JP2008535873A - 皮膚の結合組織病を治療するためのβ−2アドレナリン受容体作動薬 - Google Patents

皮膚の結合組織病を治療するためのβ−2アドレナリン受容体作動薬 Download PDF

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Abstract

本発明は、皮膚の結合組織病の治療のための、特に皮膚型エリテマトーデスの治療に関する有効かつ安全な薬物を提供する。該薬物は、治療的有効成分としてβ2-アドレナリン受容体作動薬を含む。本発明はさらに、β2-アドレナリン受容体作動薬の鏡像異性的に純粋なまたは鏡像異性的に富化されたR鏡像異性体を含む、皮膚感作特性を伴わない皮膚用組成物に関する。

Description

発明の分野
本発明は薬理科学の分野に関する。皮膚の結合組織病、特に個体におけるエリテマトーデスの皮膚徴候を、個体の罹患した皮膚領域に対してβ2-アドレナリン受容体作動薬を投与することによって治療する、新規な原理を提供する。さらに、本発明は、鏡像異性的に富化されたまたは鏡像異性的に純粋な形態にあるβ2-アドレナリン受容体作動薬を含む、局所投与可能な組成物も対象とする。
発明の背景
皮膚型エリテマトーデスなどの皮膚の結合組織病に対する根治療法はない。今日、結合組織病の治療には強力なステロイド剤による局所療法が含まれ、これは時に抗マラリア薬または全身用免疫抑制剤と併用される。残念ながら、このような薬剤による治療には深刻な副作用があり、長期にわたって適用することはできない。
本発明者は、重大な有害作用を示すことなく皮膚型エリテマトーデス(LE)の症状を効果的に軽減しうる治療薬剤に対して強い需要があることを認識している。非常に驚くべきことに、本発明者は、β2-アドレナリン受容体作動薬の局所適用が、皮膚型エリテマトーデスにおける臨床徴候を効果的に緩和することを見いだした。
皮膚型エリテマトーデス(皮膚エリテマトーデス)には少なくとも10〜15種類の臨床像が含まれ、これらは通常、以下の3つのカテゴリーに分けることができる:(1)急性皮膚エリテマトーデス(ACLE)、(2)亜急性皮膚エリテマトーデス(SCLE)、および(3)慢性皮膚エリテマトーデス(CCLE)。皮膚LEの一般的なタイプのいくつかには、慢性皮膚エリテマトーデス(CCLE)およびその種々のサブタイプが含まれる。
現在のエビデンスからは、皮膚エリテマトーデスは全身性エリテマトーデスとは、この2つの疾患が遺伝的に異なる疾患であるように思われる点で別個の疾患であり、全身性LEの単なる良性変種ではないことが示されている(Rook's, Textbook of Dermatology, chapter 65, page 56.2, volume 3, 7th edition, edited by Tony Burns et al, Blackwell Science, 2004)。全身性エリテマトーデス(SLE)は最も一般的な結合組織病であり、多臓器炎症を特徴とし、これは皮膚、関節、および血管系を冒すことが最も多い。肺、腎臓、心臓、または脳を含む、身体のほぼあらゆる臓器または系が炎症に冒される可能性がある。
β2-アドレナリン受容体作動薬は、喘息、慢性気管支炎、および神経系損傷といった呼吸器疾患の治療に従来から用いられている。また、β2-アドレナリン受容体作動薬が、T-リンパ球上の特異的受容体と相互作用して、抗炎症活性を媒介することも見いだされている(Baramki D et al. Modulation of T-cell function by (R)- and (S)-isomers of albuterol: anti-inflammatory influences of (R)-isomers are negated in the presence of the (S)-isomer. J Allergy Clin Immunol 2002 March; 109(3):449-54)およびBarnes PJ. Effect of beta-agonists on inflammatory cells. J Allergy Clin Immunol 1999August;104(2Pt 2):S10-S1)7。
数多くの薬剤およびそれらの組み合わせが、円板状エリテマトーデスを含む種々の炎症性疾患の治療に対して提案されており、β2-アドレナリン受容体作動薬は、他の薬剤と並んで、二次的な有効薬剤として投与することが提案されている。
特許出願US2005192261号は、抗ヒスタミン剤または抗ヒスタミン剤類似体と副腎皮質ステロイドとの組み合わせによる局所療法に関する。
特許出願WO05051293号は、イブジラストまたは関連化合物による局所療法に関する。
特許出願US2004220153号は、選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)による局所療法に関する。
特許出願US2004224876号は、非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制剤(NsIDI)およびNsIDI促進物質(NsIDIE)による局所療法に関する。
注目すべきことに、上述した特許出願の中には、単独の治療薬剤としても一次治療薬剤としても、β2-アドレナリン受容体作動薬による皮膚型LEの治療に関するものはない。
さらに、数多くの治療レジメンが全身性LEの治療に対して提案されている。これらの治療法では、治療的に有効な一次薬剤は、最終的にはβ2-アドレナリン受容体作動薬と同時投与されうる。
特許出願WO2003092617号は、ステロイドおよびβ-アドレナリン受容体リガンドを局所的に投与することによる、全身性エリテマトーデスなどの炎症性皮膚疾患の治療に関する。
特許出願US2003236298A1号(Atherogenics Pharmaceuticals, Inc)は、全身性エリテマトーデスのようなVCAM-1によって媒介される疾患を有する患者の治療のためのVCAM-1の発現の阻害剤である、1,3-bis-(置換-フェニル)-2-プロペン-1-オンに関する。
特許出願US2005130935号およびWO 2003097073号(Astion Development A/S)は、全身性エリテマトーデスを含む炎症性疾患の治療のための、β2-アドレナリン受容体作動薬とアミノ糖の組み合わせに関する。
特許出願US20050176714号およびWO2003104204号は、全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患の治療のための、ホスホジエステラーゼIV阻害剤として作用するピリダジン誘導体に関する。
さらに、全身性エリテマトーデスの異常な呼吸器徴候である「収縮肺」が、アルブテロール(サルブタモール)によって治療されている(Thompson PJ, Dhillon DP, Ledingham J, Turner-Warwick M. Shrinking lungs, diaphragmatic dysfunction, and systemic Lupus Erythematosus. Am Rev Respir Dis. 132(4), 926-8, 1985)。
β2-アドレナリン受容体作動薬の局所投与は、皮膚の感作およびアレルギー反応をもたらすことが示されている。例えば、サルブタモール(アルブテロール)は、ヒトの皮膚の表面に適用された場合に接触皮膚炎反応を引き起こす局所感作物質であることが報告されている(Biochemical Modulation of Skin Reactions, page 10-11, edited by Agis K. Kydonieus and John J. Wille, CRC Press LCC 2000)。
しかし、本発明者は、β2-アドレナリン受容体作動薬のR鏡像異性体形態のみを含む、またはそれを主として含む、局所投与可能な組成物を提供することによって、この問題を克服した。
鏡像異性的に純粋なβ2-アドレナリン受容体作動薬を含む、局所投与可能な組成物は、当技術分野で開示されている。
特許出願US2005192261号は、抗ヒスタミン剤または抗ヒスタミン剤類似体と副腎皮質ステロイドとを主として含む局所用組成物を開示している。
特許出願WO05051293号(COMBINATORX, INCORPORATED)は、イブジラストまたは関連化合物を主として含む局所用組成物を開示している。
特許出願US2004220153号は、選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)を主として含む局所用組成物を開示している。
特許出願US2004224876号は、非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制剤(NsIDI)およびNsIDI促進物質(NsIDIE)を主として含む局所用組成物を開示している。
特許出願WO2003092617号(COMBINATORX, INCORPORATED)は、ステロイドおよびβ-アドレナリン受容体リガンドを含む局所用組成物を開示している。
β2-アドレナリン受容体作動薬の局所用組成物はいくつかの文書で提案されているが、これらは鏡像異性的に純粋な形態を投与することの重要性を強調できてはいない。特許出願US4574129号(Bristol-Myers Company)は、哺乳動物における局所抗炎症作用の治療のための、β2-アドレナリン受容体作動薬および媒体材料を含む局所用組成物を開示している。
特許US4699777号(Schering Corporation)は、5〜50%の1-ドデシル-アザシクロヘプタン-2-オンおよび5〜50%の非水性尿素をさらに含む、アルブテロールの経皮的組成物を開示している。
特許US4975466号(Ciba-Geigy Corporation)は、炎症性皮膚疾患の治療に用いるための、フォルモテロールおよび関連化合物を基にした局所用組成物を開示している。
特許US4980159号(Bristol-Myers Squibb Company)は、立毛効果のための、β2-アドレナリン受容体作動薬を含む剃毛後組成物(水溶液)を開示している。
特許US6267972号(Societe L'Oreal S.A)は、少なくとも1つのβ2-アドレナリン受容体作動薬のサブスタンスP拮抗有効量を皮膚刺激剤とともに含む、皮膚疾患および過敏性皮膚の治療のための美容用/薬学的組成物を開示している。
特許出願WO05102296(HEPTAGEN LIMITED)は、乾癬の治療のための、ビタミンDまたはその類似体、そのプレフォーム、もしくはその誘導体、カンナビノイドまたはカンナビノイド受容体作動薬、およびβ2-アドレナリン受容体作動薬の組み合わせを含む局所用組成物を開示している。
特許出願WO03088997号(UNIVERSITEIT UTRECHT HOLDING B.V)は、自己免疫疾患、遅延型過敏性反応、および/または移植拒絶反応、および/または移植片対宿主反応、および/またはアレルギー反応を治療するための、寛容性の誘導用の、抗原およびβ2-アドレナリン受容体作動薬の局所用組成物を開示している。
特許出願US2003236298A1号(Atherogenics Pharmaceuticals, Inc)は、VCAM-1の発現を阻害する1,3-ビス-(置換-フェニル)-2-プロペン-1-オンの局所用組成物を開示している。
特許出願US2005130935A1号(Astion Development A/S)は、炎症性疾患の治療のための、β2-アドレナリン受容体作動薬とアミノ糖との配合物を開示している。
特許出願JP7304647号(KAO CORP)は、(A):(i)キサンチン誘導体、(ii)β-アドレナリン作動薬、(iii)α-2アドレナリン作動活性阻害剤、および(iv)ビピリジン誘導体;ならびに(B)スクラブ剤から選択される1つまたは複数の化合物を含むマッサージ用の組成物を開示している。
特許出願JP9110674号(KAO CORP)は、コショウ科の植物(例えば、コショウ(Piper nigrum L)、ナガコショウ(Piper longum L)、マチコ(Piper angustifolium))の化合物、炭酸塩、および有機酸を含む入浴用組成物を開示している。
特許出願JP 61-154201号(TEIJIN LTD)は、β-刺激剤および溶解補助剤を含む経皮的組成物を開示している。
特許出願JP 06-048497号(Kao Corp)は、β-アドレナリン刺激剤、無機塩、有機酸、および油性成分を含有する入浴剤組成物を開示している。
特許出願US4088756号(The Regents of the University of Michigan)は、α1、β1、およびβ2-アドレナリン作動薬、ならびに経口血糖降下剤の群より選択される少なくとも1つの活性化合物を含む、局所的に適用される組成物に関する。
特許出願WO05102296A2号(HEPTAGEN LIMITED)は、免疫増殖性皮膚疾患の治療のための、ビタミンDまたはその類似体、カンナビノイドまたはカンナビノイド受容体作動薬;およびβ-アドレナリン受容体作動薬を含む、局所的に適用される組成物に関する。
特許出願WO2003092617号(COMBINATORX, INCORPORATED)は、炎症性皮膚疾患の治療のための、ステロイドおよびβ-アドレナリン受容体作動薬を含む、局所的に適用される組成物に関する。
特許出願WO9519336号(IOVIS BIOMEDICAL AND PHARMACEUTICAL CONSULTANTS)は、皮膚に対して局所的に適用しうるβ-アドレナリン作動薬として作用する、フェニルエタノールアミンエーテルに関する。
注目すべきことに、上述した特許および特許出願はいずれも局所投与可能な組成物を開示しておらず、これらにおいてβ2-アドレナリン受容体作動薬は一次治療薬剤または単独の治療薬剤である。
発明の概要
驚くべきことに、本発明者は、β2-アドレナリン受容体作動薬(略して「β2作動薬」)が、皮膚LEの患者に対して単独の治療的有効成分として適用された場合ですら、皮膚型エリテマトーデスの治療において強力な治療能力を有することを見いだした。本明細書に示した臨床データは、円板状エリテマトーデスに罹患した患者に対する局所用サルブタモールによる3週間のみの治療後の炎症病変の有意な改善を明らかに示している。亜急性皮膚エリテマトーデスと診断された別の患者では、局所用サルブタモールによる8週間の治療後に皮膚症状の完全寛解が観察された。注目すべきことに、これらの患者はこの疾患を数年にわたって有していたが、強力な副腎皮質ステロイドによる治療では限定的な効果しかみられなかった。
したがって、本発明は、皮膚型LEの治療における著しい改善を、グルココルチコステロイドに十分に反応しない患者においてさえ提供する。
皮膚エリテマトーデスは治療するのが極めて難しいため、この臨床データは極めて驚くべきものである。
皮膚エリテマトーデスの治療に適用される既存の治療薬剤とは逆に、本発明によるβ2-アドレナリン受容体作動薬には、これらの作動薬が薬理学的に妥当な用量では安全でかつ生物体によって十分に認容されるため、重篤な副作用を伴う可能性が低いという利点がある。
皮膚型エリテマトーデスは斑状の皮膚リンパ球浸潤を特徴とし、浸潤性リンパ球の大半は抗原を発現するT-リンパ球である。特定の理論には限定されないものの、β2-アドレナリン受容体作動薬の新規使用に関する本所見は、病態の少なくとも一部にT-リンパ球などの白血球におけるβ2受容体の発現が関与しているすべての皮膚疾患にも敷衍することができる。典型的には、皮膚リンパ球浸潤を呈するこのような皮膚疾患には、あらゆる種類の結合組織病が含まれる。
このため、本発明は、第1の局面において、個体における皮膚エリテマトーデスまたは皮膚を冒す別の結合組織病の治療または予防のための方法に関する。本方法は、前記個体に対する、β2-アドレナリン受容体作動薬、その立体異性体、その鏡像異性体、その生理学的に許容される誘導体、および/またはその薬学的に許容される塩の形態にある治療的有効成分の有効量の投与を含む。治療は、他の治療的有効成分をβ2-アドレナリン受容体作動薬とともには投与しない単剤療法によって遂行されることが好ましい。さらに、投与は皮膚に対する局所適用によって遂行されることが好ましい。
関連した1つの局面において、本発明は、個体における皮膚エリテマトーデスまたは皮膚を冒す別の結合組織病の治療または予防のための薬物の調製のための、β2-アドレナリン受容体作動薬、その立体異性体、その鏡像異性体、その生理学的に許容される誘導体、および/またはその薬学的に許容される塩の使用に関する。このような薬物において、β2-アドレナリン受容体作動薬は、好ましくは単独の治療的有効成分または少なくとも一次的な治療的有効成分である。
本発明者はさらに、薬理活性があり、かつ皮膚における感作反応を引き起こさない特定の鏡像異性体を選択することにより、β2-アドレナリン受容体作動薬によって引き起こされる皮膚の局所的感作に関する問題も解決した。
このため、本発明の第2の局面は、以下のものを含む、局所投与可能な薬学的組成物に関する:
(i)β2-アドレナリン受容体作動薬、その生理学的に許容される誘導体、またはその薬学的に許容される塩の、鏡像異性的に富化されたまたは鏡像異性的に純粋なR鏡像異性体の形態にある治療的有効成分;および
(ii)1つまたは複数の皮膚科学的に許容される賦形剤または担体。
治療的有効成分は、局所投与可能な組成物中に含まれる単独の治療薬剤または少なくとも一次的な治療的有効成分であることが好ましい。
本発明の方法、薬物および局所投与可能な組成物において追加的に治療的有効成分を用いることが望ましい場合、以下の治療的有効成分は皮膚の結合組織病の治療に対する妥当性または適切性が低いと考えられ、このような方法、薬物および組成物からむしろ除外される。このような治療的有効成分は、ステロイド;イブジラストまたは関連化合物;選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI);非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制剤(NsIDI)、抗ヒスタミン剤;またはアミノ糖から選択されうる。
本発明の局所投与可能な組成物は、これまで皮膚エリテマトーデスの主たる治療薬剤となってきた局所グルココルチコステロイドによる治療に伴う皮膚萎縮がないという著しい利点を有する。
発明の詳細な説明
本発明者は、結合組織病の治療、特に皮膚型エリテマトーデスの治療におけるβ2作動薬の有益な効果を認識した。
したがって、本発明の第1の局面は、皮膚型エリテマトーデスなどの皮膚の結合組織病の治療または予防のための方法に関する。本方法は、β2作動薬、その立体異性体、その鏡像異性体、その生理学的に許容される誘導体、および/またはその薬学的に許容される塩の十分量の、それを必要とする個体の罹患した皮膚領域に対する投与を含む。より詳細には、β2作動薬は、いくつかの態様において、投与される単独の治療的有効成分、または投与される少なくとも一次的な/第1の治療的有効成分であってよい。
すなわち、本発明の第1の局面はまた、皮膚型エリテマトーデスなどの皮膚の結合組織病の治療用の薬物の調製のための、β2作動薬、その立体異性体、その鏡像異性体、その生理学的に許容される誘導体、および/またはその薬学的に許容される塩の使用にも関する。
したがって、本発明は、皮膚型エリテマトーデスなどの皮膚の結合組織病に罹患した、またはその診断を受けた個体における、皮膚徴候の予防、軽減、および治療を対象とするものとする。
本明細書で用いる場合、「皮膚型エリテマトーデス」および「皮膚エリテマトーデス」という語句は、個体の皮膚または粘膜で疾患の皮膚徴候を有する種々の型のLEを含む互換的な語句であるものとする。このような皮膚型のLEは典型的には、皮膚病変における真皮-表皮接合部での、免疫グロブリンIgG、IgA、およびIgM、ならびに補体の6週間またはそれ以上にわたる存在を特徴とする(Rook's, Textbook of Dermatology, chapter 65, pages 56.5 to 56.69, volume 3, 7th edition, edited by Tony Burns et al, Blackwell Science, 2004)。専門家の中には、皮膚型のLEを以下の3つの主要な型に分類しようとする者もいる:(1)急性皮膚エリテマトーデス(ACLE)、(2)亜急性皮膚エリテマトーデス(SCLE)、および(3)慢性皮膚エリテマトーデス(CCLE)。CCLEの主要な形態は円板状エリテマトーデス(DLE)であり、これは皮膚LEの多くのサブグループ、例えば肥厚性LE(DLEの一形態)、疣状LE(DLEの一形態)、腫脹性LE、ループス脂肪組織炎、播種性DLE、水疱性SLE、毛細血管拡張性LE、凍瘡状エリテマトーデス、小児性DLE、深在性エリテマトーデス、および粘膜DLEなどとともに存在する。「皮膚型エリテマトーデス」という語句はまた、例えば、SLEと診断された対象における皮膚徴候の治療との関連において、全身性LEの皮膚徴候も含むものとする。
このため、本発明の関心対象である態様において、皮膚型エリテマトーデスの治療には、急性皮膚エリテマトーデス、亜急性皮膚エリテマトーデス、慢性皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデスおよびその種々のサブグループの皮膚徴候、円板状エリテマトーデス、肥厚性エリテマトーデス、疣状エリテマトーデス、腫脹性エリテマトーデス、ループス脂肪組織炎、播種性円板状エリテマトーデス、水疱性全身性エリテマトーデス、毛細血管拡張性エリテマトーデス、凍瘡状エリテマトーデス、小児性円板状エリテマトーデス、深在性エリテマトーデス、および/または粘膜円板状エリテマトーデスの治療が含まれる。
「皮膚徴候」および「皮膚症候(cutaneous presentation)」という用語は互換的な用語であり、皮膚の結合組織病のリスクのある、それに罹患した、またはその診断を受けた個体の皮膚または粘膜に存在する病理学的または臨床的な特徴のことを指す。
皮膚型エリテマトーデスの典型的な皮膚徴候(病理学的または臨床的に)には、斑状の皮膚リンパ球浸潤;表皮の基底細胞層の液状変性;表皮下の結合組織の浮腫;表皮下の結合組織のフィブリノイド;真皮の萎縮;角栓形成:相対的な角質増殖および毛包口の栓形成を伴う表皮の菲薄化および退色;表皮の基底膜の肥厚化および往々にして小血管;光照射領域におけるコラーゲンの早期弾性変性が含まれる。
典型的な臨床像は、皮疹、凍瘡様病変、頭皮病変における脱毛症、鱗屑を含むこともある明確な紅斑、角質増殖、毛細血管拡張症、結節状病変、非瘢痕丘疹性病変、および輪状多環病変である。
皮膚徴候が、頭皮、耳、鼻、口唇、腕、脚、手指、足先、足指、胸部、および体幹の皮膚などの皮膚に限定されることもある。さらに、皮膚徴候が口唇および舌などの頬粘膜ならびに膣および肛門の粘膜に認められることもある。
「DLE」という用語は、皮膚のみが、最も高頻度には顔面、頸部、および頭皮の皮膚が冒される結合組織病を定義する。DLEは、さまざまなサイズの明確な落屑性紅斑(コイン状紅色隆起)を特徴とし、萎縮、瘢痕、および色素変化を伴って治癒する。DLE病変が治癒すると、肥厚化して瘢痕化した皮膚領域が残る。頭皮が重度に冒された場合には、脱毛(脱毛症)を伴うことがある。DLEは時に慢性皮膚エリテマトーデス(CCLE)と呼ばれる。
「SCLE」という用語は、エリテマトーデスの特定のサブセットを定義し、これらを非瘢痕性で非萎縮生成性の光線過敏性皮膚疾患として特徴づけることもできる。SCLEは、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群の患者、および補体第二成分(C2d)欠乏症の患者に起こることがある。これは薬剤誘発性のこともある。患者の中にはDLEの病変も有する者があり、小血管の血管炎を発症する者もいる。このため、SCLEを、円板状エリテマトーデスと全身性エリテマトーデスとの中間物として分類される皮膚病とみなすこともできる。SCLEが、他の疾患に、またはそのような疾患の治療、例えば乾癬のPUVA療法、放射線療法の経過中などに、または例えばホジキン病、肺癌、乳癌、および肝臓癌などの癌に関連して、随伴することもある。
「ACLE」という用語は、「蝶形紅斑」を定義する。蝶形紅斑は突発性であり、数時間または数日間続くことがあり、通常は瘢痕を伴わずに治癒する。これは顔面に局在することが典型的であるが、身体のあらゆる場所に生じる可能性がある。これはSLEと診断された患者に存在することが典型的である。水疱形成または疱疹を含む、この皮疹の変種が観察されている。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、皮膚型のエリテマトーデスとは明確に異なる疾患とみなされている。SLEと診断された個体が、典型的にはACLE、SCLE、およびDLEで認められる皮膚徴候のような皮膚徴候を有することもある。個体の中には、皮膚徴候を示す水疱性全身性エリテマトーデスに罹患している者もいる。
このため、「全身性エリテマトーデスの皮膚徴候」という語句は、ACLE、SCLE、およびDLEと診断された患者に認められるものに類似した皮膚徴候などの皮膚疾患をも有する、全身性エリテマトーデスと診断された一部の患者も含むものとする。
前述の通り、本発明の基礎をなす薬力学的な原理は、β2-アドレナリン受容体の活性を皮膚において高めることに関連し、このようなβ2-アドレナリン受容体が少なくともT-リンパ球などの白血球で発現されていて、β2作動薬の作動薬活性が皮膚病変を軽減する。
このため、β2作動薬は、表皮、真皮、および/または粘膜におけるリンパ球浸潤が皮膚疾患の病理学的特徴である、あらゆる種類の皮膚疾患の治療に用いることができる。
したがって、本発明によれば、皮膚の別の結合組織病をβ2作動薬によって治療することもできる。「結合組織病」という用語は、結合組織の1つまたは複数の構成要素、すなわちコラーゲン、エラスチン、またはムコ多糖の異常な構造または機能を特徴とし、皮膚が冒される恐れのある、あるものは遺伝性でありまた別のものは後天性である異種混交的な群のことを指す。「皮膚の結合組織病」という語句は、皮膚徴候を有する結合組織病を定義するものとする。したがって、結合組織病は、皮膚が冒される全身性疾患、または主に皮膚がもしくは皮膚のみが冒される皮膚疾患であってもよい。皮膚の結合組織病の例には、少なくとも、強皮症、限局性強皮症、偽性強皮症、職業性強皮症、移植片対宿主病、好酸球性筋膜炎、結合組織皮下脂肪組織炎、全身性硬化症;混合性結合組織病;硬化性苔癬;浮腫性硬化症;皮膚筋炎;リウマチ様疾患;スティル病;シェーグレン症候群、およびリウマチ熱が含まれる。
リンパ球浸潤が皮膚疾患の病理学的特徴である、さらに他の関連疾患には、ジェスナーリンパ球浸潤、多形日光疹(PLE)、リンパ球性リンパ腫、皮膚リンパ球腫、および紅斑性天疱瘡がある。
「それを必要とする個体」とは、皮膚の結合組織病の治療を必要とするヒトまたは動物、例えば哺乳動物などを定義するものとする。「個体」という用語は、動物、さらにより典型的には哺乳動物のことを指す。本明細書で用いる「哺乳動物」という用語は、ヒト、飼育動物および家畜、動物園用動物、競技用動物、または愛玩動物を含む、哺乳動物として分類されるあらゆる動物を指す(例えばイヌ、ネコ、ウシなど)。好ましくは、個体はヒト、ネコ、イヌ、またはウマである。
本発明によれば、ヒトおよび動物の両方が冒される任意の皮膚型LEまたはその他の皮膚の結合組織病をβ2作動薬によって治療することができる。例えば、本明細書に記載した治療法、使用、および薬物を、イヌにおける狼瘡様皮膚炎およびウマにおける皮膚過剰弾性線維症に適用することもできる。
β2-アドレナリン受容体作動薬(β2作動薬)
本発明の基礎をなす原理によれば、上述したβ2作動薬活性を呈する任意の薬剤または薬理学的ツールを、本明細書に定義した組成物、方法、および使用に適用することができる。
「β2-アドレナリン受容体作動薬」または「β2作動薬」という用語は、β2-アドレナリン受容体を選択的または部分的に刺激/活性化する能力を備えた、任意の薬剤、または無機的、有機的、および生物的な性質の薬理学的ツールを意味するものとする。これらの受容体は、動物およびヒトに広く分布していて内因性カテコールアミンによって活性化されるGタンパク質共役受容体であり、心臓、血管、肺、および代謝の機能の調節に重要な役割を果たす。
β2作動薬は有機分子であることが好ましい。
本発明の1つの態様において、本発明のβ2作動薬は、β2-アドレナリン受容体に対する選択的な結合パートナーであるか、または少なくとも主たる結合パートナーである。
本発明のもう1つの態様において、本発明のβ2作動薬は、β2-アドレナリン受容体に対する作動薬活性が本発明による所望の結果を得るのに十分である限り、α1、α2 β1、およびβ3-アドレナリン受容体といった他のファミリーの受容体に対する結合能力を発揮してもよい。したがって、β2作動薬がβ2-アドレナリン受容体に対する非特異的結合を呈してもよい。
β2-アドレナリン受容体に対する薬剤または薬理学的ツールのβ2作動薬活性は、当業者に公知の方法によって容易に確かめられる。その一例は、MDS Pharma Servicesによって実施されている結合アッセイ(カタログ番号204110 MDS Pharma Services Discovery, 2004-2005)のような、β2-アドレナリン受容体を代表するリガンドを用いる結合アッセイで作動薬活性を試験することによる。作動薬活性は、50%最大効果(EC50)を生じるために必要なβ2作動薬の濃度(nM)の測定値によって決定される。必要な濃度は一般に、MDS Pharma Servicesによって実施される結合に基づくアッセイ、または同様の結合に基づくアッセイによる測定で10.000nM未満である。EC50をもたらす濃度は好ましくは7000nM未満であり、より好ましくは5000nm未満、例えば4000nM未満、3000nM未満、2000nM未満、1000nM未満、800nM未満、700nM未満、600nM未満、500nM未満、400nM未満、300nM未満、250nM未満、200nM未満、150nM未満、100nM未満、80nM未満、60nM未満、40nM未満、20nM未満、または10nM未満である。
もう1つの選択肢によれば、本発明のβ2作動薬の作動薬活性を、McCreaおよびHill SJ.によって記載された細胞アッセイによって決定することもできる(McCrea and Hill SJ. Salmeterol, a long-acting beta2-adrenoceptor agonist mediating cyclic AMP accumulation in a neuronal cell line. Br J Pharmacol. 1993;110:619-26.)。本発明の1つの態様において、本発明のβ2作動薬は、フォルモテロールまたはテルブタリンなどの選択的作動薬に対する相対力価が、上述のMcCreaおよびHill SJの細胞アッセイで試験した場合に、0.01〜1000の間、好ましくは0.1〜500の間、例えば1〜200の間である。
さらにもう1つの選択肢によれば、本発明のβ2作動薬は、上述した結合に基づくアッセイまたは細胞アッセイで、β2作動薬としての作用に関して、サルブタモールに対して少なくとも0.01、最大で1000の相対力価を有する。好ましくは、本β2作動薬は、上述したMcCreaおよびHill SJの細胞アッセイで試験した場合に、サルブタモールに対して0.02〜500の間、より好ましくは0.1〜100の間の範囲にわたる相対力価を有する。
現在、数多くのβ2作動薬が入手可能である。それらの大部分は、カテコールアミンと類縁性のある構造を有する。このため、本発明の1つの態様において、β2作動薬は、その骨格構造の一部として以下の構造式I:
Figure 2008535873
を含む、β2作動薬の群から選択される。
Z、Y、およびXは、非置換型、一置換型、二置換型、または三置換型のフェニル環を定義するように構造式Iのフェニル環の置換基を定義することを意味し、この際、Z、Y、およびXは同じでも異なってもよい。
本発明によれば、Z、X、およびYは、ヒドリド(H)、置換されていてもよいC1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシル、フェニル、C7-14アルカリル、C7-14アルクヘテロシクリル、アシル(OOR')、シアノ(CN)、尿素(NH-CO-NH2)、ホルムアミド(NH-CO)、トリハロゲンメチル、ハロゲン(Br、Cl、F、I)、ヒドロキシ(OH)、ヒドロキシ誘導体(OR')、第一級アミノ(NH2)、第二級アミノ(NHR')、第三級アミノ(NR’R”)、カルボキシ(CO)、カルボキシ誘導体(CO-R')、スルホニル(HSO2)、スルホニル誘導体(R'-SO2’)、およびスルホンアミド(NH-SO2-R')から選択される遊離基を独立に指定することができる。さらに、Z、X、およびYから選択される基のうち2つが一緒になって、1つの窒素原子(N)を環内に有する五員または六員の炭素環を形成してもよく、例えば、ZおよびX、YおよびX、またはYおよびZが一緒になって、1つの窒素原子を環内に有する五員または六員の炭素環(ヘテロ環)を形成してもよい。
「R1」および「R2」は、構造式Iの炭素原子2(C2)と結合しているアミノ原子の置換基のことを指す。R1およびR2は、ヒドリド(H)、C1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシル、C7-14アルカリル、C7-14アルクヘテロシクリルから選択される遊離基を独立に指定することができ、R1およびR2が一緒になって、1つの窒素原子(N)を環内に有する五員または六員の炭素環を形成してもよい。
「R3」は、ヒドリド(H)、ハロゲン(Br、Cl、Fl、I)、C1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、およびC2-6-アルキニルから選択される遊離基を表す。
R'およびR”は、C1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシル、C7-14アルカリル、C7-14アルクヘテロシクリル、好ましくはC1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、およびC1-6-アルコキシルから選択される遊離基を独立に定義している。
「C1-6-アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を含む飽和性の直鎖状または分枝状のアルキル遊離基(例えば、メチルからヘキシルまでのあらゆるアルキル遊離基)を、そのすべての異性体(例えばイソブテニル)を含めて、定義するものとする。
「C2-6-アルケニル」という用語は、例えば1-または2-プロペニル、1-、2-、または3-ブテニルなどおよびそれらの異性体のような、2〜6個の炭素原子を含む不飽和性の直鎖状または分枝状のアルキレン遊離基を定義している。
「C2-6-アルキニル」は、例えば、エチニル、1-または1-プロピニル、1-、2-、または3-ブチニルなどおよびそれらの異性体のような、2〜6個の炭素原子を含む不飽和性の鎖状または分枝状アルキニル遊離基を定義している。
「C1-6-アルコキシル」という用語は、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシなどのような、最大で6個、好ましくは最大で4個の炭素原子を含むアルコキシ遊離基を定義している。
「C4-7-シクロアルキル」という用語は、シクロブタン、シクロペンタン、およびシクロヘキサンのような、4〜7個の炭素原子を有するシクロアルカンを意味する。
「C7-14アルカリル」という用語は、7〜14個の炭素原子を有する、ベンジル、ジフェニルメチル、フェネチル、およびジフェネチルのようなアリール置換型アルキル遊離基を包含する。
「C7-14アルクヘテロシクリル」という用語は、1つまたは複数のヘテロ原子N、S、P、またはOに加えて7〜14個の炭素原子を有するアルキル置換型複素環基(例えば、3-フラニルメチル、2-フラニルメチル、3-テトラヒドロフラニルメチル、または2テトラヒドロフラニルメチル)を指定している。複素環基の非限定的な例には、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロフラニル、ピラニル、プリニル、テトラヒドロピラニル、ピペラジニル、ピペリジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロピラニル、イミダゾリル、ピロリニル、ピラゾリニル、インドリニル、ジオキソラニルまたは1,4-ジオキサニル、アジリジニル、フリル、フラニル、ピリジル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニルがある。
C1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシル、C7-14アルカリル、およびC7-14アルクヘテロシクリルという基は、第一級アミノ(NH2)、第二級アミノ(NHR’)、第三級アミノ(NR’R’’)、OH、シアノ、ニトロ、およびハロゲンによって一置換または二置換されてもよく、この際、R'およびR”は本明細書に定義した通りである。
「ハロゲン」という用語は、臭素、塩素、フッ素、およびヨウ素を定義している。
「ヒドリド」という用語は、単一の水素原子(H)を表している。
1つの態様において、Z、X、およびYは、ヒドリド(H)、置換されていてもよいC1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシル、フェニル、C7-14アルカリル、C7-14アルクヘテロシクリル、(OOR')、シアノ(CN)、尿素(NH-CO-NH2)、ホルムアミド(NH-CO)、トリハロゲンメチル、ハロゲン(Br、Cl、F、I)、ヒドロキシ(OH)、ヒドロキシ誘導体(OR')、第一級アミノ(NH2)、第二級アミノ(NHR')、第三級アミノ(NR'R”)、カルボキシ(CO)、カルボキシ誘導体(CO-R')、スルホニル(HSO2)、スルホニル誘導体(R’-SO2’)、およびスルホンアミド(NH-SO2-R')から選択される遊離基を独立に指定することができ、この際、R'およびR”は好ましくはC1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、およびC1-6-アルコキシルを表す。
1つのさらに好ましい態様において、構造式Iのフェニル環は非置換型、一置換型、または二置換型のフェニル環を定義しており、この際、ZおよびYは同じであっても異なってもよく、Xはヒドリド(H)である。
さらに、なおさらなる態様において、C1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシル、C7-14アルカリル、およびC7-14アルクヘテロシクリルという基は、第一級アミノ(NH2)、第二級アミノ(NHR')、OH、シアノ、ニトロ、およびハロゲンによって一置換されてもよく、この際、R'およびR”は本明細書に定義した通りであり、好ましくは例えば、R'およびR”は好ましくはC1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、およびC1-6-アルコキシルを表す。
本発明の化合物は1つまたは複数の不斉炭素原子を含んでもよい。このため、本発明には、当業者に公知の方法によって調製または単離される個々のジアステレオマーおよび鏡像異性体も含まれうる。例えば、Cと指定された炭素原子は不斉炭素原子を表しており、構造式Iの化合物はラセミ体として、または鏡像異性的に純粋もしくは鏡像異性的に富化された「R」もしくは「S」形態として提供することができる。
構造式Iに従った骨格構造を有するβ2作動薬の例には、以下のものがある:
アミテロール(4-アミノ--[[(1-メチルプロピル)アミノ]メチル]ベンゼンメタノール);
バメタン((ブチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシベンゼンメタノール);
ビトルテロール(4-[2-[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]-1-ヒドロキシエチル]-1,2-フェニレン4-メチル安息香酸);
ブタキサミン(α-1-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]エチル]-2,5-ジメトキシベンゼンメタノール);
カルブテロール([5-[2-[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]-1-ヒドロキシエチル]-2-ヒドロキシフェニル]尿素);
クレンブテロール(4-アミノ-3,5-ジクロロ--[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]メチル]-ベンゼンメタノール);
クロルプレナリン(2-クロロ--[[(1-メチルエチル)アミノ]メチル]ベンゼンメタノール);
コルテロール(4-[2-[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]-1-ヒドロキシエチル]-1,2-ベンゼンジオール);
デテレノール(4-ヒドロキシ--[[(1-メチルエチル)アミノ]メチル]ベンゼンメタノール);
ジオキセテドリン(4-[2-(エチルアミノ)-1-ヒドロキシプロピル]-1,2-ベンゼンジオール);
エタフェドリン([1-(エチルメチルアミノ)エチル]ベンゼンメタノール);
エチルノルエピネフリン(2-アミノ-1-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-1-ブタノール);
フェノテロール(5-[1-ヒドロキシ-2-[[2-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル]アミノ]エチル]-1,3-ベンゼンジオール);
フレロブテロール(α-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]メチル]-2-フルオロベンゼンメタノール);
フォルモテロール(N-[2-ヒドロキシ-5-[1-ヒドロキシ-2-[[2-(4-メトキシフェニル)-1-メチルエチル]アミノ]エチル]フェニル]ホルムアミド);
ヘキソプレナリン(4,4’-[1,6-ヘキサンジイルビス[イミノ(1-ヒドロキシ-2,1-エタンジイル)]]ビス-1,2-ベンゼンジオール);
インダカテロール(5-[2-[(5,6-ジエチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)アミノ]-1-ヒドロキシエチル]-8-ヒドロキシ-2(1H)-キノリノン);
イソエタリン(4-[1-ヒドロキシ-2-[(1-メチルエチル)アミノ]ブチル]-1,2-ベンゼンジオール);
イソプロテレノール(イソプレナリン、(4-[1-ヒドロキシ-2-[(1-メチルエチル)アミノ]エチル]-1,2-ベンゼンジオール);
マブテロール(4-アミノ-3-クロロ--[(ジメチルエチルアミノ)メチル]-5-(トリフルオロメチル)ベンゼンメタノール);
メドロキサロール(5-[2-[[3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-1-メチルプロピル]アミノ]ヒドロキシエチル]-2-ヒドロキシベンズアミド);
メルアドリン(2-クロロ--[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]メチル]-4-ヒドロキシベンゼンメタノール);
ナルデテロール(α-[[[3-(1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-1,1-ジメチルプロピル]アミノ]メチル]-2-フルオロ-4-ヒドロキシベンゼンメタノール);
2-(メチルアミノ)-1-フェニル-1-プロパノール;
ノルブドリン(4-[2-(シクロブチルアミノ)-1-ヒドロキシエチル]-1,2-ベンゼンジオール);
ノルエピネフリン(アルテレノール、4-(2-アミノ-1-ヒドロキシエチル)-1,2-ベンゼンジオール);
オルシプレナリン(メタプロテレノール、5-[1-ヒドロキシ-2-[(1-メチルエチル)アミノ]エチル]-1,3-ベンゼンジオール);
ピクメテロール(4-アミノ-3,5-ジクロロ--[[[6-[2-(2ピリジニル)エトキシ]ヘキシル]アミノ]メチル]-ベンゼンメタノール);
ピルブテロール(6-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]メチル]-3-ヒドロキシ-2,6-ピリジンジメタノール);
プロカテロール(8-ヒドロキシ-5-[1-ヒドロキシ-2-[(1-メチルエチル)アミノ]ブチル]-2(1H)-キノリノン);
プロトキロール(4-[[2-[2-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-1-メチルエチル]アミノ]-1-ヒドロキシエチル]-1,2-ベンゼンジオール);
キンプレナリン(8-ヒドロキシ--[[(1-メチルエチル)アミノ]メチル]-5-キノリンメタノール);
レプロテロール(7-[3-[[2-(3,5-ジヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]-3,7-ジヒドロ-1,3-ジメチル-1H-プリン-2,6-ジオン);
リミテロール(4-(ヒドロキシ-2-ピペリジニルメチル)-1,2-ベンゼンジオール);
サルブタモール、(アルブテロール(1-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]メチル]-4-ヒドロキシ-1,3-ベンゼンジメタノール);
サルメファモ−ル(4-ヒドロキシ-'-[[[2-(4-メトキシフェニル)-1-メチルエチル]アミノ]メチル]-1,3-ベンゼンジメタノール);
サルメテロール(4-ヒドロキシ-'-[[[6-(4-フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ]メチル]-1,3-ベンゼンジメタノール);
ソテレノール(N-[2-ヒドロキシ-5-[1-ヒドロキシ-2-[(メチルエチル)アミノ]エチル]フェニル]-メタンスルホンアミド);
スルホンテロール(α-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]メチル]-4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)メチル]-ベンゼンメタノール);
テルブタリン(5-[2-[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]-1-ヒドロキシエチル]-1,3-ベンゼンジオール);
ツロブテロール(2-クロロ--[(1,1-ジメチルエチルアミノ)メチル]ベンゼンメタノール);
ジルパテロール(4,5,6,7-テトラヒドロ-7-ヒドロキシ-6-[(1-メチルエチル)アミノ]イミダゾ[4,5,1-jk][1]ベンザゼピン-2(1H)-オン);
ジンテロール(N-[5-[2-[(1,1-ジメチル-2-フェニルエチル)アミノ]-1-ヒドロキシエチル]-2-ヒドロキシフェニル]メタンスルホンアミド)。
したがって、本発明のいくつかの態様は、以下のものを含む群より選択されるカテコールアミン誘導体であるβ2作動薬を含む:アミテロール;バメタン;ビトルテロール;ブタキサミン;カルブテロール;シマテロール;コルテロール;クレンブテロール;クロルプレナリン;コルテロール;デテレノール;ジオキセテドリン;エタフェドリン;エチルノルエピネフリン;フェノテロール;フレロブテロール;フォルモテロール;ヘキソプレナリン;インダカテロール;イソエタリン;イソプロテレノール(イソプレナリン);マブテロール;メドロキサロール;メルアドリン;ナルデテロール;ノルブドリン;ノルエピネフリン(アルテレノール);オルシプレナリン(メタプロテレノール);ピクメテロール;ピルブテロール;プロカテロール;プロトキロール;キンプレナリン;レプロテロール;リミテロール;サルブタモール(アルブテロール);サルメファモ−ル;サルメテロール;ソテレノール;スルホンテロール;テルブタリン;ツロブテロール;ジルパテロール;ジンテロール;それらの立体異性体;それらの生理学的に許容される誘導体;それらの薬学的に許容される塩;およびそれらの混合物。
β2作動薬のさらなる例には、その骨格の一部として、上述の構造式Iとよく似てはいるが不斉炭素原子(C)が存在しない構造を有するものが含まれる。
非限定的な例には以下のものがある:
ブロキサテロール(3-ブロモ-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]メチル]-5-イソキサゾールメタノール)、
メトキシフェナミン(2-メトキシ-N,-ジメチルベンゼンエタンアミン)および;
フェニソノン(1-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-2-[(1-メチルエチル)アミノ]-1-プロパノン)。
β2作動薬のさらなる例には、構造式Iとは異なる構造を有するものが含まれる。
非限定的な例には以下のものがある:
トレトキノール(トリメトキノール、1,2,3,4-テトラヒドロ-1-[(3,4,5-トリメトキシフェニル)メチル]-6,7-イソキノリンジオール);および
シベナデト(Sibenadet)(4-ヒドロキシ-7-[2-[[2-[[3-(2-フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル]エチル]アミノ]エチル]-2(3H)-ベンゾチオアゾロン)。
さらに、数多くのβ2作動薬が、その研究コードによって知られている:AR-C68397、CHF-1035、QAB-149(Novartis/Skyepharmaより)、GW-685698(GSK)、GW-159797(GSK)、AD-237(Arakis, Vectura)、HOKU-81、678007(GSK)、159802(GSK)、642444(GSK)、159797(GSK)、597901(GSK)、KUR-1246、KUL-7211、KUL-1248、AR-C89855、S-1319、およびTA-2005。
したがって、本発明のβ2作動薬は、以下のものを含む群から選択することができる:アミテロール;バメタン;ビトルテロール;ブタキサミン;カルブテロール;シマテロール;コルテロール;クレンブテロール;クロルプレナリン;コルテロール;デテレノール;ジオキセテドリン;エタフェドリン;エチルノルエピネフリン;フェノテロール;フレロブテロール;フォルモテロール;ヘキソプレナリン;インダカテロール;イソエタリン;イソプロテレノール(イソプレナリン);マブテロール;メドロキサロール;メルアドリン;ナルデテロール;ノルブドリン;ノルエピネフリン(アルテレノール);オルシプレナリン(メタプロテレノール);ピクメテロール;ピルブテロール;プロカテロール;プロトキロール;キンプレナリン;レプロテロール;リミテロール;サルブタモール(アルブテロール);サルメファモ−ル;サルメテロール;ソテレノール;スルホンテロール;テルブタリン;ツロブテロール;ジルパテロール;ジンテロール;ブロキサテロール;メトキシフェナミン;フェニソノン;トレトキノール(トリメトキノール);シベナデト;AR-C68397;CHF-1035;QAB-149;GW-685698(GSK);GW-159797(GSK);AD-237(Arakis;Vektura);HOKU-81;678007(GSK);159802(GSK);642444(GSK);159797(GSK);597901(GSK);KUR-1246;KUL-7211;KUL-1248;AR-C89855;S-1319;TA-2005、またはそれらの立体異性体、それらの鏡像異性体、それらの生理学的に許容される誘導体、および/またはそれらの薬学的に許容される塩。
本発明の関心対象である態様において、β2作動薬は、皮膚への局所適用に極めてよく適していて適用可能な、適切なlog P値および分子サイズを有する。このため、本発明のβ2作動薬は、好ましくは、-4から4までの間、好ましくは-3.5から3.5までの間、さらにより好ましくは-3から3までの間の範囲にわたるlog P値を有する。最適には、log P値は-3.5から3までの間、例えば-3.5から2.5までの間、-3.5から2までの間などの範囲にわたる。さらに、本発明のβ2作動薬の分子量は、800ダルトン未満、好ましくは700ダルトン未満、600ダルトン未満、および500ダルトン未満であるべきである。さらにより好ましくは450ダルトン未満、例えば400ダルトン未満などである。さらにより好ましい態様において、分子量は300ダルトン未満、例えば約136〜約500ダルトン、約136〜450ダルトン、136〜400ダルトンの範囲にわたる。さらにより好ましい態様において、β2作動薬は136〜約350ダルトン、例えば136〜300ダルトンの範囲にわたる分子量を有する。
したがって、より好ましい態様において、β2作動薬は、以下のものを含む群より選択されるカテコールアミン誘導体である:アミテロール;バメタン;ブタキサミン;カルブテロール;シマテロール;コルテロール;クレンブテロール;クロルプレナリン;コルテロール;デテレノール;ジオキセテドリン;エタフェドリン;エチルノルエピネフリン;イソエタリン;イソプロテレノール(イソプレナリン);マブテロール;メドロキサロール;メルアドリン;ノルブドリン;ノルエピネフリン(アルテレノール);オルシプレナリン(メタプロテレノール);プロカテロール;リミテロール;サルブタモール(アルブテロール);サルメファモ−ル;サルメテロール;ソテレノール;スルホンテロール;テルブタリン;ツロブテロール;それらの立体異性体、それらの鏡像異性体、それらの生理学的に許容される誘導体、および/またはそれらの薬学的に許容される塩。
本発明の現在の関心対象である1つの態様において、β2作動薬はサルブタモールまたはその生理学的に許容される誘導体、および/またはその薬学的に許容される塩、例えば、サルブタモールの硫酸塩もしくは塩酸塩、またはサルブタモールのアミノ酸塩、例えばサルブタモールとアミノ酸との塩などである。
前述の通り、β2作動薬を、その立体異性体、その鏡像異性体、その生理学的に許容される誘導体、および/またはその薬学的に許容される塩として提供してもよい。
上述したβ2作動薬のリストを、その生理学的に許容される誘導体を得るために化合物中の官能基の任意の位置で修飾してもよいことは当業者には理解されると思われる。特に関心が持たれるのは、ヒドロキシル基またはアミノ基での修飾によって形成された誘導体である。生理学的に許容される誘導体を複数の位置で誘導体化しうることは当業者には理解されると思われる。
「その生理学的に許容される誘導体」という用語は、ヒトまたは動物に対して投与されると、本発明のβ2作動薬またはその活性代謝産物もしくは残留物を(直接的または間接的に)もたらしうる、本発明のβ2作動薬の任意の生理学的に許容されるエステルまたはこのようなエステルの塩のことを意味する。すなわち、その生理学的に許容される誘導体とは、β2作動薬のプロドラッグを定義することを意味する。適したエステルの典型的な例には、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、およびベンゾイル化エステルが含まれる。
「薬学的に許容される塩」という用語は、生理学的に許容される無機性および有機性の酸および塩基に由来するβ2作動薬の塩のことを意味する。適した酸の例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン-p-スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、およびベンゼンスルホン酸が含まれる。さらに、塩が、天然アミノ酸に、例えば必須アミノ酸などに由来してもよい。
β2作動薬は、生理学的条件下でβ2-アドレナリン受容体に対する作動薬活性を依然として提供する、薬学的に活性のある塩、プロドラッグ、異性体、互換異性体、ラセミ混合物の形態で、または任意の他の化学的形態で、またはそれらの組み合わせとして供給することができる。本発明は、すべての可能なジアステレオマーおよび鏡像異性体、ならびにそれらのラセミ形態および分離された鏡像異性的に純粋な形態を含む。
鏡像異性形態は、(R)配置もしくは(S)配置のいずれかであってもよく、またはそれらの混合物であってもよい。したがって、本発明によるβ2作動薬は、鏡像異性的に純粋であってもよく、または立体異性的もしくはジアステレオマー的な混合物であってもよい。
「その立体異性体」という用語には、同一な構成を有するが、空間におけるその原子の配置が異なっている、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、およびシス-トランス異性体などの任意の異性体が含まれる。
β2作動薬が不斉炭素原子を有する本発明の関心対象である態様において、β2作動薬は、鏡像異性的に純粋な、または鏡像異性的に富化された形態として供給される。「鏡像異性的に富化された形態」という用語には、R鏡像異性体またはS鏡像異性体のいずれかがそれぞれもう一方のS鏡像異性体またはR鏡像異性体に対して量的に過剰に存在する、R鏡像異性体およびS鏡像異性体の混合物が含まれる。それらがジアステレオ異性体である場合、それはジアステレオ選択性と呼ばれ、ジアステレオ異性体の過剰性によって量的に表現される。鏡像異性的に富化された形態には、R鏡像異性体とS鏡像異性体との比が70:30〜100:0の間である、例えば、混合物の少なくとも70%がR鏡像異性体の形態にある、例えば少なくとも75%、80%、85%、90%;または95%などがR鏡像異性体の形態で存在する、2種の鏡像異性体の混合物が含まれる。
R鏡像異性体およびS鏡像異性体がしばしば異なる生物活性を有することは当技術分野で周知である。このため、β2作動薬が構造式IのCに1個の不斉炭素原子を有するカテコールアミン誘導体である本発明の関心対象である態様において、β2作動薬はR鏡像異性形態として提供されるが、その理由は、この鏡像異性体の局所適用が、対応するラセミ混合物に関して報告されているもののような有害反応を引き起こさないことを本発明者が示しているためである。さらに、本発明者はまた、この鏡像異性体が結合組織病の局所療法にも有効であることを実証している。
したがって、本発明の現時点で好ましい態様において、β2作動薬は、結合組織病の治療において薬理学的に活性があり、かつ皮膚に対する局所適用後に皮膚の感作を引き起こさない鏡像異性体として提供される。本発明によれば、このような態様は、その骨格内に上に示した構造式IのCにR空間配置を含む、β2作動薬の少なくとも鏡像異性的に純粋なまたは鏡像異性的に富化されたR鏡像異性体を含む。
本発明のこのような好ましい態様は、構造式Iの炭素原子Cが、R配置を形成する置換基を備えた不斉炭素原子を指定する、式Iによるβ2作動薬を含む。
したがって、本発明のβ2作動薬は、構造式IのCにR空間配置を有する鏡像異性形態として提供することができる。このようなβ2作動薬は、以下のものから選択されるβ2作動薬の鏡像異性的に純粋なまたは鏡像異性的に富化されたR鏡像異性体でありうる:アミテロール;バメタン;ビトルテロール;ブタキサミン;カルブテロール;シマテロール;コルテロール;クレンブテロール;クロルプレナリン;コルテロール;デテレノール;ジオキセテドリン;エタフェドリン;エチルノルエピネフリン;フェノテロール;インダカテロール;イソプロテレノール(イソプレナリン);マブテロール;メルアドリン;ナルデテロール;ノルブドリン;ノルエピネフリン(アルテレノール);オルシプレナリン(メタプロテレノール);ピクメテロール;ピルブテロール;キンプレナリン;レプロテロール;サルブタモール(アルブテロール);サルメテロール;ソテレノール;スルホンテロール;テルブタリン;ツロブテロール;ジンテロール;それらの生理学的に許容される誘導体および/またはそれらの薬学的に許容される塩。このような態様において、構造式IのR3はヒドリドのみを指定する。
R3がハロゲン、C1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、およびC2-6-アルキニルからなる群より選択される遊離基を指定する他の態様において、β2作動薬は、例えばエチルノルエピネフリン、フレロブテロール、フォルモテロール、ヘキソプレナリン、イソエタリン、メドロキサロール、2-(メチルアミノ)-1-フェニル-1-プロパノール、プロカテロール、プロトキロール、リミテロール、サルメファモ−ル、およびジルパテロール、それらの生理学的に許容される誘導体、および/または薬学的に許容される塩のRRジアステレオマーまたはRSジアステレオマーのように、両方ともCにR空間配置を有する2種のジアステレオマー形態として提供することができ、この際、RSにおけるRは構造式Iの不斉炭素C1のことを指す。このようなジアステレオマーを、ジアステレオマー的に純粋なRS異性体もしくはRR異性体として、またはジアステレオマー的に富化されたRS異性体もしくはRR異性体として提供しうることは当然理解されると思われる。
このため、「β2作動薬のR鏡像異性体」という用語は、それらがほかにもキラル中心を有するという事実にもかかわらず、その骨格内に構造式IのR鏡像異性体配置を含む任意のβ2作動薬を含むものとする。したがって、β2作動薬のR鏡像異性体には、言及される第1のRが構造式Iの炭素原子C1のキラル中心を指す、エチルノルエピネフリン、フレロブテロール、フォルモテロール、ヘキソプレナリン、イソエタリン、メドロキサロール、2-(メチルアミノ)-1-フェニル-1-プロパノール、プロカテロール、プロトキロール、リミテロール、サルメファモ−ル、ジルパテロール、それらの生理学的に許容される誘導体、および/または薬学的に許容される塩などの、RR鏡像異性体およびRS鏡像異性体が含まれる。
本発明の現在の関心対象である1つの態様において、β2作動薬はR-サルブタモール、またはその生理学的に許容される誘導体、および/またはその薬学的に許容される塩(例えば、R-サルブタモールの硫酸塩もしくは塩酸塩など)、またはサルブタモールのアミノ酸塩(例えばサルブタモールとアミノ酸との塩など)である。R-サルブタモールは、レボ-サルブタモール、R-アルブテロール、またはレバルブテロールとしても知られている。
その他の好ましいβ2作動薬には、R-テルブタリンおよびRR-フォルモテロールがある。
投与の様式および投与量
本発明のβ2作動薬は、皮膚もしくは粘膜における作動薬の局所的存在または作動薬の全身的存在をもたらす任意の投与経路を介して、個体に対して投与することができる。さまざまな態様に関する投与の経路には、局所的、経皮的、鼻内、および全身投与(静脈内、筋肉内、皮下、吸入、直腸、口腔、膣内、腹腔内、関節内、眼科的、耳内、または経口投与など)が非限定的に含まれる。本明細書で用いる場合、「全身投与」とは、すべての非皮膚的投与経路のことを指し、特に局所的投与経路は除外される。
「皮膚または粘膜における作動薬の局所的存在」という語句は、β2作動薬の全身取込みが限定的または皆無であるという推定の下での、皮膚または粘膜、例えば眼、口腔、鼻腔、もしくは腸管の粘膜などに対するβ2作動薬の局所投与を含むものとする。すなわち、局所的に投与された本発明による作動薬の重量比で15%未満、例えば重量比で10%未満、8%未満、5%未満、および3%未満などが血流中に入ること、または尿および便中に回収されることを意図している。
「作動薬の全身的存在」および「全身投与」という語句は互換的な用語であり、作動薬の血流中への進入をもたらすβ2作動薬の任意の投与形態を含むものとする。このため、作動薬は経口的、経皮的、経粘膜的、または非経口的な経路によって投与することができる。
本発明の現在の関心対象である1つの態様において、β2作動薬は皮膚の局所的治療を意図しており、個体の皮膚などに対して局所的に投与されるものである。治療は優先的には、皮膚の局所的治療のために、罹患した皮膚領域に対する本明細書に定義したβ2作動薬の局所適用によって遂行される。このような態様において、局所適用後の全身吸収は限定的または皆無であるべきである。
β2-アドレナリン作動薬の力価は、どのような根拠で臨床的に十分に意義のある用量が適用されるかによって大きく異なり、適用される必要な投薬レジメンも大きく異なりうる。
全身投与の場合には、総一日量は、治療の持続期間、β2作動薬の薬学的製剤化、および経口投与、経皮的、経粘膜的、または非経口的な投与後の生物学的利用能に応じて、典型的には0.000001〜5mg/(kg体重)の範囲にあると考えられる。当業者は、総一日量を1日2回の投薬または1日3回の投薬というように1回または複数回の投薬に分けてもよいことを理解していると思われる。
局所投与の場合には、β2-アドレナリン作動薬の一日量は局所投与可能な組成物中のβ2-アドレナリン作動薬の濃度に従って定められる。β2-アドレナリン作動薬の濃度は、治療の持続期間、製剤のタイプ、および局所用組成物を1日に適用する回数に応じて、典型的には0.0001〜50.0%(w/w)の範囲にある。
上述の通り、本発明の現在の関心対象である1つの態様において、β2作動薬はR-サルブタモールまたはその薬学的に許容される塩であり、全身投与されるR-サルブタモールに関する有効総一日量は0.05mg〜10mgの間、好ましくは1〜2.5mgの間である。局所投与可能なR-サルブタモールまたはその薬学的に許容される塩については、R-サルブタモールに関する好ましい濃度は0.01〜10.0%(w/w)の間、好ましくは0.05〜5.0%(w/w)の間である。
β2作動薬をラセミ混合物またはR鏡像異性体のいずれかとして皮膚に対して局所的に投与することを考える場合には、局所投与可能な組成物は好ましくは、β2作動薬を、重量比で0.01〜10%の間、好ましくは重量比で0.05〜7%の間、例えば重量比で0.05〜6%、重量比で0.05〜5.5%、重量比で0.05〜5%、重量比で0.05〜4.5%、重量比で0.05〜4%、重量比で0.05〜3.5%、例えば重量比で0.05〜3%などの範囲にある量として含むべきである。本発明のさらにより好ましい態様において、皮膚用製剤は、β2作動薬を、重量比で0.2〜7%の間、好ましくは重量比で0.2〜6.5%の間、例えば重量比で0.2〜6%の間、重量比で0.2〜5.5%、重量比で0.2〜5%、重量比で0.2〜4.5%、重量比で0.2〜4%、重量比で0.2〜3.5%、例えば重量比で0.2〜3%の範囲にある量として含むべきである。本発明のさらに好ましい態様において、皮膚用製剤は、β2作動薬を、重量比で0.2〜2.5%の間の範囲にある量、例えば重量比で約0.5%、1%、1.5%、および2%として含むべきである。
局所投与可能な組成物
上述の通り、β2作動薬の安全な投与には、皮膚の感作を引き起こさず、かつ依然としてβ2-アドレナリン受容体作動薬活性を有する、鏡像異性体またはジアステレオマーの投与が必要なことがある。
したがって、本発明のさらにもう1つの局面は、鏡像異性的に純粋な鏡像異性体または鏡像異性的に富化された鏡像異性体のいずれかの形態として供給される、カテコールアミン由来のβ2作動薬のR鏡像異性体を含む皮膚用の/局所用の投与可能な薬学的組成物;および1つまたは複数の皮膚科学的に許容される賦形剤または担体をさらに含むそのような組成物に関する。
「感作を引き起こさない」という用語は、Kalish Rら(Kalish R et al. Sensitization of mice to topically applied drugs: albuterol, chlorpheniramine, clonidine and nadolol. Contact Dermatitis 1996 August;35(2):76-82)によって記載された接触感作試験または耳介腫脹刺激試験において、その治療的有効濃度に対応する濃度、典型的には0.5%〜5%w/wの間で適用された場合に皮膚の接触感作または耳介腫脹を生じさせない、β2作動薬の鏡像異性体を定義するものとする。または、皮膚感作に関する試験を、MagnussonおよびKligmanの方法(J. Invest. Dermatol. 1969. 52, 268-276)に従って、ならびに1992年7月17日のO.E.C.D. Guideline N゜406および96/54 E.E.C Directiveの試験方法B.6に従って行うこともできる。
「局所投与可能な薬学的組成物」という語句は、皮膚への適用のために製剤化された組成物であって、希釈をさらに行うことなくそのまま皮膚に直接適用することができるか、または皮膚に適用する前にβ2作動薬の濃縮物を生理学的に許容される担体中に希釈した結果である組成物を含む。
したがって、本発明は、治療的有効成分として、β2作動薬またはその生理学的に許容される誘導体またはその薬学的に許容される塩の、鏡像異性的に純粋なまたは鏡像異性的に富化されたR鏡像異性体を含む、局所投与可能な薬学的組成物であって、β2作動薬が構造式IIによって定義され、
Figure 2008535873
式中、Z、Y、X、R1、R2、R3、R'、R”が構造式Iに関連して上記で定義された通りであり;かつ1つまたは複数の皮膚科学的に許容される賦形剤または担体をさらに含む、薬学的組成物を提供する。
具体的には、このような局所投与可能な組成物は、治療的有効成分として、式IIによるβ2-アドレナリン受容体作動薬、またはその生理学的に許容される誘導体またはそれらの薬学的に許容される塩を含み、式中、Cの炭素原子はR配置を有する不斉炭素を指定しており、Z、Y、X、R1、R2、R3、R'、R”は上記で定義した通りである。
このようなR鏡像異性体(鏡像異性的に純粋なまたは鏡像異性的に富化されたものとして提供される)は、好ましくは、アミテロール、バメタン、ビトルテロール、ブタキサミン、カルブテロール、シマテロール、コルテロール、クレンブテロール、クロルプレナリン、コルテロール、デテレノール、ジオキセテドリン、エタフェドリン、エチルノルエピネフリン、フェノテロール、インダカテロール、イソプロテレノール、マブテロール、メルアドリン、ナルデテロール、ノルブドリン、ノルエピネフリン、オルシプレナリン、ピクメテロール、ピルブテロール、キンプレナリン、レプロテロール、サルブタモール、サルメテロール、ソテレノール、スルホンテロール、テルブタリン、ツロブテロール、ジンテロール、それらの生理学的に許容される誘導体、およびそれらの薬学的に許容される塩の、鏡像異性的に純粋なまたは鏡像異性的に富化されたR鏡像異性体からなる群より選択される。
構造式IIのβ2作動薬が複数の不斉炭素、例えば2つの不斉炭素原子を含む場合には、β2作動薬を、構造式IIのCの不斉炭素がR配置を有するジアステレオマーとして提供することもできる。このようなβ2作動薬は、フレロブテロール、フォルモテロール、ヘキソプレナリン、イソエタリン、メドロキサロール、プロカテロール、プロトキロール、リミテロール、サルメファモ−ル、ジルパテロール、その生理学的に許容される誘導体、およびその薬学的に許容される塩から選択することができる。
さらに別の態様において、局所投与可能な組成物は、β2作動薬として、フレロブテロール、フォルモテロール、ヘキソプレナリン、イソエタリン、メドロキサロール、プロカテロール、プロトキロール、リミテロール、サルメファモ−ル、ジルパテロール、その生理学的に許容される誘導体、およびその薬学的に許容される塩から選択されるβ2作動薬の、RRジアステレオマー形態またはRSジアステレオマー形態を含む。
前述の通り、本発明者は、サルブタモールのR鏡像異性体が局所適用後に皮膚に対して皮膚感作を付与しないことを示した。このため、本発明の現在の関心対象である態様において、局所用組成物は、R-サルブタモール、または同じく構造式Iの炭素原子CにR配置を有する別の密接に関連したβ2作動薬を含む。
現在の関心対象である1つの態様において、局所投与可能な組成物は、以下のものを含む:
(i)R-サルブタモール、その生理学的に許容される誘導体、またはその薬学的に許容される塩;および
(ii)1つまたは複数の皮膚科学的に許容される賦形剤または担体。
塩は好ましくは、R-サルブタモールの硫酸塩もしくは塩酸塩、またはサルブタモールのアミノ酸、例えばサルブタモールと必須アミノ酸との塩などの形態である。
当業者は、本発明の局所投与可能な組成物が、皮膚に対して局所的に適用するのに適していて、かつβ2作動薬の全身吸収を回避するか少なくとも最小限に抑えることを意図した、任意の形態でありうることを理解すると思われる。
したがって、組成物は、好ましくは、例えば局所的に投与された本発明の作動薬の重量比で15%未満、例えば重量比で10%未満、8%未満、5%未満、および3%未満などが、皮膚に対する局所投与後に血流中に入るか、または尿および便中に回収されるように、全身取込みを制限するような様式で製剤化された、クリームもしくはローションなどのエマルション、ゲル、溶液、リニメント、軟膏、泥膏、噴霧剤、エアロゾル、泡状体、液体、または粉末の形態でありうる。
本発明の他の態様においては、全身取込みを認容しうる。このため、経皮的製剤が本発明の皮膚用組成物のことを指すこともできる。
β2作動薬の濃度は、その力価に応じて大きく異なりうる。組成物中の濃度は、治療の持続期間、製剤のタイプ、および局所用組成物を1日に適用する回数に応じて、典型的には0.0001〜50.0%(w/w)の範囲にある。より好ましくは、濃度は重量比で0.01〜10%、例えばより典型的には0.02%〜5%の範囲にある。さらにより好ましくは、濃度は重量比で0.05〜5%、重量比で0.05〜4.5%、重量比で0.05〜4%、重量比で0.05〜3.5%、例えば重量比で0.05〜3%の間にある。本発明のさらにより好ましい態様において、皮膚用製剤は、β2作動薬を、重量比で0.2〜7%の間、好ましくは重量比で0.2〜6.5%の間、例えば重量比で0.2〜6%、重量比で0.2〜5.5%、重量比で0.2〜5%、重量比で0.2〜4.5%、重量比で0.2〜4%、重量比で0.2〜3.5%、例えば重量比で0.2〜3%の間の範囲にある量として含むべきである。本発明のさらにより好ましい態様において、皮膚用製剤は、β2作動薬を、重量比で0.2〜2.5%の間の範囲にある量、例えば、重量比で約0.5%、1%、1.5%、および2%として含むべきである。
局所投与可能な組成物がR-サルブタモールまたはその生理学的に許容される誘導体またはその薬学的に許容される塩を含む場合、R-サルブタモールに関する好ましい濃度は、0.01〜5.0%(w/w)の間、好ましくは0.05〜2.0%(w/w)の間である。R-サルブタモールの優れた認容性を考慮すると、投与される組成物は、さらに多くの量、例えば重量比で最大10%および20%、例えば、組成物の重量比で0.01%〜10%を含んでもよい。
本発明の薬学的組成物は、従来の薬学的行為に従って局所的に投与するために適した任意の固体、半固体、または液体の形態として製剤化することができ、これについては例えば、「Remington: The science and practice of pharmacy」 20th ed. Mack Publishing, Easton PA, 2000 ISBN 0-912734-04-3、および「Encyclopaedia of Pharmaceutical Technology」, edited by Swarbrick, J.& J.C. Boylan, Marcel Dekker, Inc., New York, 1988 ISBN 0-8247-2800-9を参照されたい。
一般的に言って、皮膚用組成物は、エマルション(マイクロエマルションおよびリポソーム製剤を含む)、ゲル、溶液、リニメント、軟膏、泡状体、噴霧剤、エアロゾル、マイクロスポンジ、パッチ、または粉末などの形態にある、いくつかの様式として提供することができる。
1つの態様において、局所投与可能な組成物はクリームである。クリームは典型的には、水または水性緩衝液などの親水性相を30%よりも多く含む水中油型エマルションである。
本発明に用いるための典型的な皮膚用製剤は、以下からなる水中油型エマルションなどのエマルションの形態として提供することができる:重量比で0.01%〜20%の範囲にある量の本発明によるβ2作動薬のR鏡像異性体;さらに以下の皮膚科学的に許容される成分:組成物の重量比で2〜30%の範囲にある量の脂肪成分;組成物の重量比で2〜30%の範囲にある量の油性成分;組成物の重量比で30%〜90%の範囲にある量の水;組成物の重量比で0.2〜10%の範囲にある量の乳化剤;組成物の重量比で1〜20%の範囲にある量の軟化剤;任意で、組成物の重量比で1〜20%の範囲にある量の親油性溶媒;任意で、組成物の重量比で1〜20%の範囲にある量の親水性溶媒;任意で、組成物の重量比で0.2〜10%の範囲にある量の増粘剤;任意で、組成物の重量比で0.2〜10%の範囲にある量の増粘剤;任意で、組成物の重量比で0.05〜3%の範囲にある量の増粘剤;任意で、組成物の重量比で0.05〜3%の範囲にある量の酸化防止剤;任意で、組成物の重量比で0.05〜3%の範囲にあるpH調整剤;任意で、組成物の重量比で0.05〜3%の範囲にある量のキレート剤、ただしすべての構成要素が組成物の重量比で100%を構成することを条件とする。
もう1つの態様によれば、組成物は軟膏として製剤化される。軟膏は典型的には、水または水性相を最大で70%、しかし好ましくは約20%〜約50%含む、油中水型エマルションである。脂肪相としては炭化水素;例えばワセリン、パラフィン油、および/または固形パラフィンが特に適しており、これらは、水と結合する能力を向上させるために、脂肪アルコールまたはそのエステル、例えばセチルアルコールまたは羊毛ロウアルコールまたは羊毛ロウなどの適したヒドロキシ化合物を含むことが好ましい。乳化剤は、ソルビタン脂肪酸エステル(Span類)、例えばオレイン酸ソルビタンおよび/またはイソステアリン酸ソルビタンなどの、対応する親油性物質である。水性相に対する添加物には、特に、多価アルコール、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、および/またはポリエチレングリコールなどの保湿剤、ならびに保存料、香料などがある。
もう1つの態様によれば、組成物は、無水性であって、かつ基剤として特に、炭化水素(例えばパラフィン、ワセリン、および/または流動パラフィン)、ならびに天然または部分合成性の脂肪(例えばココナッツ脂肪酸トリグリセリド)、または好ましくは硬化油(例えば水素化ラッカセイ油またはヒマシ油)、およびグリセロールの脂肪酸部分エステル(例えばモノステアリン酸グリセロールまたはジステアリン酸グリセロール)、ならびにまた、例えば、水吸収能を高める脂肪アルコールならびに軟膏に関連して言及した乳化剤および/または添加物を含む、脂肪性軟膏として製剤化される。
もう1つの態様によれば、組成物は、存在するあらゆる湿分または分泌物と結合することがその機能である、金属酸化物、例えば酸化チタンまたは酸化亜鉛、さらにはタルクおよび/またはケイ酸アルミニウムなどの分泌物吸収性の粉末成分を有するクリームおよび軟膏であるペーストとして製剤化される。
もう1つの態様によれば、組成物は、ゲルとして製剤化される。ゲルの場合には、区別は、水性ゲルと、膨張性のゲル形成性材料からなる無水性または低含水性ゲルとの間でなされる。特に、無機性または有機性の高分子を基にした透明ヒドロゲルが用いられる。ゲル形成特性を有する高分子量の無機成分は主として、ケイ酸アルミニウム(例えばベトナイト(betonite))、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(例えばビーガム(veegum))、またはコロイドシリカ(例えばエアロシル(aerosil))などの含水性ケイ酸塩である。高分子量の有機物質としては、例えば、天然、半合成、または合成性の高分子が用いられる。天然および半合成性のポリマーは、例えば、セルロース、デンプン、トラガカントゴム、アラビアゴム、寒天、ゼラチン、アルギン酸およびその塩(例えばアルギン酸ナトリウム)、ならびにそれらの誘導体(例えば低級アルキルセルロース、例えばメチルセルロースまたはエチルセルロース)、およびカルボキシ低級アルキルセルロースまたはヒドロキシ低級アルキルセルロース(例えばカルボキシメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロース)などの極めて多様な糖質構成単位を有する多糖に由来する。合成性のゲル形成性高分子の構成単位には、例えば、ビニルアルコール、ビニルピロリジン、アクリル酸、またはメタクリル酸といった対応する置換型の不飽和脂肪族化合物がある。このようなポリマーの例には、ポリビオールなどのポリビニルアルコール誘導体、コリジンなどのポリビニルピロリジン、Rohagit SまたはEudispertなどのポリアクリレートおよびポリメタクリレートがある。保存料または香料などの慣用的な添加物をゲルに添加することもできる。
もう1つの態様によれば、組成物は、泡状体として製剤化される。泡状体は例えば加圧された容器から投与され、エアロゾル形態にある水中油型エマルションであり、そこには噴射剤として、クロロフルオロ低級アルカン、例えばジクロロジフルオロメタンまたはジクロロテトラフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素が用いられる。油性相としては例えば、パラフィン油などの炭化水素、脂肪アルコール、例えばセチルアルコール、ミリスチン酸イソプロピルなどの脂肪酸エステル、および/または他の蝋状物質が用いられる。乳化剤としては、以下の混合物が用いられる:例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(Tween類)などの主として親水性を有するものの混合物、およびソルビタン脂肪酸エステル(Span類)などの主として親油性を有するものの混合物。保存料などの慣用的な添加物は、それらに対して添加される。
典型的には、種々の製剤に用いられる皮膚科学的に許容される成分は、以下の成分から選択することができる。
油性成分
種々の皮膚用組成物の形態の疎水性相である構成要素であり、以下の皮膚科学的に許容される成分の1つまたはその2つもしくはそれ以上の混合物でできていてよい:扁桃油、ヒマシ油、カカオ脂、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、オリーブ油、パーム油、落花生油、ケシ油、ナタネ油、胡麻油、大豆油、ヒマワリ油および茶油)、鉱油、脂肪油、流動パラフィン、鉱油、ミリスチン酸イソプロピル、蜜蝋、綿実油、セトステアリルアルコール(セトステアリルアルコールとラウリル硫酸ナトリウムの混合物を含む)、ラノリン、白色ワセリン、黄色ワセリン、キャノーラ油、セチルアルコール(セタノール)、落花生油、オレイン酸、パルミチン酸イソプロピル、ヒマシ油、ステアリルアルコール、ホホバ油、ステアリン酸、およびシリコーン油。
脂肪性成分
種々の皮膚用組成物の形態の疎水性相の構成要素であり、油相と組み合わせて、またはその代わりに用いることができ、典型的には、以下のものから選択される1つまたは複数の成分を含む:蜜蝋、パラフィン、ワセリン、トリグリセリド、パルミチン酸セチル、植物油、脂肪酸のソルビタンエステル(Span)、固形マクロゴール(ポリエチレングリコール)、および脂肪酸のソルビタンエステルとエチレンオキシドとの縮合物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Tween)。典型的な脂肪性成分は、ワセリン、パラフィン、植物油、動物性脂肪、合成グリセリド、蝋状物質、ラノリン、および液体ポリアルキルシロキサンを含む群から選択することができる。典型的な脂肪性成分には、固形マクロゴール(ポリエチレングリコール)が非限定的に含まれる。
水性相
親水性相を構成し、主に水、親水性溶媒、界面活性剤、乳化剤、保存料、pH調整剤、香味剤、着色料、および他の親水性成分を含む。
親水性溶媒
水性相に添加することができ、水、プロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール、エタノール、産業用変性アルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレンカーボネート、およびトリアセチンの形態にある極性溶媒などがある。
親油性溶媒
親油性相に添加することができる、イソプロピルアルコールおよび中鎖トリグリセリド(MCT)の形態にある非極性溶媒など。
軟化剤
脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリドまたはトリグリセリド、および脂肪酸エステル、ドデカン、スクアラン、コレステロール、イソヘキサデカン、イソノナン酸イソノニル、PPGエーテル、ワセリン、ラノリン、ベニバナ油、ヒマシ油、ヤシ油、綿実油、パーム核油、パーム油、落花生油、大豆油、ポリオールカルボン酸エステル、それらの誘導体、ならびにそれらの混合物など。
乳化剤(乳化薬剤)
水性相または油相のいずれに対して添加してもよい:本発明の組成物は、組成物を乳化するために1つまたは複数の乳化剤を含むことができる。本明細書で用いる場合、「乳化剤」という用語は、共有結合した極性領域および非極性領域の両方を有し、水の表面張力および水と不混和液との間の界面張力を低下させることができる両親媒性分子のことを指す。この用語は石鹸、洗浄剤、乳化剤、界面活性剤などを含むものとされる。乳化剤は陽イオン性、陰イオン性、非イオン性、または両性でありうる。これには多種多様な従来の乳化剤が含まれる:
非イオン性乳化剤:非イオン性乳化剤の例には、以下のものが非限定的に含まれる:グリコールを含むポリオールエステル(例えば、脂肪酸のエチレングリコール、ジエチレングリコール、ステアリン酸グリコール、およびプロピレングリコールモノエステル(ステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸プロピレングリコール、またはプロピレングリコールパルミトステアレート))、およびグリセロールエステル(例えば、ステアリン酸グリセリル、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノラウレート、リシノール酸グリセリル、グリセリルモノカプリレート);
ソルビタン誘導体。これはソルビトールの環状無水物と脂肪酸(C12-C18)とのエステルからなる。ソルビタン誘導体は2つの群に分けられる:(i)脂肪酸のソルビタンエステル(例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート(SPAN 60(商標))、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエートまたはソルビタントリステアレート)および(ii)ポリオキシエチレンソルビタンエステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(TWEEN 60(商標))、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート(TWEEN 65(商標))、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(TWEEN 80(商標));
ポリオキシエチレンエステル(マクロゴールエステルとも呼ばれる)。これは、ポリオキシエチレングリコール(PEG)のモノ脂肪酸エステルまたは二脂肪酸エステル(C12〜C18)、例えば、PEG(PEG-40、PEG-50およびPEG-55)のステアリン酸エステル、PEGのラウリン酸、オレイン酸、およびミリスチン酸エステルの混合物である;
ポリオキシエチレンエーテル。これは、マクロゴールおよび脂肪アルコールのエーテル、例えば以下のアルコールのエーテルである:ステアリル(ステアレス乳化剤)、セトステアリル(セトステアリルアルコールとラウリル硫酸ナトリウムの混合物を含む、セテアレス乳化剤)、およびオレイル(オレス乳化剤);
ポリオキシエチレン基を有するポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン誘導体であるポロキサマー(例えば、ポロキサマー-188);
エトキシル化ノニルフェノールであるノニルフェニルエーテル(ノノキシノール);
プロピレングリコールジアセテート;
ポリビニルアルコール;
脂肪酸とモノエタノールアミンまたはジエタノールアミンとの反応によって調製されるアルカノールアミド;
脂肪アルコール(例えば、セチルアルコールおよびステアリルアルコール);アルキルグルコシド;
アルキルポリグルコシド;ポリヒドロキシ脂肪酸アミド;
スクロースエステル;
脂肪酸アルカノアミド;
エトキシル化脂肪酸;
エトキシル化脂肪族系酸;
エトキシル化脂肪アルコール(例えば、商標名TRITON X-100として販売されているオクチルフェノキシポリエトキシエタノール、および商標名NONIDET P-40として販売されているノニルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール。どちらもSigma社, St. Louis, MOによる);
エトキシル化および/またはプロポキシル化脂肪族アルコール;
エトキシル化グリセリド;
エトキシル化プロポキシル化ブロックコポリマー、例えばBASF社から販売されているPLURONICおよびTETRONIC界面活性剤。
陽イオン性乳化剤:陽イオン性乳化剤の例には、以下のものが非限定的に含まれる:ポリオキシアルキレン化されていてもよい第一級、第二級、または第三級脂肪アミンの塩;第四級アンモニウム塩、例えばテトラアルキルアンモニウム、アルキルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム、トリアルキルベンジルアンモニウム、トリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウム、またはアルキルピリジニウムのハロゲン化物(好ましくは塩化物または臭化物)、ならびに他の陰イオン性対イオン、例えば、限定的ではないがアルキル硫酸、例えば限定的ではないがメトスルフェートおよびエトスルフェートなど;イミダゾリン誘導体;陽イオン性(例えば、酸性pHで)のアミンオキシド。アミンオキシド乳化剤の例には、ラウリルジメチルアミンオキシド、ラウリルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、およびセチルアミンオキシドであるものが含まれる。
陰イオン性乳化剤:陰イオン性乳化剤の例には、以下のものが非限定的に含まれる:サルコシネート、グルタメート、アルキル硫酸、ナトリウムアルキレススルフェートまたはカリウムアルキレススルフェート、アンモニウムアルキレススルフェート、アンモニウムラウレス-n-スルフェート、ラウエス(laweth)-n-スルフェート、イセチオネート、グリセリルエーテルスルホネート、スルホサクシネート、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、アルキルリン酸、アラルキルリン酸、アルキルホスホネート、およびアラルキルホスホネート。これらの陰イオン性乳化剤が金属性または有機アンモニウム性対イオンを有してもよい。
両性乳化剤:両性タイプの乳化剤には、プロトン化されていてもよい第三級アミンを有する乳化剤、ならびに第四級アミンを含む両性イオン性乳化剤が含まれる。このような両性乳化剤の例には以下のものが非限定的に含まれる:ココベタインおよびコカミドプロピルベタインなどのある種のベタイン;ラウロアムホアセテートナトリウムなどのモノアセテート;ラウロアムホアセテート二ナトリウムなどのジアセテート;ラウロアミノプロピオン酸などのアミノプロピオネートおよびアルキルアミノプロピオネート。両性アンモニウムスルホネート:このクラスの両性乳化剤は、コカミドプロピルヒドロキシスルタインなどの「スルタイン」または「スルホベタイン」のことを指す。
好ましい乳化剤は、HLB(すなわち、親水性-親油性バランス)が少なくとも4であるもの、より好ましくは少なくとも6であるものである。さらにより好ましい乳化剤は、HLBが8〜20の範囲、例えば10〜20の範囲にある親水性乳化剤である。最も好ましい乳化剤は、HLBが少なくとも12、例えば少なくとも15である。1つまたは複数の乳化剤を、本発明の組成物中に、所望の結果を生じさせるのに適したレベルで含めることができる。1つの好ましい態様において、1つまたは複数の乳化剤は、そのままで使える状態の組成物の総重量を基準として、少なくとも0.1wt%、より好ましくは少なくとも0.5wt%、さらにより好ましくは少なくとも1.0wt%の総量で存在する。乳化剤によって引き起こされる刺激作用を避けるために、1つの好ましい態様において、乳化剤は、そのままで使える状態の組成物の総重量を基準として、10wt%を上回らない、より好ましくは5wt%を上回らない、さらにより好ましくは3wt%を上回らない、さらにより好ましくは2wt%を上回らない総量で存在する。
・親水性相に添加することができるポリマー性増粘剤
例えば、アラビアゴム、アルギン酸塩、カラゲナン、キトサン、コラーゲン、トラガカントゴム、およびキサンタムなどのゴム類;カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース;カルボマーおよびポリカルボフィルなどのアクリル酸;シリカ、粘土、および微結晶性セルロースなどのコロイド性固体;ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンなどのヒドロゲル;ポロキサマーなどの熱可逆性ポリマー。
pH調整剤(緩衝剤)
親水性相に添加することができ、ジエタノールアミン、乳酸、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸、酢酸、酒石酸、リン酸水素、リン酸塩、およびジエチルアミンなどがある。
浸透促進物質
角質層内へのオキサプロジンの浸透性を高めるために親水性相または親油性相のいずれに対しても添加することができる。
保存料
例えば、塩化ベンザルコニウム、ベンジルアルコール、クロルヘキシジン、イミダゾリジニル尿素、フェノール、ソルビン酸カリウム、安息香酸、ブロノポール、クロロクレゾール、パラベンエステル、フェノキシエタノール、およびソルビン酸のような抗菌剤ならびにそれらの混合物。
保湿剤
グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、乳酸、尿素、およびそれらの混合物から選択することができる。
キレート剤
クエン酸およびエデト酸など。
酸化防止剤
例えばα-トコフェロール、アスコルビン酸、アスコルビン酸パルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、システインアスコルビン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム。
懸濁化剤
セルロースおよびセルロース誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カラゲナン、アカシアゴム、アラビアゴム、トラガカントゴム、およびそれらの混合物を含む群から選択することができる。
ゲル形成剤(増粘剤)
適したゲル基剤および粘度上昇成分(増粘剤)は、流動パラフィン、ポリエチレン、脂肪油、コロイドシリカまたはコロイドアルミニウム、亜鉛石鹸、グリセロール、プロピレングリコール、トラガカントゴム、カルボキシビニルポリマー、ケイ酸マグネシウム-アルミニウム、カルボポール(登録商標)、親水性ポリマー(例えばデンプン)、またはセルロース誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、および他のセルロース誘導体)、水膨張性親水コロイド、カラゲナン、ヒアルロン酸塩(例えば、ヒアルロン酸ゲル、これは任意で塩化ナトリウムを含む)、およびアルギン酸プロピレングリコールを含むアルギン酸塩を含む群から選択することができる。そのほかの例には、キサンタンゴムなどの高分子量多糖ゴムがある。
このように、本発明の局所投与可能な組成物において、β2作動薬は通常、水または有機材料もしくは無機材料を含む任意の水溶液などの液体担体系の中に分配されると考えられる。さらに、組成物が、質感、外観、芳香性、または安定性を改変または向上させるために1つまたは複数の成分を含んでもよい。組成物に対する例示的な添加物には以下のものが含まれる:油性成分、脂肪性成分、軟膏基剤、親水性溶媒、親油性溶媒、軟化剤、水、緩衝剤、pH調整剤、保存料、保湿剤、キレート剤、酸化防止剤、安定剤、乳化剤、懸濁化剤、ゲル形成剤、香料、皮膚保護剤、芳香剤、防腐剤、および保存料。
本発明の局所投与可能な組成物は、物理的および化学的に安定である。エマルションの親油性相および親水性相の相分離が問題である場合には、電解質に対する感受性がより低い乳化剤を選択することが重要なことが見いだされている。したがって、本発明のある特定の好ましい態様においては、非イオン性乳化剤を乳化剤として選択すべきである。例示的な非イオン性乳化剤には、グリコールおよびグリセロールエステルを含むポリオールエステル;脂肪酸のソルビタンエステルおよびポリオキシエチレンソルビタンエステルを含むソルビタン誘導体;ポリオキシエチレンエステル;ポリオキシエチレンエーテル;ポロキサマー;ノニルフェニルエーテルが非限定的に含まれる。好ましいものは、脂肪酸のソルビタンエステルおよびポリオキシエチレンソルビタンエステルである。
物理的安定性は、エマルションに物理的ストレスを加えた後にエマルションの相分離の傾向を観察することによって認識することができる。例えば、エマルションを「凍結および解凍」の反復サイクルに、例えば6回曝露させ、その後に遠心処理を行うことができる。または、25℃、40℃、または60℃での1カ月、3カ月、6カ月、12カ月にわたるエマルションの長期保存の後、任意で皮膚用組成物の遠心処理後に、相分離を観察することもできる。本発明の1つの特定の態様において、皮膚用組成物は、例えばクリームまたはリニメントとして提供される水中油型エマルションである。親水性相と親油性相との比は、角質層内へのβ2作動薬の拡散/溶解度が改変されるような様式で適応させることができる。
皮膚科学的に投与しうる薬学的製剤は、その目的にとって慣用的である薬学的添加剤と混合することによって、例えば、有効成分を基剤中または必要であればその一部分の中に溶解または懸濁化することによって、本質的に公知である様式で調製される。有効成分が液相の1つに溶解しているエマルションを調製するためには、原則として有効成分を乳化の前にその中に溶解させる;有効成分がエマルション中に懸濁化されている懸濁液を調製するためには、乳化の後に有効成分を基剤の一部分と混合し、続いて製剤の残りの部分に対して添加する。
さらなる成分
本明細書に示した治療的作用を強化、改良、増強、もしくは延長するため、またはより毒性が低い、安全な、より便利な、より認容性が高い、もしくはより費用のかからない治療アプローチを提供するために、治療的有効成分または皮膚科学的に許容される成分のいずれかであるさらなる成分を、β2作動薬とともに同時投与することができる、または本発明の薬物もしくは皮膚用組成物に添加することができる。
したがって、本発明のいくつかの態様において、薬物、方法、使用、および皮膚用組成物はさらに、1つまたは複数の追加的な治療的有効成分を含む。例えば、NSAIDおよび免疫抑制剤といった、皮膚の結合組織病に一般に適用される治療的有効成分を含む。
しかし、本発明の好ましい態様において、β2作動薬は、安全性の懸念の理由から、投与される、または薬物中に存在する、単独の治療的有効成分または一次的/第1の治療的有効成分であってよい。同様に、本発明の皮膚用組成物は、本明細書に定義したβ2作動薬を単独の治療的有効成分または一次的な治療的有効成分として含むことが好ましい。
追加的な治療的有効成分を加えることが望ましい場合には、安全性の懸念の理由から、以下の薬剤のうち1つまたは複数を、本発明の使用、方法、薬物、および皮膚用組成物から除外すること、またはそれらに実質的な量では適用しないことができる:
・抗ヒスタミン剤またはその類似体、例えば特許出願US2005192261号に開示されているもの。
・副腎皮質ステロイド、例えば、特許出願US2005192261号に開示されているようなもの。
・イブジラスト、および特許出願WO05051293号で構造式Iによって定義されているような関連化合物(副腎皮質ステロイド受容体モジュレーターまたはグルココルチコイド受容体モジュレーターとの同時投与)。
・選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)、例えば、特許出願US2004220153号に開示されているようなもの。
・非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制剤(NsIDI)またはNsIDI促進物質(NsIDIE)、例えば、特許出願US2004224876号に開示されているようなもの。
・ステロイド、例えば、特許出願WO2003092617号に開示されているようなステロイド。
したがって、本発明の1つの態様において、本発明の薬物または局所投与可能な組成物は、実質的な量の副腎皮質ステロイドなどのステロイドを含まない。なおさらなる態様において、組成物はイブジラストまたは関連化合物;選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI);非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制剤(NsIDI)、および/またはアミノ糖を含まない。
本発明のもう1つの態様において、本発明の薬物または局所投与可能な組成物は、実質的な量の抗ヒスタミン剤;イブジラストまたは関連化合物;選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI);非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制剤(NsIDI)、および/またはアミノ糖を含まない。
同様に、これらの治療方法は、以下の薬剤の1つまたは複数またはすべての実質的な量の同時投与を除外する:ステロイド;イブジラストもしくは関連化合物;選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI);非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制剤(NsIDI)およびアミノ糖、または、抗ヒスタミン剤;イブジラストまたは関連化合物;選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI);非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制剤(NsIDI)もしくはアミノ糖の同時投与を除外する。
「実質的な量を含まない」という用語は、本発明による皮膚結合組織病の治療に対して全く寄与をしない量を定義するものとする。典型的には、このような量は、重量比で5%未満、例えば1%未満など、またはさらにより好ましくは0.1%未満である。さらにより好ましい態様において、この量は皆無であり、これは上述した化合物が本明細書に記載した組成物、方法および使用から除外されることを意味する。
「ステロイド」または「副腎皮質ステロイド」という用語は、水素化シクロペンタノペルヒドロフェナントレン環系を特徴とする任意の天然または合成性の化合物を定義するものとする。天然の副腎皮質ステロイドは一般に副腎皮質によって産生される。合成性の副腎皮質ステロイドはハロゲン化されていてもよい。副腎皮質ステロイドの例には、プレドニゾロン、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、フルチカゾン、プレドニゾン、トリアムシノロン、およびジフロラゾンがある。
「イブジラストまたは関連化合物」という用語は、イブジラスト、または特許出願WO 2005/051293号で定義されているようなピラゾロピリジンの誘導体を定義するものとする。
「選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)」という用語は、(i)中枢神経系の神経細胞によるセロトニンの取込みを阻害する、(ii)阻害定数(Ki)が10nMまたはそれ未満である、および(iii)ノルエピネフリンに比してのセロトニンに対する選択性(すなわち、Ki(ノルエピネフリン)とKi(セロトニン)との比)が100を上回るという化合物のクラスの任意のメンバーを定義するものとする。典型的には、SSRIは抗うつ剤として用いる場合には、1日10mgを上回る用量で投与される。本発明に用いるためのSSRIの例には、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、シタロプラム、およびベンラフェキシンがある。
「非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制剤または(NsIDI)」という用語は、炎症誘発性サイトカインの産生または分泌を低下させる、イムノフィリンと結合する、または炎症誘発性反応のダウンレギュレーションを引き起こす、任意の非ステロイド性薬剤を含む。NsIDIには、シクロスポリン、タクロリムス、アスコマイシン、ピメクロリムスなどのカルシニューリン阻害剤、ならびにカルシニューリンのホスファターゼ活性を阻害する他の薬剤(ペプチド、ペプチド断片、化学修飾ペプチド、またはペプチド模倣物)が含まれる。NsIDIにはまた、FK506-結合タンパク質であるFKBP12と結合して白血球の抗原誘発性増殖およびサイトカイン分泌をブロックする、ラパマイシン(シロリムス)およびエベロリムスも含まれる。
「抗ヒスタミン剤」という用語は、ヒスタミンの作用をブロックする化合物を定義している。抗ヒスタミン剤のクラスには、エタノールアミン、エチレンジアミン、フェノチアジン、アルキルアミン、ピペラジン、およびピペリジンが非限定的に含まれる。抗ヒスタミン剤の例には、ブロモジフェンヒドラミン、クレミゾール、シプロヘプタジン、デスロラタジン、ロラタジン、マレイン酸チエチルペラジン、およびプロメタジンがある。
さらに、以下の薬剤のうち1つまたは複数は、β2作動薬との同時投与、または本発明の薬物もしくは皮膚用組成物中に含めることから除外することができる:
・特許出願US2003236298号に開示されているような1,3-ビス-(置換-フェニル)-2-プロペン-1-オン、例えば、アリール、ヘテロアリール、または複素環部分である少なくとも1つのフェニル置換基を有する1,3-ビス-(置換-フェニル)-2-プロペン-1-オン。
・グルコサミン、ガラクトサミン、マンノサミン、それらの誘導体および塩からなる群より選択されるアミノ糖などの、特許出願US2005130935号またはWO 2003097073号に開示されているようなアミノ糖、例えば、アミノ糖がN-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミン、またはN-アセチルマンノサミンであるものは本発明の使用、方法、および組成物から除外される。
・US20050176714号またはWO2003104204号に記載されたようなピリダジン誘導体。
「1,3-ビス-(置換-フェニル)-2-プロペン-1-オン」という用語は、特許出願US2003236298号における一般式(1)によって定義される化合物、例えば、アリール、ヘテロアリール、または複素環部分である少なくとも1つのフェニル置換基を有する1,3-ビス-(置換-フェニル)-2-プロペン-1-オンのことを指す。
「アミノ糖」は、特許出願US2005130935号およびWO2003097073号に定義されたものを含むものとし、例えば、1つまたは複数の、単糖のアミノ誘導体(アルドースおよびケトース)およびその対応する糖アルコール(アルジトール)、例えばトリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトース、およびオクトースなどを包含するものとする。アルドース、ケトース、またはアルジトールは、アノマー位置を含む任意の位置で任意のアミノ基によって置換された1つまたは複数の水酸基を有する。アミノ糖はこのため、アルドース、ケトース、またはアルジトールのデオキシアミノ誘導体である。この用語はまた、複数の水酸基がアミノ基によって置換されたポリアミノ糖(例えば、ジデオキシジアミノ誘導体、トリデオキシトリアミノ誘導体)も含むものとする。さらに、「アミノ糖」という用語はまた、前記の単糖の少なくとも1つを含む、二糖、オリゴ糖、および多糖のアミノ誘導体も意味するものとする。その結果、二糖、オリゴ糖、および多糖の場合には、アミノ基がグリコシル化の位置にあってもよい。
「ピリダジン誘導体」という用語は、US20050176714号またはWO2003104204号において式(1)によって記載された化合物を含むものとする。このようなピリダジン誘導体はホスホジエステラーゼIV阻害剤である。
さらに、以下の薬剤のうち1つまたは複数は、皮膚用組成物において望ましくない:皮膚刺激剤、カンナビノイドまたはカンナビノイド受容体作動薬(特許出願WO05102296号に開示および定義されたようなもの)、抗原(WO03088997号に開示および定義されたようなもの)、スクラブ剤(特許出願JP7304647号に定義されたようなもの)、コショウ科の植物(例えば、コショウ、ナガコショウ、マチコ)の化合物(特許出願JP9110674号に定義および開示された化合物など)、溶解補助剤(JP 61-154201号に定義および開示されたものなど)、無機塩または有機酸(特許出願JP 06-048497号に開示および定義されたものなど)、血糖降下剤(特許US4088756号に開示および定義されたものなど)。
実施例
実施例1
β-2アドレナリン受容体作動薬の局所投与可能な組成物
本発明による薬学的組成物を、以下の組成(w/w)の油性相および水性相を混合する前にR-サルブタモール硫酸塩を水相中に溶解することによって調製した。
疎水性相:
ワセリン 5.0%
パラフィン油 10.0%
セチラン(Cetylan)(セトステアリルアルコールが9、ラウリル硫酸ナトリウムが1の割合の混合物) 5.0%
モノステアリン酸グリセリン 6.0%
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Tween 80) 0.5%
親水性相:
R-サルブタモール硫酸塩 0.5%
プロピレングリコール 5.0%
ベンジルアルコール 0.5%
水:100%となるように添加
エマルションは、まずR-サルブタモール硫酸塩を水性相中に溶解し、2つの相を70℃に加熱して、続いて2つの相を混合し、最後に混合物を攪拌しながら冷却することによって調製した。
実施例2〜5は、デンマークのBispebjerg Hospitalの医師の管理下での、実施例1の局所用組成物による、円板状エリテマトーデスまたは亜急性エリテマトーデスに罹患した患者における皮膚徴候の治療に関する。組成物を罹患部に1日1回または2回適用した。
実施例2
50歳の女性が円板状エリテマトーデスに18年間罹患していた。彼女の腕部は肢端チアノーゼにある程度冒されており、手指は重度に冒されていた。この間の年月にわたって、この女性は強力な局所用ステロイドによる定期的な治療を受けてきたが、効果は限定的であった。
疾患の増悪時、特に手指が冒された時に、この女性は手指に対して実施例1によるエマルションによる治療を開始した。6週間の治療の後に、この対象はほぼ完全な回復を来し、円板状エリテマトーデスの症状は事実上消失した。治療はさらに3カ月継続され、手指は無症状の状態に維持された。
実施例3
59歳の女性が円板状エリテマトーデスに6年間罹患していた。症状は下顎に始まったが、顔面の大部分に広がった。この女性は強力な局所用副腎皮質ステロイド、局所用タクロリムス、および全身性メトトレキサートによる周期的な治療を受けていたが、疾患の著しい改善はみられなかった。症状の増悪時に、この対象は実施例1によるエマルションによる1日2回の治療を開始した。4週間の治療の後に、顔面紅斑の著しい軽減がみられた。比較的新しい小さな紅斑は1〜2週間の治療の後に完全に消失した。
実施例4
66歳の女性が円板状エリテマトーデスに32年間罹患していた。疾患は極めて重症であり、腕部および背部が高度に冒され、病痕は身体の他の部分にも広がった。この女性はエルコクインおよび強力な局所用副腎皮質ステロイドによる治療を受けてきたが、効果は限定的であった。
症状の増悪時に、この女性は実施例1のエマルションによる1日2回の治療を開始した。治療の最初の6週間で、この対象には大きな病痕の著しい改善がみられ、小さな新たな病痕は数日間の治療で完全に消失した。
実施例5
81歳の女性が亜急性エリテマトーデスに16年間罹患していた。この対象は身体の多くの領域が冒され、背部、胸部、および顔面に病痕があった。
この女性は以前に、経口用プレドニゾロン、クロロキン、サリドマイド、および強力な局所用ステロイドによる治療を受けてきたが、いずれも効果は限定的であるか皆無であった。
症状の増悪時に、この女性は実施例1によるエマルションによる1日2回の治療を開始した。3週間の治療の後に、すべての病痕の著しい軽減が観察された。7週間の治療の後には、背部は完全に病痕がみられなくなった。
実施例6
R-サルブタモールの感作特性の評価
皮膚感作に関する試験は、MagnussonおよびKligmanの方法(J. Invest. Dermatol. 1969. 52, 268-276)に従って、ならびに1992年7月17日のO.E.C.D. Guideline N゜406および96/54 E.E.C Directiveの試験方法B.6に従って行われる。
手順:
被験物(硫酸塩としてのR-サルブタモール)を蒸留水で希釈して濃度0.5%(w/v)に調製した。
Dunkin-Hartley系統のアルビノモルモットを、少なくとも5日間の順化期間の後に、被験物に曝露させた。
最大非壊死濃度(M.N.N.C.)は、生理食塩水で希釈した以下の濃度:0.25%、0.125%、0.0625%、0.0312%、および0.0156%の被験物を、皮内経路によって注射することによって判定した。
前最大非刺激濃度(pre-M.N.I.C.)は、生理食塩水で希釈した以下の濃度:0.5%、0.25%、0.125%、および0.0625%の被験物の、閉鎖包帯下での24時間にわたる適用によって判定した。
最大非刺激濃度(M.N.I.C.)は、生理食塩水の皮内注射および蒸留水の局所適用による導入相をまず設定し、その後に18日間の安静期をおくことによって判定した。被験物を24時間にわたり閉鎖包帯下におく曝露相では、アルビノモルモットの皮膚に対して、生理食塩水で希釈した以下の濃度:0.5%、0.25%、0.125%、および0.0625%の被験物を適用した。導入相は、第0日での濃度0.5%の被験物の皮内注射、および第7日でのラウリル硫酸ナトリウム溶液の塗布後の0.5%の被験物の局所適用によって行った。
結果:
閉鎖包帯(曝露相)の除去後の検査で、被験動物にはアレルギーに起因する肉眼的な皮膚反応は全く記録されなかった。皮膚不耐性反応は陰性対照群の動物で記録された。
実施例7
皮膚LEの患者の治療におけるβ2作動薬の有効性および安全性は、プラセボを対照とする二重盲検下での試験によって判定することができる。
皮膚に新たに生じた円板状病変を呈するSLEまたはDLEと臨床的に診断された患者(少なくとも30例を2群に分ける)を試験に参加させる。
試験では新たな炎症病変のみを検査する。治験者は、各患者の1つの病変(標的病変)を選択し、この特定の病変を各受診時に検査する。治療面積は100cm2を上回ってはならない。
2つの治療群をおく:試験に参加する患者の半数は、実施例1の0.5%クリームによる選択された病変部の治療を受け、患者の半数はプラセボクリームによる選択された病変部の治療を受ける。治療は1日2回、8週間にわたって行う。ベースライン時ならびに2週間、4週間、6週間、および8週間の治療後に、治験者は徴候および症状(紅斑、鱗屑/肥厚、色素沈着異常、瘢痕/萎縮/皮下脂肪組織炎、および硬化)を評価して病変面積を測定し、患者は掻痒感および疼痛(標的病変に限定されるもの)を視覚的アナログ尺度で評価する。治療した病変の全般的改善度(治験者によるスコア化)および患者評価による全般的改善度を、2週間、4週間、6週間、および8週間の治療後に評価する。
治験者による紅斑の評価は、以下のスコアに従って行う:0=なし、1=淡紅色;かすかな紅斑、2=赤色、3=暗赤色;紫色/青紫色/痂皮性/出血性。
治験者による鱗屑/肥厚の評価は、以下のスコアに従って行う:0=なし、1=鱗屑、2=疣状/肥厚性。
治験者による色素沈着異常の評価は、以下のスコアに従って行う:0=なし、1=色素沈着異常。
治験者による瘢痕/萎縮/皮下脂肪組織炎の評価は、以下のスコアに従って行う:0=なし、1=瘢痕、2=重度の萎縮性瘢痕または皮下脂肪組織炎。
治験者による硬化の評価は、以下のスコアに従って行う:0=なし、1=硬化、2=重度の硬化。
治験者による標的病変の全般的改善度の評価は、以下のスコアに従って行う:-1=悪化、0=変化なし、1=軽度の改善、2=中等度の改善、3=完全に治癒。
患者は、標的病変の全般的改善度を以下のスコアに従って評価することを求められる:-1=悪化、0=変化なし、1=軽度の改善、2=中等度の改善、3=完全に治癒。患者は、標的病変における疼痛および掻痒感を、0から10までの視覚的アナログ尺度を用いて評価する。

Claims (62)

  1. 個体における皮膚を冒す結合組織病の治療用の薬物の調製のための、β2-アドレナリン受容体作動薬の使用。
  2. β2作動薬が、その立体異性体、その生理学的に許容される誘導体、およびその薬学的に許容される塩を含め、構造式Iによって定義され、
    Figure 2008535873
    式中、Z、X、およびYが、H;置換型のC1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシル、フェニル、C7-14アルカリル、およびC7-14アルクヘテロシクリル;OOR'、CN、NH-CO-NH2、NH-CO、トリハロゲンメチル、ハロゲン、OH、OR'、NH2、NHR'、NR'R”、CO、CO-R'、HSO2、R'-SO2、NH-SO2-R'からなる群より選択される遊離基を独立に指定し、かつZ、X、およびYから選択される基のうち2つが一緒になって、五員もしくは六員の炭素環または1つの窒素原子(N)を環内に有する炭素環を形成し;
    R1およびR2が、H、C1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシル、C7-14アルカリル、C7-14アルクヘテロシクリルからなる群より選択される遊離基を独立に指定し、かつR1およびR2が一緒になって、五員もしくは六員の炭素環または1つの窒素原子(N)を環内に有する炭素環を形成し;
    R3が、H、ハロゲン、C1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、およびC2-6-アルキニルからなる群より選択される遊離基を指定し;
    基C1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシル、C7-14アルカリル、およびC7-14アルクヘテロシクリルが、NH2、NHR'、NR'R”、OH、シアノ、ニトロ、およびハロゲンによって一置換または二置換されており;かつ
    R'およびR”が、C1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシル、C7-14アルカリル、およびC7-14アルクヘテロシクリルからなる群より選択される遊離基を独立に指定する、
    請求項1記載の使用。
  3. 構造式Iのフェニル環が非置換型、一置換型、または二置換型のフェニル環を定義し、ZおよびYが同じであっても異なってもよく、Xがヒドリドであり、かつZおよびXが請求項2に定義された通りである、請求項2記載の使用。
  4. R'およびR”が、C1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、およびC1-6-アルコキシルからなる群より選択される遊離基を指定する、請求項2または3記載の使用。
  5. β2-アドレナリン受容体作動薬が、アミテロール;バメタン;ビトルテロール;ブタキサミン;カルブテロール;シマテロール;コルテロール;クレンブテロール;クロルプレナリン;コルテロール;デテレノール;ジオキセテドリン;エタフェドリン;エチルノルエピネフリン;フェノテロール;フレロブテロール;フォルモテロール;ヘキソプレナリン;インダカテロール;イソエタリン;イソプロテレノール;マブテロール;メドロキサロール;メルアドリン;ナルデテロール;ノルブドリン;ノルエピネフリン;オルシプレナリン;ピクメテロール;ピルブテロール;プロカテロール;プロトキロール;キンプレナリン;レプロテロール;リミテロール;サルブタモール;サルメファモ−ル;サルメテロール;ソテレノール;スルホンテロール;テルブタリン;ツロブテロール;ジルパテロール;ジンテロール;ブロキサテロール;メトキシフェナミン;フェニソノン;トレトキノール;シベナデト(Sibenadet);AR-C68397;CHF-1035;QAB-149;GW-685698;GW-159797;AD-237;HOKU-81;678007;159802;642444;159797;597901;KUR-1246;KUL-7211;KUL-1248;AR-C89855;S-1319;TA-2005;それらの立体異性体;それらの生理学的に許容される誘導体;およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される、請求項1記載の使用。
  6. β2-アドレナリン受容体作動薬が、アミテロール;バメタン;ビトルテロール;ブタキサミン;カルブテロール;シマテロール;コルテロール;クレンブテロール;クロルプレナリン;コルテロール;デテレノール;ジオキセテドリン;エタフェドリン;エチルノルエピネフリン;フェノテロール;フレロブテロール;フォルモテロール;ヘキソプレナリン;インダカテロール;イソエタリン;イソプロテレノール;マブテロール;メドロキサロール;メルアドリン;ナルデテロール;ノルブドリン;ノルエピネフリン;オルシプレナリン;ピクメテロール;ピルブテロール;プロカテロール;プロトキロール;キンプレナリン;レプロテロール;リミテロール;サルブタモール;サルメファモ−ル;サルメテロール;ソテレノール;スルホンテロール;テルブタリン;ツロブテロール;ジルパテロール;ジンテロール;それらの生理学的に許容される誘導体、およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される、請求項2記載の使用。
  7. β2-アドレナリン受容体作動薬が、ブロキサテロール、メトキシフェナミン、およびフェニソノンからなる群より選択される、請求項1記載の使用。
  8. β2-アドレナリン受容体作動薬がトレトキノールまたはシベナデトである、請求項1記載の使用。
  9. β2-アドレナリン受容体作動薬が、フォルモテロール、サルブタモール、テルブタリン、それらの立体異性体;それらの生理学的に許容される誘導体;およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される、請求項2記載の使用。
  10. β2-アドレナリン受容体作動薬が、サルブタモール、その生理学的に許容される誘導体、またはその薬学的に許容される塩である、請求項2記載の使用。
  11. 構造式Iの炭素原子Cが、R配置を有する不斉炭素原子を指定する、請求項2記載の使用。
  12. β2-アドレナリン受容体作動薬が、アミテロール;バメタン;ビトルテロール;ブタキサミン;カルブテロール;シマテロール;コルテロール;クレンブテロール;クロルプレナリン;コルテロール;デテレノール;ジオキセテドリン;エタフェドリン;エチルノルエピネフリン;フェノテロール;インダカテロール;イソプロテレノール;マブテロール;メルアドリン;ナルデテロール;ノルブドリン;ノルエピネフリン;オルシプレナリン;ピクメテロール;ピルブテロール;キンプレナリン;レプロテロール;サルブタモール;サルメテロール;ソテレノール;スルホンテロール;テルブタリン;ツロブテロール;ジンテロール;それらの生理学的に許容される誘導体、およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択されるβ2-アドレナリン受容体作動薬の、鏡像異性的に純粋なまたは鏡像異性的に富化されたR鏡像異性体として提供される、請求項11記載の使用。
  13. β2-アドレナリン受容体作動薬が、フレロブテロール、フォルモテロール、ヘキソプレナリン、イソエタリン、メドロキサロール、プロカテロール、プロトキロール、リミテロール、サルメファモ−ル、およびジルパテロール、それらの生理学的に許容される誘導体、ならびにそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択されるβ2-アドレナリン受容体作動薬の、ジアステレオマー的に純粋なまたはジアステレオマー的に富化されたRS異性体またはRR異性体として提供される、請求項11記載の使用。
  14. β2-アドレナリン受容体作動薬が、R-サルブタモール、その生理学的に許容される誘導体、またはその薬学的に許容される塩である、請求項11記載の使用。
  15. β2-アドレナリン受容体作動薬が、薬物の調製に用いるための単独の治療的有効薬剤である、前記請求項のいずれか一項記載の使用。
  16. 薬物が、実質的な量のステロイド、イブジラストまたは関連化合物、選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)、および非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制剤(NsIDI)をさらに含まないことを条件とする、請求項1〜14のいずれか一項記載の使用。
  17. 薬物が、実質的な量の抗ヒスタミン剤、イブジラストまたは関連化合物、選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)、および非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制剤(NsIDI)をさらに含まないことを条件とする、請求項1〜14のいずれか一項記載の使用。
  18. 薬物が実質的な量のアミノ糖をさらに含まないことを条件とする、請求項1〜14のいずれか一項記載の使用。
  19. 皮膚を冒す結合組織病が皮膚型エリテマトーデスから選択される、前記請求項のいずれか一項記載の使用。
  20. 皮膚型エリテマトーデスが、急性皮膚エリテマトーデス、亜急性皮膚エリテマトーデス、慢性皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデスの皮膚徴候、円板状エリテマトーデス、肥厚性エリテマトーデス、疣状エリテマトーデス、腫脹性エリテマトーデス、ループス脂肪組織炎、播種性円板状エリテマトーデス、水疱性全身性エリテマトーデス、毛細血管拡張性エリテマトーデス、凍瘡状エリテマトーデス、小児性円板状エリテマトーデス、深在性エリテマトーデス、および粘膜円板状エリテマトーデスからなる群より選択される、請求項19記載の使用。
  21. 皮膚を冒す結合組織病が、強皮症、限局性強皮症、偽性強皮症、職業性強皮症、移植片対宿主病、好酸球性筋膜炎、結合組織皮下脂肪組織炎、全身性硬化症;混合性結合組織病;硬化性苔癬;浮腫性硬化症;皮膚筋炎;リウマチ様疾患;スティル病;シェーグレン症候群、およびリウマチ熱といった皮膚疾患からなる群より選択される、請求項1〜19のいずれか一項記載の使用。
  22. 薬物が皮膚に対する局所投与用に製剤化される、前記請求項のいずれか一項記載の使用。
  23. 皮膚に対する局所投与用の薬物が、β2作動薬を、重量比で0.01〜10%の範囲にある量で含む、請求項22記載の使用。
  24. 皮膚に対する局所投与用の薬物が、β2作動薬を、重量比で0.2〜2.5%の範囲にある量で含む、請求項22記載の使用。
  25. 個体がヒト、ネコ、イヌ、またはウマである、前記請求項のいずれか一項記載の使用。
  26. 治療的有効成分として、式IIによるβ2-アドレナリン受容体作動薬またはその生理学的に許容される誘導体もしくはその薬学的に許容される塩を含む、局所投与可能な薬学的組成物であって、
    Figure 2008535873
    式中、Cの炭素原子がR配置を有する不斉炭素を指定し;Z、Y、X、R1、R2、R3、R'、R”が請求項1に定義された通りであり;かつ、1つまたは複数の皮膚科学的に許容される賦形剤または担体をさらに含む、薬学的組成物。
  27. β2-アドレナリン受容体作動薬が、アミテロール、バメタン、ビトルテロール、ブタキサミン、カルブテロール、シマテロール、コルテロール、クレンブテロール、クロルプレナリン、コルテロール、デテレノール、ジオキセテドリン、エタフェドリン、エチルノルエピネフリン、フェノテロール、インダカテロール、イソプロテレノール、マブテロール、メルアドリン、ナルデテロール、ノルブドリン、ノルエピネフリン、オルシプレナリン、ピクメテロール、ピルブテロール、キンプレナリン、レプロテロール、サルブタモール、サルメテロール、ソテレノール、スルホンテロール、テルブタリン、ツロブテロール、ジンテロール、それらの生理学的に許容される誘導体、およびそれらの薬学的に許容される塩の、鏡像異性的に純粋なまたは鏡像異性的に富化されたR鏡像異性体から選択される、請求項26記載の組成物。
  28. β2-アドレナリン受容体作動薬が、フレロブテロール、フォルモテロール、ヘキソプレナリン、イソエタリン、メドロキサロール、プロカテロール、プロトキロール、リミテロール、サルメファモ−ル、ジルパテロール、それらの生理学的に許容される誘導体、およびそれらの薬学的に許容される塩から選択されるβ2-アドレナリン受容体作動薬の、ジアステレオマー的に純粋なまたはジアステレオマー的に富化されたRR異性体またはRS異性体から選択される、請求項26記載の組成物。
  29. β2-アドレナリン受容体作動薬が、R-サルブタモール、その生理学的に許容される誘導体、またはその薬学的に許容される塩である、請求項26記載の組成物。
  30. 局所投与可能な組成物が皮膚に対する局所適用用に製剤化される、請求項26〜29のいずれか一項記載の組成物。
  31. 局所投与可能な組成物が、エマルション、ゲル、溶液、リニメント、軟膏、泡状体、皮膚用の局所噴霧剤、または粉末として製剤化される、請求項30記載の組成物。
  32. β2-アドレナリン受容体作動薬が、重量比で0.01〜10%の範囲の量にある、請求項26〜31のいずれか一項記載の組成物。
  33. β2-アドレナリン受容体作動薬が、重量比で0.05〜5%の範囲の量にある、請求項26〜31のいずれか一項記載の組成物。
  34. β2-アドレナリン受容体作動薬が、重量比で0.2〜2.5%の範囲の量にある、請求項26〜31のいずれか一項記載の組成物。
  35. 実質的な量の副腎皮質ステロイドをさらに含まないことを条件とする、請求項26〜31のいずれか一項記載の組成物。
  36. アミノ糖を含まないことを条件とする、請求項35記載の組成物。
  37. β2-アドレナリン受容体作動薬が組成物中の単独の治療的有効成分である、請求項26〜36のいずれか一項記載の組成物。
  38. 皮膚を冒す結合組織病を治療するための方法であって、β2-アドレナリン受容体作動薬の治療的有効量を、それを必要とする個体に対して投与する段階を含む方法。
  39. β2作動薬が、その立体異性体、その生理学的に許容される誘導体、およびその薬学的に許容される塩を含め、構造式Iによって定義され、
    Figure 2008535873
    式中、Z、X、およびYが、H;置換型のC1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシル、フェニル、C7-14アルカリル、およびC7-14アルクヘテロシクリル;OOR'、CN、NH-CO-NH2、NH-CO、トリハロゲンメチル、ハロゲン、OH、OR'、NH2、NHR'、NR'R”、CO、CO-R'、HSO2、R'-SO2、NH-SO2-R'からなる群より選択される遊離基を独立に指定し、かつZ、X、およびYから選択される基のうち2つが一緒になって、五員もしくは六員の炭素環または1つの窒素原子(N)を環内に有する炭素環を形成し;
    R1およびR2が、H、C1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシル、C7-14アルカリル、C7-14アルクヘテロシクリルからなる群より選択される遊離基を独立に指定し、かつR1およびR2が一緒になって、五員もしくは六員の炭素環または1つの窒素原子(N)を環内に有する炭素環を形成し;
    R3が、H、ハロゲン、C1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、およびC2-6-アルキニルからなる群より選択される遊離基を指定し;
    基C1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシル、C7-14アルカリル、およびC7-14アルクヘテロシクリルが、NH2、NHR'、NR'R”、OH、シアノ、ニトロ、およびハロゲンによって一置換または二置換されており;かつ
    R'およびR”が、C1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシル、C7-14アルカリル、およびC7-14アルクヘテロシクリルからなる群より選択される遊離基を独立に指定する、
    請求項38記載の方法。
  40. 構造式Iのフェニル環が非置換型、一置換型、または二置換型のフェニル環を定義し、ZおよびYが同じであっても異なってもよく、Xがヒドリドであり、かつZおよびXが請求項2に定義された通りである、請求項39記載の方法。
  41. R'およびR”が、C1-6-アルキル、C4-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、およびC1-6-アルコキシルからなる群より選択される遊離基を指定している、請求項39記載の方法。
  42. β2-アドレナリン受容体作動薬が、アミテロール;バメタン;ビトルテロール;ブタキサミン;カルブテロール;シマテロール;コルテロール;クレンブテロール;クロルプレナリン;コルテロール;デテレノール;ジオキセテドリン;エタフェドリン;エチルノルエピネフリン;フェノテロール;フレロブテロール;フォルモテロール;ヘキソプレナリン;インダカテロール;イソエタリン;イソプロテレノール;マブテロール;メドロキサロール;メルアドリン;ナルデテロール;ノルブドリン;ノルエピネフリン;オルシプレナリン;ピクメテロール;ピルブテロール;プロカテロール;プロトキロール;キンプレナリン;レプロテロール;リミテロール;サルブタモール;サルメファモ−ル;サルメテロール;ソテレノール;スルホンテロール;テルブタリン;ツロブテロール;ジルパテロール;ジンテロール;ブロキサテロール;メトキシフェナミン;フェニソノン;トレトキノール;シベナデト;AR-C68397;CHF-1035;QAB-149;GW-685698;GW-159797;AD-237;HOKU-81;678007;159802;642444;159797;597901;KUR-1246;KUL-7211;KUL-1248;AR-C89855;S-1319;TA-2005;それらの立体異性体;それらの生理学的に許容される誘導体;およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される、請求項39記載の方法。
  43. β2-アドレナリン受容体作動薬が、アミテロール;バメタン;ビトルテロール;ブタキサミン;カルブテロール;シマテロール;コルテロール;クレンブテロール;クロルプレナリン;コルテロール;デテレノール;ジオキセテドリン;エタフェドリン;エチルノルエピネフリン;フェノテロール;フレロブテロール;フォルモテロール;ヘキソプレナリン;インダカテロール;イソエタリン;イソプロテレノール;マブテロール;メドロキサロール;メルアドリン;ナルデテロール;ノルブドリン;ノルエピネフリン;オルシプレナリン;ピクメテロール;ピルブテロール;プロカテロール;プロトキロール;キンプレナリン;レプロテロール;リミテロール;サルブタモール;サルメファモ−ル;サルメテロール;ソテレノール;スルホンテロール;テルブタリン;ツロブテロール;ジルパテロール;ジンテロール;それらの生理学的に許容される誘導体、およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される、請求項39記載の方法。
  44. β2-アドレナリン受容体作動薬が、ブロキサテロール、メトキシフェナミン、およびフェニソノンからなる群より選択される、請求項38記載の方法。
  45. β2-アドレナリン受容体作動薬がトレトキノールまたはシベナデトである、請求項38記載の方法。
  46. β2-アドレナリン受容体作動薬が、フォルモテロール、サルブタモール、テルブタリン、それらの立体異性体;それらの生理学的に許容される誘導体;およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される、請求項39記載の方法。
  47. β2-アドレナリン受容体作動薬が、サルブタモール、その生理学的に許容される誘導体、またはその薬学的に許容される塩である、請求項39記載の方法。
  48. 構造式Iの炭素原子Cが、R配置を有する不斉炭素原子を指定する、請求項39記載の方法。
  49. β2-アドレナリン受容体作動薬が、アミテロール;バメタン;ビトルテロール;ブタキサミン;カルブテロール;シマテロール;コルテロール;クレンブテロール;クロルプレナリン;コルテロール;デテレノール;ジオキセテドリン;エタフェドリン;エチルノルエピネフリン;フェノテロール;インダカテロール;イソプロテレノール;マブテロール;メルアドリン;ナルデテロール;ノルブドリン;ノルエピネフリン;オルシプレナリン;ピクメテロール;ピルブテロール;キンプレナリン;レプロテロール;サルブタモール;サルメテロール;ソテレノール;スルホンテロール;テルブタリン;ツロブテロール;ジンテロール;それらの生理学的に許容される誘導体、およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択されるβ2-アドレナリン受容体作動薬の、鏡像異性的に純粋なまたは鏡像異性的に富化されたR鏡像異性体として提供される、請求項48記載の方法。
  50. β2-アドレナリン受容体作動薬が、フレロブテロール、フォルモテロール、ヘキソプレナリン、イソエタリン、メドロキサロール、プロカテロール、プロトキロール、リミテロール、サルメファモ−ル、およびジルパテロール、それらの生理学的に許容される誘導体、ならびにそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択されるβ2-アドレナリン受容体作動薬の、ジアステレオマー的に純粋なまたはジアステレオマー的に富化されたRS異性体またはRR異性体として提供される、請求項48記載の方法。
  51. β2-アドレナリン受容体作動薬が、R-サルブタモール、その生理学的に許容される誘導体、またはその薬学的に許容される塩である、請求項48記載の方法。
  52. β2-アドレナリン受容体作動薬が、薬物の調製に用いるための単独の治療的有効薬剤である、請求項38記載の方法。
  53. 薬物が、実質的な量のステロイド、イブジラストまたは関連化合物、選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)、および非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制剤(NsIDI)をさらに含まないことを条件とする、請求項38記載の方法。
  54. 薬物が、実質的な量の抗ヒスタミン剤、イブジラストまたは関連化合物、選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)、および非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制剤(NsIDI)をさらに含まないことを条件とする、請求項38記載の方法。
  55. 薬物が実質的な量のアミノ糖をさらに含まないことを条件とする、請求項54記載の方法。
  56. 皮膚を冒す結合組織病が皮膚型エリテマトーデスから選択される、請求項38記載の方法。
  57. 皮膚型エリテマトーデスが、急性皮膚エリテマトーデス、亜急性皮膚エリテマトーデス、慢性皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデスの皮膚徴候、円板状エリテマトーデス、肥厚性エリテマトーデス、疣状エリテマトーデス、腫脹性エリテマトーデス、ループス脂肪組織炎、播種性円板状エリテマトーデス、水疱性全身性エリテマトーデス、毛細血管拡張性エリテマトーデス、凍瘡状エリテマトーデス、小児性円板状エリテマトーデス、深在性エリテマトーデス、および粘膜円板状エリテマトーデスからなる群より選択される、請求項38記載の方法。
  58. 皮膚を冒す結合組織病が、強皮症、限局性強皮症、偽性強皮症、職業性強皮症、移植片対宿主病、好酸球性筋膜炎、結合組織皮下脂肪組織炎、全身性硬化症;混合性結合組織病;硬化性苔癬;浮腫性硬化症;皮膚筋炎;リウマチ様疾患;スティル病;シェーグレン症候群、およびリウマチ熱といった皮膚疾患からなる群より選択される、請求項38記載の方法。
  59. 投与が皮膚に対する局所投与である、請求項38記載の方法。
  60. 皮膚に対する局所投与が、β2作動薬を重量比で0.01〜10%の範囲にある量で投与する段階を含む、請求項38記載の方法。
  61. 皮膚に対する局所投与が、β2作動薬を重量比で0.2〜2.5%の範囲にある量で投与する段階を含む、請求項38記載の方法。
  62. 個体がヒト、ネコ、イヌ、またはウマである、請求項38記載の方法。
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