JP2008539118A - 離・着陸時における低騒音の航空機 - Google Patents

離・着陸時における低騒音の航空機 Download PDF

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Abstract

本発明は離陸時および着陸時における低騒音の航空機に関するものである。本発明によれば、その航空機は、逆後退角(φ)を有し、エンジンを支持しない２枚の主翼(２，３)と、少なくとも２枚の垂直安定板(５，６)から成り胴体(４)の後方部分(７)と共に、後部に配置される通路(８)を形成する後部垂直尾翼ユニットと、胴体(４)の後部に配置される少なくとも一つのターボシャフトエンジン(９，10)とからなり、このターボシャフトエンジン(９，10)によって発生したガス流が前記通路(８)に流入し、そのターボシャフトエンジン(９，10)の下流側への騒音が前記通路(８)によって側方および下方で遮断される。主翼(２，３)の根元部分(11，12)は、ターボシャフトエンジン(９，10)の空気取入れ口(15，16)の近辺に配置され、それにより発生した上流側への騒音は前記主翼(２，３)によって側方および下方で遮断される。
【選択図】 図１

Description

本発明は、離陸時および着陸時における低騒音の航空機に関するものである。
従来、たとえば、米国特許第Ａ−３,９３６,０１７号では、以下に示す構成の航空機がよく知られている。
すなわち、
胴体と、
前記胴体の側方に配置されエンジンを支持していない２枚の主翼と、
少なくとも２枚の垂直安定板によって構成され、前記胴体の後部と共に、その後部に配置される通路(チャネル)を形成する後部垂直尾翼ユニットと、
前記胴体後部に配置された少なくとも１つのターボシャフトエンジンであって、このターボシャフトエンジンより発生したガス流が前記通路に流入するものである。
このように後部尾翼ユニットを通路を形成する形状に設計し、ターボシャフトエンジンをその通路の入口付近に配置した場合には、下流側への騒音をかなり低減することが可能である。(つまり、本質的には、ターボシャフトエンジンの回転部分後部に向かって発生した騒音と燃焼による騒音である。)なぜならば、下流側への騒音はその通路によって引き込まれ、通路に沿って、胴体から上方に離れて排出されるからであり、それはつまり、客室内後部にいる乗客からも、ましてや空港近辺の居住者からも離れて排出されるということである。ターボシャフトエンジンによって発生した下流側への騒音は、このように音響遮断スクリーンを構成する胴体の後部尾翼ユニットによって遮断される。
米国特許第Ａ−３,９３６,０１７号
上流側への騒音(つまり本質的には、ターボシャフトエンジンのファンによって発生した前方への騒音)の低減に対しては、米国特許第Ａ−３,９３６,０１７号では、一方では、前方向にターボシャフトエンジンの収容部を大きく引き伸ばすことを、他方では、航空機の翼と前記ターボシャフトエンジンの間に可動フラップを配置することを提供している。このように、上流側への前記騒音に対してスクリーンを形成するために、前記翼は前記可動式フラップに連携している。
そのような配置は特に複雑であり、その上、前記ターボシャフトエンジンの収容部は、過大な方法で延伸されると航空機の空気動力とターボシャフトエンジンの性能を損ねるため、(機体の)短い航空機にしか用いられないということが分かるであろう。
本発明の目的は、これらのデメリットを克服し、特に離着陸時において、(機体の)とても長い航空機であっても、単純かつ効果的な方法で、上流側への騒音の軽減を可能にすることである。
この目的のために、本発明によると、
−胴体と、
−前記胴体の側方に配置され、エンジンを支持していない２枚の主翼と、
−少なくとも２枚の垂直安定板によって構成され、前記胴体の後方部分と共に、胴体後部に配置される通路を形成する後部垂直尾翼ユニットと、
−前記胴体の後部に配置された、少なくとも１つのターボシャフトエンジンとから成り、前記ターボシャフトエンジンによって発生したガス流が前記通路に流入し、前記ターボシャフトエンジンの、下流側への騒音が、前記通路によって側方および上方で遮断される航空機において、
−前記翼は逆後退角を有すること、および、
−前記翼の根元部分が前記ターボシャフトエンジンの空気取入れ口の近辺に配置され、ターボシャフトエンジンより発生した、上流側への騒音が前記翼によって側方および上方で遮断されることを特徴とする。
本発明は、主翼は逆後退角を有しているので、(特に、航空機の重力の中心に対する空気力学的中心に関して)良好な飛行を保っている間、胴体に沿って前記翼を十分に後ろに移動させ、ターボシャフトエンジンの、上流側への前記騒音を遮断することは可能であるという事実に基づいている。
さらに、その主翼の逆後退角ゆえに、特に層流技法を利用することによって、航空機が素晴らしい飛行性能を発揮するということを特徴としている。
添付の図によって、本発明がいかに具体化されるかよく理解されるだろう。これらの図では、同一符号は同一要素を示している。
図１および２に略示されている本発明による航空機１は、胴体４の長手方向軸Ｌ−Ｌに対して側方に対称的に配置された２枚の主翼２および３を備える。
航空機１の後部垂直尾翼ユニットは２枚の垂直安定板５および６から成り、これらは本航空機の水平尾翼ユニットを備える、胴体４の後方部分７と共に、上記航空機後部に配置される通路８を形成する。通路８は上方に向かって開いているが、(前記後方部分７によって)下方が、また側方は(垂直安定板５および６によって)閉じられている。
２つのターボシャフトエンジン９および１０は胴体４の後部によって支持され、前記ターボシャフトエンジンによって発生したガス流が前記通路８に流入するようになされている。このように、この通路８は音響遮断スクリーンとしての役割を果たし、よって、ターボシャフトエンジン９および１０によって発生した、下流側への騒音を下方および側方において減少させる。
更に、主翼２および３は逆後退角φを有し、(つまり、それらの自由端１１および１２は、胴体４のそれらの翼付け根部分１３および１４よりもさらに前方にあるということである。)前記翼付け根部分１３および１４は、ターボシャフトエンジン９および１０の空気取入れ口１５および１６の近辺に配置されるように、胴体４に対し後方部分を占有する。このような状況で、ターボシャフトエンジン９および１０によって発生した、上流側への騒音は、翼２および３によって側方および下方で遮断される。
このように、上記の配置によって、ターボシャフトエンジン９および１０の下流側への騒音と上流側への騒音が、尾翼ユニット５、６、７および主翼２、３によってそれぞれ遮断されるため、航空機１は、とりわけ離陸時と着陸時に特に静かになる。さらに、前記主翼の逆後退角により、航空機の巡航飛行性能は優れている。
本発明による航空機の後ろおよび上から見た斜視図である。 図１に示す航空機の平面図である。
符号の説明
１…航空機、２・３…主翼、５・６…垂直安定板、φ…逆後退角、４…胴体、７…胴体の後方部分、８…通路、９・１０…ターボシャフトエンジン、１１・１２…主翼の根元部分、１５・１６…ターボシャフトエンジン空気取入れ口。

Claims (1)

  1. 胴体(４)と、
    前記胴体(４)の側方に配置され、エンジンを支持していない２枚の主翼(２，３)と、
    少なくとも２枚の垂直安定板(５，６)から成り、前記胴体(４)の後方部分(７)と共に、後部に配置される通路(８)を形成する後部垂直尾翼ユニットと、
    前記胴体(４)の後部に配置された、少なくとも１つのターボシャフトエンジン(９，10)とから成り、
    これらターボシャフトエンジン（９，10）より発生したガス流が前記通路(８)に流入し、そのターボシャフトエンジン(９，10)の下流側への騒音が前記通路(８)によって側方および下方において遮断される航空機において、
    前記翼(２，３)が逆後退角(φ)を有し、
    前記翼(２，３)の根元部分(13，14)が、前記ターボシャフトエンジン(９，10)の空気取入れ口(15，16)の近辺に配置され、ターボシャフトエンジン(９，10)より発生した、上流側への騒音が前記主翼(２，３)によって、側方および下方で遮断されることを特徴とするもの。
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