JP2008535830A5 - - Google Patents

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CHK1阻害に有用なヘテロアリール尿素誘導体
本発明は、遺伝物質の完全性を維持及び修復する酵素を阻害するために有用な化合物に関する。更に詳細には、本発明は、一連のアリール置換及びヘテロアリール置換尿素化合物、当該化合物の製造方法、並びに例えば、癌、及びデオキシリボ核酸(DNA)複製、染色体分離、又は細胞分裂の欠陥により特徴付けられる他の疾患の治療における治療剤としてのそれらの使用に関する。
多種多様な疾患、症状、及び障害(以下「適応症」)は、異常に増殖している細胞の関与により特徴付けられる。本明細書で用いる場合、「異常に増殖している細胞」(又は「異常な細胞増殖」)とは、正常の、適切な、又は予測される経過から逸脱した細胞増殖を意味する。例えば、異常な細胞増殖には、DNAもしくは他の細細胞成分が損傷を受けているか又は欠損している、細胞の不適切な増殖が含まれる。異常な細胞増殖はまた、不適切に高レベルの細胞分裂、不適切に低レベルの細胞死(例えば、アポトーシス)の一方もしくは双方によって引き起こされるか、仲介されるか、又は結果的にこれらの一方もしくは双方をもたらす臨床的適応症も特徴付ける。このような適応症は、例えば、細胞、細胞群又は組織(単一もしくは複数種)の、単一又は複数箇所での局所的異常増殖によって特徴付けることができ、癌性(良性又は悪性)及び非癌性の適応症を含んでいる。
当然ながら、すべての癌(良性及び悪性)に、異常な細胞増殖の何らかの型が関わっている。いくつかの非癌性適応症も、異常な細胞増殖に関わっている。異常な細胞増殖が関わっている非癌性適応症の例として、リウマチ様関節炎、乾癬、白斑、ヴェグナー肉芽腫症、及び全身性狼瘡が挙げられる。
異常に増殖している細胞に関わる適応症を治療する一手法として、DNA損傷因子の使用が挙げられる。これらの作用因子は、DNA代謝、DNA合成、DNA転写、及び微小管紡錘体形成等の重要な細胞プロセスを破壊することによって、異常に増殖している細胞を死滅させるように設計されているそれらは、例えば染色体の構造的完全性を乱すDNAへの傷害を導入することによっても操作できる。DNA損傷因子は、正常な健常細胞への損傷を最小限にし、異常に増殖している細胞での最大限の損傷及び結果的な細胞死の誘発を試みるように設計及び投与される。
化学療法薬及び放射線を含め、多種多様なDNA損傷因子が今日までに開発されており、その他のものが開発途中である。残念ながら、異常な細胞増殖に関わる症状を治療する場合のDNA損傷因子の有効性は、特に癌の治療では望まれるものに至っていない。健常細胞よりも、異常に増殖している細胞に対するこのような作用因子の選択性(場合により、治療係数と称される)は、ごく僅かであることが多い。
更に、あらゆる細胞はDNA損傷因子に対して相反する目的で働く可能性がある、検出及び修復機構を有している。細胞周期チェックポイントと称されるこのような検出機構は、様々な細胞複製段階の順序を保って、各工程が高い忠実度で実行されることを保証する助けになる(Hartwell et al., Science, 246:629−634 (1989); Weinert et al., Genes Dev., 8:652 (1994))。DNA損傷因子によって意図的に誘発された損傷を含むDNA損傷を細胞が検出すると、所定のシグナル伝達経路が細胞周期チェックポイントを活性化して、細胞複製周期が一時的に停止する(「休止する」)。この休止で、細胞にそれらのDNAを修復する時間が、多くの場合その細胞が生存及び増殖を継続するのに充分な程度にまで与えられる。異常に増殖している細胞の場合、この修復は、このような細胞を死滅させるに足るDNA損傷を誘発する努力を損なうかもしれないので望ましくない。
例えば、GEMZAR(商標名)と称される化学療法薬(ゲムシタビン、即ち2’,2’−ジフロロ−2’−デオキシシチジン)は、合成期にそれ自体をDNAへ組み込むことによってDNAを損傷する。未修復のまま、損傷を受けたDNAは、通常、生命を維持できなくなってしまう。しかし、多くの標的細胞では、不適当に作られた(又はそうでなくとも損傷を受けた)DNAを細胞周期チェックポイントが検出する。活性化された細胞周期チェックポイントは、損傷を受けたDNAを修復させるのに充分な時間、細胞周期の休止を惹起する。これは、化学療法薬、放射線、及び他の療法剤等のDNA損傷因子の細胞死滅効果に対する、異常に増殖している細胞の抵抗についての一論法である。
他のDNA損傷因子は、S期での休止を腫瘍細胞に引き起こす。腫瘍細胞は、化学療法薬が投与されている間に単にS期で休止することにより、特定の化学療法に抵抗することが観察されている。その後、薬物が除去されると直ちにDNA損傷が修復され、細胞周期休止は停止して、その細胞は細胞周期の残余部分を経過する(Shi et al., Cancer Res. 61:1065−1072, 2001)。他の療法剤は、G1及びG2を含む他のチェックポイントでの細胞周期休止を引き起こす。従って、様々なDNA損傷チェックポイントの阻害は、治療により誘発されたDNA損傷を細胞が修復するのを阻止する助けをし、またDNA損傷因子に対して標的細胞を増感することが期待される。このような増感は次に、これらの療法の治療係数を高めることが期待される。
細胞周期は、その基本プロセス及びあらゆる真核生物種にわたる調節の態様が、構造的及び機能的に同じである。有糸分裂(体性)細胞周期は、G1(ギャップ)期、S(合成)期、G2(ギャップ)期、及びM(有糸分裂)期の4期からなる。G1、S、及びG2期はまとめて、細胞周期の間期と称される。G1期の間、細胞の生合成活性は高い率で進行する。S期は、DNA合成開始時に始まり、細胞の核のDNA内容物が複製されて2つの同一の染色体のセットが形成される時に終結する。
細胞は次いでG2期に入り、有糸分裂が開始するまでこれが続く。有糸分裂において、染色体は対合し、分離して2つの新しい核を形成し、そして細胞質分裂が起こり、ここで染色体の2つのセットのうちの一方を含む1つの核を各々受け取る2つの娘細胞へと細胞が分裂する。細胞質分裂でM期が終結し、次の細胞周期の間期の開始へと踏み出す。細胞周期事象が進行するシークエンスは、細胞周期事象の開始が前の細胞周期事象の完結に依存するよう、厳密に調節されている。これにより、体性細胞の一世代から次世代への遺伝物質の複製及び分離における忠実度が実現される。
細胞周期チェックポイントは、少なくとも3種の別異のポリペプチドのクラスで構成され、それらが細胞周期シグナル、又は染色体機構の欠損に応答して順次作用することが報告されている(Carr, Science, 271:314−315, 1996)。第一のクラスは、DNA損傷又は細胞周期の異常を検出又は感知するタンパク質のファミリーである。これらの検出子には、Ataxia−telangiectasia変異型タンパク質(Atm)、及びAtaxia−TelangiectasiaRad−関連タンパク質(Atr)が含まれる。ポリペプチドの第二のクラスは、検出子により検出された信号を増幅して伝達するもので、Rad53(Alen et al. Genes Dev. 8:2416−2488、1994)及びChk1が例示される。ポリペプチドの第三のクラスとしては、細胞性応答、例えば、有糸分裂の休止及びアポトーシスを媒介するp53等の細胞周期エフェクタが挙げられる。
細胞周期チェックポイントの機能の現状での理解は、多くが腫瘍由来細胞系の研究から引き出されている。多くの場合、腫瘍細胞は重要な細胞周期チェックポイントを喪失している(Hartwell et al.、Science 266:1821−28、1994)。細胞の新生物状態への進展において重要な工程は、p53に関わるもの等細胞周期チェックポイント経路を不活性化する変異の獲得であることが報告されている(Weinberg, Cell 81:323−330, 1995; Levine, Cell 88:3234−331, 1997)。これら細胞周期チェックポイントの喪失の結果、DNAの損傷に関わらず腫瘍細胞の複製が引き起こされる。
非癌性組織で完全な細胞周期チェックポイントを有するものは通常、単一のチェックポイント経路の一時的な破壊から逃れられる。しかし、腫瘍細胞は、さらなるチェックポイントの摂動で、DNA損傷因子に対して特にそれらを感受性にするように細胞周期の進行を制御する経路に欠陥がある。例えば、変異型p53を含む腫瘍細胞は、G1のDNA損傷チェックポイントと、G2のDNA損傷チェックポイントを維持する能力との両方に欠陥がある(Bunz et al.、Science、282:1497−501、1998).G2チェックポイント又はS期チェックポイントの開始を標的とするチェックポイントインヒビタは、これら腫瘍細胞がDNA損傷を修復する能力を更に無力化することが期待され、従って、放射線及び全身の化学療法の双方の治療係数を高める候補物質である(Gesner, Abstract at SRI Conference: Protein Phosphorylation and Drug Discovery World Summit, March 2003)。
DNA損傷、又はDNA複製に対する何らかの障害の存在下に、チェックポイントタンパク質Atm及びAtrはシグナル伝達系路を始動させて、細胞周期休止へと導く。Atmは、イオン化放射線(IR)に応答してDNA損傷チェックポイントで役割を果たすことが示されている。Atrは、一本鎖DNA破断、二本鎖DNA破断を引き起こす作用因子、及びDNA放射線を遮断する作用因子によって刺激される。
Chk1は、DNA損傷チェックポイントシグナル伝達系路においてAtm及び/又はAtrより下流に位置するプロテインキナーゼである(Sanchez et al., Science, 277:1497−1501, 1997; U.S. Patent No. 6,218,109)。哺乳動物細胞で、Chk1は、イオン化放射線(IR)、紫外(UV)光、及びヒドロキシ尿素を含む、DNA損傷を引き起こす作用因子に応答してリン酸化される(Sanchez et al., supra; Lui et al., Genes Dev., 14:1448−1459, 2000)。哺乳動物細胞でChk1を活性化するこのリン酸化は、Atm (Chen et al., Oncogene, 18:249−256, 1999) 及びAtr (Lui et al., supra)に依存性である。更に、Chk1は、細胞周期制御に重要であることが知られている遺伝子産物であるwee1(O’Connell et al., EMBO J., 16:545−554, 1997)及びPds1 (Sanchez et al., Science, 286:1166−1171, 1999)の双方をリン酸化することが示されている。
これらの研究では、哺乳類Chk1がAtm依存的DNA損傷チェックポイントにおいてS期で停止させる役割を果たすことが示されている。S期哺乳動物細胞におけるChk1に対する役割が最近解明され(Feijoo et al.、J. Cell Biol.、154:913−923、2001;Zhao et al.、PNAS U.S.A、99:14795−800、2002;Xiao et al.、J Biol Chem.、278(24):21767−21773、2003;Sorensen et al.、Cancer Cell、3(3):247−58、2003)、DNA合成の完全性をモニターする際のChk1の役割が強調されている。Chk1は、サイクリンA/cdk2活性を調節するCdc25Aをリン酸化することによって、S期の休止を発動する(Xiao et al.、前出及びSorensen et al.、前出).Chk1はまた、G2から有糸分裂へと細胞が進行するにつれて通常はサイクリン−B/cdc2(Cdk1としても知られている)を脱リン酸化する二重特異性ホスファターゼであるCdc25Cをリン酸化及び不活性化することによって、G2の休止も発動する(Fernery et al., Science, 277:1495−7, 1997; Sanchez et al., supra; Matsuoka et al., Science, 282:1893−1897, 1998; and Blasina et al., Curr. Biol., 9:1−10, 1999)。両方の場合で、Cdk活性の調節は細胞周期の休止を誘発し、DNA損傷又は未複製DNAの存在下に細胞が有糸分裂に入るのを阻止する。
細胞周期チェックポイントインヒビタのさらなるクラスは、G1又はG2/M期のいずれかで作動する。UCN−01、すなわち7−ヒドロキシスタウロスポリンは、元はプロテインキナーゼCに対してその主要な効果を有する非特異性キナーゼインヒビタとして単離されたが、最近になってChk1の活性を阻害すること、及びG2細胞周期チェックポイントを抑止することが見出されている(Shi et al., supra)。このように、UCN−01は非特異的なChk1インヒビタであるため、高用量では細胞に対して毒性である。低用量では、それは非特異的に多くの細胞性キナーゼを阻害し、またG1チェックポイントも阻害する(Tenzer et al., Curr. Med Chem. AntiCancer Agents, 3:35−46, 2003)。
UCN−01は、放射線、抗癌剤カンプトセシン(Tenzer et al.、前出)、及びゲムシタビン(Shi et al.、前出)等の癌治療と組み合わせて用いられているが、その成功には限度がある。更に、UCN−01は、グリア芽腫細胞においてテモゾロマイド(TMZ)で誘発されるDNAミスマッチ修復(MMR)の効果を増強するのに使用されている(Hirose et al.、Cancer Res.、61:5843−5849、2001)。臨床現場では、UCN−01は期待されるような有効な化学療法薬ではなく、これはおそらく、治療計画の失敗と、特に重要な分子標的の同定がなされていないことに起因している(Grant et al.、Drug Resistance Updates、6:15−26、2003).そこで、Mack et al.は、UCN−01による、非小細胞肺癌腫培養細胞系における細胞周期依存的なシスプラチンの増強を報告しているが、UCN−01が標的とする重要な細胞周期チェックポイント(単数又は複数種)を、特異性をもって同定していない(Mack et al., Cancer Chemother.。
化学療法に影響を及ぼす細胞周期での治療に対して腫瘍細胞を増感させるための戦略が、他にいくつかある。例えば、2−アミノプリンの投与は、ミモシンで誘発されるG1休止、又はヒドロキシ尿素で誘発されるS期休止等の複数の細胞周期チェックポイント機構を抑止して、その細胞を有糸分裂に移行させてこれを進めることを可能にする(Andreassen et al., Proc Natl Acad Sci U.S.A., 86:2272−2276, 1992)。カフェイン、すなわちメチルキサンチンは、G2チェックポイントの経過進行を媒介することによって、シスプラチン及びイオン化放射線等のDNA損傷因子の細胞毒性を増強し、これにより細胞死を誘導するために使用されている(Bracey et al., Clin. Cancer Res., 3:1371−1381, 1997)。しかし、細胞周期抑止を成し遂げるために用いられるカフェインの用量は、臨床的に容認できるレベルを超えており、これは実行可能な療法の選択肢にならない。更に、Chk1キナーゼに対するアンチセンスヌクレオチドが、トポイソメラーゼインヒビタBNP1350に対する感度を増大するために使用されている(Yin et al.、Biochem. Biophys. Res. Commun.、295:435−44、2002)が、アンチセンス治療及び遺伝子療法に通常伴う問題が示されている。
Chk1インヒビタとしては、米国特許出願第10/087715号及び米国仮特許出願第60/583080号、60/585292号、及び60/602968号に記載のアリール置換及びヘテロアリール置換尿素化合物;米国特許公開第2004/0014765号、米国特許公開第US2003/199511号、米国特許公開第2004/0014765号、及びWO 03/101444号に記載のジアリール尿素化合物;Fan et al.、Cancer Res.55:1649−54.1995に記載のメチルキサンチン類及び関連化合物;WO 03/029241号及びWO 03/028731号に記載のウレイドチオフェン類;WO 03/028724号に記載のN−ピロロピリジニルカルボキサミド類;WO 01/57206号及び米国特許第6211164号に記載のアンチセンスChk1オリゴヌクレオチド;WO 00/16781号に記載のChk1レセプターアンタゴニスト;WO 03/037886号に記載のヘテロ芳香族カルボキサミド誘導体;WO 03/029242号に記載のアミノチオフェン類;WO 03/004488号に記載の(インダゾリル)ベンズイミダゾール類;米国特許公開第20040092535号及びWO 04/018419号に記載のベンズイミダゾールキノリノン類;WO 02/16326号に記載のヘテロ環状ヒドロキシイミノ−フルオレン類;米国特許第6495586号に記載のサイトネミン(scytonemin)等のサイトネマン(scytoneman)誘導体;WO 01/53274号に記載のヘテロアリールベンズアミド類;WO 01/53268号に記載のインダゾール類;Tenzer et al.、前出に記載のインドラカルバゾール類;WO 02/070515号に記載のクロマン誘導体;Schultz et al.、J. Med. Chem.、Vol:2909−2919、1999に記載のポウロン類(paullones);WO 99/17769号に記載のインデノピラゾール類;Sedlacek et al.、Int J. Oncol.、9:1143−1168、1996に記載のフラボン類;WO 98/53050号に記載のセリンスレオニンキナーゼのペプチドループのペプチド誘導体;WO 03/051838号に記載のオキシインドール類;WO 2004/063198号に記載のジアゼピノインドロン類;WO 2004/048343号に記載のピリミジン類;WO 2004/014876号に記載の尿素化合物;並びにWO 2003/091255号に記載のピロロカルバゾール類、ベンゾフロイソインドール類、及びアザシクロペンタフルオレン類が挙げられる。
しかし、Chk1の効果的且つ選択的インヒビタが、当該技術分野で依然として要求されている。本発明は、このような要求や、その他の要求にも対処するものである。
本発明は、生化学及び/又は細胞系アッセイにおいて予期せぬ特性を呈するチェックポイントキナーゼChk1の強力且つ選択的なインヒビタに関する。このChk1インヒビタは、DNA損傷又はDNA複製における障害に関連する適応症の治療における化学療法薬及び放射線治療薬のように、異常な細胞増殖を伴う適応症の治療に有用である。
従って、本発明の一態様は構造式(I)の化合物を提供することである。中でも、この化合物は、有効量の構造式(I)の化合物を必要とする個体に投与する工程を含むChk1の阻害方法において有用である。
式(I)の化合物は、次の構造式を有し、又はその薬理学的に許容できる塩、プロドラッグ、もしくは溶媒和物である。
Figure 2008535830
(式中、Rは、ハロ、C1−3アルキル、CN、又はCFであり、Rは、水素、C1−3アルキル、CN、OC1−3アルキル、ハロ、又はN(Rであって、Rは独立して水素又はC1−3アルキルであり、R は、1個の環N−R基と、第2の環N−R基、環酸素、又は環硫黄のいずれかとを含む6〜7員の飽和複素環であって、Rは独立に水素、C1−3アルキル、CHCN、又はCHCHCNであり、Rは任意にオキソ(=O)で置換され、Rは、水素、C1−3アルキル、OC1−3アルキル、SC1−3アルキル、N(R、NRC(=O)C1−3アルキル、又は1個のN−R基及び1〜3個のC1−3アルキル基で任意に置換される環を含む5又は6員の飽和複素環であり、又はR及びRそれらが結合する炭素とともに、5〜7員の飽和炭素環を形成し、Rは水素又はハロであり、ただし、R及びRの少なくとも一方は水素と異なり、Rはハロであり、R又はRは水素である)
本発明の別の態様は、構造式(II)の化合物を提供することであり、この化合物は他の用途の中でも、Chk1の阻害方法において使用できる。
Figure 2008535830
(式中、Rは、ハロ、C1−3アルキル、CN、又はCFであり、Rは、水素、C1−3アルキル、CN、OC1−3アルキル、ハロ、又はN(Rであって、Rは独立して水素又はC1−3アルキルであり、Rは、1個の環N−R基と、第2環N−R基、環酸素、又は環硫黄のいずれかとを含む6又は7員の飽和複素環であって、Rは独立して水素、C1−3アルキル、又はCHCNであり、Rは任意にオキソ(=O)で置換され、Rは、水素、C1−3アルキル、OC1−3アルキル、又はハロであり、又はR及びRそれらが結合する炭素とともに、5〜7員の飽和炭素環を形成し、ただし、R及びRの少なくとも一方は水素と異なる)
本発明の別の態様は、構造式(I)又は(II)の1以上の化合物を含有する医薬組成物、及びこの組成物のインビボ又はエクスビボでのChk1の阻害が治療的利点を与え、又は研究もしくは診断的目的である適応症の治療における使用を提供する。
本発明の別の態様は、適応症の化学療法的又は放射療法的治療を受ける被検者における細胞を感作する方法であって、個体に、構造式(I)又は(II)の化合物を化学療法薬、放射線治療薬、又はその双方と組み合わせて投与することを含む方法を提供することである。この方法によって治療される適応症は、特に限定されないが、癌である。
本発明の別の態様は、異常な細胞増殖を阻害又は抑制する方法を提供することである。一実施形態では、この方法は、異常増殖細胞を含む細胞集団を、異常増殖細胞間で細胞周期停止を実質的に同期させるのに十分な量及び時間で異常増殖細胞と接触させることを含む。細胞集団内での細胞周期停止の実質的な同期を行うために、細胞集団を、細胞周期停止を実質的に無効化するのに十分な量及び時間で少なくとも1種のChk1インヒビタと接触させることを含む。
本発明の別の態様は、ヒト治療用製品であって、(a)構造式(I)又は(II)の化合物を含有する医薬組成物と、(b)この組成物が異常な細胞増殖を伴う適応症の治療に有用であることを記載する添付文書と、(c)容器と、を備えるヒト治療用製品を提供することである。
本発明の別の態様は、(a)構造式(I)又は(II)の化合物を含有する医薬組成物と、(b)この組成物がDNA障害又はDNA複製に関連する適応症の治療における化学療法薬又は放射線治療薬として有用であることを記載する添付文書と、(c)容器と、を提供することである。
本発明のこれら及びその他の態様は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
本発明の化合物は、構造式(I)を有する化合物、又はその薬理学的に許容できる塩、プロドラッグ、もしくは溶媒和物である。
Figure 2008535830
(式中、Rは、ハロ、C1−3アルキル、CN、又はCFであり、Rは、水素、C1−3アルキル、CN、OC1−3アルキル、ハロ、又はN(Rであって、Rは独立して水素又はC1−3アルキルであり、Rは、1個の環N−R基と、第2の環N−R基、環酸素、又は環硫黄のいずれかとを含む6又は7員の飽和複素環であって、Rは独立して水素、C1−3アルキル、CHCN、又はCHCHCNであり、Rは任意にオキソ(=O)で置換され、Rは、水素、C1−3アルキル、OC1−3アルキル、SC1−3アルキル、N(R、NRC(=O)C1−3アルキル、又は1個のN−R基と、任意に1〜3個のC1−3アルキル基で置換された環とを含む5又は6員飽和複素環であり、又は、R及びRそれらが結合する炭素とともに、5〜7員の飽和炭素環を形成し、Rは水素又はハロであり、ただし、R及びRの少なくとも一方は水素と異なり、Rがハロであるとき、R又はRは水素である)
好ましい実施形態では、本発明の化合物は構造式(II)を有する化合物、又はその薬理学的に許容できる塩、プロドラッグ、もしくは溶媒和物である。
Figure 2008535830
(式中、Rは、ハロ、C1−3アルキル、CN、又はCFであり、Rは、水素、C1−3アルキル、CN、OC1−3アルキル、ハロ、又はN(Rであって、Rは独立して水素又はC1−3アルキルであり、Rは、1個の環N−R基と、第2の環N−R基、環酸素、又は環硫黄のいずれかとを含む6又は7員の飽和ヘテロ環基であって、Rは独立して水素、C1−3アルキル、又はCHCNであり、Rは任意にオキソ(=O)で置換され、Rは、水素、C1−3アルキル、OC1−3アルキル、又はハロであり、又はR及びRそれらが結合する炭素とともに、5〜7員の飽和炭素環を形成し、ただし、R及びRの少なくとも一方は水素と異なる)
式(I)及び(II)の化合物の好ましい実施形態では、Rはクロロ、メチル、CN、又はCFである。別の好ましい実施形態では、Rは、水素、メチル、エチル、クロロ、ブロモ、ジメチルアミノ、シアノ、又はメトキシである。より好ましい実施形態では、Rは水素と異なる。
式(I)及び(II)の他の好ましい実施形態では、Rは、メチル、クロロ、フルオロ、メトキシ、イソプロポキシ、ジメチルアミノ、−SCH、−NHC(=O)CH(CH、−NHC(=O)CH、ピロリジニル、又は3,3−ジメチル−ピロリジニルである。より好ましい実施形態では、Rは、メチル、クロロ、又はメトキシである。更に別の好ましい実施形態では、R及びRそれらが結合する炭素とともに、5員又は6員の飽和炭素環を形成する。
式(I)及び(II)の更に別の好ましい実施形態では、Rはハロであり、Rは水素である。好ましい実施形態では、Rはフルオロである。より好ましい実施形態では、Rは水素である。
式(I)及び(II)の一実施形態では、Rがシアノであるとき、Rは水素であり、Rは好ましくはクロロ又はメチルである。別の実施形態では、Rはフルオロであり、Rは水素であり、Rはメチル、クロロ又はブロモである。
式(I)及び(II)中の好ましいR基の例としては、特に限定されないが、
Figure 2008535830
Figure 2008535830
Figure 2008535830
Figure 2008535830
Figure 2008535830
及び
Figure 2008535830
が挙げられる。
本明細書で用いられる場合、「C1−3アルキル」という用語は、1〜3個の炭素原子を含む直鎖又は分岐のアルキル基、つまりメチル、エチル、n−プロピル、及びイソプロピルを包含する。
「ハロ」は本明細書ではフルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードとして定義される。「シアノ」は−CNとして定義される。「トリフルオロメチル」は−CFを意味するものと定義される。「Me」という略語はメチル、つまり−CHである。
細胞周期チェックポイントを活性化するDNA損傷因子を、概して本明細書で「チェックポイント活性化因子」と称する。「Chk1」(「チェック−ワン」と発音)と示す、チェックポイントを活性化するDNA損傷因子を、本明細書で「Chk1活性化因子」と称する。同様に、かかるチェックポイントのインヒビタを、本明細書でそれぞれ、「チェックポイントインヒビタ」及び「Chk1インヒビタ」とそれぞれ称する。
本明細書で用いる場合、Chk1インヒビタは、Chk1タンパク質の細胞周期チェックポイント活性の少なくとも1つを、少なくとも部分的に抑止できる化合物である。細胞周期チェックポイントの抑止は、細胞性チェックポイント機構が充分に克服され、中断した細胞周期の期から細胞周期の次の期に細胞を経過させるか、又は細胞を直接細胞死へと進ませる場合に成し遂げられる。細胞周期チェックポイントの抑止によって、細胞が、損傷されたか又は不完全な遺伝物質を細胞周期の引き続く期に保有できるようになり、これにより細胞死が誘導又は促進される。細胞死は、アポトーシス及び有糸分裂のカタストロフを含む、いかなる機構によっても引き起こされ得る。本発明の化合物は、Chk1インヒビタである。
Chk1活性化因子としては、Chk1キナーゼ活性を活性化する能力を有し、よって少なくとも部分的な細胞周期休止を誘発する、既知又は発見後の作用因子の何れもが挙げられる。Chk1活性化因子には、細胞周期のいかなる期でも細胞周期を休止させることができる作用因子が含まれ、この期は本明細書で、活性化因子に対する「標的期」と称してもよい。標的期には、有糸分裂を除く細胞周期の期の何れも、すなわち、G1、S、及びG2期の何れもが含まれる。本発明で有用なChk1活性化因子には、化学療法薬及び/又は放射線等のDNA損傷因子が含まれる。放射線Chk1活性化因子としては、限定されないが、イオン化放射線が挙げられる。イオン化放射線には、物質と相互作用することによりイオン対を生じることができる電磁又は微粒子放射線が含まれる。イオン化放射線には、X及びガンマ線、アルファ及びベータ粒子、中性子及び荷電核が含まれる。放射線には、紫外光、可視光、赤外放射線、マイクロ波放射線、及びそれらの組合せが含まれる。実施例8に記載のようなアッセイを用いて、作用因子がChk1活性化因子であるかどうかを判定できる。
「異常な細胞増殖を阻害する」とは、異常に増殖している細胞が増殖する速度を遅延させること、又はこのような増殖を全体的に排除することを意味する。この阻害は結果的に、複製の速度の低下か、細胞死の速度の増大の一方、又は両方に起因する可能性がある。細胞死は、アポトーシス及び有糸分裂のカタストロフを含む何れの機構によっても引き起こされ得る。
「異常な細胞増殖を阻止する」とは、発生前に異常な細胞増殖を阻害すること、又はその再発を阻害することを意味する。
「インビボ」とは、動物又はヒトの体内のような、生存している被験者体内を意味する。これに関連して、異常に複製している細胞の増殖を遅延又は排除するのに、作用因子をインビボで治療的に使用できる。作用因子は、異常な細胞増殖又はそれに関連する病徴の出現を阻止するために、インビボで予防薬としても使用できる。
「エキソビボ」とは、生存している被験者の体外を意味する。エキソビボ細胞集団の例として、ヒト又は動物由来の流体又は組織試料等の生物学的試料及び細胞培養物が挙げられる。このような試料は、当該技術分野で良く知られた方法によって得ることができる。典型的な生物学的流体試料として、血液、脳脊髄液、尿、唾液が挙げられる。典型的な組織試料として、腫瘍及びバイオプシーが挙げられる。これに関連して、本発明の化合物は治療でも実験でも、幾多の適用が可能である。
本明細書で用いる場合、「放射線治療薬」とは、電磁放射線に対する細胞の感度を高めるため、及び/又は電磁放射線で治療可能な疾患の治療を促進するために、治療上有効な量でヒト又は他の動物に投与される化合物を意味する。
本明細書で用いる場合、「放射線」としては、限定されないが、10−20〜100メートルの範囲の波長を有する放射線が挙げられる。「容器」の用語は、医薬品の保存、運送、調剤、及び/又は取扱に好適な、任意の入れ物及びそれ用の閉塞体を意味する。
「添付文書」の用語は、製品の投与方法の説明を、製品の使用に関して充分な情報を得た上での意思決定を医師、薬剤師、及び患者に行わせるのに必要とされる安全性及び効能のデータと共に提供する、製品に伴う情報を意味する。この添付文書は通常、医薬品用の「ラベル」と考えられる。
本発明には、構造式(I)又は(II)の化合物の、可能性を有するあらゆる立体異性体及び幾何異性体が含まれる。本発明には、ラセミ化合物のみならず、光学活性異性体も含まれる。構造式(I)又は(II)の化合物が単一エナンチオマーとして望まれる場合、それは、最終品の分割によって、又は異性体として純粋な出発物質から、もしくはキラル補助試薬を用いて立体特異的に合成することの何れかによって得ることができる。例えば、Z. Ma et al.、Tetrahedron:Asymmetry、8(6)、883−888(1997)参照。最終品、中間体、又は出発物質の分割は、当該技術分野において知られた何れの好適な方法によってでも成し遂げることができる。更に、構造式(I)又は(II)の化合物の互変異性体が存在できる状況で、本発明には、その化合物のあらゆる互変異性体を含めることを意図する。以下に実証する通り、特異的立体異性体は、化学療法薬又は放射線での治療と組み合わせて、Chk1を阻害する並外れた能力を示すことができる。
構造式(I)又は(II)の化合物のプロドラッグもまた、本発明の方法での化合物として使用できる。ある化合物を製剤及び/又は投与に好適な形態に誘導体化し、次いでインビボで薬物として遊離させるプロドラッグアプローチを、その化合物の物理化学的性質を一過性に(例えば、生物可逆的に)変化させるために成功裡に使用することは充分に確立されている(H. Bundgaard, Ed., ”Design of Prodrugs,” Elsevier, Amsterdam, (1985); R.B. Silverman, ”The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action,” Academic Press, San Diego, chapter 8, (1992); K.M. Hillgren et al., Med. Res. Rev., 15, 83 (1995)参照)。
本発明の化合物は、1以上の官能基を含んでいる。所望又は必要な場合、官能基を修飾してプロドラッグを提供できる。好適なプロドラッグとして、例えば、アミド類及びエステル類等の酸誘導体が挙げられる。プロドラッグとしてN−酸化物を使用できることも、当業者によって理解される。
本発明の化合物は、塩として存在できる。本発明の化合物の薬学的に許容できる塩が、通常、本発明の方法では好ましい。本明細書で用いる場合、「薬学的に許容できる塩」の用語は、構造式(I)又は(II)の化合物の塩又は双性イオン性フォームをいう。式(I)又は(II)の化合物の塩は、化合物の最終的な単離及び精製の際に調製でき、又は好適なカチオンを有する酸と化合物とを反応させることによって別途に調製できる。薬学的に許容できる好適なカチオンには、アルカリ金属(例えば、ナトリウム又はカリウム)及びアルカリ土類金属(例えば、カルシウム又はマグネシウム)カチオンが含まれる。更に、塩基性中心を含む構造式(I)又は(II)の化合物の薬学的に許容できる塩は、薬学的に許容できる酸で形成される酸付加塩である。薬理学的に許容できる塩の形成に使用できる酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、及びリン酸といった無機酸、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、マロン酸、及びクエン酸といった有機酸が挙げられる。本発明の化合物の塩の非限定例としては、特に限定されないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、二硫酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホネート、リン酸塩、水素リン酸塩、アセテート、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゾエート、酪酸塩、樟脳酸塩、カンホスルホネート、クエン酸塩、二グルコン酸塩、リン酸グリセロール、ヘミサルフェート、ヘプタン酸、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、コハク酸、マロン酸、フマル酸塩、マレイン酸、メタンスルホン酸塩、メシチレンスルホネート、ナフチル−エンスルホネート、ニコチネート、2−ナフタレンスルホネート、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロプリオネート、ピクラート、ピバレート、プロピオン酸塩、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、グルタミン酸塩、重炭酸塩、パラトルエンスルホネート、ウンデカノエート、ラクテート、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、ベンゼンスルホネート、及びp−トルエンスルホネート塩が挙げられる。更に、本発明の化合物中に存在する有効なアミノ基は、メチル、エチル、プロピル、及びブチルの塩化物、臭化物、及びヨウ化物;ジメチル、ジエチル、ジブチル、及びジアミルの硫酸塩;デシル、ラウリル、ミリスチル、及びステリルの塩化物、臭化物、及びヨウ化物、並びにベンジル及びフェネチルの臭化物を用いて四級化できる。以上に鑑み、本明細書に記載の本発明の化合物の言及は何れも、構造式(I)又は(II)の化合物を初めとして、その薬学的に許容できる塩、溶媒和物、又はプロドラッグを含むことを意図する。
本発明の化合物の非限定例は、
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1−[5−メチル−2−(4−メチル−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチルピラジン−2−イル)−尿素(LRMS (ES, positive) m/e − 372.4)
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1−[5−クロロ−2−(4−メチル−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素(LRMS (ES, positive) m/e − 392.4)
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1−(5−シアノ−ピラジン−2−イル)−3−[2−(1,4−ジメチル−ピペラジン−2−イルメトキシ)−5−メチル−フェニル]−尿素(LRMS (ES, positive) m/e − 396.4)
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1−[5−クロロ−2−R−(1−メチル−ピペラジン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素(LRMS (ES, positive) m/e − 391.3)
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1−[5−ブロモ−2−R−(4−メチル−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素(LRMS (ES, positive) m/e − 438.0)
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1−(5−シアノ−ピラジン−2−イル)−3−[5−メチル−2−R−(4−メチル−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−尿素(LRMS (ES, positive) m/e − 383.0)
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1−[5−クロロ−2−(4−メチル−[1,4]オキサゼパン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素(LRMS (ES, positive) m/e − 406.0)
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1−[5−クロロ−2−S−(5−オキソ−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素(LRMS (ES, positive) m/e − 392.2)
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N−[2−クロロ−4−[3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−ウレイド]−5−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−アセトアミド(LRMS (ES, positive) m/e − 435.0)
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1−[5−クロロ−3−フルオロ−2−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素(LRMS (ES, positive) m/e − 396.3)
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1−[5−メトキシ−2−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素 (LRMS (ES, positive) m/e − 374.3)
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1−[5−メトキシ−2−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素(LRMS (ES, positive) m/e − 358.3)
Figure 2008535830
1−[4−クロロ−2−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素(LRMS (ES, positive) m/e − 378.3)
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−4−フルオロ−2−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素(LRMS (ES, positive) m/e − 396.1)
Figure 2008535830
1−[5−シアノ−4−メチル−2−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素(LRMS (ES, positive) m/e − 383.3)
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1−[5−クロロ−4−ジメチルアミノ−2−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素(LRMS (ES, positive) m/e − 421.2)
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N−[2−クロロ−4−[3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−ウレイド]−5−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−イソブチラミド(LRMS (ES, positive) m/e − 463.2)
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1−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−3−[6−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−インダン−5−イル]−尿素(LRMS (ES, positive) m/e − 384.3)
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1−[5−クロロ−2−(4−シアノメチル−チオモルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素(LRMS (ES, positive) m/e − 433.0)
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1−{5−クロロ−2−[4−(2−シアノ−エチル)−S−モルホリン−2−イルメトキシ]−フェニル}−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素(LRMS (ES, positive) m/e − 431.0)
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1−[5−クロロ−2−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−4−ピロリジン−1−イル−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素(LRMS (ES, positive) m/e − 447.2)
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及び
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、又はその塩、溶媒和物(例えば水和物)、もしくはプロドラッグである。
本発明の化合物は、化学物質そのままで治療的に投与できるが、医薬組成物又は製剤としてその化合物を投与するのが好ましい。よって、本発明は、式(I)又は(II)の化合物を、それに対する薬学的に許容できる希釈剤又は担体と共に含む医薬組成物を提供する。更に提供されるのは、式(I)又は(II)の化合物を、それに対する薬学的に許容できる希釈剤又は担体と混合することを含む、医薬組成物の調製法である。
従って、本発明は更に、構造式(I)もしくは(II)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、プロドラッグ、もしくは溶媒和物を、1以上の薬学的に許容できる担体と、任意に他の治療及び/又は予防用成分と共に含む医薬製剤を提供する。担体は、製剤の他の成分と適合し、且つそのレシピエントにとって有害でないという意味で「許容できる」。
本発明の化合物は予想外に高い作用強度を示す。作用強度は、典型的には特定の結果を得るのに必要な化合物の濃度として表す。作用強度が大きいほど、意図したその機能を遂行するのに必要とされる化合物は少なくなる。インビトロの作用強度は、典型的にはIC50値として表し、用量応答アッセイを用いて測定する。IC50値は、効果が観察されないか又は最小の効果しか観察されない濃度、部分的な効果が観察される更に高濃度を経て、最大の効果が観察される飽和濃度までを含む様々な濃度にわたる目的化合物と、感受性アッセイ系とを接触させることによって測定できる。論理的には、インヒビタ化合物のこのような用量応答効果のアッセイは、対数スケール上にプロットした場合に濃度の関数として阻害の程度を表すS字形曲線として描写できる。その曲線はまた、理論的に、チェックポイント酵素の活性を、そのアッセイで観察される最低と最高の酵素活性の差の活性の50%になるレベルにまで低下させるのにその濃度が充分である点を通る。この濃度を、50%阻害の阻害濃度、又はIC50値と定義する。
IC50値は、当業者に周知の従来の生化学的(無細胞)アッセイ技術又は細胞を基礎にしたアッセイ技術を用いて定量できる。このようなアッセイの例を、下記実施例1に示す。
好ましくは、関連アッセイを少なくとも2回実施してIC50値を得、得られた個々の数値の平均(相加平均、すなわち「平均値」)として、そのIC50値を表す。より好ましくは、アッセイを3〜10(又はそれ以上)回繰り返し、得られた数値の平均値としてIC50値を表す。最も好ましくは、当業者に知られた統計的手法を用いて統計的に信頼できる平均IC50値を引き出すのに充分な回数のアッセイを実施する。
本発明の化合物は、予想外に高いインビトロ作用強度に対応して、予想外に低いIC50値を示す。本発明の化合物は、下記実施例1に記載の通りにアッセイすると約200nM未満、いくつかの実施形態では約150nM未満、他の実施形態では約100nM未満、その他の場合で約50nM未満、その他の場合で約10nM未満、そしてその他の場合で約5nM未満のIC50値を示す。他の実施形態で、本発明の化合物は約0.1nM〜約5nMのIC50値を示す。
本発明の化合物は、他のプロテインキナーゼよりもChk1の阻害に選択性を示す。選択性は、有害な副作用の低減及び/又は治療係数の増大に有利であるかもしれない。
「選択性」は本明細書では「選択性倍数」として表す。概して、本明細書で用いる場合に選択性倍数とは、比較酵素に対する被験化合物のIC50をコンパレータ酵素のIC50で割ったものである。特に、本明細書で用いる場合にChk1インヒビタに対する選択性倍数とは、Chk1(比較酵素)に対するChk1インヒビタ(被験化合物)のIC50を、コンパレータ酵素に対するIC50で割ったものである。本発明の化合物を測定し得る比較酵素としては、Cdc2、Chk2、CTAK、EphA1、EphA2、Erk1、FGFR1、FGFR4、IR、JNK1、c−Kit、p38アルファ、p38ベータ、p38デルタ、Ros、Rse、Rsk2、TrkA、TrkB、タンパク質キナーゼA、タンパク質キナーゼC、pp60v−src、タンパク質キナーゼB/Akt−1、p38MapK、p70S6K、カルシウムカルモジュリン依存的キナーゼII、及びab1チロシンキナーゼ等のタンパク質キナーゼが少なくとも挙げられる。
コンパレータ酵素に対する被験化合物のIC50値を求めるためのアッセイは、実施例2に記載しており、当業者に周知である。本発明の化合物は、試験した前記プロテインキナーゼに比して少なくとも約20倍の選択性を示す。いくつかの実施形態で、本発明のChk1インヒビタは、試験した前記プロテインキナーゼよりもChk1の阻害に少なくとも約50倍の選択性、他の実施形態では少なくとも約75倍の選択性、他の実施形態では少なくとも約100倍の選択性を示す。
本発明の化合物は、細胞を基礎にしたアッセイにおいて予想外に高い作用強度を示す。Chk1インヒビタの細胞に基づく作用強度を測定するために、異常に増殖している細胞を含む、細胞を基礎にしたモデルにおけるDNA損傷因子の成長阻止効果を高めるのに必要なChk1インヒビタの濃度の測定を可能とするアッセイを開発した。細胞に基づく作用強度のこの測定値は、本明細書で「ECTFS」値と表し、この「ECTFS」は、DNA損傷因子の成長阻止効果に対し、異常に増殖している細胞の集団に2倍の増感を生じさせるChk1インヒビタの有効濃度である。ECTFSは、細胞成長の90%阻害に必要なDNA損傷因子の量を半分に低減するChk1インヒビタの濃度として算出される。本出願人は、本発明の化合物が、細胞に基づく予想外に高い作用強度に対応して予想外に低いECTFS値を示すことを見出している。
測定してもよい別のパラメータは、Chk1インヒビタ化合物に対するLD50(細胞の50%の成長を阻害する化合物単独の用量)で達成される増感倍数である。これらの2つの数値ECTFS及びLD50での増感倍数で、Chk1インヒビタの作用強度及び毒性の双方を直接的に相互に順位付けできるようになる。
ECTFS値を測定するのに有用なアッセイの例は、下記実施例3に記載する。簡単に説明すると、このアッセイでは、異常に増殖している細胞の集団としてHT29ヒト結腸癌腫細胞、DNA損傷因子/Chk1活性化因子としてゲムシタビン、及びChk1インヒビタとして本発明の化合物を使用する。異常に増殖している細胞の集団を培養して、好適な生育培地で成長させる。次に、様々な濃度にわたるDNA損傷因子に細胞を曝す。所定時間の後にDNA損傷因子を除き、その細胞を様々な濃度にわたるChk1インヒビタに所定時間曝す。次いで培養細胞のプレートを回収して、生存している細胞の相対数を計数する。データは対照としてのChk1インヒビタ単独に対して正規化し、その後[DNA損傷因子濃度]対[相対細胞生存率(100%が1.0と同等)]の対数/対数グラフにプロットする。用いたChk1インヒビタの各濃度につき、Chk1インヒビタ無しと有りの場合で90%の成長阻害を達成するのに必要なDNA損傷因子の量の差から、増感倍数を求める。これらのデータは、次いで増感倍数に対するChk1インヒビタ濃度のグラフにプロットし、これよりECTFSを算出する。
好ましくは、少なくとも2回アッセイを実施してECTFS値を得、得られた個々の数値の平均値として、そのECTFS値を表す。より好ましくは、アッセイを3〜10(又はそれ以上)回繰り返し、得られた数値の平均値としてECTFS値を表す。最も好ましくは、当業者に知られた統計的手法を用いて統計的に信頼できる平均ECTFS値を引き出すのに必要な回数のアッセイを実施する。
ECTFSアッセイに付したすべての化合物が、約1000nM未満のECTFS値を示した。これに対し、構造的に類似の既知化合物は、約11,000nMのECTFS値を示す。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、約500nM未満、又は約300nM未満、又は約200nM未満、又は約150nM未満、又は約100nM未満、又は約50nM未満、又は約30nM未満、又は20nM未満、又は約10nM未満、又は他の実施形態では約5nM未満のECTFS値を呈する。
本発明での使用に好適な化合物及び医薬組成物には、その使用目的を達成するのに有効な量の有効成分を投与するものが含まれる。更に詳細には、「治療上有効な量」とは、適応症を患っている個体を治療するのに、又は適応症の現存している病徴を緩和するのに充分な量を意味する。治療上有効な量の決定は、特に本明細書に挙げる詳細な開示に鑑みて、当業者が充分にできることである。
Chk1インヒビタに加えて、本発明の医薬組成物は、サイトカイン、リンホカイン、成長因子、他の造血因子、又はそれらの混合物等の生物学的に活性な作用因子配合し、当該医薬組成物の単独投与で起こる、又はこれに伴う可能性のある有害な副作用を低減するように製剤化できる。あるいは、かかる生物学的に活性な作用因子を、所望の治療効果を促進するために本発明の医薬組成物に配合してもよい。本発明の医薬組成物において有用なアジュバント生理活性物質としては、特に限定されないが、M−CSF、GM−CSF、TNF、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IFN、TNF、G−CSF、Meg−CSF、GM−CSF、トロンボポイエチン、幹細胞因子、EPO、Ang−1、Ang−2、Ang−4、Ang−Y、及び/又はヒトアンジオポイエチン様ポリペプチド等のアンジオポイエチン、血管内皮の成長因子(VEGF)、アンギオジェニン、骨形態形成タンパク質−1(BMP−1)、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7、BMP−8、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15、BMPレセプタIA、BMPレセプタIB、脳由来神経栄養因子、繊毛神経栄養因子、繊毛神経栄養因子レセプタ、サイトカイン誘導好中球走化因子1、サイトカイン誘導好中球走化因子2、サイトカイン誘導好中球走化因子2、内皮細胞成長因子、エンドセリン1、上皮細胞成長因子、上皮誘導好中球誘引剤、フィブロブラスト成長因子(FGF)4、FGF5、FGF6、FGF7、FGF8、FGF8b、FGF8c、FGF9、FGF10、FGF酸性、FGF塩基性、グリア細胞系誘導神経栄養因子レセプタ1、グリア細胞系誘導神経栄養因子レセプタ2、成長関連タンパク質、成長関連タンパク質、成長関連タンパク質、成長関連タンパク質、ヘアピン結合上皮細胞成長因子、肝細胞成長因子、肝細胞成長因子レセプタ、インスリン様成長因子I、インスリン様成長因子レセプタ、インスリン様成長因子II、インスリン様成長因子結合タンパク質、ケラチノサイト成長因子、白血病阻害因子、白血病阻害因子レセプタ、神経成長因子神経成長因子レセプタ、ニューロトロフィン−3、ニューロトロフィン−4、胎盤成長因子、胎盤成長因子2、血小板誘導内皮細胞成長因子、血小板誘導成長因子、血小板誘導成長因子A鎖、血小板誘導成長因子AA、血小板誘導成長因子AB、血小板誘導成長因子B鎖、血小板誘導成長因子BB、血小板誘導成長因子レセプタ、血小板誘導成長因子レセプタ、プレB細胞成長刺激因子、幹細胞因子、幹細胞因子レセプタ、形質転換成長因子(TGF)、TGF、TGF1、TGF1.2、TGF2、TGF3、TGF5、潜在的TGF1、TGF、結合タンパク質I、TGF結合タンパク質II、TGF結合タンパク質III、腫瘍壊死因子レセプタI型、腫瘍壊死因子レセプタII型、ウロキナーゼ−プラスミノゲンアクチベータレセプタ型、血管内皮成長因子、及びキメラタンパク質、並びにその生物学的又は免疫学的に活性のフラグメントが挙げられる。
構造式(I)及び(II)の化合物は、治療的使用法での当該化合物の有益な性質を促進する(又は望ましくない性質を軽減する)補助部分に接合又は結合させることもできる。かかる接合体は、目的とする特定の解剖学的部位又は領域(例えば、腫瘍)への化合物の送達を増強し、標的細胞で化合物の治療濃度を持続できるようにし、化合物の薬物動態学的及び薬力学的性質を変え、且つ/又は化合物の治療係数又は安全性プロファイルを改善する。好適な補助部分として例えば、アミノ酸、オリゴペプチド、又はポリペプチド、例えばモノクローナル抗体及び他の改変抗体等の抗体;並びに標的細胞又は組織中の受容体に対する天然もしくは合成リガンドが挙げられる。他の好適な補助成分には、体内分布及び/又は標的細胞による化合物の取込を促進する脂肪酸又は脂質部分が含まれる(例えば、Bradley et al.、Clin. Cancer Res. 7:3229、2001参照)。
本発明の製剤は、経口、非経口、経粘膜(例えば、舌下又は口腔内投与)、局所、経皮、直腸内、吸入(例えば、鼻又は肺深部吸入)等、示唆される疾患の治療のために標準法にて投与できる。非経口投与としては、限定されないが、静脈内、動脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、鞘内、及び関節内が挙げられる。非経口投与はまた、POWDERJECT(商標名)、Powderject Pharmaceuticals、Plc、Oxford、England)のような高圧技術を用いて成し遂げることもできる。
経口投与及び口腔内投与のため、組成物は従来法で製剤化した錠剤又は薬用ドロップの形態とすることができる。例えば、錠剤及びカプセルは、結合剤(例えば、シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、スターチ粘液、又はポリビニルピロリドン)、充填剤(例えば、乳糖、ショ糖、微結晶性セルロース、トウモロコシスターチ、リン酸カルシウム、又はソルビトール)、潤滑剤(例えば、、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコール、又はシリカ)、崩壊剤(例えば、ジャガイモスターチ、又はスターチグリコール酸ナトリウム)、又は湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)のような従来の賦形剤を含有できる。錠剤は、当該技術分野でよく知られた方法によってコーティングできる。
あるいは、本発明の化合物は、例えば水性又は油性懸濁液剤、溶液剤、乳剤、シロップ剤、又はエリキシル剤等の経口液剤に取り込ませることができる。更に、これらの化合物を含有する製剤は、使用前に水又は他の好適な媒体で構成するための乾燥品として提供できる。かかる液性調製物は、例えば、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコース/ショ糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、及び水素化食用脂のような懸濁剤、レシチン、ソルビタンモノオレエート、又はアラビアゴムのような乳化剤、アーモンド油、椰子油、脂肪エステル、プロピレングリコール、及びエチルアルコールのような非水性ビヒクル(食用油を含んでよい);並びにメチル又はプロピルのp−ヒドロキシ安息香酸及びソルビン酸塩のような保存剤といった従来の添加剤を含有できる。
調剤は、例えば、ココアバター又は他のグリセリド類等の従来の坐剤用基材を含有する坐剤としても製剤化できる。吸入用組成物は、典型的には乾燥粉体として投与できる溶液、懸濁液、もしくはエマルションの形態で、又はジクロロジフルオロメタンもしくはトリクロロフルオロメタン等の従来の噴霧剤を用いたエアロゾルの形態で提供される。
局所及び経皮製剤には、点眼剤、クリーム、軟膏、ローション、及びペースト剤等の、従来の水性又は非水性媒体が含まれ、又は薬用硬膏剤、パッチ、もしくは膜の形態をとる。
更に、本発明の組成物は、注射又は連続注入による投与用に製剤化できる。注射用製剤は、懸濁液、溶液、又は油性もしくは水性媒体中のエマルションの形態をとることができ、また、懸濁化、安定化、及び/又は分散剤等の製剤用薬剤を含有できる。あるいは、有効成分は使用前に好適な媒体(例えば、滅菌、発熱物質不含の水)で構成するための粉末形態とすることができる。
本発明の組成物は、デポ剤としても製剤化できる。このような長時間作用性製剤は、(例えば皮下又は筋肉内への)埋め込みにより、又は筋肉内注射により投与できる。従って、本発明の化合物は、好適なポリマー材料(例えば、水溶性ポリマー)、疎水性材料(例えば、許容できる油中のエマルション)、イオン交換樹脂、又は難溶性誘導体(例えば、難溶性塩)を用いて製剤化できる。
獣医による使用には、式(I)もしくは(II)の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、プロドラッグ、もしくは溶媒和物を、通常の獣医実務に従って、好適に許容できる製剤として投与する。獣医師は、特定の動物にとって最も適切な投与計画及び投与経路を容易に決定できる。本発明の化合物及び方法によって治療可能な動物としては、限定されないが、ペット、家畜、ショーアニマル、及び動物園の被験動物が挙げられる。
合成方法
本発明の化合物は、以下の合成スキームによって調製できる。先ず、本明細書に記載のChk1インヒビタを調製するのに使用するアルコキシアリールアミン類は、異なる一般合成スキームによって調製できる。例えば、一般スキーム1に、アルコールの活性型とニトロフェノールとの、原位置で形成、又は別途に調製及び単離する、ニトロフェニルエーテル産物を提供する反応の概要を示す。標準的条件下でのエーテルの還元により、本発明の化合物を生産するために使用するアリールアミンを提供する。
一般スキーム1
Figure 2008535830
あるいは、水素化ナトリウム又はカリウムビス(トリメチルシリル)アミド等の強塩基の存在下にハロニトロベンゼンをアルコールと反応させることでも、一般スキーム2に示すようにニトロアリールエーテルが得られる。次いでこれらのエーテルを、一般スキーム1に示すように還元する。
一般スキーム2
Figure 2008535830
アリールアミンの尿素への変換は、いくつかの合成スキームの1つによって成し遂げることができる。例えば、一般スキーム3に示すように、アリールアミンをピラジンカーバメートと反応させて尿素を生じさせることができる。
一般スキーム3
Figure 2008535830
あるいは、一般スキーム4に概説するように、アシルアジドの加熱誘発分解によって反応性アリールイソシアネートを生成させ、これを次いでアリールアミンと反応させて所望の尿素を得る。
一般スキーム4
Figure 2008535830
一般スキーム5に示す別のアプローチでは、ホスゲン又はホスゲン等価物を用いて2つのアリールアミンをカップリングさせ、尿素を提供する。
一般スキーム5
Figure 2008535830
本明細書で説明する合成に用いられる略語は、時間(h)、分(min)、1平方インチ当たりポンド(psi)、飽和(sat’d)、水(HO)、脱イオン(DI)、イソプロピルアルコール(iPrOH)、炭素上白金(Pt/C)、窒素(N)、水素(H)、炭素上パラジウム(Pd/C)、白金オキシド(PtO)、硫酸マグネシウム(MgSO)、塩酸(HCl)、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)、塩化メチレン(CHCl)、クロロホルム(CHCl)、メタノール(MeOH)、アンモニウム水酸化物(NHOH)、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチルピロリドン(NMP)、酢酸(AcOH)、NaOH(NaOH)、EtOAc(EtOAc)、エタノール(EtOH)、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、重水素化ジメチルスルフォキシド(d−DMSO)、カルボン酸ナトリウム(NaCO)、重水素化クロロホルム(CDCl)、重炭酸ナトリウム(NaHCO)、水素化ナトリウム(NaH)、TEA(TEA)、カルボン酸セシウム(CSCO)、二酸化炭素(CO)、水酸化パラジウム(Pd(OH))、硫酸(HSO)、硝酸(HNO)、塩化ナトリウム(NaCl)、硫酸ナトリウム(NaSO)、及びジメチルホルムアミド(DMF)である

合物の調
下の本発明の化合物は、前記の一般スキームを用いて調製した。さらなる本発明の化合物は、前記一般スキーム、及び以下の特異的合成を用い、出発物質の慎重な選択により調製できる。
化合物1
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−2−S−([1,4]オキサゼパン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
ステップ1: 2−アミノ−5−メチルピラジン
アミノマロノニトリルp−トルエンスルホン酸塩(20.0g、79mmol)及びピルブアルデヒド1−オキシム(6.88g、79mmol)をフラスコ内で合わせた。iPrOH(140mL)を添加し、得られた黄色スラリーを室温で18時間撹拌し、この間に黄色沈殿が蓄積した。混合液を濾過して、沈殿をiPrOH(2×50mL)及び脱イオン水(20mL)で洗浄し、その後凍結乾燥して2−アミノ−3−シアノ−5−メチルピラジンN−オキシド(10.7g)を得た。
ピラジンN−オキシドをMeOH(22mL)及びAcOH(5mL)に懸濁させた。これに5%Pt/C(1.6g)及びDarco KB−B(8g)を注意深く添加した。混合液に、60psiで18時間、Hを吸収させた。反応を25%NaOH(34mL)でクエンチし、Nを30分間パージした。混合液は、湿潤セライト床を通して濾過して、MeOH(4×100mL)で洗浄した。濾液を真空で4分の1の体積まで濃縮した。濾液をEtOAc(150mL)で希釈して5%NaOH(30mL)で洗浄し、EtOAc(2×70mL)で逆抽出した。有機層を集めて飽和NaCl(20mL)で洗浄して濾過し、真空で濃縮して橙色粘性固体(5.16g)を得た。
ステップ2:(5−メチルピラジン−2−イル)カルバミン酸フェニルエステル
2−アミノ−5−メチルピラジン(5.16g、47mmol)をCHCl(52mL)に溶解させ、N下に撹拌して、0℃になるまで冷却した。これに、ピリジン(4.8mL、59mmol)を添加し、次いでフェニルクロロホルメート(6.2mL、59mmol)を15分間かけて滴下して沈殿を形成させた。混合液を0℃で1時間撹拌した。その後、反応を0.25MのHCl(40mL)及び無水エーテル(50mL)でクエンチし、0℃で30分間撹拌した。沈殿を濾過によって単離して、脱イオン水(20mL)及びエーテル(2×25mL)で洗浄し、減圧下に乾燥させて白色綿毛状粉末として産物(7.4g)を得た。
ステップ3: (S)−2−ヒドロキシメチル−[1,4]オキサゼパン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
250mLの丸底フラスコに、(S)−(+)−ベンジルグリシジルエーテル、(1.31g、7.9mmol)、3−ベンジルアミノ−プロパン−1−オール(1.3g、7.9mmol)及び10mLのEtOHを加えた。混合液を40℃に15時間加熱した。反応液を冷却して真空で濃縮し、得られた油状産物を、更に精製することなく使用した。ジオールを250mLの丸底フラスコに入れて、75mLの乾燥ピリジンに溶解させた。溶液を0℃に冷却し、トルエンスルホニルクロライド(5.27g、27.7mmol)を一分配にて添加した。混合液は、反応温度を注意深く0℃に保ちながら6時間撹拌した。冷反応を、50mLの飽和NaHCO水溶液でクエンチした。更に20mLの水を加え、混合液はEtOAcを100mLずつ用いて3回抽出した。有機層を合わせてNaSOで乾燥し、真空で濃縮した。アルコールはその後、溶離液としてEtOAc及びヘキサンの25〜50%濃度勾配を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。これにより、黄色オイルとして1.39gのトシルアルコールが得られた。
アルコールを50mLのDMFに溶解させて、0℃に冷却した。冷撹拌混合液に、95重量%のNaH(0.29g、11.5mmol)を注意深く添加した。反応液を0℃で15分間撹拌し、次いでゆっくりと室温にまで昇温して6時間撹拌した。反応を50mLの水で注意深くクエンチし、EtOAcを50mLずつ用いて3回抽出した。有機層を合わせてNaSOで乾燥し、真空で濃縮した。粗製産物をEtOHに溶かし、Parr水素化装置に入れた。また、この溶液に10重量%のPd/C(0.426g、0.30mmol)及び2MのHCl(2.1mL)を添加した。水素化を50psiで2日間行い、この時点で反応が完了したと、LCMS解析により判断した。溶液を飽和NaHCO水溶液で中和し、CHCl:iPrOHの3:1混合液を用いて抽出した。有機層を合わせて真空で濃縮して、粗製産物を次の工程に進めた。
粗製アミノアルコールを、100mLの乾燥CHClに溶解させた。この溶液に、TEA(1.59mL、11.5mmol)及びジ−tert−ブチルジカルボネート(5.74g、5.74mmol)を添加した。溶液を室温で18時間撹拌し、その後飽和NaHCO水溶液でクエンチし、CHClを50mLずつ用いて3回抽出した。有機層を合わせてNaSOで乾燥し、真空で濃縮した。産物は、EtOAc/ヘキサンの25〜50%濃度勾配を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。これにより、黄色オイルとして0.240gのオキサザパンアルコールが得られた。
ステップ4: (S)−2−(4−クロロ−2−ニトロ−フェノキシメチル)−[1,4]オキサゼパン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
50mLの丸底に、オキサザパンアルコール(0.240g、1.03mmol)、TEA(0.21mL、1.545mmol)、及び10mLの乾燥CHClを添加した。溶液を0℃に冷却し、メタンスルホニルクロライド(0.10mL)を滴下した。混合液を0℃で1.5時間撹拌し、次いで水で完全にクエンチした。層を分離させ、水層を20mLのCHClで1回抽出した。有機層を合わせてNaSOで乾燥し、真空で濃縮した。次いで、粗製メシレートを5mLの乾燥DMFに溶解させた。この溶液に、CsCO(0.671g、2.06mmol)及び4−クロロ−2−ニトロ−フェノール(0.215g、1.24mmol)を添加した。この淡黄色溶液はその後、終夜100℃に加熱した。反応液を室温まで冷却して、50mLの水でクエンチし、EtOAcを50mLずつ用いて3回抽出した。産物は、EtOAc/ヘキサンの10〜35%濃度勾配を用いてフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。この工程手順で、黄色オイルとして0.120gのニトロフェニルオキサザパンが得られた。
ステップ5: 1−[5−クロロ−2−([1,4]オキサゼパン−2−(S)−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
25mLの丸底で、5mLのMeOHにニトロフェニルオキサザパン(0.120g、0.31mmol)及びPtO(0.007g、0.03mmol)を入れた。ヘリウムバルーンを取り付け、アスピレーターを用いてフラスコを排気して、Hを3回充填し、次いでH下に2時間撹拌させた。反応液をセライトを通して濾過し、そのセライトパッドを、MeOHを20mLずつ用いて2回洗浄した。溶液は、真空で濃縮した。粗製アニリンを、5mLの乾燥DMFに溶解させた。この溶液に、TEA(0.005mL、0.34mmol)及び(5−メチルピラジン−2−イル)カルバミン酸フェニルエステル(0.07g、0.31mmol)を添加した。この混合液を、室温で18時間撹拌した。溶媒を減圧下に除去し、残渣を10mLのEtOAcに再溶解させて飽和NaHCO水溶液で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、減圧で濃縮した。灰色/褐色残渣を3mLのCHClで覆い、これに1mLの濃トリフルオロ酢酸を添加した。酸の添加で、固体はすべて溶解した。反応液を室温で4時間撹拌し、この時点で、溶液のpHが8に達するまで飽和NaHCO水溶液を添加する。混合液は、CHCl:iPrOHの3:1混合液を10mLずつ用いて3回抽出した。その後有機層を合わせてNaSOで乾燥し、減圧下に濃縮した。オフホワイト色の固体は、次いでEtOAc中で摩砕して、濾材フリットフィルターを通して濾過し、50mLのEtOAcで洗浄した。白色固体は、減圧下に完全に乾燥させた。この手順で、白色微粉末として0.020gの所望の尿素が得られた。H−NMR (300 MHz, d−DMSO) δ 10.83 (br s, 1H), 8.39 (dd, 1H), 8.18 (s, 1H) 8.04 (br s, 1H), 6.99 (dd, 1H), 6.82 (d, 1H), 4.25−3.98 (m, 2H), 3.90−3.76 (m, 1H), 3.38 (d, 1H), 3.13−3.06 (m, 2H), 3.00 (dd, 1H), 2.54 (s, 3H), 2.06−1.89 (m, 3H).LCMS (ES, positive) m/e 392.3 (M+1).
化合物2
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−2−(R−モルホリン−3−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
ステップ1: 3−ヒドロキシメチル−S−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
モルホリン−3−R−4−ジカルボン酸4−tert−ブチルエステル(1.00g、4.32mmol)の冷却した(0℃浴)乾燥THF(40mL)溶液に、ボラン(1MのTHF溶液、4.76mL、4.76mmol)を、窒素雰囲気下に15分間かけて滴下した。1時間撹拌した後、浴を除き、更に3時間、外界温度で撹拌を継続した。酢酸(14.3mLの1M水溶液、14.3mmol)を、その後添加した。1時間撹拌した後、溶液を過剰の水性飽和炭酸水素ナトリウムを添加して中和した。ジクロロメタン(20mL)を添加して、その溶液を15分間撹拌し、次いで層を分離させた。水層をCHCl(3×20mL)で抽出し、有機層を合わせて乾燥(MgSO)し、濾過した。濾過した溶液を濃縮して白色固体(0.46g)とした。
ステップ2: 3−(4−クロロ−2−ニトロ−フェノキシメチル)−R−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
3−ヒドロキシメチル−S−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.13g、0.60mmol)及び5−クロロ−2−フルオロニトロベンゼン(0.11g、0.66mmol)の冷却した(−78℃浴)乾燥THF(40mL)撹拌溶液に、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(2.4mLのTHF0.5M溶液、1.2mmol)を窒素雰囲気下に15分間かけて滴下した。更に15分間撹拌した後、水性飽和アンモニウムクロライド(10mL)を添加し、浴を除いて溶液を外界温度まで昇温させた。1時間撹拌した後、水(15mL)及びCHCl(10mL)を添加し、5分間撹拌して層を分離させた。水層をCHCl(2×10mL)で抽出し、有機層を合わせて乾燥(MgSO)し、濾過した。濾過した溶液を濃縮して黄色オイル(0.26g)とし、これをヘキサン/EtOAc(1:1)で溶出させるカラムクロマトグラフィーにより精製し、淡黄色オイル(0.195g)を得た。
ステップ3: 3−(2−アミノ−4−クロロ−フェノキシメチル)−R−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
3−(4−クロロ−2−ニトロ−フェノキシメチル)−R−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.17g、0.46mmol)のMeOH(4mL)撹拌溶液に、PtO(0.020g、0.088mmol)を添加した。フラスコを排気し、次いでHを3回繰り返して充填した。4時間撹拌した後、溶液をセライトのパッドで濾過して濾液を濃縮し、黄色オイルとして産物を得た。
ステップ4: 3−{4−クロロ−2−[3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−ウレイド]−フェノキシメチル}−R−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
黄色オイル及び(5−メチル−ピラジン−2−イル)−カルバミン酸フェニルエステル(0.13g、0.57mmol)の乾燥DMF(2mL)溶液を調製して、TEA(0.074mL、0.53mmol)を添加した。24時間撹拌した後、反応液を減圧下に濃縮し、次いで水(10mL)及びEtOAc(10mL)に再溶解させた。15分間撹拌した後、層を分離させて、水層をEtOAc(2×10mL)で抽出し、有機層を合わせて鹹水(10mL)で洗浄して、その後乾燥(NaSO)させて濾過した。濾過した溶液を濃縮し、その後EtOAc/CHCl(1:1)で溶出させるカラムクロマトグラフィーにより精製して黄色オイル(0.8g)を得た。
ステップ5: 1−[5−クロロ−2−(R−モルホリン−3−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
3−{4−クロロ−2−[3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−ウレイド]−フェノキシメチル}−R−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.8g)のCHCl(6mL)撹拌溶液にトリフルオロ酢酸(3mL)を添加した。5時間撹拌した後、溶液を炭酸カリウム水溶液(1M)で塩基性になるまで処理し、次いで30分間撹拌した。層を分離させて、水層をCHCl(3×10mL)で抽出した。有機層を合わせて乾燥(MgSO)して、濾過した。濾過した溶液を濃縮し、次いでMeOH/CHCl(1:9)で溶出させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄白色固体(0.0523g)を得た。H−NMR (300 MHz, d−DMSO) δ 10.22 (s, 1H), 9.96 (br s, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.28 (d, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.04 (dd, 2H), 3..94 (m, 3H), 3.71 (br d, 1H), 3.43 (m, 1H), 3.23 (m, 2H), 3.34 (br m, 2H), 2.66 (br m, 1H), 2.43 (s, 3H).LRMS (es, positive) m/e 378.3 (M+1).
化合物3
Figure 2008535830
1−[2−(1,4−ジメチル−ピペラジン−2−イルメトキシ)−5−メチル−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
ステップ1: 1,4−ジメチル−2−(4−メチル−2−ニトロ−フェノキシメチル)−ピペラジン
4−メチル−2−ニトロ−フェノール(0.95g、6.20mmol)、(1,4−ジメチル−ピペラジン−2−イル)−MeOH(0.98g、6.82mmol)、及びトリフェニルホスフィン(1.79g、6.82mmol)をTHF中で合わせて5分間撹拌し、次いでDIAD(1.38g、6.82mmol)で処理した。反応液を終夜撹拌させた。減圧下濃縮により橙色オイルを得て、これをEtOAcに溶解させて2MのHCl水溶液で抽出した。水性洗浄液を合わせて、EtOAcで洗浄し、塩基性になるまで固体NaOHで処理した。得られた水性混合液をEtOAcで抽出し、有機抽出液を合わせてNaSOで乾燥し、濾過して真空で濃縮し、褐色オイルを得た。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中1%MeOH)により、1.0gの所望のアリールエーテルを得た。
ステップ2: 2−(1,4−ジメチル−ピペラジン−2−イルメトキシ)−5−メチル−フェニルアミン
1,4−ジメチル−2−(4−メチル−2−ニトロ−フェノキシメチル)−ピペラジン(1.02g、3.65mmol)をMeOH(75mL)に溶解させて、混合液が濁るまで飽和塩化アンモニウム水溶液で処理した。亜鉛(0.24g、3.65mmol)を添加した。得られた暖かい反応混合液を更に30分間撹拌し、この時点で出発物質が消費されたことがLCMSにより示された。反応液をEtOAcで希釈して、水性NaCOと層を分離させた。有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、固体無水NaSOで乾燥させた。混合液を濾過して真空で濃縮し、所望のアニリンを得た。
ステップ3: 1−[2−(1,4−ジメチル−ピペラジン−2−イルメトキシ)−5−メチル−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
5−メチル−ピラジン−2−カルボン酸(691mg、5mmol)をトルエン(15mL)中で撹拌し、TEA(765mL、5.5mmol)、次いでジフェニルホスホリルアジド(1.0mL、5.0mmol)で処理した。得られた溶液を30分間撹拌し、次いでそのまま使用した。
5−メチル−ピラジン−2−カルボニルアジド(1.0mmol)のトルエン溶液を90℃で10分間加熱した。反応フラスコを加熱浴から取り出して、褐色溶液を2−(1,4−ジメチル−ピペラジン−2−イルメトキシ)−5−メチル−フェニルアミン(0.25g、1.0mmol)で処理した。フラスコを加熱浴に戻して、40℃で4時間加熱した。混合液を冷まし、その後濾過して黄褐色の粉末として産物を得た。H−NMR (400 MHz, CDCl) δ 10.90 (s, 1, H), 8.4 (s, 1, H), 8.2 (m, 3, H), 6.8 (m, 2, H), 4.2 (dd, 1, H), 3.9 (t, 1, H), 3.1 (d, 1, H), 2.8 (br d, 1, H), 2.6 (m, 2, H), 2.5 (s, 3, H), 2.4 (m, 1, H), 2.4 (s, 3, H), 2.3 (s, 3, H), 2.25 (m, 1, H), 2.2 (s, 3, H), 2.1 (m, 1, H).LRMS (esi, positive) m/e 385.30 (M+1).
化合物4
Figure 2008535830
1−[4,5−ジクロロ−2−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
ステップ1: (S)−2−ヒドロキシメチル−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
500mLのフラスコで、(S)−ベンジルグリシジルエーテル(15g、91.4mmol)、MeOH(10mL)、及び50重量%のNaOH(30mL、365mmol)を合わせた。この混合液に、2−アミノエチルスルフェート(25.8g、183mmol)を複数分配で添加した。この不均一な混合液を40℃に加熱し、この時点で溶液は均一になる。温度を40℃に4時間維持した。反応液をわずかに冷却し、更に固体NaOH(14.6g、365mmol)を、50mLのトルエンと共に添加した。二相性溶液は、次いで65℃に12時間加熱した。反応液を室温に冷却して層を分離し、水層を75mLのトルエンで1回抽出した。有機層を合わせて、1MのHClを75mLずつ用いて3回洗浄した。合わせた水層のpHをpH12にNaOH水溶液で調整し、EtOAcを70mLずつ用いて4回抽出した。有機層を合わせてNaSOで乾燥し、真空で濃縮して、不透明なオイルとして10.084gの所望のモルホリンを得た。
粗製モルホリン産物をCHCl(100mL)及びTEA(12.1mL、87.5mmol)に溶解させ、ジ−tert−ブチルジカルボネート(15.9g、73mmol)を添加したが、これに伴いCOガスが発生した。反応液を室温で18時間撹拌し、次いで35mLの飽和NaHCO水溶液でクエンチした。更に50mLの水を添加して、層を分離させた。有機層を無水NaSOで乾燥させ、真空で濃縮して、フラッシュクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)により精製して淡黄色オイル(5.536g)として所望のN−Boc−O−ベンジルモルホリンを得た。
精製した二保護モルホリンを50Lの絶対EtOHに溶解させ、Pd(OH)(1.26g、20重量%、1.8mmol)を添加した。水素バルーンを取り付けて、アスピレーターを用いてフラスコを排気し、Hを3回充填した。反応液を、H下に30時間撹拌した。混合液をセライトで濾過し、セライトのパッドをEtOHで充分に濯いだ。濾過した溶液を減圧下に濃縮して、青白色固体(3.918g)として所望のN−boc−モルホリンアルコールを得た。
ステップ2: 4,5−ジクロロ−2−ニトロ−フェノール
3,4−ジクロロフェノール(3.053g、18.7mmol)の50mLのCHCl溶液を入れた250mLの丸底フラスコを、氷浴中で0℃に冷却した。撹拌した溶液に、濃HSO(1.56mL、28.1mmol)を添加した。溶液は濁った。この混合液に濃HNO(1.2mL、18.7mmol)を滴下し、温度は5℃より下に注意深く保った。反応液を0℃で30分間撹拌し、その後氷浴で冷却して、150mLのHOでクエンチした。層を分離させて、水層を35mLのCHClで1回抽出した。有機層を合わせて無水NaSOで乾燥し、減圧下に濃縮して、フラッシュクロマトグラフィー(溶離液として10%EtOAc/ヘキサン)を用いて精製し、明黄色固体(1.793g)として所望のニトロフェノールを得た。
ステップ3: 1−[4,5−ジクロロ−2−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
化合物1、工程4及び5に対する手順に従い、4,5−ジクロロ−2−ニトロ−フェノール及び(S)−2−ベンジルオキシメチル−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステルを用いて調製した。H−NMR (300 MHz, d−DMSO) δ 10.42 (s, 1H), 10.29 (s, 1H), 8.93 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.32 (s, 1H), 4.18−3.41 (m, 5H), 3.03−2.66 (m, 4H), 2.38 (s, 3H) LRMS (ES, positive) m/e 412.2 (M+1).
化合物 5
Figure 2008535830
1−(5−シアノ−ピラジン−2−イル)−3−[5−メチル−2−(4−メチル−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−尿素
ステップ1: 5−ブロモ−ピラジン−2−イルアミン
ピラジン−2−イルアミン(6.66g、70mmol)のCHCl(200mL)溶液を0℃に冷却して、N−ブロモスクシンアミド(12.5g、70mmol)で処理し、室温まで昇温させた。得られた反応混合液を終夜撹拌し、その後追加のCHCl(200mL)で希釈して、10%のNaCO水溶液で洗浄した。層を分離させ、有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄し、次いで無水MgSOで乾燥して濾過し、減圧下に濃縮させた。残渣をEtOAc(50mL)中に溶かして、ヘキサン(300mL)の添加により産物を沈殿させた。沈殿を減圧下に乾燥させて、5.57gの黄褐色固体を得た。
ステップ2: 5−アミノ−ピラジン−2−カルボニトリル
5−ブロモ−ピラジン−2−イルアミンを、DMF(15mL)中、ヨウ化銅(I)(1.3g、6.9mmol)、シアン化カリウム(0.44g、6.8mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.95g、0.83mmol)、及び18−クラウン−6(0.058g、0.22mmol)と合わせた。得られた混合液を40分間撹拌し、その後還流温度(155℃)で2時間加熱した。反応液を室温まで冷却し、次いで終夜静置した。沈殿を濾過によって分離し、濾液は真空にて乾燥するまで濃縮した。橙色の残渣をEtOAc及びヘキサンに溶解し、初期沈殿が形成され、その後、濾過によって分離した。静置すると、母液中にさらなる沈殿が形成され、これを濾過により収集した。固体を集めて、0.10gの明橙色固体を得た。
ステップ3: 2−{2−[3−(5−シアノ−ピラジン−2−イル)−ウレイド]−4−メチル−フェノキシメチル}−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
2−(2−アミノ−4−メチル−フェノキシメチル)−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.087g、0.270mmol)は、2−アミノ−4−メチル−フェノールから、化合物3、工程1及び2の方法に従い、2−ヒドロキシメチル−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(化合物2、工程1に対する手順に従い、対応する酸を用いて調製)及び4−メチル−2−ニトロ−フェノールを用いて調製した。これをトリホスゲン(0.029g、0.10mmol)、トルエン(2mL)及びヒューニッヒ塩基(0.15mL、0.86mmol)と合わせて、室温で25分間撹拌した。次いで懸濁液を、THF(1mL)中に5−アミノ−ピラジン−2−カルボニトリル(0.032g、0.27mmol)、及びリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.27mmol)を含有し、−78℃で30分間撹拌しておいた冷溶液(−78℃)に、カニューレを通して移した。反応液は昇温させ、次いで室温で16時間撹拌した。沈殿が形成され、これを濾過により収集して所望の産物(0.043g)を得た。
ステップ4: 1−(5−シアノ−ピラジン−2−イル)−3−[5−メチル−2−(モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−尿素
THF(2mL)中、2−{2−[3−(5−シアノ−ピラジン−2−イル)−ウレイド]−4−メチル−フェノキシメチル}−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.043g、0.0918mmol)のスラリーを、ジオキサン中HCl(4M、0.11mL)で処理して、20時間撹拌した。さらなるジオキサン中HCl(4M、0.25mL)を追加して、この反応液を50℃に18時間加熱した。反応液は冷却して濃縮した。得られた固体をエーテル中に懸濁させ、その懸濁液を濾過して風乾し、HCl塩(0.042g)として所望の産物を得た。
ステップ5: 1−(5−シアノ−ピラジン−2−イル)−3−[5−メチル−2−(4−メチル−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−尿素
1−(5−シアノ−ピラジン−2−イル)−3−[5−メチル−2−(モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−尿素塩酸塩(0.0104g、0.129mmol)のMeOH(1mL)溶液を0℃に冷却し、ホルムアルデヒド(0.12mmol)の水溶液、次にナトリウムトリアセトキシホウ化水素(0.06g、0.292mmol)で処理した。反応液を12時間撹拌し、次いで真空にて濃縮した。残渣をシリカのクロマトグラフィーにかけ(CHCl中2%MeOH)、白色固体(0.014g)として産物を得た。H−NMR (400 MHz, d−DMSO) δ 10.90 (s, 1, H), 10 (br s, 1, H), 8.9 (s, 1, H), 8.8 (s, 1, H), 8 (s, 1, H), 6.9 (m, 1, H), 6.8 (m, 1, H), 3.9 (m, 4, H), 3.6 (t, 1, H), 2.9 (d, 1, H), 2.7 (d, 1, H), 2.2 (s, 3, H), 2.1 (s, 3, H), 2 (t, 1, H), 1.8 (t, 1, H).LRMS (esi, positive) m/e 383.40 (M+1).
化合物6
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−2−([1,4]オキサゼパン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
ステップ1: 3−ベンジル−2−クロロメチル−[1,3]オキサゼパン
3−ベンジルアミノ−プロパン−1−オール(14g、88.0mmol)及びエピクロロヒドリン(81.4g、880mmol)の溶液を40℃に加熱した。3時間撹拌した後、反応液を冷却して、過剰のエピクロロヒドリンを真空にて蒸発させることにより除去した。硫酸(10mL)をゆっくりと添加し、その後反応フラスコを150℃の予加熱油浴に入れた。撹拌を1時間行い、次いで反応液を室温まで冷まして、氷を加えてクエンチした。混合液は、10%NaCO水溶液で塩基性のpHに調整し、EtOAc(3×300mL)で抽出した。有機層を合わせて無水MgSOで乾燥して濾過し、減圧下に乾燥させた。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(70:28:2 ヘキサン/CHCl/2M水性NHOH)により精製して、5gの淡黄色オイルを得た。
ステップ2: 2−(4−クロロ−2−ニトロ−フェノキシメチル)−[1,3]オキサゼパン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
4−ブロモ−2−ニトロ−フェノール(1.39g、8.0mmol)のDMSO(30mL)撹拌溶液に炭酸カリウム(2.76g、20.0mmol)、次いで3−ベンジル−2−クロロメチル−[1,3]−オキサゼパンを添加した。反応液を60℃で12時間撹拌し、次いで室温まで冷まして、EtOAc(200mL)及び10%NaCO水溶液(200mL)で希釈した。層を分離し、有機層を鹹水で洗浄して無水MgSOで乾燥し、真空にて濃縮した。粗製産物をフラッシュクロマトグラフィー(70:30のヘキサン/EtOAc)により精製して、480mgの淡橙色オイルを得た。
オイルをCHCl(5mL)に溶かして、氷浴で冷却した。アルファクロロエチルクロロホルメート(0.18mL、1.65mmol)を添加した。反応液を2時間撹拌し、その後2NのHCl水溶液を添加した。撹拌を10分間継続し、次いで混合液を乾燥するまで濃縮した。得られた残渣をMeOHに溶かし、2時間還流した。反応液を減圧下に濃縮して、残渣を2NのHCl水溶液(75mL)に溶かし、EtOAc(2×50mL)で洗浄した。水層のpHは、固体NaOHを添加することによりpH11に調整した。得られた塩基性溶液はEtOAc(2×50mL)で抽出し、有機層を合わせて鹹水で洗浄し、MgSOで乾燥した。濾過及び真空濃縮にて、淡黄色オイルとして240mgの産物が得られた。
オイルをCHCl(3mL)に溶解させ、次いでTEA(0.116mL、0.831mmol)及びジ−tert−ブチルジカルボネート(0.181g、0.831mmol)で処理した。反応液を室温で1時間撹拌し、次いで更にCHCl(100mL)で希釈し、10%NaCO水溶液(100mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過して減圧下に濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(7:3ヘキサン/EtOAc)を用いて精製を行い、白色発泡物として252mgの産物を得た。
ステップ3: 2−(2−アミノ−4−クロロ−フェノキシメチル)−[1,3]オキサゼパン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
2−(4−クロロ−2−ニトロ−フェノキシメチル)−[1,3]−オキサゼパン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.252g、0.65mmol)から、化合物3、ステップ2の手順に従って、透明油として150mgの産物を得た。
ステップ4: 1−[5−クロロ−2−([1,4]オキサゼパン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
2−(2−アミノ−4−ブロモ−フェノキシメチル)−[1,3]オキサゼパン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルから、化合物2、ステップ4及び化合物5、ステップ4の手順に従って、0.175gの産物を得た。H−NMR (400 MHz, CDCl), δ 8.65 (br s, 1, H), 8.3 (s, 1, H), 8.25 (s, 1, H), 6.98 (dd, 1, H), 6.8 (d, 1, H), 4.08 (m, 3, H), 3.8 (m, 1, H), 3.35 (s, 1, H), 3.25 (d, 1, H), 3 (m, 3, H), 2.5 (s, 3, H), 1.98 (m, 2, H).LRMS (esi, positive) m/e 391.90 (M+1).
化合物 7
Figure 2008535830
1−[5−メチル−2−(1−メチル−ピペラジン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
ステップ1: 3−ヒドロキシメチル−4−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル1:1のHO/ジオキサン200mL中のピペラジン−2−カルボン酸(20g、154mmol)のスラリーを氷浴中で冷却し、固体NaOH(11g)、次いでジ−tert−ブチルジカルボネート(21.6g、99mmole)のジオキサン溶液を添加漏斗から滴下して処理した。反応液のpHは、反応継続中に必要に応じてpH>10に調整した。得られた混合液を3時間撹拌し、次いで均一になるまで水で希釈して、pHが2から3の間になるまで水性濃HClで酸性化した。溶液をエーテルで洗浄し、次いでpHが6.5〜7になるまでNaOHでpH調整した。溶液を数日間静置し、得られた沈殿を濾過により集めて、白色固体(9.7g)としてピペラジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステルを得た。
CHOH(100mL)中のピペラジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(4.62g、20.0mmol)のスラリーを、水性ホルムアルデヒド(40mmol)及びギ酸(70mmol)にて処理し、次いで65℃で数時間加熱した。HPLCにより完了を確認して、反応液を冷まし、真空にて濃縮した。
残渣をTHFに溶かして氷浴中で冷却し、次いで水素化リチウムアルミニウムのTHF(19.0mmol)溶液で処理した。1時間後に、反応液を室温まで昇温させて、更に30分間撹拌した。その後反応液を氷浴中で冷却して、HO(0.75mL)及び15%NaOH水溶液(0.75mL)、そして再度HO(3×0.75mL)でクエンチした。塩を濾過により除去し、濾液を減圧下に濃縮して粗製産物を得た。シリカゲル(CHCl中2.5%MeOH)のクロマトグラフィーで、黄色オイル(0.70g)として産物を得た。
ステップ2: 1−[5−メチル−2−(1−メチル−ピペラジン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
3−ヒドロキシメチル−4−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを用いる化合物3の手順、及び化合物5、ステップ4に従って、調製した。H−NMR (400 MHz, d−DMSO) δ 10.24 (br s, 1, H), 10.1 (s, 1, H), 9.7 (br s, 1, H), 9.42 (s, 1, H), 9.12 (s, 1, H), 8.2 (s, 1, H), 8.08 (s, 1, H), 6.91 (d, 1, H), 6.82 (d, 1, H), 4.6 (d, 1, H), 4.4 (m, 1, H), 4.1 (m, 1, H), 3.6 (m, 6, H), 3 (s, 3, H), 2.4 (s, 3, H), 2.2 (s, 3, H).LRMS (esi, positive) m/e 371.40 (M+1).
化合物8
Figure 2008535830
1−(5−シアノ−ピラジン−2−イル)−3−[5−メチル−2−(モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−尿
合物5、ステップ1〜4の手順に従い、4−メチル−2−ニトロ−フェノールを用いて調製した。H−NMR (400 MHz, CDOD), δ 8.80 (s, 1, H), 8.7 (s, 1, H), 7.9 (s, 1, H), 6.8 (m, 2, H), 4.2 (m, 4, H), 3.8 (m, 1, H), 3.6 (m, 1, H), 3.5 (m, 1, H), 3.2 (m, 2, H), 2.3 (s, 3, H).LRMS (esi, positive) m/e 369.30 (M+1).
化合物 9
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−4−メチル−2−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
化合物4、ステップ1の手順を用いて調製した2−ヒドロキシメチル−S−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステルと、化合物4、ステップ2の手順に従って調製した4−クロロ−5−メチル−2−ニトロ−フェノールとを用いて、化合物1、ステップ4及び5の手順に従って調製した。H−NMR (300 MHz, d−DMSO) δ 10.32 (s, 1H), 10.21 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.29−8.10 (m, 2H), 7.06 (d, 1H), 7.18 (d, 1H), 4.12−3.42 (m, 5H), 3.29−2.63 (m, 4H), 2.48 (s, 3H), 2.25 (s, 3H).LRMS (ES, positive) m/e 392.2 (M+1).
化合物10
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−4−メチル−2−(R−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
(R)−ベンジルグリシジルエーテル酸tert−ブチルエステルから化合物4、ステップ1を用いて調製した2−ヒドロキシメチル−R−モルホリン−4−カルボン酸と、化合物4、ステップ2の手順に従って調製した4−クロロ−5−メチル−2−ニトロ−フェノールとを用い、化合物1、ステップ4及び5の手順に従って調製した。H−NMR (300 MHz, d−DMSO) δ 10.32 (s, 1H), 10.21 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.29−8.10 (m, 2H), 7.06 (d, 1H), 7.18 (d, 1H), 4.12−3.42 (m, 5H), 3.29−2.63 (m, 4H), 2.48 (s, 3H), 2.25 (s, 3H).LRMS (ES, positive) m/e 392.3 (M+1).
化合物11
Figure 2008535830
1−[4,5−ジクロロ−2−(R−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
化合物4、ステップ2の手順に従って調製した2−ヒドロキシメチル−S−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル及び4,5−ジクロロ−2−ニトロ−フェノールを用いて、化合物1、ステップ4及び5の手順に従って調製した。H−NMR (300 MHz, d−DMSO) δ 10.42 (s, 1H), 10.29 (s, 1H), 8.93 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.32 (s, 1H), 4.18−3.41 (m, 5H), 3.03−2.66 (m, 4H), 2.38 (s, 3H).LRMS (ES, positive) m/e 412.2 (M+1).
化合物12
Figure 2008535830
1−[4,5−ジメチル−2−(モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
化合物4、ステップ2の手順に従って調製した2−ヒドロキシメチル−S−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル及び4,5−ジメチル−2−ニトロ−フェノールを用い、化合物1、ステップ4及び5の手順に従って調製した。H−NMR (300 MHz, d−DMSO) δ 10.02 (s, 1H), 9.89 (br s, 1H), 8.85 (br s, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.91 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 4.18−3.97 (m, 3H), 3.69 (t, 1H), 3.43−3.26 (m, 2H), 2.97 (t, 2H), 2.33 (s, 3H), 2.18 (s, 2H), 2.12 (s, 3H).LRMS (ES, positive) m/e 372.3 (M+1).
化合物13
Figure 2008535830
1−[4−クロロ−5−メチル−2−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
化合物4、ステップ2の手順に従って調製した2−ヒドロキシメチル−S−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル及び5−クロロ−4−メチル−2−ニトロ−フェノールを用い、化合物1、ステップ4及び5の手順に従って調製した。H−NMR (300 MHz, d−DMSO) δ 10.26 (s, 1H), 8.82 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.10 (s, 1H), 4.21-3.96 (m, 2H), 3.90−3.86 (m, 2H), 3.54 (dt, 1H), 2.98 (d, 1H), 2.84 (t, 2H), 2.36 (s, 3H), 2.21 (s, 3H).LRMS (ES, positive) m/e 392.1 (M+1).
化合物 14
Figure 2008535830
1−[5−シアノ−2−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
化合物4、ステップ2の手順に従って調製した2−ヒドロキシメチル−S−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル及び4−ヒドロキシ−3−ニトロ−ベンゾニトリルを用い、化合物1、ステップ4及び5の手順に従って調製した。H−NMR (300 MHz, d−DMSO) δ 10.43 (br s, 1H), 10.30 (s, 1H), 8.62 (br s, 1H), 8.53 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.33 (d, 1H), 4.20−4.11 (m, 2H), 3.94−3.73 (m, 2H), 3.51 (dt, 1H), 3.00 (d, 1H), 2.77−2.61 (m, 2H).LRMS (ES, positive) m/e 369.2 (M+1).
化合物 15
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−4−エチル−2−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
化合物4、ステップ2の手順に従って調製した2−ヒドロキシメチル−S−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル及び4−クロロ−5−エチル−2−ニトロ−フェノールを用い、化合物1、ステップ4及び5の手順に従って調製した。H−NMR (300 MHz, d−DMSO) δ 10.33 (s, 1H), 10.19 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.33−8.01 (m, 3H), 7.05 (d, 1H), 4.29−3.39 (m, 5H), 3.29−2.91 (m, 2H), 2.89−2.70 (m, 2H), 2.58 (q, 2H), 2.49 (s, 3H), 1.17 (t, 3H).LRMS (ES, positive) m/e 406.1 (M+1).
化合物16
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−4−メトキシ−2−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
化合物4、ステップ2の手順に従って調製した2−ヒドロキシメチル−S−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル及び4−クロロ−5−メトキシ−2−ニトロ−フェノールを用い、化合物1、ステップ4及び5の手順に従って調製した。H−NMR (300 MHz, d−DMSO) δ 10.11 (s, 1H), 10.05 (br s, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.19 (s, 2H), 6.91 (s, 1H), 4.29 (s, 2H), 4.16 (m, 1H), 4.09 (d, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.75 (t, 1H), 3.44−3.17 (m, 2H), 3.01 (t, 2H), 2.39 (s, 3H).LRMS (ES, positive) m/e 408.0 (M+1).
化合物17
Figure 2008535830
1−[5−ジメチルアミノ−2−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
化合物4、ステップ2の手順に従って調製した2−ヒドロキシメチル−S−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル及び4−ジメチルアミノ−2−ニトロ−フェノールを用い、化合物1、ステップ4及び5の手順に従って調製した。H−NMR (300 MHz, d−DMSO) δ 10.11 (s, 1H), 10.05 (br s, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 6.90 (d, 1H), 6.34 (dd, 1H), 4.05−3.81 (m, 4H), 3.56 (t, 1H), 3.14 (d, 1H), 2.93 (d, 1H), 2.80 (s, 6H), 2.76−2.63 (m, 2H), 2.41 (s, 3H).LRMS (ES, positive) m/e 387.4 (M+1).
化合物18
Figure 2008535830
1−[5−ブロモ−4−メチル−2−S−(モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
化合物4、ステップ2の手順に従って調製した4−ブロモ−5−メチル−2−ニトロ−フェノールを用い、化合物4の手順に従って調製した。H−NMR (300 MHz, d−DMSO) δ 10.31 (br s, 1H), 10.19 (s, 1H), 8.63 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.07 (s, 1H), 4.13−3.94 (m, 3H), 3.87−3.74 (m, 2H), δ 3.52 (td, 1H), 3.00 (d, 1H), 2.69 (t, 2H), 2.42 (s, 1H), 2.25 (s, 1H).LRMS (ES, positive) m/e 438.2.0 (M+1).化合物19
Figure 2008535830
1−[5−メチル−2−(モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
化合物2、ステップ1の手順に従って対応する酸から調製した2−ヒドロキシメチル−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステルを用いて、化合物3の手順に従って調製した。H−NMR (400 MHz, CDOD), δ 8.90 (s, 1, H), 8.6 (s, 1, H), 7.9 (s, 1, H), 6.9 (m, 2, H), 4.2 (m, 4, H), 3.8 (t, 1, H), 3.7 (s, 2, H), 3.5 (d, 1, H), 3.2 (m, 1, H), 2.6 (s, 3, H), 2.3 (s, 3, H).LRMS (esi, positive) m/e 358.20 (M+1).
化合物20
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−2−(モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
化合物2、ステップ1の手順に従って対応する酸から調製した4−クロロ−2−ニトロ−フェノール及び2−ヒドロキシメチル−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステルを用い、化合物3の手順に従って調製した。H−NMR (400 MHz, CDOD), δ 8.70 (s, 1, H), 8.5 (s, 1, H), 8.4 (s, 1, H), 7.05 (m, 1, H), 4.2 (m, 4, H), 3.8 (t, 1, H), 3.5 (d, 1, H), 3.2 (m, 2, H), 2.6 (s, 3, H).LRMS (esi, positive) m/e 378.50 (M+1).
化合物21
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−2−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
4−クロロ−2−ニトロ−フェノールを用い、化合物4の手順に従って調製した。H−NMR (400 MHz, d−DMSO) δ 10.35 (s, 1, H), 9.4 (br s, 1, H), 8.55 (br s, 1, H), 8.25 (m, 2, H), 7.22 (m, 2, H), 4.2 (m, 3, H), 4 (d, 1, H), 3.8 (t, 1, H), 3.4 (d, 1, H), 3.2 (d, 1, H), 2.8 (m, 1, H), 2.45 (s, 3, H).LRMS (esi, positive) m/e 378.30 (M+1).
化合物22
Figure 2008535830
1−[5−メチル−2−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
(R)−ベンジルグリシジルエーテル及び4−メチル−2−ニトロ−フェノールを用い、化合物4の手順に従って調製した。H−NMR (400 MHz, d−DMSO) δ 10.20 (s, 1, H), 10.1 (br s, 1, H), 9.89 (br s, 1, H), 9.5 (br s, 1, H), 8.7 (s, 1, H), 8.3 (s, 1, H), 7.98 (s, 1, H), 6.9 (m, 1, H), 6.8 (m, 1, H), 4 (m, 3, H), 3.42 (m, 2, H), 3.19 (m, 2, H), 3 (m, 2, H), 2.43 (s, 3, H), 2.25 (s, 3, H).LRMS (esi, positive) m/e 358.30 (M+1).
化合物23
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−2−(R−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
(R)−ベンジルグリシジルエーテル及び4−クロロ−2−ニトロ−フェノールを用い、化合物4の手順に従って調製した。H−NMR (400 MHz, d−DMSO) δ 10.45 (s, 1, H), 9.6 (br s, 1, H), 9.3 (br s, 1, H), 8.7 (br s, 1, H), 8.3 (s, 1, H), 7.19 (m, 2, ), 4.2 (m, 2, H), 4 (d, 1, H), 3.84 (t, 1, H), 3.41 (d, 1, H), 3.21 (d, 1, H), 3.02 (m, 2, H), 2.5 (s, 3, H)LRMS (esi, positive) m/e 378.30 (M+1).化合物24
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−2−R−([1,4]オキサゼパン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
(R)−2−ヒドロキシメチル−[1,4]オキサゼパン−4−カルボン酸tert−ブチルエステルを用い、化合物1の手順に従って調製した。H−NMR (300 MHz, d−DMSO) δ 10.83 (br s, 1H), 8.39 (dd, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.04 (br s, 1H), 6.99 (dd, 1H), 6.82 (d, 1H), 4.25−3.98 (m, 2H), 3.90−3.76 (m, 1H), 3.38 (d, 1H), 3.13−3.06 (m, 2H), 3.00 (dd, 1H), 2.54 (s, 3H), 2.06−1.89 (m, 3H).LRMS (ES, positive) m/e 392.3 (M+1).
化合物25
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−2−(1−メチル−ピペラジン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
4−クロロ−2−ニトロ−フェノールを用い、化合物7の手順に従って調製した。H−NMR (400 MHz, d−DMSO) δ 10.35 (br s, 1, H), 10.2 (s, 1, H), 9.84 (br s, 1, H), 9.6 (s, 1, H), 8.31 (s, 1, H), 8.21 (s, 1, H), 7.08 (m, 2, H), 4.58 (d, 1, H), 4.42 (d, 1, H), 3.7 (m, 6, H), 3 (s, 3, H), 2.44 (s, 3, H).LRMS (esi, positive) m/e 391.40 (M+1).
化合物26
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−2−S−(1−メチル−ピペラジン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
S−ピペラジン−2−カルボン酸及び4−クロロ−2−ニトロ−フェノールを用い、化合物7の手順に従って調製した。H−NMR (400 MHz, CDOD) δ 8.80 (s, 1, H), 8.28 (d, 2, H), 6.99 (s, 2, H), 4.17 (m, 3, H), 3.1 (d, 1, H), 2.92 (d, 2, H), 2.84 (t, 1, H), 2.5 (s, 3, H), 2.45 (m, 2, H), 2.42 (s, 3, H).LRMS (esi, positive) m/e 391.30 (M+1).
化合物27
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−4−メチル−2−S−([1,4]−オキサゼパン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
化合物4、ステップ2の手順に従って調製した4−クロロ−5−メチル−2−ニトロ−フェノールを用い、化合物1の手順に従って調製した。H−NMR (300 MHz, d−DMSO) δ 10.2 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 7.32 (m, 1H), 7.18 (s, 1H), 4.09−3.91 (m, 3H), 3.90−3.79 (m, 1H), 3.77−3.62 (m, 1H), 3.14 (d, 1H), 2.85 (m, 1H), 2.73 (s, 2H), 2.39 (s, 3H), 2.27 (s, 1H), 1.82−1.67 (m, 2H).LRMS (ES, positive) m/e 406.2 (M+1).
化合物28
Figure 2008535830
1−[5−ブロモ−2−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
4−ブロモ−2−ニトロ−フェノールを用い、化合物4の手順に従って調製した。H−NMR (400 MHz, d−DMSO), δ 10.30 (s, 1, H), 8.63 (br s, 1, H), 8.43 (s, 1, H), 8.22 (s, 1, H), 7.15 (m, 1, H), 7.05 (d, 1, H), 4.08 (m, 3, H), 3.82 (m, 2, H), 3.47 (t, 1, H), 3.17 (s, 2, H), 3 (d, 1, H), 3.07 (s, 3, H), 2.68 (m, 2, H).LRMS (esi, positive) m/e 423.90 (M+1).
化合物29
Figure 2008535830
1−[5−ブロモ−2−R−(R−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
(R)−ベンジルグリシジルエーテル及び4−ブロモ−2−ニトロ−フェノールを用い、化合物4の手順に従って調製した。H−NMR (400 MHz, d−DMSO), δ 10.30 (br s, 1, H), 8.65 (br s, 1, H), 8.43 (s, 1, H), 8.25 (s, 1, H), 7.18 (dd, 1, H), 7.03 (d, 1, H), 4.03 (m, 2, H), 3.82 (m, 2, H), 3.52 (t, 2, H), 3.19 (d, 1, H), 3 (d, 1, H), 2.76 (m, 2, H), 2.43 (s, 3, H).LRMS (esi, positive) m/e 443.90 (M+1).
化合物30
Figure 2008535830
1−[5−ブロモ−2−S−(4−メチル−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
4−ブロモ−2−ニトロ−フェノールを用いる化合物4の手順、及び化合物2,ステップ4並びに化合物5,ステップ4及び5の手順に従って調製した。H−NMR (400 MHz, CDCl), δ 11.43 (br s, 1, H), 9.02 (s, 1, H), 8.6 (s, 1, H), 8.33 (s, 1, H), 8.2 (s, 1, H), 7.12 (d, 1, H), 6.76 (d, 1, H), 4 (m, 3, H), 3.8 (t, 1, H), 3.02 (d, 1, H), 2.73 (d, 1, H), 2.51 (s, 3, H), 2.3 (t, 1, H), 2.22 (s, 3, H), 2.08 (t, 1, H)

合物31
Figure 2008535830
1−[5−ブロモ−2−([1,4]オキサゼパン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
化合物4、ステップ2の手順に従って調製した4−ブロモ−2−ニトロ−フェノールを用い、化合物6の手順に従って調製した。H−NMR (400 MHz, CDCl), δ 8.72 (br s, 1, H), 8.48 (s, 1, H), 8.45 (s, 1, H), 7.11 (d, 1, H), 6.75 (d, 1, H), 4.02 (m, 3, H), 3.8 (m, 1, H), 3.21 (d, 1, H), 2.97 (m, 2, H), 2.51 (s, 3, H), 1.92 (br m, 2, H).LRMS (esi, positive) m/e 436.00 (M+1).
化合物32
Figure 2008535830
1−[5−ブロモ−2−(4−メチル−[1,4]オキサゼパン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
4−ブロモ−2−ニトロ−フェノールを用いる化合物6の手順に従い、化合物5、ステップ5の手順によって調製した。H−NMR (400 MHz, CDCl), δ 8.25 (s, 1, H), 8.23 (s, 1, H), 7.1 (d, 1, H), 6.72 (d, 1, H), 4.19 (m, 1, H), 4 (m, 1, H), 3.95 (m, 2, H), 3.42 (br s, 1, H), 3.02 (d, 1, H), 2.84 (m, 1, H), 2.62 (t, 1, H), 2.5 (s, 3, H), 2.4 (s, 3, H), 2 (m, 2, H).LRMS (esi, positive) m/e 451.90 (M+1).
化合物33
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−2−S−(4−シアノメチル−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿
−[5−クロロ−2−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素(0.189g、0.5mmol)をDMF(2mL)中に懸濁した。カルボン酸カリウム(0.104g、0.75mmol)及びブロモアセトニトリル(0.035mL、0.5mmol)を添加し、反応混合物を80℃で8時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却させ、HO(10mL)の添加によって奪活させた。得られた個体をろ過して回収し、メタノールから再結晶させることで、白色粉末(0.072g)として産物を得た。H−NMR (400 MHz, d−DMSO) δ 10.46 (br s, 1H), 10.26 (br s, 1H), 8.63 (br s, 1H), 8.31 (d, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.10 (d, 1H), 7.03 (dd, 1H), 4.14 (dd, 1H), 4.09 (dd, 1H), 3.96−4.01 (m, 1H), 3.91-3.95 (m, 1H). 3.81 (d, 1H), 3.72 (d, 1H), 3.64 (td, 1H), 2.95 (br d, 1H), 2.72 (br d, 1H), 2.43 (s, 3H), 2.32 (td, 1H), 2.18 (t, 1H).LRMS (esi, positive) m/e 417 (M+1).
化合物34
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−2−(チオモルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
化合物2、ステップ2(化合物2、ステップ1の手順に従い、チオモルホリン−2,4−ジカルボン酸4−tert−ブチルエステルから得た2−ヒドロキシメチル−チオモルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステルを用いる)、並びに化合物3、ステップ2及び化合物2、ステップ4及び5の手順に従って調製した。H−NMR (400 MHz, d−DMSO) δ 10.48 (br s, 1H), 10.27 (br s, 1H), 8.62 (br s, 1H), 8.31 (d, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.12 (d, 1H), 7.03 (dd, 1H), 4.36 (t, 1H), 4.12 (dd, 1H), 3.24 (dd, 1H), 3.10−3.17 (m, 1H), 2.99 (dd, 1H), 2.94−2.98 (m, 1H), 2.89 (ddd, 1H), 2.71 (ddd, 1H), 2.46−2.48 (m, 1H), 2.44 (s, 3H).LRMS (esi, positive) m/e 394 (M+1).
化合物35
Figure 2008535830
1−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−3−[3−S−(モルホリン−2−イルメトキシ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−尿素
化合物3、ステップ1(化合物2、ステップ1の手順に従ってS−モルホリン−2,4−ジカルボン酸4−tert−ブチルエステルから得た(S)−2−ヒドロキシメチル−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル、及び化合物4、ステップ2及び化合物1、ステップ5の手順に従って調製した3−ニトロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オールを用いる)の手順に従って調製した。H−NMR (400 MHz, d−DMSO) δ 10.09 (br,1,H), 10.05 (s,1,H), 8.60 (br s,1,H), 8.17 (s,1,H), 7.86 (s,1,H), 6.68 (s,1,H), 3.97 (m,1,H), 3.89 (m,1,H), 3.78 (m,2,H), 3.31 (t,1,H), 2.98 (d,1,H), 2.63 (m,6,H), 2.44 (m,1,H), 2.41 (s,3,H), 1.68 (m,4,H).
化合物36
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−2−S−(モルホリン−3−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
モルホリン−3−S−4−ジカルボン酸4−tert−ブチルエステルを用い、化合物2の手順に従って調製した。H−NMR (400 MHz, d−DMSO) δ 10.22 (s,1,H), 9.96 (br,1,H), 8.74 (s,1,H), 8.29 (d,1,H), 8.18 (s,1,H), 7.04 (m,2,H), 3.94 (m,3,H) 3.70 (br d, 1,H), 3.42 (m,1,H), 3.23 (m,2,H), 2.83 (br s,2,H), 2.43 (s,3,H).
化合物37
Figure 2008535830
1−[5−メチル−2−R−(モルホリン−3−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
4−メチル−2−ニトロ−フェノールを用い、化合物2の手順に従って調製した。H−NMR (400 MHz, d−DMSO) δ 10.08 (br s,1,H), 9.76 (br,1,H), 8.17 (s,1,H), 8.03 (d,1,H), 6.90 (d,1,H), 6.80 (d,1,H), 3.88 (m,3,H), 3.70 (br d,2,H), 3.41 (m,1,H), 3.20 (m,2,H), 2.82 (m,2,H), 2.43 (s,3,H), 2.24 (s,3,H).
化合物38
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−2−S−(モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−トリフルオロメチル−ピラジン−2−イル)−尿素
Mieselの米国特許第4,293,552号の方法に従って調製した5−トリフルオロメチル−ピラジン−2−イルアミン、並びに(S)−2−ヒドロキシメチル−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステルを用い、化合物1、ステップ2〜5の手順に従って調製した。H−NMR (d−DMSO) δ 10.85 (bs, 1H), 9.97 (bs, 1H), 9.11 (bs, 1H), 8.98 (bs, 1H), 8.73 (bs, 1H), 8.22 (bs, 1H), 7.08 (bs, 1H), 4.19−3.73 (m, 6H), 3.32−2.98 (m, 4H).LRMS (esi, positive) m/e 432 (M+1).化合物39
Figure 2008535830
1−[4−クロロ−5−メチル−2−S−(モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−シアノ−ピラジン−2−イル)−尿素
化合物4、ステップ2の手順に従い3−クロロ−4−メチル−フェノールから調製した5−クロロ−4−メチル−2−ニトロ−フェノールを用い、化合物5、ステップ1〜4の手順に従って調製した。H−NMR (300 MHz, CDCl) δ 10.39 (br s, 1H), 9.05 (br s, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 6.91 (s, 1H), 4.04 (m, 4H), 3.78 (m, 1H), 3.19 (d, 1H), 2.97 (m, 2H), 2.78 (m, 1H), 2.36 (s, 3H).LCMS (esi, positive) m/z 403.16 (M+1).化合物40
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−4−メトキシ−2−(S−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−シアノ−ピラジン−2−イル)−尿素
化合物1、ステップ2(化合物5、ステップ1及び2の手順に従って調製した5−アミノ−ピラジン−2−カルボニトリルを用いる)の手順、及び化合物1、ステップ4及び5(化合物4、ステップ2の手順に従って調製した2−ヒドロキシメチル−S−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル及び4−クロロ−5−メトキシ−2−ニトロ−フェノールを用いる)の手順に従って調製した。H−NMR (300 MHz, d−DMSO) δ 10.82 (s, 1H), 9.93 (s, 1H), 8.95 (s, 1H), 8.81 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 6.93 (s, 1H), 4.25 (s, 2H), 4.13−3.98 (m, 2H), 3.83 (s, 3H), 3.61 (t, 1H), 3.41−3.19 (m, 2H), 3.17−2.91 (m, 2H).LRMS (ES, positive) m/e 419.1 (M+1).
化合物41
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−2−S−(モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−シアノ−ピラジン−2−イル)−尿素
化合物1、ステップ2(化合物5、ステップ1及び2の手順に従って調製した5−アミノ−ピラジン−2−カルボニトリルを用いる)、及び化合物1、ステップ4及び5(2−ヒドロキシメチル−S−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル及び4−クロロ−2−ニトロ−フェノールを用いる)の手順に従って調製した。H−NMR (d−DMSO) δ 10.97 (bs, 1H), 10.02 (bs, 1H), 9.05 (bs, 1H), 8.95 (s, 1H), 8.85 (s, 1H), 8.2 (s, 1H), 7.10 (m, 1H), 3.96−4.24 (m, 4H), 3.68−3.78 (m, 2H), 3.3 (m, 2H), 3.0 (m, 2H).LRMS (esi, positive) m/e 388 (M+1).
化合物42
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−2−S−(4−メチル−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−シアノ−ピラジン−2−イル)−尿素
ステップ1: 1−[5−クロロ−2−(モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−シアノ−ピラジン−2−イル)−尿素化合物1、ステップ2(化合物5、ステップ1及び2の手順に従って調製した5−アミノ−ピラジン−2−カルボニトリルを用いる)の手順、及び化合物1、ステップ4及び5(2−ヒドロキシメチル−S−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル及び4−クロロ−2−ニトロ−フェノールを用いる)の手順に従って調製し、0.27gの産物を得た。
ステップ2: 1−[5−クロロ−2−(モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−シアノ−ピラジン−2−イル)−尿素(0.276g、0.73mmol)をDMF(5mL)中に懸濁し、カルボン酸カリウム(0.15g、1.1mmol)及びヨウ化メチル(0.046mL、0.73mmol)で処理した。混合物は均質化され、室温にて4時間撹拌した。水(20mL)を添加して反応物を奪活し、CHCl:iPrOHの3:1混合物(3x25mL)で抽出した。混合有機層を減圧下で濃縮し、残渣をエタノールで練和した。ろ過によって、白色個体として0.214gの産物を得た。H−NMR (300 MHz, d−DMSO) δ 11.01 (s, 1H), 10.16 (s, 1H), 8.86 (d, 2H), 8.27 (d, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.18 (m, 2H), 4.25−4.06 (m, 2H), 3.95 (m, 1H), 3.83 (d, 1H), 3.61 (t, 1H), 2.89 (d, 1H), 2.65 (d, 1H), 2.18 (s, 3H), 2.02 (td, 1H), 1.83 (t, 1H).LRMS (ES, positive) m/e 403.0 (M+1).
化合物43
Figure 2008535830
1−[5−クロロ−2−(S−4−メチル−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素
1−[5−クロロ−2−(S−4−メチル−モルホリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−3−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−尿素を用い、化合物42,ステップ2の手順に従って調製した。H−NMR (300 MHz, d−DMSO) δ 10.54 (br s, 1H), 10.24 (s, 1H), 8.73 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.12−6.93 (m, 2H), 4.17−3.81 (m, 4H), 3.59 (t, 1H), 3.91 (d, 1H), 2.64 (d, 1H), 2.43 (s, 3H), 2.18 (s, 3H), 2.03 (td, 1H), 1.82 (t, 1H).LRMS (ES, positive) m/e 392.1 (M+1).
治療方法
本発明の化合物を使用して、異常な細胞増殖が関わる症状を治療できる。例えば、化合物を使用して、癌、及びヒト及び他の動物のものを含む、真核細胞に関わる他の細胞増殖適応症の治療に用いる放射線及び/又は化学療法薬の治療効果を増強できる。一般的に、本発明の化合物は、癌性及び非癌性の双方の、異常に増殖している細胞を阻害する。例えば、本発明の化合物を使用して、例えば、メトトレキセート、ゲムシタビン、又は5−フルオロウラシル(5−FU)等の代謝拮抗剤で通例のように処置される腫瘍の治療を増強できる。
本発明の化合物の使用の結果、異常に増殖している細胞の部分的又は完全な退行、すなわち、細胞集団からのこのような細胞の減少又は排除を引き起こすことができる。例えば、異常に増殖している細胞の集団が腫瘍細胞である場合、腫瘍成長速度を遅延させ、腫瘍の数を減少させ、及び/又は部分的もしくは完全な腫瘍退行を誘導するのに、本発明の化合物を使用できる。
異常な細胞増殖が全く同定されない場合、又は異常な細胞増殖は進行していないが、異常な細胞増殖が疑われるか予期される場合に、本発明の化合物をインビボ又はエキソビボで使用できる。異常な細胞増殖が、その再発を予防又は阻止するために予め治療されている場合にも、本発明の化合物を使用できる。
本発明の一方法は、化学療法薬と組み合わせて、それを必要としている個体に治療上有効な量の本発明のChk1インヒビタを投与することを含む。あるいは、本発明の方法は、癌細胞の増殖を阻害する活性を有する、ハーセプチン等の抗体と組み合わせて、それを必要としている個体に治療上有効な量の少なくとも1種の本発明のChk1インヒビタを投与することを含む。
従って、化学療法薬又は抗体と組み合わせて本発明のChk1インヒビタを投与することにより強化した治療に対して、癌は感受性である。本発明によって治療可能な癌として、固形腫瘍、並びに白血病、リンパ腫、及び典型的に腫瘍塊がないが、血管又はリンパ細網系に分布するその他の癌を含む、骨髄系又はリンパ系の癌により特徴付けられる癌腫及び肉腫が挙げられる。これら癌としては、例えば、大腸癌、頭部及び頚部癌、膵癌、乳癌、胃癌、膀胱癌、外陰部癌、白血病、リンパ腫、メラノーマ、腎細胞癌、卵巣癌、脳癌、骨肉腫及び肺癌が挙げられる。
従って、本発明の化合物は、Chk1活性によって調節される癌において有用である。より詳細には、Chk1活性は癌の形態に関係し、特に限定されないが、成体及び小児オンコロジー、固形癌/悪性成長、粘液様且つ円形細胞の癌腫、局所的な腫瘍の進行、移転性癌、ユーイング肉腫等のヒト軟組織肉腫、特に頭部及び頚部のリンパ転移、有棘細胞癌等の癌転移、食道有棘細胞癌、経口癌、骨髄腫等の血球悪性、急性リンパ性白血病、急性反リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病及び毛様細胞白血病等の白血病、滲出リンパ腫(体腔系リンパ腫)、胸腺リンパ腫肺癌(小細胞癌腫及び管癌腫等の小細胞癌腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンスリンパ腫、非ホジキンスリンパ腫、副腎皮質癌、ACTH−産生性腫瘍、非小細胞癌、乳癌)、胃腸性の癌(胃癌、結腸癌、大腸癌、及び結腸直腸新形成に関連するポリープ等)、膵癌、肝癌、泌尿器科学の癌(原発性表在膀胱腫瘍、膀胱及び筋侵襲的膀胱癌の侵襲的移行上皮癌等の膀胱癌等)、前立腺癌、女性生殖器の悪性腫瘍(子房癌腫、原発性腹膜上皮腫瘍、子宮頸癌、子宮体癌、膣癌、卵胞の外陰部、子宮癌及び固形癌等)、男性生殖器の悪性腫瘍(精巣癌及びペニス癌等)、腎癌(腎細胞癌腫等)、脳癌(内因的脳腫瘍、神経芽、アストロサイトの脳腫瘍、神経膠腫、及び中枢神経系内の転移性腫瘍細胞滲出等)、骨癌(骨腫及び骨肉腫等)、皮膚癌(黒色腫、ヒト皮膚ケラチノサイトの腫瘍進行及び鱗状細胞癌等)、甲状腺ガン、網膜芽腫、神経芽、腹水、悪性胸水、中皮腫、ウィルムス腫瘍、胆のう癌、栄養膜の腫瘍、血管外皮細胞腫、及びカポジ肉腫が挙げられる。
本発明の化合物は、細胞の放射増感にも使用できる。放射線で治療できる疾病としては、特に限定されないが、腫瘍性疾患、良性及び悪性腫瘍、並びに癌細胞が挙げられる。放射線治療は、γ線(10−20〜10−13m),X線(10−12〜10−9m)、紫外光(10nm〜400nm)、可視光(400nm〜700nm)、赤外線(700nm〜1.0mm)、及びマイクロ波(1mm〜30cm)等の電磁波照射を使用する。
現在、癌治療プロトコルでは場合により、電磁放射線、例えば、X線によって活性化された放射線治療薬が用いられる。X線活性化放射線治療薬の例としては、特に限定されないが、メトロニダゾール、ミソニダゾール、デスメチルミソニダゾール、ピモニダゾール、エタニダゾール、ニモラゾール、マイトマイシンC、RSU1069、SR4233、EO9、RB6145、ニコチンアミド、5−ブロモデオキシウリジン(BUdR)、5−ヨードデオキシウリジン(IUdR)、ブロモデオキシシチジン、フルオロデオキシウリジンーリン酸(FUdR)、ヒドロキシ尿素、シスプラチン、及びその治療的に有効なアナログ及び誘導体が挙げられる。
癌の光線力学的療法(PDT)では、増感作用因子の放射線活性化因子として可視光が用いられる。光力学的放射線治療薬の例としては、特に限定されないが、ヘマトポルフィリン誘導体、PHOTOFRIN(登録商標)、ベンゾポルフィリン誘導体、NPe6、エチオポルフィリンスズ(SnET2)、フェオボルビド−a、バクテリオクロロフィル−a、ナフタロシアニン、フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、及びその治療的に有効なアナログ及び誘導体が挙げられる。
放射線治療薬は、Chk1インヒビタに加えて治療上有効な量の1以上の化合物と共に投与でき、かかる化合物としては、限定されないが、標的細胞への放射線治療薬の取込みを促進する化合物や、治療剤、栄養分、及び/もしくは酸素の標的細胞への流動を制御する化合物、さらなる放射線の存在もしくは非存在下に腫瘍に作用する化学療法薬、又は癌もしくは他の疾病の処置用の他の治療上有効な化合物が挙げられる。放射線治療薬と併せて使用できる、さらなる治療剤又は方法の例として、限定されないが、5−フルオロウラシル(5−FU)、ロイコボリン、酸素、カルボゲン、赤血球細胞注入、パーフルオロカーボン(例えば、FLUOSOLW(登録商標)−DA)、2,3−DPG、BW12C、カルシウムチャンネルブロッカー、ペントキシフィリン、抗血管新生化合物、ヒドララジン、及びL−BSOが挙げられる。
癌を治療するために本発明の化合物と組み合わせて使用できる化学療法薬として、限定されないが、アルキル化剤、代謝拮抗剤、ホルモン及びそのアンタゴニスト、放射性同位体、抗体や、更には天然産物、並びにその組み合わせが挙げられる。例えば、本発明のインヒビタ化合物は、ドキソルビシン等の抗生物質、並びに他のアントラサイクリン類似体、シクロホスファミド等のナイトロジェンマスタード類、5−フルオロウラシル等のピリミジン類似体、シスプラチン、ヒドロキシ尿素、タキソール、並びにその天然及び合成誘導体等と共に投与できる。別の例として、腫瘍がゴナドトロピン依存性及びゴナドトロピン非依存性細胞を含む乳房の腺癌等の混合腫瘍の場合、化合物をロイプロリド又はゴセレリン(LH−RHの合成ペプチド類似体)と併せて投与できる。他の抗悪性腫瘍プロトコルには、本明細書で「抗悪性腫瘍補助様式」とも称される、例えば手術又は放射線等の別の治療様式と共にインヒビタ化合物を使用することが含まれる。本発明で有用なさらなる化学療法薬として、ホルモン及びそのアンタゴニスト、放射性同位体、抗体、天然産物、並びにその組み合わせが挙げられる。本発明の化合物を用いる方法で有用な化学療法薬の例を、以下の表に挙げる。
Figure 2008535830
Figure 2008535830
放射線治療薬との併用に特に有用な化学療法薬の例としては、例えば、カンプトセシン、カルボプラチン、シスプラチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、IFN(α、β、γ)、イリノテカン(ヒドロキシ尿素)、クロランブシル、5−フルオロウラシル(5−FU)、MTX、2−クロロアデノシン、フルダラビン、アザシチジン、ゲムシタビン、ペメトレキセド、インターロイキン2、イリノテカン、ドセタキセル、パクリタキセル、トポテカン、及びその治療的に有効なアナログ及び誘導体が挙げられる。
本発明によれば、ゲムシタビン単独、又は更にパクリタキセルと共に、本発明の化合物を組み合わせるのが有用である。また、ペメトレキセド単独、又は更にシスプラチン、カルボプラチン、もしくは他のプラチン類と共に、本発明の化合物と組み合わせるのも有用である。本発明のChk1インヒビタは、ゲムシタビン及びペメトレキセドと組み合わせて投与することもできる。
ゲムシタビンと組み合わせて投与されるChk1インヒビタは、例えば、膵癌、子宮平滑筋肉腫、骨肉腫、転移性非小細胞肺癌、四肢及び体躯軟組織肉腫、腎細胞癌、腺癌、及びホジキン病の治療に有用であり得る。ペメトレキセドと共に投与される本発明のChk1インヒビタは、中皮腫の治療に有用でありうる。
本発明の化合物はまた、異常な細胞増殖により特徴付けられる炎症性疾患、症状、又は障害の治療に使用される薬物の効力を強化することもできる。本発明の化合物で治療できる炎症性疾患の例としては、特に限定されないが、慢性関節リウマチ(RA)、乾癬、白斑、ヴェゲナー肉芽腫症、全身性発生若年型慢性関節炎(JCA)、及び全身性エリテマトーデス(SLE)が挙げられる。関節炎、ヴェグナー肉芽腫症、及びSLEの治療には、イオン化放射線、メトトレキセート、及びシクロホスファミド等の免疫抑制治療剤の使用が含まれることが多い。このような治療は、典型的に、直接的又は間接的にDNA損傷を誘発する。攻撃中の免疫細胞内のChk1活性の阻害によって、これらの標準的治療による制御に対して細胞がより感受性になる。乾癬及び白斑は通常、ソラレンと組み合わせて紫外放射線(UV)で治療される本発明の化合物は、UV及びソラレンによる死滅効果を増強し、この治療計画の治療係数を増加させる。一般的に、本発明の化合物は、免疫抑制薬と組み合わせて用いた場合に炎症性疾患細胞の制御を増強する。
本発明の化合物はまた、異常に増殖している細胞により特徴付けられる他の非癌性症状を治療する方法にも使用できる。かかる症状としては、特に限定されないが、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、血管炎、腎炎、網膜症、腎臓病、増殖性皮膚障害、乾癬、ケロイド瘢痕、光線性角化症、スティーヴンズ−ジョンソン症候群、骨粗鬆症、上皮下方成長等の目の過剰増殖性疾患、増殖性硝子体網膜症(PVR)、糖尿病性網膜症、血管増殖性疾患、魚鱗癬、及び乳頭腫が挙げられる。
本発明のChk1インヒビタを投与する、好ましい一方法は、2004年9月17日出願のKeegan et al.のPCT出願第PCT/US2004/30806号明細書に記載されており、これは2003年9月17日出願の米国仮出願第60/503,925号明細書に基づくものであって、これを引用してその開示の全体を本願に援用する。異常な細胞増殖を阻害するためのこのような方法には、Chk1活性化因子(例えば、化学療法薬)、及び本発明に係るChk1インヒビタの投与を計画することが含まれる。この方法では、少なくとも1つのChk1活性化因子を、増殖している細胞での細胞周期休止の実質的な同期化を誘発するのに足る用量及び時間で投与する。期の実質的な同期化を成し遂げれば、少なくとも1つのChk1インヒビタを投与して、細胞周期休止を抑止し、治療的細胞死を誘発する。本方法は何れのChk1活性化因子でも有用であり、異常な細胞増殖が関わる癌性及び非癌性症状の治療又は予防における用途が認められる。
異常に増殖している細胞の集団を、1、又は1以上の本発明のChk1インヒビタと接触させることができる。1以上のChk1インヒビタを用いる場合、Chk1インヒビタを、例えば、担当医師(ヒト患者の場合)又は研究室の実験者(インビトロもしくはエキソビボ法の場合)等の当業者が決定する、同じか又は異なる方法を用いて(例えば、同時もしくは順次に、同じかもしくは異なる期間、又は同じかもしくは異なる様式により)細胞と接触させることができる。
異常に増殖している細胞の集団は、1以上のChk1活性化因子と接触させることもできる。1以上のChk1活性化因子を用いる場合、概ね、前記Chk1インヒビタに関し記したと同様、Chk1活性化因子を、同じか又は異なる方法を用いて細胞と接触させることができる。
本発明の化合物は、エキソビボで細胞集団に適用できる。例えば、本発明の化合物をエキソビボに使用して、特定の適応症、細胞型、患者、及び/又は他の治療パラメータに対して、Chk1インヒビタを投与するための至適なスケジュール及び/又は服用に関する情報を得ることができる。この情報は、実験目的、又はインビボ治療用のプロトコルを決定する診療の場で使用できる。本発明の化合物に対する他のエキソビボの使用は、当業者にとって明らかであろう。
当業者により理解されるように、さらなる活性又は補助的な作用因子を本明細書に記載の方法で用いてもよい。やはり当業者により理解されるように、本明細書でいう処置は、予防や、既存の疾患又は病徴の治療にも及ぶ。
処置での使用に必要な本発明の化合物の量は、処置すべき病状の性質、並びに患者の年齢及び状態に伴って変化し、最終的には担当医師又は獣医師によって決定される。しかし、一般的に、成人ヒトの処置のために投与される用量は、典型的には1日当たり0.001mg/kgから約100mg/kgの範囲にある。その用量は、単回量にて、又は例えば1日に2、3、4、もしくはそれ以上の回数の小用量にて適切な間隔で投与される複数回量として投与できる。実際には、医師が個々の患者にとって好適な投与計画を決定し、その投与量は年齢、体重、及び特殊な患者の応答によって変化する。前記投与量は、平均的な場合の模範例であるが、より多いか又はより少ない投与量の方が良い個々の実例が存在し、これらも本発明の範囲に含まれる。
如何なる用量でも、本発明のChk1インヒビタとの細胞集団の接触は、細胞周期チェックポイントの実質的な抑止を成し遂げるのに充分な時間行う。必須ではないが、このような時間として典型的には、上限約72時間〜約96時間が挙げられ、これは様々な因子に依存する。いくつかの実施形態では、担当医師又は技術者が決定する通り、約数週間もしくはそれ以上までの期間にわたってChk1インヒビタを投与することが望ましいか、又は必要とされる。そこで、Chk1インヒビタは、典型的には、約1時間以下、約2時間以下、約3時間以下、約4時間以下、約6時間、約12時間以下、約18時間以下、約24時間以下、約48時間以下、又は約72時間以下で投与できる。本明細書で示す時間の範囲は単なる例示に過ぎず、示したものに入っても入らなくても、その範囲及び部分範囲とも、本発明の範囲に含まれることを、当業者は理解するはずである。
本発明のChk1インヒビタは、複数種の用量を投与できる。例えば、Chk1インヒビタは、4回量を4日の間隔で1日1用量として送達(q4d×4);4回量を3日の間隔で1日1用量として送達(q3d×4);5日の間隔で1日1用量を送達(qd×5);1週1用量を3週間(qwk3);2日残して5日は毎日用量、及び更に5日間、毎日用量(5/2/5);又は、状況に適するように決定した何れかの投与計画による頻度で投与できる。
<実施例1>
Chk1インヒビタのIC50値の定量
1998年9月4日出願の国際出願公開第WO 99/11795号に以前報告したように、ヒトChk1cDNAを同定してクローニングした。FLAG(登録商標)タグを全長のChk1のアミノ末端と枠内に挿入した。5’プライマーは、EcoRI部位、Kozak配列を含み、M2抗体(Sigma、St. Louis、MO)を用いた親和性による精製のためのFLAG(登録商標)タグもコードする。3’プライマーは、SalI部位を含む。PCRで増幅した断片を、EcoRI−SalI断片(Invitrogen、Carlsbad、CA)としてpCI−Neoにクローニングし、次いでEcoRI−NotI断片としてpFastBacI(Gibco−BRL、Bethesda、MD)にサブクローニングした。組換えバキュロウイルスを、Gibco−BRLのBac−to−Bacマニュアルに記載の通りに調製し、FLAG(登録商標)タグ付Chk1タンパク質の発現のため、CCM3培地(HyClone Laboratories、Logan、UT)で生育するSf−9細胞を感染させるのに用いた。
FLAG(登録商標)タグ付Chk1は、バキュロウイルスを感染させたSF9細胞の凍結ペレットから精製した。凍結細胞ペレットを100mMトリス−HCl、pH7.5、200mM NaCl、50mM β−グリセロリン酸、25mM NaF、4mM MgCl、0.5mM EGTA、0.2% TWEEN(登録商標)−20、2mMバナジウム酸ナトリウム、2mM DTT、及びプロテアーゼインヒビタのカクテル(Complete mini、Boehringer Mannheim 2000、カタログ#1836170)を含有する等容量の2×溶解バッファーと混合した。次いで細胞をダウンスホモジナイザーの緩い内筒を20回上下して細胞破砕し、48,400×gで1時間遠心分離した。M2親和性樹脂をカラム10倍容量の50mMグリシン、pH3.5、次いで20mMトリス、pH7.5、150mM NaClで交互に3回予備洗浄し、最後にトリスNaClで洗浄した。次いで、25カラム容量の20mMトリス、pH7.5、150mM NaCl、0.1%TWEEN(登録商標)−20、1mM EGTA、1mM EDTA及び1×コンプリートミニプロテアーゼ錠剤でカラムを洗浄した。その後、清澄化した溶解液をバッチ状態のM2親和性樹脂に4℃で4時間結合させた。その後、樹脂と溶解液の混合液はカラムに注ぎ、通過液を集めた。カラム10倍容量の20mMトリス、pH7.5、150mM NaCl、及び3mM N−オクチルグルコシドで樹脂を洗浄した。FLAG(登録商標)タグ付Chk1を、次いで、カラム6倍容量の、0.5mg/mLのFLAG(登録商標)ペプチド(Sigma、2000、カタログ# F−3290)を含有する冷20mMトリス、pH7.5、150mM NaCl、3mM N−オクチルグルコシドでカラムから溶出させた。3つの画分を採取して、FLAGタグ付Chk1の存在について分析した。
100ngの精製FLAG(登録商標)−Chk1(150pmolのATP/分)、20μM Cdc25Cペプチド(H−leu−tyr−arg−ser−pro−ser−met−pro−glu−asn−leu−asn−arg−arg−arg−arg−OH)(配列番号1)、4μM ATP、2μCi[32P]γ−ATP、20mM Hepes、pH7.2、5mM MgCl、0.1%NP40、及び1mMDTTを含有するChk1キナーゼ活性のアッセイ。反応は、ATPを含有する反応ミックスの添加によって開始し、室温で10分間行った。リン酸(150mM最終濃度)の添加によって反応を停止し、ホスホセルロースディスクに移した。このホスホセルロースディスクを、150mMリン酸で5回洗浄して、風乾した。シンチレーション液を添加して、ディスクをWallacシンチレーションカウンターで計数した。アッセイ液を、広い範囲の濃度のChk1インヒビタ化合物存在下にインキュベートし、その化合物に対するIC50値を求めた。アッセイに付した本発明の化合物はすべて、このアッセイで約200nM未満のIC50値を示した。
<実施例2>
選択性
比較酵素としてChk1、並びにコンパレータ酵素として以下のプロテインキナーゼ:Cdc2、Chk2、CTAK、EphA1、EphA2、Erk1、FGFR1、FGFR4、IR、JNK1、c−キット、p38alpha、p38beta、p38delta、Ros、Rse、Rsk2、TrkA、TrkB、プロテインキナーゼA、プロテインキナーゼC、pp60v−src、プロテインキナーゼB/Akt−1、p38MapK、p70S6K、カルシウムカルモジュリン依存性キナーゼII、及びab1チロシンキナーゼを用い、本発明のChk1インヒビタを選択性について試験した。
Chk1に対する化合物のIC50値を前記の通りに測定した。SelectSmart(商標名)(MDS Pharma Servies、Bothell、Washington、USA)独占的技術プラットフォームを用い、ELISA変法又は蛍光偏光のいずれかで、コンパレータ酵素に対する化合物のIC50値を測定した。試験したインヒビタはすべて、試験したコンパレータ酵素よりも、Chk1に少なくとも20倍の選択性を示した。
あるいは、これらのキナーゼの各々に対するIC50を定量するためのアッセイは、米国特許公開第2002−016521 A1号明細書、及び1995年1月23日出願のPCT/US95/00912号(双方とも、引用して本願に援用する)を含む文献に、以前に報告されている。
<実施例3>
Chk1インヒビタのECTFS値の定量のための、細胞を基礎にしたアッセイ
本発明に係るChk1インヒビタの、細胞に基づく作用強度を、その化合物がゲムシタビンに対してHT29ヒト癌腫細胞系を増感させる能力を測定することによって評価した。平均ECTFS値は、複数の実験によって求めた。このように、本発明に係るChk1インヒビタは、本明細書に記載の方法により合成した。化合物を10mMの原液濃度で100%ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させて、−70℃で保存した。HT29細胞はATCCから入手し、10%胎児ウシ血清(FCS)、pen/strep、グルタミン及び他の補充物質を含有するRPMIからなる生育培地で維持した。ゲムシタビン塩酸塩はQventasから入手し、50mMのリン酸緩衝食塩水(PBS)に溶解させて、−20℃で保存した。H−チミジンは、Perkin−Elmerから入手した。
HT29細胞は、96ウェル細胞培養プレート(Corning)に、ウェル当たり1.3x10の密度で播種し、終夜接着させた。翌日、ゲムシタビンを先ず125倍希釈し、次いで生育培地中1.2mlのTiter Tubes(商標名、バイオラッド)にて5倍希釈を繰り返した。最終的な希釈系列の濃度は、11、20、4、0.8、0.16、0.032、6.4x10−3、1.28x10−4、及び5.12x10−5nMであった。希釈したゲムシタビンを、次いで細胞に2時間添加した。その後ゲムシタビンを洗浄除去して、希釈した本発明のChk1インヒビタを細胞に24時間添加した。生育培地での最初の1000倍希釈の後、本発明に係る10μM(DMSO原液)Chk1インヒビタを1.2mlのTiter Tubes(商標名)にて連続的に3倍希釈し、2.5、0.83、0.28、0.09、及び0.03μMの最終希釈系列を得た。72時間後に、各ウェル内の細胞を、1μMCiのH−チミジンで12時間標識化し、その後−70℃で凍結した。その後、プレートを解凍して、Cell Mate(商標名)プレートハーベスター(Perkin Elmer)を用いて96ウェルフィルタープレート(Millipore)に収集した。次いでMicroscint(商標名)20(Perkin Elmer)を30μL添加して、プレートをTop Countプレートリーダー(Perkin Elmer)で計数した。データを、本発明に係るChk1インヒビタ単独で処理した細胞に対して正規化し、その後[ゲムシタビン濃度(μM)]対[相対細胞成長(100%が1.0と同等)]の対数/対数グラフにプロットした。90%成長阻害で増加した増感倍数を、用いたChk1インヒビタの各濃度に対して求め、次いでこれを、増感倍数に対するChk1インヒビタ濃度のグラフにプロットした。その後、ECTFS値を計算した。
アッセイに付した本発明のChk1インヒビタのECTFS値の測定値は、約1000nM未満であった。
<実施例4>
本発明のChk1インヒビタは、癌治療による細胞の死滅を強化する
本発明の化合物によるChk1の阻害がDNA損傷因子による死滅効果に対して標的細胞を増感することを立証するために、細胞を本発明のChk1インヒビタの存在下にインキュベートし、放射線又は化学的DNA損傷因子の何れかに曝すことができる。96ウェルのミクロタイタープレートにウェル当たり1000〜2000の密度で播種した細胞を、10%FBS、100U/mLペニシリン及び100μg/mLストレプトマイシンを含有するRMPI1640で、5%COを含む加湿したインキュベーターの中で37℃にて18時間生育する。被検細胞としては、HeLa、ACHN、786−0、HCT116、HCT15、SW620、HT29、Colo205、SK−MEL−5、SK−MEL−28、A549、H322、OVCAR−3、SK−OV−3、MDA−MB−231、MCF−7、PC−3、HL−60、K562、Bx−PC3、Mia−PaCa2、H810、H226、H2126、及びMOLT4といった目的のあらゆる細胞又は細胞系が挙げられる。すべての細胞系の表記は、以下のヒト細胞系を示す。
Figure 2008535830
化学療法薬を単独で、又は化学療法薬とChk1インヒビタとを含有する培地で細胞を処理する。H−チミジン取込のレベルの定量によって成長を測定する前におよそ5日間、細胞をインキュベートする。化学療法薬に含まれるのは、エトプシド、ドキソルビシン、シスプラチン、クロラムブシル、5−フルオロウラシル(5−FU)である。未処理の対照細胞の90%に細胞成長を阻害するのに必要な薬物濃度を、GI90と規定する。
本発明の化合物は、メトトレキセート、ヒドロキシ尿素、2−クロロアデノシン、フルダラビン、アザシチジン、及びゲムシチビンを含むさらなる代謝拮抗剤と共に試験して、この中で作用因子による死滅を強化する能力を評価できる。本発明の化合物は、ゲムシチビンと組み合わせてHT29結腸直腸癌腫の死滅の強化を評価することによって互いに比較できる。
更に、放射線による死滅を強化する本発明のChk1インヒビタの能力を試験できる。
<実施例5>
動物モデルでのChk1インヒビタ活性を測定するための高感度アッセイ
齧歯類腫瘍モデルにおけるChk1インヒビタ活性を測定する、以下の高感度アッセイを開発した。詳細には、このアッセイはとりわけ、Chk1インヒビタがChk1機能を阻止する能力を腫瘍モデルで測定し、分子標的へのChk1インヒビタの接近を円滑にする条件の評価を可能にするのに使用できる。
化学療法で誘発されるチェックポイントを、選択的Chk1インヒビタが抑止する能力は、有糸分裂に特異的な事象であるセリン10(H3−P)でのヒストンH3リン酸化をモニターすることにより有糸分裂の指標を測定する、定量的免疫蛍光アッセイを用いて測定する(Ajiro et al., J Biol Chem., 271:13197−201, 1996; Goto et al., J Biol Chem., 274:25543−9, 1999)。アッセイプロトコルは以下の通りである。Chk1活性化因子(本研究では、化学療法薬)及び/又はChk1インヒビタで処理した、又は処理しない齧歯類由来の腫瘍を切除して、パラフィン包埋する。腫瘍を6ミクロンの厚みの切片に切り、ガラススライドに載置する。キシレン、100%エタノール、95%エタノール、70%エタノール及び脱イオン水での3分間の連続処理によって、スライドからパラフィンを除去する。次にスライドを10mMクエン酸ナトリウム中で95℃に10分間加熱し、その後20分の冷却工程を行う。スライドを、ブロッキングバッファー(0.05%TritonX−100(PBST)を含有する20%正常ヒト血清及び2%ウシ血清アルブミンのリン酸緩衝食塩水)で30分間ブロッキングする。抗ホスホヒストンH3抗体(Upstate Biotech、Cat.#06−570)をブロッキングバッファーで1:200に希釈し、1時間スライドとインキュベートする。スライドをPBST中で5分間3回洗浄する。二次抗体の、ロバ抗ウサギローダミン(Jackson、cat#711−295−152)を30分間添加する。次いでスライドをPBSTで2回洗浄し、75μMの0.1μM/ml DAPI(Sigma)を含むリン酸緩衝食塩水(PBS)を添加して30分間染色させる。その後スライドをPBSTで更に2回洗浄し、Vectashield(ベクター、cat#H−1400)に載置する。蛍光顕微鏡を用いてスライドを観察する。Metamorphソフトウェア(Universal Imaging Corporation、Version 4.6)を用いて、H3−P抗体で染色された細胞の総(DAPI染色)細胞に対する、百分率を数量化する。
<実施例6>
選択的Chk1インヒビタは、DNA損傷で誘発されたG2及びS期チェックポイントを抑止する。
以前の研究により、選択的Chk1インヒビタは、DNA損傷で誘発されたG2/M及びS期チェックポイントを実質的に抑止することが立証されている。前者では、DNA損傷はイオン化放射線(IR)によって誘発され、その標的期はG2期である。後者では、DNA損傷は標的期がS期である化学療法薬によって誘発される。公開された米国特許出願公開第2003/0069284号明細書参照、この文献を本明細書で引用する。
概説すると、IRで誘発されたG2DNA損傷チェックポイントのChk1インヒビタによる抑止は、有糸分裂の指標実験によってアッセイする。およそ1x10のHeLa細胞を、800ラドで照射し、37℃で7時間インキュベートする。これらの細胞は機能的にp53陰性なので、専らG2のみで休止する。次いで、ノコダゾールを0.5μg/mLの濃度に添加して、37℃で15時間インキュベートする。(ノコダゾールの添加は、有糸分裂においてG2休止を経た細胞をトラップし、よってそれらが更にG1に進むのを阻止して、M期細胞の数量化を可能とするように計画する。)選択的Chk1インヒビタを8時間添加し、この細胞を遠心によって収集し、PBSで1回洗浄して、その後2.5mLの75mM KClに再懸濁させて再び遠心する。細胞はその後、調製したばかりの冷酢酸:MeOH(1:3)3mLで固定して、氷上で20分間インキュベートする。細胞をペレット化して固定液を吸引し、0.5mLのPBSに細胞を再懸濁する。100μLの固定した細胞をガラス顕微鏡スライド上にピペッティングし、1mlの固定液で試料を横溢することによって、有糸分裂スプレッドを調製する。その後、スライドを風乾して、Wrights染色液(Sigma、St.Louis、MO)で1分間染色し、次いで水で1回洗浄し、50%MeOHで1回洗浄する。濃縮された染色体の存在と、核エンベロープの欠損で有糸分裂細胞を同定する。Chk1インヒビタによって、放射線照射のもとに有糸分裂細胞数の増加がもたらされ、これにより、IRで誘発されたG2休止の抑止が立証される。このチェックポイント抑止の結果、サイクリンB/cdc2の活性の増強が引き起こされ、これは有糸分裂への細胞の進行に必要なものである。IRと、その後Chk1インヒビタで処理した細胞はかくして、損傷を受けたDNAを備えて有糸分裂に進む。これらの実験によって、IRで誘発されたG2にChk1が関わっているという仮説を確証する。
<実施例7>
異種移植片腫瘍モデルで、Chk1活性化因子の存在下、Chk1インヒビタは腫瘍によって取り込まれる。
異種移植片腫瘍モデルで、ヌードマウスの横腹にHT29結腸癌腫腫瘍を移植し、200mmまで成長させる。その後マウスは、媒体、300mg/kgChk1インヒビタ、20mg/kgゲムシタビンのいずれかで処理するか、又は300mg/kgChk1インヒビタと20mg/kgゲムシタビンとを2回、3日間あけて1日目と4日目に一緒に投与する。腫瘍担持マウスのChk1インヒビタとゲムシタビンとの共投与による処理の結果、ゲムシタビン単独に比較して腫瘍の成長に4日の遅延が引き起こされる。
腫瘍組織へのChk1インヒビタの拡散を評価するために、Chk1インヒビタの血漿及び組織レベルを測定する。Alzetポンプを用いて、連続送達システムにて24時間にわたり500mg/kgのChk1インヒビタをHT29腫瘍担持マウスに投与する。血漿試料を採取し、その後腫瘍、腎臓、肝臓、脾臓、及び肺を回収する。1、2、4、8、及び24時間の時点で採取を行う。組織を抽出し、Chk1インヒビタのレベルを数量化する。この実験により、Chk1インヒビタが正常及び腫瘍組織内に浸透し、腫瘍組織で約15μMのレベルに達し、脾臓組織では8時間で約20μMの最高値になることが示される。このように、Chk1インヒビタは増殖している細胞によって容易に取り込まれた。そしてこれは、Chk1を活性化する化学療法薬と併せて、増殖性疾患の処置のための療法として有用である。
<実施例8>
Chk1インヒビタ及びゲムシタビンで処理した腫瘍の用量応答
ゲムシタビン処理後のChk1インヒビタの有効用量と、用量依存性のチェックポイント抑止が抗腫瘍活性と呼応しているかどうかを調べるために、用量応答実験を実施する。
ヌードマウスにHT29腫瘍細胞を移植して、腫瘍を10日間増大させる。開始時の腫瘍は、およそ100mmであった。動物をMTD(160mg/kg)のゲムシタビンで、その後50mg/kg、200mg/kg、又は400mg/kgのChk1インヒビタで処理した。ゲムシタビン前処理の時間はこの実験では32時間であり、これは当該時点がこの型の腫瘍に対して至適であることを示した、細胞を基礎にしたアッセイによって求めたものである。各治療計画における腫瘍体積の解析によって、HT29腫瘍担持マウスを前記療法で処理すると、ゲムシタビンに加えて200mg/kg又は400mg/kgのChk1インヒビタのいずれかにより、ゲムシタビン単独よりも腫瘍の成長を遅らせることが示唆され、また、Chk1インヒビタの用量依存性効果を示していた。
<実施例9>
作用因子がChk1活性化因子であるかどうかを調べるアッセイ
作用因子がChk1活性化因子であるかどうかを調べるために、Chk1の特異的リン酸化部位に対するホスホ特異抗体を用いてChk1のリン酸化状態を測定できる。セリン317及び345は、イオン化放射線、紫外放射線、ヒドロキシ尿素、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(MNNG)、テモゾラマイド及びゲムシタビンで細胞を処理した後にリン酸化されることが示されている(Liu et al., Genes Dev. 14:1448−1459, 2000; Zhao et al., Mol. Cell Biol. 21:4129−4139, 2001; Lopez−Girona et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 98:11289−11294, 2001; Guo et al., Genes Dev. 14:2745−2756, 2000; Gatei et al., J. Biol. Chem. 278:14806−14811, 2003; Ng et al., J Biol Chem)。これらセリン部位は、上流のチェックポイントキナーゼ、Atm及びAtrによってリン酸化される(Liu et al., Genes Dev. 14:1448−1459, 2000; Zhao et al. Mol. Cell Biol., 21:4129−4139, 2001)。
Chk1活性化因子の候補物質に応答するこれらの部位のリン酸化は、腫瘍細胞のウエスタンブロット又は免疫組織化学的方法によってモニターできる。例えば、以下の手順を用いて、ゲムシタビンがセリン345及び317でChk1活性化を引き起こすことを立証できる。HT29細胞を、20μMゲムシタビンで2時間処理する。ゲムシタビンを細胞生育培地から洗い去り、この細胞を更に22時間インキュベートする。タンパク質溶解液を調製して、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離する。タンパク質をPVDF膜に転写して、リン酸化セリン317又は345(細胞シグナリング)の何れかに特異的な抗血清(細胞シグナリング)でプローブ検知する。ウエスタンブロットによって、HT29結腸癌腫細胞のゲムシタビン処理は、セリン317及び345の双方のリン酸化をもたらすことが示される。
<実施例10>
Chk1インヒビタに応答するChk1活性をモニターするためのアッセイ
セリン296でのChk1のリン酸化が、ゲムシタビンでの腫瘍細胞の処理によって刺激され、この部位でのリン酸化はChk1インヒビタによって阻害されることが見出されている。この部位でのリン酸化は、Atm及びAtrを阻害するワートマニンによって阻害されない。従って、セリン296のリン酸化は、セリン317及び345でのリン酸化と異なっている。更に、この部位は、精製されたChk1調製物でリン酸化されることが見出されており、精製酵素が、それ自体又は他のChk1分子をセリン296でリン酸化できることを示唆している。まとめると、これらのデータは、セリン296でのリン酸化はChk1自体によって行われることを示唆している。従って、このアプローチを使用して、Chk1活性化因子に応答する、腫瘍でのChk1活性をモニターできる。更に、このアプローチを使用して、Chk1インヒビタによるChk1活性化の阻害を測定できる。
同様に、20μMゲムシタビンでHT29細胞を2時間処理する。ゲムシタビンを細胞生育培地から洗い去り、この細胞を更に22時間インキュベートする。タンパク質溶解液を調製して、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離する。タンパク質をポリビニリデンフルオライド(PVDF)膜に転写して、リン酸化セリン296(細胞シグナリング)に特異的な抗血清(細胞シグナリング)でプローブ検知する。ウエスタンブロットによって、HT29結腸癌腫細胞のゲムシタビン処理は、セリン296のリン酸化をもたらすことが示される。更に、選択的Chk1インヒビタで15分間処理したHT29細胞は、セリン296のリン酸化を示さない。これらのデータは、セリン296のリン酸化がChk1キナーゼによって行われることを示唆している。
<実施例11>
動物腫瘍モデル
マウスにおけるDNA損傷因子による腫瘍の死滅を本発明のChk1インヒビタが強化する能力を試験するために、結腸腫瘍細胞系を用いる異種移植片腫瘍モデルを確立する。5−フルオロウラシル(5−FU)又はゲムシタビンを、DNA損傷因子として使用できる。HT29及びColo205(ヒト結腸癌腫)並びにH460及びCalu−6(非小細胞癌腫)細胞を使用して、6〜8週齢の雌性胸腺Balb/c(nu/nu)マウスで異種移植片腫瘍を増殖できる。マウスは、層状空気流キャビネットで無病原体条件下に保持し、適宜無菌食餌及び水を与えた。5%CO加湿環境において、10%FBS、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン、及び1.5mML−グルタミンを補充したRPMI1640培地で細胞系を亜集密にまで生育する。単一種細胞懸濁液をCMF−PBSで調製し、細胞濃度は1×10細胞/mLに調整する。合計1x10細胞(100μL)を、マウスの右横腹又は右足の皮下(s.c.)に接種する。マウスを4処置群に無作為化し(5〜15匹のマウス/群)、腫瘍が75〜100cmの体積に達したら(通常、接種後7〜11日)使用する。腫瘍を副尺付きカリパスで計測して、経験的に導き出した式:腫瘍体積(cm)=腫瘍長さ(cm)×腫瘍幅(cm)×腫瘍深さ(cm)/3.3を用いて腫瘍体積を概算する。処置は、以下の工程からなる:i)ゲムシタビンを160mg/kgで100μL腹腔内(i.p)注射。腫瘍成長の遅延は、ゲムシタビンで処理したマウスで観察される。Chk1インヒビタの経口投与と組み合わせた160mg/kgゲムシタビンとの両者でのマウスの処理は、腫瘍体積を低減して寿命を延ばすことが予想される。腫瘍サイズは、実験期間中、隔日にモニターする。明らかに、上記した通り、本発明の多くの修正及び変形を本発明の技術的思想及び技術的範囲内でなすことができるため、その制限は特許請求の範囲によって規定されるものだけによるべきである。

Claims (5)

1-[5-ブロモ-4-メチル-2-S-(モルホリン-2-イルメトキシ)-フェニル]-3-(5-メチル-ピラジン-2-イル)-尿素である化合物またはその薬学的に許容できる塩。
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩、および薬学的に許容できる希釈剤または担体を含む医薬組成物。
治療における使用のための請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
大腸癌、頭部及び頚部癌、膵癌、乳癌、胃癌、膀胱癌、外陰部癌、白血病、リンパ腫、メラノーマ、腎細胞癌腫、卵巣癌、脳癌、骨肉腫または肺癌の治療における使用のための請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
大腸癌、頭部及び頚部癌、膵癌、乳癌、胃癌、膀胱癌、外陰部癌、白血病、リンパ腫、メラノーマ、腎細胞癌腫、卵巣癌、脳癌、骨肉腫または肺癌の治療のための医薬の製造における請求項1に記載の化合物の使用。
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