JP2008543300A - 測定可能なシグナルの直接生成を用いた核酸検出法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、測定可能なシグナルの直接生成を用いた核酸検出法及びその使用に関する。本発明によれば、上記シグナルが3’−5’ヌクレアーゼ活性を有する酵素の作用で生成し、これをリアルタイムで検出及び定量化することができる。本発明の方法は、蛍光標識されたオリゴヌクレオチドの使用を含み、これらを上記核酸と接触させる。上述のオリゴヌクレオチドの1つが基質核酸と完全にハイブリダイズしない場合、上記酵素によって不対塩基が切断され、それによって、そのオリゴヌクレオチド中に存在するマーカーが遊離され、上記測定可能なシグナルが生成するであろう。本発明の方法は、DNA合成プライマーとして、あるいはハイブリダイゼーションプローブとしてのみ作用するオリゴヌクレオチドを用いて、エンコーディングコドン又は非コーディングコドン中の可変領域及び変異を検出するのに使用でき、熱安定性酵素又は非熱安定性酵素を用いた核酸増幅システムに、そして、リアルタイムPCR等の同時検出システムに連結することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、3’−5’ヌクレアーゼ活性を有する酵素の作用による、測定可能なシグナルの直接生成を用いた核酸検出法及びその適用に関する。生成されたシグナルは、リアルタイムで、検出及び定量化できる。
上記核酸と完全にはハイブリダイズしない1つ又は複数のオリゴヌクレオチドに、上記核酸を接触させる。それによって、上記酵素が上記核酸を不対塩基に開裂させ、測定可能なシグナルを生成するであろう。
上記オリゴヌクレオチドは、標識することができる。
核酸の検出及び定量化は、分子生物学における最も重要な技法に属し、迅速に進化している。
核酸を分析する基礎的かつ古典的な技法には、電気泳働及びプローブハイブリダイゼーションがあり、これらは、液相及び固相の両方で実施できる。
核酸操作技法の開発における重要な1ステップが、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応の略)の開発である。
PCR技法(Saikiら、Science、230、1350−1354(1985年);Mullisら、米国特許第4683195号、第4683202号、及び第4800159号明細書)は、核酸の指数関数的な増幅を可能にする。
この増幅は、研究対象である核酸の熱による変性、増幅させる核酸における2箇所の相対領域への相補的なプライマーの結合、及びポリメラーゼ酵素の作用による核酸の伸長からなるサイクルを反復することによって行われる。この過程のサイクルを連続的に反復することによって、核酸の指数関数的な増幅がもたらされる。
PCR技法では、研究対象である核酸の増幅を行うためにポリメラーゼを用いる。
DNAポリメラーゼは核酸の合成を触媒し、それらはすべて、5’−3’領域で核酸を重合させることができるという事実にもかかわらず、それらの間には、二重らせんのエキソヌクレアーゼ活性、一本鎖の3’−5’エキソヌクレアーゼ活性、二重鎖の3’−5’エキソヌクレアーゼ活性、又は逆転写酵素活性等の他の特性が存在するか存在しないかに関連した相違が存在する。
3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を示すポリメラーゼは、複製された塩基の誤りを校正するので、はるかに高い精度でDNA複製を行う(Brutlag,D.及びKornberg,A.、J.Biol.Chem.(1972年)、247:241−248)。校正活性を伴う3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼを複製システムで用いた場合、得られるDNAに含まれる塩基の誤りの割合は、これらのタイプの酵素を用いなかった複製産物より小さいものとなる(Chang,L.M.S.、J.Biol.Chem.(1977年)、252:1873−1880)。
3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有する校正DNAポリメラーゼは周知となっている。米国特許第5500363号及び米国特許第5352778号明細書等の書類は、3’−5’校正活性を有する熱安定性の組換え体ポリメラーゼをいかにして入手及び産生するかに関する記述を含有する。
米国特許第6489150号には、3’−5’校正活性を有するこれらのタイプのDNAポリメラーゼの、核酸合成のための使用が記載されている。
国際公開第0181631号パンフレットには、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼの存在下に、核酸中の可変部位を分析する方法が記載されている。この酵素は、プライマーの1つが可変部位を有する標的核酸に相補的でない場合には、そのプライマーの3’末端を切断し、このプライマーのマーカーを放出する。このマーカーが存在するか存在しないかが、その後、分析される。このようにして、混合物中に存在する配列の1つの増幅及び/又は選択的標識が行われる。しかし、この過程は検出可能なシグナルを生成せず、したがって、マーカーの存在の分析には、生成された産物の分析を追加して行う必要がある。
PCRの変法であるリアルタイムPCRが開発された。この方法では、増幅過程及び検出過程が、さらに操作を必要とせずに同時に行われる。さらに、反応中に放出される蛍光は、形成されるDNAの量に比例するので、各瞬間に合成されたDNAの量を、蛍光検出によって増幅中に測定することができる。したがって、いかなる瞬間でも、増幅反応の速度式を測定し、知ることができる(Higuchi R、Fokler C、Dollinger G、Watson R、「Kinetic PCR analysis:Real−time monitoring of DNA amplification reactions」、Bio/Technology、1993;11:1026−30)。
現在、リアルタイムPCR技法に関連したほとんどの設備は、いわゆるサーモサイクラー(thermocycler)に相当するが、これは、蛍光リーダーを内蔵し、任意の時に、増幅が行われている試験管それぞれの中で放出された蛍光を測定するように設計されている。
現在、リアルタイムPCRで最も用いられている蛍光検出方式は以下の通りである。
・蛍光インターカレート剤(SYBR Green等)
・DNAポリメラーゼの5’−3’ヌクレアーゼ活性を用いる加水分解プローブ(TaqManプローブ及びLNAプローブ等)
・ヘアピンプローブ(Molecular Beacon及びScorpionとして知られているもの等)
・ハイブリダイゼーションプローブ(FRETプローブ、TaqMan MGBプローブ、及びMGB Eclipseプローブとして知られているもの等)
SYBR Greenというブランド名で知られており、米国特許第5436134号によって保護されている化合物は、頻繁に使用されている蛍光インターカレート剤である。この化合物は二本鎖核酸に結合するシアニンの誘導体であり、PCR産物の増加に比例して増強される蛍光シグナルを放出する。
これらのインターカレート剤は、それらがPCRの核酸産物に結合するのと同様にして、プライマー二量体及び他の非特異的産物にも結合でき、非特異的な増幅シグナルを有することがあり、その結果、標識された標的の濃度の過大評価をもたらす。
他の種類の蛍光標識化システムは、米国特許第5723591号明細書に記載されているブランド名TaqManのもの等、加水分解プローブに相当する。これらのプローブは、5’末端のフッ化物レポーターと、3’末端のフッ化物遮断薬又はクエンチャーとに結合する。Taqmanプローブは、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼと共に、核酸増幅をモニターするのに用いられる。両フッ化物が共にプローブに結合した場合、レポーターがクエンチャーによって低減され、シグナルは放出されない。この核酸が、DNAポリメラーゼ5’−3’エキソヌクレアーゼの5’−3’エキソヌクレアーゼ活性によって複製された場合、上記プローブは、増幅される核酸鎖に結合し、フッ化物レポーターが結合している上記プローブ5’末端が遊離し、蛍光シグナルの放出が生じる。
ヘアピンプローブは、それらの5’及び3’末端に逆方向反復塩基配列を有し、標的配列の非存在下では、これら2箇所の逆方向反復領域の相補性によって、ヘアピン型構造の形成が可能となっている。上記プローブの内部配列は標的配列に相補的であり、したがってその存在下では、ヘアピン構造が開き、これが、フッ化物レポーターとフッ化物クエンチャーとの間の距離を広げ、それによって、蛍光シグナルが放出される。
他の知られているプローブは、ハイブリダイゼーションプローブであり、それらの設計では、それぞれ異なったフッ化物で標識されている2つの特定のオリゴヌクレオチド配列をプローブとして使用する。これらのプローブの末端は相補的であり、通常、それらのうちの1つの3’末端がドナーとなる。この分子が光源によって励起されたとき、それはエネルギーを第2のプローブ、すなわちアクセプター分子の5’末端に移す。これら2つのプローブは、それらの特異的な標的に、両方のフッ化物が近接した状態でハイブリダイズするように設計され、したがって、共鳴エネルギーの移動は、両プローブが標的にハイブリダイズし、相互に極めて近接しているときにのみ起こる。
「Resonsense」、「Light−up」、「HyBeacon」、「LUX」、「Yin−yang」、「Amplifluor」等のプローブのような、使用がより限定的かつ初期的な他のタイプのプローブもある。
本発明は、3’−5’ヌクレアーゼ活性を有する酵素の作用によって、核酸を検出及び定量化する新規な方法を提供する。
本発明は、3’−5’ヌクレアーゼ活性に媒介された、検出可能及び/又は定量化可能なシグナルの生成によって、DNA又はRNA核酸の特定の配列を検出する方法に関する。この方法は、同定する核酸基質を、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドと接触させるものであり、このオリゴヌクレオチドは、その3’末端又はその隣接塩基である1つ又は複数の塩基を不対状態にしたまま上記核酸基質とハイブリダイズできるように設計されている。
オリゴヌクレオチド鎖の3’末端に不対塩基を有する二本鎖核酸構造は、3’−5’ヌクレアーゼ活性の基質として作用し、上記オリゴヌクレオチドの不対塩基の分離も提示し、それら塩基は、不対帯域の3’側の位置に存在し、測定可能なシグナルを生成する。
このオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド/基質ハイブリットが形成される場合は、それら不対塩基の1つに、あるいは、二本鎖分子中の不対塩基の3’側の位置にある塩基にマーカーを含むことができる。さらに、上記オリゴヌクレオチドは、任意の数の追加マーカーを、上記オリゴヌクレオチド鎖上の任意の位置に保持することができる。
マーカーという用語は、本発明で使用される場合、検出及び/又は定量化可能なシグナルを生成させるのに使用でき、上記オリゴヌクレオチドに連結できるいかなる原子又は分子も意味する。
マーカーは、蛍光、電気シグナル、電気化学又は磁気シグナル、放射能、比色定量、重量測定、X線回折によって、あるいは吸収、酵素活性、化学発光、発光、又は振動によって検出可能なものによって、シグナルを検出可能にすることができる。
本発明のさらに特定の態様では、上記オリゴヌクレオチド鎖は、フッ化物クエンチャー及びフッ化物レポーターの二重標識を提示する。
本発明のさらに特定の一実施形態では、上記フッ化物クエンチャーが上記オリゴヌクレオチド鎖の5’末端にあり、一方、3’末端がフッ化物レポーターで標識される。
本方法の一実施形態では、それらの配列にいかなるタイプのマーカーも組み込んでいないオリゴヌクレオチドを重量測定によるアッセイの実施に用いる。これらのアッセイでは、生成されたシグナルの測定は、標識された化学基の分離によるのではなく、3’−5’ヌクレアーゼ活性によって測定された、塩基又は塩基の化学基が上記オリゴヌクレオチドの3’末端から分離したときに生じた質量の相違による。
本発明の一実施形態では、上記3’−5’ヌクレアーゼ活性が、校正活性を有するポリメラーゼに由来する。
同様に、上記3’−5’ヌクレアーゼ活性、又は上記校正活性を伴うポリメラーゼ活性は、高温でのインキュベーションに耐性(熱安定性酵素)のものでも、あるいはそうでないもの(熱不安定性酵素)でもよい。
本発明の方法では、核酸(DNA又はRNA)は、動物若しくは植物組織の切片若しくは伸長物、細胞培養物、又は生体物質一般、食品、空気、土壌、及び水試料等、その組成にこのタイプの分子を含有するいかなる複合試料から得られたものでもよい。同様に、核酸は、in vitro転写産物(cDNA)若しくは遺伝子増幅産物(PCR)、等温増幅、又はローリングサークル増幅システムで生成されたもの等、以前に処理されている試料に由来するものでもよい。最後に、プローブ及び基質は、液体溶液中、又はプローブ若しくは基質が、任意の性質の固体支持体(膜、ガラス、プラスチック、又は同様なもの)に固定されているシステムに存在しうる。
この方法における1つの特定の増幅では、1塩基のみの変化で相違している核酸配列(SNP)を検出及び識別するのにこれを用いることができる。これには、オリゴヌクレオチドが基質配列とハイブリダイズした際に、SNPに関連した変異が上記オリゴヌクレオチドの3’末端に位置するように、上記オリゴヌクレオチドを設計する。
このオリゴヌクレオチドの配列は、上記変異を提示しない核酸基質とは完全にハイブリダイズし、上記変異の基質配列とハイブリダイズする場合には、結果として、3’末端に不対塩基を提示するであろう。ハイブリダイゼーションが上記オリゴヌクレオチドと上記変異を提示しない基質核酸配列との間で起こる場合、オリゴヌクレオチド/核酸基質二本鎖分子はいかなる対不形成もない完全なものであり、3’−5’ヌクレアーゼ活性の作用のいかなる基質も生成せず、したがって、オリゴヌクレオチドは完全状態のまま残り、いかなるシグナルも生成しない。
対照的に、上記変異を提示するDNA基質がハイブリダイズする場合には、核酸/オリゴヌクレオチド二本鎖が完全でなく、上記オリゴヌクレオチドの3’末端に不対塩基が残っており、混合物中に存在する3’−5’ヌクレアーゼ活性によって認識される。
この活性によって、不対塩基がオリゴヌクレオチド鎖から分離され、検出可能なシグナルを放出する。
この方法の一適用では、これは、核酸のエンコーディングコドンにおける、変異の存在を検出するのに用いられる。
このためには、分析されるコドンが上記オリゴヌクレオチドの3’末端に位置するように、上記オリゴヌクレオチドを設計する。このオリゴヌクレオチドの配列は、検出する必要がない、変異体でない核酸基質には完全に相補的であるべきである。このコドン中に変異を有する基質核酸の存在下では、オリゴヌクレオチド/核酸基質二本鎖分子は、上記オリゴヌクレオチドの3’末端に変異塩基の対不形成を提示し、それらが3’−5’ヌクレアーゼ活性の基質に変換される。
この方法を用いることによって、任意の位置における正確な変異の場合も、このコドンにおける二重変異又は三重変異の場合も、エンコーディングコドンを構成する3つの塩基のいずれかの変化を検出することができる。
この適用では、標識オリゴヌクレオチドは、非ホスホジエステル結合による塩基の結合、又は上記オリゴヌクレオチドの一部の位置を、これらの位置が保存性変異を表す場合に3’−5’ヌクレアーゼ活性から保護する目的のスペーサーの包含等、その配列に付加的な変化を提示することができる。
本発明の一実施形態では、上記1つ又は複数のオリゴヌクレオチドが、3’−5’ヌクレアーゼ活性によって媒介されたシグナルを生成する操作と、プライマー伸長及びポリメラーゼ活性に媒介された増幅の両方における核酸伸長反応のプライマーとしての操作との両方を同時に行い、シグナルの生成と同時に核酸伸長が起こる。
このために、オリゴヌクレオチド、核酸の伸長反応に必要なdNTP混合物、3’−5’ヌクレアーゼ活性を有する酵素、及びポリメラーゼ活性を有する酵素と、DNA基質を上記酵素活性に適した緩衝剤と共に接触させる。
PCRタイプの遺伝子増幅反応の場合、方向性が反対の別のプライマーが必要である。このプライマーは、基準オリゴヌクレオチドである場合も、あるいは、基質DNAとハイブリダイズした際に、3’領域に不対塩基を提示するものである場合もある。3’−5’ヌクレアーゼ活性による校正を受ける2種類のプライマーを用いたPCRシステムを適用することで、システムの特異性を増大させることができる。最後に、この第2のプライマーも標識することができ、第1のプライマーによって生成されるものと同一なシグナル又は異なるシグナルを生成する。
本発明のこの適用では、これが3’−5’ヌクレアーゼ活性によって媒介された触媒反応、及びポリメラーゼ活性によって媒介された重合反応と連結されていることを考えると、用いられる酵素は、3’−5’ヌクレアーゼ校正活性を有するポリメラーゼでありうる。
同様に、プライマー伸長反応、特にPCR反応では、連続的な加熱/冷却サイクルの適用が必要であるので、用いられる酵素は、3’−5’ヌクレアーゼ校正活性を有する熱安定性ポリメラーゼでありうる。
この適用では、上記オリゴヌクレオチドの3’末端又はこの末端に隣接した塩基を除いて、検出するDNA基質とハイブリダイズするように、標識オリゴヌクレオチドを設計する。上記オリゴヌクレオチドが基質DNAをハイブリダイズした際に、上記オリゴヌクレオチドの3’末端に不対塩基を有する二本鎖分子が生成される。上記オリゴヌクレオチドの不対塩基は、3’−5’ヌクレアーゼ活性によって分離され、これらの塩基に連結されていたマーカーを放出する。これらの塩基が分離された際、短縮されたオリゴヌクレオチドは、このとき、DNA基質と完全にハイブリダイズするようになっており、3’末端に遊離OH基を提示し、したがって、このオリゴヌクレオチドは、このとき、ポリメラーゼ活性によって媒介された核酸鎖伸張のプライマーとして機能できる。
このタイプのアッセイでは、核酸合成のシグナル/プライマーを生成するのに用いられるオリゴヌクレオチドは、一部の位置を加水分解から保護するため、あるいは3’−5’ヌクレアーゼの活性による無修飾オリゴヌクレオチドの伸長反応を停止させる目的で、3’位置の最終塩基の水酸基をブロックするさらなる修飾を提示してもよく、また提示しなくともよい。
したがって、プライマー伸長反応又はSNPのPCRでは、3’末端がブロック(修飾)されていないオリゴヌクレオチドを使用することによって、検出するべきDNA及び同定される必要のないDNAの伸長又は増幅が可能となる。
しかしながら、問題となっているDNAの伸長又は増幅によってのみ、3’−5’ヌクレアーゼ活性によって媒介された検出可能なシグナルが生成される。
対照的に、3’末端を修飾されたオリゴヌクレオチドを使用することによって、検出する必要のない配列の増幅及びシグナル放出の両方が阻止される。
本発明の特定の一実施形態では、核酸伸長又は増幅システムのオリゴヌクレオチドは、3’−5’ヌクレアーゼ活性によって媒介されたシグナル生成器としてのみ機能し、反応のプライマーとしては機能しない。
このシステムでは、上記オリゴヌクレオチドがプローブとして機能し、対象である核酸に結合し、3’−5’ヌクレアーゼ活性によって媒介されたシグナルを生成する。その結果、このシステムは、2つ以上の核酸伸長反応用プライマー、プローブとして作用する標識オリゴヌクレオチド、ポリメラーゼ3’−5’ヌクレアーゼ校正活性、鎖置換活性及び/又は5’−3’ヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ、並びにdNTP及び適当な緩衝剤の混合物の存在を必要とする。別法では、DNA合成を開始させるオリゴヌクレオチドプライマーは、基質とハイブリダイゼーションした際に、正確な不対塩基を3’末端に提示してもよく、また提示しないでもよい。
鎖置換活性を提示する酵素が5’−3’ヌクレアーゼ活性も提示している場合、生成されたシグナルが、確実に、反応に添加されたポリメラーゼの5’−3’ヌクレアーゼ活性に由来するものとするには、上記オリゴヌクレオチドに追加の修飾を導入しなければならない。このタイプのポリメラーゼの5’−3’活性を阻害するには、取り得るいくつかの戦略があり、それらは、オリゴヌクレオチドの5’末端にパリンドローム配列を包含させること、又はリン酸化及び5’−5’結合による逆方向性塩基の添加等の5’末端の化学修飾である。
最後に、プローブとして用いられるオリゴヌクレオチドの伸長を阻止するには、これも、リン酸化、及びこの化学基に結合する任意の分子の添加等、OH遊離末端をブロックする任意の技法によって、3’末端における追加の修飾を提示するべきである。
それぞれ異なったマーカーを有するオリゴヌクレオチドを同時に利用することによって、増幅反応の多重化、すなわち増幅配列中におけるそれぞれ異なった変化の分析が可能となる。
特定の適用では、上記方法が遺伝子増幅反応で使用され、その際、フッ化物クエンチャーで標識されたオリゴヌクレオチドは、上記オリゴヌクレオチド鎖の5’末端に位置し、その一方で、3’末端はフッ化物レポーターで標識されている。この適用では、増幅反応を、各増幅サイクルにおける蛍光発光をモニターできる測定器に連結させて実行し、増幅アッセイのリアルタイムでの実行を可能にする。この適用は、シグナル発生器として、かつ鎖伸長のためのプライマーとして同時に機能するオリゴヌクレオチドを用いて、あるいは伸長反応のプライマーとして関与しない純粋なプローブとして機能するオリゴヌクレオチドを用いて行うことができる。
本発明の一実施形態では、ハイブリダイゼーションシステム中の特定の配列を検出するのに、重合反応の非存在下で、直接的なシグナルの生成が用いられる。この方法は、同定される核酸基質が高濃度である必要があり、上記核酸基質を標識されたプローブ及び3’−5’ヌクレアーゼ活性と接触させるものであり、これが順次、3’−5’ヌクレアーゼ校正活性を有するポリメラーゼに相当する。鎖の伸長が行われないので、この混合物はdNTPを含有しない。この方法は、単一のハイブリダイゼーション/触媒ステップで実施することも、連続的なサイクルで実施することもでき、それらのサイクルでは、1つの温度上昇ステップで、オリゴヌクレオチド及び核酸基質が分離され、それに続く、より低温のインキュベーションステップで、核酸基質が新規のプローブとハイブリダイズする。
したがって、この過程の各サイクルで、シグナルの線形増大がある。特定の実施形態では、鎖の5’末端がフッ化物クエンチャーで標識され、3’末端がフッ化物レポーターで標識されたオリゴヌクレオチドが用いられる。この適用では、ハイブリダイゼーション/触媒サイクルを、各増幅サイクルでの蛍光放出をモニターできる測定器で行い、それによって、検出アッセイのリアルタイムでの実施が可能となる。
本発明で使用される試薬は、核酸検出キットとして提供することができる。これらのキットは、検出が所望されている配列に相補的な配列と、その鎖の3’末端にある1つ又は複数の非相補的な塩基とを有するオリゴヌクレオチドを含有する。上記オリゴヌクレオチドは標識されたものでもよく、標識されていない場合には、上記キットに特定の標識試薬を含有させることもできる。
上記キットは、3’−5’校正活性を有するポリメラーゼ(pfu)等、3’−5’ヌクレアーゼ活性を有する酵素を含有する。上記キットは、ポリメラーゼ活性有する別の酵素を追加的に含有させることができる。
上記キットは、上記核酸の少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーを含有でき、これらは標識されたものでも、標識されていないものでもよい。
上記キットは、検出を行うのに必要な他の試薬、及び増幅に必要な物質、例えば、緩衝剤、dNTP、マグネシウムイオン、及びアッセイを行うための説明書も含有できる。
本明細書には、本発明の好ましい実施形態を例示する1セットの図が添付されているが、これは本発明の適用を限定するものではない。
図1A、1B、1C及び1Dは、オリゴヌクレオチドIS及びIS−INVの、DNA基質とのハイブリダイゼーションを示している。図1A)pMTB−対照、図1B)変異体1F、図1C)変異体1P、図1D)変異体2PF。各図の中央にある配列はDNA基質の配列を示す。上部の配列はプライマーISに相当し、底部の配列はプライマーIS−INVに相当する。四角い囲みは、プローブとDNA基質との間の不対塩基を示している。
図2A、2B及び2Cは、左側に、様々なケースにおける様々なDNA基質のリアルタイムでの増幅結果を、サイクル数と対比した蛍光グラフ(FAMチャネル)で示している。これらの図の右側は、その過程の最終時点における増幅産物のアガロースゲルでの分析を示している。図2A)ISプローブ及びDNAポリメラーゼを有する増幅混合物;図2B)IS−INVプローブ及びpfu DNAポリメラーゼを有する増幅混合物;図2C)IS−INVプローブ及びDNAポリメラーゼ5’−3’エキソヌクレアーゼポリメラーゼを有する増幅混合物。
図3A及び3Bは、pfu DNAポリメラーゼの存在下で蛍光源としてIS−INVプローブを用いたリアルタイムでの比較増幅アッセイ、又はpfuの存在下でフッ化物挿入剤であるSYBR Green Iを用いたリアルタイムでの比較増幅アッセイ、の結果を示している。図3Aは、サイクル数に対する蛍光グラフを示す。グラフの上部は、蛍光源としてIS−INVプローブを用いた際に得た増幅プロフィールを示し、底部は、フッ化物挿入剤であるSYBR Greenを用いて得られたプロフィールを示す。図2Bは、得られた増幅産物のアガロースゲル分析を示す。レーン1は10−3希釈、レーン2は10−6希釈、レーン3は10−8希釈、そしてレーン4は、無DNA陰性対照に相当し、レーンMは100bpラダーに相当する。右側のレーンはSYBR Green Iを用いたアッセイに相当し、左側はIS−INVプローブに相当する。
図4は、本発明の実施例3に対応するリアルタイムでの増幅結果を、蛍光対サイクル数のグラフで示している。
図5Aは、本発明の実施例4に対応するリアルタイムでの増幅結果を、蛍光対サイクル数のグラフで示し、図5Bは、その過程の最終時点に得られた増幅産物のアガロースゲルでの分析を示している。アガロースゲルで、右側の5レーンはプローブなしのPCR結果に相当し、左側の5レーンはプローブを用いたPCR結果に相当する。M:100bpラダー、2:DNA pol 5’−3’ exo+、3:Taqポリメラーゼexo−、4;「無DNA」対照を表す。
図6は、実施例5に示した独立DNA合成系による検出結果を、蛍光対サイクル数のグラフで示している。
(実施例1)
pfu DNAポリメラーゼ活性の存在下で、二重蛍光標識を有するオリゴヌクレオチドを増幅反応のプライマーとして用いたリアルタイム増幅アッセイ
プライマーハイブリダイゼーションの領域で様々なレベルの不対塩基を有する基質DNAの増幅及び蛍光検出のアッセイを、DNAポリメラーゼのpfu活性の存在下、二重標識プライマーを用いたリアルタイム増幅システムで行った。この実施例及び本発明の他の実施例では、マーカーを保持し、かつハイブリダイゼーションの際に3’端末又はその隣接塩基に、核酸基質との不対塩基を提示するように設計されたオリゴヌクレオチドに、Lionプローブという総称が与えられている。不対塩基の提示は、上記オリゴヌクレオチドを、結果として部分的分解を受けやすいものにし、反応混合物に含まれる3’−5’ヌクレアーゼ活性によって媒介されたシグナルの生成を引き起こす。
このアッセイでは、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)(MTB)のIS6110における保存領域を増幅した。使用された基質DNA、プライマー、及びプローブを以下に示す。
基質DNA
対照プラスミド(pMTB−Control)は、結核菌(MTB)のIS6110領域の335bp断片をpBlueScript SK(+)プラスミドにクローニングすることによって取得した。
対照プラスミド(pMTB−Control)にクローニングされた、310bpの3つのIS6110領域変異体配列(遺伝子増幅産物)は、以前に記載されている。
変異体1P:プライマーであるLionプローブIS及びLionプローブIS−INVとのハイブリダイゼーション領域の最後から2番目の塩基における変異。図1Cに見ることができるように、この変異は、それがこれら両プライマーとハイブリダイズした際に、両プライマーの3’末端最後の塩基に不対塩基を生成させる。
変異体1F:プライマーであるLionプローブIS及びLionプローブIS−INVとのハイブリダイゼーション領域の最後の塩基における変異。図1Bに示す通り、この変異は、両プライマーとのハイブリダイゼーションの際に、両プライマーの3’末端に不対塩基を生成させる。
変異体2PF:プライマーであるLionプローブIS及びLionプローブIS−INVとのハイブリダイゼーション領域の最後2塩基の変異。図1Dに見ることができるように、この変異は、両プライマーとのハイブリダイゼーションの際に、両プライマーの3’末端最後の2塩基に不対塩基を生成させる。
増幅プライマー
以下のオリゴヌクレオチドが、増幅反応のプライマーとして使用されるであろう。
LionプローブIS(配列番号01:5’−CGCAAAGTGTGGCTAACCCTGAACCGTGA−3’)。末端に二重標識を提示する順方向プライマー。5’末端がFAM(6−カルボキシフルオレセイン)で標識され、3’末端がFAM遮断薬であるTAMRA(6−カルボキシテトラメチルローダミン)で標識されている。このプライマーは、プラスミド調節配列と完全にハイブリダイズし、変異体DNA 1P、1F、及び2PFとの不対塩基を3’末端に提示する。
LionプローブIS−INV(配列番号2:5’−CGCAAAGTGTGGCTAACCCTGAACCGTGA−3’)。プライマーLionプローブISと同一配列であるが、末端標識が逆になっている順方向プライマー。したがって、5’末端がTAMRAで標識され、3’末端がFAMで標識されている。プライマーISと同様に、このプライマーは、プラスミド調節配列と完全にハイブリダイズし、変異体DNA 1P、1F、及び2PFとの不対塩基を3’末端に提示する。
プライマーMT2(配列番号03:5’−CATCGTGGAAGCGACCCGCCAGCCCAGGAT−3’)。逆方向プライマー。前述した4つの基質の配列と完全にハイブリダイズする。このプライマーは、この実施例で行われたすべての実験で、逆方向プライマーとして使用された。
プライマーとして用いられたプローブにおける蛍光標識の方向性の影響を確かめるために、2種類の二者択一の混合物を試験した。1つはISプローブを使用し、もう一方はIS−INVプローブを使用したものである。増幅混合物は以下の通りであった。
LionプローブIS及びpfu DNAポリメラーゼを有する増幅混合物:Biotools Pfu DNAポリメラーゼキット(Biotools B&M Labs社、スペイン、マドリード所在)を用いて行った。最終反応体積20μlのこの混合物中には、0.1u/μlのPfu DNAポリメラーゼ、反応緩衝剤、dNTP混合物、LionプローブIS(最終濃度0.3μM)、及びオリゴヌクレオチドMT2(最終濃度0.5mM)が含まれていた。
LionプローブIS−INV及びpfu DNAポリメラーゼを有する増幅混合物:Biotools Pfu DNAポリメラーゼキット(Biotools社)を用いて行った。最終反応体積20μlのこの混合物中には、0.1u/μlのPfu DNAポリメラーゼ、反応緩衝剤、dNTP混合物、LionプローブIS−INV(最終濃度0.3μM)、及びオリゴヌクレオチドMT2(最終濃度0.5mM)が含まれていた。
LionプローブIS−INV及びDNAポリメラーゼ5’−3’エキソヌクレアーゼを有する増幅混合物:Biotools DNAポリメラーゼキット(Biotools社)を用いて行った。最終反応体積20μlのこの混合物中には、0.1u/μlのDNAポリメラーゼ5’−3’エキソヌクレアーゼ、反応緩衝剤、dNTP混合物、LionプローブIS−INV(最終濃度0.3μM)、及びオリゴヌクレオチドMT2(最終濃度0.5mM)が含まれていた。
各混合物を用いて、pMTB−Controlプラスミドの増幅(5000コピー)、変異体1P、1F、及び2PF(直接的PCR産物)の増幅、並びにDNAを含まない(無DNA)対照をアッセイした。
増幅反応は、下記の増幅サイクルを用いて、リアルタイム増幅システムSmartCycler II(Cepheid社)で行った。
第1ステップでは、温度を95.0℃に360秒維持した。
第2のステップでは、下記のサイクルを45回反復した。
95.0℃の温度で5秒。
57.0℃の温度で5秒。
60.0℃の温度で40秒。
増幅反応過程は、60℃でのインキュベーションステップ中に行われたFAMチンャネルにおける蛍光レベルの測定によって、リアルタイムでモニターした。同様に、増幅産物は、エチジウムブロマイドで染色された1.5%アガロースゲルで分析した。結果を図2に示す。
図2Aに示す通り、(5’FAM−−−3’TAMRAで標識された)LionプローブISで増幅されたすべての試料が、増幅過程中に作成された蛍光曲線において陰性であった。対照的に、LionプローブIS−INV及びpfu−DNA ポリメラーゼを用いて増幅されたすべての試料が、高レベルの蛍光を伴った陽性であった。図2Bに示す通り、変異体1F(1)及び1P(2)の基質DNAを増幅させた場合には、蛍光が極めて迅速に現れ(閾値が非常に低い)、pMTB対照プラスミドの増幅(3)、及び無DNA対照(4)では、はるかに遅かった。最後に、DNAポリメラーゼ5’−3’エキソヌクレアーゼ(3’−5’エキソヌクレアーゼ活性をもたないもの)及びLionプローブIS−INVを用いて増幅した試料は、すべての場合で陰性であった。これは、pfuアッセイで得られたシグナルが、このエキソヌクレアーゼ活性の存在によるものであることを示す。
反対に、増幅産物のアガロースゲル分析は、LionプローブISで増幅したDNA変異体試料、及びLionプローブIS−INVで増幅したDNA変異体試料の両方が、pfu DNAポリメラーゼを用いた場合に陽性であり、すべての場合で、予測されたサイズ(220bp)の増幅バンドが現れることを示した。対照的に、pMTBを用いて増幅した試料、及び無DNA対照の試料は陰性であり、プライマー二量体に相当する低分子量のバンドが現れた。
得られた結果は、プライマーの3’末端にDNA基質との不対塩基を提示する二重標識プローブ(フッ化物及び遮断薬)を用いた蛍光シグナルの増幅及び生成に、pfu DNAポリメラーゼの3’−5’エキソヌクレアーゼ活性が効果的であることを確認するものである。しかし、この蛍光シグナルを生成させる場合、特定の標識の方向性が必須である。したがって、5’の位置にフッ化物を有し、3’の位置に遮断薬を有するプローブの使用は、増幅反応では有効であるが、蛍光シグナルの生成には有効でない。これは、pfuがその校正機能を行う際に、3’の位置から遮断薬を除去するが、増幅産物の5’末端には蛍光標識が組み込まれたまま残っており、そのDNA配列によって校正機能が阻止されるという事実によって説明できる。反対に、3’末端にフッ化物が結合し、5’末端に遮断薬が結合しているプローブを使用すると、pfuが校正機能を行い、フッ化物の直接放出が行われ、効果的な蛍光発光が可能となる。
無DNA試料で蛍光シグナルが生じたこと、そして、それに伴って、アガロースゲルでプライマー二量体バンドが観測されたことは、このシステムでpfuと組み合わせてプライマーとして使用されたプローブは、完全に異なった作用機作を提示するが、それらは、SYBR Green等のフッ化物挿入剤を用いて得られる結果に類似した結果を生み出すことを示唆する。これは、DNA基質の起源とは関係なく、プローブの3’末端における不対塩基でハイブリダイゼーションが起こるという条件で、pfuの3’−5’エキソヌクレアーゼ活性によって媒介された蛍光発光が有効となるからである。
(実施例2)
pfu DNAポリメラーゼを用いたリアルタイム増幅システムにおける、反応プライマーとして蛍光二重標識を有するオリゴヌクレオチド(Lionプローブ)を使用した場合、又はフッ化物挿入剤(SYBR Green)を使用した場合の蛍光発光効率の比較
プローブの3’末端に不対塩基を生成する基質の存在下で、反応プライマーとして蛍光二重標識プローブを使用し、pfu DNAポリメラーゼを用いたDNA増幅システムを使用すると、SYBR Green等のフッ化物挿入剤を用いた得た結果に類似した蛍光結果を生むことが、実施例1で観測されたので、両システムの比較測定を行った。
それを行うには、実施例1で使用された増幅システムに類似した、MTBの増幅システムを使用する。使用される基質及びプライマーDNA並びにプローブを以下に示す。
DNA基質
変異体2PF:LionプローブIS及びIS−INVとのハイブリダイゼーション領域の最後2塩基の変異。これは、両プライマーとハイブリダイズした際に、両プライマー3’末端最後の2塩基を不対にする。
増幅プライマー
以下のオリゴヌクレオチドが、増幅反応のプライマーとして用いられた。
LionプローブIS−INV(配列番号02)。蛍光二重標識プローブ(5’TAMRA−−−FAM3’)。変異体2PF配列基質の配列と部分的にハイブリダイズする。このプライマーは、基質とハイブリダイズした際に、その3’末端最後2塩基の不対形成を提示する。
プライマーISFOW(配列番号04:5’−CGCCAACTACGGTGTTTACGG−3’)。変異体2PF DNA基質のDNA配列と完全に(100%相同性)ハイブリダイズする順方向プライマー。
プライマーISREV(配列番号05:5’−CGACACATAGGTGAGGTCTGCTA−3’)。変異体2PF DNA基質のDNA配列と完全に(100%相同性)ハイブリダイズする逆方向プライマー。
以下に示す、2種類の二者択一の反応混合物を調製した。
LionプローブIS−INV及びpfu−DNAポリメラーゼを有する増幅混合物:Biotools Pfu DNAポリメラーゼキット(Biotools社)を用いて行った。最終反応体積20μlのこの混合物中には、0.1u/μlのPfu DNAポリメラーゼ、反応緩衝剤、dNTP混合物、LionプローブIS−INV(最終濃度0.3μM)、及びオリゴヌクレオチドISREV(最終濃度0.5mM)が含まれていた。
SYBR−Green及びpfu−DNAポリメラーゼを用いた増幅混合物:Biotools Pfu DNAポリメラーゼキット(Biotools社)を用いて行った。最終反応体積20μlのこの混合物中には、0.1u/μlのPfu DNAポリメラーゼ、反応緩衝剤、dNTP混合物、オリゴヌクレオチドISFOW(最終濃度0.5μM)、オリゴヌクレオチドISREV(最終濃度0.5mM)、及びSYBR Green I(Sigma−Aldrich社、米国ミズーリ州セントルイス所在)が含まれていた。
各混合物を用いて、系列希釈(無希釈DNA、並びに1/10、1/10、及び1/10希釈)及び無DNA対照の増幅をアッセイした。
増幅反応は、下記の増幅サイクルを用いて、SmartCycler II(Cepheid社)リアルタイム増幅システムで行った。
第1ステップでは、温度を95.0℃に360秒維持した。
第2のステップでは、下記のサイクルを45回反復した。
95.0℃の温度で5秒。
57.0℃の温度で5秒。
60.0℃の温度で40秒。
増幅反応過程は、60℃でのインキュベーションステップ中に行われた、各増幅サイクルでのFAMチンャネルにおける蛍光レベルの測定によって、リアルタイムでモニターした。同様に、増幅産物は、エチジウムブロマイドで染色された1.5%アガロースゲルで分析した。結果を図3A及び3Bに示す。
図3Aに示す通り、分析されたすべての試料は、LionプローブIS−INVの存在下で増幅させたもの、及び、SYBR Greenの存在下で増幅させたものの両方ともが陽性であった。しかし、蛍光シグナルの出現は、IS−INVプローブで増幅された試料(グラフの上半分)の方が、SYBR Green(グラフの下半分)で増幅された試料よりも早かった。したがって、LionプローブIS−INVで増幅された試料は、SYBR Greenの存在下で分析された同一試料と比較して、Ct値(閾値サイクル)が、平均して約6.155サイクル減少していた。一方、無DNA対照は、両アッセイで陽性であったが、LionプローブIS−INVで増幅された試料では、SYBR Greenで増幅された対照より2.35サイクル遅れて蛍光カーブが現れた。
表1の結果は、プローブIS−INVで増幅された試料で得られたCt値、及びSYBR Greenで得られたCt値を示す。
Figure 2008543300
プローブIS−INVで増幅された試料と比較した、SYBR Greenで増幅された試料におけるCt値の平均遅延は、分析された各希釈で得られたCt値の相違の算術平均として計算した。
平均遅延=[(A5−A1)+(A6−A2)+(A7−A3)]/3=5.46サイクル
各測定値の安全域は、無DNA対照のCT値と、分析された中で最も希釈率が高いもの(10−8希釈)のCt値との間の相違として計算した。
IS−INVプローブで増幅された試料の安全域:A4−A3=11.12サイクル
SYBR Greenを用いて分析した試料の安全域:A8−A7=3.04サイクル
図3Bに示す通り、1.5%のエチジウムブロマイド染色アガロースゲルにおける増幅産物の分析は、蛍光を発生させるのに用いられたシステム(LionプローブIS−INVか、SYBR Green Iか)に関係なく、増幅されたDNA試料全てに、予測されたサイズの増幅バンドが存在すること、及び無DNA対照ではバンドが存在しないことを確認した。
得られた結果は、pfu DNAポリメラーゼの存在下で二重標識プローブをプライマーとして使用すると、SYBR Green等のフッ化物挿入剤を用いて得られる結果に類似した結果を生じるが、新規の手法は、検出の感度、及び潜在的に特異性の両方を改善することを示す。したがって、蛍光の出現が最も早い値、及び得られた蛍光が最も高い値は、システムの感度がより良いことを示す。一方、増幅された試料のCT値の減少と、無DNA対照における蛍光シグナル出現の遅延との組合せは、SYBR Greenと比較した、所与のシグナルを検出するための安全域を増大させる。したがって、検出可能な最後の試料と、IS−INVプローブを用いた実験におけるプライマー二量体シグナルとの間にあるサイクル数の相違は11.8サイクルであり、それに対して、SYBR Greenを用いた増幅実験では3.3サイクルであった。
(実施例3)
蛍光標識されたssDNAプローブに対するpfuの3’−5’エキソヌクレアーゼ活性不在の確認
実施例1及び2でアッセイされたシステムで得られた蛍光シグナルが、pfuの3’−5’エキソヌクレアーゼ活性によって媒介された標識プローブに依存しない分解によるものではないことを保証する目的で、LionプローブIS−INVを用いたインキュベーションアッセイを、DNA基質の非存在下で、pfuを用いて行った。このために、以下に示す2種類の二者択一の反応混合物を調製した。
A.追加プライマー以外のすべての増幅試薬を有する反応混合物。したがって、インキュベーション混合物は以下の組成を有した:Biotools Pfu DNAポリメラーゼキット(Biotools社)を用いて行った。最終反応体積20μlのこの混合物中には、0.1u/μlのPfu DNAポリメラーゼ、反応緩衝剤、dNTP混合物、及びLionプローブIS−INV(最終濃度0.3μM)が含まれていた。
B.追加プライマー及びdNTP以外のすべての増幅試薬を有する反応混合物。したがって、インキュベーション混合物は以下の組成を提示する:Biotools Pfu DNAポリメラーゼキット(Biotools社)を用いて行った。最終反応体積20μlのこの混合物中には、0.1u/μlのPfu DNAポリメラーゼ、反応緩衝剤、及びLionプローブIS−INV(最終濃度0.3μM)が含まれていた。
両反応混合物における蛍光シグナルの生成は、DNA基質の非存在下で、2回繰り返してアッセイした。用いたインキュベーション条件は、増幅アッセイで用いたものと同一であった。したがって、増幅アッセイは、下記の温度サイクルを用いて、SmartCycler II(Cepheid社)リアルタイム増幅システムで行った。
第1ステップでは、温度を95.0℃に240秒維持した。
第2のステップでは、下記のサイクルを40回反復した。
95.0℃の温度で10秒
58.0℃の温度で20秒
68.0℃の温度で60秒
68℃でのインキュベーションそれぞれで、FAMチンャネルにおける蛍光レベルを、全過程にわたってモニターした。
図4に示す通り、インキュベーション過程中には、いかなる場合にも蛍光シグナルが得られず、これは、結果として、上記のアッセイ中に得られた蛍光シグナルは、上記の基質に依存しない機構における、pfu DNAポリメラーゼの3’−5’エキソヌクレアーゼ活性による、二重標識を有するssDNAプローブの分解によって引き起こされたものではないことを保証している。
(実施例4)
混入5’−3’エキソヌクレアーゼ活性の不在の実証
得られた結果の解釈に影響を与えるかもしれない、pfu DNAポリメラーゼ調製物中に潜在的に混入する5’−3’エキソヌクレアーゼ活性の完全な不在を確認するために、蛍光シグナルを生成するのに5’−3’エキソヌクレアーゼ活性の存在を必要とするTaqManプローブを用いた増幅/検出アッセイを行った。
この実施例で用いられる実験モデルは、ヒトサイトメガロウイルスポリメラーゼ(CMV)のコーディング領域における保存領域のTaqManプローブを用いた増幅及び検出システムである。使用された基質DNA及びプローブを以下に示す。
基質DNA
サイトメガロウイルスポリメラーゼ(CMV)のコーディング領域における350塩基対(bp)の保存断片をpBlueScriptプラスミドSK(+)にクローニングすることによって得られたプラスミド(pCMV)。
増幅プライマー及び蛍光プローブ
プライマーCMVF(配列番号06:5’−GATAGACACACACTGCAAA−3’)。前述のプラスミドpCMVにクローニングされた、CMVゲノムの領域と完全に(100%相同性)ハイブリダイズする順方向プライマー。
プライマーCMR(配列番号07:5’−GGTGGGACCTATTCGT−3’)。前述のプラスミドpCMVにクローニングされた、CMVゲノムの領域と完全に(100%相同性)ハイブリダイズする逆方向プライマー。
CMVプローブ(配列番号08:5’−TTCACACCTACGATCAGACGGA−3’)。前述したCMVF/CMVRプライマーの組合せで増幅された産物の内部領域と完全に(100%相同性)ハイブリダイズする二重蛍光標識化を有するTaqManプローブ(5’FAM−−−−TAMRA 3’)。
CMVF及びCMVRをプライマーとして用い、さらに、二重蛍光標識CMVプローブを有するTaqManプローブを検出システムとして含めて、プラスミドpCMV(5000〜50コピー/反応の範囲)の連続1/10希釈及び「無DNA」陰性対照を分析した。このプローブは、(Taqポリメラーゼのように)5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼの存在下では、Taqmanタイプの加水分解プローブとして機能する。増幅プライマー及び加水分解プローブは両方とも、分析されるDNA基質配列との完全なハイブリダイゼーションを提示する。増幅アッセイは、Biotools B&M Labs社製のDNAポリメラーゼ5’−3’エキソヌクレアーゼ酵素活性及びpfu DNAポリメラーゼ、並びにexo Taqポリメラーゼ活性(Clonetech社)を用いて平行して行われた。
反応混合物は以下の組成を有する。dNTP、プライマーCMVF(0.5μM)、プライマーCMVR(0.5μM)、及びプローブCMV(0.3μM)を含有する混合物。ポリメラーゼ活性に関しては、下記の通り、各実験で異なった酵素を添加した。すなわち、5’−3’エキソヌクレアーゼ+DNAポリメラーゼ(Biotools DNAポリメラーゼ)、TaqDNAポリメラーゼexo−(Titanium TaqDNAポリメラーゼ、Clontech社)、又はPfu DNAポリメラーゼ(Biotools社)である。すべての場合で、0.1u/μlの酵素を添加し、各酵素用の特別な緩衝剤で反応物を補完した。最終反応体積はすべての場合で20μlであった。
増幅反応は、下記の増幅サイクルを用いて、SmartCycler II(Cepheid社)リアルタイム増幅システムで行った。
第1ステップでは、温度を95.0℃に360秒維持した。
第2のステップでは、下記のサイクルを45回反復した。
95.0℃の温度で5秒
57.0℃の温度で5秒
60.0℃の温度で40秒
図5Aに示す通り、増幅反応の進展は、60℃でのインキュベーションステップ中に行われた、FAMチンャネルにおける各増幅サイクルでの蛍光レベルの測定によって、リアルタイムでモニターした。同様に、1.5%のエチジウムブロマイド染色アガロースゲルで増幅産物を分析し、図5Bに示す結果を得た。
蛍光シグナルは、DNAポリメラーゼ5’−3’エキソヌクレアーゼを用いて増幅された試料でのみ観察され、これとは対照的に、pfu又はTaq DNAポリメラーゼ Exo−を用いて増幅されたすべての試料が陰性であった(5)(図5A)。これらの結果は、増幅産物をアガロースゲルで分析することによって確認された。アガロースゲル分析では、DNAポリメラーゼ5’−3’エキソヌクレアーゼ+で処理された試料で、予測されたサイズの増幅バンドが観察され、pfu DNAポリメラーゼ又はTaq Exo−で処理された試料では、これらのバンドが完全に欠失していた(図5B)。
これらの結果は、両酵素でアッセイされた増幅システムにおける予測通りの挙動を確認するものである。
A.pfu DNAポリメラーゼで増幅された試料における蛍光シグナルの不在は、プローブが増幅プロセス中に分解したのではないことを示し、このようにしてアッセイされたpfuの調製物中に5’−3’エキソヌクレアーゼ活性が存在しないことが保証される。対照的に、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼで増幅された試料では、蛍光シグナルの生成が明らかに検出可能であった。
B.pfuで処理された試料における増幅バンドの不在は、使用された基質DNAと完全にハイブリダイズするプローブが、3’の位置にある塩基の分解を受けておらず、したがって、プローブのブロック(修飾)された末端が除去されておらず、それが増幅プライマーとして使用されるのを妨害していることを示す。一方、pfuは5’−3’エキソヌクレアーゼ活性も、鎖置換活性も提示しないので、増幅プライマーの間のプローブを除去することができず、したがって、これが増幅過程の遮断物として機能する。対照的に、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性が伸長過程中にプローブを除去し、増幅過程を可能にするので、DNAポリメラーゼ5’−3’エキソヌクレアーゼ酵素の増幅は、このシステムで可能である。
したがって、これらの結果から、pfu DNAポリメラーゼを用いた増幅システムにおける蛍光シグナルの生成が、残存する5’−3’エキソヌクレアーゼ活性の存在によるものではないことが保証される。
(実施例5)
液中ハイブリダイゼーション及び重合反応の非存在下における、二重蛍光標識を有するプローブ及びpfu DNAポリメラーゼ活性を用いた特定の核酸配列の検出アッセイ
pfuの3’−5’エキソヌクレアーゼ活性は、それに付随する重合反応が存在しなくても、核酸二本鎖分子3’末端の不対塩基に作用するので、この特性を用いて特異的な核酸検出システムを開発する可能性を、dNTPの非存在下で、二重標識プローブ(5’TAMRA−−−−FAM 3’)及びpfu DNAポリメラーゼ活性を用いてアッセイした。dNTPは、核酸新生鎖の伸長反応で基質として働きうる。
実験モデルとして、前述のMTB検出システムを用いた。以下の基質DNA及びプローブが使用された。
基質DNA
結核菌(MTB)のIS6110領域の335bp断片をpBlueScript SK(+)プラスミドにクローニングすることによって得られた対照プラスミド(pMTB−Control)。
前述の対照プラスミド(pMTB−Control)にクローニングされた、310bpの3つのIS6110領域変異体配列(遺伝子増幅産物)。
変異体1P:プライマーIS及びIS−INVとのハイブリダイゼーション領域最後の塩基における変異。これは、両プライマーとハイブリダイズした際に、両プライマーの3’末端に非連結の塩基を生成する(図1Bのハイブリダイゼーション図を参照)。
変異体1F:プライマーIS及びIS−INVとのハイブリダイゼーション領域最後の塩基における変異。これは、両プライマーとハイブリダイズした際に、両プライマーの3’末端に不対塩基を生成する(図1Cのハイブリダイゼーション図を参照)。
変異体2PF:プライマーIS及びIS−INVとのハイブリダイゼーション領域の最後2塩基の変異。これは、両プライマーとハイブリダイズした際に、両プライマー3’末端最後の2塩基に不対ヌクレオチドを生成する(図1Dのハイブリダイゼーション図を参照)。
検出プローブ
以下のオリゴヌクレオチドを検出プローブとして用いた。
LionプローブIS−INV(配列番号02)。プラスミド対照配列(pMTB−Control)と完全に(100%相同性)ハイブリダイズする、二重標識蛍光を備えたプローブ(5’TAMRA−−−−FAM 3’)。このプライマーは、変異体DNA 1P、1F、及び2PFとの不対塩基を3’末端に提示する。
核酸重合に依存しないこの検出システムの予測される作用機作は、核酸基質との塩基相補性によるプローブの結合にある。ハイブリダイゼーションが完全な場合、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性が機能せず、蛍光は放出されない。これは、対照プラスミドpMTB−controlを用いたアッセイの場合と同様であろう。対照的に、プラスミドの形成の際に、プローブの3’末端の塩基で不対形成が起きた場合、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性は、不対塩基を検出して、それらの塩基を分離し、蛍光発光を引き起こすであろう。これは、この実施例に含まれている各変異体のアッセイの場合と同様であろう。
このシステムが確実に機能するように、pfu 3’−5’エキソヌクレアーゼ活性の機能を実証した前述の実施例でアッセイされた反応緩衝剤を用いて、反応を実施する。同様に、この過程中に改変されていない新規なプローブによる、触媒されたプローブの置換を促進するために、PCTアッセイで用いられる温度サイクルに類似のものを適用して、プローブの変性及び基質DNAとのハイブリダイゼーションを可能にするであろう。
反応混合物の組成は以下の通りであった。0.1U/μlのpfu DNAポリメラーゼ(Biotools社)、LionプローブIS−INV(0.3μM)、及びpfuの特異的反応緩衝剤。反応の最終容積はすべての場合で20μlであった。
以下の温度サイクルを用いた。
初期測定5サイクル:
第1セクション:58℃で10秒、20℃/sの曲線
第2セクション:58℃で10秒、20℃/sの曲線
ハイブリダイゼーション30サイクル:
第1セクション:95℃で10秒、20℃/sの曲線
第2セクション:58℃で20秒、20℃/sの曲線
第3セクション:72℃で60秒、20℃/sの曲線
冷却、1サイクル
第1セグメント:40℃で600秒、20℃/sの曲線
アッセイ結果は、LightCyclerリアルタイム増幅システムでモニターした。
得られた結果は、理論的に予測されていた結果を確認するものである。図6は、pMTB−control試料(6)(プローブと基質との間の完全な対合)中、又は「無DNA」対照試料(7)中で、蛍光シグナルが増大しないことがどのように観測されるかを示す。対照的に、分析された変異体、すなわち変異体1F(8)、1P(9)、及び2PF(10)の試料では、有意な蛍光の増大が観測された。同様に、アッセイされた変異体のタイプに応じて、異なった収率の蛍光シグナルが観測された。すなわち、最大レベルの蛍光は、変異体試料1P(9)(プローブ3’末端の最後から2番目の塩基が不対形成する)及び変異体2PF(10)(プローブ3’末端最後の2塩基が不対形成する)をアッセイすることによって得られた。対照的に、変異体1F(8)(プローブ3’末端最後の塩基が不対形成する)は、有意な増大を示したが、それは、前述の2つの場合より小さいものであった。
得られた結果は、3’−5’エキソヌクレアーゼ校正活性の存在下で、核酸の重合機構に依存せずに、核酸基質をハイブリダイズした際に3’末端に不対塩基を提示する二重蛍光標識(5’遮断薬−−−−3’フッ化物)を備えたLion型プローブを使用して、液体ハイブリダイゼーションシステム中の特定の核酸配列を検出するこのシステムの機能性を示すものである。
(実施例6)
CMV−INV−Blockをプローブとして用いたアッセイ
実施例1及び2で得られた結果は、3’−5’エキソヌクレアーゼ校正活性を有するDNAポリメラーゼを用いた遺伝子増幅システム、及びプローブの3’末端が、同定されるDNA基質との正確な不対塩基を提示するシステムで、二重蛍光標識(好ましくは、5’の位置にクエンチャーを有し、3’の位置にフッ化物を有する)を備えたプローブを使用して、特定の核酸配列を検出できる可能性を示すものである。
これらの条件で、プライマーと基質とのハイブリダイゼーションが起こると、DNAポリメラーゼは、プライマー3’末端の不対塩基を認識し、3’−5’ヌクレアーゼ活性によって、フッ化物を有する不対塩基を分離する。この時点で、フッ化物とクエンチャーとが分離するので、蛍光が放出される。
しかし、このシステムでは、不対塩基が3’−5’エキソヌクレアーゼの作用で除去された際に、プライマーが新規DNA鎖伸長のプライミングを行う用意ができるので、二重標識されたフッ化物は、同定プローブとして、そして増幅プライマーとしても機能する。実施例2で得られた結果に示されているように、これらの特徴を有するシステムを用いることによって、SYBR Green等のフッ化物挿入剤を用いて得られたものと同様な情報が得られる。したがって、基質に関連した配列の非特異的な増幅、又はプライマー二量体の形成によって、非特異的なシグナルが生成しうる。しかし、実施例2に示した通り、プライマー二量体の生成による非特異的なシグナルの生成は、SYBR Greenで得られるものより遅くに起こり、増幅反応のプライマーとして機能しないプローブを用いて、3’−5’ヌクレアーゼ活性を用いたシグナル生成システムを使用することによって、検出の特異性を増強することができる。
この実施例は、以下の構造を有するシグナルを生成するのに、二重蛍光標識プローブを用いるリアルタイム増幅法について記載する。A)同定される配列と完全に(100%相同性)ハイブリダイズする20ヌクレオチドの配列;B)上記オリゴヌクレオチド配列の3’に位置するスペーサー(dS);C)2種類の蛍光標識(クエンチャー及びレポーター)を含有し、検出される配列とハイブリダイズしない3ヌクレオチドの配列。
以下の基質DNA及びオリゴヌクレオチドを使用する。
基質DNA
サイトメガロウイルスポリメラーゼ(CMV)のコーディング領域における350塩基対(bp)の保存断片をpBlueScript SK(+)プラスミドにクローニングすることによって得られたプラスミド(pCMV)。
増幅プライマー及び蛍光プローブ
プライマーCMVF(配列番号06)。プラスミドpCMV及びpMUT−CMVにクローニングされた、CMVゲノムの領域と完全に(100%相同性)ハイブリダイズする順方向プライマー。このプライマーは、DNA合成のオリゴヌクレオチドプライマーとして機能する。
プライマーCMVR(配列番号07)。プラスミドpCMV及びpMUT−CMVにクローニングされた、CMVゲノムの領域を完全に(100%相同性)ハイブリダイズする逆方向プライマー。このプライマーは、DNA合成のオリゴヌクレオチドプライマーとして機能する。
CMV−INV−Blokプローブ(配列番号08:5’−TCCGTCTGATCGTAGGTGTGAATAA−dsスペーサー−−(TAMRA)tt(FAM)−3’)。二重蛍光標識5’TAMRA−−−−FAM 3’)を備え、以下の構造を有するプローブ。A)同定される配列と完全に(100%相同性)ハイブリダイズする20ヌクレオチドの配列;B)上記オリゴヌクレオチド配列の3’に位置するスペーサー(dS);C)2種類の蛍光標識(クエンチャー及びレポーター)を含有し、検出される配列とハイブリダイズしない3ヌクレオチドの配列。このプローブは、前述したプライマーCMVF/CMVRの組合せによって増幅された産物の内部領域とハイブリダイズする。
pfu DNAポリメラーゼ及び5’−3’エキソヌクレアーゼDNAポリメラーゼの混合物をポリメラーゼ活性の供給源として用いて、プラスミドpCMVの1/10系列希釈の増幅反応をアッセイした。アッセイを行った濃度範囲は、50〜50000コピーのプラスミド/反応である。反応混合物の組成は以下の通りであった。0.1 U/μlの5’−3’エキソヌクレアーゼDNAポリメラーゼ、0.1U/mlのpfu DNA ポリメラーゼ、dNTP混合物、プライマーCMVR(最終濃度0.5μM)、プライマーCMVF(最終濃度0.5μM)、プローブCMV−INV−Block(最終濃度0.5μM)、及び反応緩衝剤(Certampキット、Biotools社)、すべての場合で最終反応体積は20μl。
DNAポリメラーゼpfu活性又はDNAポリメラーゼ5’−3’エキソヌクレアーゼ活性のいずれかを用いて同時に行った、プラスミドpCMVの連続1/10希釈(範囲;50〜50000コピー/反応)の2つの増幅反応を対照として用いた。
pfu DNAポリメラーゼを有する反応混合物は以下の通りであった。Biotools Pfu DNAポリメラーゼキット(Biotools社)を用いて行った。最終反応体積20μlのこの混合物中には、0.1u/μlのPfu DNAポリメラーゼ、反応緩衝剤、dNTP混合物、プライマーCMVR(最終濃度0.5μM)、プライマーCMVF(最終濃度0.5μM)、プローブCMV−INV−Block(最終濃度0.5μM)が組み込まれていた。
DNAポリメラーゼ5’−3’エキソヌクレアーゼを有する反応混合物は以下の通りであった。0.1U/ml DNAポリメラーゼ5’−3’エキソヌクレアーゼ(Biotools DNAポリメラーゼ)、反応緩衝剤、dNTP混合物、プライマーCMVR(最終濃度0.5μM)、プライマーCMVF(最終濃度0.5μM)、プローブCMV−INV−Bloack(最終濃度0.5μM)、及び反応緩衝剤(Certampキット、Biotools社)、最終反応体積20μl。
増幅反応は、下記の増幅サイクルを用いて、SmartCycler II(Cepheid社)リアルタイム増幅システムで行った。
第1ステップでは、温度を95.0℃に360秒維持した。
第2のステップでは、下記のサイクルを45回反復した。
95.0℃の温度で5秒。
57.0℃の温度で5秒
60.0℃の温度で40秒
増幅反応の経過は、各増幅サイクルでのFAMチンャネルにおける蛍光レベルを測定することによって、リアルタイムでモニターした。同様に、1.5%のエチジウムブロマイド染色アガロースゲルで増幅産物を分析した。
これらのアッセイで得られた結果を表2に示す。
Figure 2008543300
すべての場合で、陽性の結果がアガロースゲルで得られた。得られたバンドの長さは335bpであったが、これは、CMVF/CMVRプライマー対によって増幅された断片に相当する。いかなる場合でも、CMV−INV−Blokプローブ/CMVRプライマー対の増幅産物と同じサイズの増幅バンドは観察されなかった。これらの結果は、3ヌクレオチドの不対尾部を有するオリゴヌクレオチドCMV−INV−Blockの構造、及びFAM基の結合による3’末端のブロック(修飾)が、正しく増幅反応を遮断していたことを確認する。
DNAポリメラーゼ5’−3’エキソヌクレアーゼを用いて得られた結果(分析された基質に関係なく、ゲルでは陽性かつ蛍光では陰性)は、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性によって、この活性が結合したプローブを除去できることを示している。しかし、この活性は、プローブの3’に位置する不対ヌクレオチド尾部の完全性には影響を与えず、したがって、蛍光シグナルを生成しない。
pfu DNAポリメラーゼを用いて得られた結果は、校正活性の対象となったCMV−INV−BlokプローブによってプライミングされたDNA伸長反応が、スペーサーdsの存在によって遮断されたことを示しているようである。同様に、プライマーCMVF/CMVRによって媒介されたバンド増幅の不在は、この鎖置換活性が欠失しているための、CMV−INV−Blokプローブの挿入による、pfu媒介の増幅反応の遮断を示すものであろう。これらの結果は、実施例4で得られた結果に類似している。実施例4では、TaqManプローブが挿入された際に、pfu媒介の増幅反応の阻害も観察されている。
DNAポリメラーゼ5’−3’エキソヌクレアーゼとpfu DNAポリメラーゼとを併せた活性を用いて得られた結果は、このシステムが正しく機能していることを確認する。したがって、アガロースゲルで陽性が観察されたことは、基質とハイブリダイズした、プローブの領域を分解し、断片が増幅されるのを可能にする、DNAポリメラーゼ5’−3’エキソヌクレアーゼ活性の能力を確認する。最後に、増幅反応に伴って、pfu DNAポリメラーゼの3’−5’ヌクレアーゼ校正活性の結果として、蛍光シグナルが得られた。
得られた結果は、スペーサーによって分離された2つの異なる領域を有するヌクレオチドの使用を確認する。それらのうち1つは、5’−3’ヌクレアーゼ活性による分解を受ける基質DNAに結合するのに使用され、もう一方は、3’−5’ヌクレアーゼ活性によって分解することのできる2つの蛍光標識が局在する、オリゴヌクレオチドの3’領域に位置し、DNAポリメラーゼ5’−3’エキソヌクレアーゼ及びpfu DNAポリメラーゼ活性の組合せの存在下で行われる遺伝子増幅反応の純粋な検出プローブとして機能する。
本発明の本質は、非限定的に記述されており、構成要素の材質、形態、大きさ、又は配置を変えることによって影響を受けないであろう。本明細書は、当業者が本発明の目的を再現するのを可能にするのに役立つ。

Claims (30)

  1. 測定可能なシグナルの直接的な生成を介して、核酸、DNA又はRNAを検出する方法であって、
    核酸基質にハイブリダイズできる少なくとも1つのオリゴヌクレオチドと共に、3’−5’ヌクレアーゼ活性を有する酵素が前記核酸基質に接触したとき、前記3’−5’ヌクレアーゼ活性を有する酵素の活性によって、前記シグナルは生成され、
    前記オリゴヌクレオチド鎖の3’末端又はその隣接塩基のところで、1つ又は複数の塩基は不対状態であり、
    それらは、前記酵素3’−5’ヌクレアーゼの活性によって分離し、
    前記測定可能なシグナルを生成する、
    方法。
  2. 前記オリゴヌクレオチドは、その鎖上の任意の位置にある少なくとも1つの塩基が標識されている、請求項1に記載の検出方法。
  3. 前記オリゴヌクレオチドは、その3’末端又はそれに隣接している塩基が標識されている、請求項2に記載の方法。
  4. 前記オリゴヌクレオチドの両末端である3’末端と5’末端とが標識されている、請求項2に記載の方法。
  5. フッ化物で標識されている、請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記5’末端は、フッ化物クエンチャーで標識され、前記3’末端は、フッ化物レポーターで標識されている、請求項4に記載の方法。
  7. 前記酵素、前記オリゴヌクレオチド、及び前記核酸基質は、水溶液中にある、請求項1に記載の方法。
  8. 前記オリゴヌクレオチドは、固体支持体に結合している、請求項1に記載の方法。
  9. 前記核酸基質は、固体支持体に結合している、請求項1に記載の方法。
  10. 前記核酸基質は、その前の遺伝子増幅ステップであるin vitro転写(cDNA)又は等温増幅によって生成されたDNA鎖である、請求項1に記載の方法。
  11. 前記核酸基質は、動物又は植物の生体試料、細胞培養物、食品、又は水、土、若しくは空気の試料に由来するものである、請求項1に記載の方法。
  12. プライマー伸長システム、PCRシステム、又は等温増幅システム等の核酸増幅システムに連結して実施される、請求項1に記載の方法。
  13. 前記PCRシステムは、リアルタイムPCRシステムである、請求項12に記載の方法。
  14. 1塩基が異なる核酸配列を検出し、識別するために使用する方法であって、
    3’末端に対象とする変異を有するオリゴヌクレオチドを用いて、
    前記核酸基質に変異がある場合に検出可能なシグナルを生成する、
    請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. コドンをコードする核酸中の変異の存在を検出するのに使用される方法であって、
    前記オリゴヌクレオチドは、その3’末端に分析されるべきコドンを有し、
    前記核酸がこのコドン中に変異を提示している場合に検出可能なシグナルを生成する、
    請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  16. ヌクレオチドとポリメラーゼ活性を有する酵素との混合物の存在下で、前記シグナルの生成に使用される1種又は複数種の前記オリゴヌクレオチドが、前記シグナルの生成と同時に核酸の伸長が起こるように前記核酸基質とハイブリダイズする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  17. ヌクレオチド、ポリメラーゼ活性を有する酵素、鎖置換活性及び/又は5’−3’ヌクレアーゼ活性を有する酵素、並びに少なくとも2種のプライマー、の混合物の存在下で、前記オリゴヌクレオチドは、対象となる前記核酸に結合し、伸長反応のプライマーとして作用することなく、前記3’−5’ヌクレアーゼ活性によって前記シグナルを生成するためのプローブとして機能する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記ポリメラーゼ活性を有する酵素は、校正3’−5’ヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼである、請求項16又は17に記載の方法。
  19. 前記校正3’−5’ヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼは、熱安定性である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記オリゴヌクレオチドは、その塩基の結合位置を前記3’−5’ヌクレアーゼ活性から保護するために、その塩基の結合が非ホスホジエステル結合又はスペーサーの包含によって修飾されている、請求項15に記載の方法。
  21. 前記オリゴヌクレオチドは、特定の位置での加水分解から保護するために、その3’末端が修飾されている、請求項20に記載の方法。
  22. 前記オリゴヌクレオチドは、鎖置換活性を有するポリメラーゼの前記5’−3−ヌクレアーゼ活性を阻止するための修飾がされている、請求項17に記載の方法。
  23. 前記オリゴヌクレオチドは、前記伸長反応を阻止するために、その3’末端が修飾されている、請求項17に記載の方法。
  24. ハイブリダイゼーションシステムは、重合反応の非存在下、少なくとも1回のハイブリダイゼーション/触媒反応で行われる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記ハイブリダイゼーション/触媒反応は、システムの中で、リアルタイムでモニターされる、請求項24に記載の方法。
  26. 試料中の核酸の配列を決定するキットであって、
    少なくとも、決定される前記核酸の配列に相補的な配列を含み、かつ、その3’末端に1つ又は複数の非相補的な塩基を有するオリゴヌクレオチドと、
    3’−5’ヌクレアーゼ校正活性を有するポリメラーゼ酵素と、
    を少なくとも含む、キット。
  27. 前記核酸に対する少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーを含む、請求項26に記載のキット。
  28. 前記オリゴヌクレオチドは、その3’末端がブロックされている、請求項26に記載のキット。
  29. 前記オリゴヌクレオチドは、その3’末端がフッ化物レポーターで標識され、その5’末端がフッ化物クエンチャーで標識されている、請求項26に記載のキット。
  30. デオキシヌクレオチドを含む、請求項26に記載のキット。
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