JP2008545917A - 燃料高圧ポンプのための燃料調量ユニット並びに燃料高圧ポンプ - Google Patents

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Abstract

電磁石(1)の可動部分が、互いに間隔をおいて配置された2つの軸受ブシュ(37,39)によって軸方向でガイドされている燃料調量装置が提案されており、前記軸受ブシュ(37,39)は可動子ピン(9)をガイドしていて、該可動子ピンは、耐摩耗性の材料、例えば硬化された鋼から製造することができる。

Description

本発明は、内燃機関の燃料高圧ポンプの吸込側におけるフィード量制御のための燃料調量ユニットであって、燃料調量ユニットが、電磁石によって操作される、弁ピストンを備えた制御弁を有しており、電磁石が可動子と可動子ピンと軸受ブシュとを有している形式のものに関する。
このような燃料調量ユニットは例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第10242219号明細書により公知である。
このような燃料調量ユニットでは、電磁石の可動子が軸受ブシュによって把持されており、軸方向で摺動可能にガイドされている。
本発明の根底を成す課題は、改善された運転特性と高められた耐用期間を有する燃料調量ユニットを提供することにある。
この課題を解決するために本発明の構成では、内燃機関の燃料高圧ポンプの吸込側におけるフィード量制御のための燃料調量ユニットにおいて、電磁石によって操作される、弁ピストンを備えた制御弁が設けられており、電磁石は可動子と可動子ピンとを有しており、可動子と可動子ピンとが弁ピストンとが互いに結合されており、軸受ブシュが設けられている形式のものにおいて、第1の軸受ブシュが可動子と弁ピストンとの間に配置されており、第1の軸受ブシュが可動子ピンを軸方向で摺動可能にガイドし、かつ支承しているようにした。
発明の効果
本発明のように、可動子ピンにおいて燃料調量ユニットの可動部分をガイドすることにより、軸受ブシュと可動部分との間の摩擦が著しく減じられる。何故ならば、可動子ピンの直径は、可動子の直径よりも極めて著しく小さく、これにより、軸受ブシュと軸受すべき部分との間の接触面が本発明による燃料調量ユニットにおいては著しく減じられるからである。
先行技術により公知の燃料調量ユニットでは、燃料調量ユニットの運転時に大きな摩耗が生じる。何故ならば、可動子は、磁気的な特性を最適にするために柔らかく灼熱されるからである。
さらに、可動子ピンを耐摩耗性の大きな材料から、例えば硬化された鋼として製造することができる。例えば研削または超仕上げのような適当な表面加工により、さらに、可動子ピンの表面粗さを極めて小さく維持することができる。このことは、軸受ブシュと可動子ピンとの間の摩擦力にさらに有利に作用し、摩耗を著しく減じる。
結果としてこれにより、開閉運動の間のヒステリシスが、従来の燃料調量ユニットと比べて1/4まで減じられるように反応特性が改善された燃料調量ユニットを提供することができる。さらに、本発明による第1の軸受ブシュは極めて小さな直径を有しており、その結果安価に製造することができるので製造コストが減じられる。
本発明の別の有利な構成では、第2の軸受ブシュが可動子ピンと弁ピストンとの間に配置されており、第2の軸受ブシュも可動子ピンを軸方向で摺動可能にガイドしている。有利には、互いに軸方向の間隔をおいて配置されているこのような2つの軸受ブシュにより、可動子ピンのガイドはさらに改善される。互いに間隔をおいて配置された2つの軸受ブシュにより、可動子ピンはもはや傾動したり、側方にずれたりすることはないので、可動子ピンは極めて良好に、磁石コイルに整列してガイドされている。これにより、本発明による燃料調量ユニットの運転特性と耐用期間とはさらに改善される。
選択的には、第2の軸受ブシュを、可動子ピンの、弁ピストンとは反対側の端部に配置し、可動子ピンを第2の軸受ブシュでも軸方向に摺動可能にガイドすることもできる。これにより上記利点が同様に得られ、軸受ブシュは極めて均一に負荷される。
個々の使用例において上記のどの構成を優先させるかは、個々の使用例の別の周辺条件に依存しており、構成を行う当業者により個々の使用例について決定されるものである。
有利には、第2の軸受ブシュが、可動子ピンの、弁ピストンとは反対側の端部に配置されている場合に、可動子ピンは磁石を越えて突出している。この場合、第2の軸受ブシュは有利には、電磁石の磁石ポットに固定されている。
磁石と弁ピストンとの間に配置された軸受ブシュは有利には、燃料調量ユニットの1つの弁ケーシングに固定することができる。
軸受ブシュがブロンズから製造されているならば、実際の試用において有利であることがわかっている。選択的には、軸受ブシュをプラスチック、特に耐燃料性および耐熱性のプラスチックから製造することもできる。
必要とあらば、本発明の別の有利な構成において、弁ピストンを弁ケーシングにガイドすることができる。
本発明のさらなる利点、有利な構成は、以下の図面およびその説明および請求項に記載されている。図面の及びその説明及び請求項により明らかな全ての特徴は、個々であっても任意に互いに組み合わせた形であっても本発明の本質を成す。
実施例の説明
図1及び図2の燃料調量ユニットは、一体に組み込まれた制御弁3を有する電磁石1が基本となっている。電磁石1の重要な構成部分は、磁石コイル5、可動子ピン9を備えた可動子7、磁石コイル5と可動子7とを部分的に取り囲んでいる磁石ポット11である。
燃料調量ユニット全体は燃料高圧ポンプ(図示せず)内に配置されている。この場合、磁石ポット11は同時に、シールエレメントとして、磁気帰路として、そして高圧ポンプにおける固定エレメントとして働く。固定機能は主としてフランジ13によって果たされている。
制御弁3は弁ケーシング15を有していて、この弁ケーシング15は拡大部17へと移行しており、この拡大部17は同時に、磁石ポット11の端面側の終端部を形成している。
弁ケーシング15には軸方向孔19が形成されていて、この軸方向孔19は電磁石1の可動子ピン9と同心的に配置されている。軸方向孔19は、摺動可能なスリーブ状の弁ピストン21を収容しており、この弁ピストン21の内室には圧縮ばね23が配置されている。圧縮ばね23は、一端では弁ピストン21の底面25に支持されている。圧縮ばね23は、他端では、軸方向孔19内に位置するばねプレート27に支持されている。弁ピストン21の、ばねプレート27とは反対側の端部で、弁ピストン21は、可動子ピン9の一方の端部に当接している。圧縮ばね23は、可動子ピン9の各調節運動を直接的に弁ピストン21に伝えるために働く。
ばねプレート27に設けられた開口29は、弁ピストン21の内室(符号なし)を、燃料噴射システムの前フィードポンプ(図示せず)に接続する。
弁ケーシング15には、半径方向に向けられた複数の制御開口31が配置されている。制御開口31は燃料高圧ポンプ(図示せず)の低圧領域に液圧的に作用接続している。
弁ピストン21に設けられた開口29と制御開口31とを通る流れ方向は逆であっても良い。即ち逆である場合は、制御開口31が、前フィードポンプの圧力側に接続されており、開口29が高圧ポンプの低圧領域に液圧的に接続されている。
図1の上半部では制御弁3が開放位置で示されており、この位置では制御開口31は完全に弁ピストン21によって解放されている。図1の下半部では制御弁3が閉鎖位置で示されている。この場合、通電された電磁石1の磁力は可動子7と可動子ピン9とを介して弁ピストン21に作用し、弁ピストン21は圧縮ばね23に抗して前記閉鎖位置へと動く。
逆に、圧縮ばね23は、電磁石1への通電、ひいては電磁石1による可動子7及び可動子ピン9への磁力が相応に減じられるとすぐに、弁ピストン21を開放位置に摺動させることができる。
制御弁3の開放位置では、開口29で制御弁3に供給される燃料が、燃料高圧ポンプ(図示せず)の吸込側へと流れる。
弁ピストン21の底面25には補償孔33が設けられている。可動子7にも補償孔35が設けられている。
図1に示した第1実施例では、可動子ピン9が可動子7を越えて磁石ポット11内に突入している。
可動子7と弁ピストン21との間の領域で、弁ケーシング15には第1の軸受ブシュ37がプレス嵌めされている。第1の軸受ブシュ37は、可動子ピン9と可動子7とを軸方向でガイドするために働く。可動子ピン9は、例えば硬化鋼のような耐摩耗性の材料から製造することができるので、電磁石1の可動部分の支承は、第1の軸受ブシュ37によって極めて長い耐用期間で殆ど摩耗なしである。可動子7の外径に比べて可動子ピン9の直径が小さいことにより、第1の軸受ブシュ37と可動子ピン9との間の摩擦も極めて僅かである。
可動子ピン9のガイド及び可動子ピン9による可動子7のガイドをさらに改善するために、可動子ピン9の、弁ピストン21とは反対側の端部に第2の軸受ブシュ39が磁石ポット11にプレス嵌めされている。これにより、可動子ピン9の傾動が阻止される。可動子ピン9を両側でガイドすることにより、例えば磁石コイル5から可動子7に加えられる磁力が半径方向の成分を有している場合に、可動子7が半径方向でずれないことも保証される。軸受ブシュ37,39における可動子ピン9の精密かつ摩耗の少ないガイドにより、可動子7が磁石ポット11と接触せず、従ってここでも摩擦や摩耗が生じないことも保証されている。
図2には、本発明による燃料調量ユニットの第2実施例が示されている。この実施例では構成長さが、第1の実施例よりも幾分短くされていて、同時に可動子ピン9および可動子7の精密かつ摩耗の少ないガイドが得られる。この第2の実施例では、第1の軸受ブシュ37も第2の軸受ブシュ39も、可動子7と弁ピストン21との間の領域に配置されている。両軸受ブシュ27,39は磁石ポット11にプレス嵌めされていて、可動子ピン9の軸方向で互いに間隔をおいて位置している。これにより、可動子ピン9の傾動、ひいては可動子と磁石ポット11との間の摩耗または接触が効果的に防止される。その結果、この第2の実施例も、第1の実施例と同じ効果を有している。
本発明による燃料調量ユニットの第1実施例を示した図である。 本発明による燃料調量ユニットの第2実施例を示した図である。

Claims (13)

  1. 内燃機関の燃料高圧ポンプの吸込側におけるフィード量制御のための燃料調量ユニットであって、燃料調量ユニットが、電磁石(1)によって操作される、弁ピストン(21)を備えた制御弁(3)を有しており、電磁石(1)が可動子(7)と可動子ピン(9)と軸受ブシュとを有している形式のものにおいて、
    第1の軸受ブシュ(37)が、可動子(7)と弁ピストン(21)との間に配置されており、第1の軸受ブシュ(37)が可動子ピン(9)を軸方向で摺動可能にガイドしていることを特徴とする燃料調量ユニット。
  2. 第2の軸受ブシュ(39)が可動子(7)と弁ピストン(21)との間に配置されていて、第2の軸受ブシュ(39)が可動子ピン(9)を軸方向で摺動可能にガイドしている、請求項1記載の燃料調量ユニット。
  3. 第2の軸受ブシュ(39)が、可動子ピン(9)の、弁ピストン(21)とは反対側の端部に配置されており、第2の軸受ブシュ(39)が可動子ピン(9)を軸方向で摺動可能にガイドしている、請求項1記載の燃料調量ユニット。
  4. 可動子ピン(9)が可動子(7)を越えて突出している、請求項3記載の燃料調量ユニット。
  5. 可動子ピン(9)の、弁ピストン(21)とは反対側の端部に配置された第2の軸受ブシュ(39)が、磁石ポット(11)内に固定されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の燃料調量ユニット。
  6. 可動子(7)と弁ピストン(21)との間に配置された軸受ブシュ(37,39)が弁ケーシング(15)内に固定されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の燃料調量ユニット。
  7. 電磁石(1)がソレノイドプランジャとして形成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の燃料調量ユニット。
  8. 軸受ブシュ(37,39)がブロンズから製造されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の燃料調量ユニット。
  9. 軸受ブシュ(37,39)がプラスチック、特に耐燃料性の及び/又は耐熱性のプラスチックから成っている、請求項1から8までのいずれか1項記載の燃料調量ユニット。
  10. 弁ピストン(21)が弁ケーシング(15)内にガイドされている、請求項1から9までのいずれか1項記載の燃料調量ユニット。
  11. 弁ピストン(21)がスリーブ状に形成されていて、弁ピストン(21)の内室に圧縮ばね(23)が収容されていて、圧縮ばね(23)が一端で少なくとも間接的に弁ケーシング(15)に支持されている、請求項1から10までのいずれか1項記載の燃料調量ユニット。
  12. 弁ケーシング(15)にはばねプレート(27)が設けられており、圧縮ばね(23)が一端でばねプレート(27)に支持されている、請求項11記載の燃料調量ユニット。
  13. フィード量制御のために少なくとも1つのポンプエレメントと燃料調量ユニットとを備えた燃料噴射システムのための燃料高圧ポンプであって、請求項1から12までのいずれか1項記載の燃料調量ユニットが形成されていることを特徴とする燃料高圧ポンプ
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