JP2008544738A - 冷却要素を備えた電気設備及びこの設備を運転するための方法 - Google Patents

冷却要素を備えた電気設備及びこの設備を運転するための方法 Download PDF

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Abstract

この設備は、運転状態においてジュール熱を発生する電流用導体(20)、冷却要素(30,31,32)、及び監視デバイスを含んでいる。前記冷却要素は、凝縮可能な作業媒体、当該設備の電流用導体(20)により加熱されることが可能な蒸発器、及び前記電流用導体の加熱効果から引き離された凝縮器(4)を有している。前記監視デバイスは、前記冷却要素(30,31,32)のパラメータを検出するための少なくとも一つのセンサー(S3からS11)、及びこのセンサーからの出力信号を受け取る評価ユニット(40)を有している。前記評価ユニットの中で、前記センサーの出力信号が評価され、そして、前記冷却要素の状態および/または機能状態を表す信号が、そこで作り出される。この設備は、高い電流移送能力及び小さく維持された寸法とともに、その高い運転上の信頼性により特徴付けられる(図1)。

Description

本発明は、特許請求項1の前提書き部分に基づく電気設備、及びこの設備を運転するための方法に係る。この設備は、当該設備の運転中にジュール熱を発生する電流用導体及び冷却要素を有している。この冷却要素は、当該設備の定格電流移送能力を増大させるために使用され、凝縮可能な作業媒体、及び当該設備の電流用導体により加熱されることが可能な蒸発器、及び前記電流用導体の加熱効果から引き離された凝縮器を含んでいる。
そのような設備は、一般的に、発電機の送出ラインの形態であって、発電所の発電機と高電圧の電気的システムに電流を送る変圧器の間の導電性の接続のために使用される。この接続は、密閉型であっても良く、その場合には、外部導体を含んでいて、この外部導体は、密閉容器を形成し、リバース電流をガイドするために使用される。しかしながら、この接続は、非密閉型であっても良く、その場合には、前記電流用導体が周囲の空気と熱的に直接的に接触する。
上述のタイプの設備が、二つの先行する欧州特許出願 04 405 704.0 号(出願日:2004年11月16日)、及び 04 405 751.1 号(出願日:2004年12月3日)の中に記載されている。この設備の場合には、発電機の送出ラインの中に組み込まれていて、発電機の電流を運ぶ電流用導体は、冷却要素の助けで、望ましい低い運転温度に維持される。冷却要素のそれぞれは、蒸発器と凝縮器を有している。蒸発器は、良好な熱的接触状態で、電流用導体の上に配置され、且つ液体の作業媒体を含んでいる。また、凝縮器は、冷却要素の形態に依存して、密閉容器の上に配置され、蒸発器または電流用導体から電気的に絶縁されるように、外部導体として働き、または、密閉容器の内側に配置され、その場合には、ガス・フローの助けで、対流により冷却される必要がある。
上述のタイプの非密閉型の設備が、先行する欧州特許出願 04 405 786.7 号(出願日:2004年12月20日)の中に記載されている。この設備の場合には、電流用導体は、二つのコンタクト・ピース及び真空断路器の電気的な端子によって構成され、少なくとも一つの冷却要素の助けにより、低い運転温度に維持される。この冷却要素も、凝縮の原理に基づいて、同様に機能する。冷却要素、及び設けられることもある更なる冷却要素は、周囲の空気の直接的な影響に曝される。
更に、欧州特許出願公開 EP 0 395 314 A1 号は、エネルギー分配のための超伝導体システムを開示している。そのシステムの中で、電流は、超伝導体により、電源ユニットからサブ・システムへ伝送される。超伝導体システムの中での電流の伝送は、それ故に、損失無しで行われる、即ち、ジュール熱が発生することがない。これは、超伝導体の定義(臨界温度以下においての電気抵抗が突然に消失すること)に対応している。
この欧州特許出願公開 EP 0 395 314 A1 号は、周囲の環境の熱貯槽(heat reservoir)から超伝導体の寒冷貯槽(cold reservoir)へ伝送される熱が、極低温の液体により放散されると言うことを、単に開示しているに過ぎない。超伝導体は、熱的絶縁のための複数のシェルからなる被覆をも有していて、これは、超伝導体の全長に渡って、熱の伝送を抑制することが意図されている。更に、この超伝導体システムは、極低温液体を移送するための複雑なパイプライン回路を有していて、このパイプライン回路に、凝縮器を含む凝縮ユニットが接続されている。
欧州特許出願第 04 405 704.0 号(出願日:2004年11月16日) 欧州特許出願第 04 405 751.1 号(出願日:2004年12月3日) 欧州特許出願第 04 405 786.7 号(出願日:2004年12月20日) 欧州特許出願公開第 EP 0 395 314 A1 号明細書
本発明は、特許請求項の中で規定されているように、冒頭に挙げたタイプの設備を提供する目的に基づいている。この設備は、高い電流移送能力及び小さく維持された寸法とともに、その高い運転上の信頼性により特徴付けられる。また、本発明の目的は、この設備を運転するための方法を規定することにもある。
本発明に基づく設備は、監視デバイスを含み、この監視デバイスは、当該設備に設けられた冷却要素のパラメータを検出するための少なくとも一つのセンサー、及び、このセンサーからの出力信号を受け取って、出力信号を評価するため、且つ、前記冷却要素の状態および/または機能状態を表す信号を作り出すための評価ユニットを備えている。これらの手立ては、設備のオペレータが、冷却要素の状態および/または機能状態について、常に知っていることを意味している。それ故に、そのオペレータは、高い定格電流が運ばれているときであっても、当該設備を高い信頼性で運転することができる。
もし、凝縮器の温度および/または温度分布を検出するためのセンサーが、冷却要素の中の作業媒体の圧力を検出するためのセンサーの形態であり、またはそのようなセンサーとして構成され、または、冷却要素の中の作業媒体の流れの挙動、特にスルー・フローの挙動を検出するためのセンサーとして構成されている場合には、冷却要素の状態および/または機能状態が、ほとんど複雑になることなく、連続的にコントロールされることが可能になる。
冷却要素の、特にその凝縮器の、温度および/または温度分布の非接触検出は、もし、温度センサーが冷却要素から離れて配置され、熱放射を検出するようにデザインされている場合には、可能になる。温度センサーの非接触の配置の結果として、センサーを冷却要素から電気的に絶縁する必要が無くなる。それ故に、冷却要素の全ての部分が高電圧電位に維持されることが可能であり、それと同時に、センサーが接地電位に維持されることが可能である。
一般的に、この温度センサーは、フォトセル、パイロメータまたはボロメータの形態である。もし、温度の局所的分布が、冷却要素の中で、好ましくは凝縮器の中で、または設備の他の部分の中で、例えば電流用導体の一部の中で、検出されることが意図される場合には、温度センサーを、サーマル・イメージング・カメラとして、デザインすることが好ましい。熱分布を知ることは、例えば、凝縮器の機能状態の早期診断を可能にし、それにより、冷却要素の好ましくない過負荷を、早めに防止することが可能になる。
センサーが、冷却要素の中で生じている作業媒体のフローを光学的に、磁気的にまたは容量的に検出するようなフロー・センサーの形態であることが好ましい。このようにして、設備の運転中に凝縮器から蒸発器へ流れ戻る作業媒体の量が、決定されることが可能になり、その量から、冷却要素の状態および/または機能状態についての結論が引き出されることが可能になる。
もし、冷却要素が、インシュレータを有している場合には、これは、凝縮器を、接地電位に、または密閉容器の電位に、つなげることを可能にし、温度センサーは、熱電対の形態であることが可能である。その場合には、測定対象範囲での熱分布が、凝縮器の上に配置された二つまたはそれ以上の熱電対を備えた特にシンプルな手段を使用して、検出されることが可能である。同時に、その場合には、部分放電を検出するためのセンサーを設けることが推奨される。このセンサーは、誘電的に負荷を受ける冷却要素の電気的な性質をコントロールし、インシュレータ上の欠陥、及び冷却要素の内側に設けられ、誘電的に負荷を受けるガス部分の欠陥を、早期に特定する。
少なくとも二つのセンサー設けられると言う事実のために、本発明に基づく設備をモニタリングするときの冗長性の増大が、実現される。それらのセンサーは、それぞれ冷却要素の異なるパラメータ、例えば、冷却要素、特に凝縮器の温度および/または温度分布、冷却要素の内側の圧力、また場合によれば作業媒体のフローなどをも検出する。
設備の運転パラメータを検知するため、そして冷却要素の検出されたパラメータを用いてこのパラメータを調整するため、適切なやり方で配置された更なるセンサーが設けられ、その出力が、評価ユニットの演算ユニットに接続される。このセンサーは、一般的に、電流用導体の電流または温度を検出するようにデザインされ、そして、密閉型の設備の場合には、場合によれば、密閉容器と電流用導体の間の内部領域の中で支配的な空気の温度をも検出する。調整の結果として、冷却要素がまだ完全に機能しているか、部分的にのみ機能しているか、あるいは、最早全く機能していないかについて、早期に特定される。
この設備を運転するための本発明に基づく方法において、冷却要素の少なくとも一つのパラメータが検出され、この検出されたパラメータは、パラメータに対して予め定められた値と比較され、そして、その比較された値から、冷却要素の状態および/または機能状態を表す信号が作り出される。この信号は、冷却要素の診断または早期診断のために送られることが可能であり、または、限界値を超えるとき、アラーム信号として出力される。その結果として、設備の運転上における高い信頼性が実現される。
パラメータに対する検出された値は、先に挙げた設備の運転パラメータとの、比較の前に調整される。このマッチングの結果として、モニタリング装置が、設備の現在の運転上のパラメータに連続的に適合される。それ故に、設備の運転上の信頼性が、更に増大される。
冷却要素のパラメータは、一般的に、設備の運転中に検出され、それにより、設備の運転の間に、冷却要素上で起こる漏電が、発見され速やかに送信されることが可能である。しかしながら、冷却要素のパラメータは、設備の運転が実施される前であっても、または、設備の検査の間であっても、検出されることも可能である。それ故に、運転中における、設備の故障のリスクが更に減少される。
以下において、本発明の実施形態の例が、図面を参照しながら、より詳細に説明される。
全ての図において、同じ参照符号は、機能的に同一の部分に関係している。図1の中に示された設備の部分は、発電機の多相送出ラインの一つの相の一部であって、接地された金属の密閉容器10と、この密閉容器10の中に保持された電流用導体20と、冷却要素30,31及び32と、信号ライン(図示せず)を介してセンサーS1からS11の出力に接続された監視デバイス40と、を含んでいる。
密閉容器10は、この設備の運転中に発生するリバース電流を運ぶために使用され、管状のジャケット11、管状のジャケット12、及びプリズム状のハウジング13を含んでいる。ジャケット11は、発電機のハウジングに接続されることが可能であり、ジャケット12は、変圧器のハウジング(同様に図示されていない)に接続されることが可能である。ハウジング13は、電流用導体20に対して平行に配向されたサイド・ウォール14、及び電流用導体に対して垂直に配向された横断ウォール15を備えている。それぞれの場合において、電流用導体20を通過させるための一つの円形の開口が、横断ウォール15の中に形成されている。管状のジャケット11または12の一方の端は、二つの横断ウォール15の内の一つの、開口の境界を定める縁に固定されている。
電流用導体は、発電機の中で作り出された電流を移送するために使用され、その発電機は、典型的に10から50kVまでの電圧で、典型的に10から50kAまでの電流である。この電流用導体は、複数の部分21から25を有していて、その中の三つ、即ち21,22及び23は、発電機の送出ラインに導入された発電機のサーキット・ブレーカGの一部であり、その中の二つ、即ち24及び25は、発電機のサーキット・ブレーカと直列の発電機の送出ラインに組み込まれた断路器Tの一部である。図から分かるように、部分21,23及び25は、それぞれ、冷却要素30,31及び32の内の二つと、熱的な伝導性を有して接触している。
部分21は、ハウジングを有し、このハウジングは、発電機のサーキット・ブレーカGを、送出発電機ラインの、発電機につながる部分に、電気的に接続する目的に使用される。右側に隣接する部分22は、発電機のサーキット・ブレーカGのクエンチング・チャンバの形態であり、コンタクト装置を含んでいる。このコンタクト装置は、クエンチング・チャンバ・インシュレータ22’により取り囲まれていて、それ故に見えない。このコンタクト装置は、定格電流コンタクト・システム、及びこれに対して平行に接続されたエロージョン・コンタクト・システムを備えている。クエンチング・チャンバの中に設けられたコンタクト・システムの開放及び閉鎖のための駆動力の伝送部は、発電機のサーキット・ブレーカの、クエンチング・チャンバに隣接するドライブ・ハウジング23の中に配置されている。
右側でドライブ・ハウジング23に隣接しているのは、電流用導体の部分24であり、これは、可動断路器チューブの形態であって、断路器Tに対応している。この断路器チューブは、電流用導体の中で、明白な絶縁距離を作り出すために使用される。電流用導体の、右側で隣接する部分25は、断路器ハウジングであり、この断路器ハウジングは、断路器チューブ24及び摺動コンタクトを収容することを可能し、この摺動コンタクトは、断路器ハウジング25と断路器チューブの間に配置されている。断路器ハウジング25は、送出発電機ラインの、変圧器につなげられる部分に、電気的な伝導性を有して接続される。
冷却要素30,31及び32は、それぞれ、ヒート・パイプの形態である。図2及び3は、冷却要素31及び32を拡大図で示している。それらは、それぞれ、ハーメチックに密閉されたボリュームを有し、このボリュームは、パイプ1により境界が定められ、その中に、ボリュームの中を循環することが可能な作業媒体2が収容されている。冷却要素30から32の場合には、作業媒体が、重力の効果の下で循環する。それ故に、パイプ1は、水平に対して角度を成して配置されている。
この場合に、蒸発器3は、パイプ1の下側の端に配置され、凝縮器4は、パイプの上側の端に配置される。蒸発器3は、金属で作られ、電流用導体20(図1の中に示されている)に熱的に結合される。凝縮器4もまた、金属で作られる。凝縮器は、冷却用リブを有していて、それで、電流用導体20の加熱効果が引き出される。
蒸発器から凝縮器まで伸びる毛管が、冷却要素30から32のパイプの中に配置されることが可能である。凝縮器4の中で凝縮された作業媒体は、その場合、毛管力により、凝縮器から蒸発器3へ戻される。毛管を備えた冷却要素が、その位置に対して無関係に、即ち、頂部に向けて、ボトムに向けて、または水平方法に、設備に組み込まれることが可能である。
冷却要素30及び31の場合には、凝縮器4は、一般的に、密閉容器10の内側から引き出され、熱的な伝導性を有する状態で、ハウジング13の側面および/または上面の上に配置される。蒸発器3または電流用導体20と凝縮器4またはハウジング13の間の電位差をブリッジするために、中空絶縁ボディ5が、ここに設けられている。この中空絶縁ボディは、絶縁距離を形成し、そして、図2の中に示されているように、好ましくは沿面経路を増大させるためのシールドを有している。
更に、図2の中に示された冷却要素31は、ベロウズ6によって形成されるフレキシブルな領域を有していて、その結果、パイプ1の、ベロウズの両側に固定される部分は、互いに対して移動することが可能であり、それによって、例えば、振動の場合に発生することがあるような機械的応力が、吸収されることが可能であり、パイプ1の漏洩に至ることがない。
図2の中に示された冷却要素の中に示されているように、溜め7が、凝縮器4の領域の中に設けられ、この溜め7の容積は、パイプ1の内側の圧力が変化する場合に、可変である。作業媒体2とは別に、補助ガス8、例えば数百ミリバール(数百ヘクトパスカル)の分圧の空気も、ヒート・パイプの中に収容される。この補助ガスは、更に、低い温度の場合のように、作業媒体2の分圧が低い場合であっても、冷却要素30,31の良好な絶縁強度を確保する。
凝縮器4は、熱の放散を増大させるために、パイプ1(冷却要素31)のみと相互作用をすることができるが、また二つのパイプ1(冷却要素30)と相互作用をすることも可能である。冷却要素30及び31の場合のように、凝縮器を外側につなげる代わりに、凝縮器は、冷却要素32の場合のように、密閉容器10の内側に配置されても良い。そのような冷却要素が、図3の中に示されている。冷却要素32は、電位差をブリッジしないので、この冷却要素は完全に金属で作られることが可能である。しかしながら、この冷却要素の凝縮器4は、密閉容器10(図1)の中にガイドされるガス・フロー16により冷却される必要がある。
運転中、電流用導体20の中を運ばれ、発電機の中で作られる定格電流は、設備をかなりの程度、加熱する。設備の特に危険な部分、例えば電流用導体を支えるインシュレータは、限界温度、例えば、105℃を超えてはならないので、一定の定格電流(例えば、冷却無しの場合には13kA)が運ばれることが可能である。蒸発器3の中で、作業媒体2が気化され、その過程で、熱が電流用導体20から引き出される。
冷却されない設備と比べてかなり増大された定格電流にも拘わらず、電流用導体20は、このようして、例えばアセトンまたはハイドロ・フルオロ・エーテル(hydrofluoroether)のような適切な作業媒体2を用いて、約90℃の温度に維持されることが可能である。気化された作業媒体は、凝縮器4の中で凝縮熱の放出により凝縮され、そして重力のために、角度を付けてセットされたパイプ1を介して、再び蒸発器3の中に流れて戻る。
もし、冷却要素が、毛管を有している場合には、凝縮した作業媒体は、毛管力のために、恐らくは重力に逆らって、蒸発器へ送られる。急速な凝縮を更に実現するため、凝縮器4は、典型的には、最高で約70°Cまで加熱されるべきである。冷却要素が、適切にデザインされ且つ設備の中に適切に分散されたために、定格電流が、それ故に、例えば22kAまで、予め定められた限界温度が超えられること無く、増大されることが可能である。しかしながら、これは、正確に機能する冷却要素30から32を使用したときに、可能になるだけであるので、設備のオペレータが常に冷却要素の状態および/または機能状態を知っていることが、設備の安全で且つ信頼性の高い運転のために大いに重要である。
設備の中にセンサーS1からS11(図1)を分散させた結果として、冷却要素の30から32状態および/または機能状態並びに設備についての貴重な情報が、設備のオペレータに送られ。設備の運転パラメータは、センサー1からS3により検出され、そして冷却要素30から32の運転上のパラメータは、センサーS3から11により検出される。
センサーS1は、設備の電流用導体20の中を運ばれる電流を検出する。この電流の値は、電流生産者に照会されることも可能であり、運転上のパラメータとして、評価ユニット40の中に直接的に入力される。ハウジング13または密閉容器10と電流用導体20の間の密閉容器10の空気で満たされた内側の空気の温度は、センサーS2により検出される。このセンサーS2は、熱電対の形態であっても良い。
電流用導体20または電流用導体の部分の温度は、センサーS3により検出される。設備の運転中に、電流用導体20が高電圧電位にあるので、このセンサーは、設備の高電圧を運ぶ部分から離れて配置され、且つ、熱放射を検出するようにデザインされている。このセンサーは、好ましくは、フォトセル、パイロメータ、ボロメータ、あるいは、サーマル・イメージング・カメラである。
センサーS4は、部分放電センサーの形態である。冷却要素30及び31の場合には、このセンサーの助けにより、中空絶縁ボディ5の絶縁性能、及びそれによって取り囲まれたボリュームの絶縁強度が、間接的にチェックされることが可能である。冷却要素30及び31の電気的な性質のこのコントロールは、設備の運転上の信頼性を増大させるために、大きな寄与をする。
センサーS5は、流れの挙動を測定するために使用され、特に、凝縮器4から蒸発器3へ流れ戻る液体の作業媒体2のスルー・フローの量を測定するために使用される。一般的に、このセンサーは、作業媒体の絶縁体的性質を使用して、容量的原理に基づいて機能するが、磁気的にまたは光学的に機能しても良い。
もし、このセンサーが光学的原理に基づいて機能する場合、流れ戻る作業媒体2は、パイプ1に設けられた気密性のウインドウ9を通して、ビデオ・カメラK、及び恐らくは、図3の中に示されているように設けられている光源Qの助けにより、観察されることが可能である。そして、実測データに基づいて、単位時間当たりに流れ戻る凝縮した作業媒体2の量、及び冷却要素の機能状態についての結論が、引き出されることが可能である。これは、図3の中に示された冷却要素32、及び冷却要素30及び31の双方に、当てはまる。
図1の中に示されたセンサーS6及びS7は、二つの冷却要素31内の一つの凝縮器4の中の温度分布を測定するために使用される。この凝縮器が接地電位にあるので、二つのセンサーは、それぞれ、熱電対の形態であっても良い。凝縮器4の中の温度分布を、大きな分解能で検知するため、図2に対応して、特にそれぞれ熱電対の形態である更なるセンサーS6’及びS7’が、使用されることも可能である。
凝縮器の機能状態は、凝縮器4の中の温度分布の知識から、容易に診断されることが可能である。その理由は、運転中に、境界レイヤ8’が、気化された作業媒体2と補助ガス8の間の冷却要素31の凝縮器の上に形成されるからであり、この補助ガスは、気化された作業媒体によって、ボリューム7及び凝縮器4の上部右側の部分の中へ送り返されている。この境界レイヤの位置は、凝縮器4の機能状態のために、大きな重要性を有している。もし、一定の定格電流で、それが移動されたには、このことは、冷却要素31に欠陥があること、例えば、漏洩があって、最早、その最大能力を発揮できないことを意味している。
漏洩が、冷却要素31(図2)あるいは32(図3)の内側の圧力を検出するセンサーS8により特定されることも可能である。
同じことが、それぞれサーマル・イメージング・カメラの形態であるところのセンサーS9からS11に対しても、当てはまる。図1から分かるように、冷却要素30に対応する凝縮器4の、ハウジング13の外側に位置する表面の熱プロファイルが、サーマル・イメージング・カメラS10を使用して、検出されることが可能である。
サーマル・イメージング・カメラが、移動可能に配置されることが可能であるので、ハウジング13の外側に配置された他の全ての凝縮器30及び31の熱プロファイルが、サーマル・イメージング・カメラS10を使用して、あるいは更なるサーマル・イメージング・カメラを使用して、検出されることが可能である。同じことが、ハウジング13の内側に配置されたサーマル・イメージング・カメラS9にも当てはまり、このサーマル・イメージング・カメラの助けで、冷却要素32の、ハウジング13の内側に配置された凝縮器の熱プロファイルが、評価されることが可能である。可動のデザインとすると、このカメラは、例えば更なる凝縮器32、電流用導体20、またはこの導体の選択された部分21から25のような、設備の更なるコンポーネントの熱プロファイルを評価することも可能になる。しかしながら、これらの熱プロファイルは、サーマル・イメージング・カメラS11により、評価されることも可能である。
本発明に基づく電気設備の、図4の中に示された実施形態において、密閉容器10は、明らかに失われていて、電流用導体20が、顕著に露出されている。それ故に、センサーS2は、最早必要ではない。原則として、冷却要素30,31,32が、ここで、使用されることも可能であり、そして、図1の中に示された実施形態の例の中に記載されているように、センサーS3からS11及び評価ユニット40を含む監視デバイスによりコントロールされることが可能である。
コスト上の理由から、冷却要素32が、この設備において、一般的に使用される。しかしながら、図に示されているように、冷却要素30及び31が使用されることも可能である。もし、センサーが、これらの冷却要素30,31の一つの近傍またはその上に、特に凝縮器4の上に、取り付けられる場合には、これらのセンサーからの出力信号の伝送は、電位の絶縁無しで、それ故に一般的にワイヤ・リンクの助けで、行われることが可能である。
簡潔性を確保するため、僅かな数の、特に代表的なセンサーのみが、図1及び4の中に示されている。原則として、全てのセンサーは、図2または図3の中に示されているように、冷却要素30及び31または32のそれぞれの上に設けられることが可能である。しかしながら、例えばサーマル・イメージング・カメラS9からS11のような、更なるセンサーが設けられることもまた可能である。
冷却要素へ複数のセンサーを割り当てた結果、冷却要素のモニタリングに関して冗長性が増大され、冷却要素の中の局所的な弱点が、直接的に特定されることが可能である。しかしながら、冷却要素の、または時によれば複数の冷却要素30から32の、そしてそれ故に設備の、状態および/または機能状態を確保するために、適切にデザインされた唯一つのセンサー、例えばサーマル・イメージング・カメラS10で、原則として十分である。設備の全ての冷却要素の中にセンサーを分布させることにより、欠陥のある冷却要素が効果的に選択されることが可能である。
設備の運転が実施される前、例えば、それが組みまれたとき、または検査の後に、先ず最初に、例えば、特に凝縮器4の温度、凝縮器の温度分布、冷却要素の中の圧力、または作業媒体2の流れの挙動などのような、冷却要素の少なくとも一つのパラメータが検出される。これらの検出された値は、演算ユニット41において、そのパラメータの予め定められた所望の値42と、一般的に、数値的に比較される。冷却要素の状態および/または機能状態を表す信号が、このようにして決定された比較値から形成され、この信号は、診断または早期診断のために、表示装置44の中に送られることが可能であり、または、限界値43を超えるとき、アラーム信号として表示装置44に出力され、それも、同様に演算ユニット41の中に入力される。
パラメータに対して検出された値は、更に検出された運転上のパラメータとの比較の前に、調整されることが可能であり、例えば、主として、電流用導体20により運ばれる定格電流、電流用導体の温度、または、密閉型の設備の場合には、密閉容器10と電流用導体20の間の内部領域の中で支配的な空気の温度などとの比較の前に、調整される。もし、例えば、定格電流が変わった場合には、変更された所望の値が、冷却要素の運転上のパラメータのために適用され、この変更された所望の値が、演算ユニット41における調整の間に、考慮に入れられる。
この調整は、設備の運転の間、非常に重要である。その理由は、冷却要素において発生する漏電、例えばパイプ1中での漏洩などが、早期に、特定されることが可能であるからであり、即ち、冷却要素の内の一つが過負荷になる前に、低い定格電流での設備の運転中であっても、特定されることが可能であり、そして、欠陥のある冷却要素が故障する前に、それが取り除かれることが可能である。
しかしながら、設備が、最初に運転される前に、または再び運転が実施される前に、設備の冷却要素のパラメータの内の一つを検出することも可能である。それ故に、故障した冷却要素が、迅速に特定されて、容易に交換されることが可能である。それ故に、それに続く運転の間での冷却要素の故障のリスクが、更に減少される。
図1は、本発明に基づく設備の第一の実施形態の一部分の平面図を概略図で示し、この図において、密閉容器の上側の部分がこの設備から取り除かれている。 図2は、図1に基づくセンサーによりモニターされる設備の冷却要素の二つの実施形態の内の一つの場合の拡大図を概略図で示す。 図3は、図1に基づくセンサーによりモニターされる設備の冷却要素の二つの実施形態の内の一つの場合の拡大図を概略図で示す。 図4は、本発明に基づく設備の、非密閉型の、第二の実施形態の一部分の平面図を概略図で示す。
符号の説明
1…パイプ、2…作業媒体、3…蒸発器、4…凝縮器、5…中空絶縁ボディ、6…ベロウズ、7…収集ボリューム、8…補助ガス、8’…境界レイヤ、9…ウインドウ、10…密閉容器、11,12…管状のジャケット、13…ハウジング、14…サイド・ウォール、15…横断ウォール、16…冷却ガスのフロー、20…電流用導体、21…部分,接続ハウジング、22…部分,クエンチング・チャンバ、22’…クエンチング・チャンバ・ハウジング、23…部分,ドライブ・ハウジング、24…部分,断路器チューブ、25…部分,断路器ハウジング、30,31,32…冷却要素、40…評価ユニット、41…演算ユニット、42…所望の値、43…限界値、44…表示装置、S1…センサー,電流検出、S2…センサー,熱電対、S3…センサー,熱放射検出器、S4…部分放電センサー、S5…センサー,フロー・センサー、S6,S6’,S7,S7’…温度センサー,熱電対、S8…圧力センサー、S9,S10,S11…温度センサー,サーマル・イメージング・カメラ、G…発電機、T…断路器、K…ビデオ・カメラ、Q…光源。

Claims (15)

  1. 電気設備であって、当該設備の運転中にジュール熱を発生する電流用導体(20)、及び冷却要素(30,31,32)を備え、
    この冷却要素は、凝縮可能な作業媒体(2)を含み、且つ、当該設備の電流用導体(20)により加熱されることが可能な蒸発器(3)、及び、前記電流用導体の加熱効果(20)から引き離された凝縮器(4)を有する、
    電気設備において、
    監視デバイスを有し、この監視デバイスは、
    前記冷却要素のパラメータを検出するための少なくとも一つの第一のセンサー(S3からS11)、及び、
    第一のセンサーからの出力信号を受け取り、それらの出力信号を評価するため、且つ、前記冷却要素の状態および/または機能状態を表す信号を作り出すための評価ユニット(40)を備えていること、
    を特徴とする電気設備。
  2. 下記特徴を有する請求項1に記載の電気設備:
    前記第一のセンサーは、前記凝縮器(4)の温度および/または温度分布を検出するためのセンサー(S6,S6’,S7,S7’,S9,S10,S11)の形態であり、または、そのようなセンサーとして配置され、
    または、前記冷却要素(30,31,32)の中の作業媒体(2)の圧力を検出するためのセンサー(S8)として構成され、
    または、前記冷却要素(30,31,32)の中の作業媒体(2)の流れの挙動、特にスルー・フローの挙動を検出するためのセンサー(S15)として構成されている。
  3. 下記特徴を有する請求項2に記載の電気設備:
    前記第一のセンサーは、温度センサー(S9,S10,S11)の形態であって、前記冷却要素(30,31,32)から離れて配置され、且つ、熱放射を検出するようにデザインされている。
  4. 下記特徴を有する請求項3に記載の電気設備:
    前記温度センサーは、サーマル・イメージング・カメラ(S9,S10,S11)の形態である。
  5. 下記特徴を有する請求項2に記載の電気設備:
    密閉容器(10)を備え、この密閉容器は、リバース電流をガイドするようにデザインされ、この密閉容器の上に、前記冷却要素(30,31)の、前記密閉容器(10)の電位に保持された凝縮器(4)が配置されており、
    前記温度センサー(S6,S6’,S7,S7’)は、熱電対の形態である。
  6. 下記特徴を有する請求項5に記載の電気設備:
    少なくとも二つの温度センサー(S6,S6’,S7,S7’)は、それぞれ熱電対の形態であって、前記冷却要素(31)の上に設けられている。
  7. 下記特徴を有する請求項2から6のいずれか1項に記載の電気設備:
    前記第一のセンサーは、フロー・センサー(S5)の形態であって、前記作業媒体(2)のフローの光学的、磁気的または容量的な検出のためにデザインされている。
  8. 下記特徴を有する請求項2から7のいずれか1項に記載の電気設備:
    前記第一のセンサー(S4)は、部分放電を検出するようにデザインされている。
  9. 下記特徴を有する請求項2から8のいずれか1項に記載の電気設備:
    少なくとも二つの第一のセンサー(S4,S5,S6,S8)が設けられ、これらの第一のセンサーは、前記冷却要素(30,31,32)の異なるパラメータをそれぞれ検出する。
  10. 下記特徴を有する請求項1から9のいずれか1項に記載の電気設備:
    少なくとも一つの第二のセンサー(S1からS3)が設けられ、この第二のセンサーは、前記設備の運転パラメータを検出するように配置され且つデザインされ、その出力は評価ユニット(40)の演算ユニット(41)に接続されている。
  11. 下記特徴を有する請求項10に記載の電気設備:
    前記第二のセンサーは、前記密閉容器(10)と前記電流用導体(20)の間の内部領域の中で支配的な空気温度、または、前記電流用導体(20)の温度の非接触検出のためにデザインされ且つ配置されている。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載された設備をモニターするための方法であって、下記の特徴によって特徴付けられる方法:
    前記冷却要素(30,31,32)の少なくとも一つのパラメータが検出され;
    この検出されたパラメータが、当該パラメータに対して予め定められた値(42)と比較され;
    それらの比較された値から、前記冷却要素の状態および/または機能状態を表す信号が形成され、その信号は、前記冷却要素(30,31,32)の診断または早期診断のために送られることが可能であり、または、限界値(43)を超えるとき、アラーム信号として出力される。
  13. 下記特徴を有する請求項12に記載の方法:
    前記パラメータに対する検出された値が、好ましくは、前記電流用導体(20)の電流または温度などの、更に検出された設備の運転パラメータとの比較の前に調整され、
    または、密閉型の設備の場合には、前記密閉容器(10)と前記電流用導体(20)の間の内部領域の中で支配的な空気温度との比較の前に調整される。
  14. 下記特徴を有する請求項12または13に記載の方法:
    前記冷却要素のパラメータは、前記設備の運転中に検出される。
  15. 下記特徴を有する請求項12に記載の方法:
    前記冷却要素のパラメータは、前記設備が運転される前に、または、前記設備の検査の間に、検出される。
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