JP2008544246A - 正確な磁気バイオセンサー - Google Patents

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Abstract

少なくとも1種類の分極可能な、または分極された磁性ラベルを含む流体内の少なくとも1種類のターゲットの濃度を、十分に迅速かつ正確な方法で、特に流体内の少なくとも1種類の分極可能な、または分極された磁性ラベルの濃度を用いること、および特に磁性ラベルに対する検知面の露出速度に加えて磁性ラベル検知面上の特別に結合された磁性ラベルの濃度を正確に測定することによって、決定することができる検知装置、検知システム、および検知方法を提供すること。本発明は、少なくとも1種類の分極可能な、または分極された磁性ラベルを含む流体内の少なくとも1種類のターゲットの濃度を決定するための方法、装置、およびシステムを提供する。本発明による検知面は磁性ラベルに結合された少なくとも1種類の生物学的実体に特別に結合することができる少なくとも1種類の結合サイトを備え、検知装置はさらに少なくとも1つの磁気センサー要素を備え、かつ結合サイトに特別に結合された磁性ラベルと特別にではなく結合された磁性ラベルとを時間分解識別するための識別手段を備える。本発明によるターゲット濃度の決定方法および装置は、生体分子診断に適用することができる。

Description

本発明は、少なくとも1種類の分極可能な、または分極された磁性ラベルを含む流体内の少なくとも1種類のターゲットの濃度を決定するための検知装置と、この検知装置を備えたシステムとに関する。本発明はさらに、この検知装置を用いて、流体内の少なくとも1種類の分極可能な、または分極された磁性ラベルの濃度を決定するための方法に関する。
診断の分野、特に生物医学的診断の分野では、生体内および生体外の両方での応用ための医療および食物診断のために限らず、動物診断、健康および病気の診断、あるいは品質コントロール等のために、バイオセンサーやバイオチップを用いることは周知である。これらのバイオセンサーやバイオチップは、一般に、たとえばDNA(desoxyribonucleic acid)、RNA(ribonucleic acid)、プロテイン(タンパク質)、または、たとえばホルモンや薬のような小さな分子としての生物学的実体の解析を可能とするバイオチップのマイクロアレイの形で用いられる。今日では、微量の生物学的実体、または生物学的分子、または生物学的実体の断片を解析するために様々なタイプの分析方法、たとえば、結合分析、競合分析、置換分析、サンドイッチ分析、あるいは拡散分析等の分析方法が用いられている。生物化学的試験における問題は、高濃度の変化する背景材質を持つ流体サンプルの中で検出されるべきターゲット分子(目的分子)の濃度が低い場合である(たとえばmmol.l-1)。ターゲットとしては、ペプチド、代謝物、ホルモン、プロテイン、核酸、ステロイド、酵素、抗原、ハプテン、薬、細胞成分、あるいは組織要素のような生物学的実体が考えられる。背景材質または母材としては、尿、血液、血清、唾液、あるいはその他の人間派生の、または人間派生ではない液体または抽出物が考えられる。ターゲットの検出限界を拡大するために、ターゲットにラベルが結合される。ラベルの例として、光ラベル、色つきビーズ、蛍光性化学グループ、酵素、光学的バーコーディング、あるいは磁性ラベルがある。
バイオセンサーは、一般に捕捉分子を備えた特別な結合サイト2を持つ検知面1を使用する。これらの捕捉分子は、流体内に存在する他の分子または分子錯体に特別に結合することができる。その他の捕捉分子3とラベル4が検出を容易にする。この様子は、それに対して捕捉分子が結合され、他の生物学的実体、たとえば、ターゲット分子6またはターゲット6に結合サイト2を供給するバイオセンサーの検知面1を示す図1に図示されている。溶液5の中には、それに対して捕捉分子3が結合されるターゲット6とラベル4が存在する。
ターゲット6とラベル4は、特殊な方法でバイオセンサーの検知面1の結合サイト2に結合することが許されるが、以下、これを「特別に結合された」と呼ぶことにする。しかし、他の方法での結合も可能であり、この場合を以下、「特別でなく結合された」と呼ぶことにする。図2a、2b、2c、3.1a、3.1b、3.2a、3.2b、3.2c、3.3にラベル4がバイオセンサーの検知面1と結合する際の可能な結合構造の例を示す。図2aと2bは、望ましい生物学的結合を実現する、所謂タイプ1の結合構造を示している。図2aには、ターゲット分子6が、バイオセンサー検知面1上の結合サイト2と、ラベル4上にある捕捉分子3との間に挟まれている(サンドイッチ分析)、望ましい生物学的結合が示されている。図2bでは、競合他社の分析用バイオセンサーの場合が示されており、この場合、検知面に提供されている結合サイト2は、レベル4と(結合サイト2をラベル4を備えた捕捉分子3に結合することによって)ターゲット6との両方と結合することができる。ターゲット6は、少なくとも部分的に、そして結合サイト2に関して、形および/または挙動、つまり捕捉分子3(すなわちラベル4)とターゲット6の間に結合サイトを求める競争があるような捕捉分子3に似た挙動を持っている。図2cでは、禁止分析バイオセンサーの場合が示されており、この場合、結合サイト2はターゲット6に生物学的に似ており、かつラベル4は、ターゲット6に結合するか、または結合サイト2に結合することができる捕捉分子3(または、一般には生物学的実体)に結合される。理想的には、ラベル4に結合されたターゲット6(捕捉分子3を介して)は、これ以上結合サイト2に結合することはできない。
図において、確かなキャリヤ(たとえば、検知面1やラベル4)に直接結合されるものとして、生体活性体(たとえば、捕捉分子3や結合サイト2)が描かれている。当該技術分野において周知であるように、そのような生体活性層は一般に、たとえばバッファ層やスペーサ分子のような中間体を介して結合される。表面に高密度かつ高い生体活性度の分子層を形成するために、そのような中間体が追加される。説明の明確化と簡易化のために、図では中間体が省略されている。
検知面1への生物学的結合とは対照的に、ラベル4は、特別ではない、または非生物学的な方法で検知面1に結合することもできる。すなわち特定のターゲット分子6の仲介なしに結合することもできる。図3.1a、3.1b、3.2a、3.2b、3.2c、3.3は、そのような非生物学的な結合の様子を示しており、図3.1aと3.1bは、単一の特別でない結合がラベル4に結合された捕捉分子3とバイオセンサー検知面1の間、および/またはラベル4に結合された捕捉分子3とバイオセンサー検知面1に結合された結合サイト2の間に存在する、所謂タイプ2の結合構造を示している。通常、単一の特別でない結合のみによるそのようなタイプ2の結合力は弱く、洗浄や磁力のような処理によって容易に除去される。図3.2a、3.2b、3.2cに示されるように、検知面1および/または結合サイト2に対する所謂タイプ3の結合構造も、一方ではラベル4(またはラベル4に結合された捕捉分子3)と、他方ではバイオセンサー検知面1および/または結合サイト2との間のより大きな領域にまたがる、特別でない多数の結合を介して可能である。タイプ3の構造は、通常タイプ1の結合よりも強い結合力を提供する。図3.3は、ラベル4が、特別な結合と特別でない結合の両方によってバイオセンサー検知面1に結合されている、タイプ1の縮退バージョンを示している。
必要な場所での試験、たとえば、交通安全のために道路脇で車の窓越しに行う唾液による不正薬物試験の場合、毎日の使用に耐えるように十分な頑丈さと、十分に迅速かつ正確な試験結果が得られる試験方法を提供することが重要である。そのような試験はいくつかの形態で、たとえば競合分析または禁止分析の形態で行うことができる。図4には、2つの異なった試験サンプルに対するターゲット依存のセンサー信号S1とS2の時間に対する展開が示されている。ここで信号S1は、高濃度のターゲットに、信号S2は、低濃度のターゲットに対応している。S1とS2の差は、試験サンプル内のターゲット分子の濃度が低いほど、ラベル4が捕捉分子3に結合されて検知面1の結合サイト2に結合される確率が高くなるという事実による。
国際特許出願公報WO 03/054566A1においては、流体内の磁性粒子の濃度を決定するための磁気抵抗検知装置が開示されている。この磁気抵抗検知装置やバイオチップは流体を支持する層構造を持つ基板を使用している。この層構造は、第一のレベル内に第一の表面を、また第二のレベル内に第二の表面を、さらに流体内の少なくとも1つの磁性粒子を検出するための磁気抵抗検知要素を持っている。この磁気抵抗検知要素は、第一と第二の表面領域の間の遷移領域付近に置かれ、少なくとも1つの表面領域に面している。そのようなデバイスを使うことにより、流体内のラベル4の濃度を決定することが可能である。
国際特許出願公報WO 03/054566
本発明の目的は、少なくとも1種類の分極可能な、または分極された磁性ラベルを含む流体内の少なくとも1種類のターゲットの濃度を、十分に迅速かつ正確な方法で、特に流体内の少なくとも1種類の分極可能な、または分極された磁性ラベルの濃度を用いること、および特に磁性ラベルに対する検知面の露出速度に加えて磁性ラベル検知面上の特別に結合された磁性ラベルの濃度を正確に測定することによって、決定することができる検知装置、検知システム、および検知方法を提供することである。
上記の目的は、本発明による検知装置、検知システム、および検知方法によって達成される。
本発明の第一の局面において、少なくとも1種類の分極可能な、または分極された磁性ラベルを含む流体内の少なくとも1種類のターゲットの濃度を決定するための検知装置が提供される。この検知装置は少なくとも1つの検知面を備え、この検知面は、磁性ラベルに結合された少なくとも1種類の生物学的実体を特別に結合させることができる少なくとも1種類の結合サイトを備える。さらに、この検知装置は少なくとも1つの磁気センサー要素、および結合サイトに特別に結合された磁性ラベルと、特別にではなく結合されたラベルとの間を時間分解識別方法で区別するための識別手段を備える。
本発明による装置の利点は、磁気バイオセンサー上の分析により、既知の方法よりも正確かつ迅速にターゲット分子の濃度を決定することが可能であることにある。本発明による検知装置を用いて、検知面上で結合プロセスが生じている間にセンサー表面で直接的にラベルの濃度を正確に決定することによって、検出限界と特異性を改善することができることは全くの驚きであり、当業者によって予測できなかったことであろう。
以下、我々は異なった分析方法について本発明の議論を行う。第一の例では、本発明の禁止分析の場合について議論する。ターゲット6を持つサンプルは、ラベル4を持つ試薬に曝される。ラベル4は捕捉分子3が提供される。この場合、これらの捕捉分子3は、ターゲット6に特別に結合することができるアンチターゲット抗体のような生物学的捕捉分子3であると見なされる。それらの迅速な反応速度により、ターゲット6は捕捉分子3を介してラベル4に結合する。ターゲットの濃度と捕捉分子3の結合の性質(たとえば、結合定数や解離定数)に依存して、ラベル4の表面上の捕捉分子3がターゲット6に結合する程度が変化する。捕捉分子3のカバレージ比率はパラメータεで表される。この分析方法では、我々はこのパラメータを禁止率と呼ぶが、その範囲は0%から100%までである。分析方法がターゲットで制限されるように調整される場合、つまりこの分析方法が敏感なレジームである場合、パラメータεはサンプル内のターゲットの濃度に比例する。センサー表面1は結合サイト2で覆われる場合、ターゲットに似た分子、たとえば薬は接合する。ラベル4を持つ流体は検知面1と接触している。溶液の中を自由に動くことができる磁性ラベル4は、検知面に接近する第一のチャンス、検知面と生物学的に接触する第二のチャンス、および検知面1上の結合サイト2に結合する第三のチャンスを持つ。ラベル4が検知面に接近して接触する速度は、露出速度と呼ばれる。この露出速度は流体中のターゲットの濃度に全く依存しないか、またはほんの僅かに依存するだけである。これは、たとえばパラメータεを介して、流体中のターゲットの濃度に強く依存する結合速度とは対照的である。露出速度は常に結合速度よりも速く、一般には結合速度よりはるかに高速である。
ラベル4の検知面に対する露出速度と結合速度は、多くのパラメータに依存している。パラメータのいくつかは試験を行う前にコントロールおよび計算することが容易であるが、パラメータによっては、試験の条件やサンプル流体の性質に依存して大きく変化するものがある。たとえば、検知面の面積は、製造プロセスで、たとえばマスクやチップのリソグラフィ・プロセスによって非常に精密に設定される。また、結合サイト2と補足分子3の生物学的性質(たとえば、表面密度、結合定数や解離定数のような生物学的活性度等)は、装置のバイオ生成プロセスの前または後でコントロール、および/または較正が可能である。しかし、ラベル4による検知面1の露出速度は、サンプルとの接触時に持ち込まれる試薬内のラベルの数、試薬のサンプルへの溶解速度(試薬は流体または乾燥型で供給されることに注意)、サンプルの粘性、サンプルの温度、流体内でのラベルの混合および/または作動の有効性(たとえば、熱拡散、沈澱、磁力、音響力、メカニカル・アクチュエータ、せん断力、回転的励起等)のような多数のパラメータに依存するため、コントロールや較正を行うことは難しい。
上記の禁止フォーマット分析において、ラベル4へのターゲット6の結合は、ターゲットに似た結合サイト2へのラベル4の結合を部分的に、または完全に禁止する。検知面1上の結合サイト2への特別な結合の速度
Figure 2008544246
は、近似的に次式で与えられる(単位:s-1)。
Figure 2008544246
ここで
Figure 2008544246
は、検知面の面積(単位:m2)、
Figure 2008544246
は、分子の結合プロセスにおける結合定数(単位:m3/s)、
Figure 2008544246
は、検知面上の結合サイトの濃度(単位:m-2)、
Figure 2008544246
は、センサーの近傍における流体、特に溶液中のラベル4の濃度(単位:m-3)、εは、サンプル中のターゲットの濃度に依存する禁止率である。結合定数
Figure 2008544246
は、生物学的材料およびその他の動的条件(たとえば、温度、結合プロセス中にラベルに加えられる力、たとえば磁力等)に依存し、これは装置の生体生成プロセスの最中または後で、さらには試験の直前でさえも、較正用流体を用いてコントロールおよび/または較正することができる(説明の明確化と簡易化のために、式では解離定数koffは無視されている)。
試験の目的は、パラメータεとの関係が十分に定義されている、元のサンプル中のターゲットの濃度を正確に測定することである。従って我々は、パラメータεを高い精度で、つまり低いΔε/εで決定する必要がある。上記の式を考慮すると、その中のすべての他のパラメータ、すなわち、
Figure 2008544246
および
Figure 2008544246
を高い精度で決定することが重要である。これは、ターゲットの濃度が低い場合は特に問題がある。そのような場合、εの値は小さく、その他のすべてのパラメータの不確実さがεの精度を大きく落とすからである。
従って、流体中では、ラベル4に対する検知面の露出速度を正確に知ることが必要である。本発明では、磁性ラベルとして機能する磁性粒子の体積密度の極めて正確な測定を通して露出速度を決定することを提案する。本発明によれば、磁性ラベルまたは磁性ビーズの体積密度は、理想的にはセンサーの上で直接決定され、試験が行われている間に測定される。しかし、測定が結合サイト近傍上の実際の体積密度を表している限り、いく分異なった場所または時間で体積密度を測定することも可能である。従って、検知面1は、本発明の中では、特別に結合されたラベル4、つまり結合サイト2が行われる場所と、露出速度の決定のために磁性ラベル4(つまり、特別にではなく結合されたラベル4)の体積密度の測定が行われる場所の両方であると理解されるべきである。さらに、露出速度の測定、つまり特別にではなく結合された磁性ラベル4の体積密度の測定に関して、「時間分解された測定」という言葉は、センサー信号(つまり、検知面に特別に結合された磁性ラベルの量を表示する信号)のサンプリングの時間間隔中にラベルの体積密度を繰り返し測定する必要性をなくすものとして理解されるべきである。
さて、我々はここで生物学的分析方法の第二の例、すなわち競合分析について説明する。競合分析の構成要素を図2bに示す。検知面1上の結合サイト2へのラベル4の特別な結合速度
Figure 2008544246
は近似的に式1で与えられるが、この場合、εはターゲット6による結合サイト2の占有率である。第一の例と同様に、流体中のターゲットの濃度の正確かつ迅速な測定データは、磁性ラベルに対する検知面の露出速度に加えて検知面上の特別に結合された磁性ラベルの濃度を測定することによって抽出することができる。
第三の例では、サンドイッチ分析方法について説明する。図1と同様に、捕捉分子3を持つラベル4は、ターゲット6を含むサンプルに接触させられ、これらの材料は結合サイト2に接触させられる。特別な結合の望ましいタイプが図2aに示されている。捕捉分子3と結合サイト2は一般に抗体であり、通常は、これらはターゲット6の異なった部分に結合するため、同じ分子ではないことに注意すべきである。図2aの結合タイプは異なった順番で、たとえばターゲット6が最初にラベル4に結合し、次に結合サイト2に結合するという順番でも、その逆の順番でも発生することができる。説明を理解し易くするために、我々はターゲット6が最初にラベル4に結合すると仮定しよう。ターゲットの濃度と捕捉分子の結合の性質(たとえば、結合定数や解離定数)に依存して、ラベル4の表面上の捕捉分子3はターゲット6に大きくも小さくも結合される。ターゲット6による捕捉分子3のカバレージ比率はパラメータεで表される。この分析方法では、、我々はこのパラメータをコーティング率と呼ぶ。検知面1上の結合サイト2へのラベル4の結合速度
Figure 2008544246
は、近似的に次式で与えられる(単位:s-1)。
Figure 2008544246
ここで
Figure 2008544246
は、検知面の面積(単位:m2)、
Figure 2008544246
は、分子の結合プロセスにおける結合定数(単位:m3/s)、
Figure 2008544246
は、検知面上の結合サイトの濃度(単位:m-2)、
Figure 2008544246
は、センサーの近傍における流体、特に溶液中のラベル4の濃度(単位:m-3)、εは、サンプル中のターゲットの濃度に依存するコーティング率である((1-ε)を含む式1との違いについて注意すること)。結合定数
Figure 2008544246
は、生物学的材料およびその他の運動条件(たとえば、温度、結合プロセス中にラベルに加えられる力、たとえば磁力等)に依存し、これは装置の生体生成プロセスの最中または後で、さらには試験の直前でさえも、コントロールおよび/または較正することができる。
上記の例では、パラメータεは、ラベル4上のコーティング率である。分析の手順が実行される場合、すなわち、最初に結合サイト2にターゲット6を接触させ、その後ラベル4に検知面1を接触させる場合、パラメータεはターゲット6による結合サイト2の占有率に相当する。
使用可能な分析方法の第四の例は、アンチコンプレクス・フォーマット分析である。この分析方法は図1の構成要素を使用し、結合サイト2が、ターゲット6の存在の元で捕捉分子3に結合するために選択されるが、捕捉分子3のみに結合するためには選択されないという特別な性質を用いている。このフォーマットは、小さな分子の検出に適しており、結合されるラベル4がターゲット6の数とともに増加するという特徴がある。分析方法の敏感なレジームでは、式2が適用される。
分析における本発明の使用方法を説明するための第五の例は、選択的に阻止する試薬を用いる分析方法である。この分析フォーマットは、以下、阻止試薬分析とも呼ぶことにする。この分析方法においては、図1の構成要素に加えて、阻止試薬が使用される。阻止試薬は、たとえば、より大きな実体に結合されたターゲットに類似の分子である。ターゲット6が存在しない場合、阻止試薬は捕捉分子3に結合し、これによってラベル4が結合サイト2に結合するのを阻止する。ターゲット6が存在する場合、これらは部分的に、または完全に捕捉分子3を覆う。ここでラベル4は結合サイト2に結合することができる。この結合はターゲット6への結合を含む(図2aのように)が、これは必要ではない。この結合は、阻止試薬が捕捉分子3に結合される時はこの結合が生じないとすれば、捕捉分子3の一部に対しても生ずる。
結合されたラベル4の量は流体サンプル中のターゲット6の濃度とともに増加する。分析方法の敏感なレジームでは、式2が適用される。この分析フォーマットは大きな分子にも、また小さな分子にも適している。小さな分子の分析としては、たとえば、不正薬物が挙げられる。
生物学的分析において、試薬は一度にまとめて適用されるか(たとえば、マイクロタイタープレートの井戸内に)、または時間的にずらして順番に接触させられる(たとえば、順番のピペット操作を用いるか、ラテラルフロー装置を用いて)。たとえば、最初にターゲット6と捕捉分子3を接触させ、その後その材料を阻止試薬と接触させる。反応速度を速めるために、それらの材料を一度にまとめて接触させることも可能である。後者の場合の欠点は、ターゲット6が捕捉分子3に結合する前に阻止試薬が捕捉分子3に結合し、これによってコーティング率εが低下することである。これによって結合サイト2に対するラベル4の結合速度が低下する。しかし、分子の運動が速い場合には、ターゲット6は捕捉分子3に結合された阻止試薬を置換することができ、その結果としてコーティング率εはあまり影響されないこともある。
上述の分析方法の例は、検知面1に対するラベル4の結合速度は流体中のターゲット6の濃度に依存することを示している。本発明は、少なくとも1種類のターゲット6の濃度が、より正確に、従ってより迅速に、結合サイト2へのラベル4の露出速度を追加測定することによって、結合サイト2へのラベル4の特別な結合速度の測定結果から導出されることを請求している。
これは、ターゲット6の濃度に関係する分別パラメータεを含む運動方程式によって示されている。
望ましい実施例においては、露出速度は検知面1の近傍におけるラベル4の濃度を測定することによって決定される。
望ましい方法においては、ターゲット6の濃度は結合速度と露出速度の比を計算することによって決定される。さらに望ましくは、ターゲット6の濃度は、測定された特別な結合速度と結合サイト2の近傍におけるラベル4の測定された濃度の比を計算することによって決定される。
一般に、検知装置は、検知面に特別に結合されたラベル(タイプ1結合、上記参照)に加えて、特別に結合された訳ではないが検知面の近傍に存在しているラベルに対しても敏感である。この第二の代替方法は、タイプ2の方法で検知面に結合するラベルか、または検知面には結合されていないが検知面の近傍に存在しているラベルの何れかによって実現可能である。
本発明によれば、これらの異なった磁性ラベルの濃度は、独立に測定することが可能である。本発明の1つの実施例によれば、たとえば、特別に結合された磁性ラベルと他のラベルを、特別に結合されたラベルと特別にではなく結合されたラベルの回転および/または並進移動度の差を通して区別することができる。たとえば、磁界を加えて移動度に依存する信号を決定することが可能である。そのような磁界は、たとえば、検知面に磁性ラベルを引き寄せるか、検知面から磁性ラベルを遠ざけるか、または検知面上の磁性ラベルを動かすために、電流を流す線や磁石を用いて変調することも可能である。磁性センサー要素の信号を磁性ラベルの異なった場所間で比較することにより、測定対象の溶液中に存在する、検知面の近傍にある移動可能な磁性ラベルの数を決定することができる。
本発明の望ましい実施例において、識別手段は、磁界を発生するための磁界発生手段を備える。この磁界発生手段は検知装置上に置かれ、たとえば電流を流す線または2次元の線構造をとることができる。磁界発生手段は回転磁界を発生することも可能である。別の実施例においては、この磁界発生手段は、単方向の、つまり1次元の磁界、たとえば、パルス状の単方向磁界や正弦波状に変調された磁界を発生することができる。この場合、検知面に異なった方法で結合している磁性ラベルの異なった運動または回転の自由度は、たとえば液体やガスのような流体を通して、ある方向を向いている磁性ラベルのグループの異なった並進速度に、または磁性ラベルのそのようなグループの異なった回転速度に関連づけられる。このようにして、磁性ラベルの異なったグループが、本発明による検知装置を用いることによって区別または識別される。
本発明の別の望ましい実施例において、検知装置の識別手段は、1つの磁気センサー要素の各側面、つまり左か右、または上か下の側面に置かれた2つの磁界発生手段を備える。別の方法として、センサー要素を電流を流す2つの線の間、たとえば平行電流シートの間に置くことも可能である。本発明のこの種類の実施例の利点は、センサー要素が置かれた位置で2つの磁界がある程度までお互いに相殺し合うとすれば、磁気センサー要素が2つの磁界発生手段の磁界に部分的に、または完全に無感覚であることである。従って、この磁気センサー要素は、本質的に、検知面上の、または検知面の近傍にある、磁性ラベルの存在による磁界を感じる。磁気センサー要素を、それに対してセンサー要素が敏感である正味の磁界が2つの磁界発生手段によって補償される体積内に置くことによって、センサー要素が飽和する可能性が排除される。これは、センサーの敏感な方向において、つまり磁界の平面内成分に対して特に重要である。
また、本発明の別の望ましい実施例においては、磁界発生手段は、検知装置上に置かれた2次元の線構造をとる。
前述のように、検知装置は、検知面に特別に結合されたラベル(タイプ1の結合)に加えて、特別に結合された訳ではないが検知面の近傍に存在するラベル、たとえばタイプ2ラベル結合、または検知面に結合されてはいないが検知面の近傍に存在するラベルに敏感である。本発明によれば、これらの異なった磁性ラベルの濃度は、独立に測定することができる。本発明の別の望ましい実施例によれば、検知装置は、第一のレベル内に第一の表面領域と、第二のレベル内に第二の表面領域とを備え、前記磁気センサー要素は、前記第一および前記第二の表面領域の間の遷移領域近くに位置づけられ、かつ前記表面領域の少なくとも1つに面している識別手段を備える。この検知装置の実施例においては、磁気センサー要素は、実質的に直角の突出部内に見られる第一、および第二のレベル間の遷移領域付近にその中心が置かれることが望ましい。
本発明の第二の実施例による検知装置の利点は、検知面付近の磁性ラベルの濃度が検知面の幾何学的形状の変化によってのみ検知可能であり、従って永久磁界、または変調された磁界を使用する必要がないことである。これによって、検知面に結合しているラベルのパラメータがより容易に測定可能となり、そのような測定の時間分解能が高められる。
本発明のさらなる望ましい実施例においては、検知装置の識別手段は容量性の検知手段を備える。本発明による[L]を測定する望ましい方法は、インピーダンスのスペクトラムを測定し、溶液中のラベルの濃度に敏感な信号を取り出すことによって行う容量検出方法である。この目的のために、識別手段は容量に敏感な手段を備える。この容量に敏感な手段は、2つの電極たとえば、検知面上、または検知面の近傍に置かれた容量板または線によって提供される。容量板は検知面上、またはその近傍に配置された金属の領域によって提供される。別の方法として、容量板はシリコン、ポリシリコンのような半導体材料、または他の適切な材料の表面に形成された金属領域によっても提供される。容量板は検知装置の基板面に実質的に平行に配置される。また、容量板は基板面に垂直な方向で実質的に対向するように配置される。この方法は、容量による[L]の測定のために、重要なサンプルの体積がカバーされるか、または考慮されるという利点がある。別の方法として、容量板は、基板面に平行な方向で実質的にお互いに対向するように配置することも可能である。この方法は、容量板が検知面と実質的に同じ平面内に作られるため、検知装置の製造プロセスの複雑性を緩和することができるという利点がある。
また、本発明のさらなる望ましい実施例においては、本発明の前述の実施例が、磁界を発生するための磁界発生手段に加えて、第一のレベル内に第一の表面領域と、第二のレベル内に第二の表面領域とを備え、前記磁気センサー要素は、前記第一および前記第二の表面領域の間の遷移領域近くに位置づけられ、かつ前記第一および第二の表面領域の少なくとも1つに面している識別手段と組み合わされる。
本発明の第三の実施例による検知装置の利点は、検知装置の分解能および/または精度を高めるために、本発明の第一、および第二の実施例の異なった測定原理を組み合わせることができるため、検知面付近の磁性ラベルの濃度を、さらに正確かつ迅速に測定することができることである。
検知装置のすべての実施例において、磁気センサー要素はAMR、GMR、またはTMRセンサー要素の何れかとすることができる。もちろん、ホール・センサー要素やSQUIDのような他の原理に基づく、本発明による磁気センサー要素を使用することも可能である。
以下、磁性ビーズまたは単にビーズとも呼ばれる、本発明における磁性ラベルについて説明する。磁性ラベルは必ずしも球形ではなく、任意の適当な形状、たとえば、球、円柱、棒、立方体、楕円等の形状をとることができるし、またはっきりした形状や固定された形状を持たない場合もある。「磁性ラベル(magetic label)」という言葉により、磁性ラベルは1つまたはそれ以上の磁性粒子による任意の適切な形状、たとえば、磁性、反磁性、常磁性、超常磁性、強磁性等、つまり磁界の中で、永久的にまたは一時的に磁気ダイポールを発生する任意の磁性を持った形状と理解される。本発明を実施する場合、磁性ラベルの形状には何の制約もないが、信頼できる方法で製造するためには球状のラベルが現在最も使い易く、低コストである。磁性ラベルのサイズは、それ自体が本発明の制約要因とはならない。しかし、バイオセンサー上の相互作用を検出するためには、磁性ラベルのサイズが小さい方が有利である。磁性ラベルとしてサイズがミクロン・レベルの磁性ビーズを使用すると、各ラベルが少なくとも1μm2の面積を占めるため、それらはダウンサイジングを制限する。さらに、小さなサイズの磁性ラベルは拡散性能が高く、一般に大きなサイズの磁性ビーズよりも沈澱が生じにくい傾向がある。本発明によれば、磁性ラベルは1nmから3000nmまでのサイズを用いることができるが、特に5nmから500nmのサイズが望ましい。
本発明の現在の説明および請求項の中で、「生物学的実体(biological entities)」という言葉は広義に解釈されなければならない。これは、プロテイン、ペプチド、RNA、DNA、脂質、リン脂質、砂糖のような炭水化物等のような生物活性分子を含む。また、用語「生物学的実体」は、細胞膜の一部のような細胞片、特に受容体を含む細胞膜の一部も含んでいる。さらに用語「生物学的実体」は、生物学的実体に可能性として結合することができる小さな化合物、たとえばホルモン、薬、リガンド、アンタゴニスト、インヒビタ、およびモジュレータ等、にも関連している。生物学的実体は、孤立分子または合成分子ともなり得る。合成分子は、修飾アミノ酸やヌクレオチドのような自然には生じない化合物を含む。生物学的実体は、血液、血清、唾液、またはその他の体液または分泌物、または組織サンプル、または組織培養からのサンプル、あるいは食物、飼料、水その他のような生物学的実体を備えたその他のサンプルの中でも生ずる。
本発明は、少なくとも1種類の分極可能な、または分極された磁性ラベルを含む流体内の少なくとも1種類のターゲットの濃度を決定するためのシステムをも含み、このシステムはこれまでに説明した実施例の何れかによる磁気抵抗検知装置を備える。このシステムは、検知装置に加えて、パッケージ、チャンバー、チャンネル、チューブ、サンプル採取器、サンプル前処理器、検知面湿潤器等の適切なメカニカル環境を備える。このシステムはさらに、検知装置に加えて、電源、データ収集および解析システム、出力手段等の適切な電気的および/または電子的環境も備える。
本発明は、これまでに説明した検知装置の実施例の何れかによる検知装置を使用して、少なくとも1種類の分極可能な、または分極された磁性ラベルを含む流体内の少なくとも1種類のターゲットの濃度を決定するための方法をも含み、この方法は以下の手順、すなわち
-検知面上に磁性ラベルを備える流体を供給する手順と、
-磁界を加える手順と、
-結合サイトに特別に結合された磁性ラベルと、それに結合されないおよび/または特別にではなく結合されたラベルとの間を時間分解識別する手順と、
を備える。
本発明によれば、特別に結合されたラベルの濃度と、結合されないラベルの濃度の比、つまり結合速度(検知面上の磁性ラベルの濃度によって表される)と露出速度(液体のバルク中の磁性ラベルの濃度によって表される)の比を決定することが特に望ましい。本発明により決定されるターゲットの濃度は、分析のタイプに依存してラベル4上、または検知面1上に存在する、結合している磁性ラベルの一部の占有率を表すパラメータεに比例する。このパラメータは、分析方法に依存する方法で、流体中のターゲット濃度に関係づけられる。
本発明の中心となる考え方は、2つの測定、すなわち(i)結合サイトへのラベルの特別な結合速度、および(ii)結合サイトへのラベルの露出速度の測定からターゲットの濃度を測定することである。露出速度は、検知面近傍の結合されないラベルの濃度、つまり[L]を通して測定することが望ましい。[L]の測定方法には別の方法がある。[L]を測定する一方法は、移動度の高いラベルに特有な信号を測定することによる。 [L]を測定する別の方法とは、2つの異なった状況、すなわち結合されないラベルがセンサーの敏感な領域内にある状況と、ラベルがセンサーの敏感な領域から離れて移動させられた状況、たとえば磁力、熱拡散、流体の流れ、あるいはその他の輸送メカニズムによって移動させられた状況とのセンサー信号を比較することにより決定する方法である。
本発明のこれらの、およびその他の特性、特長、および利点は、例と本発明の原理を用いて示される付属の図面の説明と併せて行われる、以下に示す詳細な説明によって明確になるであろう。説明は例示のためのみに行われるものであって、本発明の請求範囲を制限するものではない。以下に引用される参照図は、付属の図面と対応している。
本発明は、特別な実施例に関して、かつある図面を参照しながら説明するが、本発明は請求項のみによって限定されるのであって、説明や参照図面よって限定されることはない。引用される図面は略図に過ぎず、これによる制約はない。図面の中では、説明の目的のみのために要素のサイズは誇張されており、実寸で描かれている訳ではない。
単数名詞、たとえば"a"、 "an"、 "the"を参照する時に不定形の、または定形の物が用いられる場合、特に断りがない限り、これには複数も含まれる。
さらに、説明の中で、および請求項の中で使われる「第一の」、「第二の」、「第三の」等は同様の要素の間を区別するために用いらており、必ずしも順番や時系列的な意味を持つものではない。そのように用いられる用語は適当な状況下では相互に交換可能であり、ここで説明される発明の実施例は、ここに図示され、説明されているもの以外の他の構成においても動作可能であることは理解されるべきである。
加えて、詳細な説明及び各請求項における「最上」、「最下」、「超えて」、及び「下で」等の語は便宜的に用いられており、相対的な位置を規定するためのものではない。そのように用いられる用語は適当な状況下では相互に交換可能であり、ここで説明される発明の実施例は、ここに図示され、説明されているもの以外の他の構成においても動作可能であることは理解されるべきである。
本発明の説明および請求項の中で用いられている「備える(comprising)」という言葉は、それ以降に記載される手段に限定されるものではなく、その他の要素や手順を除外するものではないことに注意するべきである。従って、「手段AとBを備える装置 (a device comprising means A and B)」という請求範囲は構成要素AとBのみから成る装置に限定されるべきではない。本発明に関連した装置の該当する構成要素がここではAとBであることを意味している。
図1から図3までは、説明の導入部分で既に説明されている。
図4には、2つの異なった試験サンプルに対するターゲットに依存するセンサー信号S1とS2の時間展開が示されている。信号の強さは、分析のタイプに依存する形で、ターゲットの濃度に依存する。たとえば、サンドイッチ分析の場合、信号S1は低ターゲット濃度に対応し、信号S2は高ターゲット濃度に対応する。禁止分析または競合分析の例では、逆のことがあてはまる(すなわち、信号S1は高ターゲット濃度に対応し、信号S2は低ターゲット濃度に対応する)。測定時間に対応する時間間隔tmの間、ターゲットの濃度を十分な正確さで測定することができる。図4におけるいくつかの小さい円は、検知装置によって実際に行なわれた測定結果を示す。この時間間隔tmは、検知装置が測定して結果を出力するまでの時間に相当する。測定の時間間隔の始まりは流体、特に液体が検知面に到着する時間twである。図はおおよそ信号と時間が比例関係にある例を示している。場合によっては、信号はもっと複雑な挙動、たとえば生物学的層の活性化時間、あるいはセンサー表面へのビーズの拡散時間またはドリフト時間によって、多項式で表されるような挙動をすることもある。
磁気バイオセンサーは、一般にセンサー表面に特別に結合されたビーズに対してできるだけ敏感であるように作られる。しかし、検知面に特別に結合されたビーズ(つまりラベル)の濃度の測定は、結合されない、または特別にではなく結合されたビーズ(つまりラベル)の存在によって乱されることがある。従って、ラベルの測定を通してターゲットの濃度を測定するための信頼できるデータ取得ポイントは、結合されない、または特別にではなく結合されたビーズが表面から除去された時とすることが望ましい。
従って、以下のような手順またはサイクルで、一回または繰り返しの測定が行われる。
- 表面に向けてビーズを引き出し、結合を起こさせる手順、
- 次に、表面に特別に結合されたビーズと、特別にではなく結合されたビーズまたは結合されていないビーズを区別するために、ビーズをセンサー表面から遠ざけるか、またはその脇に移動させる手順、
- この置換手順の後に、特別に結合されたビーズの実際の信号を測定する手順
図9は、表面に結合されたラベルに敏感であり、センサー表面の近傍にある結合していないビーズにある程度敏感でもあるセンサーの信号を示す。信号は時間の関数としてプロットされており、表面結合曲線の傾斜がいかにして導かれるかを示している。本発明において、表面に敏感な信号はターゲット依存のセンサー信号S(つまり、図4のS1、S2)の生の(raw)信号とも呼ばれる。上述のシーケンスまたはサイクルは、破線で示される表面に敏感な信号の傾斜を決定するために用いられる。破線で表される信号はターゲット依存のセンサー信号Sと同じである。従って、この信号の測定された傾斜は、流体サンプル中のターゲットの濃度の決定につながる。上述のシーケンスまたはサイクルは図9にも表されており、ここでは参照記号210がラベルを表面付近に近づける手順を示し、参照記号220はラベルを除去するか、表面からラベルを遠ざける手順を示している。参照記号230は、単一のサンプル・インターバル、または図4内の小さな円のような「単一の測定」を表している。測定時間tm(図4参照)の間に、そのようなサンプル・インターバルのある程度の数が集められる必要がある。
参照記号210で表される手順中の信号は、センサー表面に結合しているビーズに加えて、センサー表面付近にある結合していないビーズによっても発生している。参照記号210と220で表される手順中の信号を用いて、表面結合信号と結合されていないビーズによる信号とが導かれる。その結果として、溶液中のラベルの濃度とセンサー表面に結合されたラベルの濃度とが導かれる。本発明によって、これらの測定は流体中のターゲットの濃度を極めて正確に決定することが可能である。
曲線の傾斜はセンサー表面へのラベルの露出速度に比例する。測定時間tm中の平均の傾斜dS/dtは、信号S(tmの終わりの時点での)を測定時間tmで割ることで与えられる。ターゲットの濃度は、分析方法に依存する形で結合速度に関連づけられる。ターゲットの濃度は、信号が高い信号対雑音比で記録された時に非常に正確に決定される。磁気抵抗バイオセンサーによる検出の場合は、高電流を用いることによって高い信号対雑音比が得られる。高電流は熱を発生したり、バイオ材料を非可逆的に変化させたりすることがある。しかし、信号が分析の最後に測定される時は、熱やバイオ材料の変化があっても重要ではない。言い換えれば、分析の最後に信号(つまり、結合サイトの近傍における溶液中の特別に結合されたラベル、および/または結合されていないラベルの信号)を測定すれば、非常に高い信号対雑音灯で測定することができ、ターゲット濃度の決定精度を高めることができる。
図5では、検知システム35と検知装置10が示されている。本発明は、たとえばバイオセンサーやバイオチップのような検知装置10を、特にバイオセンサー・アレイ、つまり1つの基板材料の上に配列された多数のバイオセンサーの形で提供する。この検知装置10は、本発明によるシステム35の一部である。本発明の検知装置10の好ましい応用においては、検知装置10は、交通安全のために道路脇で車の窓越しに行う唾液による不正薬物試験のための試験キットで使用される。一例として、この装置は競合分析でも使用される(図2b参照)。検知装置10は、結合サイト2が備えられた検知面1を有する。結合サイト2は、特に、補足分子3にターゲット6を結合するために備えられている。ターゲット6は生物学的実体(たとえば、不正薬物)であり、捕捉分子3は、ラベル4に結合されているターゲットに似た分子である。実体3と6は両方とも結合サイト2に結合することができるため、これは競合分析フォーマットと呼ばれる。この装置は禁止分析のためにも使用することができる(図2c参照)が、ここでは簡単のために競合分析の場合についてのみ説明する。検知装置10は基板20を備える。検知装置10が、磁界発生手段13を備えることは望ましいが必須ではない。検知装置10の基板20に磁界発生手段13が備えられていない場合は、通常は少なくとも検知装置10に外付けした磁界発生装置40がシステム35に存在している。システム35は、さらに、ラベル4に結合したターゲットに似た捕捉分子3を含む流体5、特に液体を通すための十分な空間を提供する少なくとも1つのチャンバー22またはそれと同様のものを形成するハウジング21を備える。更に、溶液5は、ターゲット6を有する。
別の望ましい実施例では、禁止分析フォーマットに対して図5の装置が装備される(図2c参照)。この場合、結合サイト2はセンサー表面1の結合されたターゲットに似た分子である。ターゲット6は、不正薬物またはそれと似たもののような生物学的実体であり、捕捉分子3はターゲット6とターゲットに似た結合サイト2に特別に結合することができる生物学的実体(たとえば、アンチターゲット抗体)である。これは、ラベル4へのターゲット6の結合が部分的にまたは完全にターゲットに似た結合サイト2へのラベル4の結合を禁止するため、禁止分析フォーマットと呼ばれる。
上記の2つの例から明らかなように、この装置は、たとえば、競合分析、禁止分析、置換分析、サンドイッチ分析等、様々な分析フォーマットに使用することができる。従来の技術で知られているように、生体化学的および化学的種(たとえば、ターゲット、ターゲットに似た分子、ラベル、結合サイト)は一度にまとめて、または順番に供給することができる。速度を上げるためには、試薬を一度にまとめて供給することが有利である。後者の場合には、プロセスの反応速度と結合プロセスの実際の順番は、たとえば拡散と結合速度に依存する。
センサーまたはチップ基板は、たとえば、ガラス、プラスチック、シリコン、またはこれらの組み合わせのような、有機または無機材料から成る適切な機械的なキャリヤとなることができる。検知装置10の望ましい実施例においては、電子回路30が基板20に備えられている。この電子回路30は、基板20に置かれた磁気センサー要素11によって測定された信号やデータを収集するために備えられている。本発明の別の実施例においては、電子回路30は基板20の外部に置かれている。
図6には、検知装置10の第一の実施例の外略図が示されている。基板20には、検知面1と磁気センサー要素11が配置されている。さらに、検知装置10の基板内に磁界発生手段13が配置されている。磁界発生手段13は、磁界130を発生する。外部の磁界発生手段40(図5参照)がある場合、前述の磁界130は、磁界発生手段30と外部磁界発生手段40との両方によって生成される磁界の成分となる。
磁界発生手段13は、たとえば、磁性材料(回転するまたは回転しない)および/または、たとえば電流を流す線13のような導体で構成することができる。説明した実施例においては、磁界発生手段13は電流を流す線で構成することが望ましい。ラベル4の回転および/または並進運動の検知は磁気的に行われることが望ましい。本発明の第一の実施例およびこれに続く実施例において、磁気の検知は集積化された磁気センサー要素11を使用して行われることが望ましい。磁気センサー要素としては、たとえば、ホールセンサー、磁気インピーダンス、SQUID等、または任意の適切な磁気センサーを使用することができる。磁気センサー要素11は、たとえば、GMR、TMR、AMR等の磁気センサー要素のような磁気抵抗要素を使用することが望ましい。回転磁界発生手段は、電流を流す線に加えて検知装置10の基板20内に集積化された電流生成手段によっても提供することができる。磁気センサー要素11は、たとえば細長い(長く、幅の狭い)形状をとることができる。回転磁界は、集積化された電流線に流れる電流によって発生される。電流線は、磁性ラベル4が存在する体積内に磁界を発生するように配置されることが望ましい。
図7には、検知要素10の第二の実施例の概略図が示されている。基板20の内部には検知面1と磁気センサー要素11が配置されている。検知面1は、識別手段として参照記号14で共通的に表される第一および第二の表面領域を備える。第一および第二の表面領域は個別には、それぞれ参照記号141および142で表されている。
図8には、検知要素10の第三の実施例の概略図が示されている。基板20の内部には検知面1と磁気センサー要素11が配置されている。さらに、基板20の内部には検知要素10の第一の磁界発生手段131と第二の磁界発生手段132が配置されており、これによって合成磁界130が発生される。さらに、検知面1は、識別手段の一部として、参照記号14で共通的に表される第一および第二の表面領域を備えている。図8では、磁気センサー要素11の位置で、第一および第二の磁界発生手段131、132によって発生される磁界の成分が、少なくともそれに対して磁気センサー要素11が敏感である磁界の成分を補償することを見ることができる。
加えられた磁界130はラベル4上にトルクを発生する。このようにして、ラベル4は、磁界130を用いて別のもの(たとえば、別のラベル4や検知面1等)に対して回転させられる。既に述べたように、ラベル4は、従来技術で知られている磁性材料を含んでいる。ラベル4は、たとえば、磁性ビーズ、磁性粒子、磁性棒、磁性粒子の糸、あるいは非磁性組織内に含まれた磁性材料等の形をとることができる。ラベル4の回転または運動の自由度に関わるパラメータは、検知装置10によって検出することができる。本発明による検知方法は、高周波運動の自由度または回転自由度の測定を可能にする。この種類の測定方法により、特別に結合された生物学的実体3と特別にではなく結合された生物学的実体3との間の区別が可能となり、これによって検知面1に異なった方法で結合されたラベル4の異なった濃度を検出が可能となる。
特別に結合された生物学的実体と特別にではなく結合された生物学的実体3の濃度を決定する別の可能性は、少なくとも第一および第二の表面領域141、142を持って働く検知面1に磁界勾配計に似た構造を持たせることである。感知面1にそのような構造を持たせることにより、磁性ラベル4の表面濃度に関する追加情報を得ることが可能になる。これについては、以下の項目が含まれている国際特許出願特許WO 03/054566でより詳細に記述されている。
-第一、第二および第三の実施例により、磁性ラベル4の体積密度、および/または面密度を決定するための、少なくとも第一および第二の表面領域を備えた検知面1の構成。
- 磁性ラベル4の体積密度と面密度を測定するための方法。
本発明においては、免疫学的検定への発明の応用に重点が置かれているが、他のターゲットおよび他の結合体を用いた分析方法、たとえば、核酸や混成種を用いた分析方法も使用可能であることは、当業者にとって明らかであろう。
我々は、上記の発明は、センサー多重化、および/またはラベル多重化と組み合わせることも出来ることを指摘しておく。センサー多重化においては、センサーは、異なったタイプの結合サイト2と組み合わせて使用される。また、ラベル4上の捕捉分子3も異なったタイプを使用することができる。ラベル多重化においては、異なったタイプのラベル4、たとえば異なったサイズ、または異なった磁気的性質のラベルが使用される。
ターゲットと、それに対して第二の捕捉分子が結合されるラベルとを備える溶液中で、それに対して第一の捕捉分子が結合されるバイオセンサーを示す図である。 バイオセンサー検知面へのラベル4の可能な結合構造の例を示す図である。 バイオセンサー検知面へのラベル4の可能な結合構造の例を示す図である。 バイオセンサー検知面へのラベル4の可能な結合構造の例を示す図である。 バイオセンサー検知面へのラベル4の可能な結合構造の例を示す図である。 バイオセンサー検知面へのラベル4の可能な結合構造の例を示す図である。 バイオセンサー検知面へのラベル4の可能な結合構造の例を示す図である。 バイオセンサー検知面へのラベル4の可能な結合構造の例を示す図である。 バイオセンサー検知面へのラベル4の可能な結合構造の例を示す図である。 バイオセンサー検知面へのラベル4の可能な結合構造の例を示す図である。 高ターゲット濃度と低ターゲット濃度の2つの異なった試験サンプルに対するセンサー信号の時間展開を示す図である。 本発明によるシステムと検知装置の構成図である。 本発明の第一の実施例による装置の構成図である。 本発明の第二の実施例による装置の構成図である。 本発明の第三の実施例による装置の構成図である。 本発明のセンサーの信号を示す図である。
符号の説明
1 検知面
2 結合サイト
3 捕捉分子
4 磁性ラベル
5 溶液
6 ターゲット
10 検知装置
11 磁気センサー要素
13 磁界発生手段
20 基板
21 ハウジング
22 チャンバー
30 電子回路
35 検知システム
40 外部磁界発生手段
131 第一の磁界発生手段
132 第二の磁界発生手段
141 第一の表面領域
142 第二の表面領域
210 ラベルを表面付近に近づける手順
220 ラベルを除去するか、表面からラベルを遠ざける手順
230 単一のサンプル・インターバル

Claims (25)

  1. 少なくとも1種類の分極可能な、または分極された磁性ラベルを含む流体内の少なくとも1種類のターゲットの濃度を決定するための検知装置であって、
    前記検知装置は、少なくとも1つの検知面を備え、
    前記検知面は、前記磁性ラベルに結合される少なくとも1種類の生物学的実体に特別に結合することができる、少なくとも1種類の結合サイトを少なくとも部分的に備え、
    前記検知装置は、さらに、少なくとも1つの磁気センサー要素を備え、
    前記検知装置は、さらに、前記結合サイトに特別に結合された磁性ラベルと、前記結合サイトに結合されていないラベルの前記露出速度との間で時間分解識別するための識別手段を備える、
    濃度検知装置。
  2. 前記結合サイトに結合されていないラベルの前記露出速度が、前記結合サイトの前記近傍における前記流体内の結合されていないラベルの濃度により決定される、請求項1に記載の検知装置。
  3. 前記識別手段が、磁界を発生させるための磁界発生手段を備える、請求項1に記載の検知装置。
  4. 前記識別手段が、1つの磁気センサー要素の各側に位置付けられた2つの磁界発生手段を備える、請求項1に記載の検知装置。
  5. 前記磁界発生手段が、前記検知装置上に位置づけられた2次元の金属線構造である、請求項3に記載の検知装置。
  6. 前記磁界発生手段が、回転する磁界を発生する、請求項3に記載の検知装置。
  7. 前記磁界発生手段が、単方向の磁界を発生する、請求項3に記載の検知装置。
  8. 前記識別手段が、第一のレベル内に第一の表面領域と、第二のレベル内に第二の表面領域とを備え、前記磁気センサー要素は、前記第一および前記第二の表面領域の間の遷移領域近くに位置づけられ、かつ前記表面領域の少なくとも1つに面している、請求項1に記載の検知装置。
  9. 前記磁気センサー要素が、実質的に直角の突出に見られる前記遷移領域の周囲にその中心が位置づけられている、請求項8に記載の検知装置。
  10. 前記識別手段が、容量性の検知手段を備える、請求項3に記載の検知装置。
  11. 前記磁気センサー要素が、磁気抵抗センサー要素であって、この磁気抵抗センサー要素は、特にAMR、GMR、またはTMRセンサー要素であることが望ましい、請求項1に記載の検知装置。
  12. 前記磁性ラベルが、磁性ビーズとして提供される、請求項1に記載の検知装置。
  13. 少なくとも1種類の分極可能な、または分極された磁性ラベルを含む流体内の少なくとも1種類のターゲットの濃度を決定するためのシステムであって、前記システムが、請求項1に記載の前記磁気抵抗検知装置を備える、濃度検知システム。
  14. さらに、前記磁気センサー要素の磁気抵抗の変化を検知するための電子回路を備え、前記電子回路が、基板の内部または基板の外部に存在する、請求項13に記載の濃度検知システム。
  15. さらに磁界を発生するための外部磁界発生手段を備える、請求項13に記載の濃度検知システム。
  16. 請求項1に記載の前記検知装置を用いて、少なくとも1種類の分極可能な、または分極された磁性ラベルを含む流体内の少なくとも1種類のターゲットの濃度決定方法であって、前記方法は、
    前記検知面上に少なくとも1種類の磁性ラベルを備える流体を供給する手順と、
    磁界を印加する手順と、
    前記結合サイトに特別に結合された磁性ラベルと、特別にではなく結合されたラベルとの間で、時間分解識別する手順と、
    を備える、濃度決定方法。
  17. ターゲットの前記濃度が、結合されていないラベルの前記濃度に対し、特別に結合されたラベルの前記濃度の前記割合を計算することによって決定される、請求項16に記載の濃度決定方法。
  18. ターゲットの前記濃度が、前記結合サイトに対して測定された少なくとも1種類のラベルの特定の結合速度と、前記結合サイトに対して測定されたラベルの露出速度との割合を計算することによって決定され、それによって、前記結合サイトの前記近傍での前記流体内の結合されないラベルの濃度を測定することによって露出速度を決定することが望ましい、請求項16に記載の濃度決定方法。
  19. 前記結合サイトに特別に結合された磁性ラベルと、特別にではなく結合されたラベルとの間の前記時間分解識別が、特別に結合されたラベルと、特別にではなく結合されたラベルとの間の、回転運動および/または並進運動の移動度の前記差を用いて行われる、請求項16に記載の濃度決定方法。
  20. 前記結合サイトに特別に結合された磁性ラベルと、特別にではなく結合されたラベルとの間の前記時間分解識別が、少なくとも1つの変調された磁界を用いて行われる、請求項16に記載の濃度決定方法。
  21. 前記結合サイトへの前記ターゲットの前記特別な結合が、禁止フォーマット分析の方法によって得られる、請求項16に記載の濃度決定方法。
  22. 前記結合サイトへの前記ターゲットの前記特別な結合が、競合フォーマット分析の方法によって得られる、請求項16に記載の濃度決定方法。
  23. 前記結合サイトへの前記ターゲットの前記特別な結合が、サンドイッチ・フォーマット分析の方法によって得られる、請求項16に記載の濃度決定方法。
  24. 前記結合サイトへの前記ターゲットの前記特別な結合が、アンチコンプレクス・フォーマット分析の方法によって得られる、請求項16に記載の濃度決定方法。
  25. 前記結合サイトへの前記ターゲットの前記特別な結合が、阻止試薬フォーマット分析の方法によって得られる、請求項16に記載の濃度決定方法。
JP2008516478A 2005-06-17 2006-06-12 正確な磁気バイオセンサー Pending JP2008544246A (ja)

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