JP2008540200A - 家具類を移動させる自己操向キャスタ - Google Patents

Abstract

【構成】自己操向キャスタは、少なくとも１個の車輪（３）を備え、この車輪がシャフト（５）上にて回転可能であり、このシャフトがサポート（２）の座を介して水平方向に駆動され、サポート（２）には上方に向けて開口し且つ前記シャフトに対して軸線方向にオフセットした鉛直な凹所（４）が備えられ、この凹所内にてキャスタ旋回ピボット（５）が回転し、このピボットは、第１部分（６）及び家具の座内に挿入可能な第２部分（７）を備え、この第２部分（７）が肩（１３）を形成するように縮径されたエンドステム（１２）を有し、このステム（１２）上にて軸線方向に固定されたブッシュ（１６）が肩（１３）とともに環状溝（１７）を形成し、この環状溝（１７）が軸線方向に遊びを存することなく弾性のリング（１８）を収容し、このリングが拡開して凹所（４）の壁を押し付けている。
【選択図】図１

Description

本発明は、家具類を移動させる自己操向キャスタに関する。

特に、２つの車輪を備えていて、これら車輪がシャフトの回りを回転可能に取り付けられているような所謂、ツインタイプの自己操向キャスタは公知である。シャフトは座内に支持され、この座は支持構造内にて形成されている。支持構造は車輪の間にあって、しばしば一種の半円筒状のハウジングを有しており、このハウジングは車輪の上部域を覆っている。

支持構造内には鉛直な円筒状の凹所が形成され、この凹所は上方に向けて開口し、シャフトに対して軸線方向にオフセットしている。凹所は、キャスタの自己操向（旋回）させる鉛直なピボットのための回転座として働き、ピボットは車輪が取り付けられるべき家具の座内に挿入して保持される。

上述したタイプの自己操向キャスタは、特にキャスタが粗い面上を走行するときや、又、ピポットを受け入れるための家具の座が金属ボディ内に形成されるとき、キャスタの自己操向をなすピポットがしばしば過度にして不快なノイズを発生させる不具合を有する。この不具合は径方向アームを有する金属の台座を備え、径方向アームの端にキャスタが取り付けられる椅子や肘掛け椅子に特に見られる。このような不具合は、台座の各凹所内でのピポットの遊びを避けることができないため、新品のキャスタであっても発生し、使用により遊びが必然的に増加すれば増大する。

本発明の目的は、現時点にて、商業的に入手可能なキャスタの構造に対して実質的な変更を伴うことのない簡単且つ有効の解決策を提供し、公知の自己操向キャスタの上述した不具合を無くすことにある。

上記の目的は、少なくとも１個の車輪を備え、この車輪がシャフト上にて回転可能であり、このシャフトがサポートの座を介して水平方向に駆動され、サポートには鉛直且つ円筒状の凹所が備えられ、この凹所が上方に向けて開口するとともにシャフトに対して軸線方向にオフセットしており、凹所内にてキャスタを旋回させるピボットが第１部分にて回転可能であるとともに、キャスタが取り付けられるべき家具の座内に挿入可能な第２部分を備える自己操向キャスタにより達成され、このキャスタは、第２部分が肩を形成するように縮径されたエンドステムを有し、このステム上にて軸線方向に固定されたブッシュが肩とともに環状溝を形成し、この環状溝が軸線方向に遊びを存することなく、弾性のリングを収容し、このリングが拡開して凹所の壁を押し付けることによって特徴付けられる。

本発明の更なる特徴及び利点は、添付図面に限定を意図せずに図示され且つ好適ではあるが制約されないキャスタの実施例の詳細な説明からより明らかになる。

発明の革新的な自己操向ツインキャスタの斜視図である。 図１のキャスタの側面図である。 図１のキャスタの正面図である。 図１のキャスタの平面図である。 キャスタを旋回させるピポットを示す図である。 図５のピポットの分解図である。 図５のピボットの断面図である。 図５のピポットの軸線方向からみた図である。 他の実施例におけるピボットの斜視図である。 図９のピボットの分解図である。 ピポットにおける端部の断面図である。

図１〜図８を参照すれば、参照符号１は自己操向型の一般的なツインキャスタを示す。このキャスタは２つの車輪３のための支持構造２を含む。これら車輪３は共通のシャフトＳの回りを回転可能であって、水平軸線Ａを有し、そして、支持構造２の座面を介して駆動される。
支持構造２はプラスチック又は金属からなり、凹所４を有する。この凹所４は車輪３の間に鉛直軸線を有し、ピボット５を収容している。このピボット５により、キャスタは家具、例えば、複数の径方向アームを有する台座を備えた椅子に旋回可能に取り付けられ、径方向アームの端にキャスタを取り付けるための座が備えられている。

図５〜図８からより明らかなように、キャスタを旋回させるピボット５は構造的に円筒状をなして下部６及び上部８を有し、これらは環状フランジ８によって互いに離れている。下部６には環状溝９が形成され、下部６の端に円錐状のキャビティ１０が形成されている。
下部６は凹所４内に挿入され、この凹所４内にピボット５を軸線方向に保持するための内部カラーが設けられており、この内部カラーは圧入によりスロット９に係合している。好ましくは、凹所４の底に鋼製のボール（図示しない）が配置されており、このボールは凹面１０に係合することで、キャスタにかかる負荷の支持点として働く。

ピボット５の上部７は、環状フランジ８に近接し且つ環状フランジ８に向けて広がる円錐状の接続域１１と、縮径された領域とを備えており、この領域はエンドステム１２を形成する。エンドステム１２は肩１３によって上部７の残部から離れている。更に、ステム１２の自由端には有底孔１４が軸線方向に形成され、この有底孔１４は環状のリップ１５により囲まれている。

ステム１２にはプラスチック材料のブッシュ１６が嵌め合わされており、このブッシュ１６は、ステム１２に配置されたとき、肩１３とともに環状溝１７を形成する長さを有する。この環状溝１７には、開いた金属の弾性（即ち、弾性的に拡開する）リング１８が配置されており、このリング１８は断面円形をなし、拡開状態にて、上部７の直径よりも僅かに大きな外径及びステム１２の直径に少なくとも等しい内径を有する。

リング１８は環状溝１７内にてブッシュ１６によってロックされ、そして、リップ１５の外側への折込みにより得られる環状縁にてステム１２に保持される。ブッシュ１６はステム１２に僅かに干渉して取り付けられており、この位置はピボット５が家具（椅子）の座に挿入されたとき、リング１８が環状溝１７内にて軸線方向の遊びを有さず、同時にピボット５上にて径方向に閉じることができるように設定されている。

好適には、ステム１２上でのブッシュ１６のロックはリップ１５によってもたらされる保持作用によって助けられ、これより、長期に亘って使用され且つ不適当な使用状態にあっても、キャスタのノイズを有効に減少させる。
リング１８のノイズ減少作用が径方向及び軸線方向の両方にて生じることに留意すべきである。ピボット５が家具（椅子）の座に挿入されると、リング１８は、その大きな径寸法により、座の壁に押し付けられ、これにより、キャスタによりピボット５から台座に伝達される横方向の振動を抑制する。同時に、このことは、本発明の革新的概念の基本的特徴であり、リング１８上での軸線方向に実行されるロック作用により（リング１８は肩１３に対してリップ１５によりロックされる）、ブッシュ１６はその軸線方向の動きを阻止し、この結果、振動の発生を阻止する。

実用上の実施例において、発明はその発明の概念の範囲内にて、種々の改良及び変形が可能である。例えば、弾性のリング１８は、正方形、矩形又は楕円の断面形状を有することができる。好適には、弾性のリング１８は互いに軸線方向にオフセットした両端（ギャップを形成する）を有し、これにより、リング１８が環状溝１７内に挿入されると、リング１８の一端がブッシュ１２に対して押し付けられ、その他端は肩１３に押し付けられる。

図９〜図１１は、キャスタの他の実施例を示す。この実施例において、ステム１２は有底孔１４を備えておらず、ブッシュ１６を保持するリップ１５はステム１２の外縁に頭を付けることで得られ、これにより、ステム１２から外側に突出してカラーが形成され、そして、ブッシュ１６に軸線方向に作用することで、リング１８を圧縮状態に維持する。

Claims (6)

1. 少なくとも１個の車輪（３）を備え、この車輪がシャフト（５）上にて回転可能であり、このシャフトがサポート（２）の座を介して水平方向に駆動され、サポート（２）には鉛直且つ円筒状の凹所（４）が備えられ、この凹所が上方に向けて開口するとともに前記シャフトに対して軸線方向にオフセットしており、凹所内にてキャスタ（１）を旋回させるピボット（５）が第１部分（６）にて回転可能であるとともに、キャスタが取り付けられるべき家具の座内に挿入可能な第２部分（７）を備えている、自己操向キャスタにおいて、
   前記第２部分（７）は肩（１３）を形成するように縮径されたエンドステム（１２）を有し、このステム（１２）上にて軸線方向に固定されたブッシュ（１６）が肩（１３）とともに環状溝（１７）を形成し、この環状溝（１７）が軸線方向に遊びを存することなく、弾性のリング（１８）を収容し、このリングが拡開して前記凹所（４）の壁を押し付けることを特徴とする自己操向キャスタ。
2. 前記ブッシュ（１６）は前記ステム（１２）上にて環状のリップ（１５）によって軸線方向に固定され、前記リップが前記ステム（１２）の端部に頭付けすることにより得られていることを特徴とする請求項１に記載の自己操向キャスタ。
3. 前記ブッシュ（１６）はプラスチック材料からなることを特徴とする請求項１又は２に記載の自己操向キャスタ。
4. 前記弾性のリング（１８）は円形、四角形又は楕円の断面形状を有する請求項１〜３の何れかに記載の自己操向キャスタ。
5. 前記環状のリップ（１５）は、有底孔（１４）によって形成され、この有底孔は前記ステム（１２）の端部に軸線方向に形成され、前記リップ（１５）は外側への頭付けにより折り込まれていることを特徴とする請求項２〜４の何れかに記載の自己操向キャスタ。
6. 前記環状のリップ（１５）は、前記ブッシュ（１６）のための当接カラーを形成すべく、前記ステム（１２）における端部の外縁に軸線方向の頭付けをして形成されていることを特徴とする請求項２〜４の何れかに記載の自己操向キャスタ。

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