプロテアーゼインヒビター液(1mM PMSF(フェニルメチルスルフォニルフルオライド、ロシュ社製)、0.1mg/mL トリプシンインヒビター(ナカライテスク社製)、50mM EDTA(ナカライテスク社製) in PBS)を加え、4℃で1時間静置した後、激しく撹拌し、懸濁化した。遠心後、上清中のIgA値をELISA法(PBL Biomedical Laboratories社製、吸光度450nm)により測定した。その結果を図2に示す。なお、同図中の糞中IgA量は、排泄直後の糞の湿潤質量ベースで表した。
図2より、本発明の微細の飼料配合剤を摂取することにより腸管のIgA分泌量が上昇することが確認され、腸管免疫が賦活されることが判明した。また、粉砕処理を行っていない乳酸桿菌の培養残渣は摂取させてもほとんどIgAの分泌亢進はみられなかった。
実施例4〔子豚成長試験〕
(飼料の調製)
栄養組成として、水分8.5%、粗タンパク27.0%、粗脂肪7.5%、粗繊維3.7%、粗灰分6.9%、NFE(可溶無窒素物)46.4%、熱量361.3キロカロリー/Kgの飼料を調製した。原材料は、蛋白源としてホワイトフィッシュミール、脱脂粉乳、酵母、大豆粕、魚肝末。脂肪源として胚芽、綿実油。繊維源としてフスマ、アルファルファミール。炭水化物源としてアワ、小麦粉、トウモロコシ、およびビタミン類A、D3、E、B1、B2、B6、B12、C、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸、塩化コリン、イノシトール。ミネラル類として炭酸カルシウム、食塩、硫酸鉄、硫酸マンガン、硫酸コバルト、ヨウ素酸カルシウムからなるものである(日本農産工業社製)。このベース飼料99質量部に、実施例2と同様に調製した平均粒径の異なる粉砕飼料配合剤1質量部を加え、配合飼料を作製した。尚、対照として、飼料配合剤の代わりにセルロース粉末(日本クレア社)1質量部を加えた飼料を設定した。
(子豚成長試験)
上記のようにして作製した配合飼料を、1群20頭の子豚に給与した。子豚用人工乳(昭和産業社製)は子豚の生育ステージに応じて変更した。5日齢から70日齢まで飼育した。
飼育した豚の飼育期間中の5日齢から40日齢までの糞便状態を観察した。平均下痢日数を表4に示した。
以上の結果、平均粒径50ミクロン以下に調製した本発明の飼料配合剤を用いた場合に子豚の下痢防止効果が高まることが示された。
また、飼育した子豚の30日齢時の糞便を採取し、細菌叢を調べた結果を表5に示した。
以上の結果より、一般に有用腸内微生物と言われているビフィドバクテリウム属、ラクトバチルス属細菌は平均粒径200ミクロンの飼料配合剤やセルロース粉末を配合した飼料を与えて飼育した子豚よりも、平均粒径50ミクロン以下の飼料配合剤を配合した飼料を与えて飼育した子豚の方が多く検出された。一方、悪玉菌である大腸菌については、平均粒径50ミクロン以下の飼料配合剤を配合した飼料を与えて飼育した子豚の方が平均粒径200ミクロンの飼料配合剤やセルロース粉末を配合した飼料を与えて飼育した子豚よりも、少なかった。すなわち、ラクトバチルス・デルブルエキイ(Lactobacillus delbrueckii)を成分とする平均粒径50ミクロン以下の飼料配合剤には、子豚の腸内細菌叢を整える整腸作用が高いことが認められた。
また、子豚の飼育期間中の健康状態を目視観察した結果を表6に示した。
以上の結果より、セルロース粉末を配合した飼料を与えて飼育した子豚に比べ、本発明の飼料を与えて飼育した子豚の方が、元気で活発に運動し、肌の色艶が良く、また、腹の張り具合も良好であり、全体的に健康状態が良好であることがわかった。特にその傾向は平均粒径50ミクロン以下の飼料配合剤を配合した飼料を与えて飼育した子豚に顕著に認められた。
また、豚の飼育期間中のうち出生時、21日齢、70日齢の平均体重を比較した結果を表7に示した。
以上の結果より、セルロース粉末を配合した飼料を与えて飼育した子豚に比べ、本発明の飼料を与えて飼育した子豚の方が、体重の増加が大きく発育が良好であることがわかった。
上記の結果、本発明の飼料配合剤を動物に給与することによって、より効果的に動物の下痢予防と腸内細菌叢の改善による整腸作用および腸管免疫増強作用による健康状態の向上の効果が相まって、子豚の成長を促進することができる。
マウスの培養脾臓細胞上清中のIL-4量に及ぼす本発明の飼料配合剤の影響を示す図である。 マウスの糞中IgA量に及ぼす本発明の飼料配合剤の影響を示す図である。

Claims (6)

  1. 乳酸桿菌の培養残渣を含有することを特徴とする飼料配合剤。
  2. 乳酸桿菌の培養残渣を有効成分とすることを特徴とする免疫賦活作用を有する飼料配合剤。
  3. 乳酸桿菌の培養残渣が、50ミクロン以下の平均粒径を有するものである請求項1又は2記載の飼料配合剤。
  4. 乳酸桿菌が、ラクトバチルス属に属する乳酸菌である請求項1〜3のいずれかに記載の飼料配合剤。
  5. ラクトバチルス属に属する乳酸菌が、ラクトバチルス・デルブルエキイ(Lactobacillus delbrueckii)に属する乳酸菌である請求項4記載の飼料配合剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の飼料配合剤を配合したことを特徴とする飼料。
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